説明

車両用シートのリクライニング装置

【課題】ガタ付きをスムーズかつ確実に防止することのできる車両用シートのリクライニング装置を提供する。
【解決手段】リクライニング装置1は、歯部材2と、ガイド部3b,3cを有するガイド部材3と、第一と第二のスライド部材7,8と、回動部材4を有している。回動部材4は、アンロック状態からロック方向に回動した際に第一のスライド部材7を押して第一のスライド部材7を歯部材2に噛合わせる第一押部6b1と、第一のスライド部材7が歯部材2に噛合った状態で第二のスライド部材8を第一のスライド部材7に押付ける第二押部5b1を有している。第一と第二のスライド部材7,8の間には、第二のスライド部材8を第一のスライド部材7に押付ける力を第一と第二のスライド部材7,8が協働してガイド部3b,3cの間で突っ張る力に変換する力変換機構12が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックをシートクッションに対して角度調整してロックする車両用シートのリクライニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のリクライニング装置は、例えば特許文献1の図1に示すように、シートバック側に設けられかつ円弧部分に歯を有する歯部材と、シートクッション側に設けられかつ一対のガイド部を有するガイド部材と、一対のガイド部に案内されて上下動する二つのスライド部材と、ガイド部材に回動可能に設けられる回動部材を有している。回動部材は、付勢部材の付勢力によってアンロック状態からロック状態に回動することで下側のスライド部材を上方に押す。そして下側のスライド部材が上側のスライド部材を押して、上側のスライド部材に形成された歯が歯部材の歯に噛合う。そして上側と下側のスライド部材には傾斜面が形成されており、傾斜面同士が接触している。そのため下側のスライド部材を上側のスライド部材に押付けると、その力の向きが傾斜面によって変えられて、下側と上側のスライド部材が一対のガイド部の間で突っ張る。かくしてシートバックをシートクッションに対してガタ防止した状態でロックすることができる。
【特許文献1】特開平5−60924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし上側のスライド部材が歯部材に噛合う前に、上側と下側のスライド部材が一対のガイド部の間で突っ張ると、上側のスライド部材が歯部材側にスライドし難くなって歯部材に噛合い難くなるなどの問題が生じる。そこで本発明は、シートバックのシートクッションに対するガタ付きをスムーズかつ確実に防止することのできる車両用シートのリクライニング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える車両用シートのリクライニング装置であることを特徴とする。請求項1に記載の発明によると、シートバックとシートクッションのいずれか一つの部材側に設けられかつ円弧部分に歯を有する歯部材と、他の部材側に設けられかつ一対のガイド部を有するガイド部材と、一対のガイド部に案内されて移動する第一と第二のスライド部材と、ガイド部材に回動可能に設けられる回動部材を有している。そして回動部材は、アンロック状態からロック方向に回動した際に第一のスライド部材を押して第一のスライド部材の歯を歯部材の歯に噛合わせる第一押部と、第一のスライド部材が歯部材に噛合った状態で第二のスライド部材を第一のスライド部材に押付ける第二押部を有している。そして第一と第二のスライド部材の間には、第二のスライド部材を第一のスライド部材に押付ける力を第一と第二のスライド部材が協働して一対のガイド部の間で突っ張る力に変換する力変換機構が設けられている。
【0005】
したがってリクライニング装置は、アンロック状態からロック状態になる際に、先ず、第一のスライド部材が歯部材に噛合う。その後、第二のスライド部材が第一のスライド部材を押して第一と第二のスライド部材が一対のガイド部の間で突っ張る。そのため第一のスライド部材をスムーズかつ確実に歯部材に噛合わせることができる。そしてその後に、第一と第二のスライド部材が一対のガイド部の間で突っ張り、シートバックをシートクッションに対してガタ防止した状態でロックする。
【0006】
請求項2に記載の発明によると、回動部材は、ロック状態からアンロック方向に回動した際に第二のスライド部材を第一のスライド部材から離れる方向に移動させて一対のガイド部間で突っ張る第一と第二のスライド部材の突っ張り状態を解除する突っ張り解除部と、第一と第二のスライド部材の突っ張り状態を解除した後に第一のスライド部材を移動させて第一のスライド部材の歯を歯部材の歯から噛合い解除する噛合い解除部とを有している。
【0007】
したがってリクライニング装置は、ロック状態からアンロック状態になる際に、先ず、一対のガイド部間に突っ張った第一と第二のスライド部材の突っ張り状態を解除する。そしてその後に、第一のスライド部材を移動させて歯部材との噛合いを解除する。そのため第一のスライド部材を歯部材からスムーズかつ確実に噛合い解除することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明によると、回動部材の第一押部と噛合い解除部は、第一のスライド部材に形成された突部が突入される長溝の構成壁面、あるいは第一のスライド部材に形成された長溝に突入する突部によって構成されている。したがって第一押部と噛合い解除部は、どちらも簡易な長溝の構成壁面によって形成され得る。または突部によって形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両用シートの側面図である。
【図2】リクライニング装置の分解斜視図である。
【図3】ロック状態におけるリクライニング装置の正面断面図である。
【図4】アンロック状態にする途中のリクライニング装置の正面断面図である。
【図5】アンロック状態にする途中のリクライニング装置の正面断面図である。
【図6】アンロック状態におけるリクライニング装置の正面断面図である。
【図7】ロック状態にする途中のリクライニング装置の正面断面図である。
【図8】図7の一部拡大断面図である。
【図9】ロック状態におけるリクライニング装置の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態を図1〜9にしたがって説明する。図1に示すように車両用シート14は、シートクッション15とシートバック16を有している。シートクッション15のフレーム15aとシートバック16のフレーム16aの間には、これらを回動可能に連結するリクライニング装置1が設けられている。リクライニング装置1は、シートバック16をシートクッション15に対して角度調整した状態でロックする。
【0011】
図2に示すようにリクライニング装置1は、歯部材(ラチェット)2と、ガイド部材3と、ガイド部材3に組付けられる回動部材(カム部材)4、スライド部材7〜9、付勢部材10を有している。歯部材2は、円盤状であって、外側縁に円環状のリブ2aを有している。リブ2aは、円弧部分である内周面に歯(内歯)2bを有している。歯部材2の一側面には、複数の凸部2cが形成されている。凸部2cは、フレーム15a,16aの一方に嵌め込まれ、これにより歯部材2がフレーム15a,16aの一方に取付けられる。
【0012】
ガイド部材3は、図2に示すように円盤状であって、一側面に複数の凸部3fを有している。凸部3fは、フレーム15a,16aの一方に嵌め込まれ、これによりガイド部材3がフレーム15a,16aの一方に取付けられる。他側面には、図2,3に示すように円環状の回動支持部3aと、ガイド部3c〜3fと、係止部3gが形成されている。回動支持部3aは、ガイド部材3の外側縁に沿って立設されており、内周側に配設された歯部材2を回動可能に支持する。
【0013】
ガイド部3b,3cは、突設されており、図3に示すようにこれらの間に設置されたスライド部材7,8を径方向に移動可能に支持する。ガイド部3d,3eは、これらの間に設置されたスライド部材9を径方向に移動可能に支持する。ガイド部3b,3eの中間位置と、ガイド部3c,3dの中間位置には、係止部3gが形成されている。係止部3gには、コイルスプリングである付勢部材10の一端部が固定される。そして付勢部材10の他端部が回動部材4の掛止部5dに掛止される。そして回動部材4が一対の付勢部材10によって時計回り(ロック方向)に付勢されている。
【0014】
ガイド部材3の中央には、図2,3に示すように回動部材4が回動可能に取付けられる。回動部材4は、カム部材5とカムプレート6から構成されている。カム部材5は、中央に係止孔5aを有しており、係止孔5aに図示省略の操作部材が嵌合される。カム部材5の外周面には、径方向に膨出する一対の膨出部5b,5eが形成されている。カム部材5の一側面には、複数の凸部5cが形成され、凸部5cにカムプレート6が組付けられる。
【0015】
カムプレート6は、図2,3に示すように金属板から形成されており、嵌合穴6aと長溝6bを有している。嵌合穴6aには、カム部材5の凸部5cが嵌合され、これによりカムプレート6がカム部材5に組付けられる。長溝6bは、周方向に延出しており、長溝6bに第一のスライド部材7の突部7cが挿入される。
【0016】
長溝6bの構成壁面は、図2,3に示すように内周側に第一押部6b1を有し、外周側に噛合い解除部6b2を有している。第一押部6b1は、径方向に傾斜しており、反時計回りに回動することで第一のスライド部材7を除々に径方向外方に押す。これにより第一のスライド部材7は、歯部材2に噛合う。噛合い解除部6b2も、径方向に傾斜しており、時計回りに回動することで第一のスライド部材7を除々に径方向内方に押す。これにより第一のスライド部材7は、歯部材2から噛合い解除される。
【0017】
カム部材5の膨出部5bは、図2,3に示すように第二押部5b1と突っ張り解除部5b2を有している。第二押部5b1は、反時計回りに回動することで第二のスライド部材8を第一のスライド部材7に向けて押す。突っ張り解除部5b2は、時計回りに回動することで第二のスライド部材8の解除爪8cに径方向内方の力を与えて、第二のスライド部材8を第一のスライド部材7から離間させる。
【0018】
第一のスライド部材7は、図2,3に示すように外側面に歯(外歯)7aを有している。第一のスライド部材7の径方向内側には、第二のスライド部材8が配設される。そして第二のスライド部材8は、内側面に力受部8aと解除爪8cを有している。力受部8aは、カム部材5が反時計回りに回動した際に第二押部5b1によって径方向外方に押される。解除爪8cは、図4に示すようにカム部材5が時計回りに回動した際に突っ張り解除部5b2によって径方向内方に押される。
【0019】
第一と第二のスライド部材7,8の間には、図3に示すように力変換機構12が設けられている。力変換機構12は、第一のスライド部材7の内側面に形成された斜面7bと、第二のスライド部材8の外側面に形成された曲部8bを有している。斜面7bと曲部8bは、第二のスライド部材8を第一のスライド部材7に押し当てた径方向の力を周方向(幅方向)の力に変換する構成になっている。したがって第一と第二のスライド部材7、8は、それぞれガイド部3cとガイド部3bに押付けられる。これによりスライド部材7,8は、一対のガイド部3b,3cの間で突っ張る。
【0020】
スライド部材9は、図2,3に示すように外側面に歯(外歯)9aを有している。スライド部材9の内側面には、力受部9bと解除爪9cが形成されている。力受部9bは、カム部材5が反時計回りに回動した際に膨出部5eによって押される。これによりスライド部材9が径方向外方に移動し、歯部材2に噛合う。解除爪9cは、カム部材5が時計回りに回動した際に膨出部5eによって径方向内方に力を受ける。これによりスライド部材9は、歯部材2から噛合い解除される。
【0021】
図2に示すように歯部材2とガイド部材3は、取付部材11によって組付けられる。取付部材11は、円環状であって、外周部がガイド部材3側にかしめられることで、歯部材2をガイド部材3に対して回動可能に保持する。
【0022】
図3に示すようにリクライニング装置1は、ロック状態においてカム部材5が付勢部材10によって反時計回りに付勢される。そしてカム部材5がスライド部材9を径方向外方に押して、スライド部材9が歯部材2に噛合う。カムプレート6もカム部材5を介して反時計回りに付勢される。そしてカムプレート6がスライド部材7を径方向外方に押して、スライド部材7が歯部材2に噛合う。そしてカム部材5がスライド部材8をスライド部材7に押付けることで、スライド部材7,8が力変換機構12によって一対のガイド部3b,3cの間で突っ張った状態になる。
【0023】
リクライニング装置1を図3に示すロック状態から図6に示すアンロック状態にする場合は、先ずカム部材5を図示省略の操作部材によって時計回りに回動させる。これにより図4,5に示すようにカム部材5がスライド部材8を径方向内方に押して、スライド部材8がスライド部材7から離れる。その結果、スライド部材7,8の一対のガイド部3b,3cに対する突っ張り状態が解除される。
【0024】
次に、図5,6に示すようにカムプレート6の噛合い解除部6b2が突部7cを径方向内方に押す。これによりスライド部材7が歯部材2から離れ、歯部材2との噛合い状態が解除される。図4〜6に示すようにスライド部材9もカム部材5の膨出部5eによって径方向内方に押される。これによりスライド部材9が歯部材2から噛合い解除される。その結果、リクライニング装置1がアンロック状態になり、歯部材2がガイド部材3に対して回動可能になる。
【0025】
リクライニング装置1をアンロック状態からロック状態にする場合は、先ず操作部材に加えていた力を解放する。これにより図7に示すようにカム部材5が付勢部材10によって反時計回りに回転する。そしてカムプレート6の第一押部6b1が突部7cを押して、第一のスライド部材7が径方向外方に移動し、第一のスライド部材7が歯部材2に噛合う。この時、スライド部材7の歯7aは、歯部材2の歯2bに対して径方向に隙間を有した状態で噛合っている。そして図8に示すように長溝6bには、突部7cとの間に回動許容隙間6b3が形成されている。
【0026】
図9に示すようにカム部材5とカムプレート6がさらにロック方向(時計回り)に回動した場合は、第二押部5b1が第二のスライド部材8を押す。これによりスライド部材8の曲部8bがスライド部材7の斜面7bを押し、スライド部材7、8が一対のガイド部3b,3cの間で突っ張る。そして長溝6b内の回動許容隙間6b3が小さくなり、スライド部材7の歯7aが歯部材2の歯2bに対して径方向にほとんど隙間を有しない状態で噛合う。これによりリクライニング装置1がロック状態になり、歯部材2がガイド部材3側に対してガタ防止された状態で回動不能になる。
【0027】
以上のようにして実施の形態が形成されている。すなわち回動部材4は、図3、7に示すようにアンロック状態からロック方向に回動した際に第一のスライド部材7を押して第一のスライド部材7の歯7aを歯部材2の歯2bに噛合わせる第一押部6b1と、第一のスライド部材7が歯部材2に噛合った状態で第二のスライド部材8を第一のスライド部材7に押付ける第二押部5b1を有している。そして第一と第二のスライド部材7,8の間には、第二のスライド部材8を第一のスライド部材7に押付ける力を第一と第二のスライド部材7,8が協働して一対のガイド部3b,3cの間で突っ張る力に変換する力変換機構12が設けられている。
【0028】
したがってリクライニング装置1は、アンロック状態からロック状態になる際に、先ず、第一のスライド部材7が歯部材2に噛合う。その後、第二のスライド部材8が第一のスライド部材7を押して第一と第二のスライド部材7,8が一対のガイド部3b,3cの間で突っ張る。そのため第一のスライド部材7をスムーズかつ確実に歯部材2に噛合わせることができる。そしてその後に、第一と第二のスライド部材7,8が一対のガイド部3b,3cの間で突っ張り、シートバック16をシートクッション15に対してガタ防止した状態でロックする。
【0029】
また回動部材4は、図4に示すようにロック状態からアンロック方向に回動した際に第二のスライド部材8を第一のスライド部材7から離れる方向に移動させて一対のガイド部3b,3c間で突っ張る第一と第二のスライド部材7,8の突っ張り状態を解除する突っ張り解除部5b2と、第一と第二のスライド部材7,8の突っ張り状態を解除した後に第一のスライド部材7を移動させて第一のスライド部材7の歯7aを歯部材2の歯2bから噛合い解除する噛合い解除部6b2とを有している。
【0030】
したがってリクライニング装置1は、ロック状態からアンロック状態になる際に、先ず、一対のガイド部3b,3c間に突っ張った第一と第二のスライド部材7,8の突っ張り状態を解除する。そしてその後に、第一のスライド部材7を移動させて歯部材2との噛合いを解除する。そのため第一のスライド部材7を歯部材2からスムーズかつ確実に噛合い解除することができる。
【0031】
また回動部材4の第一押部6b1と噛合い解除部6b2は、図2に示すように第一のスライド部材7に形成された突部7cが突入される長溝6bの構成壁面によって構成されている。したがって第一押部6b1と噛合い解除部6b2は、どちらも簡易な長溝6bの構成壁面によって形成され得る。
【0032】
(他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)例えば上記実施の形態は、回動部材4がカム部材5とカムプレート6の二部材から構成されていた。しかし回動部材が一部材から形成される形態であっても良い。
(2)上記実施の形態は、歯部材2に噛合うスライド部材7,9を二つ有していた。しかしスライド部材7側のみを有しておりスライド部材9を有していない形態、あるいはスライド部材7とスライド部材9、およびスライド部材9と同様に形成された他の一つ以上のスライド部材を有している形態であっても良い。
(3)上記実施の形態の歯部材2は、円環状のリブ2aを有しており、リブ2aの内周面に歯2bを有していた。しかし歯部材が扇形の本体、例えば特開平5−60924の図1に記載と同様の扇形の本体を有しており、本体の外周面である円弧面に歯を有している形態であっても良い。
(4)上記実施の形態は、カムプレート6(回動部材4)側に長溝6bを有しており、スライド部材7側に突部7cを有していた。しかしスライド部材7側に長溝を有しており、カムプレート6(回動部材4)側に突部を有している形態であっても良い。この形態によると突部によって第一押部と噛合い解除部がどちらも形成され得る。
(5)上記実施の形態は、第一押部6b1と噛合い解除部6b2が長溝6bの構成壁面の一部によって構成されていた。しかし第一押部と噛合い解除部がカムプレート(回動部材)に別個に形成される形態であっても良い。
(6)上記実施の形態の長溝6bは、カムプレート6を厚み方向に貫通する貫通孔であった。しかし長溝がカムプレートに凹設される形態であっても良い。
【符号の説明】
【0033】
1…リクライニング装置
2…歯部材
3…ガイド部材
3b〜3e…ガイド部
4…回動部材
5…カム部材
5b,5e…膨出部
5b1…第二押部
5b2…突っ張り解除部
6…カムプレート
6b…長溝
6b1…第一押部
6b2…噛合い解除部
7…第一のスライド部材
7c…突部
8…第二のスライド部材
9…スライド部材
10…付勢部材
12…力変換機構
14…車両用シート
15…シートクッション
16…シートバック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックをシートクッションに対して角度調整した状態でロックする車両用シートのリクライニング装置であって、
前記シートバックと前記シートクッションのいずれか一つの部材側に設けられかつ円弧部分に歯を有する歯部材と、
前記他の部材側に設けられかつ一対のガイド部を有するガイド部材と、前記一対のガイド部に案内されて移動する第一と第二のスライド部材と、前記ガイド部材に回動可能に設けられる回動部材を有し、
前記回動部材は、アンロック状態からロック方向に回動した際に前記第一のスライド部材を押して前記第一のスライド部材の歯を前記歯部材の歯に噛合わせる第一押部と、前記第一のスライド部材が前記歯部材に噛合った状態で前記第二のスライド部材を前記第一のスライド部材に押付ける第二押部を有し、
前記第一と第二のスライド部材の間には、前記第二のスライド部材を前記第一のスライド部材に押付ける力を前記第一と第二のスライド部材が協働して前記一対のガイド部の間で突っ張る力に変換する力変換機構が設けられていることを特徴とする車両用シートのリクライニング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シートのリクライニング装置であって、
回動部材は、ロック状態からアンロック方向に回動した際に第二のスライド部材を第一のスライド部材から離れる方向に移動させて一対のガイド部間で突っ張る前記第一と第二のスライド部材の突っ張り状態を解除する突っ張り解除部と、前記第一と第二のスライド部材の突っ張り状態を解除した後に前記第一のスライド部材を移動させて前記第一のスライド部材の歯を歯部材の歯から噛合い解除する噛合い解除部とを有していることを特徴とする車両用シートのリクライニング装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用シートのリクライニング装置であって、
回動部材の第一押部と噛合い解除部は、第一のスライド部材に形成された突部が突入される長溝の構成壁面、あるいは前記第一のスライド部材に形成された長溝に突入する突部によって構成されていことを特徴とする車両用シートのリクライニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−192927(P2012−192927A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161402(P2012−161402)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2007−202862(P2007−202862)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】