車両フロア構造
【課題】 フロア面の見栄え低下を抑えるとともに、上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度を大きく取ることができ、さらには車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に上方向へ移動させることのできる車両フロア構造を提供する。
【解決手段】 フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にするとともに、上部フロアパネル11を強固な部材で形成する。そして、上部フロアパネル11を乗員の体の大きさに合わせて上下方向に移動させて位置調整するモータ21と、車両に対して大きな荷重が入力されたときに上部フロアパネル11を上方向に瞬時に移動させるための火薬19Dを有する可動体19とを設ける。
【解決手段】 フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にするとともに、上部フロアパネル11を強固な部材で形成する。そして、上部フロアパネル11を乗員の体の大きさに合わせて上下方向に移動させて位置調整するモータ21と、車両に対して大きな荷重が入力されたときに上部フロアパネル11を上方向に瞬時に移動させるための火薬19Dを有する可動体19とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両フロア構造に係り、特に、フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にした車両フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にし、上部フロアパネルだけを上下方向に移動できるようにした車両フロア構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記車両フロア構造は、フロント側の上部フロアパネルが上下方向に移動できるようになっており、図14に示すように、体の大きい乗員の場合は、上部フロアパネル1を下部フロアパネル2に密着させて上部フロアパネル1の位置を低く設定し、また図15に示すように、体の小さい乗員の場合は、上部フロアパネル1を下部フロアパネル2から離して上部フロアパネル1の位置を高く設定する。また、各ペダル3(アクセルペダル、ブレーキペダル等)が取り付けられたキャリッジ4が設けられ、このキャリッジ4がステアリングシャフト5に沿って摺動することにより、各ペダル3の位置が上部フロアパネル1の上下方向の移動に伴って変えられるようになっている。
【0004】
また、上記車両フロア構造においては、図16に示すように、上部フロアパネル1と下部フロアパネル2とは複数の連結部材6で結合され、さらに上部フロアパネル1の後端部には直線牽引装置7が連結されている。そして、車両前部に大きな荷重入力があった場合、直線牽引装置7が作動して上部フロアパネル1を車両後方へ引っ張ることにより、上部フロアパネル1が上方向に大きく引き上げられ、乗員の下肢を衝撃から保護することができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−203361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、上部フロアパネル1を前後方向に動かすことで上部フロアパネル1を上下方向に移動させるようになっているので、上部フロアパネル1の上下方向への移動の度に第2クロスメンバ(図15のA部付近)の全面に凹みや隙間が発生し、フロア面の見栄えが悪くなるという問題がある。
【0006】
また、上部フロアパネル1の上下方向へのストローク量は連結部材6の長さに規制されてしまい、ストローク量の自由度がないという問題もある。
【0007】
さらに、上部フロアパネル1と下部フロアパネル2とが連結部材6を介して互いに連結されているので、車両前部から大きな荷重入力があって下部フロアパネル2が変形し始めると、上部フロアパネル1は前後の動きが抑制され、さらに連結部材6を介して下部フロアパネル2によって引っ張られることになり、上部フロアパネル1が設計値どおり上方向に移動できない恐れがある。
【0008】
本発明は、フロア面の見栄え低下を抑えるとともに、上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度を大きく取ることができ、さらには車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に上方向へ移動させることのできる車両フロア構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にするとともに、車両に対して大きな荷重が入力されたときに前記上部フロアパネルを垂直上方向に強制的に移動させる駆動手段を設けたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、上部フロアパネルが前後方向ではなく垂直上方向に移動する構造であるから、第2クロスメンバの全面に凹みや隙間が発生することはなく、フロア面の見栄え低下を抑えることができる。また、上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度も任意に設定することができる。
【0011】
また、上部フロアパネルを駆動手段によって垂直上方向に強制的に移動させる構成であるので、車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に上方向へ移動させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フロア面の見栄え低下を抑えることができ、また上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度を大きく取ることができる。
【0013】
さらに、車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に垂直上方向へ移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例1】
【0015】
図1〜図7は本発明の実施例1による車両フロア構造を示している。この車両フロア構造は、図1に示すように、上部フロアパネル11と下部フロアパネル12からなる二重構造をなしている。上部フロアパネル11は所定の板厚を有する強固な板状部材で形成され、また上下方向に移動自在に設けられている。図1は、第2クロスメンバ13よりもフロント側でかつ車両左側の車両フロア構造を示しているが、車両右側の車両フロア構造も略同様な構成である。図中、符号14は車幅方向中央に設けられプロペラシャフトが収納されるフロアトンネルである。
【0016】
図2は、図1において上部フロアパネル11を矢印B方向から見たときの側面図である。図2に示すように、上部フロアパネル11は、平面部11Aと、平面部11Aの前部に設けられ斜め上方に折り曲げられた傾斜部11Bとを有する。傾斜部11Bは下部フロアパネル12の前側傾斜部12A(図3参照)の形状に合わせて形成されている。
【0017】
次に、上部フロアパネル11を上下方向に移動させる駆動装置(駆動手段)について説明する。
【0018】
図3及び図4に示すように、サイドシル15の側面及びフロアトンネル14の側面には円筒状のパイプ16,17が設けられている。パイプ17は長さがパイプ16よりも短く、パイプ16の上方に配置されている。パイプ16,17は前部が上方に向かってL字型に折り曲げられ、パイプ16の折り曲げ部先端は下部フロアパネル12の前部側(前側傾斜部12Aに近い側)に、パイプ17の折り曲げ部先端は下部フロアパネル12の後部側(第2クロスメンバ13に近い側)にそれぞれ配設されている。
【0019】
パイプ16,17の後部は、第2クロスメンバ13の両端下部の隅部に形成された切欠13Aを通って第2クロスメンバ13の内部まで延設されている。また、パイプ16,17の後部は1つにまとめられている。
【0020】
すなわち、パイプ16,17は、図5に示すように、後部側がパイプ18にまとめられて、そのパイプ18の内部にはパイプ18の軸方向に移動自在に可動体19が収納されている。パイプ18は断面が長円形をなしている。可動体19は断面長円形のケース19Aを有し、このケース19Aは両端に長円板19B,19Cがそれぞれ嵌合されて内部が密閉されている。そして、ケース19Aの内部には第2駆動源として火薬19Dが充填されている。
【0021】
長円板19Cの端面には軸部材20が取り付けられている。軸部材20の後部上面にはラック20Aが形成され、このラック20Aはモータ21(図3も参照)の出力軸に取り付けられたピニオン22に噛み合っている。なお、モータ21は第1駆動源を構成している。
【0022】
また、パイプ16,17の内部には、駆動力伝達部材として、複数の鉄球23が一列にかつ隣同士が互いに接触して収納され、さらに、パイプ18の内部には複数の鉄球23が上下二列に且つ隣同士が互いに接触して収納されている。パイプ18の内部に上下二列に収納された鉄球23のうち、最後部の2つの鉄球はケース19Aの長円板19Bに接触している。また、パイプ16,17の内部に収納された鉄球23のうち、最前部の鉄球は上部フロアパネル11に取り付けられた支持金具24に接触している。
【0023】
支持金具24は、図6に示すように、水平断面形状が略T字型をなしており、上部フロアパネル11の側端部に固定された基部24Aと、基部24Aの先端に設けられた係止部24Bとを備えている。なお、支持金具24は上部フロアパネル11の片側に2箇所ずつ、両側に合計4箇所に取り付けられている。
【0024】
一方、パイプ16,17には、開口端に繋がったスリット25が先端部に形成され、このスリット25に取付金具24の基部24Aが挿入される。スリット25は、上部フロアパネル11(つまり取付金具24)が上下方向に移動できるような長さに設定されている。また、パイプ16,17の上部先端にはネジ部26が形成され、このネジ部26には、内面にネジが形成されたキャップ27が螺合される。本実施例では、スリット25は上部フロアパネル11を上下方向に移動させる際のガイドの機能を有している。
【0025】
図7は、取付金具24の基部24Aをパイプ16,17のスリット25に挿入し、さらに、パイプ16,17のネジ部26にキャップ27を螺合させて締め付けた状態を示している。この場合、取付金具24の係止部24Bの幅はパイプ16,17のスリット25の幅よりも大きいため、取付金具24がスリット25から抜けてしまうことはなく、上部フロアパネル11をパイプ16,17の先端部に強固に取り付けることができる。
【0026】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0027】
先ず、乗員の体の大きさに合わせて上部フロアパネル11の高さを調節する場合は、モータ21を所定方向に回転させ、ピニオン22及びラック20Aを介して可動体19をパイプ18内で移動させる。例えば、体の大きな乗員のときは、可動体19をパイプ18内の最後部(図5において右側)に位置させる。すると、鉄球23は上部フロアパネル11の重量に押されてパイプ16,17内を後部側(図5において右側)にそれぞれゆっくりと移動し、これにより、上部フロアパネル11を、図8に示すように、下部フロアパネル12に最接近した位置に配置することができる。
【0028】
また、体の小さな乗員のときは、可動体19をパイプ18内の最前部(図5において左側)に位置させる。すると、鉄球23は可動体19に押されてパイプ16,17内を前部側(図5において左側)にそれぞれゆっくりと移動し、取付金具24を押し上げる。これにより、上部フロアパネル11を、図9に示すように、下部フロアパネル12から離れた位置に配置することができる。
【0029】
上部フロアパネル11の高さ調整が終了したら、図示していないロック機構で上部フロアパネル11をロックして、上部フロアパネル11が上下方向に移動するのを防ぐ。
【0030】
次に、車両前部または車両側部に大きな荷重入力があった場合は、そのことをセンサ(図示省略)で検出し、可動体19内の火薬19Dを点火する。すると、火薬19Dの燃焼による膨張ガスにより可動体19の長円板19Bがケース19Aから外れ、鉄球23を急激な勢いで押すとともに、押された鉄球23はパイプ16,17内を前部側(図5において左側)にそれぞれ高速度で移動し、取付金具24を瞬時に押し上げる。これにより、乗員の下肢を保護することができる。
【0031】
図10は、車両前部から大きな入力荷重があって、上部フロアパネル11が瞬時に押し上げられた状態を示している。また、図11は、車両側部から大きな入力荷重があって、上部フロアパネル11が瞬時に押し上げられた状態を示している。
【0032】
本実施例によれば、(a)〜(f)以下の効果が期待できる。
(a) 上部フロアパネル11を上下方向にゆっくりと移動させることで、乗員に最適なドライビングポジションを提供できる。
(b) 車両前方から大きな荷重が入力されたときに、上部フロアパネル11を上方向に瞬時に移動させることで、乗員の下肢をダッシュパネル12B(図3参照)や下部フロアパネル12から遠ざけることが可能となり、ダッシュパネル12Bや下部フロアパネル12が変形しても、乗員の下肢を保護することができる。また、上部フロアパネル11は強固な部材で形成されているので、上部フロアパネル11は変形しにくく、乗員の下肢をより一層確実に保護することができる。
(c) 車両側方から大きな荷重が入力されたときに、強固な上部フロアパネル11を上方向に瞬時に移動させることで、サイドシル15の回転や変形を抑制することができる。
(d) 上部フロアパネル11を上下方向に移動させるモータ等が上部フロアパネル11の後方、つまり第2クロスメンバ13の後方に配置されているので、車両前方から大きな荷重入力があっても上部フロアパネル11への衝撃を低減できる。
(e) 上部フロアパネル11は、上下方向への移動時に、取付金具24の基部24Aが挿入されたパイプ16,17のスリット25によってガイドされるので、上部フロアパネル11の上下方向への移動をスムーズに行うことができる。
(f) パイプ16,17内に剛性を有する鉄球を収納したので、モータ21の駆動力や火薬19Dによるガスの膨張力をより確実に上部フロアパネル11に伝達することができる。
【実施例2】
【0033】
図12及び図13は本発明の実施例2を示している。本実施例では、上部フロアパネル11を上下方向に移動させる駆動装置として、パンタグラフ式のリンク機構30が用いられている。このリンク機構30は、サイドシル15の側面及びフロアトンネル14の側面にそれぞれ配置されている。
【0034】
リンク機構30は、サイドシル15の側面及びフロアトンネル14の側面に取り付けられた断面コ字状のチャンネル材30Aと、上部フロアパネル11の両側端部に取り付けられた断面コ字状のチャンネル材30Bと、上端がチャンネル材30Bに回動自在に取り付けられ且つ下端がチャンネル材30Aに摺動自在に取り付けられたリンク部材30Cと、上端がチャンネル材30Aに回動自在に取り付けられ且つ下端がチャンネル材30Bに摺動自在に取り付けられたリンク部材30Dとを備えている。なお、リンク部材30C,30Dはそれぞれ中央部がピンで連結されている。また、チャンネル材30A,30Bには車両前後方向に沿って長孔30Eが形成され、リンク部材30Cの上端及びリンク部材30Dの下端はこれら長孔30Eに沿って摺動するようになっている。
【0035】
さらに、リンク部材30Cの下端にはロッド31の一側が連結され、このロッド31の他側には可動体32が接続されている。可動体32は断面円形のケース32Aを有し、このケース32Aは両端に円板32B,32Cがそれぞれ設けられている。また、ケース32Aの内部には円板32Dが設けられている。ケース32A及び円板32C,32Dで囲まれた空間は密閉され、その密閉空間には第2駆動源として火薬32Eが充填されている。
【0036】
円板32Cの端面には軸部材33が取り付けられている。軸部材33の後部上面にはラック33Aが形成され、このラック33Aはモータ21(図3参照)の出力軸に取り付けられたピニオン34に噛み合っている。
【0037】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0038】
先ず、乗員の体の大きさに合わせて上部フロアパネル11の高さを調節する場合は、モータ21を所定方向に回転させ、ピニオン34及びラック33Aを介して可動体32を移動させる。例えば、体の大きな乗員のときは、可動体32を図13において右側に位置させる。すると、リンク部材30Cがロッド31に引っ張られ、リンク機構30は全体の高さがゆっくりと低くなり、これにより、上部フロアパネル11を下部フロアパネル12に最接近した位置に配置させることができる(図8参照)。
【0039】
また、体の小さな乗員のときは、可動体32を図13において左側に位置させる。すると、リンク部材30Dがロッド31に押され、リンク機構30は全体の高さがゆっくりと高くなり、これにより、上部フロアパネル11を下部フロアパネル12から離れた位置に配置させることができる(図9参照)。
【0040】
次に、車両前部または車両側部に大きな荷重入力があった場合は、そのことをセンサ(図示省略)で検出し、可動体32内の火薬32Eを点火する。すると、火薬32Eの燃焼ガスの膨張により可動体32の円板32Dがケース32A内を移動し、ロッド31を急激な勢いで押してリンク機構30は高さが一気に高くなって、上部フロアパネル11を瞬時に押し上げる。これにより、乗員の下肢を保護することが可能となる。
【0041】
本実施例によれば、上部フロアパネル11を任意の高さ位置に調整したとき、その位置に上部フロアパネル11をロックする必要が無く、高さ調整の操作を簡素化することができる。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記各実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は上記各実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1による車両フロア構造を示す斜視図である。
【図2】図1において上部フロアパネルをB方向から見たときの図である。
【図3】上部フロアパネルを駆動する駆動装置が設けられた様子を示す斜視図である。
【図4】上部フロアパネル、及び上部フロアパネルを駆動する駆動装置の斜視図である。
【図5】上部フロアパネルを駆動する駆動装置の構成図である。
【図6】上部フロアパネルをパイプに取り付ける取付金具の構成を示す分解斜視図である。
【図7】取付金具によって上部フロアパネルをパイプに取り付けた様子を示す図である。
【図8】体の大きい乗員が乗車したときの上部フロアパネルの位置を説明した図である。
【図9】体の小さい乗員が乗車したときの上部フロアパネルの位置を説明した図である。
【図10】車両前部から大きな荷重入力があったときの様子を示す図である。
【図11】車両側部から大きな荷重入力があったときの様子を示す図である。
【図12】本発明の実施例2による車両フロア構造を示す斜視図である。
【図13】パンタグラフ式のリンク機構、及びその駆動機構を示す図である。
【図14】従来技術を示しており、体の大きい乗員が乗車したときの様子を示す図である。
【図15】従来技術を示しており、体の小さい乗員が乗車したときの様子を示す図である。
【図16】従来技術を示しており、車両前部から大きな荷重入力があったときに上部フロアパネルを跳ね上げる機構を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
11 上部フロアパネル
12 下部フロアパネル
16,17 パイプ
19,32 可動体
19D,32E 火薬
21 モータ
23 鉄球
24 取付金具
25 スリット
30 リンク機構
【技術分野】
【0001】
本発明は車両フロア構造に係り、特に、フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にした車両フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にし、上部フロアパネルだけを上下方向に移動できるようにした車両フロア構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記車両フロア構造は、フロント側の上部フロアパネルが上下方向に移動できるようになっており、図14に示すように、体の大きい乗員の場合は、上部フロアパネル1を下部フロアパネル2に密着させて上部フロアパネル1の位置を低く設定し、また図15に示すように、体の小さい乗員の場合は、上部フロアパネル1を下部フロアパネル2から離して上部フロアパネル1の位置を高く設定する。また、各ペダル3(アクセルペダル、ブレーキペダル等)が取り付けられたキャリッジ4が設けられ、このキャリッジ4がステアリングシャフト5に沿って摺動することにより、各ペダル3の位置が上部フロアパネル1の上下方向の移動に伴って変えられるようになっている。
【0004】
また、上記車両フロア構造においては、図16に示すように、上部フロアパネル1と下部フロアパネル2とは複数の連結部材6で結合され、さらに上部フロアパネル1の後端部には直線牽引装置7が連結されている。そして、車両前部に大きな荷重入力があった場合、直線牽引装置7が作動して上部フロアパネル1を車両後方へ引っ張ることにより、上部フロアパネル1が上方向に大きく引き上げられ、乗員の下肢を衝撃から保護することができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−203361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、上部フロアパネル1を前後方向に動かすことで上部フロアパネル1を上下方向に移動させるようになっているので、上部フロアパネル1の上下方向への移動の度に第2クロスメンバ(図15のA部付近)の全面に凹みや隙間が発生し、フロア面の見栄えが悪くなるという問題がある。
【0006】
また、上部フロアパネル1の上下方向へのストローク量は連結部材6の長さに規制されてしまい、ストローク量の自由度がないという問題もある。
【0007】
さらに、上部フロアパネル1と下部フロアパネル2とが連結部材6を介して互いに連結されているので、車両前部から大きな荷重入力があって下部フロアパネル2が変形し始めると、上部フロアパネル1は前後の動きが抑制され、さらに連結部材6を介して下部フロアパネル2によって引っ張られることになり、上部フロアパネル1が設計値どおり上方向に移動できない恐れがある。
【0008】
本発明は、フロア面の見栄え低下を抑えるとともに、上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度を大きく取ることができ、さらには車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に上方向へ移動させることのできる車両フロア構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にするとともに、車両に対して大きな荷重が入力されたときに前記上部フロアパネルを垂直上方向に強制的に移動させる駆動手段を設けたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、上部フロアパネルが前後方向ではなく垂直上方向に移動する構造であるから、第2クロスメンバの全面に凹みや隙間が発生することはなく、フロア面の見栄え低下を抑えることができる。また、上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度も任意に設定することができる。
【0011】
また、上部フロアパネルを駆動手段によって垂直上方向に強制的に移動させる構成であるので、車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に上方向へ移動させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フロア面の見栄え低下を抑えることができ、また上部フロアパネルの上下方向へのストローク量の自由度を大きく取ることができる。
【0013】
さらに、車両への荷重入力時には上部フロアパネルを確実に垂直上方向へ移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例1】
【0015】
図1〜図7は本発明の実施例1による車両フロア構造を示している。この車両フロア構造は、図1に示すように、上部フロアパネル11と下部フロアパネル12からなる二重構造をなしている。上部フロアパネル11は所定の板厚を有する強固な板状部材で形成され、また上下方向に移動自在に設けられている。図1は、第2クロスメンバ13よりもフロント側でかつ車両左側の車両フロア構造を示しているが、車両右側の車両フロア構造も略同様な構成である。図中、符号14は車幅方向中央に設けられプロペラシャフトが収納されるフロアトンネルである。
【0016】
図2は、図1において上部フロアパネル11を矢印B方向から見たときの側面図である。図2に示すように、上部フロアパネル11は、平面部11Aと、平面部11Aの前部に設けられ斜め上方に折り曲げられた傾斜部11Bとを有する。傾斜部11Bは下部フロアパネル12の前側傾斜部12A(図3参照)の形状に合わせて形成されている。
【0017】
次に、上部フロアパネル11を上下方向に移動させる駆動装置(駆動手段)について説明する。
【0018】
図3及び図4に示すように、サイドシル15の側面及びフロアトンネル14の側面には円筒状のパイプ16,17が設けられている。パイプ17は長さがパイプ16よりも短く、パイプ16の上方に配置されている。パイプ16,17は前部が上方に向かってL字型に折り曲げられ、パイプ16の折り曲げ部先端は下部フロアパネル12の前部側(前側傾斜部12Aに近い側)に、パイプ17の折り曲げ部先端は下部フロアパネル12の後部側(第2クロスメンバ13に近い側)にそれぞれ配設されている。
【0019】
パイプ16,17の後部は、第2クロスメンバ13の両端下部の隅部に形成された切欠13Aを通って第2クロスメンバ13の内部まで延設されている。また、パイプ16,17の後部は1つにまとめられている。
【0020】
すなわち、パイプ16,17は、図5に示すように、後部側がパイプ18にまとめられて、そのパイプ18の内部にはパイプ18の軸方向に移動自在に可動体19が収納されている。パイプ18は断面が長円形をなしている。可動体19は断面長円形のケース19Aを有し、このケース19Aは両端に長円板19B,19Cがそれぞれ嵌合されて内部が密閉されている。そして、ケース19Aの内部には第2駆動源として火薬19Dが充填されている。
【0021】
長円板19Cの端面には軸部材20が取り付けられている。軸部材20の後部上面にはラック20Aが形成され、このラック20Aはモータ21(図3も参照)の出力軸に取り付けられたピニオン22に噛み合っている。なお、モータ21は第1駆動源を構成している。
【0022】
また、パイプ16,17の内部には、駆動力伝達部材として、複数の鉄球23が一列にかつ隣同士が互いに接触して収納され、さらに、パイプ18の内部には複数の鉄球23が上下二列に且つ隣同士が互いに接触して収納されている。パイプ18の内部に上下二列に収納された鉄球23のうち、最後部の2つの鉄球はケース19Aの長円板19Bに接触している。また、パイプ16,17の内部に収納された鉄球23のうち、最前部の鉄球は上部フロアパネル11に取り付けられた支持金具24に接触している。
【0023】
支持金具24は、図6に示すように、水平断面形状が略T字型をなしており、上部フロアパネル11の側端部に固定された基部24Aと、基部24Aの先端に設けられた係止部24Bとを備えている。なお、支持金具24は上部フロアパネル11の片側に2箇所ずつ、両側に合計4箇所に取り付けられている。
【0024】
一方、パイプ16,17には、開口端に繋がったスリット25が先端部に形成され、このスリット25に取付金具24の基部24Aが挿入される。スリット25は、上部フロアパネル11(つまり取付金具24)が上下方向に移動できるような長さに設定されている。また、パイプ16,17の上部先端にはネジ部26が形成され、このネジ部26には、内面にネジが形成されたキャップ27が螺合される。本実施例では、スリット25は上部フロアパネル11を上下方向に移動させる際のガイドの機能を有している。
【0025】
図7は、取付金具24の基部24Aをパイプ16,17のスリット25に挿入し、さらに、パイプ16,17のネジ部26にキャップ27を螺合させて締め付けた状態を示している。この場合、取付金具24の係止部24Bの幅はパイプ16,17のスリット25の幅よりも大きいため、取付金具24がスリット25から抜けてしまうことはなく、上部フロアパネル11をパイプ16,17の先端部に強固に取り付けることができる。
【0026】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0027】
先ず、乗員の体の大きさに合わせて上部フロアパネル11の高さを調節する場合は、モータ21を所定方向に回転させ、ピニオン22及びラック20Aを介して可動体19をパイプ18内で移動させる。例えば、体の大きな乗員のときは、可動体19をパイプ18内の最後部(図5において右側)に位置させる。すると、鉄球23は上部フロアパネル11の重量に押されてパイプ16,17内を後部側(図5において右側)にそれぞれゆっくりと移動し、これにより、上部フロアパネル11を、図8に示すように、下部フロアパネル12に最接近した位置に配置することができる。
【0028】
また、体の小さな乗員のときは、可動体19をパイプ18内の最前部(図5において左側)に位置させる。すると、鉄球23は可動体19に押されてパイプ16,17内を前部側(図5において左側)にそれぞれゆっくりと移動し、取付金具24を押し上げる。これにより、上部フロアパネル11を、図9に示すように、下部フロアパネル12から離れた位置に配置することができる。
【0029】
上部フロアパネル11の高さ調整が終了したら、図示していないロック機構で上部フロアパネル11をロックして、上部フロアパネル11が上下方向に移動するのを防ぐ。
【0030】
次に、車両前部または車両側部に大きな荷重入力があった場合は、そのことをセンサ(図示省略)で検出し、可動体19内の火薬19Dを点火する。すると、火薬19Dの燃焼による膨張ガスにより可動体19の長円板19Bがケース19Aから外れ、鉄球23を急激な勢いで押すとともに、押された鉄球23はパイプ16,17内を前部側(図5において左側)にそれぞれ高速度で移動し、取付金具24を瞬時に押し上げる。これにより、乗員の下肢を保護することができる。
【0031】
図10は、車両前部から大きな入力荷重があって、上部フロアパネル11が瞬時に押し上げられた状態を示している。また、図11は、車両側部から大きな入力荷重があって、上部フロアパネル11が瞬時に押し上げられた状態を示している。
【0032】
本実施例によれば、(a)〜(f)以下の効果が期待できる。
(a) 上部フロアパネル11を上下方向にゆっくりと移動させることで、乗員に最適なドライビングポジションを提供できる。
(b) 車両前方から大きな荷重が入力されたときに、上部フロアパネル11を上方向に瞬時に移動させることで、乗員の下肢をダッシュパネル12B(図3参照)や下部フロアパネル12から遠ざけることが可能となり、ダッシュパネル12Bや下部フロアパネル12が変形しても、乗員の下肢を保護することができる。また、上部フロアパネル11は強固な部材で形成されているので、上部フロアパネル11は変形しにくく、乗員の下肢をより一層確実に保護することができる。
(c) 車両側方から大きな荷重が入力されたときに、強固な上部フロアパネル11を上方向に瞬時に移動させることで、サイドシル15の回転や変形を抑制することができる。
(d) 上部フロアパネル11を上下方向に移動させるモータ等が上部フロアパネル11の後方、つまり第2クロスメンバ13の後方に配置されているので、車両前方から大きな荷重入力があっても上部フロアパネル11への衝撃を低減できる。
(e) 上部フロアパネル11は、上下方向への移動時に、取付金具24の基部24Aが挿入されたパイプ16,17のスリット25によってガイドされるので、上部フロアパネル11の上下方向への移動をスムーズに行うことができる。
(f) パイプ16,17内に剛性を有する鉄球を収納したので、モータ21の駆動力や火薬19Dによるガスの膨張力をより確実に上部フロアパネル11に伝達することができる。
【実施例2】
【0033】
図12及び図13は本発明の実施例2を示している。本実施例では、上部フロアパネル11を上下方向に移動させる駆動装置として、パンタグラフ式のリンク機構30が用いられている。このリンク機構30は、サイドシル15の側面及びフロアトンネル14の側面にそれぞれ配置されている。
【0034】
リンク機構30は、サイドシル15の側面及びフロアトンネル14の側面に取り付けられた断面コ字状のチャンネル材30Aと、上部フロアパネル11の両側端部に取り付けられた断面コ字状のチャンネル材30Bと、上端がチャンネル材30Bに回動自在に取り付けられ且つ下端がチャンネル材30Aに摺動自在に取り付けられたリンク部材30Cと、上端がチャンネル材30Aに回動自在に取り付けられ且つ下端がチャンネル材30Bに摺動自在に取り付けられたリンク部材30Dとを備えている。なお、リンク部材30C,30Dはそれぞれ中央部がピンで連結されている。また、チャンネル材30A,30Bには車両前後方向に沿って長孔30Eが形成され、リンク部材30Cの上端及びリンク部材30Dの下端はこれら長孔30Eに沿って摺動するようになっている。
【0035】
さらに、リンク部材30Cの下端にはロッド31の一側が連結され、このロッド31の他側には可動体32が接続されている。可動体32は断面円形のケース32Aを有し、このケース32Aは両端に円板32B,32Cがそれぞれ設けられている。また、ケース32Aの内部には円板32Dが設けられている。ケース32A及び円板32C,32Dで囲まれた空間は密閉され、その密閉空間には第2駆動源として火薬32Eが充填されている。
【0036】
円板32Cの端面には軸部材33が取り付けられている。軸部材33の後部上面にはラック33Aが形成され、このラック33Aはモータ21(図3参照)の出力軸に取り付けられたピニオン34に噛み合っている。
【0037】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0038】
先ず、乗員の体の大きさに合わせて上部フロアパネル11の高さを調節する場合は、モータ21を所定方向に回転させ、ピニオン34及びラック33Aを介して可動体32を移動させる。例えば、体の大きな乗員のときは、可動体32を図13において右側に位置させる。すると、リンク部材30Cがロッド31に引っ張られ、リンク機構30は全体の高さがゆっくりと低くなり、これにより、上部フロアパネル11を下部フロアパネル12に最接近した位置に配置させることができる(図8参照)。
【0039】
また、体の小さな乗員のときは、可動体32を図13において左側に位置させる。すると、リンク部材30Dがロッド31に押され、リンク機構30は全体の高さがゆっくりと高くなり、これにより、上部フロアパネル11を下部フロアパネル12から離れた位置に配置させることができる(図9参照)。
【0040】
次に、車両前部または車両側部に大きな荷重入力があった場合は、そのことをセンサ(図示省略)で検出し、可動体32内の火薬32Eを点火する。すると、火薬32Eの燃焼ガスの膨張により可動体32の円板32Dがケース32A内を移動し、ロッド31を急激な勢いで押してリンク機構30は高さが一気に高くなって、上部フロアパネル11を瞬時に押し上げる。これにより、乗員の下肢を保護することが可能となる。
【0041】
本実施例によれば、上部フロアパネル11を任意の高さ位置に調整したとき、その位置に上部フロアパネル11をロックする必要が無く、高さ調整の操作を簡素化することができる。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記各実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は上記各実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1による車両フロア構造を示す斜視図である。
【図2】図1において上部フロアパネルをB方向から見たときの図である。
【図3】上部フロアパネルを駆動する駆動装置が設けられた様子を示す斜視図である。
【図4】上部フロアパネル、及び上部フロアパネルを駆動する駆動装置の斜視図である。
【図5】上部フロアパネルを駆動する駆動装置の構成図である。
【図6】上部フロアパネルをパイプに取り付ける取付金具の構成を示す分解斜視図である。
【図7】取付金具によって上部フロアパネルをパイプに取り付けた様子を示す図である。
【図8】体の大きい乗員が乗車したときの上部フロアパネルの位置を説明した図である。
【図9】体の小さい乗員が乗車したときの上部フロアパネルの位置を説明した図である。
【図10】車両前部から大きな荷重入力があったときの様子を示す図である。
【図11】車両側部から大きな荷重入力があったときの様子を示す図である。
【図12】本発明の実施例2による車両フロア構造を示す斜視図である。
【図13】パンタグラフ式のリンク機構、及びその駆動機構を示す図である。
【図14】従来技術を示しており、体の大きい乗員が乗車したときの様子を示す図である。
【図15】従来技術を示しており、体の小さい乗員が乗車したときの様子を示す図である。
【図16】従来技術を示しており、車両前部から大きな荷重入力があったときに上部フロアパネルを跳ね上げる機構を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
11 上部フロアパネル
12 下部フロアパネル
16,17 パイプ
19,32 可動体
19D,32E 火薬
21 モータ
23 鉄球
24 取付金具
25 スリット
30 リンク機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にするとともに、車両に対して大きな荷重が入力されたときに前記上部フロアパネルを垂直上方向に強制的に移動させる駆動手段を設けたことを特徴とする車両フロア構造。
【請求項2】
前記上部フロアパネルは乗員の体の大きさに合わせて上下方向に移動自在であることを特徴とする請求項1に記載の車両フロア構造。
【請求項3】
前記上部フロアパネルは強固な部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両フロア構造。
【請求項4】
前記上部フロアパネルが車両フロント側に設けられている場合、前記駆動手段は前記上部フロアパネルの後方に配置されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の車両フロア構造。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記上部フロアパネルを上下方向に位置調整するときは当該上部フロアパネルをゆっくりと移動させ、車両に対して大きな荷重が入力されたときは当該上部フロアパネルを瞬時に上方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の車両フロア構造。
【請求項6】
前記上部フロアパネルは、車体に取り付けられたガイドに沿って上下方向に移動することを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項7】
前記駆動手段は、車体に取り付けられたパイプと、該パイプの内部に移動自在に設けられ前記上部フロアパネルに駆動力を伝達する駆動力伝達部材と、該駆動力伝達部材に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上下方向にゆっくりと移動させる第1駆動源と、前記駆動力伝達部材に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上方向に瞬時に移動させる第2駆動源とを備えていることを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項8】
前記駆動力伝達部材は、配列された複数個の鉄球からなることを特徴とする請求項7に記載の車両フロア構造。
【請求項9】
前記駆動手段は、車体に取り付けられたパンタグラフ式のリンク機構と、前記リンク機構に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上下方向にゆっくりと移動させる第1駆動源と、前記リンク機構に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上方向に瞬時に移動させるための第2駆動源とを備えていることを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項10】
前記第1駆動源はモータを有し、該モータの駆動力を利用して前記上部フロアパネルを上下方向にゆっくりと移動させることを特徴とする請求項7又は9に記載の車両フロア構造。
【請求項11】
前記第2駆動源は火薬を有し、該火薬の燃焼による膨張ガスの圧力を利用して前記上部フロアパネルを上方向に瞬時に移動させることを特徴とする請求項7又は9に記載の車両フロア構造。
【請求項12】
前記荷重は、車両前方または車両側方から入力されることを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項1】
フロアパネルを上部フロアパネル及び下部フロアパネルからなる二重構造にするとともに、車両に対して大きな荷重が入力されたときに前記上部フロアパネルを垂直上方向に強制的に移動させる駆動手段を設けたことを特徴とする車両フロア構造。
【請求項2】
前記上部フロアパネルは乗員の体の大きさに合わせて上下方向に移動自在であることを特徴とする請求項1に記載の車両フロア構造。
【請求項3】
前記上部フロアパネルは強固な部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両フロア構造。
【請求項4】
前記上部フロアパネルが車両フロント側に設けられている場合、前記駆動手段は前記上部フロアパネルの後方に配置されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の車両フロア構造。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記上部フロアパネルを上下方向に位置調整するときは当該上部フロアパネルをゆっくりと移動させ、車両に対して大きな荷重が入力されたときは当該上部フロアパネルを瞬時に上方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の車両フロア構造。
【請求項6】
前記上部フロアパネルは、車体に取り付けられたガイドに沿って上下方向に移動することを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項7】
前記駆動手段は、車体に取り付けられたパイプと、該パイプの内部に移動自在に設けられ前記上部フロアパネルに駆動力を伝達する駆動力伝達部材と、該駆動力伝達部材に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上下方向にゆっくりと移動させる第1駆動源と、前記駆動力伝達部材に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上方向に瞬時に移動させる第2駆動源とを備えていることを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項8】
前記駆動力伝達部材は、配列された複数個の鉄球からなることを特徴とする請求項7に記載の車両フロア構造。
【請求項9】
前記駆動手段は、車体に取り付けられたパンタグラフ式のリンク機構と、前記リンク機構に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上下方向にゆっくりと移動させる第1駆動源と、前記リンク機構に駆動力を加えて前記上部フロアパネルを上方向に瞬時に移動させるための第2駆動源とを備えていることを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【請求項10】
前記第1駆動源はモータを有し、該モータの駆動力を利用して前記上部フロアパネルを上下方向にゆっくりと移動させることを特徴とする請求項7又は9に記載の車両フロア構造。
【請求項11】
前記第2駆動源は火薬を有し、該火薬の燃焼による膨張ガスの圧力を利用して前記上部フロアパネルを上方向に瞬時に移動させることを特徴とする請求項7又は9に記載の車両フロア構造。
【請求項12】
前記荷重は、車両前方または車両側方から入力されることを特徴とする請求項1又は5に記載の車両フロア構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−224911(P2006−224911A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−44162(P2005−44162)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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