説明

車両の制御装置

【課題】コーストストップ制御によるショックの発生を防止する。
【解決手段】本発明は、車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジン1を自動停止するコーストストップ制御手段と、エンジン1が自動停止することにより生じる車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなるか否かを、コーストストップ条件が成立した時に判定する加速度判定手段と、車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなると判定された場合、コーストストップ制御手段によるエンジン1の自動停止を禁止するコーストストップ禁止手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中にエンジンを自動停止可能なコーストストップ車両の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
停車中に所定の自動停止条件が成立するとエンジンを自動停止させ、再始動条件が成立するとエンジンを再始動させるアイドルストップ車両が知られている。
【0003】
さらに、エンジンの停止領域を拡大して燃費を向上させるため、例えば特許文献1には、車両走行中であって車両停止に至る可能性のある低速での減速中、エンジンへの燃料供給を停止してエンジンを自動停止させるコーストストップ制御が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−164143公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、走行中にコーストストップ条件が成立してエンジンを自動停止させると、エンジンから駆動輪へと伝達されるトルクが急激に低下するのでショックが発生する可能性がある。
【0006】
ここで、車両減速中は駆動輪の回転によりエンジンが連れ回されるドリブン状態で車速が低下していき、エンジンが略アイドル回転まで低下すると、今度はエンジンから駆動輪へと駆動力が伝達されるドライブ状態となる。
【0007】
車両がドリブン状態である場合にコーストストップ条件が成立した時、エンジンを自動停止させることにより車両の減速度が増加するので、駆動力段差によってショックが発生する可能性がある。また、車両がドライブ状態である場合にコーストストップ条件が成立した時、エンジンを自動停止させると、車両の加速度が正から負へと変化するので、さらに大きなショックが発生する可能性がある。
【0008】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、コーストストップ制御によるショックの発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様によれば、車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止するコーストストップ制御手段と、エンジンが自動停止することにより生じる車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなるか否かを、コーストストップ条件が成立した時に判定する加速度判定手段と、車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなると判定された場合、コーストストップ制御手段によるエンジンの自動停止を禁止するコーストストップ禁止手段と、を備えることを特徴とする車両の制御装置が提供される。
【0010】
また、本発明の別の態様によれば、車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止するコーストストップ制御手段を備える車両の制御装置であって、コーストストップ条件は、少なくともエンジンが自動停止することにより生じる車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることを含むことを特徴とする車両の制御装置が提供される。
【0011】
さらに、本発明の別の態様によれば、車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止する車両の制御方法であって、エンジンが自動停止することにより生じる車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなるか否かを、コーストストップ条件が成立した時に判定する工程と、車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなると判定された場合、エンジンの自動停止を禁止する工程と、を含むことを特徴とする車両の制御方法が提供される。
【0012】
さらに、本発明の別の態様によれば、車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止する車両の制御方法であって、コーストストップ条件は、少なくともエンジンが自動停止することにより生じる車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることを含むことを特徴とする車両の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
これらの態様によれば、車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなる場合にはコーストストップによるエンジンの自動停止を行わないので、コーストストップを行うことによるショックの発生を防止でき、よって運転者にショックを感じさせることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るコーストストップ車両の概略構成図である。
【図2】コントローラの内部構成を示した図である。
【図3】変速マップの一例を示した図である。
【図4】容量係数と速度比との関係を示した図である。
【図5】車両減速時におけるタービン回転速度、エンジン回転速度、加速度の変化を示したタイムチャートである。
【図6】本実施形態における制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】コーストストップ制御を禁止する場合について説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、ある変速機構の「変速比」は、当該変速機構の入力回転速度を当該変速機構の出力回転速度で割って得られる値である。また、「最Low変速比」は当該変速機構の最大変速比、「最High変速比」は当該変速機構の最小変速比である。
【0016】
図1は本発明の実施形態に係るコーストストップ車両の概略構成図である。この車両は駆動源としてエンジン1を備え、エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2、第1ギヤ列3、無段変速機(以下、単に「変速機4」という。)、第2ギヤ列5、終減速装置6を介して駆動輪7へと伝達される。第2ギヤ列5には駐車時に変速機4の出力軸を機械的に回転不能にロックするパーキング機構8が設けられている。
【0017】
変速機4には、エンジン1の回転が入力されエンジン1の動力の一部を利用して駆動されるメカオイルポンプ10mと、バッテリ13から電力供給を受けて駆動される電動オイルポンプ10eとが設けられている。電動オイルポンプ10eは、オイルポンプ本体と、これを回転駆動する電気モータ及びモータドライバとで構成され、運転負荷を任意の負荷に、あるいは、多段階に制御することができる。また、変速機4には、メカオイルポンプ10mあるいは電動オイルポンプ10eからの油圧(以下、「ライン圧PL」という。)を調圧して変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11が設けられている。
【0018】
変速機4は、ベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に直列に設けられる副変速機構30とを備える。「直列に設けられる」とはエンジン1から駆動輪7に至るまでの動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機構30が直列に設けられるという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギヤ列)を介して接続されていてもよい。あるいは、副変速機構30はバリエータ20の前段(入力軸側)に接続されていてもよい。
【0019】
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21、22の間に掛け回されるVベルト23とを備える。プーリ21、22は、それぞれ固定円錐板と、この固定円錐板に対してシーブ面を対向させた状態で配置され固定円錐板との間にV溝を形成する可動円錐板と、この可動円錐板の背面に設けられて可動円錐板を軸方向に変位させる油圧シリンダ23a、23bとを備える。油圧シリンダ23a、23bに供給される油圧を調整すると、V溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21、22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比が無段階に変化する。
【0020】
副変速機構30は前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とを備える。各摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変更すると、副変速機構30の変速段が変更される。
【0021】
例えば、Lowブレーキ32を締結し、Highクラッチ33とRevブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速となる。Highクラッチ33を締結し、Lowブレーキ32とRevブレーキ34を解放すれば副変速機構30の変速段は1速よりも変速比が小さな2速となる。また、Revブレーキ34を締結し、Lowブレーキ32とHighクラッチ33を解放すれば副変速機構30の変速段は後進となる。以下の説明では、副変速機構30の変速段が1速である場合に「変速機4が低速モードである」と表現し、2速である場合に「変速機4が高速モードである」と表現する。
【0022】
各摩擦締結要素は、動力伝達経路上、バリエータ20の前段又は後段に設けられ、いずれも締結されると変速機4の動力伝達を可能にし、解放されると変速機4の動力伝達を不能にする。
【0023】
また、Lowブレーキ32に油圧を供給する油路の途中にはアキュムレータ(蓄圧器)35が接続されている。アキュムレータ35は、Lowブレーキ32への油圧の供給、排出に遅れを持たせるもので、N−Dセレクト時に油圧を蓄えることによってLowブレーキ32への供給油圧が急上昇するのを抑え、Lowブレーキ32が急締結してショックが発生するのを防止する。
【0024】
コントローラ12は、エンジン1及び変速機4を統合的に制御するコントローラであり、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成される。
【0025】
入力インターフェース123には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ41の出力信号、変速機4の入力回転速度(=プライマリプーリ21の回転速度、以下、「プライマリ回転速度Npri」という。)を検出する回転速度センサ42の出力信号、車速VSPを検出する車速センサ43の出力信号、ライン圧PLを検出するライン圧センサ44の出力信号、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、ブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ46、車体の傾斜(≒路面勾配)を検出する傾斜センサ47の出力信号、駆動輪7に伝達されるトルクを検出するトルクセンサ48の出力信号等が入力される。
【0026】
記憶装置122には、エンジン1の制御プログラム、変速機4の変速制御プログラム、これらプログラムで用いられる各種マップ・テーブルが格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されているプログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して、燃料噴射量信号、点火時期信号、スロットル開度信号、変速制御信号、電動オイルポンプ10eの駆動信号を生成し、生成した信号を出力インターフェース124を介してエンジン1、油圧制御回路11、電動オイルポンプ10eのモータドライバに出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
【0027】
油圧制御回路11は複数の流路、複数の油圧制御弁で構成される。油圧制御回路11は、コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り換えるとともにメカオイルポンプ10m又は電動オイルポンプ10eで発生した油圧から必要な油圧を調製し、これを変速機4の各部位に供給する。これにより、バリエータ20の変速比、副変速機構30の変速段が変更され、変速機4の変速が行われる。
【0028】
図3は記憶装置122に格納される変速マップの一例を示している。コントローラ12は、この変速マップに基づき、車両の運転状態(この実施形態では車速VSP、プライマリ回転速度Npri、アクセル開度APO)に応じて、バリエータ20、副変速機構30を制御する。
【0029】
この変速マップでは、変速機4の動作点が車速VSPとプライマリ回転速度Npriとにより定義される。変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが変速機4の変速比(バリエータ20の変速比に副変速機構30の変速比を掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比」という。)に対応する。この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセル開度APO毎に変速線が設定されており、変速機4の変速はアクセル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線(アクセル開度APO=8/8の場合の変速線)、パーシャル線(アクセル開度APO=4/8の場合の変速線)、コースト線(アクセル開度APO=0/8の場合の変速線)のみが示されている。
【0030】
変速機4が低速モードの場合は、変速機4はバリエータ20の変速比を最Low変速比にして得られる低速モード最Low線とバリエータ20の変速比を最High変速比にして得られる低速モード最High線の間で変速することができる。この場合、変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、変速機4が高速モードの場合は、変速機4はバリエータ20の変速比を最Low変速比にして得られる高速モード最Low線とバリエータ20の変速比を最High変速比にして得られる高速モード最High線の間で変速することができる。この場合、変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
【0031】
副変速機構30の各変速段の変速比は、低速モード最High線に対応する変速比(低速モード最High変速比)が高速モード最Low線に対応する変速比(高速モード最Low変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとりうる変速機4のスルー変速比の範囲(図中、「低速モードレシオ範囲」)と高速モードでとりうる変速機4のスルー変速比の範囲(図中、「高速モードレシオ範囲」)とが部分的に重複し、変速機4の動作点が高速モード最Low線と低速モード最High線で挟まれるB領域にある場合は、変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
【0032】
また、この変速マップ上には副変速機構30の変速を行うモード切換変速線が低速モード最High線上に重なるように設定されている。モード切換変速線に対応するスルー変速比(以下、「モード切換変速比mRatio」という。)は低速モード最High変速比と等しい値に設定される。モード切換変速線をこのように設定するのは、バリエータ20の変速比が小さいほど副変速機構30への入力トルクが小さくなり、副変速機構30を変速させる際の変速ショックを抑えられるからである。
【0033】
そして、変速機4の動作点がモード切換変速線を横切った場合、すなわち、スルー変速比の実際値(以下、「実スルー変速比Ratio」という。)がモード切換変速比mRatioを跨いで変化した場合は、コントローラ12は以下に説明する協調変速を行い、高速モード−低速モード間の切換えを行う。
【0034】
協調変速では、コントローラ12は、副変速機構30の変速を行うとともに、バリエータ20の変速比を副変速機構30の変速比が変化する方向と逆の方向に変更する。この時、副変速機構30の変速比が実際に変化するイナーシャフェーズとバリエータ20の変速比が変化する期間を同期させる。バリエータ20の変速比を副変速機構30の変速比変化と逆の方向に変化させるのは、実スルー変速比Ratioに段差が生じることによる入力回転の変化が運転者に違和感を与えないようにするためである。
【0035】
具体的には、変速機4の実スルー変速比Ratioがモード切換変速比mRatioをLow側からHigh側に跨いで変化した場合は、コントローラ12は、副変速機構30の変速段を1速から2速に変更(1−2変速)するとともに、バリエータ20の変速比をLow側に変更する。
【0036】
逆に、変速機4の実スルー変速比Ratioがモード切換変速比mRatioをHigh側からLow側に跨いで変化した場合は、コントローラ12は、副変速機構30の変速段を2速から1速に変更(2−1変速)するとともに、バリエータ20の変速比をHigh側に変更する。
【0037】
ここで、変速機4が高速モードであって、アクセルオフ及びブレーキオンにより車両が減速しているコースト状態である時は、この協調変速を行うと、副変速機構30が2−1変速する際にバリエータ20の変速比が一旦High側に変更されるため、バリエータ20の変速比が最Low変速比まで変化するのに時間を要し、バリエータ20の変速比が最Low変速比まで変化する前に車両が停止してしまう可能性がある。
【0038】
そこで、コントローラ12は、車両が高速モードでコースト状態となり停車する場合には、上記協調変速を行わず、停車してから副変速機構30の変速段を2速から1速に変更(2−1変速)する。
【0039】
また、コントローラ12は、燃料消費量を抑制するために、以下に説明するコーストストップ制御を行う。
【0040】
コーストストップ制御は、低車速域で車両が走行している間、エンジン1を自動的に停止(コーストストップ)させて燃料消費量を抑制する制御である。アクセルオフ時に実行される燃料カット制御とは、エンジン1への燃料供給が停止される点で共通するが、ロックアップクラッチ及びLowブレーキ32を解放してエンジン1と駆動輪7との間の動力伝達経路を絶ち、エンジン1の回転を完全に停止させる点において相違する。
【0041】
コーストストップを実行するにあたっては、コントローラ12は、まず、以下に示す条件a〜d:
a:アクセルペダルから足が離されている(アクセル開度APO=0)
b:ブレーキペダルが踏み込まれている(ブレーキ液圧が所定値以上)
c:車速が所定の低車速(例えば、9km/h)以下
d:ロックアップクラッチが解放されている
を判断する。これらの条件は、言い換えれば、運転者に停車意図があるかを判断するための条件である。
【0042】
ロックアップクラッチは変速マップ上に設定されるロックアップ解除線(不図示)を高速側又は高回転側から低速側又は低回転側に横切った場合に解放される。コントローラ12は、これらの条件a〜dが全て成立した場合にコーストストップ条件成立と判断する。
【0043】
コーストストップ条件が成立したら、次に、コントローラ12は、Lowブレーキ32への指示油圧をゼロまで下げ、アキュムレータ35に蓄えられている油圧をドレーンさせる。Lowブレーキ32の供給油圧を下げているという点からすれば、コーストストップ条件の成立はLowブレーキ32への供給油圧を下げるための条件(油圧低下条件)の成立でもある。そして、コントローラ12は、アキュムレータ35に蓄えられている油圧が全てドレーンされたら、コーストストップを実行する。
【0044】
コーストストップでは、エンジン1への燃料供給を停止し、エンジン1を自動的に停止させる。エンジン1が停止すると、エンジン1の動力によって駆動されるメカオイルポンプ10mも停止してその吐出圧がゼロになり、Lowブレーキ32が完全に解放される。上記の通り、アキュムレータ35に蓄えられていた油圧は前もって全てドレーンされているので、Lowブレーキ32は、エンジン1及びメカオイルポンプ10mの停止と略同時に解放される。
【0045】
メカオイルポンプ10mからプーリ21、22の油圧シリンダ23a、23bへの供給油圧がゼロになり、かつ、Lowブレーキ32が解放されてバリエータ20が回転方向にフリーになると、バリエータ20の変速比は油圧シリンダ23a、23b内に配置されるリターンスプリングによって最Low変速比に向けて変化する。
【0046】
メカオイルポンプ10mが停止すると、電動オイルポンプ10eの駆動が開始され、電動オイルポンプ10eで発生させた油圧が油圧シリンダ23a、23bに供給され、バリエータ20を最Low変速比まで変化させる。
【0047】
油圧シリンダ23a、23bに供給される油圧は、プーリ21、22でベルト23を挟持するだけの油圧で、動力を伝達するのには十分な油圧ではない。しかしながら、Lowブレーキ32が解放され、副変速機構30がニュートラル状態になっているので、仮にブレーキング等で駆動輪7からトルクが入力されたとしてもこのトルクが副変速機構30を介してバリエータ20に伝達されることはなく、ベルト23の滑りが防止される。
【0048】
また、コントローラ12は、Lowブレーキ32が解放された後、Lowブレーキ32への供給油圧を、Lowブレーキ32を入力側要素と出力側要素との間の隙間がゼロで、かつ、Lowブレーキ32のトルク容量(伝達可能なトルク)がゼロとなる油圧(以下、「ゼロ点油圧」という。)まで上昇させる。これは、コーストストップ中、Lowブレーキ32を締結直前の状態に維持しておくことで、再加速時にはLowブレーキ32のトルク容量を速やかに上昇させ、再加速応答性を向上させるためである。
【0049】
なお、エンジン1を再始動させると、エンジン1の回転速度は一旦吹け上がった後、定常回転に落ち着く。コントローラ12は、吹け上がった時の回転がLowブレーキ32を介して駆動輪7に伝達されないようにするために、Lowブレーキ32への供給油圧はエンジン1の吹け上がりが収束するまでゼロ点油圧に維持する。
【0050】
なお、上記a〜dの条件はコーストストップ中も成立しているかの判断が継続される。そして、いずれか一つでも不成立になるとコーストストップ条件が不成立になり、コントローラ12は、エンジン1への燃料供給を再開してエンジン1を再始動するとともに、メカオイルポンプ10mが十分な油圧を発生するようになった時点で電動オイルポンプ10eを停止させる。
【0051】
ここで、コーストストップ制御を実行するとエンジン1が停止するので、エンジントルクが急激に低下する。これにより、トルク変動が大きい場合には車両の加速度が大きく変化するので、運転者にショックを感じさせる可能性がある。
【0052】
以下、コーストストップにより車両の加速度が大きく変化する場合について説明する。図3に示すように、変速機4が高速モードで走行中であって動作点がC領域にある時、アクセルオフ及びブレーキオンによりプライマリ回転速度が低下し、動作点は、高速モード最High線上の点Dとなる。その後、車速の低下に伴って、動作点が高速モード最High線に沿って移行し、点Eに到達した後はコースト線に沿って移行する。
【0053】
前述のように、高速モードからのコースト時には協調変速を行わないので、動作点がモード切換変速線を跨いでも副変速機構30の変速段は2速のままである。さらに車速が低下し、動作点が高速モード最Low線上の点Fに到達すると、高速モード最Low線に沿って車速が低下し、その後車両が停止する。
【0054】
ここで、トルクコンバータの容量係数Cとトルクコンバータの速度比eとの関係を図4に示す。速度比e<1ではトルクの伝達状態が正(エンジン1から駆動輪7へ向けてトルクが伝達される状態)、速度比e>1ではトルクの伝達状態が負(駆動輪7からエンジン1へ向けてトルクが伝達される状態)である。
【0055】
図3において動作点が点E→点F→0と移行する場合、図4において速度比eは、e>1→e=1→e<1と移行する。この場合、容量係数Cは、負の値からゼロとなり、その後、正の値へと変化する(二次曲線のような軌跡を描く)。すなわち、点Eから車速の低下に伴い容量係数Cが二次曲線のような軌跡を描きながら増加する。
【0056】
コーストストップを実行すると、エンジン回転がゼロとなるため、容量係数Cは、図4に示すように、負の値であるエンジン停止時容量係数となる。この時、コーストストップ実行前の容量係数Cがエンジン停止時容量係数から離間しているほど、コーストストップ実行時の容量係数Cの偏差(ショック)が大きくなる。容量係数Cの偏差が大きいと車両の加速度の変化量が大きくなって運転者が大きなショックとして感じることになる。
【0057】
以下、容量係数を加速度として簡易的に表わした図5を参照しながらコーストストップ時のショックについて説明する。
【0058】
図5は、図3において動作点が点Eから点Fへと移行して停車する場合のエンジン回転速度、タービン回転速度(トルクコンバータ2の出力側の回転速度)、及び車両の加速度、の変化を示すタイムチャートである。
【0059】
エンジン回転速度は略アイドル回転速度で変化せず、タービン回転速度は車速の低下に応じて低下していく。時刻t1において、タービン回転速度がエンジン回転速度を下回り、タービン回転速度はさらに低下して車両の停止とともにゼロとなる。この時、エンジン回転速度とタービン回転速度との差回転はトルクコンバータ2において吸収されている。
【0060】
また、車両の加速度は、二次曲線的に上昇し、タービン回転速度がエンジン回転速度を上回っている時刻t1以前では、負の値(車両を停止させる方向)であり、時刻t1でゼロとなった後、正の値(車両を加速させる方向)となる。すなわち、時刻t1以前では、駆動輪7がエンジン1を連れ回すドリブン状態であり、時刻t1以降は、エンジン1から駆動輪7へとクリープ力が伝達されるドライブ状態となる。
【0061】
上記のようにして減速中、コーストストップ制御によってエンジン1が停止すると、車両の加速度はエンジン停止時加速度となる。エンジン停止時加速度は、図4において容量係数がエンジン停止時容量係数であるときの加速度に対応する値である。例えば、タービン回転速度がエンジン回転速度より高く、車両の加速度が図5の点Gにある時、コーストストップ条件が成立してエンジン1を自動停止させると、負の加速度が低下して(絶対値が増加して)エンジン停止時加速度となる。しかしこの場合、車両の加速度の低下量が小さいのでショックは問題とならない。
【0062】
また、タービン回転速度がエンジン回転速度より低く、車両の加速度が図5の点Hにある時、コーストストップ条件が成立してエンジン1を自動停止させると、正の加速度が負の加速度へと変化してエンジン停止時加速度となる。この場合、車両がクリープ力によって駆動され、加速感を生じている状態から減速感を生じる状態へと急に変化することにより運転者により大きなショックを感じさせる可能性がある。
【0063】
すなわち、図3において動作点が点E→点F→0と移行する場合の加速度は、車速(タービン回転速度)の低下に伴って増加し、増加傾向にある加速度がコーストストップによって増加方向と反対の負の値(エンジン停止時加速度)となるため、運転者は大きなショックとして感じることになる。
【0064】
そこで、本実施形態では上記ショックの発生を防止するため、コントローラ12において以下のような制御を行っている。図6は、本実施形態における制御の流れを示すフローチャートである。なお、本制御は微小時間(例えば10ms)ごとに繰り返し実行される。
【0065】
ステップS11において、コントローラ12は、トルクコンバータ2の速度比を演算する。速度比は、以下の式に基づいて演算される。
【0066】
(速度比)=(タービン回転速度)/(エンジン回転速度)
【0067】
ステップS12において、コントローラ12は、トルクコンバータ2の速度比が所定のCS禁止判定値より低いか否かを判定する。速度比がCS禁止判定値より低いと判定されると処理がステップS13へ進み、CS禁止判定値以上であると判定されると処理がステップS14へ進む。CS禁止判定値は、コーストストップ制御を実行すると加速度の変動により運転者にショックを感じさせると判断できる程度の値であり、予め設定される。すなわち、本ステップでは、コーストストップ制御によってエンジン1を自動停止した場合に、車両の加速度の変化量が運転者にショックを感じさせる程度の値であるか否かが判定される。
【0068】
ステップS13において、コントローラ12は、コーストストップ制御を禁止する。
【0069】
ステップS14において、コントローラ12は、コーストストップ制御を許可する。
【0070】
すなわち、上記制御では、図7に示すように、コーストストップ条件が成立する場合であっても、速度比がCS禁止判定値より低い状態の時は、コーストストップ制御を禁止する。これにより、コーストストップ制御によるエンジン自動停止時におけるショックの発生が防止される。
【0071】
ここで、コーストストップは、例えば上述のコーストストップ条件a〜dに基づき判断されるので、条件が成立するタイミングによってコーストストップ開始時の車速は異なる。例えば、所定の低車速以下(条件cが成立)となってからブレーキペダルが踏み込まれて(条件bが成立して)コーストストップ条件が成立する場合には、ブレーキペダルが踏み込まれる(条件bが成立する)タイミングによって、コーストストップ開始時の車速が異なる。
【0072】
ブレーキペダルが踏み込まれる車速が所定の低車速以下であって比較的高車速である場合には、図7において時刻t1より早い段階(図7において左側)でコーストストップが開始され、ブレーキペダルが踏み込まれる車速が所定の停車速以下であって比較的低車速である場合には、図7において時刻t1より遅い段階(図7において右側)でコーストストップが開始される。
【0073】
すなわち、ショックのOK領域(t1より早い)でコーストストップが開始される場合もあれば、ショックのNG領域(t1より遅い)でコーストストップが開始される場合もある。このような点を考慮して、本実施形態ではショックNG領域でのコーストストップを禁止することで、コーストストップ実行によるショックの発生を防止する。
【0074】
また、上記ステップS13においてコーストストップ制御が禁止された状態で停車した場合、停車後にエンジンの自動停止を許可する。停車後であればエンジン停止に伴う加速度の変化(ショック)は殆ど生じないためである。言い換えると、エンジン1の自動停止を車両が停止するまで遅らせるということである。これにより、車両走行中にエンジン1の自動停止が禁止されるような場合であっても、停車以降にエンジン停止を行うことで燃費の低下を抑制することができる。
【0075】
以上のように本実施形態では、コーストストップ条件が成立した時であって、車両の加速度の変化量が運転者にショックを感じさせる程度の値であると判定された場合には、コーストストップ制御によるエンジン1の自動停止を禁止するので、コーストストップ制御を行うことによるショックの発生を防止でき、よって運転者にショックを感じさせることを防止することができる。(請求項1、11に対応)。
【0076】
また、トルクコンバータ2の速度比がCS禁止判定値より小さい場合には、コーストストップ制御を禁止するので、コーストストップによってエンジン1を自動停止することによって運転者が感じる程度のショックが発生するか否かを容易に判定することができる(請求項2に対応)。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0078】
例えば、ステップS12において判定に用いられるCS禁止判定値は、1に設定されてもよい。この場合、速度比<1では、容量係数の偏差が大きい(ショックNG)としてコーストストップが禁止され、速度比≧1では、容量係数の偏差が小さい(ショックOK)としてコーストストップが許可される。これにより、図7の点Gのようにエンジン停止による加速度の変化が小さい場合には、コーストストップによって燃料消費を抑制でき、エンジン停止による加速度の変化が大きい場合には、コーストストップを禁止することでショックの発生を防止することができる(請求項3に対応)。
【0079】
また、速度比<1では、エンジン1から駆動輪7へ向けてトルクが伝達されるドライブ状態であり、速度比≧1では、駆動輪7からエンジン1へ向けてトルクが伝達されるドリブン状態である。すなわち、速度比1を境にトルクの伝達方向が切り替わる。この時、駆動力伝達経路上に設けられる各歯車同士の当たり面が変化してショックが発生する。そこで、速度比が1より低い場合には、コーストストップ制御を禁止することで、駆動力の変化によるショックに加えて上記歯当たり面の変化によるショックも防止することができる(請求項3に対応)。
【0080】
さらに、ステップS12の判定に代えて、トルクセンサ48の検出値が所定駆動力より大きいか否かを判定してもよい。この場合、所定駆動力は、コーストストップ制御を実行すると加速度の変動により運転者にショックを感じさせると判断できる程度の値である。これにより、トルクセンサ48の検出値が所定駆動力より大きいと判定されるとコーストストップ制御を禁止するので、加速度の変動によるショックを防止することができる(請求項4に対応)。
【0081】
さらに、トルクセンサ48の検出値が正(エンジン1から駆動輪7へ向けてトルクが伝達される状態)であるか否かを判定してもよい。トルクセンサ48の検出値が正である場合にはドライブ状態、負(駆動輪7からエンジン1へ向けてトルクが伝達される状態)である場合にはドリブン状態である。したがって、トルクセンサ48の検出値が正であると判定された時、コーストストップ制御を禁止することで、駆動力の変化によるショックに加えて歯当たり面の変化によるショックも防止することができる(請求項5に対応)。
【0082】
上記のように、トルクセンサの検出値に応じてコーストストップの禁止を判断する構成では、トルクコンバータ2は必須ではない。例えば、上述のコーストストップ条件c、dが満たされている運転状態において、アクセルペダルが踏み込まれていると、コーストストップは許可されない。ここで、アクセルペダルを解放後、すぐにブレーキペダルを踏み込むような運転状態においては、条件a〜d全てが満たされるため、コーストストップが許可される。しかし、条件a〜dが許可される前はアクセルペダルが踏み込まれている状態であるため、コーストストップの実行によって加速度の変化量が大きくショックが生じる。
【0083】
しかしながら、上記の構成では、アクセルペダルを解放後、すぐにブレーキペダルを踏み込むような運転状態においては、駆動力が所定駆動力より大きいこと、又は駆動力がエンジンから駆動輪へと伝達される状態であること、が満たされることにより、コーストストップが禁止されるので、ショックを抑制することができる。
【0084】
さらに、図1ではトルクセンサ48はドライブシャフト上に設けられているが、駆動力伝達経路上であればその他の位置に設けられてもよい。
【0085】
さらに、本実施形態ではロックアップクラッチ付きトルクコンバータ2を例に挙げて説明したが、ロックアップクラッチを備えていないトルクコンバータであってもよい。
【0086】
さらに、本実施形態では、車両の加速度の変化量が運転者にショックを感じさせる程度の値であるか否かを判定するために、コントローラ12が速度比を演算し、演算された速度比がCS禁止判定値より小さいか否かを判定し、速度比がCS禁止判定値より小さい場合にはコーストストップ制御を禁止する構成を例に挙げて説明したが、これに代えて、「車両の加速度の変化量が運転者にショックを感じさせる程度の所定加速度以下であること」をコーストストップ条件として追加してもよい。
【0087】
これにより、車両の加速度の変化量が大きくなる場合にはコーストストップ制御が行われないので、コーストストップ制御を行うことによるショックの発生を防止でき、本実施形態と同様に運転者にショックを感じさせることを防止することができる(請求項6〜10、12に対応)。
【符号の説明】
【0088】
1 エンジン
2 トルクコンバータ(流体伝動装置)
7 駆動輪
12 コントローラ(コーストストップ制御手段、加速度判定手段、コーストストップ 禁止手段)
48 トルクセンサ(駆動力検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止するコーストストップ制御手段と、
前記エンジンが自動停止することにより生じる前記車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなるか否かを、前記コーストストップ条件が成立した時に判定する加速度判定手段と、
前記車両の加速度の変化量が前記所定加速度より大きくなると判定された場合、前記コーストストップ制御手段による前記エンジンの自動停止を禁止するコーストストップ禁止手段と、
を備えることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記エンジンと駆動輪との間に介装され、前記エンジンの駆動力を前記駆動輪へと伝達する流体伝動装置を備え、
前記加速度判定手段は、前記流体伝動装置の速度比が所定速度比より小さい場合に、前記車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記所定速度比は1であることを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記エンジンから前記駆動輪へと伝達される駆動力を検出する駆動力検出手段を備え、
前記加速度判定手段は、検出された駆動力が所定駆動力より大きい場合に、前記車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記エンジンから前記駆動輪へと伝達される駆動力を検出する駆動力検出手段を備え、
前記加速度判定手段は、検出された駆動力が前記エンジンから前記駆動輪へと伝達される状態である場合に、前記車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止するコーストストップ制御手段を備える車両の制御装置であって、
前記コーストストップ条件は、少なくとも前記エンジンが自動停止することにより生じる前記車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることを含むことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項7】
前記エンジンと駆動輪との間に介装され、前記エンジンの駆動力を前記駆動輪へと伝達する流体伝動装置を備え、
前記コーストストップ条件のうち、前記車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることは、前記流体伝動装置の速度比が所定速度比以上である場合に成立することを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
【請求項8】
前記所定速度比は1であることを特徴とする請求項7に記載の車両の制御装置。
【請求項9】
前記エンジンから前記駆動輪へと伝達される駆動力を検出する駆動力検出手段を備え、
前記コーストストップ条件のうち、前記車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることは、検出された駆動力が所定駆動力以下である場合に成立することを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
【請求項10】
前記エンジンから前記駆動輪へと伝達される駆動力を検出する駆動力検出手段を備え、
前記コーストストップ条件のうち、前記車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることは、検出された駆動力が前記駆動輪から前記エンジンへと伝達される状態である場合に成立することを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
【請求項11】
車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止する車両の制御方法であって、
前記エンジンが自動停止することにより生じる前記車両の加速度の変化量が所定加速度より大きくなるか否かを、前記コーストストップ条件が成立した時に判定する工程と、
前記車両の加速度の変化量が前記所定加速度より大きくなると判定された場合、前記エンジンの自動停止を禁止する工程と、
を含むことを特徴とする車両の制御方法。
【請求項12】
車両走行時にコーストストップ条件が成立した時、車両走行中にエンジンを自動停止する車両の制御方法であって、
前記コーストストップ条件は、少なくとも前記エンジンが自動停止することにより生じる前記車両の加速度の変化量が所定加速度以下であることを含むことを特徴とする車両の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−117424(P2012−117424A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266830(P2010−266830)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】