説明

車両のフード構造

【課題】衝突体の空走を抑えると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収を可能とする。
【解決手段】エンジンフード12のインナパネル16における前側骨と後側骨とに、車幅方向に所定の間隔を開けて、車体前後方向に延設された複数本の骨格部材22が架設されており、骨格部材22の軸方向から見た断面形状が、開口部を車両下方に向け、且つ下方が広がったコ字形状となっている。この結果、骨格部材22の中心軸Xと、骨格部材22とアウタパネル14との接合部24の縁部24Aとの平面視におけるオフセット量Lが小さくなっている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のフード構造に関し、特に、自動車等の車両において衝突時に衝突体を保護する車両のフード構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のフード構造においては、 エンジンフードのエンジンフードインナパネルに、インシュレータの外周縁部がエンジンルーム内側から当接しており、このインシュレータはボルト及びウエドナットによって、エンジンフードインナパネルに結合されている構成がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、従来、車両のフード構造においては、ストラットタワーとフードアウタパネルの間に空洞部を設け、この空洞部に、直線脚部を有しストラットタワーの上部とフードアウタパネルの間の車体高さ方向における間隙を埋める衝撃吸収体を設けている構成がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−155356号公報(図1、図7)
【特許文献2】
特開平7−285466号公報(図2、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1では、フードインナが上開きのコ字状断面であり、フードインナとフードアウタとで閉断面を形成しているが、衝突体が衝突した際には、閉断面が崩れるのと、閉断面空間により衝突体が空走してしまう。なお、衝突体が空走している間は衝撃を吸収できない。一方、前記特許文献2では、フードインナが下開きのコ字状断面で形成されているため、前記特許文献1のような衝突体の空走は抑えられるが、衝撃吸収材となるフードインナが、車幅方向に沿って配設されており、剛性の高いフードインナの稜線部が、フードに車両前方上側から当接する衝突体の当接方向に直行する方向に形成されている。この結果、前記特許文献2では、衝突体が稜線部に衝突した場合に反力が大きくなってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、衝突体の空走を抑えると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能な車両のフード構造を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、フードの車体外側面を構成するアウタ部材と、該アウタ部材の内側に配設されたインナ部材と、からなる車両のフード構造であって、
前記インナ部材は前記アウタ部材に接着層を介して接合されており、
前記インナ部材は開放端部を下方にし、中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材であることを特徴とする。
【0008】
従って、アウタ部材に接着層を介して接合されているインナ部材が、開放端部を下方にし中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材である。この結果、インナ部材の開放端部が下方であり、且つ剛性の高い稜線部が、フードに車両前方上側から当接する衝突体の当接方向に並行に形成されている。このため、衝突体の空走が抑えられると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能である。
【0009】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の車両のフード構造において、前記インナ部材は下開きのコ字形状断面を有することを特徴とする。
【0010】
従って、請求項1記載の内容に加えて、インナ部材は下開きのコ字形状断面であり、開放端部を拘束しない構造であるため、衝突体の空走を抑えると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能である。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車両のフード構造において、前記インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状は、開口端部間の距離よりも上方が狭い略台形形状であることを特徴とする。
【0012】
従って、請求項2記載の内容に加えて、インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状を、開口端部間の距離よりも上方が狭い略台形形状とすることで、インナ部材のアウタ部材との接合面を狭くすることができ、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができる。この結果、衝突体をエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度の上方向分力を大きくできる。
【0013】
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の車両のフード構造において、前記インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状は、開口端部間の距離よりも上方が狭い逆V字形状であることを特徴とする。
【0014】
従って、請求項2記載の内容に加えて、インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状が、開口端部間の距離よりも上方が狭い逆V字形状とすることで、インナ部材のアウタ部材との接合面を狭くすることができ、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができる。この結果、衝突体をエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度の上方向分力を大きくできる。
【0015】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜3の何れかに記載の車両のフード構造において、前記インナ部材の上壁部とアウタ部材との間に介在する接着層を前記上壁部の車幅方向縁部にも配設したことを特徴とする。
【0016】
従って、請求項1〜3の何れかに記載の内容に加えて、インナ部材の中心軸から車幅方向に離れた個所に、衝突体が衝突しても接着層の厚み分だけ開き角度を狭くすることができるため、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができる。この結果、衝突体をエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度の上方向分力を大きくできる。
【0017】
請求項6記載の本発明は、フードの車体外側面を構成するアウタ部材と、該アウタ部材の内側に配設されたインナ部材と、からなる車両のフード構造であって、
前記インナ部材は、開放端部を下方にし中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材と、該複数の主たる骨格部材間を所定の箇所で連結する補助骨格部材と、を有し、該補助骨格部材は前記アウタ部材と所定の間隔をもって前記複数の主たる骨格部材の開放端部に一体または別体にて設けられていることを特徴とする。
【0018】
従って、インナ部材は、開放端部を下方にし中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材と、複数の主たる骨格部材間を所定の箇所で連結する補助骨格部材と、を有しており、補助骨格部材はアウタ部材と所定の間隔をもって複数の主たる骨格部材の開放端部に一体または別体にて設けられている。この結果、衝突体の空走が抑えられると共に、衝突体がアウタ部材を介して補助骨格部材の当接し難いため、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能である。
【0019】
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の車両のフード構造において、前記補助骨格部材は下開きの開口を有する断面を有し、前記複数の主たる骨格部材の側壁間を連結する縦壁部を有することを特徴とする。
【0020】
従って、請求項6記載の内容に加えて、補助骨格部材が複数の主たる骨格部材の側壁間を連結する縦壁部を有するため、剛性を確保できると共に、複数の主たる骨格部材の変形移動に伴い、補助骨格部材が下方へ移動し衝突体との干渉を避けることができる。
【0021】
請求項8記載の本発明は、請求項6、7の何れかに記載の車両のフード構造において、前記補助骨格部材と前記アウタ部材との間に衝撃吸収構造を備えており、前記補助骨格部材の一部を切り起して前記アウタ部材の下面に接着したことを特徴とする。
【0022】
従って、請求項6、7の何れか記載の内容に加えて、補助骨格部材とアウタ部材との間に衝撃吸収構造を備えており、補助骨格部材の一部を切り起してアウタ部材の下面に接着したため、補助骨格部材を衝撃吸収構造として活用することで、主たる骨格部材から離れた位置に衝突体が衝突しても衝撃を吸収できる。
【0023】
請求項9記載の本発明は、請求項6、7の何れかに記載の車両のフード構造において、前記複数の主たる骨格部材と前記補助骨格部材との連結部に脆弱部を設けたことを特徴とする。
【0024】
従って、請求項6、7の何れか記載の内容に加えて、複数の主たる骨格部材と前記補助骨格部材との連結部に脆弱部を設けたため、補助骨格部材に衝突体が衝突しても脆弱部により補助骨格部材が変形し、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができる。この結果、衝突体をエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度の上方向分力を大きくできる。
【0025】
請求項10記載の本発明は、請求項6に記載の車両のフード構造において、前記補助骨格部材は平板形状であり、前記複数の主たる骨格部材の開放端部間を連結することを特徴とする。
【0026】
従って、請求項6に記載の内容に加えて、補助骨格部材は平板形状であり、複数の主たる骨格部材の開放端部間を連結するため、衝突時に発生する主たる骨格部材の回転モーメントを補助骨格部材のテンションで抑えることができ、衝突時に衝突体に発生する衝撃加速度の上方向分力の低下を防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明における車両のフード構造の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0028】
なお、図中矢印UPは車体上方方向を示し、図中矢印FRは車体前方方向を示している。
【0029】
図4に示される如く、本実施形態では、自動車車体10のエンジンフード12が、エンジンフード12の車体外側面を構成するアウタ部材としてのアウタパネル14と、アウタパネル14の内側に配設されエンジンルーム側部を構成するインナ部材としてのインナパネル16で構成されており、インナパネル16はアウタパネル14に接着層を介して接合されている。
【0030】
図3に示される如く、エンジンフード12のインナパネル16における前側骨16A、後側骨16B及び車幅方向外側骨16Cからなる外周骨は、他の部位に比べて剛性が高くなっている。
【0031】
インナパネル16における前側骨16Aと後側骨16Bとには、車幅方向に所定の間隔を開けて、車体前後方向に延設された複数本(本実施形態では5本)の主たる骨格部材としての骨格部材22が架設されている。
【0032】
図2に示される如く、骨格部材22の軸方向(車体前後方向)から見た断面形状は、開口部を車両下方に向け、且つ下方が広がったコ字形状となっている。
【0033】
この結果、図1に二点鎖線で示すように、骨格部材22を、全幅L1及び開口幅L2が同一で、上下方向の開口幅が一定なコ字形状にした比較例と比べて、本実施形態における、骨格部材22の中心軸Xと、骨格部材22とアウタパネル14との接合部24の車幅方向縁部24Aとの平面視におけるオフセット量Lが小さくなっている。従って、衝突体Sが接合部24の車幅方向縁部24Aの上方となるアウタパネル14上に衝突した際の衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線の鉛直方向に対する開き角度θ1が、比較例の開き角度θ2に比べて小さくなるようになっている。
【0034】
また、図2に示される如く、骨格部材22の開口端部には、開口外側に向かって左右のフランジ22A、22Bが形成されており、これらのフランジ22A、22Bにフードサイレンサ23が係止されている。
【0035】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0036】
本実施形態では、エンジンフード12のインナパネル16における前側骨16Aと後側骨16Bとに、車幅方向に所定の間隔を開けて、車体前後方向に延設された複数本の骨格部材22が架設されており、骨格部材22の軸方向から見た断面形状が、開口部を車両下方に向け、且つ下方が広がったコ字形状となっている。
【0037】
この結果、インナパネル16の骨格部材22の開放端部が下方であり、且つ剛性の高い骨格部材22の稜線部が、エンジンフード12に車両前方上側から当接する衝突体Sの当接方向に並行に形成されている。このため、衝突体Sの空走が抑えられると共に、衝突体Sへの過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能である。
【0038】
また、図1に二点鎖線で示すように、骨格部材22を、全幅L1及び開口幅L2が同一で、上下方向の開口幅が一定なコ字形状にした比較例と比べて、本実施形態における、骨格部材22の中心軸Xと、骨格部材22とアウタパネル14との接合部24の車幅方向縁部24Aとの平面視におけるオフセット量Lが小さくなっている。
【0039】
従って、衝突体Sが接合部24の車幅方向縁部24Aの上方となるアウタパネル14上に衝突した際の衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線の鉛直方向に対する開き角度θ1が、比較例の開き角度θ2に比べて小さくなる。
【0040】
このため、衝突点Pと骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線上に発生する衝撃加速度Gの水平成分G2が小さくなる。即ち、衝突体Sに対して横方向に作用するの衝撃加速度の分力を抑制することができる。この結果、衝突体Sをエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度Gの上方向分力G1は大きくなる。
【0041】
また、本実施形態では、図2に二点鎖線で示すように、骨格部材22のフランジ22A、22Bにフードサイレンサ23を係止できるため、フードサイレンサ23の脱落を防止できると共に、フードサイレンサ23を取付けるためのブラケットを別途設ける必要が無く、部品点数及び重量の低減が可能となると共に生産性が向上する。
【0042】
また、本実施形態では、車両走行中に骨格部材22のコ字状断面内を通って、図4の矢印Wで示すように車両前方からの空気を大きな抵抗を受けずに流すことができるため、エンジン26の上部26Aを効果的に冷却することができる。
【0043】
また、本実施形態では、骨格部材22を下方が広がったのコ字状断面形状としたため、断面内に水が溜まり難くく、防錆性能を向上できると共に、プレス加工または型抜きが容易となり生産性が向上する。更に、フードサイレンサ等の脱落防止性能も向上する。
【0044】
また、本実施形態では、車両前後方向に沿って骨格部材22が配設されているため、骨格部材が車幅方向に延設されたエンジンフードに比べて、オフセット軽衝突時に、衝突側から反衝突側へ荷重が伝わり難く、反衝突側の損傷を低減できると共に、インナパネル単品の捩れ剛性も向上する。
【0045】
なお、本実施形態では、骨格部材22のフランジ22A、22Bにフードサイレンサ23を係止したがこれに代えて、図5に示される如く、骨格部材22のフランジ22A、22Bまたは骨格部材22の断面内にウオッシャーホース25等を組付けることも可能である。
【0046】
次に、本発明に係る車両のフード構造の第2実施形態を図6及び図7に従って説明する。
【0047】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0048】
図7に示される如く、本実施形態では、骨格部材22の軸方向から見た断面形状は、開口部を車両下方に向け、且つ下方が広がった逆V字形状となっている。
【0049】
この結果、図6に示される如く、骨格部材22の中心軸Xと、骨格部材22とアウタパネル14との接合部24との平面視におけるオフセット量Lが0になっている。従って、衝突体Sが接合部24の上方となるアウタパネル14上に衝突した際の衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線の鉛直方向に対する開き角度θ1が0度となっている。
【0050】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0051】
本実施形態では、エンジンフード12のインナパネル16における前側骨16Aと後側骨16Bとに、車幅方向に所定の間隔を開けて、車体前後方向に延設された複数本の骨格部材22が架設されており、骨格部材22の軸方向から見た断面形状が、開口部を車両下方に向け、且つ下方が広がったV字形状となっている。
【0052】
この結果、インナパネル16の骨格部材22の開放端部が下方であり、且つ剛性の高い骨格部材22の稜線部が、エンジンフード12に車両前方上側から当接する衝突体Sの当接方向に並行に形成されている。このため、衝突体Sの空走が抑えられると共に、衝突体Sへの過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能である。
【0053】
また、骨格部材22の中心軸Xと、骨格部材22とアウタパネル14との接合部24の車幅方向縁部24Aとの平面視におけるオフセット量Lが0になっている。
【0054】
従って、衝突体Sが接合部24の上方となるアウタパネル14上に衝突した際の衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線の鉛直方向に対する開き角度θ1が0度となる。
【0055】
この結果、衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線上に発生する衝撃加速度Gの水平成分が0となる。即ち、衝突体Sに対して横方向に作用するの衝撃加速度の分力を抑制することができる。この結果、衝突体Sをエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度Gの上方向の分力G1が大きくなる。
【0056】
なお、図8に示される如く、骨格部材22の上端部22Cの断面形状をR形状とした構成としても良い。
【0057】
次に、本発明における車両のフード構造の第3実施形態を図9及び図10に従って説明する。
【0058】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図10に示される如く、本実施形態では、骨格部材22の上壁部22Cとアウタパネル14との間に介在する接着層34が、車両前後方向に沿って波形状とされており、接着層34は、骨格部材22の上壁部22Cの車幅方向縁部にも配設されている。
【0060】
この結果、図9に示される如く、衝突体Sが骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向縁部とアウタパネル14との接合部24に衝突した際の衝突点Pは、骨格部材22とアウタパネル14との間に介在する接着層34により、骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向縁部から上方へ離間するようになっている。
【0061】
従って、衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線の鉛直方向に対する本実施形態の開き角度θ1が、図11に示すように、接着層34が、骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向中央部のみに配設された比較例の開き角度θ3に比べて小さくなるようになっている。
【0062】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0063】
本実施形態では、衝突体Sが骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向縁部と、アウタパネル14との接合部24に衝突した際の衝突点Pは、骨格部材22とアウタパネル14との間に介在する接着層34により、骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向縁部から上方へ離間する。
【0064】
従って、衝突点Pと、骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線の鉛直方向に対する開き角度θ1が、図11に示すように、接着層34が、骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向中央部のみにした比較例の開き角度θ3に比べて小さくなる。
【0065】
この結果、衝突点Pと骨格部材22の中心軸Xとを結ぶ直線上に発生する衝撃加速度Gの水平成分G1が小さくなる。即ち、衝突体Sに対して横方向に作用するの衝撃加速度の分力を抑制することができる。この結果、衝突体Sをエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度Gの上方向の分力G1は大きくなる。
【0066】
なお、本実施形態では、接着層34を車両前後方向に沿って波形状に配設したが、これに代えて、図12に示される如く、接着層34を車両前後方向に沿ってジグザグ形状に配設しても良い。また、図13に示される如く、接着層34を骨格部材22における上壁部22Cの車幅方向縁部に車両前後方向に沿って直線状に配設しても良い。また、接着層34を所定の長さで断続的に配設しても良い。、更に、図14に示される如く、骨格部材22における上壁部22Cに接着剤塗布用の凹部36を形成した構成としても良い。
【0067】
次に、本発明における車両のフード構造の第4実施形態を図15〜図21に従って説明する。
【0068】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0069】
図17に示される如く、本実施形態では、エンジンフード12のインナパネル16における車幅方向中央部の隣接する3本の骨格部材22が、それぞれの前後方向中央部において、車幅方向に沿って配設された補助骨格部材としての骨格部材38によって連結されている。
【0070】
図16に示される如く、骨格部材38の軸方向(車幅方向)から見た断面形状は、開口部を車両下方に向け、且つ下方が広がったコ字形状となっており、骨格部材38の開口端部には、開口外側に向かって前後のフランジ38A、38Bが形成されている。また、骨格部材38のフランジ38A、38Bは、骨格部材22のフランジ22A、22Bに連結されている。
【0071】
なお、骨格部材22における骨格部材38が連結される部位においては、例えば、上壁部22Cがリング状に配設された接着層34によってアウタパネル14に接着されている。
【0072】
図18に示される如く、骨格部材38の上壁部38Cとアウタパネル14との間には、隙間39が形成されている。
【0073】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0074】
本実施形態では、エンジンフード12のインナパネル16における前側骨16Aと後側骨16Bとに、車幅方向に所定の間隔を開けて、車体前後方向に延設された複数本の骨格部材22が架設されており、インナパネル16における車幅方向中央部の隣接する3本の骨格部材22が、それぞれの前後方向中央部において、車幅方向に沿って配設された骨格部材38によって連結されている。この結果、第1実施形態に比べてエンジンフード12の剛性が向上し、衝突エネルギを効率良く吸収できる。
【0075】
また、エンジンフード12のインナパネル16における骨格部材38を連結した部位が、車両正面衝突時に、前後方向に延びる骨格部材22を折るきっかけになるため、図19に示される如く、骨格部材38の配設部位を調整することによって、エンジンフード12を折るモードコントロールが可能になる。
【0076】
また、本実施形態では、図20に示される如く、衝突体Sがエンジンフード12に当接した際に、インナパネル16の骨格部材22の撓み変形により、骨格部材38が下方(図20R>0の矢印A)へ移動するため、衝突体Sがアウタパネル14を挟んで骨格部材38の上壁部38Cに当接し難くなる。
【0077】
従って、図15に示される如く、衝突体Sがアウタパネル14上に衝突した際の衝突点Pの傾斜角度によって決まる本実施形態の衝撃加速度Gの前方への傾斜角度α1は、骨格部材38に代えて、図21に示すように、上方に開口部を向けた骨格部材42を配設した比較例における、衝突点Pの傾斜角度によって決まる衝撃加速度Gの前方への傾斜角度α2に比べて小さくなる。
【0078】
この結果、本実施形態では、衝撃加速度Gの前方の水平成分G2が小さくなる。即ち、衝突体Sに対して横方向に作用するの衝撃加速度の分力を抑制することができる。この結果、衝突体Sをエンジンルーム内の部品との干渉から守るために有効である衝撃加速度の上方向の分力G1は大きくなる。
【0079】
なお、図22に示される如く、隣接する骨格部材22の中央部となる骨格部材38の上壁部38C上には一部を切り起して凸部40が形成されており、凸部40の上壁部40Aをアウタパネル14に結合しても良い。また、図23に示される如く、凸部40の後側には切欠43が形成されている。このため、衝突体Sがアウタパネル14上に衝突した際に、凸部40の上壁部40Aは、車両後側下方(図23の矢印B方向)へ倒れ易くなっており、凸部40が矢印B方向へ倒れることで、衝突体Sがアウタパネル14上に衝突した際の衝突点Pの傾斜角度によって決まる衝撃加速度Gの前方への傾斜角度が小さくなる。
【0080】
また、図24に示される如く、骨格部材38における骨格部材22との連結部に、変形起点となる脆弱部44を形成し、衝突体Sの衝突によりアウタパネル14が骨格部材38の上壁部38Cに当接した場合に、脆弱部44を起点に骨格部材38が下方(図24の矢印B方向)へ二点鎖線で示すように、容易に変形する構成としても良い。
【0081】
また、図25に示される如く、隣接する骨格部材22のフランジ22A、22Bを一枚の板46で連結することで、衝突体Sの衝突により隣接する骨格部材22が撓んだ際に、板46に発生するテンションTにより、衝突体Sに発生する上方向の加速度G1が低下するのを防止しても良い。
【0082】
次に、本発明における車両のフード構造の第5実施形態を図26及び図27に従って説明する。
【0083】
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0084】
図26に示される如く、本実施形態では、骨格部材22のフランジを無くしており、左右の縦壁部22D、22Eの先端部22F、22Gは、円弧状の断面形状となっている。
【0085】
この結果、図27に示される本実施形態の骨格部材22の幅W1が、図28に示されるフランジがある比較例の骨格部材22の幅W2=W1+N1+N2に比べて小さくなっている。
【0086】
従って、衝突体Sがエンジンフード12に衝突し、図27及び図28に示される如く、骨格部材22が、二点鎖線で示す位置から、実線で示す位置へ下降した場合に、エンジンルーム内の部品46、48と骨格部材22とが干渉しないための隙間M1、M2を考慮した場合の、本実施形態(図27)の部品46と部品48との間隔L1が、比較例(図28)の骨格部材22の部品46と部品48との間隔L2より短くなる。このため、部品46と部品48との間隔が予め決っている場合には、本実施形態では、隙間M1、M2を大きくすることで、部品のバラツキにより、比較例(図29)に示される如く、骨格部材22と部品46とが干渉するのを防止できるようになっている。
【0087】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0088】
本実施形態では、衝突体Sがエンジンフード12に衝突し、図27に示される如く、骨格部材22が、二点鎖線で示す位置から、実線で示す位置へ下降した場合に、エンジンルーム内の部品46、48と骨格部材22とが干渉しないための隙間M1、M2を考慮した場合の部品46と部品48との間隔L1が、図28に示す比較例の骨格部材22の部品46と部品48との間隔L2より短くなる。
【0089】
この結果、部品46と部品48との間隔が予め決っている場合には、隙間M1、M2を大きくすることで、部品のバラツキにより、比較例(図29)に示される如く、骨格部材22と部品46とが干渉するのを防止できる。このため、本実施形態では、骨格部材22とエンジンルーム内の部品とが干渉し、衝突体Sが受ける衝撃加速度が増加するのを防止できる。
【0090】
また、本実施形態では、図30に示される如く、2次衝突による骨格部材22の変形後の厚さK1が、比較例(図31)における骨格部材22の変形後の厚さK2より薄くなるため、この点においても、衝突体Sが受ける衝撃加速度の増加を防止できる。
【0091】
また、本実施形態では、骨格部材22の縦壁部22D、22Eの先端部22F、22Gが円弧状の断面形状となっているため、2次衝突によりエンジンルーム内の部材50と当接した際に、先端部22F、22Gが部材50に引っかかり難くなっている。
【0092】
なお、図32に示される如く、骨格部材22の縦壁部22D、22Eの先端部22F、22GをJ字状に湾曲させ、先端部22F、22Gがエンジンルーム内の部材に引っかかり難くしても良い。
【0093】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0094】
例えば、図33に示される如く、骨格部材22の断面形状を逆L字状で、縦壁部22Eの下端部に、上壁部22Cと反対側へ延設されたフランジ22Bを有する構成とし、骨格部材22とエンジンルーム内の部品とが更に干渉し難い構成としても良い。この場合には、骨格部材22の中心軸Xが、縦壁部22Eの上下方向中央部となると共に、骨格部材22が車幅方向(左右方向)に断面変形し易いため、衝突体が衝突した際の衝撃加速度Gの水平成分G2が小さくなり、衝突体Sに対して横方向に作用するの衝撃加速度の分力を抑制することができる。
【0095】
なお、図34(A)に示される如く、骨格部材22の断面形状は、下端を円弧状の断面形状としたT字状としても良い。また、図34(B)に示される如く、骨格部材22の断面形状は、下端を円形の断面形状としたT字状としても良い。また、図34(C)に示される如く、骨格部材22の断面形状は、下端を円形の断面形状としたL字状としても良い。また、図34(D)に示される如く、骨格部材22の断面形状はJ字状としても良い。
【0096】
また、図35に示される如く、骨格部材22の断面形状を縦壁部に折れ線部52を有する階段形状とし、衝突体Sを階段形状に沿って車幅方向に滑らせ易く、且つ骨格部材22自体も潰れ易い構成とても良い。
【0097】
また、骨格部材22と骨格部材38との配設位置及び幅は、上記実施形態に限定されず、例えば、図36(A)〜図36(D)に示される如く、骨格部材22と骨格部材38との配設位置及び幅を変更することができる。
【0098】
また、図37に示される如く、骨格部材22と骨格部材38との連結部において、左右方向に延びるコ字状断面を無くすことで、脆弱部44を形成しても良い。
【0099】
また、図38に示される如く、骨格部材22の下方側に、骨格部材22と同じ断面形状のリインフォースメント62を接合し、骨格部材22の断面崩れを防止し、エンジンフード12の剛性を向上する構成としても良い。
【0100】
また、図39に示される如く、骨格部材22の下方側に、骨格部材22と上下逆の断面形状のリインフォースメント66を接合し、骨格部材22の断面崩れを防止し、エンジンフード12の剛性を向上すると共に、リインフォースメント66がエンジンルーム内の部品と干渉した場合には、図39に二点鎖線で示すように、骨格部材22とリインフォースメント66とが潰れ易い構成としても良い。
【0101】
また、上記各実施形態を組み合わせた構成とすることも可能である。
【0102】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明は、フードの車体外側面を構成するアウタ部材と、アウタ部材の内側に配設されたインナ部材と、からなる車両のフード構造であって、インナ部材はアウタ部材に接着層を介して接合されており、インナ部材は開放端部を下方にし、中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材であるため、衝突体の空走を抑えると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能であるという優れた効果を有する。
【0103】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の車両のフード構造において、インナ部材は下開きのコ字形状断面を有するため、衝突体の空走を抑えると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能であるという優れた効果を有する。
【0104】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の車両のフード構造において、インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状は、開口端部間の距離よりも上方が狭い略台形形状であるため、請求項2記載の効果に加えて、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0105】
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の車両のフード構造において、インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状は、開口端部間の距離よりも上方が狭い逆V字形状であるため、請求項2記載の効果に加えて、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0106】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜3の何れかに記載の車両のフード構造において、インナ部材の上壁部とアウタ部材との間に介在する接着層を上壁部の車幅方向縁部にも配設したため、請求項1〜3の何れかに記載の効果に加えて、衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0107】
請求項6記載の本発明は、フードの車体外側面を構成するアウタ部材と、アウタ部材の内側に配設されたインナ部材と、からなる車両のフード構造であって、インナ部材は、開放端部を下方にし中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材と、複数の主たる骨格部材間を所定の箇所で連結する補助骨格部材と、を有し、補助骨格部材はアウタ部材と所定の間隔をもって複数の主たる骨格部材の開放端部に一体または別体にて設けられているため、衝突体の空走を抑えると共に、衝突体への過度の反力発生を抑え効果的な衝撃吸収が可能であるという優れた効果を有する。
【0108】
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の車両のフード構造において、補助骨格部材は下開きの開口を有する断面を有し、複数の主たる骨格部材の側壁間を連結する縦壁部を有するため、請求項6記載の効果に加えて、剛性を確保できると共に補助骨格部材と衝突体との干渉を避けることができるという優れた効果を有する。
【0109】
請求項8記載の本発明は、請求項6、7の何れかに記載の車両のフード構造において、補助骨格部材とアウタ部材との間に衝撃吸収構造を備えており、補助骨格部材の一部を切り起してアウタ部材の下面に接着したため、請求項6、7の何れか記載の効果に加えて、骨格部材から離れた位置に衝突体が衝突しても衝撃を吸収できるという優れた効果を有する。
【0110】
請求項9記載の本発明は、請求項6、7の何れかに記載の車両のフード構造において、複数の主たる骨格部材と補助骨格部材との連結部に脆弱部を設けたため、請求項6、7の何れか記載の効果に加えて、複衝突時に衝突体を水平方向へ押す衝撃加速度の水平成分の発生を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0111】
請求項10記載の本発明は、請求項6に記載の車両のフード構造において、補助骨格部材は平板形状であり、複数の主たる骨格部材の開放端部間を連結するため、請求項6に記載の効果に加えて、衝突時に衝突体に発生する衝撃加速度の上方向分力の低下を防止できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両のフード構造を示す車両下方から見た平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両のフード構造が適用された車体前部を示す概略側断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図11】本発明の比較例に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図14】本発明の第3実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る車両のフード構造を示す側断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る車両のフード構造を示す車両下方から見た平面図である。
【図18】図17の18−18線に沿った拡大断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係る車両のフード構造が適用された車体前部の変形状態を示す概略側断面図である。
【図20】本発明の第4実施形態に係る車両のフード構造の変形状態を示す図18に対応する断面図である。
【図21】本発明の比較例に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図22】本発明の第4実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す図18に対応する断面図である。
【図23】図22の23−23線に沿った拡大断面図である。
【図24】本発明の第4実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す図18に対応する断面図である。
【図25】本発明の第4実施形態の変形例に係る車両のフード構造の変形状態を示す図18R>8に対応する断面図である。
【図26】本発明の第5実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図27】本発明の第5実施形態に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図28】本発明の比較例に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図29】本発明の比較例に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図30】本発明の第5実施形態に係る車両のフード構造の変形状態を示す車両前方から見た断面図である。
【図31】本発明の比較例に係る車両のフード構造の変形状態を示す車両前方から見た断面図である。
【図32】本発明の第5実施形態の変形例に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図33】本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図34】(A)〜(D)は本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図35】本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両前方から見た断面図である。
【図36】(A)〜(D)は本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両下方から見た平面図である。
【図37】本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図38】本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【図39】本発明の他の実施形態に係る車両のフード構造を示す車両斜め前方から見た断面斜視図である。
【符号の説明】
12  エンジンフード
14  アウタパネル(アウタ部材)
16  インナパネル(インナ部材)
22  骨格部材(主たる骨格部材)
22A  フランジ
22B  フランジ
22C  上端部
22D  縦壁部
22E  縦壁部
23  フードサイレンサ
24  接合部
25  ウオッシャーホース
26  エンジン
34  接着層
36  凹部
38  骨格部材(補助骨格部材)
40  凸部
42  骨格部材
43  切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フードの車体外側面を構成するアウタ部材と、該アウタ部材の内側に配設されたインナ部材と、からなる車両のフード構造であって、
前記インナ部材は前記アウタ部材に接着層を介して接合されており、
前記インナ部材は開放端部を下方にし、中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材であることを特徴とする車両のフード構造。
【請求項2】
前記インナ部材は下開きのコ字形状断面を有することを特徴とする請求項1に記載の車両のフード構造。
【請求項3】
前記インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状は、開口端部間の距離よりも上方が狭い略台形形状であることを特徴とする請求項2に記載の車両のフード構造。
【請求項4】
前記インナ部材の中心軸に沿った方向から見た断面形状は、開口端部間の距離よりも上方が狭い逆V字形状であることを特徴とする請求項2に記載の車両のフード構造。
【請求項5】
前記インナ部材の上壁部とアウタ部材との間に介在する接着層を前記上壁部の車幅方向縁部にも配設したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両のフード構造。
【請求項6】
フードの車体外側面を構成するアウタ部材と、該アウタ部材の内側に配設されたインナ部材と、からなる車両のフード構造であって、
前記インナ部材は、開放端部を下方にし中心軸が車体の前後方向に沿って延設された直線状の複数の主たる骨格部材と、該複数の主たる骨格部材間を所定の箇所で連結する補助骨格部材と、を有し、該補助骨格部材は前記アウタ部材と所定の間隔をもって前記複数の主たる骨格部材の開放端部に一体または別体にて設けられていることを特徴とする車両のフード構造。
【請求項7】
前記補助骨格部材は下開きの開口を有する断面を有し、前記複数の主たる骨格部材の側壁間を連結する縦壁部を有することを特徴とする請求項6に記載の車両のフード構造。
【請求項8】
前記補助骨格部材と前記アウタ部材との間に衝撃吸収構造を備えており、前記補助骨格部材の一部を切り起して前記アウタ部材の下面に接着したことを特徴とする請求項6、7の何れかに記載の車両のフード構造。
【請求項9】
前記複数の主たる骨格部材と前記補助骨格部材との連結部に脆弱部を設けたことを特徴とする請求項6、7の何れかに記載の車両のフード構造。
【請求項10】
前記補助骨格部材は平板形状であり、前記複数の主たる骨格部材の開放端部間を連結することを特徴とする請求項6に記載の車両のフード構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2004−136810(P2004−136810A)
【公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−304302(P2002−304302)
【出願日】平成14年10月18日(2002.10.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】