説明

車両の移動状態を表示する装置

車両の運動状態に関する可視的な情報を他の交通参加者に提供する装置。該装置は、車両の減速の値の情報を車両に配置した光源によって提供する。装置は同時に、光源を介して車両の速度の大きさに関する瞬間的に感知可能な情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車の加速、減速、及び速度を外部に視覚的に表示するための表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路交通には長い間、様々な問題が存在している。
【0003】
車の運転者はしばしばブレーキ装置の代わりにエンジンブレーキを使用して自身の車を減速する。このことは後続の運転者に信号で知らされないために、オーバーラン(overrun)による事故が発生する可能性がある。
【0004】
車の運転者が単にアクセルペダルを操作しないで(車を走行させて)、車が摩擦や向かい風などのためだけによって減速する場合においても、後続の運転者は全く情報を得られない。このため、交通状況のその他の信号から運転者は加速しても良いとさえ判断してしまい、オーバーランによる事故が発生する場合がある。
【0005】
車の運転者は、比較的近くを走っている車両が減速している時にはブレーキの強さが分からないことがある。このような場合、距離の減少を感じることによって初めてブレーキの強さを理解することになる。
【0006】
車の運転者は、一見しただけでは速度を把握できないので、前方の車両との距離の時間的な変化、あるいはその他の車の目に見える大きさの変化によって速度の差異を判断せざるを得ない。
【0007】
追い越しして、ミラーのみを使用する時、内側レーン、を走っている車両の速度を評価するのは難しい。このため、高速道路の加速レーンで、高速度で前方を走行している車に対して、追い抜こうという別の車が現れた場合、運転者が接近する車の速度を誤って判断してしまい、もはや十分に減速することができなくなることがある。これが原因となってオーバーランによる事故が起こる可能性がある。
【0008】
車の運転者は、追い越す対象の車が、追い越される瞬間に加速を開始しないということを確認するすべがない。
【0009】
通常、車の運転者が接近する交通車両の速度を評価することは非常に難しい。
【0010】
もう1つの重要な問題とは、暗闇で運転する際に、他の車両の移動状態を判断できるかということである。
【0011】
既存のブレーキライトは必要ではあるが、ブレーキライトは車の減速に関する情報はほとんど提供しない。先頭車両の運転者がブレーキペダルを軽く踏んでいるだけでも、又は、ブロッキング緊急ブレーキをかけた時も、ブレーキライトは後続の運転者に同一の情報を提供する。
【0012】
さらに、我々の調査によって、この不確かさのために、運転者はブレーキライトの点灯を真剣に考慮してはおらず、むしろ、例えば、必ずしも見えるわけではないが、ブレーキをかけている車の前方の走行状態を判断することによって、それ以外の情報を探っていることが明らかになった。
【0013】
バックミラーを見ることによって、サイドレーンを走行している追い越し中の車の速度をより正確に評価できるなら、オーバーランによる事故の一部は避けることができると考えている。
【0014】
速度の増減、及び瞬間的な速度の大きさに関する情報を提供する光信号が、ブレーキライトよりも多くの情報を提供し得ることを発見した。
【0015】
現在の技術レベルによると、これらのニーズを満足させるための装置及び方法が存在する。
【0016】
運動状態の測定、及びブレーキペダルやガスペダル作動の検出はほとんど特許(欧州特許第0813996号、国際公開番号第WO0192061号)で提案されている。直接加速センサを適用することによって有用な信号を得ることは多くの特許で認められる(即ち、ドイツ特許第19508416号、ドイツ特許第3319731号)。多くの場合、対象とする車輪の回転数の測定に基づいて速度信号を生成することもまた、加速信号を生成するためのすでに認められた手法であることを発見した(米国特許第5631627号、米国特許第5148147号)。最後に、その他のよく知られた解決方法では、車両の既存の信号(ABS,ESP)がさらなる処理のために利用される(英国特許第2300908号、米国特許第2002133282号)。
【0017】
受信された信号を処理した後、車両の運動状態が特定の方法によって表示される。このために様々な解決方法が生み出されたと言える。その過程は、光強度の変更(国際公開番号第WO0192061号,米国特許公開番号第2002133282号)から、光の波長(色)の変更(ドイツ特許第1024828号、米国特許第6870474号、英国特許第2398681号)、発光表面の変更(欧州特許第0813996号、国際公開番号第WO9117068号)へ、そして、フラッシュの周期の変更(英国特許第2300908号、米国特許第5631627号)に至る。いくつかのケースでは、加速表示装置(英国特許第1235457号、ドイツ特許第19808142号)、速度表示装置(欧州特許第0997344号、米国特許第5656992号)及び、車のフロントガラスに設置された表示装置(カナダ特許第2466026号、ドイツ特許第19808142号)を使用することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、これらの公知の解決方法には様々な不備があり、場合によっては理論的な欠陥もある。
【0019】
加速信号及び減速信号の出力源として、ペダルの圧力や傾斜角度の測定値は適当ではないことが判明している。これらは間違った判断につながる可能性がある。さらにこれらは、この特性がそれぞれの車によって異なるので統一された比較可能な信号を生成することはない。ペダルから受信した信号は、車両によって異なる要因を、大幅に変更して初めて、適用可能になる。
【0020】
単純な慣性理論に基づく加速センサの主な欠点は、坂道、車両の傾斜角度に対するそれらの感度であり、これは表示値に重大な不具合を与える要素になる。
【0021】
速度又は特定単位時間当たりの回転数の変化もまた、加速や減速信号を得るために有効である。この場合、車の運動状態を可能な限り短時間で表示できることが極めて重要であるが、この工程は一般的に時間がかかる(走行速度の変化を計算するためには、2つのサンプル、即ち、2つの速度又は回転数が必要になる)。したがって、そのような装置は瞬間的な加速を感知するためには好ましくない。
【0022】
今日の自動車産業の技術発展は、(有用な信号を生成するために)最も見込みのある方法を受け入れて、すでに存在する車両の信号を利用することを我々に促している。この解決方法は個々のセンサよりはるかに専門的である。今日の(及び将来の)車の大部分はABS、ESPあるいは、(傾斜に反応せずに信号を生成する)加速センサ、及び速度測定装置を含む、その他の補助システムを有する。この解決方法は発想を統合した方法を最も良く反映する。我々はシステムとその設置の単純さを極めて重要に考えている。このため、既存のシステムとの適合性は根本的な必要条件である。
【0023】
我々は、光信号によるコミュニケーションを促進する様々な表示モードの中で、輸送の原理と、人間の光学系の原理とも矛盾しない多くの解決方法を発見した。
【0024】
この理想的な例は光強度の変更である。光強度の変更に基づいて運動状態を推定することは非常に困難である。例えば、車両が過酷な天候条件の中を走行している場合、とりわけ雨や霧や雪の影響によって、人間が認知可能な表示光の強度は実質的に変更されるためである。これによって、車両がより低速で走行していると判断して、ブレーキ又は減速を弱めに作動すると、事故のリスクは大幅に増大する。
【0025】
光の色の変更もまた非常に危険である。車両の運転者が速度、及び、加速又は減速の値に割り当てられた色を取り違えると極めて危険である。また、様々な着色光源の使用は記憶するためにより長い時間を必要とするので、我々は色の使用を最小限とするように努力する必要がある。さらに、使用してもよい色は、交通規則又は人間の既成概念と対立しない色のみである。
【0026】
照明される表面を変更することもまた可能性のある解決方法であるが、運動状態の評価は小さい範囲内においてしか使用できない。スケールを大きくすると、照明される表面の変更は光強度の変更のように見えるので、上記の説明で述べたようにそれほど有力な解決方法とは思われない。これら発明は何れも視覚的に基準となる枠組みを運転者に提供しないので、速度や加速/減速の正確な査定を極めて困難にする。
【0027】
閃光を発する表示は人の注意を惹くためには極めて有用であるので、緊急ブレーキには理想的である。しかし、これは長期間の速度、加速/減速表示としては完全に不適当である。前述した利点(人の注意をそれ自体に惹きつける)のために、運転者の注意を進行中の交通からそらしてしまう。このため、閃光を発する光源を交通の中で使用することは可能な限り制限すべきである。さらに、閃光を発する光源の特権は、救急車や警察車両及び消防車両に限定されることを述べておかなければならない。
【0028】
車両の前方に固定された表示装置に関していくつかの特許を発見したが、これらのいずれも形態及び機能において、車両の前方(font)のフロントガラスに固定された速度を表示するライトの列とは別物である。
【0029】
いくつかの特許において、車両の速度の外部表示に関するものを読み取ることができるが、一般的に、これらは数字画像を形成するマトリックス状の光点から構成される。
【0030】
次の特許は我々の発明に最も近い従来技術と見なすことができる:ハンガリー特許第224153B1号、欧州特許第0299933号、ドイツ特許第2229482号、ドイツ特許第19838879号。
【0031】
しかし、上述の特許は何れも車両の速度を表す表示装置を有していない。前を走る車が突然加速して、加速(緑)ライト群の全範囲が点灯すると、たとえ、その速度が前を走る車の速度よりもはるかに速くても、後続の交通に加速を促してしまう可能性がある。したがって、速度を示すライトの列を用いなければ、加速を強めることは交通事故のリスクをより高めることになると考えられる。このことから、我々は、加速表示装置を使用する場合には、速度を示すライトの列を装備することが必須であるということを発見した。
【0032】
ハンガリー特許第224153B1号を除くと、距離とは無関係に、運転者が車両の速度、加速/減速の値を判断することができるような最大サイズのライト列を表示する限定的な光源を含む特許はない。運転者は(特に暗闇では)瞬間的な状態と共に完全な表示フィールドを見ることができて、それを通して相対的な査定により、運転者が車両の運動状態を確認することができるので、これは重要である。
【0033】
ハンガリー特許第224153B1号に開示された解決方法は、装置の感知範囲とステップサイズ(解像度)に関して満足できるものではないと考える。ブレーキを最大で(現代のABSシステムで生成し得る)1g前後の値に調整することは実用的でないと確信する。その理由は、この値は最大ブレーキ能力を示しているため(実際は、ブロック(blocking)ブレーキである)、より中程度のブレーキ(0.8〜0.9g)の時に、これでもまだ非常に強力なブレーキ力であるのだが、後続の交通には、ブレーキ力が「完全」ではないと通知されるからである。これはライトの列の全長を必要としないので、特に大きな問題ではないことを意味している。事故のリスクを低下させるため、後続の交通により強いブレーキをかけた時に、ブレーキの強さを正確に認知させるオプションを断念する必要があると考える。その代わりに、それはブロックブレーキと全く同一でなくとも、類似のタイプの力で、ライトの列全体を点灯させるようにすると、たとえ前を走る運転者が最大ブレーキ力を利用していなくても、後続の交通に、これは緊急事態であることを示唆することになる。ABSシステムを備えていない、又は、使用していない車両は、その最大減速値は0.6〜0.8gであるため、1gの測定範囲の表示装置を設置する理由は無いことを述べておかなければならない。
【0034】
表示の区分に関する我々の考えでは、差別可する必要のある状態は9個未満である。その理由は、スケールをこれより大きくすると人間の目の解像度に、スケールをこれより小さくすると、ペダルに対する人間の位置決め能力に対応しなくなるからである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
利用可能な特許の表示モードは非常に様々である。
しかし、次のような表示方法(つまり、我々の考えとしては最大の利便性)を有する特許はない。即ち、ライトの列は全体で少なくとも7個のユニットから構成されており(実用的理由から、20個未満のユニット)、下位の閾値に到達すると外側の2つの発光ユニットが点灯して、その範囲の開始点を示す。信号(速度、加速/減速)値が増加すると、ライトの列の中央のユニットが点灯して、続いて、ライトの列の中央部から両側にユニットの照明は広がり、最後にすべての発光素子が照明するようになる。表示ライトの列を2つの部分に分割することは、人間の認知を混乱させるため実用的ではないという理由からこの表示方法が考案された。異なる距離から認識されると、2つの区分部分は1つのシミと間違えられるか、または1つに収束してしまう。その解決方法として、一体のライトの列を提案する。この場合、最大の範囲を示す2つの最外部の光源が照明した後、ユニットはライト列の中心から順々に2つの端部に向かって点灯する。この方法だと、光記号のコミュニケーションは明瞭であり、より分かりやすい。さらに、この方法は、より大きい距離を考慮しても、人間の目の解像度の限度内に留まる。
【0036】
さらに、多くの特許とは対照的であるが、表示ライトの列が車の最大幅を占めることも重要である。これによってその利用範囲が増大する。この様にして、運動状況のデータ特性を、遠くの車からも評価することが可能になる。
【0037】
我々の発明分野に関して多くの特許があり、それらは多くのアイデアを提唱している。しかし、多くの場合、それらはあまり考え抜かれておらず、技術開発に適正なレベルに到達していない。大部分の特許は問題を抱えており、この為に、それらは又はそれらの一部は、ある種類の改良をした後に初めて、その業界(輸送)の中だけで利用が可能となる。これらの多くの発明家は全体で見ると新しい方法を考えだしているが、一つ一つの特許としては、近い将来に応用が可能で、効果的で、実用的で有用な解決手法を含む解決方法を提供してはいない。
【0038】
従って、解決方法、又は、現在の解決方法と自動車メーカの機会を最大限に利用して、車両の運動状態(それらの加速、減速、及び速度)を交通参加者に伝達するための有用な解決方法を提供する製品を開発することが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態のリヤウインドウを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の表示方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
車の運動状態を表す信号を、既存の安定した、信頼性のあるシステムによってサポートするシステムが必要とされている。このシステムは車両の減速、加速、及び速度を1つ以上の第三のライトで表示する。この第三のライトは、運転者のために人間の認知を支援する信号を生成する目的で、車両の最大限可能な幾何形状を利用する。このようにして、既存のシステムを組み合わせて、統合した思考プロセスを反映した新しい装置を生成する。単純さ、簡単な応用など、装置の最も重要な品質のいくつかは、人間の感覚が光信号を認識することになるので重要である。
【0041】
上記の課題を考慮して、本発明は次の装置について言及する。処理装置は、慣性に基づく加速センサ及び/又はその他の加速センサ及び/又は車輪回転センサ(速度を測定するための)及び/又はその他の速度センサ及び/又はブレーキペダルの圧力を測定するための圧力センサ及び/又はガスペダルの圧力を測定するための圧力センサ及び/又はブレーキペダルの位置を測定する手段によって、及び/またはガスペダルの位置を測定する手段によって、及び/又は従来の車の信号(例えば、BUS信号)を使用して提供される車両の加速、減速、及び速度信号を受信する。この装置は、受信した信号から、加速値を表す光表示を制御する信号と、減速値を表す光表示を制御する信号と、速度値を表す光表示を制御する信号を計算する。
【0042】
これらの信号は車の外部の視覚的に認知可能な部分に送られ、加速信号光、減速信号光、及び速度信号光が、より多くの発光ユニット(好ましくは9乃至17個)が2つの弧立した列として配列された(好ましくはLED表示部)に表示される。その列の1つは、2つの異なる色の光(減速は赤、好ましくは、加速は緑)を発光することが可能な発光ユニットから成っており、もう1つの列は1つの色(好ましくは青か黄)を発光できる発光ユニットから成っている。
【0043】
発光ユニットは受信された信号によって制御される。例えば、加速光信号を出力することができる(好ましくは、緑)光表示ユニットは、受信した加速信号に比例して制御される(加速の程度が小さい場合には、より少ない数のユニットが作動が作動して、ラインは短くなる。加速の程度がより大きい場合には、より多くの数のユニットが作動して、ラインはより長くなる)。減速光信号を出力することができる(好ましくは、赤)光表示ユニットは、受信した減速信号に比例して制御される(減速の程度が小さい場合には、より少ない数のユニットが作動し、ラインは短くなり、減速の程度が大きい場合には、より多くの数のユニットが作動して、ラインはより長くなる)。速度光信号を出力することができる(好ましくは、青と黄色)光表示ユニットは、受信した速度信号に比例して制御される(速度が小さい場合には、より少ない数のユニットが可動して、ラインは短くなり、速度がより大きい場合には、より多くの数のユニットが可能して、ラインはより長くなる)。
【0044】
本発明によるシステムは以下の3つの基本的な要素から構成される。
1.センサ(1以上)
2.処理装置(1以上)
3.表示装置(1以上)
【0045】
センサ技術の急速な発展は、我々が本発明のために適用可能と考える全てのセンサをリストアップすることを許さないので、今日、最も広く使用されているセンサを挙げるにとどめる。システムの感知要素は、センサと信号源に関する、代表的であるが、これに限定されることはない、次のリストから選択することができる。つまり、慣性に基づく加速センサ、その他の原理に基づく加速センサ、(速度を測定するための)車輪の回転センサ、その他の原理に基づく速度センサ、ブレーキペダルの圧力を測定するための圧力センサ、ガスペダルの圧力を測定するための圧力センサ、ブレーキペダルの位置を測定するための装置、ガスペダルの位置を測定するための装置、車両の既存の信号(例えば、BUS信号)の使用。
【0046】
これらのセンサと信号源を適用することによって、処理装置は車両の速度と加速度の値を展開する。
【0047】
このシステムの処理装置は、センサと信号源によって提供される信号を受信し分析し変換する。
【0048】
処理装置は、速度センサの入力信号及び/又は車両の既存の信号(例えば、BUS信号)に応じて、2つの出力信号を提供する。
【0049】
減速信号光を動作するために働く信号の1つは、上記のセンサの信号の範囲で負の範囲を有し、入力信号の負の範囲と、適当に高い減速値(好ましくは0.8g)の商が、減速及び加速信号の発光装置の減速発光部分において、それに比例する数の発光ユニットを、設置された表示装置に関する「表示方法」と題する段落で説明したように動作させる。(例えば、−0.3gの入力信号において、出力減速信号は、「表示方法」と題する段落で説明したように、減速及び加速光信号を発光することができる、設置された表示装置の減速光信号を発光するために使用される部分において、0.3/XSの数の発光素子を動作させる。ここで、Xは適当に高い減速値(典型的には、0.8g)で、Sは設置された表示装置を構成する減速及び加速の光信号発光素子の発光素子の全体の数である。)
【0050】
加速信号光を動作する働きのあるもう1つの信号は、上記のセンサの信号の範囲で正の範囲を有し、入力信号の正の範囲と、適当に高い加速値(好ましくは0.8g)の商が、減速及び加速信号発光装置の加速発光部分において、それに比例する数の発光ユニットを、設置された表示装置に関する「表示方法」と題する段落で説明したように動作させる。(例えば、0.3gの入力信号において、出力加速信号は、「表示方法」と題する段落で説明したように、減速及び加速光信号を発光することができる、設置された表示装置の加速光信号を発光するために使用される部分において、0.3/XSの数の発光素子を動作させる。ここで、Xは適当に高い減速値(典型的には、0.8g)で、Sは設置された表示装置を構成する減速及び加速の光信号発光素子の発光素子の全体の数である。)
【0051】
処理装置は、(速度を測定するための)車輪の回転数に基づくセンサ及び/又は別の原理に基づくセンサによって獲得された入力信号、及び/又は、車の既存の信号(例えば、BUS信号)に応答して、速度表示の発光素子を制御するための出力信号を送出する。かかる出力信号は、「表示方法」と題した段落で説明したように、設置された表示装置の速度光信号を出力するために使用される部分において、十分に高速な値(好ましくは、150km/h)と入力信号の商に比例した数の発光素子を動作させる。(例えば、100km/hの入力信号において、出力速度信号は、「表示方法」と題する段落で説明したように、設置された表示装置の速度光信号を発光するために使用される部分において、100/XSの数の発光素子を動作させる。ここで、Xは適当に高い速度値(典型的には、150km/h)で、Sは設置された表示装置を構成する速度光信号発光素子の発光素子の全体の数である。)
【0052】
システムの表示素子は、車両の縦方向の軸に対して垂直に配置され、列状の方式で、その全幅を利用して、車両のフロントガラスとリヤウインドウの上部部分で、車の外からのみ認識できる(様々な波長の)多色光を発光することができる装置であって、それは次のようになっている。
1.車両のフロントガラスに設置された装置は速度のみを表示できて、可視光を供給する多くの発光素子から構成されている。
2.車のリヤウインドウに設置された装置は、速度と加速/減速を表示することができて、(上下に並ぶ)2つの列で配置されており、何れの列も可視光を供給する多くの発光素子から構成されている。
【0053】
(運動状態と呼ばれる)加速値、減速値、及び速度値を表す光信号を使ったコミュニケーションは、次の工程又は表示モードで実現される。
【0054】
基本の発光ユニットから構成された「ライトの列」の2つの外側の発光素子は、初期状態(位置ライトがオンになった時)に点灯して、速度、加速、減速の全範囲を示す。速度値、加速値、減速値が小さい値から大きい値に変動すると、表示装置の「ライト列」の表示素子は装置の外側の端部に向かって作動して、「ライトの列」のユニットは最初に中央から、次に1つ1つ(追加しながら)点灯する。これによって、交通のメンバーに、比例するラインの長さによって、車の加速/減速及び速度を通知する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運動状態に関する可視的な情報を他の交通参加者に提供する表示装置であって、
前記車両の減速又は加速の値の情報を可視的に表示するための光源の第1の列と、
前記車両の速度の値の情報を可視的に表示するための光源の第2の列と、を含み、
前記光源は、車両のフロントガラス又はリヤウインドウの少なくとも一つに配置されており、
前記光源は、少なくとも一つの特定の色を放射するように制御可能な発光素子であり、
前記第1の列と前記第2の列の少なくとも一つは、二つの異なる色の光を発光し、一つの色は減速を、他の色は加速であることを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
加速センサ及び速度センサから得られた信号を信号処理装置に送出し、該信号処理装置によって、
複数の発光素子、通常はLED光源、が、加速及び速度に比例して発光ユニット内で点灯することを特徴とする、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
連続する光源の照明が、終了イベントなしに、追加的に行われることを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
上限閾値に到達すると、全ての発光素子が照明されることを特徴とする、請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
加速/減速及び速度信号センサユニットが、慣性に基づく加速センサ、他の原理に基づく加速センサ、車輪の回転に基づいて速度を測定するセンサ、他の原理に基づく速度センサ、ブレーキペダルの圧力を測定する圧力センサ、ガスペダルの圧力を測定する圧力センサ、ブレーキペダルの状態を測定する装置、ガスペダルの状態を測定する装置、車両の既存の信号、例えば、BUS信号の群から選択されることを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
列として配置された照明光源の両端の位置に、二つの範囲を示す光源が配設され、速度、加速、及び減速の全範囲を示すことを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項7】
ラインの中央から外側に、前記光源の対称な左右の照明が、前記ライン、又はフロントガラスに続く、ことを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項8】
減速光信号の動作のための信号が、センサの信号の値の負の範囲を含み、設置された表示装置で、減速及び加速を伝達する発光装置の減速発光部分において、入力信号の負の範囲と、適当に高い減速値、典型的には0.8gの商と比例する数の発光素子を動作させることを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項9】
加速光信号の動作のための信号が、センサの信号の値の正の範囲を含み、設置された表示装置で、減速及び加速を伝達する発光装置の加速発光部分において、入力信号の正の範囲と、適当に高い加速値、典型的には0.8gの商と比例する数の発光素子を動作させることを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項10】
速度を測定するための車輪の回転数に基づくセンサ及び/又は別の原理に基づいたセンサによって獲得された入力信号、及び/又は、車両の既存の信号、例えば、BUS信号、を処理して、速度表示の発光素子を制御するための出力信号を送出する処理装置をさらに備え、前記出力信号が、設置された表示装置の速度光信号を発光するために使用される部分において、十分に高速な値、典型的には、150km/h、と入力信号の商に比例した数の発光素子を動作させることを特徴とする、請求項2記載の表示装置。
【請求項11】
前記車両のリヤウインドウを前記加速/減速及び速度の表示のために用い、前方のフロントガラスを前記車両の速度を表示するために用いることを特徴とする、請求項1記載の表示装置。
【請求項12】
直線上に配置された光源が、光が車両の外側からのみ見えるように、前方のウインドウ又は後方のウインドウのガラスの上端又は下端に取り付けられたことを特徴とする、請求項11記載の表示装置。
【請求項13】
直線状の光源配列の長さが、フロントガラスのガラスの長さと略等しいことを特徴とする、請求項11記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示装置の縦軸が前記車両の垂直軸に対して略垂直であることを特徴とする、請求項11記載の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−540339(P2010−540339A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527553(P2010−527553)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/HU2008/000113
【国際公開番号】WO2009/044217
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(504111451)
【Fターム(参考)】