車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
【課題】車両の速度に応じて、エンジンルーム内をより適切に冷却できるようにすることを目的とする。
【解決手段】車両14のエンジンルーム16内に設けられ、熱交換器28を迂回して該熱交換器28の入口側42とエンジン側44とに通じる迂回流路12と、車両14の速度が第1所定速度未満のときに迂回流路12を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに迂回流路12を開状態とする第1遮蔽板21(第1開閉手段)と、車両14の速度が第2所定速度以上のときに迂回流路12を閉状態とする第2遮蔽板22(第2開閉手段)と、を有している。
【解決手段】車両14のエンジンルーム16内に設けられ、熱交換器28を迂回して該熱交換器28の入口側42とエンジン側44とに通じる迂回流路12と、車両14の速度が第1所定速度未満のときに迂回流路12を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに迂回流路12を開状態とする第1遮蔽板21(第1開閉手段)と、車両14の速度が第2所定速度以上のときに迂回流路12を閉状態とする第2遮蔽板22(第2開閉手段)と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器で昇温された熱気が再び熱交換器に導入されることを防ぐ通路を有する熱交換装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−306046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来例では、車両極低速時又はアイドリング停車時と、高速走行時とについては考慮されているものの、その中間の速度域での走行については、何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、車両の速度に応じて、エンジンルーム内をより適切に冷却できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、車両のエンジンルーム内に設けられ、熱交換器を迂回して該熱交換器の入口側とエンジン側とに通じる迂回流路と、前記車両の速度が第1所定速度未満のときに前記迂回流路を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに前記迂回流路を開状態とする第1開閉手段と、前記車両の速度が前記第2所定速度以上のときに前記迂回流路を閉状態とする第2開閉手段と、を有している。
【0007】
請求項1に記載の車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置では、車両の速度が第1所定速度未満のとき、第1開閉手段により、エンジンルーム内に設けられた迂回流路が閉状態とされるので、熱交換器の出口側においてエンジンにより熱せられた空気が、迂回流路を通って熱交換器の入口側に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器による熱交換を効率的に行うことができる。
【0008】
車両の速度が第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のとき、第1開閉手段により、迂回流路が開状態とされるので、熱交換器の入口側の空気は、該熱交換器を通過してエンジン側に流入するだけでなく、一部が該熱交換器を通過せずに迂回流路を通ってエンジン側に流入する。これにより、熱交換器を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルームにおける熱交換器のエンジン側に流入するので、該エンジン側が効率的に冷却される。
【0009】
そして、車両の速度が第2所定速度以上のとき、第2開閉手段により、再び迂回流路が閉状態とされるので、該迂回流路を通って余分な空気が、エンジンルームにおける熱交換器のエンジン側に流入することを抑制して、熱交換器における通気抵抗を低減することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置によれば、車両の速度に応じて、エンジンルーム内をより適切に冷却できるようにすることができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1から図4は、第1実施形態に係り、図1は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置を示す断面図である。
【図2】車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図3】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板が車両後方に弾性変形して迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図4】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第2遮蔽板が車両後方に弾性変形して、再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【図5】図5から図9は、第2実施形態に係り、図5は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置を示す断面図である。
【図6】車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図7】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板が車両後方に回動して、迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図8】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第2遮蔽板が車両後方に回動して、再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【図9】第1遮蔽板及び第2遮蔽板が、ラジエータサポートサイドに設けられた変形例を示す断面図である。
【図10】図10から図16は、第3実施形態に係り、図10は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置を示す断面図である。
【図11】車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図12】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が車両後方に回動して、迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図13】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が更に車両後方に回動して、第2遮蔽板により再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【図14】図14から図16は、変形例に係り、図14は、車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板及び第2遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図15】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が車両後方に回動して、迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図16】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が更に車両後方に回動して、第2遮蔽板により再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置10は、迂回流路12と、第1開閉手段の一例たる第1遮蔽板21と、第2開閉手段の一例たる第2遮蔽板22とを有している。
【0014】
図示されるエンジンルーム16は、車両14の前部に設けられ、該エンジンルーム16内には、エンジン18が搭載されている。エンジンルーム16内における該エンジン18の車両前方には、熱交換器28が配設されている。この熱交換器28は、例えばラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26により保持されている。熱交換器28としては、例えばコンデンサ28C及びラジエータ28Rが設けられている。熱交換器28の車両後方側には、例えばファンシュラウド34により覆われた冷却用のファン32が配設されている。ラジエータサポートアッパ24の車両前側には、例えばバンパ36が取り付けられている。エンジンルーム16の車両上側は、開閉可能なフード38により覆われている。
【0015】
迂回流路12は、車両14のエンジンルーム16内に設けられ、熱交換器28を迂回して該熱交換器28の入口側42とエンジン側44とに通じるように構成されている。この迂回流路12は、例えば熱交換器28の車両上側及び車両下側に夫々設けられている。熱交換器28の車両上側の迂回流路12は、ラジエータサポートアッパ24と熱交換器28との間の空隙であり、車両下側の迂回流路12は、ラジエータサポートロア26と熱交換器28との間の空隙である。
【0016】
図2において、第1遮蔽板21は、車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のときに迂回流路12を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに迂回流路12を開状態とするように構成されている。ここで、第1所定速度とは例えば30km/hであり、第2所定速度とは例えば80km/hである。車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のとき、該車両14は低速走行状態又はアイドリング状態にあり、該第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、該車両14は中速走行状態にある。そして車両14の速度が第2所定速度以上のとき、該車両14は高速走行状態にある。なお、第1所定速度及び第2所定速度は、上記速度に限られるものではない。
【0017】
この第1遮蔽板21は、ゴム等の弾性体からなる板状部材であり、車両上側の迂回流路12においては、係合部21Aをラジエータサポートアッパ24に車両下側から差し込むことで、該ラジエータサポートアッパ24に係止され、該ラジエータサポートアッパ24から垂下した状態となっている。車両下側の迂回流路12においては、係合部21Aをラジエータサポートロア26に車両上側から差し込むことで、該ラジエータサポートロア26に係止され、該ラジエータサポートロア26から車両上側に立設された状態となっている(図1参照)。
【0018】
第1遮蔽板21は、熱交換器28における例えばラジエータ28Rの車幅方向寸法に対応する車幅方向寸法を有している。車両14の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時において、第1遮蔽板21の自由端21Bは、例えばラジエータ28Rの上縁46の後面に当接し、迂回流路12を閉状態とするように配置されている。図3に示されるように、第1遮蔽板21は、車両14(図1)の速度が、第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のときに、熱交換器28の入口側42から迂回流路12に流入する空気の圧力により車両後方側に弾性変形し、該迂回流路12を開状態とするように構成されている。
【0019】
図2において、第2遮蔽板22は、車両14の速度が第2所定速度以上のときに迂回流路12を閉状態とするように構成されている。この第2遮蔽板22は、ゴム等の弾性体からなる板状部材であり、車両上側の迂回流路12においては、係合部22Aをバンパ36に車両下側から差し込むことで、該バンパ36に係止され、該バンパ36から垂下した状態となっている。車両下側の迂回流路12においては、係合部22Aをラジエータサポートロア26に車両上側から差し込むことで、該バンパ36に係止され、該バンパ36から車両上側に立設された状態となっている(図1参照)。
【0020】
第2遮蔽板22は、熱交換器28における例えばコンデンサ28Cの車幅方向寸法に対応する車幅方向寸法を有している。また図4に示されるように、第2遮蔽板22は、車両14(図1)の速度が第2所定速度以上のときに、車両14(図1)の前方から熱交換器28の入口側42側に流入する空気の圧力により車両後方側に弾性変形し、自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接して、迂回流路12を閉状態とするように構成されている。換言すれば、第2遮蔽板22は、車両14(図1)の速度が第2所定速度以上のときに、コンデンサ28Cの前面に当接可能な車両上下方向寸法を有している(図4参照)。図2に示されるように、車両14の速度が第1所定速度未満のとき、第2遮蔽板22の自由端22Bは、コンデンサ28Cの前面と離間するように、該コンデンサ28Cよりも車両前方側に配置されている。
【0021】
第2遮蔽板22は、第1遮蔽板21よりも弾性率が高く設定されている。これによって第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のときに第1遮蔽板21が弾性変形し、第2遮蔽板22が第2所定速度以上のときに第2遮蔽板22が弾性変形するようになっている。
【0022】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図2において、本実施形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置10では、車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21が弾性変形せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。
【0023】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図1)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0024】
次に、図3において、車両14(図1)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。これにより、第1遮蔽板21が車両後方に弾性変形することで、自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46から離間し、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0025】
なお、第2遮蔽板22は、第1遮蔽板21よりも弾性率が高く設定されているので、該第1遮蔽板21と比較して弾性変形し難い。従って、車両14の速度が第2所定速度未満のときに、第1遮蔽板21が弾性変形してその自由端21Bが上縁46から離れても、第2遮蔽板22の自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接して、迂回流路12が塞がれることはない。
【0026】
そして、図4に示されるように、車両14(図1)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第2遮蔽板22が車両後方に弾性変形して、自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0027】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【0028】
[第2実施形態]
図5,図6において、本実施の形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置20では、第1遮蔽板21がピン48によりバンパ36に回動自在に支持され、第2遮蔽板22がピン50によりラジエータサポートアッパ24に回動自在に支持されている。
【0029】
図6に示されるように、第2遮蔽板22におけるピン50回りには、例えばねじりコイルばね52が設けられている。これにより、第2遮蔽板22は、第1遮蔽板21よりも車両後方側に回動し難くなっている。
【0030】
第1遮蔽板21はピン48を中心として回動することができ、第2遮蔽板22はピン50を中心として回動することができるので、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22として、金属や樹脂等の板状部材を用いることができる。なお、第1実施形態のように、ゴム等の弾性体からなる板状部材を用いることも可能である。
【0031】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図6において、本実施形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置20では、車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21が車両後方側に回動せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。
【0033】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図1)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0034】
次に、図7において、車両14(図5)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。これにより、第1遮蔽板21が車両後方に回動することで、自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46から離間し、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0035】
なお、第2遮蔽板22にはねじりコイルばね52が設けられているので、第1遮蔽板21と比較して車両後方側に回動し難い。従って、車両14の速度が第2所定速度未満のときに、第1遮蔽板21が車両後方側に回動してその自由端21Bが上縁46から離れても、第2遮蔽板22の自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接して、迂回流路12が塞がれることはない。
【0036】
そして、図8に示されるように、車両14(図5)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第2遮蔽板22がねじりコイルばね52の付勢力に抗して車両後方に回動して、自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0037】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【0038】
(変形例)
本実施形態では、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26に設けられるものとしたが、これに限られず、図9に示されるように、例えば熱交換器28の車幅方向外側に設けられるラジエータサポートサイド54に設けてもよい。この変形例では、車両14(図5)の速度が第1所定速度未満のとき、第1遮蔽板21がファンシュラウド34に当接することで、迂回流路12が閉状態となる。なお、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22を、ラジエータサポートアッパ24、ラジエータサポートロア26及びラジエータサポートサイド54のすべてに設けてもよい。第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22の作用については上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
[第3実施形態]
図10,図11において、本実施の形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置30では、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ピン56の位置で交差する例えばL字形に構成され、該ピン56によりラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26に夫々一体的に回動自在に支持されている。図11に示されるように、ラジエータサポートアッパ24にはダクト58が設けられており、またラジエータサポートロア26にもダクト60が設けられている。このダクト58,60によって、図11に示される状態、即ち車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のときにおいて、熱交換器28の入口側42から第2遮蔽板22の上面側に向かう迂回流路12と、該第2遮蔽板22の下面側及び第1遮蔽板21に向かう迂回流路12とが設けられている。
【0040】
なお、第2実施形態と同様に、ピン56回りにねじりコイルばねを設けるようにしてもよい。
【0041】
他の部分については、第1実施形態又は第2実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図11において、本実施形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置30では、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、上下の迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が車両後方側に回動せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。迂回流路12においては、空気が第1遮蔽板21により遮られて矢印D方向に戻り、熱交換器28を通ってエンジン側44側へ流入する。
【0043】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図10)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0044】
次に、図12において、車両14(図5)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。また車両上側の迂回流路12から第2遮蔽板22に対しても、熱交換器28の入口側42側における空気の圧力が、矢印C方向に作用する。これにより、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ピン56を中心として一体的に車両後方に若干回動することで、自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46から離間し、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0045】
そして、図13に示されるように、車両14(図5)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が一体的に更に車両後方に回動して、自由端22Bが上縁46の前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0046】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【0047】
(変形例)
本実施形態では、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22を支持するピン56が、ラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26に設けられるものとしたが、これに限られず、図14から図16に示されるように、該ピン56を例えばラジエータ28Rに設けてもよい。この場合、図14に示されるように、例えばラジエータサポートアッパ24に、ストッパ62,64が設けられる。ストッパ62には、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のときに第1遮蔽板21の自由端21Bが車両後方側から当接し、車両14の速度が第2所定速度以上のときに、第2遮蔽板22の自由端22Bが車両前方側から当接するようになっている。ストッパ64には、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のときに、第2遮蔽板22の自由端22Bが当接するようになっている。図示は省略するが、ラジエータサポートロア26にも、ストッパ62,64に相当する部位が設けられる。
【0048】
この変形例では、図14に示されるように、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、上下の迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が車両後方側に回動せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bが、ラジエータサポートアッパ24に設けられたストッパ62に当接し、第2遮蔽板22の自由端22Bが、ラジエータサポートアッパ24に設けられたストッパ64に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。
【0049】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図10)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0050】
次に、図15において、車両14(図5)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。これにより、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ピン56を中心として一体的に車両後方に回動することで、自由端21Bがラジエータ28Rのストッパ62から離間し、また第2遮蔽板22の自由端22Bがストッパ64から離間することで、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0051】
そして、図16に示されるように、車両14(図5)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が一体的に更に車両後方に回動して、自由端22Bがストッパ62の前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0052】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【符号の説明】
【0053】
10 車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
12 迂回流路
14 車両
16 エンジンルーム
18 エンジン
20 車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
21 第1遮蔽板(第1遮蔽手段)
22 第2遮蔽板(第2遮蔽手段)
28 熱交換器
30 車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
42 入口側
44 エンジン側
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器で昇温された熱気が再び熱交換器に導入されることを防ぐ通路を有する熱交換装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−306046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来例では、車両極低速時又はアイドリング停車時と、高速走行時とについては考慮されているものの、その中間の速度域での走行については、何ら考慮されていない。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、車両の速度に応じて、エンジンルーム内をより適切に冷却できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、車両のエンジンルーム内に設けられ、熱交換器を迂回して該熱交換器の入口側とエンジン側とに通じる迂回流路と、前記車両の速度が第1所定速度未満のときに前記迂回流路を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに前記迂回流路を開状態とする第1開閉手段と、前記車両の速度が前記第2所定速度以上のときに前記迂回流路を閉状態とする第2開閉手段と、を有している。
【0007】
請求項1に記載の車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置では、車両の速度が第1所定速度未満のとき、第1開閉手段により、エンジンルーム内に設けられた迂回流路が閉状態とされるので、熱交換器の出口側においてエンジンにより熱せられた空気が、迂回流路を通って熱交換器の入口側に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器による熱交換を効率的に行うことができる。
【0008】
車両の速度が第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のとき、第1開閉手段により、迂回流路が開状態とされるので、熱交換器の入口側の空気は、該熱交換器を通過してエンジン側に流入するだけでなく、一部が該熱交換器を通過せずに迂回流路を通ってエンジン側に流入する。これにより、熱交換器を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルームにおける熱交換器のエンジン側に流入するので、該エンジン側が効率的に冷却される。
【0009】
そして、車両の速度が第2所定速度以上のとき、第2開閉手段により、再び迂回流路が閉状態とされるので、該迂回流路を通って余分な空気が、エンジンルームにおける熱交換器のエンジン側に流入することを抑制して、熱交換器における通気抵抗を低減することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置によれば、車両の速度に応じて、エンジンルーム内をより適切に冷却できるようにすることができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1から図4は、第1実施形態に係り、図1は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置を示す断面図である。
【図2】車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図3】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板が車両後方に弾性変形して迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図4】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第2遮蔽板が車両後方に弾性変形して、再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【図5】図5から図9は、第2実施形態に係り、図5は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置を示す断面図である。
【図6】車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図7】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板が車両後方に回動して、迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図8】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第2遮蔽板が車両後方に回動して、再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【図9】第1遮蔽板及び第2遮蔽板が、ラジエータサポートサイドに設けられた変形例を示す断面図である。
【図10】図10から図16は、第3実施形態に係り、図10は、車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置を示す断面図である。
【図11】車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図12】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が車両後方に回動して、迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図13】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が更に車両後方に回動して、第2遮蔽板により再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【図14】図14から図16は、変形例に係り、図14は、車両の速度が第1所定速度未満のときに、第1遮蔽板及び第2遮蔽板により迂回流路が閉状態とされている状態を示す断面図である。
【図15】車両の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が車両後方に回動して、迂回流路が開状態となった状態を示す断面図である。
【図16】車両の速度が第2所定速度以上のとき、第1遮蔽板及び第2遮蔽板が更に車両後方に回動して、第2遮蔽板により再び迂回流路が閉状態とされた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置10は、迂回流路12と、第1開閉手段の一例たる第1遮蔽板21と、第2開閉手段の一例たる第2遮蔽板22とを有している。
【0014】
図示されるエンジンルーム16は、車両14の前部に設けられ、該エンジンルーム16内には、エンジン18が搭載されている。エンジンルーム16内における該エンジン18の車両前方には、熱交換器28が配設されている。この熱交換器28は、例えばラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26により保持されている。熱交換器28としては、例えばコンデンサ28C及びラジエータ28Rが設けられている。熱交換器28の車両後方側には、例えばファンシュラウド34により覆われた冷却用のファン32が配設されている。ラジエータサポートアッパ24の車両前側には、例えばバンパ36が取り付けられている。エンジンルーム16の車両上側は、開閉可能なフード38により覆われている。
【0015】
迂回流路12は、車両14のエンジンルーム16内に設けられ、熱交換器28を迂回して該熱交換器28の入口側42とエンジン側44とに通じるように構成されている。この迂回流路12は、例えば熱交換器28の車両上側及び車両下側に夫々設けられている。熱交換器28の車両上側の迂回流路12は、ラジエータサポートアッパ24と熱交換器28との間の空隙であり、車両下側の迂回流路12は、ラジエータサポートロア26と熱交換器28との間の空隙である。
【0016】
図2において、第1遮蔽板21は、車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のときに迂回流路12を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに迂回流路12を開状態とするように構成されている。ここで、第1所定速度とは例えば30km/hであり、第2所定速度とは例えば80km/hである。車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のとき、該車両14は低速走行状態又はアイドリング状態にあり、該第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、該車両14は中速走行状態にある。そして車両14の速度が第2所定速度以上のとき、該車両14は高速走行状態にある。なお、第1所定速度及び第2所定速度は、上記速度に限られるものではない。
【0017】
この第1遮蔽板21は、ゴム等の弾性体からなる板状部材であり、車両上側の迂回流路12においては、係合部21Aをラジエータサポートアッパ24に車両下側から差し込むことで、該ラジエータサポートアッパ24に係止され、該ラジエータサポートアッパ24から垂下した状態となっている。車両下側の迂回流路12においては、係合部21Aをラジエータサポートロア26に車両上側から差し込むことで、該ラジエータサポートロア26に係止され、該ラジエータサポートロア26から車両上側に立設された状態となっている(図1参照)。
【0018】
第1遮蔽板21は、熱交換器28における例えばラジエータ28Rの車幅方向寸法に対応する車幅方向寸法を有している。車両14の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時において、第1遮蔽板21の自由端21Bは、例えばラジエータ28Rの上縁46の後面に当接し、迂回流路12を閉状態とするように配置されている。図3に示されるように、第1遮蔽板21は、車両14(図1)の速度が、第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のときに、熱交換器28の入口側42から迂回流路12に流入する空気の圧力により車両後方側に弾性変形し、該迂回流路12を開状態とするように構成されている。
【0019】
図2において、第2遮蔽板22は、車両14の速度が第2所定速度以上のときに迂回流路12を閉状態とするように構成されている。この第2遮蔽板22は、ゴム等の弾性体からなる板状部材であり、車両上側の迂回流路12においては、係合部22Aをバンパ36に車両下側から差し込むことで、該バンパ36に係止され、該バンパ36から垂下した状態となっている。車両下側の迂回流路12においては、係合部22Aをラジエータサポートロア26に車両上側から差し込むことで、該バンパ36に係止され、該バンパ36から車両上側に立設された状態となっている(図1参照)。
【0020】
第2遮蔽板22は、熱交換器28における例えばコンデンサ28Cの車幅方向寸法に対応する車幅方向寸法を有している。また図4に示されるように、第2遮蔽板22は、車両14(図1)の速度が第2所定速度以上のときに、車両14(図1)の前方から熱交換器28の入口側42側に流入する空気の圧力により車両後方側に弾性変形し、自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接して、迂回流路12を閉状態とするように構成されている。換言すれば、第2遮蔽板22は、車両14(図1)の速度が第2所定速度以上のときに、コンデンサ28Cの前面に当接可能な車両上下方向寸法を有している(図4参照)。図2に示されるように、車両14の速度が第1所定速度未満のとき、第2遮蔽板22の自由端22Bは、コンデンサ28Cの前面と離間するように、該コンデンサ28Cよりも車両前方側に配置されている。
【0021】
第2遮蔽板22は、第1遮蔽板21よりも弾性率が高く設定されている。これによって第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のときに第1遮蔽板21が弾性変形し、第2遮蔽板22が第2所定速度以上のときに第2遮蔽板22が弾性変形するようになっている。
【0022】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図2において、本実施形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置10では、車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21が弾性変形せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。
【0023】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図1)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0024】
次に、図3において、車両14(図1)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。これにより、第1遮蔽板21が車両後方に弾性変形することで、自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46から離間し、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0025】
なお、第2遮蔽板22は、第1遮蔽板21よりも弾性率が高く設定されているので、該第1遮蔽板21と比較して弾性変形し難い。従って、車両14の速度が第2所定速度未満のときに、第1遮蔽板21が弾性変形してその自由端21Bが上縁46から離れても、第2遮蔽板22の自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接して、迂回流路12が塞がれることはない。
【0026】
そして、図4に示されるように、車両14(図1)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第2遮蔽板22が車両後方に弾性変形して、自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0027】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【0028】
[第2実施形態]
図5,図6において、本実施の形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置20では、第1遮蔽板21がピン48によりバンパ36に回動自在に支持され、第2遮蔽板22がピン50によりラジエータサポートアッパ24に回動自在に支持されている。
【0029】
図6に示されるように、第2遮蔽板22におけるピン50回りには、例えばねじりコイルばね52が設けられている。これにより、第2遮蔽板22は、第1遮蔽板21よりも車両後方側に回動し難くなっている。
【0030】
第1遮蔽板21はピン48を中心として回動することができ、第2遮蔽板22はピン50を中心として回動することができるので、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22として、金属や樹脂等の板状部材を用いることができる。なお、第1実施形態のように、ゴム等の弾性体からなる板状部材を用いることも可能である。
【0031】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図6において、本実施形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置20では、車両14(図1)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21が車両後方側に回動せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。
【0033】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図1)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0034】
次に、図7において、車両14(図5)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。これにより、第1遮蔽板21が車両後方に回動することで、自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46から離間し、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0035】
なお、第2遮蔽板22にはねじりコイルばね52が設けられているので、第1遮蔽板21と比較して車両後方側に回動し難い。従って、車両14の速度が第2所定速度未満のときに、第1遮蔽板21が車両後方側に回動してその自由端21Bが上縁46から離れても、第2遮蔽板22の自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接して、迂回流路12が塞がれることはない。
【0036】
そして、図8に示されるように、車両14(図5)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第2遮蔽板22がねじりコイルばね52の付勢力に抗して車両後方に回動して、自由端22Bがコンデンサ28Cの前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0037】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【0038】
(変形例)
本実施形態では、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26に設けられるものとしたが、これに限られず、図9に示されるように、例えば熱交換器28の車幅方向外側に設けられるラジエータサポートサイド54に設けてもよい。この変形例では、車両14(図5)の速度が第1所定速度未満のとき、第1遮蔽板21がファンシュラウド34に当接することで、迂回流路12が閉状態となる。なお、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22を、ラジエータサポートアッパ24、ラジエータサポートロア26及びラジエータサポートサイド54のすべてに設けてもよい。第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22の作用については上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
[第3実施形態]
図10,図11において、本実施の形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置30では、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ピン56の位置で交差する例えばL字形に構成され、該ピン56によりラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26に夫々一体的に回動自在に支持されている。図11に示されるように、ラジエータサポートアッパ24にはダクト58が設けられており、またラジエータサポートロア26にもダクト60が設けられている。このダクト58,60によって、図11に示される状態、即ち車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のときにおいて、熱交換器28の入口側42から第2遮蔽板22の上面側に向かう迂回流路12と、該第2遮蔽板22の下面側及び第1遮蔽板21に向かう迂回流路12とが設けられている。
【0040】
なお、第2実施形態と同様に、ピン56回りにねじりコイルばねを設けるようにしてもよい。
【0041】
他の部分については、第1実施形態又は第2実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図11において、本実施形態に係る車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置30では、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、上下の迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が車両後方側に回動せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。迂回流路12においては、空気が第1遮蔽板21により遮られて矢印D方向に戻り、熱交換器28を通ってエンジン側44側へ流入する。
【0043】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図10)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0044】
次に、図12において、車両14(図5)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。また車両上側の迂回流路12から第2遮蔽板22に対しても、熱交換器28の入口側42側における空気の圧力が、矢印C方向に作用する。これにより、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ピン56を中心として一体的に車両後方に若干回動することで、自由端21Bがラジエータ28Rの上縁46から離間し、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0045】
そして、図13に示されるように、車両14(図5)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が一体的に更に車両後方に回動して、自由端22Bが上縁46の前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0046】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【0047】
(変形例)
本実施形態では、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22を支持するピン56が、ラジエータサポートアッパ24及びラジエータサポートロア26に設けられるものとしたが、これに限られず、図14から図16に示されるように、該ピン56を例えばラジエータ28Rに設けてもよい。この場合、図14に示されるように、例えばラジエータサポートアッパ24に、ストッパ62,64が設けられる。ストッパ62には、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のときに第1遮蔽板21の自由端21Bが車両後方側から当接し、車両14の速度が第2所定速度以上のときに、第2遮蔽板22の自由端22Bが車両前方側から当接するようになっている。ストッパ64には、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のときに、第2遮蔽板22の自由端22Bが当接するようになっている。図示は省略するが、ラジエータサポートロア26にも、ストッパ62,64に相当する部位が設けられる。
【0048】
この変形例では、図14に示されるように、車両14(図10)の速度が第1所定速度未満のとき、即ち低速走行時やアイドリング時には、上下の迂回流路12に流入する空気の速度が小さいため、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が車両後方側に回動せず、該第1遮蔽板21の自由端21Bが、ラジエータサポートアッパ24に設けられたストッパ62に当接し、第2遮蔽板22の自由端22Bが、ラジエータサポートアッパ24に設けられたストッパ64に当接した状態が持続するので、該第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22により迂回流路12が閉状態とされる。従って、車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。また必要に応じてファン32が回転することで、熱交換器28の入口側42側の空気は、エンジン側44側へ、より効率的に流入する。
【0049】
このファン32の作動時には、熱交換器28の入口側42側よりもエンジン側44の方が高圧になる。しかしながら、第1遮蔽板21により迂回流路12が閉状態とされているので、エンジン18(図10)により熱せられた空気が、該迂回流路12を通って熱交換器28の入口側42に回り込むことが抑制される。このため、熱交換器28による熱交換を効率的に行うことができる。
【0050】
次に、図15において、車両14(図5)の速度が第1所定速度以上かつ第2所定速度未満のとき、即ち中速走行時には、車外から熱交換器28の入口側42に流入する空気の量が増加することで、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22の車両前側と車両後側とにおいて圧力差が生じる。これにより、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が、ピン56を中心として一体的に車両後方に回動することで、自由端21Bがラジエータ28Rのストッパ62から離間し、また第2遮蔽板22の自由端22Bがストッパ64から離間することで、迂回流路12が開状態とされる。熱交換器28の入口側42の空気は、該熱交換器28を通過してエンジン側に流入するだけでなく(矢印A方向)、一部が該熱交換器28を通過せずに迂回流路12を通ってエンジン側44に流入する(矢印B方向)。これにより、熱交換器28を通過しない比較的低温の空気が、エンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入するので、該エンジン側44が効率的に冷却される。
【0051】
そして、図16に示されるように、車両14(図5)の速度が第2所定速度以上のとき、即ち高速走行時には、第1遮蔽板21及び第2遮蔽板22が一体的に更に車両後方に回動して、自由端22Bがストッパ62の前面に当接することで、再び迂回流路12が閉状態とされる。車外から熱交換器28の入口側42側に流入した空気は、該熱交換器28を通り、ファンシュラウド34により案内されて、エンジン側44へ矢印A方向に流入する。
【0052】
高速走行時には、エンジンルーム16内の冷却性に余裕があるが、走行抵抗に空気抵抗が占める割合が大きくなるため、迂回流路12を閉じ、余分な空気が迂回流路12を通ってエンジンルーム16内における熱交換器28のエンジン側44に流入することを抑制することで、該熱交換器28における通気抵抗を低減することができる。
【符号の説明】
【0053】
10 車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
12 迂回流路
14 車両
16 エンジンルーム
18 エンジン
20 車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
21 第1遮蔽板(第1遮蔽手段)
22 第2遮蔽板(第2遮蔽手段)
28 熱交換器
30 車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置
42 入口側
44 エンジン側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジンルーム内に設けられ、熱交換器を迂回して該熱交換器の入口側とエンジン側とに通じる迂回流路と、
前記車両の速度が第1所定速度未満のときに前記迂回流路を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに前記迂回流路を開状態とする第1開閉手段と、
前記車両の速度が前記第2所定速度以上のときに前記迂回流路を閉状態とする第2開閉手段と、
を有する車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置。
【請求項1】
車両のエンジンルーム内に設けられ、熱交換器を迂回して該熱交換器の入口側とエンジン側とに通じる迂回流路と、
前記車両の速度が第1所定速度未満のときに前記迂回流路を閉状態とし、該第1所定速度以上かつ該第1所定速度より高い第2所定速度未満のときに前記迂回流路を開状態とする第1開閉手段と、
前記車両の速度が前記第2所定速度以上のときに前記迂回流路を閉状態とする第2開閉手段と、
を有する車両エンジンルーム内の冷却風の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−188984(P2010−188984A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38458(P2009−38458)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]