車両のフロアパネル構造
【課題】 重量を増加させることなく、良好な制振性能が得られる車両のフロアパネル構造を提供する。
【解決手段】 異方向ビード31…が形成された左,右アッパパネル部材14,14が、フロアパネル本体13に上下方向で重合されて、このフロアパネル本体13に突設形成されたビード17の上面部17aに、異方向ビード31…が、略直交するように交差された状態で、前記接着材40を介在させて接合されている。
このため、面内,外方向へ、荷重入力が加わって、車両上,下方向に、フロアパネル部12が、撓んでも、下面部32a下面側と、上面部17a上面側との間で、接合に用いられる接着材40…が、弾性変形して、ダンピング効果を得られる。
【解決手段】 異方向ビード31…が形成された左,右アッパパネル部材14,14が、フロアパネル本体13に上下方向で重合されて、このフロアパネル本体13に突設形成されたビード17の上面部17aに、異方向ビード31…が、略直交するように交差された状態で、前記接着材40を介在させて接合されている。
このため、面内,外方向へ、荷重入力が加わって、車両上,下方向に、フロアパネル部12が、撓んでも、下面部32a下面側と、上面部17a上面側との間で、接合に用いられる接着材40…が、弾性変形して、ダンピング効果を得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロアパネル構造に関するもので、特に、軽量化を図りつつ、遮音性能を向上させた車両のフロアパネル構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両のフロアパネル構造としては、例えば、図14及び図16に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
まず、従来の車両のフロアパネル構造の構成について説明すると、車両1の車体下部1aを構成するフロアパネル2には、車幅方向略中央部に上方へ向けて凸となるセンタトンネル部3が一体に膨出形成されている。
【0004】
また、このフロアパネル2の車幅方向側縁部には、断面中空状を呈することにより、高剛性を有するサイドシル部4,4が、車両前後方向に沿って、左,右一対延設されている。
【0005】
そして、このフロアパネル2の上面側には、前記センタトンネル部3の左,右側面部3a,3aと、各サイドシル部4,4との間を連結するように、センタクロスメンバ部材5,5及び、リヤクロスメンバ部材6,6等が、車幅方向に沿って設けられている。
【0006】
更に、このフロアパネル2の上面側には、複数のアスファルトインシュレータ7a,7a,7b,7b、8,8、及び9,9が、敷設されている。
【0007】
次に、この従来の車両のフロアパネル構造の作用効果について説明する。
【0008】
このように構成された従来の車両のフロアパネル構造では、前記センタクロスメンバ部材5,5及びリヤクロスメンバ部材6,6によって、前記センタトンネル部3の左,右側面部3a,3aと、各サイドシル部4,4との間が、連結されることより、前記フロアパネル2の剛性が増大されて、特に、車両側面からの荷重入力に対する衝撃吸収性能が向上される。
【0009】
また、前記フロアパネル2の上面部に敷設されるアスファルトインシュレータ7a〜9が、比較的比重が高く、薄板状でも質量が、大きく設定されていることにより、このフロアパネル2の制振性能を向上させて、車室内外への騒音の伝播が抑制される。
【特許文献1】特開平7−323476号公報(第0019段落乃至第0053段落、図1,図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の車両のフロアパネル構造においては、前記フロアパネル2の制振性能を向上させる為、前記アスファルトインシュレータ7a〜9の敷設量を多く設定して、重量を増大させることにより、フロアパネル自体の面内外方向への振動を抑制しなればならない。
【0011】
特に、図16に示すように、前記アスファルトインシュレータ7a,7b〜9の敷設されたフロアパネル2では、ピーク周波数が、98Hz付近と比較的低く発現する。
【0012】
このため、所望の制振性能を得る為には、大量のアスファルトインシュレータ7a〜9を用いて、低周波数行きの振動を抑えこまなればならず、軽量化しにくいといった問題があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、重量の増加を抑制しつつ、良好な制振性能が得られる車両のフロアパネル構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載されたものは、車体下面側に設けられるフロアパネル部が、フロアパネル本体及び該フロアパネル本体の上方に重合配置されるアッパパネルとを有して構成されて、該アッパパネル又は、フロアパネル本体のうち、何れか一方に、凹凸状を呈するように複数のビードを形成すると共に、他方には、凹凸状を呈して、前記一方に形成されたビードの延設方向と交差する方向に、延設方向を有する異方向ビードを形成する車両のフロアパネル構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載されたものによれば、前記異方向ビードが形成されたアッパパネルが、前記フロアパネル本体に上下方向で重合されて、該フロアパネル本体のビードに該異方向ビードが、交差された状態となる。
【0016】
このため、車体下面側に充分な断面高さを有するフロアパネル部を、位置させることができると共に、面内,外方向への荷重入力を面延設方向に逃がして、多方向での剛性を向上させることができる。
【0017】
また、前記フロアパネル本体及び前記アッパパネルによって、車室内外の区画が二重となり、遮音性能が向上し、良好な音振性能が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施の形態の車両のフロアパネル構造を図面に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0019】
図1乃至図13は、この発明の実施の形態の車両のフロアパネル構造を示すものである。
【0020】
まず、構成から説明すると、この実施の形態の車両のフロアパネル構造では、車両10の車体11のうち、下面側11aを構成するフロアパネル部12は、下側に位置するフロアパネル本体13と、このフロアパネル本体13に上,下方向で重合されて、上側に位置するアッパパネルとしての左,右アッパパネル部材14,14と、これらのフロアパネル本体13及び、各左,右アッパパネル部材14,14間を接続するシートマウントブラケット部材15…,16…とを有して、主に構成されている。
【0021】
このうち、前記フロアパネル本体13には、車幅方向略中央部に、車両前後方向へ向けて延設されると共に、上方へ向けて凸となるセンタトンネル部13aが一体に形成されている。
【0022】
このセンタトンネル部13aは、左,右側面部13b,13b及び上面部13cとによって、断面略ハット状に一体に膨出形成されていて、前記上面部13cの一部には、シフトレバー開口部13dが、開口形成されている。
【0023】
また、このフロアパネル本体13の車幅方向側縁部には、断面略L字状を呈して、一体に形成される左,右垂直フランジ部13e,13eが、設けられている。
【0024】
これらの左,右垂直フランジ部13e,13eは、断面中空状を呈することにより、高剛性を有して、車両前後方向に沿って、左,右一対延設されているサイドシル部4,4の各車室内側側面に接続されている。
【0025】
そして、図2に示すように、このフロアパネル本体13のうち、前記センタトンネル部13の左,右側面部13b,13bと、左,右各サイドシル部4,4との間に設けられる左,右フロア面部20,20には、各々複数のビード17…が、車両前後方向に沿って、略平行に延設されている。
【0026】
この実施の形態では、前記各左,右フロア面部20,20の各ビード17,17間に、凹溝部18…が、各々形成されることにより、上,下方向で凹凸状が略等間隔で繰り返されるように構成されている。
【0027】
また、前記上側の左,右アッパパネル部材14,14には、前記各フロア面部20,20と重ね合わされる左,右アッパ面部30,30が形成されている。
【0028】
この左,右アッパ面部30,30には、前記ビード17…の延設方向と交差する方向である車幅方向に、延設方向を有する複数の異方向ビード31…が、略等ピッチで、略平行に設けられている。
【0029】
これらの各異方向ビード31,31間には、横凹溝部32…が各々略一定間隔で形成されて、前記各異方向ビート31…と共に凹凸状を呈するように構成されている。
【0030】
更に、この実施の形態では、前記左,右アッパ面部20,20の車幅方向側縁に、断面略L字状に屈曲形成された内,外接合フランジ部33,34が一体に形成されている。
【0031】
これらの各内,外接合フランジ部33,34は、前記センタトンネル部13の左,右側面部13bと、前記左,右垂直フランジ部13e,13e及びサイドシル部4,4の内側面とに各々接合されている。
【0032】
また、図1に示すように、これらの各内,外接合フランジ部33,34が形成された車幅方向側縁には、前記各シートマウントブラケット部材15,15及び16,16が、係合されて固着される内,外切欠部35,35及び36,36が、前後一対づつ、上面視略方形形状を呈するように凹設形成されている。
【0033】
更に、図3に示すように、これらの各切欠部35,36の周縁部35a,36aには、三面を有することにより、この切欠部35,36を、上面視略コ字状に囲む接合縦壁面部35b,36bが、略垂直に立設されている。
【0034】
この実施の形態では、更に、離間配置された前,後二本の前記異方向ビード31,31の端部31a,31aが、この接合縦壁面部35b,36bの一側面に接続されている。
【0035】
また、前記シートマウントブラケット部材15,16は、図3に示されるように、上面略方形形状のブラケットブロック部15a,16aを有している。
【0036】
このブラケットブロック部15a,16aは、シート座面を構成する上面部15e,15eと、このブラケットブロック部15a,16aの側面部を構成して、前記接合縦壁面部35b,36bと接合される周面部15b,16bとが、各周辺部を接合して、略中空略立方体状を呈するように、構成されている。
【0037】
この周面部15b,16bの下縁側周囲には、前記切欠部35,36の周縁部35a,36aのうち、左,右アッパ面部30,30に接合される水平フランジ部15c,16cが、一体に形成されている。
【0038】
この実施の形態の水平フランジ部15c,16cは、前記左,右アッパ面部30,30に溶接されると共に、ボルトナット部材21,21によって、更に、締結されている。
【0039】
また、このブラケットブロック部15a,16aの一側面部には、前記内,外接合フランジ部33,34及び前記センタトンネル部13aの左,右側面部13b,13b又は、サイドシル部4,4に接合される縦フランジ部15d,16dが、一体に形成されている。 この実施の形態の縦フランジ部15d,16dは、前記内,外接合フランジ部33,34と共に、前記センタトンネル部13aの左,右側面部13b,13b又は、サイドシル部4,4に溶接されると共に、更に、ボルトナット部材21,21によって、締結されている。
【0040】
前記フロアパネル本体13と、前記左,右アッパパネル部材14,14との間の接合は、接着硬化後、弾性変形可能な基材となる接着材40により行われている。
【0041】
すなわち、この実施の形態では、図4及び図5に示すように、前記フロアパネル本体13の前記各ビード17…は、前記左,右アッパパネル部材14,14側対向面から、車両上方に向けて、凸となるように構成されて、平坦状の上面部17a…を有している。
【0042】
また、前記左,右アッパパネル部材14の下面側から突設形成される前記異方向ビード31…は、前記フロアパネル本体13方向である車体下方に向けて凸となるように構成されて、平坦状の下面部32a…を有している。
【0043】
そして、これらの前記左,右アッパパネル部材14,14に形成された凹溝部32…の下面部32a…下面側と、前記フロアパネル本体13の前記ビード17の上面部17a上面側との間が、前記接着材40…によって、接合されている。
【0044】
次に、この実施の形態の車両のフロアパネル構造の作用効果について説明する。
【0045】
この実施の形態では、図1に示すように、前記異方向ビード31…が形成された左,右アッパパネル部材14,14が、前記フロアパネル本体13に上下方向で重合されている。
【0046】
そして、図4及び図5に示すように、このフロアパネル本体13に突設形成されたビード17の上面部17aに、前記異方向ビード31…が、略直交するように交差された状態で、前記接着材40を介在させて接合されている。
【0047】
このため、車体11の下面側11aに位置して設けられたフロアパネル部12では、図4及び図5に示すように、凹溝部18の下面部18aから、異方向ビード31の上面部31cに至るまで、充分な断面高さを得られる高さ方向寸法hを設定することが出来る。
【0048】
また、この実施の形態では、前記左,右アッパパネル本体11に形成された凹溝部32…の下面部32a下面側と、前記フロアパネル本体13の前記ビード17の上面部17a上面側との間が、前記接着材40…によって、接合されている。
【0049】
このため、図7及び図8に示すように、面内,外方向へ、荷重入力が加わって、車両上,下方向に、前記フロアパネル部12が、撓んでも、前記下面部32a下面側と、前記上面部17a上面側との間で、接合に用いられる前記接着材40…が、弾性変形する。
【0050】
この接着材40…の弾性変形により、前記荷重入力は、吸収されて減衰される。
【0051】
また、面延設方向に逃がされた荷重入力は、図7及び図8中、横向きの矢印に示すように、車幅方向及び車両前後方向へ離間するに従って、大きな相対方向変位量となり、面全体でダンピング効果を得ることができる。
【0052】
更に、この実施の形態では、フロアパネル部12では、前記ビード17…及び異方向ビード31…が、略直交状態で交差されて、接合されているので、車両前後方向及び車幅方向への曲げ応力が、相互に補完されている。
【0053】
従って、この実施の形態のフロアパネル部12では、前記ビード17…及び異方向ビード31…による車両前後方向の曲げ応力及び車幅方向への曲げ応力の向上に加えて、面内,外方向への荷重入力によって発生する多方向へのダンピング効果を得られ、車体11の剛性を向上させることができる。
【0054】
また、前記フロアパネル本体13及び前記左,右アッパパネル部材14,14によって、車室内外の区画が二重となり、遮音性能が良好なものとなり、音振性能が良好である。
【0055】
前記図14に示す従来のアスファルトインシュレータ7a,7b〜9が敷設されたフロアパネル2では、ピーク周波数が、98Hz付近と比較的低く発現していたが、この実施の形態のフロアパネル部12では、図11に示されるように、98Hz付近の低周波領域の音を削減して、ピーク周波数を480Hz付近とすることが出来、良好な制振性能を得ることができる。
【0056】
このため、従来のように、比重の高いアスファルトインシュレータ7a,7b〜9に比べて、面剛性を向上させながら、軽量化及び部品点数の削減によるコストダウンを行うことができる。
【実施例1】
【0057】
図12及び図13は、この発明の実施の形態の実施例1の車両のフロアパネル構造を示すものである。
【0058】
なお、前記実施の形態と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0059】
この実施例1では、フロアパネル部112を構成するフロアパネル本体113と、アッパネル114との間が、弾性を有する接着材140…によって、接合されている。
【0060】
すなわち、この実施例1では、前記アッパパネル114のうち、前記異方向ビード113のフロアパネル本体113方向に凹状となる凹溝部131aと、この凹溝部131aから離間配置された前記フロアパネル本体113の前記ビード17…の上面部17aとの間が、柱状の接着材140で接合されている。
【0061】
次に、この実施例1の作用効果について説明する。
【0062】
この実施例1では、離間配置された前記下面側131aと上面部17aとの間を接合する柱状の接着材140が、前記アッパパネル114の厚みと略同程度の高さ方向寸法h2を有している。
【0063】
このため、更に、可動範囲が拡大して、フロアパネル部112の面内,外方向への荷重入力によって発生する多方向へのダンピング効果を得られ、車体11の剛性を向上させることができる。
【0064】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【0065】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0066】
即ち、前記実施の形態では、前記接着材40によって、前記フロアパネル本体13と、前記左,右アッパパネル部材14との間の接合が行われているが、特にこれに限らず、例えば、溶接により行うものであっても、前記フロアパネル本体13と、前記左,右アッパパネル部材14とが、上下方向で、重合配置されるものであれば、接続構造の形状、数量及び材質が特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態の車両のフロアパネル構造で、車両を構成する車体の一部分解斜視図である。
【図2】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル部の斜視図である。
【図3】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、シートマウントブラケット部周縁の拡大斜視図である。
【図4】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図5】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図2中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図6】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面が、上方に向けて撓んだ状態を説明する模式的な一部断面斜視図である。
【図7】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面が、下方に向けて撓んだ状態を説明する図5に相当する部分での模式的な断面図である。
【図8】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面が、上方に向けて撓んだ状態を説明する図5に相当する部分での模式的な断面図である。
【図9】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面を、上方から見た上面図である。
【図10】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図9中D−D線に沿った位置での断面図である。
【図11】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、振動と騒音との関係を説明し、ピーク周波数の位置を示すグラフ図である。
【図12】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面を、上方から見た上面図である。
【図13】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図12中E−E線に沿った位置での断面図である。
【図14】従来例の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面を、上方から見た上面図である。
【図15】従来例の車両のフロアパネル構造で、図14中F−F線に沿った位置での断面図である。
【図16】従来例の車両のフロアパネル構造で、振動と騒音との関係を説明し、ピーク周波数の位置を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0068】
4 サイドシル部
12 フロアパネル部
13 フロアパネル本体
14 左,右アッパパネル部材(アッパパネル)
17 ビード
17a 上面部
20,20 左,右フロア面部
30,30 左,右アッパ面部
31,131 異方向ビード
40,140 接着材
114 アッパパネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロアパネル構造に関するもので、特に、軽量化を図りつつ、遮音性能を向上させた車両のフロアパネル構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両のフロアパネル構造としては、例えば、図14及び図16に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
まず、従来の車両のフロアパネル構造の構成について説明すると、車両1の車体下部1aを構成するフロアパネル2には、車幅方向略中央部に上方へ向けて凸となるセンタトンネル部3が一体に膨出形成されている。
【0004】
また、このフロアパネル2の車幅方向側縁部には、断面中空状を呈することにより、高剛性を有するサイドシル部4,4が、車両前後方向に沿って、左,右一対延設されている。
【0005】
そして、このフロアパネル2の上面側には、前記センタトンネル部3の左,右側面部3a,3aと、各サイドシル部4,4との間を連結するように、センタクロスメンバ部材5,5及び、リヤクロスメンバ部材6,6等が、車幅方向に沿って設けられている。
【0006】
更に、このフロアパネル2の上面側には、複数のアスファルトインシュレータ7a,7a,7b,7b、8,8、及び9,9が、敷設されている。
【0007】
次に、この従来の車両のフロアパネル構造の作用効果について説明する。
【0008】
このように構成された従来の車両のフロアパネル構造では、前記センタクロスメンバ部材5,5及びリヤクロスメンバ部材6,6によって、前記センタトンネル部3の左,右側面部3a,3aと、各サイドシル部4,4との間が、連結されることより、前記フロアパネル2の剛性が増大されて、特に、車両側面からの荷重入力に対する衝撃吸収性能が向上される。
【0009】
また、前記フロアパネル2の上面部に敷設されるアスファルトインシュレータ7a〜9が、比較的比重が高く、薄板状でも質量が、大きく設定されていることにより、このフロアパネル2の制振性能を向上させて、車室内外への騒音の伝播が抑制される。
【特許文献1】特開平7−323476号公報(第0019段落乃至第0053段落、図1,図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の車両のフロアパネル構造においては、前記フロアパネル2の制振性能を向上させる為、前記アスファルトインシュレータ7a〜9の敷設量を多く設定して、重量を増大させることにより、フロアパネル自体の面内外方向への振動を抑制しなればならない。
【0011】
特に、図16に示すように、前記アスファルトインシュレータ7a,7b〜9の敷設されたフロアパネル2では、ピーク周波数が、98Hz付近と比較的低く発現する。
【0012】
このため、所望の制振性能を得る為には、大量のアスファルトインシュレータ7a〜9を用いて、低周波数行きの振動を抑えこまなればならず、軽量化しにくいといった問題があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、重量の増加を抑制しつつ、良好な制振性能が得られる車両のフロアパネル構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載されたものは、車体下面側に設けられるフロアパネル部が、フロアパネル本体及び該フロアパネル本体の上方に重合配置されるアッパパネルとを有して構成されて、該アッパパネル又は、フロアパネル本体のうち、何れか一方に、凹凸状を呈するように複数のビードを形成すると共に、他方には、凹凸状を呈して、前記一方に形成されたビードの延設方向と交差する方向に、延設方向を有する異方向ビードを形成する車両のフロアパネル構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載されたものによれば、前記異方向ビードが形成されたアッパパネルが、前記フロアパネル本体に上下方向で重合されて、該フロアパネル本体のビードに該異方向ビードが、交差された状態となる。
【0016】
このため、車体下面側に充分な断面高さを有するフロアパネル部を、位置させることができると共に、面内,外方向への荷重入力を面延設方向に逃がして、多方向での剛性を向上させることができる。
【0017】
また、前記フロアパネル本体及び前記アッパパネルによって、車室内外の区画が二重となり、遮音性能が向上し、良好な音振性能が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施の形態の車両のフロアパネル構造を図面に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0019】
図1乃至図13は、この発明の実施の形態の車両のフロアパネル構造を示すものである。
【0020】
まず、構成から説明すると、この実施の形態の車両のフロアパネル構造では、車両10の車体11のうち、下面側11aを構成するフロアパネル部12は、下側に位置するフロアパネル本体13と、このフロアパネル本体13に上,下方向で重合されて、上側に位置するアッパパネルとしての左,右アッパパネル部材14,14と、これらのフロアパネル本体13及び、各左,右アッパパネル部材14,14間を接続するシートマウントブラケット部材15…,16…とを有して、主に構成されている。
【0021】
このうち、前記フロアパネル本体13には、車幅方向略中央部に、車両前後方向へ向けて延設されると共に、上方へ向けて凸となるセンタトンネル部13aが一体に形成されている。
【0022】
このセンタトンネル部13aは、左,右側面部13b,13b及び上面部13cとによって、断面略ハット状に一体に膨出形成されていて、前記上面部13cの一部には、シフトレバー開口部13dが、開口形成されている。
【0023】
また、このフロアパネル本体13の車幅方向側縁部には、断面略L字状を呈して、一体に形成される左,右垂直フランジ部13e,13eが、設けられている。
【0024】
これらの左,右垂直フランジ部13e,13eは、断面中空状を呈することにより、高剛性を有して、車両前後方向に沿って、左,右一対延設されているサイドシル部4,4の各車室内側側面に接続されている。
【0025】
そして、図2に示すように、このフロアパネル本体13のうち、前記センタトンネル部13の左,右側面部13b,13bと、左,右各サイドシル部4,4との間に設けられる左,右フロア面部20,20には、各々複数のビード17…が、車両前後方向に沿って、略平行に延設されている。
【0026】
この実施の形態では、前記各左,右フロア面部20,20の各ビード17,17間に、凹溝部18…が、各々形成されることにより、上,下方向で凹凸状が略等間隔で繰り返されるように構成されている。
【0027】
また、前記上側の左,右アッパパネル部材14,14には、前記各フロア面部20,20と重ね合わされる左,右アッパ面部30,30が形成されている。
【0028】
この左,右アッパ面部30,30には、前記ビード17…の延設方向と交差する方向である車幅方向に、延設方向を有する複数の異方向ビード31…が、略等ピッチで、略平行に設けられている。
【0029】
これらの各異方向ビード31,31間には、横凹溝部32…が各々略一定間隔で形成されて、前記各異方向ビート31…と共に凹凸状を呈するように構成されている。
【0030】
更に、この実施の形態では、前記左,右アッパ面部20,20の車幅方向側縁に、断面略L字状に屈曲形成された内,外接合フランジ部33,34が一体に形成されている。
【0031】
これらの各内,外接合フランジ部33,34は、前記センタトンネル部13の左,右側面部13bと、前記左,右垂直フランジ部13e,13e及びサイドシル部4,4の内側面とに各々接合されている。
【0032】
また、図1に示すように、これらの各内,外接合フランジ部33,34が形成された車幅方向側縁には、前記各シートマウントブラケット部材15,15及び16,16が、係合されて固着される内,外切欠部35,35及び36,36が、前後一対づつ、上面視略方形形状を呈するように凹設形成されている。
【0033】
更に、図3に示すように、これらの各切欠部35,36の周縁部35a,36aには、三面を有することにより、この切欠部35,36を、上面視略コ字状に囲む接合縦壁面部35b,36bが、略垂直に立設されている。
【0034】
この実施の形態では、更に、離間配置された前,後二本の前記異方向ビード31,31の端部31a,31aが、この接合縦壁面部35b,36bの一側面に接続されている。
【0035】
また、前記シートマウントブラケット部材15,16は、図3に示されるように、上面略方形形状のブラケットブロック部15a,16aを有している。
【0036】
このブラケットブロック部15a,16aは、シート座面を構成する上面部15e,15eと、このブラケットブロック部15a,16aの側面部を構成して、前記接合縦壁面部35b,36bと接合される周面部15b,16bとが、各周辺部を接合して、略中空略立方体状を呈するように、構成されている。
【0037】
この周面部15b,16bの下縁側周囲には、前記切欠部35,36の周縁部35a,36aのうち、左,右アッパ面部30,30に接合される水平フランジ部15c,16cが、一体に形成されている。
【0038】
この実施の形態の水平フランジ部15c,16cは、前記左,右アッパ面部30,30に溶接されると共に、ボルトナット部材21,21によって、更に、締結されている。
【0039】
また、このブラケットブロック部15a,16aの一側面部には、前記内,外接合フランジ部33,34及び前記センタトンネル部13aの左,右側面部13b,13b又は、サイドシル部4,4に接合される縦フランジ部15d,16dが、一体に形成されている。 この実施の形態の縦フランジ部15d,16dは、前記内,外接合フランジ部33,34と共に、前記センタトンネル部13aの左,右側面部13b,13b又は、サイドシル部4,4に溶接されると共に、更に、ボルトナット部材21,21によって、締結されている。
【0040】
前記フロアパネル本体13と、前記左,右アッパパネル部材14,14との間の接合は、接着硬化後、弾性変形可能な基材となる接着材40により行われている。
【0041】
すなわち、この実施の形態では、図4及び図5に示すように、前記フロアパネル本体13の前記各ビード17…は、前記左,右アッパパネル部材14,14側対向面から、車両上方に向けて、凸となるように構成されて、平坦状の上面部17a…を有している。
【0042】
また、前記左,右アッパパネル部材14の下面側から突設形成される前記異方向ビード31…は、前記フロアパネル本体13方向である車体下方に向けて凸となるように構成されて、平坦状の下面部32a…を有している。
【0043】
そして、これらの前記左,右アッパパネル部材14,14に形成された凹溝部32…の下面部32a…下面側と、前記フロアパネル本体13の前記ビード17の上面部17a上面側との間が、前記接着材40…によって、接合されている。
【0044】
次に、この実施の形態の車両のフロアパネル構造の作用効果について説明する。
【0045】
この実施の形態では、図1に示すように、前記異方向ビード31…が形成された左,右アッパパネル部材14,14が、前記フロアパネル本体13に上下方向で重合されている。
【0046】
そして、図4及び図5に示すように、このフロアパネル本体13に突設形成されたビード17の上面部17aに、前記異方向ビード31…が、略直交するように交差された状態で、前記接着材40を介在させて接合されている。
【0047】
このため、車体11の下面側11aに位置して設けられたフロアパネル部12では、図4及び図5に示すように、凹溝部18の下面部18aから、異方向ビード31の上面部31cに至るまで、充分な断面高さを得られる高さ方向寸法hを設定することが出来る。
【0048】
また、この実施の形態では、前記左,右アッパパネル本体11に形成された凹溝部32…の下面部32a下面側と、前記フロアパネル本体13の前記ビード17の上面部17a上面側との間が、前記接着材40…によって、接合されている。
【0049】
このため、図7及び図8に示すように、面内,外方向へ、荷重入力が加わって、車両上,下方向に、前記フロアパネル部12が、撓んでも、前記下面部32a下面側と、前記上面部17a上面側との間で、接合に用いられる前記接着材40…が、弾性変形する。
【0050】
この接着材40…の弾性変形により、前記荷重入力は、吸収されて減衰される。
【0051】
また、面延設方向に逃がされた荷重入力は、図7及び図8中、横向きの矢印に示すように、車幅方向及び車両前後方向へ離間するに従って、大きな相対方向変位量となり、面全体でダンピング効果を得ることができる。
【0052】
更に、この実施の形態では、フロアパネル部12では、前記ビード17…及び異方向ビード31…が、略直交状態で交差されて、接合されているので、車両前後方向及び車幅方向への曲げ応力が、相互に補完されている。
【0053】
従って、この実施の形態のフロアパネル部12では、前記ビード17…及び異方向ビード31…による車両前後方向の曲げ応力及び車幅方向への曲げ応力の向上に加えて、面内,外方向への荷重入力によって発生する多方向へのダンピング効果を得られ、車体11の剛性を向上させることができる。
【0054】
また、前記フロアパネル本体13及び前記左,右アッパパネル部材14,14によって、車室内外の区画が二重となり、遮音性能が良好なものとなり、音振性能が良好である。
【0055】
前記図14に示す従来のアスファルトインシュレータ7a,7b〜9が敷設されたフロアパネル2では、ピーク周波数が、98Hz付近と比較的低く発現していたが、この実施の形態のフロアパネル部12では、図11に示されるように、98Hz付近の低周波領域の音を削減して、ピーク周波数を480Hz付近とすることが出来、良好な制振性能を得ることができる。
【0056】
このため、従来のように、比重の高いアスファルトインシュレータ7a,7b〜9に比べて、面剛性を向上させながら、軽量化及び部品点数の削減によるコストダウンを行うことができる。
【実施例1】
【0057】
図12及び図13は、この発明の実施の形態の実施例1の車両のフロアパネル構造を示すものである。
【0058】
なお、前記実施の形態と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0059】
この実施例1では、フロアパネル部112を構成するフロアパネル本体113と、アッパネル114との間が、弾性を有する接着材140…によって、接合されている。
【0060】
すなわち、この実施例1では、前記アッパパネル114のうち、前記異方向ビード113のフロアパネル本体113方向に凹状となる凹溝部131aと、この凹溝部131aから離間配置された前記フロアパネル本体113の前記ビード17…の上面部17aとの間が、柱状の接着材140で接合されている。
【0061】
次に、この実施例1の作用効果について説明する。
【0062】
この実施例1では、離間配置された前記下面側131aと上面部17aとの間を接合する柱状の接着材140が、前記アッパパネル114の厚みと略同程度の高さ方向寸法h2を有している。
【0063】
このため、更に、可動範囲が拡大して、フロアパネル部112の面内,外方向への荷重入力によって発生する多方向へのダンピング効果を得られ、車体11の剛性を向上させることができる。
【0064】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【0065】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0066】
即ち、前記実施の形態では、前記接着材40によって、前記フロアパネル本体13と、前記左,右アッパパネル部材14との間の接合が行われているが、特にこれに限らず、例えば、溶接により行うものであっても、前記フロアパネル本体13と、前記左,右アッパパネル部材14とが、上下方向で、重合配置されるものであれば、接続構造の形状、数量及び材質が特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態の車両のフロアパネル構造で、車両を構成する車体の一部分解斜視図である。
【図2】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル部の斜視図である。
【図3】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、シートマウントブラケット部周縁の拡大斜視図である。
【図4】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図5】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図2中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図6】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面が、上方に向けて撓んだ状態を説明する模式的な一部断面斜視図である。
【図7】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面が、下方に向けて撓んだ状態を説明する図5に相当する部分での模式的な断面図である。
【図8】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面が、上方に向けて撓んだ状態を説明する図5に相当する部分での模式的な断面図である。
【図9】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面を、上方から見た上面図である。
【図10】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図9中D−D線に沿った位置での断面図である。
【図11】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、振動と騒音との関係を説明し、ピーク周波数の位置を示すグラフ図である。
【図12】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面を、上方から見た上面図である。
【図13】実施の形態の車両のフロアパネル構造で、図12中E−E線に沿った位置での断面図である。
【図14】従来例の車両のフロアパネル構造で、フロアパネル面を、上方から見た上面図である。
【図15】従来例の車両のフロアパネル構造で、図14中F−F線に沿った位置での断面図である。
【図16】従来例の車両のフロアパネル構造で、振動と騒音との関係を説明し、ピーク周波数の位置を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0068】
4 サイドシル部
12 フロアパネル部
13 フロアパネル本体
14 左,右アッパパネル部材(アッパパネル)
17 ビード
17a 上面部
20,20 左,右フロア面部
30,30 左,右アッパ面部
31,131 異方向ビード
40,140 接着材
114 アッパパネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体下面側に設けられるフロアパネル部が、フロアパネル本体及び該フロアパネル本体の上方に、重合配置されるアッパパネルとを有して構成されて、該アッパパネル又は、フロアパネル本体のうち、何れか一方に、凹凸状を呈するように複数のビードを形成すると共に、他方には、凹凸状を呈して、前記一方に形成されたビードの延設方向と交差する方向に、延設方向を有する異方向ビードを形成することを特徴とする車両のフロアパネル構造。
【請求項2】
前記フロアパネル本体に形成されるビードが、車両前後方向に延設方向を沿わせて設けられると共に、前記アッパパネルに形成される異方向ビードの延設方向を、車幅方向に沿わせて形成することを特徴とする請求項1記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項3】
前記フロアパネル本体と、前記アッパパネルとの間の接合を、接着材により行うことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項4】
前記接着材は、接着硬化後も、弾性変形可能な基材を有して構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項5】
前記フロアパネル本体と、前記アッパパネルとの間の接合を、溶接により行うことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項6】
前記フロアパネル本体の前記ビードは、前記アッパパネル対向面に向けて凸となるように構成されて、前記アッパパネルの下面側に接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項7】
前記アッパパネルに形成される異方向ビードは、前記フロアパネル本体方向に向けて凸となるように形成されていて、前記フロアパネル本体の前記ビードの上面部と、該異方向ビードの下面部との間が接合されていることを特徴とする請求項1乃至6のうち、何れか一項記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項8】
前記異方向ビードのフロアパネル本体方向に凹状となる部分と、前記フロアパネル本体の前記ビードの上面部との間が、弾性を有する接着材で接合されていることを特徴とする請求項7記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項1】
車体下面側に設けられるフロアパネル部が、フロアパネル本体及び該フロアパネル本体の上方に、重合配置されるアッパパネルとを有して構成されて、該アッパパネル又は、フロアパネル本体のうち、何れか一方に、凹凸状を呈するように複数のビードを形成すると共に、他方には、凹凸状を呈して、前記一方に形成されたビードの延設方向と交差する方向に、延設方向を有する異方向ビードを形成することを特徴とする車両のフロアパネル構造。
【請求項2】
前記フロアパネル本体に形成されるビードが、車両前後方向に延設方向を沿わせて設けられると共に、前記アッパパネルに形成される異方向ビードの延設方向を、車幅方向に沿わせて形成することを特徴とする請求項1記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項3】
前記フロアパネル本体と、前記アッパパネルとの間の接合を、接着材により行うことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項4】
前記接着材は、接着硬化後も、弾性変形可能な基材を有して構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項5】
前記フロアパネル本体と、前記アッパパネルとの間の接合を、溶接により行うことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項6】
前記フロアパネル本体の前記ビードは、前記アッパパネル対向面に向けて凸となるように構成されて、前記アッパパネルの下面側に接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のうち、何れか一項記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項7】
前記アッパパネルに形成される異方向ビードは、前記フロアパネル本体方向に向けて凸となるように形成されていて、前記フロアパネル本体の前記ビードの上面部と、該異方向ビードの下面部との間が接合されていることを特徴とする請求項1乃至6のうち、何れか一項記載の車両のフロアパネル構造。
【請求項8】
前記異方向ビードのフロアパネル本体方向に凹状となる部分と、前記フロアパネル本体の前記ビードの上面部との間が、弾性を有する接着材で接合されていることを特徴とする請求項7記載の車両のフロアパネル構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−61955(P2009−61955A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232356(P2007−232356)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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