車両用エンジン始動装置
【課題】 エンジンのロールを考慮して配線することにより、耐久性及び安全性の向上を図ることができる車両用エンジン始動装置を提供すること。
【解決手段】 車体に搭載されたエンジン1と、エンジン1との間で駆動力の授受を行うと共にエンジン1の駆動力により発電を行うスタータジェネレータ2と、スタータジェネレータ2とバッテリ4との間に接続されるインバータ3と、スタータジェネレータ2とインバータ3との間で電力を授受させる三相線6とを備え、インバータ3をエンジン1のエンジンロール軸方向に対向配置される車体の一部に取り付け、三相線6をエンジンロール軸方向に延設させるようにした。
【解決手段】 車体に搭載されたエンジン1と、エンジン1との間で駆動力の授受を行うと共にエンジン1の駆動力により発電を行うスタータジェネレータ2と、スタータジェネレータ2とバッテリ4との間に接続されるインバータ3と、スタータジェネレータ2とインバータ3との間で電力を授受させる三相線6とを備え、インバータ3をエンジン1のエンジンロール軸方向に対向配置される車体の一部に取り付け、三相線6をエンジンロール軸方向に延設させるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用エンジン始動装置の配線手法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、停車時の騒音,燃費向上及び排ガス排出量低減等のため、エンジン始動後に信号待ち等で停車してアイドリング状態になるとエンジンを自動的に停止させ、発進時にエンジンを自動的に始動させるアイドルストップ機能を搭載した車両が実用化されている。一般に、このような車両用エンジン始動装置は、モータ機能及び発電機能を有するスタータジェネレータとバッテリとの間にインバータを備えるように構成されている。スタータジェネレータはエンジンに取り付けられ、インバータは車体の一部に取り付けられている。
【0003】
スタータジェネレータは三相線によりインバータに接続されることで、インバータとの間で電力の授受を行うことができる一方、レゾレバ線や界磁線等の信号線によりインバータに接続されることで、スタータジェネレータの回転角を検出して検出信号を伝達したり、スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達したりすることができる。また、スタータジェネレータは、エンジンのクランク軸と補機ベルトにより連結されることで、エンジンとの間で駆動力の伝達が行われるようになっている。
【0004】
即ち、エンジン運転時には、エンジンの駆動力によりスタータジェネレータを駆動させ、これにより発電した交流電力をインバータで直流電力に変換した後、バッテリに供給充電して車載電気機器に電力を供給する一方、エンジン始動時には、バッテリからの直流電流をインバータで交流電力に変換した後、スタータジェネレータに電力供給して駆動させ、補機ベルトを介してエンジンを始動させる。
【0005】
上述したような、従来の車両用エンジン始動装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−183560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、エンジンを駆動させるとトルク変動に伴うロール振動が発生するため、三相線,レゾルバ線及び界磁線に繰り返し外力が加わり、特に、レゾルバ線及び界磁線よりも径が太い三相線は弾性に乏しく、繰り返し外力による位置変位によって劣化を早めることとなる。このような問題を回避するためには、ある程度弛ませて配線しなくてはならない。しかし、あまり弛ませ過ぎると、補機ベルト等に絡んだり、配置させるスペースに問題が生じたりする。
【0008】
また、三相線はレゾルバ線及び界磁線のような信号線に比べて大容量の交流が流れるので、車両の衝突により、補機ベルトだけでなく他の部位に絡んで断線し、その破断箇所に燃料やオイルが接触すると、引火するおそれがある。また、このような問題を回避しようとして、三相線の長さを十分に保って配線させようとすると、三相線が長くなるに連れて抵抗が増えて電圧降下が大きくなり、バッテリへの供給電力の低下やスタータジェネレータの駆動トルクの低下を招くおそれがある。
【0009】
更に、三相線,レゾレバ線及び界磁線は、スタータジェネレータとインバータとの間で接続されるものであるので、同じ経路で配線させるのが一般的であるが、三相線には、直流電流が流れるレゾルバ線や界磁線等の信号線と違って交流電流が流れるので、この場合、三相線にノイズが発生し、レゾルバ線及び界磁線によるスタータジェネレータの駆動制御に影響を及ぼすおそれがあった。
【0010】
上述した問題に対し、従来の車両用エンジン始動装置においては、各線に電磁シール性のある材料を被覆する等の対策は施されていたが、その厚みも制限され十分な対策を講ずることはできなかった。
【0011】
従って、本発明は上記課題を解決するものであって、三相線及び信号線を適切に配線することにより、耐久性の改善、安全性の向上、更には三相線のノイズによる影響の回避を図ることができる車両用エンジン始動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する第1の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
車体に搭載されたエンジンと、
該エンジンとの間で駆動力の授受を行うと共に前記エンジンの駆動力により発電を行うスタータジェネレータと、
前記スタータジェネレータとバッテリとに接続されるインバータと、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間で電力を授受させる三相線とを備え、
前記インバータを前記エンジンのエンジンロール軸方向に対向配置される前記車体の一部に取り付け、前記三相線をエンジンロール軸方向に延設させる
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第2の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1の発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間に、前記スタータジェネレータの回転角を検出する検出信号または前記スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線を備え、
前記信号線は前記スタータジェネレータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第3の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1または2の発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記信号線は前記インバータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第4の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1乃至3のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記三相線は前記信号線よりエンジンロール軸に近い位置に配置される
ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決する第5の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1乃至4のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記エンジンとの間で駆動力を授受するベルトを設け、
前記三相線を前記ベルトの外側で且つ下方に配置させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、車体に搭載されたエンジンと、該エンジンとの間で駆動力の授受を行うと共に前記エンジンの駆動力により発電を行うスタータジェネレータと、前記スタータジェネレータとバッテリとに接続されるインバータと、前記スタータジェネレータと前記インバータとの間で電力を授受させる三相線とを備え、前記インバータを前記エンジンのエンジンロール軸方向に対向配置される前記車体の一部に取り付け、前記三相線をエンジンロール軸方向に延設させることにより、前記エンジンがロールしても前記三相線が絡んだり、断線したりすることがないので、耐久性及び安全性の向上を図ることができる。
【0018】
第2の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1の発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記スタータジェネレータと前記インバータとの間に、前記スタータジェネレータの回転角を検出する検出信号または前記スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線を備え、前記信号線は前記スタータジェネレータを挟んで前記三相線と対向するように配置されることにより、前記信号線と前記三相線との離間距離が確保され、前記三相線のノイズによる影響を回避することができる。
【0019】
第3の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1または2の発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記信号線は前記インバータを挟んで前記三相線と対向するように配置されることにより、前記信号線と前記三相との離間距離がより大きく確保され、前記三相線のノイズによる影響をより確実に回避することができる。
【0020】
第4の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1乃至3のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記三相線は前記信号線よりエンジンロール軸に近い位置に配置されることにより、前記信号線より径が太くて弾性に乏しい前記三相線に加わるエンジンロールによる位置変位を小さくすることができ、耐久性を向上させることができると共に、ロールを見込んで前記三相線を弛ませる必要がないので短く配置させることができ、電圧降下の低減を図ることができる。
【0021】
第5の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1乃至4のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記スタータジェネレータと前記エンジンとの間で駆動力を授受するベルトを設け、前記三相線を前記ベルトの外側で且つ下方に配置させることにより、車両の衝突により三相線がベルトに絡んで断線することを回避し、安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の車両用エンジン始動装置の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の概略構成図、図2は本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の斜視図、図3は車両用エンジン始動装置の正面図、図4は車両用エンジン始動装置の側面図、図5はエンジンの組み付け状態を示す斜視図、図6は車両の衝突によってエンジンが後方に移動した状態の側面図である。なお、図4に示す点線及び一点鎖線はエンジンがロールした時の状態を示したものである。
【0023】
先ず、図1を用いて車両用エンジン始動装置の概要を説明する。
【0024】
図1に示すように、車両用エンジン始動装置は、エンジン1、スタータジェネレータ2、インバータ3及びバッテリ4から構成されている。そして、エンジン1のクランク軸とスタータジェネレータ2とは補機ベルト5で連結され、スタータジェネレータ2とインバータ3とは三相線6、信号線(レゾルバ線7及び界磁線8)で接続され、インバータ3とバッテリ4とはPN線9で接続されている。即ち、スタータジェネレータ2は、エンジン1のスタータ(モータ)機能と発電機(オルタネータまたはジェネレータ)機能とを一体化したものであり、インバータ3は、電力を直流から交流及び交流から直流に変換可能な直流−交流変換機能を備えたものである。
【0025】
従って、スタータジェネレータ2をスタータとして作動させる場合には、バッテリ4に充電された直流電力をPN線9を介してインバータ3に取り込み、この直流電力を交流電力に変換して三相線6を介してスタータジェネレータ2に供給する。この交流電力が供給されるとスタータジェネレータ2は駆動され、その駆動力を補機ベルト5を介して伝達させることでエンジン1を始動させる。また、スタータジェネレータ2を発電機として作動させる場合には、エンジン運転時において、エンジン1の駆動力を補機ベルト5を介して伝達させることでスタータジェネレータ2を駆動させ、スタータジェネレータ2の駆動により発電した交流電力を三相線6を介してインバータ3に取り込み、この交流電力を直流電力に変換してPN線を介してバッテリ4に供給する。そして、バッテリ4は充電した直流電力を車両に搭載されたランプ類や空調装置等の電気機器に供給している。
【0026】
更に、スタータジェネレータ2が発電中においては、スタータジェネレータ2の回転子の回転角検出信号がレゾルバ線7を介してインバータ3に伝達され、インバータ3は伝達されるその電流の大きさから発電量を求める一方、スタータジェネレータ2の駆動を制御する制御信号が界磁線8を介してインバータ3に伝達され、インバータ3はその電流を調整することにより、発電量を調整するようになっている。
【0027】
次に、図2乃至6を用いて車両用エンジン始動装置の構成を説明する。
【0028】
図2乃至6に示すように、エンジン1は車両の前方で且つ横置きに配置、即ち、エンジン1のクランク軸が車幅方向に配置されたものであり、その側部において、マウントブラケット10を介してサイドメンバ12に固定されたマウント11に支持されている(図3参照)。つまり、エンジン1のクランク軸は、車両の発進時または停止時においてエンジン1がロールしたときのロール軸Oと平行に配置されることになる(図4参照)。なお、図4に示すように、本実施例においては、クランク軸とロール軸Oとは略同軸上に配置されている。また、エンジン1はマウント11により支持されているが、複数の箇所においても図示しない他のマウントにより支持されている。
【0029】
そして、エンジン1の前方にはラジエータ13が設けられ(図3参照)、車両前方の開口部から進入した走行風をラジエータに13取り込み、ラジエータ13内を通過するエンジン1内で温められた冷却水を冷却するようにしている。
【0030】
エンジン1の側部には、エンジン1のクランク軸上に接続されたクランクプーリ14が設けられており、このクランクプーリ14はスタータジェネレータ2、ウォータポンプ15及びエアコン用コンプレッサ16と補機ベルト5により連結されている。そして、補機ベルト5にはオートテンショナ17が押圧されており、このオートテンショナ17の押圧力を調整することにより、補機ベルト5の張力が付与されるようになっている。
【0031】
また、インバータ3はロール軸方向(クランク軸方向)に対向配置される車体の一部(サイドメンバ12)に設けられている。三相線6は、衝突時の余裕代を備えながら、インバータ3の下面から補機ベルト5の外側で且つ下方をロール軸方向に延設された後、その補機ベルト5の下方から車体上方に向けて延設され、スタータジェネレータ2の上部に接続されている。一方、レゾルバ線7及び界磁線8は、インバータ3の後面から車体上方に延設された後、車体前方に延設され、スタータジェネレータ2の上部に接続されている。
【0032】
即ち、衝突時の余裕代を備えた三相線6を、ロール軸O近傍からロール角度が小さい補機ベルト5(エンジン1)の下方で且つロール軸方向に延設させることにより、ロールの影響が低減され、レゾルバ線7及び界磁線8等の信号線よりも太い径の三相線6であっても破断を防止することができる。しかも、これにより、三相線6をロールを見込んで弛ませる必要がなく短く配置させることができるので、電圧降下の低減を図ることができる。また、レゾルバ線7及び界磁線8をエンジン1の上方に配置させ、三相線6とは別に配線させることにより、レゾルバ線6及び界磁線7に対する三相線6のノイズの影響を低減することができる。
【0033】
従って、本発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、エンジン1との間で駆動力の授受を行うと共にエンジン1の駆動力により発電を行うスタータジェネレータ2と、スタータジェネレータ2とバッテリ4との間の電力を双方向に変換することによりエンジン始動動作及びバッテリ充電動作を行うインバータ3と、スタータジェネレータ2とインバータ3との間で電力を授受させる三相線6とを備え、インバータ3をエンジン1のエンジンロール軸に対向配置される車体の一部(サイドメンバ12)に取り付け、三相線6をエンジンロール軸方向に延設させることにより、エンジン1がロールしても三相線6が絡んだり、断線したりすることがないので、耐久性及び安全性の向上を図ることができる。
【0034】
また、スタータジェネレータ2とインバータ3との間に、スタータジェネレータ2の回転角を検出する検出信号またはスタータジェネレータ2の駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)を備え、インバータ3はレゾルバ線7を介してスタータジェネレータ2の回転角を検出すると共に界磁線8を介してスタータジェネレータ2の駆動を制御し、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)はスタータジェネレータ2を挟んで三相線6と対向するように配置されることにより、三相線6との離間距離が確保され、三相線6のノイズによる影響を回避することができる。
【0035】
また、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)はインバータ3を挟んで三相線6と対向するように配置されることにより、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)と三相線6との離間距離がより大きく確保され、三相線6のノイズによる影響をより確実に回避することができる。
【0036】
また、三相線6は、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)よりエンジンロール軸に近い位置に配置されることにより、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)より径が太くて弾性に乏しい三相線6に加わるエンジンロールによる位置変位を小さくすることができ、耐久性を向上させることができる。しかも、ロールを見込んで三相線6を弛ませる必要がないので短く配置させることができ、電圧降下の低減を図ることができる。
【0037】
更に、スタータジェネレータ2とエンジン1との間で駆動力を授受する補機ベルト5を設け、三相線6を衝突時の余裕代を備えながら、補機ベルト5の外側で且つ下方に配置させることにより、車両の衝突により、三相線6が補機ベルト5に絡んで断線することを回避し、安全性の向上を図ることができる。
【0038】
つまり、図4に示すように、エンジン1の後方にクラッシャブルゾーン18を設けることによって、図6に示すように、前突した際に、エンジン1はクラッシャブルゾーン18を押し潰しながら、車体の一部(サイドメンバ12)に設けられているインバータ3に対し相対的に後方へ移動するが、三相線6は補機ベルト5の外側で且つ下方に衝突時の余裕代を備えながら配置されているので、補機ベルト5に絡むことがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
車両用エンジンの配線手法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の斜視図である。
【図3】車両用エンジン始動装置の正面図である。
【図4】車両用エンジン始動装置の側面図である。
【図5】エンジンの組み付け状態を示す斜視図である。
【図6】車両の衝突によってエンジンが後方に移動した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 エンジン
2 スタータジェネレータ
3 インバータ
4 バッテリ
5 補機ベルト
6 三相線
7 レゾルバ線
8 界磁線
9 PN線
10 マウントブラケット
11 マウント
12 サイドメンバ
13 ラジエータ
14 クランクプーリ
15 ウォータポンプ
16 エアコン用コンプレッサ
17 オートテンショナ
18 クラッシャブルゾーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用エンジン始動装置の配線手法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、停車時の騒音,燃費向上及び排ガス排出量低減等のため、エンジン始動後に信号待ち等で停車してアイドリング状態になるとエンジンを自動的に停止させ、発進時にエンジンを自動的に始動させるアイドルストップ機能を搭載した車両が実用化されている。一般に、このような車両用エンジン始動装置は、モータ機能及び発電機能を有するスタータジェネレータとバッテリとの間にインバータを備えるように構成されている。スタータジェネレータはエンジンに取り付けられ、インバータは車体の一部に取り付けられている。
【0003】
スタータジェネレータは三相線によりインバータに接続されることで、インバータとの間で電力の授受を行うことができる一方、レゾレバ線や界磁線等の信号線によりインバータに接続されることで、スタータジェネレータの回転角を検出して検出信号を伝達したり、スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達したりすることができる。また、スタータジェネレータは、エンジンのクランク軸と補機ベルトにより連結されることで、エンジンとの間で駆動力の伝達が行われるようになっている。
【0004】
即ち、エンジン運転時には、エンジンの駆動力によりスタータジェネレータを駆動させ、これにより発電した交流電力をインバータで直流電力に変換した後、バッテリに供給充電して車載電気機器に電力を供給する一方、エンジン始動時には、バッテリからの直流電流をインバータで交流電力に変換した後、スタータジェネレータに電力供給して駆動させ、補機ベルトを介してエンジンを始動させる。
【0005】
上述したような、従来の車両用エンジン始動装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−183560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、エンジンを駆動させるとトルク変動に伴うロール振動が発生するため、三相線,レゾルバ線及び界磁線に繰り返し外力が加わり、特に、レゾルバ線及び界磁線よりも径が太い三相線は弾性に乏しく、繰り返し外力による位置変位によって劣化を早めることとなる。このような問題を回避するためには、ある程度弛ませて配線しなくてはならない。しかし、あまり弛ませ過ぎると、補機ベルト等に絡んだり、配置させるスペースに問題が生じたりする。
【0008】
また、三相線はレゾルバ線及び界磁線のような信号線に比べて大容量の交流が流れるので、車両の衝突により、補機ベルトだけでなく他の部位に絡んで断線し、その破断箇所に燃料やオイルが接触すると、引火するおそれがある。また、このような問題を回避しようとして、三相線の長さを十分に保って配線させようとすると、三相線が長くなるに連れて抵抗が増えて電圧降下が大きくなり、バッテリへの供給電力の低下やスタータジェネレータの駆動トルクの低下を招くおそれがある。
【0009】
更に、三相線,レゾレバ線及び界磁線は、スタータジェネレータとインバータとの間で接続されるものであるので、同じ経路で配線させるのが一般的であるが、三相線には、直流電流が流れるレゾルバ線や界磁線等の信号線と違って交流電流が流れるので、この場合、三相線にノイズが発生し、レゾルバ線及び界磁線によるスタータジェネレータの駆動制御に影響を及ぼすおそれがあった。
【0010】
上述した問題に対し、従来の車両用エンジン始動装置においては、各線に電磁シール性のある材料を被覆する等の対策は施されていたが、その厚みも制限され十分な対策を講ずることはできなかった。
【0011】
従って、本発明は上記課題を解決するものであって、三相線及び信号線を適切に配線することにより、耐久性の改善、安全性の向上、更には三相線のノイズによる影響の回避を図ることができる車両用エンジン始動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する第1の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
車体に搭載されたエンジンと、
該エンジンとの間で駆動力の授受を行うと共に前記エンジンの駆動力により発電を行うスタータジェネレータと、
前記スタータジェネレータとバッテリとに接続されるインバータと、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間で電力を授受させる三相線とを備え、
前記インバータを前記エンジンのエンジンロール軸方向に対向配置される前記車体の一部に取り付け、前記三相線をエンジンロール軸方向に延設させる
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第2の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1の発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間に、前記スタータジェネレータの回転角を検出する検出信号または前記スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線を備え、
前記信号線は前記スタータジェネレータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第3の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1または2の発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記信号線は前記インバータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第4の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1乃至3のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記三相線は前記信号線よりエンジンロール軸に近い位置に配置される
ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決する第5の発明に係る車両用エンジン始動装置は、
第1乃至4のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記エンジンとの間で駆動力を授受するベルトを設け、
前記三相線を前記ベルトの外側で且つ下方に配置させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、車体に搭載されたエンジンと、該エンジンとの間で駆動力の授受を行うと共に前記エンジンの駆動力により発電を行うスタータジェネレータと、前記スタータジェネレータとバッテリとに接続されるインバータと、前記スタータジェネレータと前記インバータとの間で電力を授受させる三相線とを備え、前記インバータを前記エンジンのエンジンロール軸方向に対向配置される前記車体の一部に取り付け、前記三相線をエンジンロール軸方向に延設させることにより、前記エンジンがロールしても前記三相線が絡んだり、断線したりすることがないので、耐久性及び安全性の向上を図ることができる。
【0018】
第2の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1の発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記スタータジェネレータと前記インバータとの間に、前記スタータジェネレータの回転角を検出する検出信号または前記スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線を備え、前記信号線は前記スタータジェネレータを挟んで前記三相線と対向するように配置されることにより、前記信号線と前記三相線との離間距離が確保され、前記三相線のノイズによる影響を回避することができる。
【0019】
第3の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1または2の発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記信号線は前記インバータを挟んで前記三相線と対向するように配置されることにより、前記信号線と前記三相との離間距離がより大きく確保され、前記三相線のノイズによる影響をより確実に回避することができる。
【0020】
第4の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1乃至3のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記三相線は前記信号線よりエンジンロール軸に近い位置に配置されることにより、前記信号線より径が太くて弾性に乏しい前記三相線に加わるエンジンロールによる位置変位を小さくすることができ、耐久性を向上させることができると共に、ロールを見込んで前記三相線を弛ませる必要がないので短く配置させることができ、電圧降下の低減を図ることができる。
【0021】
第5の発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、第1乃至4のいずれかの発明に係る車両用エンジン始動装置において、前記スタータジェネレータと前記エンジンとの間で駆動力を授受するベルトを設け、前記三相線を前記ベルトの外側で且つ下方に配置させることにより、車両の衝突により三相線がベルトに絡んで断線することを回避し、安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の車両用エンジン始動装置の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の概略構成図、図2は本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の斜視図、図3は車両用エンジン始動装置の正面図、図4は車両用エンジン始動装置の側面図、図5はエンジンの組み付け状態を示す斜視図、図6は車両の衝突によってエンジンが後方に移動した状態の側面図である。なお、図4に示す点線及び一点鎖線はエンジンがロールした時の状態を示したものである。
【0023】
先ず、図1を用いて車両用エンジン始動装置の概要を説明する。
【0024】
図1に示すように、車両用エンジン始動装置は、エンジン1、スタータジェネレータ2、インバータ3及びバッテリ4から構成されている。そして、エンジン1のクランク軸とスタータジェネレータ2とは補機ベルト5で連結され、スタータジェネレータ2とインバータ3とは三相線6、信号線(レゾルバ線7及び界磁線8)で接続され、インバータ3とバッテリ4とはPN線9で接続されている。即ち、スタータジェネレータ2は、エンジン1のスタータ(モータ)機能と発電機(オルタネータまたはジェネレータ)機能とを一体化したものであり、インバータ3は、電力を直流から交流及び交流から直流に変換可能な直流−交流変換機能を備えたものである。
【0025】
従って、スタータジェネレータ2をスタータとして作動させる場合には、バッテリ4に充電された直流電力をPN線9を介してインバータ3に取り込み、この直流電力を交流電力に変換して三相線6を介してスタータジェネレータ2に供給する。この交流電力が供給されるとスタータジェネレータ2は駆動され、その駆動力を補機ベルト5を介して伝達させることでエンジン1を始動させる。また、スタータジェネレータ2を発電機として作動させる場合には、エンジン運転時において、エンジン1の駆動力を補機ベルト5を介して伝達させることでスタータジェネレータ2を駆動させ、スタータジェネレータ2の駆動により発電した交流電力を三相線6を介してインバータ3に取り込み、この交流電力を直流電力に変換してPN線を介してバッテリ4に供給する。そして、バッテリ4は充電した直流電力を車両に搭載されたランプ類や空調装置等の電気機器に供給している。
【0026】
更に、スタータジェネレータ2が発電中においては、スタータジェネレータ2の回転子の回転角検出信号がレゾルバ線7を介してインバータ3に伝達され、インバータ3は伝達されるその電流の大きさから発電量を求める一方、スタータジェネレータ2の駆動を制御する制御信号が界磁線8を介してインバータ3に伝達され、インバータ3はその電流を調整することにより、発電量を調整するようになっている。
【0027】
次に、図2乃至6を用いて車両用エンジン始動装置の構成を説明する。
【0028】
図2乃至6に示すように、エンジン1は車両の前方で且つ横置きに配置、即ち、エンジン1のクランク軸が車幅方向に配置されたものであり、その側部において、マウントブラケット10を介してサイドメンバ12に固定されたマウント11に支持されている(図3参照)。つまり、エンジン1のクランク軸は、車両の発進時または停止時においてエンジン1がロールしたときのロール軸Oと平行に配置されることになる(図4参照)。なお、図4に示すように、本実施例においては、クランク軸とロール軸Oとは略同軸上に配置されている。また、エンジン1はマウント11により支持されているが、複数の箇所においても図示しない他のマウントにより支持されている。
【0029】
そして、エンジン1の前方にはラジエータ13が設けられ(図3参照)、車両前方の開口部から進入した走行風をラジエータに13取り込み、ラジエータ13内を通過するエンジン1内で温められた冷却水を冷却するようにしている。
【0030】
エンジン1の側部には、エンジン1のクランク軸上に接続されたクランクプーリ14が設けられており、このクランクプーリ14はスタータジェネレータ2、ウォータポンプ15及びエアコン用コンプレッサ16と補機ベルト5により連結されている。そして、補機ベルト5にはオートテンショナ17が押圧されており、このオートテンショナ17の押圧力を調整することにより、補機ベルト5の張力が付与されるようになっている。
【0031】
また、インバータ3はロール軸方向(クランク軸方向)に対向配置される車体の一部(サイドメンバ12)に設けられている。三相線6は、衝突時の余裕代を備えながら、インバータ3の下面から補機ベルト5の外側で且つ下方をロール軸方向に延設された後、その補機ベルト5の下方から車体上方に向けて延設され、スタータジェネレータ2の上部に接続されている。一方、レゾルバ線7及び界磁線8は、インバータ3の後面から車体上方に延設された後、車体前方に延設され、スタータジェネレータ2の上部に接続されている。
【0032】
即ち、衝突時の余裕代を備えた三相線6を、ロール軸O近傍からロール角度が小さい補機ベルト5(エンジン1)の下方で且つロール軸方向に延設させることにより、ロールの影響が低減され、レゾルバ線7及び界磁線8等の信号線よりも太い径の三相線6であっても破断を防止することができる。しかも、これにより、三相線6をロールを見込んで弛ませる必要がなく短く配置させることができるので、電圧降下の低減を図ることができる。また、レゾルバ線7及び界磁線8をエンジン1の上方に配置させ、三相線6とは別に配線させることにより、レゾルバ線6及び界磁線7に対する三相線6のノイズの影響を低減することができる。
【0033】
従って、本発明に係る車両用エンジン始動装置によれば、エンジン1との間で駆動力の授受を行うと共にエンジン1の駆動力により発電を行うスタータジェネレータ2と、スタータジェネレータ2とバッテリ4との間の電力を双方向に変換することによりエンジン始動動作及びバッテリ充電動作を行うインバータ3と、スタータジェネレータ2とインバータ3との間で電力を授受させる三相線6とを備え、インバータ3をエンジン1のエンジンロール軸に対向配置される車体の一部(サイドメンバ12)に取り付け、三相線6をエンジンロール軸方向に延設させることにより、エンジン1がロールしても三相線6が絡んだり、断線したりすることがないので、耐久性及び安全性の向上を図ることができる。
【0034】
また、スタータジェネレータ2とインバータ3との間に、スタータジェネレータ2の回転角を検出する検出信号またはスタータジェネレータ2の駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)を備え、インバータ3はレゾルバ線7を介してスタータジェネレータ2の回転角を検出すると共に界磁線8を介してスタータジェネレータ2の駆動を制御し、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)はスタータジェネレータ2を挟んで三相線6と対向するように配置されることにより、三相線6との離間距離が確保され、三相線6のノイズによる影響を回避することができる。
【0035】
また、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)はインバータ3を挟んで三相線6と対向するように配置されることにより、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)と三相線6との離間距離がより大きく確保され、三相線6のノイズによる影響をより確実に回避することができる。
【0036】
また、三相線6は、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)よりエンジンロール軸に近い位置に配置されることにより、信号線(レゾレバ線7及び界磁線8)より径が太くて弾性に乏しい三相線6に加わるエンジンロールによる位置変位を小さくすることができ、耐久性を向上させることができる。しかも、ロールを見込んで三相線6を弛ませる必要がないので短く配置させることができ、電圧降下の低減を図ることができる。
【0037】
更に、スタータジェネレータ2とエンジン1との間で駆動力を授受する補機ベルト5を設け、三相線6を衝突時の余裕代を備えながら、補機ベルト5の外側で且つ下方に配置させることにより、車両の衝突により、三相線6が補機ベルト5に絡んで断線することを回避し、安全性の向上を図ることができる。
【0038】
つまり、図4に示すように、エンジン1の後方にクラッシャブルゾーン18を設けることによって、図6に示すように、前突した際に、エンジン1はクラッシャブルゾーン18を押し潰しながら、車体の一部(サイドメンバ12)に設けられているインバータ3に対し相対的に後方へ移動するが、三相線6は補機ベルト5の外側で且つ下方に衝突時の余裕代を備えながら配置されているので、補機ベルト5に絡むことがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
車両用エンジンの配線手法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る車両用エンジン始動装置の斜視図である。
【図3】車両用エンジン始動装置の正面図である。
【図4】車両用エンジン始動装置の側面図である。
【図5】エンジンの組み付け状態を示す斜視図である。
【図6】車両の衝突によってエンジンが後方に移動した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 エンジン
2 スタータジェネレータ
3 インバータ
4 バッテリ
5 補機ベルト
6 三相線
7 レゾルバ線
8 界磁線
9 PN線
10 マウントブラケット
11 マウント
12 サイドメンバ
13 ラジエータ
14 クランクプーリ
15 ウォータポンプ
16 エアコン用コンプレッサ
17 オートテンショナ
18 クラッシャブルゾーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載されたエンジンと、
該エンジンとの間で駆動力の授受を行うと共に前記エンジンの駆動力により発電を行うスタータジェネレータと、
前記スタータジェネレータとバッテリとに接続されるインバータと、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間で電力を授受させる三相線とを備え、
前記インバータを前記エンジンのエンジンロール軸方向に対向配置される前記車体の一部に取り付け、前記三相線をエンジンロール軸方向に延設させる
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間に、前記スタータジェネレータの回転角を検出する検出信号または前記スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線を備え、
前記信号線は前記スタータジェネレータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記信号線は前記インバータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用エンジン始動装置において、
前記三相線は前記信号線よりエンジンロール軸に近い位置に配置される
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記エンジンとの間で駆動力を授受するベルトを設け、
前記三相線を前記ベルトの外側で且つ下方に配置させる
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項1】
車体に搭載されたエンジンと、
該エンジンとの間で駆動力の授受を行うと共に前記エンジンの駆動力により発電を行うスタータジェネレータと、
前記スタータジェネレータとバッテリとに接続されるインバータと、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間で電力を授受させる三相線とを備え、
前記インバータを前記エンジンのエンジンロール軸方向に対向配置される前記車体の一部に取り付け、前記三相線をエンジンロール軸方向に延設させる
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記インバータとの間に、前記スタータジェネレータの回転角を検出する検出信号または前記スタータジェネレータの駆動を制御するための制御信号を伝達する信号線を備え、
前記信号線は前記スタータジェネレータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記信号線は前記インバータを挟んで前記三相線と対向するように配置される
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用エンジン始動装置において、
前記三相線は前記信号線よりエンジンロール軸に近い位置に配置される
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用エンジン始動装置において、
前記スタータジェネレータと前記エンジンとの間で駆動力を授受するベルトを設け、
前記三相線を前記ベルトの外側で且つ下方に配置させる
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−342694(P2006−342694A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167719(P2005−167719)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
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