説明

車両位置情報収集システム、車両位置情報収集方法、車両位置情報分析システム又は車両位置情報分析方法

【課題】
車両側での処理を軽減し、各種演算に利用可能な位置情報を効率的に収集することができ、また位置情報の誤差を軽減し、位置情報の地図ネットワーク情報上へのより正確なプロットが可能な車両位置情報収集システム、車両位置情報収集方法、車両位置情報分析システム又は車両位置情報分析方法を提供することにある。
【解決手段】
位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得し、車両走行データ群の各位置情報を、交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報上にプロットすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の位置情報を収集する車両位置情報収集システム、車両位置情報収集方法、車両位置情報分析システム又は車両位置情報分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両位置情報収集システムとして、人工衛星を介して車両の位置情報を収集するシステムが用いられてきた。この車両位置情報収集システムは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等の測位システムから自身の位置情報を収集し、その位置情報を人工衛星に送信可能な地上の車両及び該車両の位置情報を該人工衛星を介して収集する基地局からなる。尚、収集する位置情報としては、車両の位置、移動方向、移動距離、目的地、希望経路等である。従来の車両位置情報収集システムは、主に交通状況の予測や車両の目的地への最適経路の予測のために用いられてきた。
尚、この先行技術は、文献公知に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の車両位置情報収集システムは、交通状況の予測や車両の目的地への最適経路の予測が主目的のため、収集する位置情報が多く、位置情報の取得が煩雑である。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両側での処理を軽減し、各種演算に利用可能な位置情報を効率的に収集することができ、また位置情報の誤差を軽減し、位置情報の地図ネットワーク情報上へのより正確なプロットが可能な車両位置情報収集システム、車両位置情報収集方法又は車両位置情報分析システム又は車両位置情報分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の車両位置情報収集システムは、位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得し、車両走行データ群の各位置情報を、交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報上にプロットすることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の車両位置情報収集システムは、車両走行データ群の各位置情報を、地図ネットワーク情報の最近点にプロットすることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の車両位置情報収集システムは、位置情報を、位置情報の前後にプロットされた位置やリンク情報を用いて補正してプロットすることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の車両位置情報収集システムは、プロットされた2つの位置情報間に、位置情報をプロットされていない地図ネットワーク情報上の所望の位置が存在する場合、プロットされた位置情報から所望の位置における時間情報を算出し、地図ネットワーク情報上に仮想の位置情報をプロットすることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の車両位置情報収集システムは、地図ネットワーク情報に、高さ情報が含まれることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の車両位置情報収集方法は、位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得した後、車両走行データ群の各位置情報を、交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報上にプロットする。
【0011】
請求項7記載の車両位置情報収集方法は、車両走行データ群の各位置情報を、地図ネットワーク情報の最近点にプロットすることを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の車両位置情報収集方法は、位置情報を、位置情報の前後にプロットされた位置やリンク情報を用いて補正してプロットすることを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の車両位置情報収集方法は、プロットされた2つの位置情報間に、位置情報をプロットされていない地図ネットワーク情報上の所望の位置が存在する場合、プロットされた位置情報から所望の位置における時間情報を算出し、地図ネットワーク情報上に仮想の位置情報をプロットすることを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の車両位置情報収集方法は、地図ネットワーク情報に、高さ情報が含まれることを特徴とする。
【0015】
請求項11記載の車両位置情報分析システムは、位置情報がX座標、Y座標及びその位置での時間情報からなると共に、交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報の上に、複数の位置情報がプロットされており、プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、位置情報をリンク情報又はノード情報単位で分類し分析することを特徴とする。
【0016】
請求項12記載の車両位置情報分析システムは、プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、位置情報をリンク情報又はノード情報間で分析することを特徴とする。
【0017】
請求項13記載の車両位置情報分析方法は、位置情報がX座標、Y座標及びその位置での時間情報からなると共に、交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報の上に、複数の位置情報がプロットされており、プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、位置情報をリンク情報又はノード情報単位で分類し分析することを特徴とする。
【0018】
請求項14記載の車両位置情報分析方法は、プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、位置情報をリンク情報又はノード情報間で分析することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得するのみで、他の情報を用いず位置情報を地図ネットワーク情報上にプロットすることから、車両側での処理を軽減し、各種演算に利用可能な位置情報を効率的に収集することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、位置情報を、地図ネットワーク情報の最近点にプロットすることから、位置情報の誤差を軽減し、より正確なプロットが可能となる。
【0021】
請求項3の発明によれば、位置情報を、位置情報の前後にプロットされた位置やリンク情報を用いて補正してプロットすることから、位置情報の誤差を軽減し、より正確なプロットが可能となる。
【0022】
請求項4の発明によれば、位置情報をプロットされていない地図ネットワーク情報上の所望の位置が存在する場合、プロットされた位置情報から所望の位置における時間情報を算出し、地図ネットワーク情報上に仮想の位置情報をプロットすることから、きめ細かい位置情報の活用が可能になる。
【0023】
請求項5の発明によれば、地図ネットワーク情報に高さ情報が含まれることから、地形を考慮したよりきめ細かい位置情報の活用が可能になる。
【0024】
請求項6の発明によれば、位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得するのみで、他の情報を用いず位置情報を地図ネットワーク情報上にプロットすることから、車両側での処理を軽減し、各種演算に利用可能な位置情報を効率的に収集することができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、位置情報を、地図ネットワーク情報の最近点にプロットすることから、位置情報の誤差を軽減し、より正確なプロットが可能となる。
【0026】
請求項8の発明によれば、位置情報を、位置情報の前後にプロットされた位置やリンク情報を用いて補正してプロットすることから、位置情報の誤差を軽減し、より正確なプロットが可能となる。
【0027】
請求項9の発明によれば、位置情報をプロットされていない地図ネットワーク情報上の所望の位置が存在する場合、プロットされた位置情報から所望の位置における時間情報を算出し、地図ネットワーク情報上に仮想の位置情報をプロットすることから、きめ細かい位置情報の活用が可能になる。
【0028】
請求項10の発明によれば、地図ネットワーク情報に高さ情報が含まれることから、地形を考慮したよりきめ細かい位置情報の活用が可能になる。
【0029】
請求項11の発明によれば、位置情報をリンク情報又はノード情報単位で分類し分析することから、限られた情報で多岐にわたる分析でき、きめ細かい位置情報の活用が可能になる。
【0030】
請求項12の発明によれば、位置情報をリンク情報又はノード情報間で分析することから、例えば道路間での分析など、地図情報に即した分析が可能になる。
【0031】
請求項13の発明によれば、位置情報をリンク情報又はノード情報単位で分類し分析することから、限られた情報で多岐にわたる分析でき、きめ細かい位置情報の活用が可能になる。
【0032】
請求項14の発明によれば、位置情報をリンク情報又はノード情報間で分析することから、例えば道路間での分析など、地図情報に即した分析が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態における車両位置情報収集システムは、人工衛星を介して車両の位置情報を収集するためのシステムである。図1は、本発明に係る車両位置情報収集システムの例を示す構成図である。図2は、同車両位置情報収集システムの動作を示すフローチャートである。図3は、同車両位置情報収集システムの地図ネットワーク情報の一例を示す説明図である。図4は、位置情報を地図ネットワーク情報上にプロットした様子を示す説明図である。図5は、位置情報を補正してプロットする様子を示す説明図である。図6は、仮想の位置情報の算出方法を示す説明図である。
【0034】
本実施の形態の車両位置情報収集システム1は、自動車や二輪車等の道路8〜10上を走行する車両3に設けられた移動局2と、移動局2と直接の通信を行う人工衛星4と、人工衛星4と地上との間で通信を行う基地局5とから構成されている。移動局2は、人工衛星4と通信可能な無線機である。人工衛星4は、移動局2からの情報を受信し、基地局5に送ることが可能なものであり、例えば低軌道周回衛星である。基地局5は、人工衛星4からの電波を受信するパラボラアンテナや通信を制御する無線装置や制御装置からなる。また、基地局5は、移動局2から送られてきた車両3の位置情報を車両走行データ群6として蓄積することが可能である。
【0035】
車両走行データ群6を構成する位置情報Pt〜Pt13は、車両3の位置を示すX座標(X,X・・・)、Y座標(Y,Y・・・)及びその位置での時間情報(t,t・・・)から構成されている。尚、車両走行データ群6が格納されている場所は、基地局5又は基地局5から情報を送られた電子計算機7内であり、例えばハードディスクやCD−ROMのような不揮発性の記録媒体内である。尚、後述する位置情報Pt〜Pt13の処理は、基地局5内又は基地局5の外にあって、車両走行データ群6を受け取って処理可能な電子計算機7で行うものとする。
【0036】
電子計算機7には、予め車両走行データ群6に相応する地図ネットワーク情報15が保存されている。この地図ネットワーク情報15は、道路8〜10を示す地図情報であり、交差点を示すノード情報N〜Nとノード情報N〜N間を接続する道路にあたるリンク情報L〜L11とにより構成されている。尚、ノード情報N〜Nとリンク情報L〜L11とは、位相関係を持っていると考えられる。図3に、地図ネットワーク情報15の一例を示しており、リンク情報Lとリンク情報Lで構成される道路にリンク情報Lとリンク情報Lで構成される道路が交わって交差点であるノード情報Nが形成されている。また、リンク情報Lとリンク情報Lで構成される道路には、リンク情報L、リンク情報L及びリンク情報Lで構成される道路がT字状に交わって、交差点であるノード情報Nが形成されている。さらに、リンク情報Lとリンク情報L11で構成される道路が、リンク情報Lとリンク情報Lの間にT字状に交わり、交差点であるノード情報Nが形成されている。さらに、リンク情報Lとリンク情報L11で構成される道路にリンク情報Lとリンク情報L10で構成される道路が交わって交差点であるノード情報Nが形成されている。
【0037】
次に、本発明の車両位置情報収集システム及び車両位置情報収集方法の動作を説明する。尚、以後の説明において、括弧内の符号は図2のフローチャートの符号に対応している。
【0038】
まず、走行する車両3は、車載のGPS等により、その時点の位置情報Pt〜Pt13を得る。その位置情報Pt〜Pt13は、時刻t1〜13にいける車両3の位置の緯度(X軸)情報X1〜13と経度(Y軸)情報Y1〜13及び時間t1〜13である。車両3で得られた位置情報Pt〜Pt13は、適宜、移動局2から人工衛星4に送られる。そして、人工衛星5から送られた位置情報Pt〜Pt13により、車両走行データ群6が形成され位置情報が取得される(S101)。
【0039】
次に、電子計算機7で、取得した車両走行データ群6を構成する位置情報Pt〜Pt13を、地図ネットワーク情報15の上にプロットしていく(S102)。プロットの様子を示すのが図4であり、位置情報Pt〜Ptがリンク情報L上にプロットされ、位置情報Pt〜Ptがリンク情報L上にプロットされ、位置情報Pt〜Pt13がリンク情報Lにプロットされる。位置情報Pt〜Pt13がプロットされる位置は、基本的には、地図ネットワーク情報15のX座標とY座標とが一致した位置となる。すなわち、時間t〜t13における車両3の位置が、位置情報Pt〜Pt13としてプロットされた位置である。しかしながら、各種誤差により、位置情報Pt〜Pt13を地図ネットワーク情報15上に正確にプロットできない場合もある。この場合は、位置情報Pt〜Pt13を地図ネットワーク情報15上の最近点にプロットするようにする。図5に示すように、位置情報30〜35は道路8,9を示すリンク情報上の正確な情報を有していないことから、リンク情報上の最近点40〜45にプロットされる。後述する他の処理を施さない又は他の処理を含まないシステム構成においては、位置情報Pt〜Pt13の取得の確認を行い(S105)、終了する場合は車両走行データ群6を用いた各種の演算を行うことになる(S106)。
【0040】
各種演算として、例えば、プロットしたデータは一定の時間間隔で計測されたデータであり、この点を時系列に辿ることで、出発地から到着地までの通過経路・走行距離・所要時間が得られる。また、1回の走行における移動距離や移動範囲(メッシュ上に区切ったエリアのどの範囲か)を得ることもできる。
【0041】
このように、位置情報Pt〜Pt13としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群6を取得するのみで、他の情報を用いず位置情報を地図ネットワーク情報15上にプロットすることから、車両3側での処理を軽減し、各種演算に利用可能な位置情報Pt〜Pt13を効率的に収集することができる。また、位置情報Pt〜Pt13を、地図ネットワーク情報15の最近点にプロットすることから、位置情報Pt〜Pt13の誤差を軽減し、より正確なプロットが可能となる。
【0042】
尚、図5に示す最近点42,43は、確かに位置情報32,33に近いリンク情報上の点である。しかしながら、他の位置情報30,31,34,35からすると、車両3が走行していたのは、道路8であって道路9ではないと考えるのが妥当である。そこで、位置情報32,33を、位置情報32,33の前後にプロットされた位置やリンク情報を用いて、座標値の変化やリンク情報の位相関係等を考慮して、正しいと思われる位置に補正してプロットし直すようにする(S103)。具体的には、図5に示すように、最近点42,43にプロットした位置情報32,33を、プロット点50,51に再プロットする。但し、プロットし直すのではなく、最初のプロット前に予めプロットする点を補正し、補正した位置に直接プロットすることも可能である。
【0043】
このように、位置情報32,33を、位置情報32,33の前後にプロットされた位置やリンク情報を用いて補正してプロットすることから、位置情報32,33の誤差を軽減し、より正確なプロットが可能となる。尚、補正した再プロットは、必要に応じて行われるものであり、必須ではない。
【0044】
ここで、例えば、位置情報Pt〜Pt13がプロットされた地図ネットワーク情報15を用いて、図2に示す交差点であるノード情報Nにおける車両3の通過時間を知りたいとする。この場合、ノード情報Nには位置情報がプロットされていないため、位置情報Pt〜Pt13がプロットされただけの地図ネットワーク情報15からノード情報Nの直接の通過時間を知ることはできない。そこで、ノード情報Nの時間tを求めるには、前後の位置情報Pt,Pt,Pt,Ptから時間情報を算出する必要がある。ここで、Ptまでの走行距離をDt、Ptまでの走行距離をDt、Ptまでの走行距離をDt、Ptまでの走行距離をDtとすると図6に示すようなグラフを描くことができる。Ptまでの走行距離をDtを求めることはできるため、ノードNでの時間tを、このグラフから求めることができる。そして、算出した仮想の位置情報Ptnを地図ネットワーク情報15上にプロットすることで、地図ネットワーク情報15からノード情報Nの直接の通過時間を知ることができるようになる(S104)。
【0045】
このように、位置情報Pt〜Pt13をプロットされていない地図ネットワーク情報15上の所望の位置が存在する場合、プロットされた位置情報から所望の位置における時間情報を算出し、地図ネットワーク情報15上に仮想の位置情報Ptnをプロットすることから、きめ細かい位置情報の活用が可能になる。尚、上述の説明では、ノード情報に仮想の位置情報をプロットする場合を説明したが、リンク情報上の所望の位置についても、同様に仮想の位置情報をプロットすることができる。
【0046】
この方法によって求められた、各ノード情報や各リンク情報上に仮想のプロット点を加えことで、例えば、補正通過経路が求められる。補正経路を用いることで、特定のリンク情報における平均速度、進入方向(直進して進入したか・右折して進入したか・左折して進入したか)、脱出方向(直進して脱出したか・右折して脱出したか・左折して脱出したか)、進入時の待ち時間、脱出時の待ち時間、渋滞頻度(一定速度以下を渋滞と定義することにより)等を求めることができる。このように、位置情報を指定されたリンク情報又はノード情報単位で分類し分析することで、限られた情報で多岐にわたる分析でき、きめ細かい位置情報の活用が可能になる。特に、リンク情報又はノード情報単位で分類する場合に、不足する位置情報を補い仮想のプロット点を加えることは、よりきめ細かい分析にとって重要である。
【0047】
更に、位置情報をある期間蓄積し、蓄積したデータについて補正通過経路を求めることによって、指定リンク情報上を通過する位置情報から様々な分析を行うことが可能となる。例えば、得られたデータを時間別、曜日別、月別、特定日別、天候別、道路別、交差点別、特定地点(ある道路の上り/下りなど)などの条件の下で分類・抽出することで、色々な傾向を分析することができる。また、位置情報をリンク情報又はノード情報間で分析することで、例えば道路間や交差点間での分析など、地図情報に即した分析が可能になる。
【0048】
尚、上述の実施の形態では、地図ネットワーク情報15にX座標及びY座標だけの情報を含み、高さ情報(Z座標)を含んで居ないことを前提に説明した。しかしながら、Z座標の情報を含む3次元の地図ネットワーク情報も用いることも可能である。高さ情報が含まれる地図ネットワーク情報を用いることで、地形を考慮したよりきめ細かい位置情報Pt〜Pt13の活用が可能になる。すなわち、地図ネットワーク情報15に3D地形図の高さ情報を取り入れることにより、3D地図ネットワーク情報を作成することが可能となる。3D地図ネットワーク情報においても上記データの収集と分析は可能であるが、更に立体交差情報、道路の勾配情報等を考慮した分析を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本車両位置情報収集システム又は車両位置情報収集方法は、車両の位置情報を収集する場合の他、船舶等の移動体についても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る車両位置情報収集システムの例を示す構成図である。
【図2】同車両位置情報収集システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】同車両位置情報収集システムの地図ネットワーク情報の一例を示す説明図である。
【図4】位置情報を地図ネットワーク情報上にプロットした様子を示す説明図である。
【図5】位置情報を補正してプロットする様子を示す説明図である。
【図6】仮想の位置情報の算出方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・・・・・・・車両位置情報収集システム
2・・・・・・・・・移動局
3・・・・・・・・・車両
4・・・・・・・・・人工衛星
5・・・・・・・・・基地局
6・・・・・・・・・車両走行データ群
7・・・・・・・・・電子計算機
8〜10・・・・・・道路
15・・・・・・・・地図ネットワーク情報
20〜23・・・・・ノード情報
30〜35・・・・・車両走行データ
40〜45・・・・・最近点
50,51・・・・・プロット点
〜L11・・・・・リンク情報
〜N・・・・・・ノード情報
Pt〜Pt13・・・位置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星を介して車両の位置情報を収集する車両位置情報収集システムにおいて、
該位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得し、
該車両走行データ群の各位置情報を、
交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報上にプロットすることを特徴とする車両位置情報収集システム。
【請求項2】
前記車両走行データ群の各位置情報を、前記地図ネットワーク情報の最近点にプロットすることを特徴とする請求項1記載の車両位置情報収集システム。
【請求項3】
前記位置情報を、該位置情報の前後にプロットされた位置や前記リンク情報を用いて補正してプロットすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両位置情報収集システム。
【請求項4】
前記プロットされた2つの位置情報間に、位置情報をプロットされていない前記地図ネットワーク情報上の所望の位置が存在する場合、
該プロットされた位置情報から該所望の位置における時間情報を算出し、該地図ネットワーク情報上に仮想の位置情報をプロットすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両位置情報収集システム。
【請求項5】
前記地図ネットワーク情報に、高さ情報が含まれることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両位置情報収集システム。
【請求項6】
人工衛星を介して車両の位置情報を収集する車両位置情報収集方法において、
該位置情報としてX座標、Y座標及びその位置での時間情報から車両走行データ群を取得した後、
該車両走行データ群の各位置情報を、交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報上にプロットすることを特徴とする車両位置情報収集方法。
【請求項7】
前記車両走行データ群の各位置情報を、前記地図ネットワーク情報の最近点にプロットすることを特徴とする請求項6記載の車両位置情報収集方法。
【請求項8】
前記位置情報を、該位置情報の前後にプロットされた位置や前記リンク情報を用いて補正してプロットすることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の車両位置情報収集方法。
【請求項9】
前記プロットされた2つの位置情報間に、位置情報をプロットされていない前記地図ネットワーク情報上の所望の位置が存在する場合、
該プロットされた位置情報から該所望の位置における時間情報を算出し、該地図ネットワーク情報上に仮想の位置情報をプロットすることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の車両位置情報収集方法。
【請求項10】
前記地図ネットワーク情報に、高さ情報が含まれることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の車両位置情報収集方法。
【請求項11】
車両の位置情報の分析を行う車両位置情報分析システムにおいて、
該位置情報がX座標、Y座標及びその位置での時間情報からなると共に、
交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報の上に、複数の該位置情報がプロットされており、
該プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、該位置情報を該リンク情報又は該ノード情報単位で分類し分析することを特徴とする車両位置情報分析システム。
【請求項12】
前記プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、前記位置情報を前記リンク情報又は前記ノード情報間で分析することを特徴とする請求項11記載の車両位置情報分析システム。
【請求項13】
車両の位置情報の分析を行う車両位置情報分析方法において、
該位置情報がX座標、Y座標及びその位置での時間情報からなると共に、
交差点をノード情報とすると共にノード情報間を接続する道路をリンク情報とする地図ネットワーク情報の上に、複数の該位置情報がプロットされており、
該プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、該位置情報を該リンク情報又は該ノード情報単位で分類し分析することを特徴とする車両位置情報分析方法。
【請求項14】
前記プロットされた地図ネットワーク情報を用いて、前記位置情報を前記リンク情報又は前記ノード情報間で分析することを特徴とする請求項13記載の車両位置情報分析方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−133958(P2006−133958A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320462(P2004−320462)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(592038476)株式会社アルモニコス (6)
【Fターム(参考)】