説明

車両側部構造

【課題】 側面衝突時におけるインパクトビームの耐力を十分に活用可能な車両側部構造を提供する。
【解決手段】 インパクトビーム20におけるフロントピラー16の車両幅方向外側位置には、第一係合突起30が設けられ、インパクトビーム20におけるセンターピラー28の車両幅方向外側位置には、第二係合突起32が設けられている。側面衝突時には、インパクトビーム20の車両幅方向内側への移動に伴って第一係合突起30がインナーパネル24を介してフロントピラー16の車両幅方向外側面16Aに係合され、第二係合突起32がインナーパネル24を介してセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aに係合される。従って、側面衝突時には、インパクトビーム20の車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、インパクトビーム20の耐力を十分に活用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側部構造に係り、特に、ドアにインパクトビームを備えた車両側部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両側部構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、ドア内部に車両の前後方向に延びるドアビームを設けた車体側面構造の例が示されている。この特許文献1に記載の例において、ドアビームの後端側は、車両側面視にてセンターピラーと重なるようになっている。そして、このドアビームの後端部にセンターピラーに向けてブラケットを固着することにより、側面衝突の際にドアビームからの荷重をブラケットを介してセンターピラーに伝達するようにしている。
【特許文献1】特開平7−17253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の例では、ドアビームの後端側に設けられたブラケットのセンターピラーと対向する面がセンターピラーを支持可能なように平坦な面で構成されていた。従って、側面衝突時にドアビームが車両幅方向内側へ移動しても、ブラケットのセンターピラーの車両幅方向外側面がセンターピラーに係合されなかった。このため、側面衝突時には、ドア中央部の車室内方向への変形に伴ってドアビームが車両前後方向へ移動し、これによってドアビームの耐力を十分に活用することができなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、側面衝突時におけるインパクトビームの耐力を十分に活用可能な車両側部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両側部構造は、車体に設けられたピラーと、ドアに車両前後方向に延設され端部側が前記ピラーの車両幅方向外側に位置するインパクトビームと、前記インパクトビームにおける前記ピラーの車両幅方向外側位置に配置されると共に、前記ピラー側へ突出し前記インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って前記ピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
このように、請求項1に記載の車両側部構造では、インパクトビームの端部側がピラーの車両幅方向外側に位置し、このインパクトビームにおけるピラーの車両幅方向外側位置には、ピラー側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起が配置されている。従って、側面衝突時には、インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って係合突起がピラーの車両幅方向外側面に係合される。これにより、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、側面衝突時にインパクトビームの耐力を十分に活用することが可能となる。
【0007】
このとき、請求項2に記載の車両側部構造のように、係合突起が、ピラーとドアのインナーパネルを隔てて配置されていると、通常使用時にインナーパネルから車室内側に向けて係合突起が突出することも防ぐことができる。
【0008】
また、前記課題を解決するために、請求項3に記載の車両側部構造は、車体に設けられたピラーと、ドアに車両前後方向に延設され端部側が前記ピラーの車両幅方向外側に位置するインパクトビームと、前記インパクトビームを前記ピラーの車両幅方向外側位置で前記ドアのインナーパネルに固定すると共に、前記ピラー側へ突出し前記インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って前記ピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起を有して構成された固定部材と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
このように、請求項3に記載の車両側部構造では、インパクトビームの端部側がピラーの車両幅方向外側に位置し、インパクトビームは、ピラーの車両幅方向外側位置でドアのインナーパネルに固定部材によって固定され、この固定部材には、ピラー側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起が設けられている。従って、側面衝突時には、インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って固定部材の係合突起がピラーの車両幅方向外側面に係合される。これにより、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、側面衝突時にインパクトビームの耐力を十分に活用することが可能となる。
【0010】
このとき、請求項4に記載のように、請求項3に記載の車両側部構造において、固定部材が、インナーパネルの車両外側に配置された固定部材本体部と、固定部材本体部にインナーパネルを介して連結されると共にインナーパネルの車両内側に配置された固定部材補助部と、を有して構成され、係合突起が、固定部材本体部及び固定部材補助部の少なくとも一方に形成されていると好適である。
【0011】
つまり、固定部材は、固定部材本体部と固定部材補助部とに分けられているので、ピラー側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起は、例えば固定部材本体部だけでなく、固定部材補助部に設けられていても良い。従って、係合突起を配置可能な箇所が増えるので、これにより、固定部材の設計の自由度が増すことになる。
【0012】
また、請求項5に記載のように、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両側部構造において、ピラーが、ピラーアウターパネルとピラーインナーパネルとの間にピラーリインフォースメントを備え、ピラーリインフォースメントにおける係合突起の車両幅方向内側位置に、板厚方向に貫通する係合孔が設けられていると、側面衝突時には、係合突起が係合孔に係合されるので、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動がより抑制される。これにより、側面衝突時にインパクトビームの耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0013】
なお、請求項6に記載のように、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両側部構造において、ピラーの車両幅方向外側面における係合突起の車両幅方向内側位置に、係合突起と反対側に凹む係合凹部が設けられていても良い。このようにすると、側面衝突時には、係合突起が係合凹部に係合されるので、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動がより抑制される。これにより、側面衝突時にインパクトビームの耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0014】
さらに、前記課題を解決するために、請求項6に記載の車両側部構造は、ピラーに設けられてドアの一端側を回動自在に支持するドアヒンジと、前記ドアの開放端側を車体に固定するロック機構と、前記ドアに車両前後方向に延設されたインパクトビームと、前記インパクトビームの前記ドアヒンジ側に配置されると共に、前記ドアヒンジ側へ突出し前記インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って前記ドアヒンジと係合可能な係合突起と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
このように、請求項7に記載の車両側部構造では、インパクトビームのドアヒンジ側に、ドアヒンジ側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってドアヒンジと係合可能な係合突起が配置されている。従って、側面衝突時には、インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って係合突起がドアヒンジに係合される。これにより、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、側面衝突時にインパクトビームの耐力を十分に活用することが可能である。また、請求項7に記載の車両側部構造において、ドアのドアヒンジと反対側に位置する開放端側は、ロック機構により車体に固定されるので、側面衝突時には、係合突起及びドアヒンジの係合と合わせたドアの前後両端部においてドアの車室内側への進入を阻止することが可能である。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、インパクトビームにおけるピラーの車両幅方向外側位置に、ピラー側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起が配置されているので、側面衝突時にはピラーの車両幅方向外側面に係合突起が係合されることによりインパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制される。これにより、インパクトビームの耐力を十分に活用することが可能となる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、係合突起が、ピラーとドアのインナーパネルを隔てて配置されているので、通常使用時にインナーパネルから車室内側に向けて係合突起が突出することも防ぐことができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、インパクトビームをピラーの車両幅方向外側位置で前記ドアのインナーパネルに固定する固定部材に、ピラー側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起が設けられているので、側面衝突時にはピラーの車両幅方向外側面に係合突起が係合されることによりインパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制される。これにより、インパクトビームの耐力を十分に活用することが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明によれば、固定部材は、固定部材本体部と固定部材補助部とに分けられているので、ピラー側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起は、例えば固定部材本体部だけでなく、固定部材補助部に設けられていても良い。従って、係合突起を配置可能な箇所が増えるので、これにより、固定部材の設計の自由度が増すことになる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、側面衝突時には、係合突起が係合孔に係合されるので、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動がより抑制される。これにより、側面衝突時にインパクトビームの耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、側面衝突時には、係合突起が係合凹部に係合されるので、インパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動がより抑制される。これにより、側面衝突時にインパクトビームの耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明によれば、インパクトビームのドアヒンジ側に、ドアヒンジ側へ突出しインパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴ってドアヒンジと係合可能な係合突起が配置されているので、側面衝突時にはドアヒンジに係合突起が係合されることによりインパクトビームの車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制される。これにより、インパクトビームの耐力を十分に活用することが可能となる。また、請求項7に記載の車両側部構造において、ドアのドアヒンジと反対側に位置する開放端側は、ロック機構により車体に固定されるので、側面衝突時には、係合突起及びドアヒンジの係合と合わせたドアの前後両端部においてドアの車室内側への進入を阻止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0024】
[第一実施形態]
はじめに、図1乃至図3を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る車両側部構造10の構成について説明する。
【0025】
本発明の第一実施形態に係る車両側部構造10は、例えば、乗用自動車等の車両12のフロント側部に好適に適用することができるものである。以下、一例として、車両12のフロント側部に本実施形態の車両側部構造10を適用した例について説明する。
【0026】
本実施形態に係る車両12には、フロントドア14が備えられている。このフロントドア14は、フロントピラー16の上下位置に設けられたドアヒンジ18によって開閉自在となっている。
【0027】
フロントドア14の内部には、車両前後方向にインパクトビーム20が延設されている。インパクトビーム20の後端は、固定部材22によってフロントドア14の内部に設けられたインナーパネル24の外側面に固定されており、インパクトビーム20の前端は、固定部材26によってインナーパネル24の外側面に固定されている。
【0028】
なお、本実施形態において、上記の如くインパクトビーム20がインナーパネル24に固定された状態では、インパクトビーム20は、車両前方から後方に向かうに従って後下がりに傾斜している。また、本実施形態において、インパクトビーム20の前端側は、フロントピラー16の車両幅方向外側に位置し、インパクトビーム20の後端側は、センターピラー28の車両幅方向外側に位置している。
【0029】
そして、インパクトビーム20におけるフロントピラー16の車両幅方向外側位置には、フロントピラー16側へ突出し、インパクトビーム20の車両幅方向内側への移動に伴ってフロントピラー16の車両幅方向外側面16Aと係合可能な第一係合突起30が設けられている。同様に、インパクトビーム20におけるセンターピラー28の車両幅方向外側位置には、センターピラー28側へ突出し、インパクトビーム20の車両幅方向内側への移動に伴ってセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aと係合可能な第二係合突起32が設けられている。この第一係合突起30及び第二係合突起32は、例えば三角錐形状の金属部材により構成され、溶接等によりインパクトビーム20に固定されている。
【0030】
本実施形態において、この第一係合突起30は、フロントピラー16とフロントドア14のインナーパネル24を隔てて配置されており、第二係合突起32は、センターピラー28とインナーパネル24を隔てて配置されている。
【0031】
次に、上記構成からなる車両側部構造10の作用について説明する。
【0032】
本実施形態の車両側部構造10では、側面衝突時に、インパクトビーム20の車両幅方向内側への移動に伴って第一係合突起30がインナーパネル24を介してフロントピラー16の車両幅方向外側面16Aに係合され、第二係合突起32がインナーパネル24を介してセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aに係合される。従って、側面衝突時には、インパクトビーム20の車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、インパクトビーム20の耐力を十分に活用することが可能である。
【0033】
また、本実施形態では、上述の如く、側面衝突時に第一係合突起30がフロントピラー16の車両幅方向外側面16Aに係合し、第二係合突起32がセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aに係合するので、フロントドア14の前後両端部においてフロントドア14の車室内側への進入を阻止することが可能である。
【0034】
さらに、本実施形態では、上述の如く、側面衝突時に第一係合突起30がフロントピラー16の車両幅方向外側面16Aに係合され、第二係合突起32がセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aに係合されることによりインパクトビーム20への荷重が第一係合突起30及び第二係合突起32を介してフロントピラー16及びセンターピラー28に伝達されるので、ロック機構33への荷重入力を緩和することができる。
【0035】
また、本実施形態では、上述の如く、側面衝突時に第一係合突起30がフロントピラー16に係合し、第二係合突起32がセンターピラー28に係合するので、側面衝突時に早期にインパクトビーム20への荷重をフロントピラー16及びセンターピラー28に確実に伝達することができる。
【0036】
さらに、第一係合突起30、第二係合突起32は、それぞれフロントピラー16、センターピラー28とフロントドア14のインナーパネル24を隔てて配置されているので、これにより、通常使用時にインナーパネル24から車室内側に向けて第一係合突起30、第二係合突起32が突出することも防ぐことができる。
【0037】
また、インパクトビーム20のサブ組立時に第一係合突起30又は第二係合突起32を位置決めや方向合わせ等の基準として利用することができるので、これによりフロントドア14の誤組立防止にもなる。
【0038】
さらに、本実施形態では、第二係合突起32がフロントドア14のロック機構33側(開放端側)に配置されているので、フロントドア14を閉める際の慣性モーメントが増加する。これにより、フロントドア14の閉まり性(ドアを閉めるときの音や剛性感)も向上する。
【0039】
次に、本発明の第一実施形態に係る車両側部構造10の変形例について説明する。
【0040】
上記実施形態では、車両側部構造10を車両12のフロントドア14を含むフロント側部に適用した例について説明したが、車両側部構造10は、車両12のリアドアを含むリア側部に適用されても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、インパクトビーム20に第一係合突起30及び第二係合突起32が形成されていたが、インパクトビーム20に第一係合突起30及び第二係合突起32の一方のみが形成されていても良い。
【0042】
さらに、インパクトビーム20に設けられた第一係合突起30、第二係合突起32は、次のように形成されていても良い。例えば、図4に示されるように、インパクトビーム20の表面に固着させたボルト34で係合突起を構成しても良い。また、図5に示されるように、インパクトビーム20にネジ孔36を設け、このネジ孔36に螺入されたボルト38で係合突起を構成しても良い。
【0043】
また、図6に示されるように、短冊状の板状部材40を山形に折り曲げ、この板状部材40の両端をインパクトビーム20の表面に溶接等によって固着させたもので係合突起が構成されていても良い。また、図7に示されるように、パイプ状のインパクトビーム20の一部を車両幅方向内側に突出させた突出部42によって係合突起が構成されるようにしても良い。また、図8に示されるように、車両幅方向内側に向かうに従って細径となる円柱状の突出部44を溶接等によりインパクトビーム20に固着させたもので係合突起が構成されていても良い。
【0044】
また、図9に示されるように、センターピラー28のインナーパネル46とアウターパネル48との間にピラーリインフォースメント50を設け、このピラーリインフォースメント50における第二係合突起32の車両幅方向内側位置に、板厚方向に貫通する係合孔52が設けられていても良い。このようすると、側面衝突時には、第二係合突起32がインナーパネル24及びアウターパネル48を介して係合孔52に係合されるので、インパクトビーム20の移動をより抑制することができる。これにより、側面衝突時にインパクトビーム20の耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0045】
なお、フロントピラー16のインナーパネルとアウターパネルとの間にピラーリインフォースを設け、このピラーリインフォースメントにおける第一係合突起30の車両幅方向内側位置に、板厚方向に貫通する係合孔が設けられていても良いことは勿論である。
【0046】
また、図10に示されるように、センターピラー28の車両幅方向外側面28Aにおける第二係合突起32の車両幅方向内側位置に、第二係合突起32と反対側に凹む係合凹部54が設けられていても良い。このようにすると、側面衝突時には、第二係合突起32がインナーパネル24を介して係合凹部54に係合されるので、インパクトビーム20の移動をより抑制することができる。これにより、側面衝突時にインパクトビーム20の耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0047】
なお、フロントピラー16の車両幅方向外側面16Aにおける第一係合突起30と車両幅方向内側位置に、第一係合突起30と反対側に凹む係合凹部が設けられていても良いことは勿論である。
【0048】
[第二実施形態]
次に、図11,図12を参照しながら、本発明の第二実施形態に係る車両側部構造60の構成について説明する。
【0049】
本発明の第二実施形態に係る車両側部構造60は、本発明の第一実施形態に係る車両側部構造10のインパクトビーム20及び固定部材26に代えて、インパクトビーム62及び固定部材64を備えたものである。従って、本発明の第二実施形態において、第一実施形態と同一の部材については同一の符号を用いることとしてその説明を省略する。
【0050】
本発明の第二実施形態において、フロントドア14の内部には、車両前後方向にインパクトビーム62が延設されている。インパクトビーム62は、その後端側がセンターピラー28の車両幅方向外側に位置するように車両前後方向に沿って延設されている。
【0051】
固定部材64は、インパクトビーム62をセンターピラー28の車両幅方向外側位置でフロントドア14のインナーパネル24の外側面に固定している。また、固定部材64は、インパクトビーム62を周方向に包み込む固定部66を有しており、インパクトビーム62は、この固定部66によって固定されている。固定部材64の上下端は、センターピラー28側へ突出し、インパクトビーム62の車両幅方向内側への移動に伴ってセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aと係合可能な係合突起68として構成されている。この係合突起68は、インナーパネル24に設けられた貫通孔70を介してセンターピラー28側へ突出している。また、係合突起68の貫通孔70から突出した部分には、シール材72が設けられており、貫通孔70を介した異物(水滴等)の出入りが防止されている。
【0052】
次に、上記構成からなる車両側部構造60の作用について説明する。
【0053】
本実施形態の車両側部構造60では、側面衝突時に、インパクトビーム62の車両幅方向内側への移動に伴って係合突起68がセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aに係合される。これにより、インパクトビーム62の車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、側面衝突時にインパクトビーム62の耐力を十分に活用することが可能である。
【0054】
また、係合突起68は、インパクトビーム62をインナーパネル24に固定するための固定部材64に設けられているので、インパクトビーム62に加わった荷重が係合突起68に伝わり易い。これにより、係合突起68とセンターピラー28の係合をより強固なものとすることができる。
【0055】
さらに、本実施形態では、上述の如く、側面衝突時に係合突起68がセンターピラー28に係合されることによりインパクトビーム62への荷重が係合突起68を介してセンターピラー28に伝達されるので、ロック機構33(図11参照)への荷重入力を緩和することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上述の如く、側面衝突時に係合突起68がセンターピラー28に係合するので、側面衝突時に早期にインパクトビーム62への荷重をセンターピラー28に確実に伝達することができる。
【0057】
また、固定部材64の上下端を車両幅方向内側に曲げることにより、固定部材64の上下端部(係合突起68の根元部分)の角部71が曲面状に形成されている。これにより、固定部材64の上下端部(係合突起の根元部分)の角部71にフロントドア14内の水が溜まることを防止できる。
【0058】
また、係合突起68をインナーパネル24の貫通孔70から車両内側に突出させることにより、フロントドア14を組み立てた後に、係合突起68の貫通孔70から突出した部分にシール材72を設けてシール作業を行うことができる。
【0059】
さらに、固定部材64の上下端を車両幅方向内側に折り曲げて係合突起68を形成することにより、固定部材64の剛性が向上する。従って、固定部材64自体を小型化、軽量化することができる。
【0060】
また、固定部材64の上下端を車両幅方向内側に折り曲げることにより、固定部材64の端部がインナーパネル24に接触しなくなる。これにより、固定部材64とインナーパネル24とに電位差のある異材金属を用いた場合でも、固定部材64の電食を防止できる。
【0061】
また、係合突起68は、インパクトビーム62をフロントドア14のインナーパネル24に固定するための固定部材64に設けられているので、これにより、インパクトビーム62自体に係合用の突出部を設けるための専用の設計が不要となる。
【0062】
次に、本発明の第二実施形態に係る車両側部構造60の変形例について説明する。
【0063】
本実施形態において、固定部材64に設けられた係合突起68は、例えば、図13に示されるように、車両後方から前方に向かうに従って車両幅方向内側へ向かうように斜めにカットされ、一方の角部74が鋭角とされたものであっても良い。このように斜めにカットされ一方の角部74が鋭角にされていると、インパクトビーム62の車両幅方向内側への移動時に係合突起68がセンターピラー28と係合し易くなる。また、図14に示されるように、係合突起68に鋭角な角部76が複数形成された構成であっても良い。
【0064】
また、図15に示されるように、係合突起68に凹曲面からなる凹部78を設け、係合突起68の強度が向上されるようにしても良い。また、図16に示されるように、係合突起68は、固定部材64の車両前後側端部に設けられていても良い。
【0065】
さらに、図17に示されるように、上下一対に形成される係合突起68のうち、下側の係合突起68に固着具82によってドアトリム84を固定しても良い。また、図18に示されるように、フロントドア14のインナーパネル24に係合突起68の突出形状に合わせて突出部86を設け、この突出部86により係合突起68が車室内側から覆われるようにしても良い。
【0066】
また、図19に示されるように、固定部材64の中央部を車両内側へ切り起こすようにして係合突起88が形成されていても良い。また、図20に示されるように、固定部材64の上側の係合突起68は、固定部材64の上側全体を車両内側に折り曲げて形成する一方で、固定部材64の下側の係合突起68は、固定部材64の下側の一部(中央)を車両内側に折り曲げて形成したものであっても良い。すなわち、係合突起68の形状は上下均一でなくても良い。
【0067】
また、上記第一実施形態と同様に、センターピラー28のインナーパネル46とアウターパネル48との間にピラーリインフォースメント50を設け、このピラーリインフォースメント50における係合突起68の車両幅方向内側位置に、板厚方向に貫通する係合孔52が設けられていても良い(図9参照)。このようすると、側面衝突時には、係合突起68が係合孔52に係合されるので、インパクトビーム62の移動をより抑制することができる。これにより、側面衝突時にインパクトビーム62の耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0068】
また、上記第一実施形態と同様に、センターピラー28の車両幅方向外側面28Aにおける係合突起68の車両幅方向内側位置に、係合突起68と反対側に凹む係合凹部54が設けられていても良い(図10参照)。このようにすると、側面衝突時には、係合突起68がインナーパネル24を介して係合凹部54に係合されるので、インパクトビーム20の移動をより抑制することができる。これにより、側面衝突時にインパクトビーム20の耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0069】
[第三実施形態]
次に、図21を参照しながら、本発明の第三実施形態に係る車両側部構造90の構成について説明する。
【0070】
本発明の第三実施形態に係る車両側部構造90は、本発明の第一実施形態に係る車両側部構造10のドアヒンジ18、インパクトビーム20、固定部材22,26に代えて、ドアヒンジ92、インパクトビーム94、固定部材96,98を備えたものである。従って、本発明の第三実施形態において、第一実施形態と同一の部材については同一の符号を用いることとしてその説明を省略する。
【0071】
本発明の第三実施形態において、フロントドア14の内部には、車両前後方向にインパクトビーム94が延設されている。このインパクトビーム94の両端側は、固定部材96,98によりそれぞれインナーパネル24の外側面に固定されている。また、インパクトビーム94の前端側には、ドアヒンジ92のヒンジ軸100が貫通されており、これにより、インパクトビーム94が設けられたフロントドア14全体が回動自在となっている。
【0072】
インパクトビーム94のドアヒンジ92側(前端側)には、ヒンジ軸100よりも車両前方側にずれた位置にドアヒンジ92側へ突出し、インパクトビーム94の車両幅方向内側への移動に伴ってドアヒンジ92の係合部92Aと係合可能な係合突起102が設けられている。この係合突起102は、例えば三角錐形状の金属部材により構成され、溶接等によりインパクトビーム94に固定されている。
【0073】
次に、上記構成からなる車両側部構造90の作用について説明する。
【0074】
本実施形態の車両側部構造90では、側面衝突時に、インパクトビーム94の車両幅方向内側への移動に伴って係合突起102がドアヒンジ92の係合部92Aに係合される。これにより、インパクトビーム94の車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、側面衝突時にインパクトビーム94の耐力を十分に活用することが可能である。
【0075】
また、本実施形態の車両側部構造90において、フロントドア14のドアヒンジ92と反対側に位置する開放端側は、ロック機構33により車体に固定されるので、側面衝突時には、係合突起102及びドアヒンジ92の係合と合わせたフロントドア14の前後両端部においてフロントドア14の車室内側への進入を阻止することが可能である。
【0076】
さらに、本実施形態では、係合突起102がインパクトビーム94のヒンジ軸100を挟んだロック機構33と反対側に配置されているので、結果とてフロントドア14を閉める際の慣性モーメントが増加する。これにより、フロントドア14の閉まり性(ドアを閉めるときの音や剛性感)も向上する。
【0077】
[第四実施形態]
次に、図22を参照しながら、本発明の第四施形態に係る車両側部構造110の構成について説明する。
【0078】
本発明の第四実施形態に係る車両側部構造110は、本発明の第一実施形態に係る車両側部構造10のインパクトビーム20及び固定部材26に代えて、インパクトビーム112及び固定部材114を備えたものである。従って、本発明の第四実施形態において、第一実施形態と同一の部材については同一の符号を用いることとしてその説明を省略する。
【0079】
本発明の第四実施形態において、フロントドア14の内部には、車両前後方向にインパクトビーム112が延設されている。インパクトビーム112は、その後端側がセンターピラー28の車両幅方向外側に位置するように車両前後方向に沿って延設されている。
【0080】
固定部材114は、インナーパネル24の車両外側に配置された固定部材本体部116と、インナーパネル24の車両内側に配置された固定部材補助部118と、を有して構成されている。固定部材本体部116は、インパクトビーム112をセンターピラー28の車両幅方向外側位置でインナーパネル24の外側面に固定している。また、固定部材本体部116は、インパクトビーム112を周方向に包み込む固定部120を有しており、インパクトビーム112は、この固定部120によって固定されている。
【0081】
固定部材本体部116の上下端には、インナーパネル24に設けられた貫通孔70を介してセンターピラー28側へ突出する突出片122が形成されている。一方、固定部材補助部118は、車両外側に突出する連結片124を備えており、この連結片124が突出片122に連結されることにより、固定部材本体部116に一体的に固定されている。固定部材補助部118の上下位置には、センターピラー28側へ突出する突出部126が形成されており、本実施形態では、この突出部126が、インパクトビーム112の車両幅方向内側への移動に伴ってセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aと係合可能な係合突起として構成されている。なお、突出片122と連結片124との継ぎ目部分には、突出片122と連結片124との継ぎ目部分を介した異物(水滴等)の出入りを防止するためのシール材128が設けられている。
【0082】
次に、上記構成からなる車両側部構造110の作用について説明する。
【0083】
本実施形態の車両側部構造110では、側面衝突時に、インパクトビーム112の車両幅方向内側への移動に伴って係合突起としての突出部126がセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aに係合される。これにより、インパクトビーム112の車両前後方向(ドア中央方向)への移動が抑制されるので、側面衝突時にインパクトビーム112の耐力を十分に活用することが可能である。
【0084】
また、連結片124が突出片122に連結されることにより、係合突起としての突出部126の側部を補強することができる。これにより、係合突起としての突出部126の車両幅方向への強度が増すので、側面衝突時には、係合突起としての突出部126をセンターピラー28に強固に係合させることができる。これにより、インパクトビーム112の移動をより抑制することができるので、側面衝突時にインパクトビーム112の耐力をより十分に活用することが可能となる。
【0085】
さらに、本実施形態では、固定部材114が固定部材本体部116の他に固定部材補助部118を備える構成であるので、フロントドア14を閉める際の慣性モーメントが増加する。これにより、フロントドア14の閉まり性(ドアを閉めるときの音や剛性感)も向上する。
【0086】
また、本実施形態では、固定部材114が、固定部材本体部116と固定部材補助部118とに分けられている。従って、本実施形態のように、係合突起としての突出部126は、例えば固定部材本体部116だけでなく、固定部材補助部118に設けられていても良い。これにより、係合突起を配置可能な箇所が増えるので、固定部材114の設計の自由度が増すことになる。
【0087】
次に、本発明の第四実施形態に係る車両側部構造110の変形例について説明する。
【0088】
本実施形態において、固定部材114は、例えば、次のように構成されていても良い。すなわち、例えば、図23に示されるように、固定部材本体部116には、インナーパネル24を挟持する挟持片130が形成され、固定部材補助部118は、インナーパネル24に設けられた貫通孔70から導出された挟持片130の車両内側に例えば溶接等により固定されると共に、センターピラー28側へ突出する係合突起132を備える構成であっても良い。なお、この場合に、貫通孔70にシール材134が設けられていると、貫通孔70を介した異物(水滴等)の出入りが防止されるので好適である。
【0089】
また、図24に示されるように、固定部材本体部116には、インナーパネル24に設けられた貫通孔70を介してセンターピラー28側へ突出する係合突起136が形成され、固定部材補助部118は、車両外側に突出する連結片138を備え、この連結片138が係合突起136に連結されることにより、固定部材本体部116に一体的に固定されていても良い。なお、この場合に、係合突起136と連結片138との継ぎ目部分にシール材140が設けられていると、係合突起136と連結片138との継ぎ目部分を介した異物(水滴等)の出入りが防止されるので好適である。
【0090】
また、図25に示されるように、固定部材本体部116に、インナーパネル24に設けられた貫通孔70を介してセンターピラー28側へ突出する第一突出片142が形成され、固定部材補助部118に、第一突出片142と重なるように車両内側に突出する第二突出片144が備えられていても良い。そして、この第二突出片144が第一突出片142に例えば溶接等により連結されることにより、固定部材本体部116と固定部材補助部118とが一体的に固定され、この第一突出片142と第二突出片144により、インパクトビーム112の車両幅方向内側への移動に伴ってセンターピラー28の車両幅方向外側面28Aと係合可能な係合突起146が構成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造が適用された車両の側面図である。
【図2】図2は図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は図1のB−B線断面図である。
【図4】図4は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第一変形例を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第二変形例を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第三変形例を示す斜視図である。
【図7】図7は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第四変形例を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第五変形例を示す斜視図である。
【図9】図9は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第六変形例を示す断面図である。
【図10】図10は本発明の第一実施形態に係る車両側部構造の第七変形例を示す断面図である。
【図11】図11は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造が適用された車両の側面図である。
【図12】図12は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図13】図13は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第一変形例を示す斜視図である。
【図14】図14は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第二変形例を示す斜視図である。
【図15】図15は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第三変形例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図16】図16は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第四変形例を示す斜視図である。
【図17】図17は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第五変形例を示す斜視図である。
【図18】図18は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第六変形例を示す断面図である。
【図19】図19は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第七変形例を示す断面図である。
【図20】図20は本発明の第二実施形態に係る車両側部構造の第八変形例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図21】図21は本発明の第三実施形態に係る車両側部構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図22】図22は本発明の第四実施形態に係る車両側部構造を示す断面図である。
【図23】図23は本発明の第四実施形態に係る車両側部構造の第一変形例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図24】図24は本発明の第四実施形態に係る車両側部構造の第二変形例を示す断面図である。
【図25】図25は本発明の第四実施形態に係る車両側部構造の第三変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0092】
10,60,90,110 車両側部構造
16 フロントピラー
16A 車両幅方向外側面
20,62,94,112 インパクトビーム
22,26,64,96,98,114 固定部材
24 インナーパネル
28 センターピラー
28A 車両幅方向外側面
30 第一係合突起
32 第二係合突起
34 ボルト(係合突起)
38 ボルト(係合突起)
40 板状部材(係合突起)
42,44,126 突出部(係合突起)
46 インナーパネル
48 アウターパネル
50 ピラーリインフォースメント
52 係合孔
54 係合凹部
68,88,102,132,136,146 係合突起
92 ドアヒンジ
116 固定部材本体部
118 固定部材補助部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に設けられたピラーと、
ドアに車両前後方向に延設され端部側が前記ピラーの車両幅方向外側に位置するインパクトビームと、
前記インパクトビームにおける前記ピラーの車両幅方向外側位置に配置されると共に、前記ピラー側へ突出し前記インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って前記ピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起と、
を備えたことを特徴とする車両側部構造。
【請求項2】
前記係合突起は、前記ピラーと前記ドアのインナーパネルを隔てて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両側部構造。
【請求項3】
車体に設けられたピラーと、
ドアに車両前後方向に延設され端部側が前記ピラーの車両幅方向外側に位置するインパクトビームと、
前記インパクトビームを前記ピラーの車両幅方向外側位置で前記ドアのインナーパネルに固定すると共に、前記ピラー側へ突出し前記インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って前記ピラーの車両幅方向外側面と係合可能な係合突起を有して構成された固定部材と、
を備えたことを特徴とする車両側部構造。
【請求項4】
前記固定部材は、前記インナーパネルの車両外側に配置された固定部材本体部と、
前記固定部材本体部に前記インナーパネルを介して連結されると共に前記インナーパネルの車両内側に配置された固定部材補助部と、を有して構成され、
前記係合突起は、前記固定部材本体部及び前記固定部材補助部の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両側部構造。
【請求項5】
前記ピラーは、ピラーアウターパネルとピラーインナーパネルとの間にピラーリインフォースメントを備え、
前記ピラーリインフォースメントにおける前記係合突起の車両幅方向内側位置には、板厚方向に貫通する係合孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両側部構造。
【請求項6】
前記ピラーの車両幅方向外側面には、前記係合突起の車両幅方向内側位置に前記係合突起と反対側に凹む係合凹部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両側部構造。
【請求項7】
ピラーに設けられてドアの一端側を回動自在に支持するドアヒンジと、
前記ドアの開放端側を車体に固定するロック機構と、
前記ドアに車両前後方向に延設されたインパクトビームと、
前記インパクトビームの前記ドアヒンジ側に配置されると共に、前記ドアヒンジ側へ突出し前記インパクトビームの車両幅方向内側への移動に伴って前記ドアヒンジと係合可能な係合突起と、
を備えたことを特徴とする車両側部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−99219(P2007−99219A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295201(P2005−295201)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】