説明

車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法

【課題】車両の暖房性能と除湿性能を向上させ、外部凝縮機の外部積霜を防止する車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】冷媒ラインを通して循環する冷媒を利用して車両の室内の冷房および暖房を調節するためのエアコン手段を有している。エアコン手段は、外部凝縮機と、外気の流入を調節する開閉ドアのあるHVACモジュールと、圧縮器と、アキュムレータと、圧縮器からの冷媒を内部凝縮機や外部凝縮機に選択的に供給する第1バルブと、内部凝縮機を通過した冷媒の供給を膨張させる第1膨張バルブと、第1膨張バルブで膨張した冷媒を蒸発器やアキュムレータに選択的に供給する第2バルブと、第2バルブを通過した冷媒を膨張させる第2膨張バルブと、内部凝縮機を通過した冷媒を蒸発器やアキュムレータにバイパスさせるバイパスラインと、第2バルブと連結された冷媒ラインに冷媒を選択的に供給する第3バルブとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法に関し、より詳しくは、外部凝縮機の外部積霜(frost)を防止すると同時に、PTCヒータの電力消耗を少なくして走行距離を大きくした車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用空気調和装置は、自動車の室内を冷房または暖房するためのエアコンモジュールを含んで構成される。このようなエアコンモジュールでは、熱交換媒体は、圧縮器の駆動によって吐出され、凝縮機、レシーバードライヤー、膨張バルブ、および蒸発器を経て、圧縮器に戻る循環をしている。この循環過程で、エアコンモジュールは、蒸発器による熱交換を利用して自動車の室内を冷房したり、ヒータによる冷却水の熱交換によって室内を暖房している。
【0003】
最近、エネルギー効率と環境汚染の問題に対する関心が日毎に大きくなり、従来の内燃機関自動車を実質的に代替できる親環境自動車の開発が要求されるようになってきた。親環境自動車は、通常、燃料電池や電気を動力源とする電気自動車や、エンジンと電気バッテリを利用するハイブリッド自動車に区分される。
【0004】
親環境車両のうちの電気自動車の空気調和装置には、一般車両の空気調和装置とは異なって別途のヒータを使用していない。電気自動車に適用される空気調和装置を、通常、ヒートポンプシステムという。
【0005】
このようなヒートポンプシステムによれば、夏季冷房モードの時には圧縮器で圧縮された高温、高圧のガス冷媒(gaseous refrigerant)が、凝縮機を通じて凝縮された後、レシーバードライヤーおよび膨張バルブを経て蒸発器に供給される。ガス冷媒は、蒸発器で蒸発し、室内の温度および湿度を低くする。しかし、ヒートポンプシステムは、冬季暖房モードの時には高温、高圧のガス冷媒をヒータ媒体として利用できるという特徴を有している。
【0006】
即ち、電気自動車は、暖房モードで高温、高圧のガス冷媒をバルブを通して室外凝縮機でなく室内凝縮機に流し、外気との熱交換を行う。熱交換された外気は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを通過した後、車両室内に流入して車両の室内温度を高める。室内凝縮機に流入した高温、高圧のガス冷媒は、外気との熱交換によって凝縮し、液体冷媒(liquid refrigerant)として吐出される。
【0007】
このような従来のヒートポンプシステムは、冬季の低温あるいは極低温状態の外気と冷媒が室内凝縮機で熱交換し、冷媒が超低温状態で室内凝縮機から排出されて外部凝縮機に流入する。したがって、外部凝縮機表面に結氷して熱交換媒体の熱交換効率、暖房性能および暖房効率が低下する原因となる。また、冷房モードから暖房モードに転換するとき、蒸発器の外部に残留した凝縮水によって湿度が増加し、除湿性能を低下させてしまう。
【0008】
このような問題を防止するために、外部凝縮機の表面結氷を除去する除霜モードでは、圧縮器の作動を中止して、PTCヒータだけで暖房を行わなければならなかった。そのために、暖房性能が極めて低下すると同時に、電源使用量の増加による暖房負荷の上昇、および暖房走行時に走行距離が短縮されるという問題点がある。
【0009】
また、室内凝縮機からの液体冷媒が圧縮器に流入する時、液体冷媒をガス冷媒に転換できる熱源が不足するため圧縮効率が低下し、外気温度が低い場合には暖房性能が顕著に不足し、システムが不安定であるだけでなく、液体冷媒が圧縮器に流入する時に圧縮器の耐久性が低下するという問題点もある。
また、車両の室内の湿気除去のための別途の除湿モードでは2方向バルブの頻繁な開閉作動による騒音および振動が発生するという問題点も有している。
【0010】
車両のヒートポンプ装置については、デフロスト時でも暖房を継続することができ、かつハイブリッド車や電気自動車のように十分なエンジン廃熱を得られない車両でもデフロストすることができる車両用ヒートポンプ装置〔特許文献1〕、低温時の昇温が効率的に遂行されるとともに、キャビン内の暖房を迅速に行うことを可能にした車両用ヒートポンプ式空調システム〔特許文献2〕、寒冷地でも室外熱交換器に霜が着くことなく、安定した暖房が可能で信頼性の高い車両用ヒートポンプ式空調装置〔特許文献3〕などの報告がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−195021号公報
【特許文献2】特開2011−152863号公報
【特許文献3】特開2008−044562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、車両の暖房性能と除湿性能を向上させ、外部凝縮機の外部積霜を防止する車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法を提供することにある。また、車両のPTCヒータの消費電力を減らして、一定量燃料での走行距離を延ばすことができる車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両用ヒートポンプシステムは、冷媒ラインを通して循環する冷媒を利用して車両の室内の冷房および暖房を調節するためのエアコン手段を有している。ここで、エアコン手段は、車両のエンジンルームに備えられて、外気との熱交換によって冷媒を凝縮させ、その後方にクーリングファンが装着される外部凝縮機と、外部凝縮機と流体が流れるように連結され、蒸発器と、暖房、冷房、または除湿モードにより蒸発器を通過した外気を選択的に内部凝縮機とPTCヒータに流入するようにしたり流入しないように調節する開閉ドアを備えたHVACモジュールと、蒸発器と冷媒ラインによって連結され、気体状態の冷媒を圧縮させる圧縮器と、圧縮器と蒸発器の間の冷媒ライン上に備えられ、圧縮器に気体冷媒を供給するアキュムレータと、圧縮器から排出された冷媒を車両のモードにより内部凝縮機や外部凝縮機に選択的に供給する第1バルブと、内部凝縮機を通過した冷媒の供給を膨張させる第1膨張バルブと、第1膨張バルブで膨張して外部凝縮機を通過した冷媒を蒸発器やアキュムレータに選択的に供給する第2バルブと、蒸発器と第2バルブの間に備えられ、第2バルブを通過した冷媒を膨張させる第2膨張バルブと、内部凝縮機を通過した冷媒を外部凝縮機を経ずに、第2バルブの作動によって蒸発器やアキュムレータに流入するようにバイパスさせるバイパスラインと、およびバイパスライン上に備えられて、第2バルブと連結された冷媒ラインに冷媒を選択的に供給する第3バルブと、を有して構成される。
【0014】
好ましい実施形態では、圧縮器と第1バルブを連結する冷媒ライン上には圧力センサーが装着される。第1バルブと第2バルブは、それぞれ3方向バルブで形成される。また、エアコン手段は制御器と連結され、制御器の制御信号によって作動する。
【0015】
本発明の車両用ヒートポンプシステム制御方法は、制御器と連結され、冷媒ラインとバイパスラインによって相互連結される複数個のバルブおよび膨張バルブと、圧縮器、アキュムレータ、蒸発器、外部凝縮機、内部凝縮機、PTCヒータ、および開閉ドーアで構成されたHVACモジュールを含むエアコン手段が具備されたヒートポンプシステムを、使用者の選択により暖房モード、冷房モード、除湿モード、除湿/除霜モード、および極低温除湿/除霜モードで制御する方法である。
【0016】
暖房モードでは、外部凝縮機で外気との熱交換によって温度が上昇した冷媒を、アキュムレータと圧縮器を通過させて高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮させた後、HVACモジュールの内部凝縮機に供給し、内部凝縮機を通過した冷媒を、膨張バルブを通じて膨張させて外部凝縮機に供給し、HVACモジュールの蒸発器を通過した外気を、内部凝縮機とPTCヒータの選択的な作動によって昇温させて車両の室内を暖房する。
【0017】
冷房モードでは、クーリングファンの作動と外気との熱交換によって外部凝縮機で冷却された低温の冷媒を、膨張バルブによって膨張した後に蒸発器に供給され、蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、アキュムレータと圧縮器で圧縮させた状態で外部凝縮機に供給し、蒸発器で冷媒との熱交換によって冷却された外気を、内部凝縮機に流入せずに、直接車両の室内に流入させて車両の室内を冷房する。
【0018】
除湿モードでは、外部凝縮機で外気との熱交換によって冷却された低温の冷媒を、膨張バルブで膨張させて、膨張した冷媒を蒸発器に供給し、蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、アキュムレータと圧縮器を通過して圧縮させた後、内部凝縮機に供給し、内部凝縮機を通過した冷媒を、膨張バルブで膨張させた後、外部凝縮機に供給して循環させ、HVACモジュールの蒸発器を通過して冷却された外気を、内部凝縮機とPTCヒータを通過した後、車両の室内に供給されて車両の室内を除湿する。
除湿モードでは、制御器が膨張バルブの開度量を調節して冷媒の膨張量を調節する。
【0019】
除湿/除霜モードでは、外部凝縮機で外気との熱交換によって冷却された低温の冷媒を、膨張バルブで膨張させて膨張した冷媒を、蒸発器に供給し、蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、アキュムレータと圧縮器を通過して圧縮させた後、外部凝縮機および内部凝縮機にそれぞれ供給し、内部凝縮機を通過した冷媒を、バイパスラインに沿ってさらに膨張バルブに供給し、膨張バルブで膨張した冷媒は蒸発器に供給して循環させ、HVACモジュールの蒸発器を通過して冷却された外気を、内部凝縮機とPTCヒータを通過した後に車両の室内に供給されて車両の室内を除湿し、圧縮された冷媒を、外部凝縮機に供給して、表面が結氷した外部凝縮機を除霜する。
【0020】
車両外部の温度が極低温である場合の除湿/除霜モードでは、冷媒を、膨張バルブで膨張した後、蒸発器に供給し、蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、アキュムレータと圧縮器を通過して圧縮させた後、内部凝縮機に冷媒を供給し、内部凝縮機を通過した冷媒を、バイパスラインに沿ってさらに膨張バルブに供給し、膨張バルブで膨張した冷媒を、蒸発器に供給して循環させ、HVACモジュールの蒸発器を通過して冷却された外気を、内部凝縮機とPTCヒータを通過した後、車両の室内に供給して車両の室内を除湿し、圧縮された冷媒を、外部凝縮機に供給しないで、表面が結氷した外部凝縮機を除霜する。
【0021】
暖房モード、冷房モード、除湿モード、および除湿/除霜モードでは、制御器が車両の温度状態と冷媒の温度状態によりクーリングファンの作動を制御する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムおよびその制御方法によれば、冷媒の流れを制御することによって、車両の全体的な暖房性能、除湿性能、および除霜性能を向上させることができる。また、極低温の時には外部凝縮機への冷媒の流入を防止して除霜を行うことが可能となって、さらに効率的に外部凝縮機の外部積霜を防止することができる。
【0023】
また、極低温時の暖房モードではPTCヒータと共に全体的な車両用ヒートポンプシステムを同時に駆動させることによって、電源使用量の増加を防止すると共に、暖房負荷を減少させて、同一の動力で車両の全体的な走行距離を増加させることができる。
【0024】
そして、第1、2バルブを3方向バルブとすることによって、各モードで第1、第2バルブの頻繁な開閉作動を減らし、バルブの開閉作動による騒音および振動発生を低減させることができる。
また、第3バルブを設けたバイパスラインを適用することによって、外部凝縮機の除霜のための別途の装置がなくても、除湿モードと除霜モードを同時に行える。したがって、構造の簡素化が可能となって全体的なシステムパッケージを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の車両用ヒートポンプシステムの構成図である。
【図2】本発明の車両用ヒートポンプシステムの暖房モードにおける作動状態図である。
【図3】本発明の車両用ヒートポンプシステムの冷房モードにおける作動状態図である。
【図4】本発明の車両用ヒートポンプシステムの除湿モードにおける作動状態図である。
【図5】本発明の車両用ヒートポンプシステムの除湿/除霜モードにおける作動状態図である。
【図6】本発明の車両用ヒートポンプシステムで極低温時の除湿/除霜モードにおける作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図である。
図面を参照すると、本発明の車両用ヒートポンプシステム1およびその制御方法は、冷媒の流れを制御して車両の暖房性能と除湿性能を向上させ、外部凝縮機の外部積霜を防止している。また、車両の暖房モードや除湿モードでPTCヒータの消費電力を減らすことによって、同じ燃料量で車両の走行距離を延ばしている。
【0027】
このために、本発明の車両用ヒートポンプシステム1は、基本的に車両に装備された冷媒ライン(Refrigerant Line:以下、‘R.L’という)を通じて循環する冷媒を利用して車両の室内の冷房または暖房を調節するためのエアコン手段100を有して構成されている。
【0028】
エアコン手段100は、外部凝縮機101、HVAC(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)モジュール103、圧縮器113、アキュムレータ115、第1バルブ117、第2バルブ121、第3バルブ127、第1膨張バルブ119、第2膨張バルブ123、およびバイパスライン125を有して構成されており、これらは構成別に詳細に説明する。
【0029】
最初に、外部凝縮機101は、車両のエンジンルームに備えられて、外気との熱交換によって冷媒を凝縮させ、その後方には風を送風するクーリングファン102が装着されている。
【0030】
このような外部凝縮機101に冷媒が流入すると、外部凝縮機101は、走行中外部から流入する外気と、クーリングファン102が供給する風を利用して、冷媒を選択的に冷却して凝縮させる。
【0031】
本実施形態において、HVACモジュール103は、外部凝縮機101と冷媒ラインR.Lによって連結され、暖房、冷房、除湿、および除湿/除霜モードにより蒸発器105を通過した外気が内部凝縮機107とPTCヒータ109に流入するように調節する開閉ドア111がその内部に装備されている。
【0032】
即ち、開閉ドア111は、車両の暖房モード時には開放されて、蒸発器105を通過した外気が内部凝縮機107とPTCヒータ109に流入するようにし、冷房時には閉鎖されて、蒸発器105を通過して冷却された外気が内部凝縮機107とPTCヒータ109に流入せずにそのまま車両の内部に供給するようにしている。
【0033】
圧縮器113は、蒸発器105と冷媒ライン(R.L)に連結され、気体状態の冷媒を圧縮している。
【0034】
本実施形態において、アキュムレータ115は、圧縮器113と蒸発器105の間で冷媒ライン(R.L)上に備えられ、圧縮器113に気体冷媒だけを供給するようになっている。
【0035】
即ち、アキュムレータ115は、その内部に液体冷媒を保存した後、貯蔵された液体冷媒を気化させて圧縮器113に気体冷媒として供給する機能を行うことによって、圧縮器113の効率および耐久性を向上させている。
【0036】
第1バルブ117は、圧縮器113から排出された冷媒を車両のモードにより内部凝縮機107や外部凝縮機101に選択的に供給している。
【0037】
ここで、圧縮器113と第1バルブ117を連結する冷媒ライン(R.L)上には圧力センサー129が装着されて、圧縮器113から排出される冷媒の圧力を感知している。
【0038】
第1膨張バルブ119は、内部凝縮機107を通過した冷媒を受けて、その冷媒を膨張させている。
【0039】
本実施形態において、第2バルブ121は、第1膨張バルブ119で膨張して外部凝縮機101を通過した冷媒を、蒸発器105やアキュムレータ115に選択的に供給している。
【0040】
すなわち、第1バルブ117は、冷媒を外部凝縮機101や内部凝縮機107に供給し、第2バルブ121は、冷媒をアキュムレータ115や第2膨張バルブ123に供給する。そのため、第1バルブ117と第2バルブ121は、冷媒ライン(R.L)を選択的に開閉する3方向バルブであるのが好ましい。
【0041】
第2膨張バルブ123は、蒸発器105と第2バルブ121の間に設けられ、第2バルブ121からの冷媒を膨張させている。
【0042】
バイパスライン125は、内部凝縮機107を通過した冷媒を外部凝縮機101を経ずに、第2バルブ121の作動によって蒸発器105やアキュムレータ115に流入するようにするバイパスラインである。
【0043】
バイパスライン125上には第3バルブ127が備えられ、第2バルブ121と連結された冷媒ライン(R.L)に選択的に冷媒を供給する。
【0044】
このような構成を有するエアコン手段100は、制御器150と連結され、制御器150からの制御信号によって作動する。
即ち、制御器150は、使用者の選択による車両の暖房モード、冷房モード、除湿モード、および除湿/除霜モードによりクーリングファン102の作動を制御し、HVACモジュール103の開閉ドア111の開閉作動を制御すると同時に、第1、2、3バルブ117、121、127の開閉作動を制御し、第1、2膨張バルブ119、123を制御して、冷媒の膨張量を制御する。
【0045】
以下、上記のように構成された本発明のヒータポンプシステムの作動および制御方法について、図2〜図6を参照して具体的に説明する。
【0046】
図2〜図6は、それぞれ車両用ヒートポンプシステムの暖房モード、冷房モード、除湿モード、除湿/除霜モード、および極低温時に除湿/除霜モードにおける作動状態図である。ここで、ヒートポンプシステム1の各モードは、使用者によって選択されるか、あるいは自動的に調節可能である。
【0047】
1)暖房モード;
最初に、ヒートポンプシステム1の暖房モード時の作動および制御方法について、図2を参照して説明する。
暖房モードでは、冷媒は外部凝縮機101で外気との熱交換によって温度が上昇する。この時、クーリングファン102の作動が中止されたり、ファンの回転速度が下ると、外部凝縮機101に流入した冷媒の冷却を遅延させたり冷却できなくなる。このような状態で、冷媒ライン(R.L)を通じて流入した冷媒を外気と熱交換させて温度を上昇させる。
【0048】
冷媒は、第2バルブ121の作動によって冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ115と圧縮器113を通過して高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮される。その後、気体冷媒は、第1バルブ117の作動によってHVACモジュール103の内部凝縮機107に供給される。
【0049】
ここで、制御器150は、圧縮器113から排出された冷媒の圧力により、クーリングファン102の回転および第1バルブ117の開度量を制御する。即ち、冷媒は、圧縮器113を通過して高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮され、第1バルブ117が開放されて圧縮された気体冷媒が内部凝縮機107に流れていく。
【0050】
この時、圧力センサー129は、圧縮器113から流れて出た冷媒の圧力を測定して、制御器150にその測定値を出力する。そして、制御器150は圧力センサー129からの測定値により冷媒の圧力を判断し、要求された車両性能に応じて第1バルブ117の開度量を調節する。
【0051】
内部凝縮機107を通過した冷媒は、第1膨張バルブ119で膨張する。冷媒は冷媒ライン(R.L)に沿って外部凝縮機101に供給される。
【0052】
結局、冷媒は、冷媒ライン(R.L)に沿って循環する。即ち、暖房モードでは、高温/高圧状態の気体冷媒が内部凝縮機107に供給されると、HVACモジュール103の蒸発器105を通過した外気が、内部凝縮機107を通過し、制御器150が開閉ドア111を開放させる。
【0053】
そのために、外部から流入した外気は、冷媒が供給されない蒸発器105を室温状態で通過し、内部凝縮機107を通過して高温状態に変換される。また、外気は、PTCヒータ109の選択的な作動によって温度がさらに上がった後、車両の室内に供給されて暖房が行われる。
【0054】
2)冷房モード;
ヒートポンプシステム1の冷房モード時の作動および制御方法について、図3を参照して説明する。
冷房モードでは、クーリングファン102の作動と外気との熱交換によって外部凝縮機101で冷却および凝縮された低温の冷媒は、第2バルブ121を通して第2膨張バルブ123に流れ、その後蒸発器105に供給される。
【0055】
この時、外部凝縮機101が車両の前方に配置されているので、冷媒は、制御器150の制御信号によって最大速度で作動するクーリングファン102と、走行中に流入する外気によって、最大限に冷却および凝縮される。
【0056】
このような状態で、制御器150は、外部凝縮機101を通過して冷却および凝縮された冷媒が、HVACモジュール103の蒸発器105と連結された第2膨張バルブ123に流入し、第2バルブ121を作動させて、冷媒ライン(R.L)を開放する。
【0057】
第2膨張バルブ123に流入した低温の冷媒は、膨張した状態で冷媒ライン(R.L)に沿って蒸発器105に供給される。
【0058】
その後、冷媒は蒸発器105で外気との熱交換によって蒸発し、冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ115と圧縮器113を通過して圧縮される。
圧縮器113で圧縮された冷媒は、第1バルブ117の作動によってさらに外部凝縮機101に流入する。結局、冷媒は、冷媒ライン(R.L)に沿って循環する。
【0059】
ここで、HVACモジュール103に流入する外気は、蒸発器105に流入した低温状態の冷媒によって蒸発器105で冷却される。この時、開閉ドア111は、冷却された外気が内部凝縮機107とPTCヒータ109を通過しないようにする。したがって、冷却された外気を車両の室内に直接流入させることによって冷房が行われるようになる。
【0060】
3)除湿モード;
ヒートポンプシステム1の除湿モード時の作動および制御方法について、図4を参照して説明する。
除湿モードでは、外気とクーリングファン102の作動によって外部凝縮機101で冷却された低温の冷媒が、第2膨張バルブ123に流入し、制御器150は第2バルブ121を開放する。
【0061】
このことにより、第2膨張バルブ123に流入した低温の冷媒は、膨張した状態で冷媒ライン(R.L)に沿って蒸発器105に供給される。
【0062】
その後、冷媒は蒸発器105で外気との熱交換によって蒸発し、冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ115と圧縮器113を通過して高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮される。
【0063】
また、内部凝縮機107と連結された冷媒ライン(R.L)が第1バルブ117によって開放されて、圧縮された気体冷媒は、内部凝縮機107に供給される。
ここで、圧縮器113と第1バルブ117の間で冷媒ライン(R.L)上に装着された圧力センサー129は、圧縮器113から排出された冷媒の圧力を測定して、制御器150にその測定値を出力する。
【0064】
制御器150は、圧力センサー129から出力された測定値によって冷媒の圧力を判断し、要求された車両性能に応じて第1バルブ117の開度量を調節する。そして、内部凝縮機107を通過した冷媒は第1膨張バルブ119で膨張して、外部凝縮機101に流入する。結局、冷媒は冷媒ライン(R.L)に沿って循環する。
【0065】
この場合、制御器150は、第1、2膨張バルブ119、123の開度量調節によって冷媒の膨張量を調節する。
【0066】
HVACモジュール103に流入した外気は、蒸発器105に流入した低温状態の冷媒によって蒸発器105で冷却される。この時、流入した外気は、蒸発器105を通過して除湿され、開閉ドア111は冷却された外気が内部凝縮機107を通過する。その後、外気は、内部凝縮機107で加熱された後、車両の室内に流入する。これにより、車両の室内を除湿することになる。
【0067】
4)除湿/除霜モード;
本実施形態においては、ヒートポンプシステム1は、外部凝縮機101の表面結氷を除去する除霜モードが、除湿モードと共に遂行される除湿/除霜モードをさらに有している。
除湿/除霜モード時のヒートポンプシステム1の作動および制御方法について、図5を参照して説明する。
除湿/除霜モードでは、外気とクーリングファン102の作動によって外部凝縮機101で冷却された低温の冷媒が、第2膨張バルブ123に流入し、制御器150は第2バルブ121を開放する。
これにより、第2膨張バルブ123に流入した低温の冷媒は、膨張した状態で冷媒ライン(R.L)に沿って蒸発器105に供給される。
【0068】
その後、冷媒は蒸発器105で外気との熱交換によって蒸発し、冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ115と圧縮器113を通過して高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮される。
【0069】
上述のように、高温/高圧状態に圧縮された冷媒は、第1バルブ117の作動によって冷媒ライン(R.L)に沿って外部凝縮機101と内部凝縮機107に同時に供給される。
圧縮器113と第1バルブ117の間の冷媒ライン(R.L)上に設けられた圧力センサー129は、圧縮器113から排出された冷媒の圧力を測定して、制御器150にその測定値を出力する。
制御器150は、圧力センサー129から出力された測定値により冷媒の圧力を判断し、要求された車両性能に応じて第1バルブ117の開度量を調節する。
【0070】
内部凝縮機107を通過した冷媒は、第3バルブ127の作動によってバイパスライン125に沿って流れ、第2バルブ121の作動によって外部凝縮機101を通過した冷媒に合流する。その後、冷媒は、第2膨張バルブ123で膨張されて蒸発器105に供給される。結局、冷媒は冷媒ライン(R.L)に沿って循環する。
【0071】
この場合、制御器150は、第2膨張バルブ123の開度量調節によって冷媒の膨張量を調節する。
HVACモジュール103に流入した外気は、蒸発器105に流入した低温状態の冷媒によって蒸発器105で冷却される。
【0072】
この時、流入した外気は蒸発器105を通過して除湿され、開閉ドア111は冷却された外気が内部凝縮機107を通過するようにする。その後、外気は、内部凝縮機107で加熱された後、車両の室内に流入する。これにより車両の室内が除湿される。また、圧縮器113で圧縮された冷媒は、3方向バルブでなる第1バルブ117の作動により外部凝縮機101に供給され、表面が結氷した外部凝縮機101を除霜する。
【0073】
5)極低温時の除湿/除霜モード;
本実施形態において、車両外部の温度が極低温である場合、ヒートポンプシステム1は除湿/除霜モードで作動する。以下、除湿/除霜モードにおけるヒートポンプシステム1の作動および制御方法について、図6を参照して説明する。
【0074】
車両の外部温度が極低温である場合、除湿/除霜モードで冷媒が第2膨張バルブ123に流入するように、制御器150は第2バルブ121を開放する。
このことにより、第2膨張バルブ123に流入した低温の冷媒は、膨張した状態で冷媒ライン(R.L)に沿って蒸発器105に供給される。
【0075】
その後、冷媒は蒸発器105で外気との熱交換によって蒸発し、冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ115と圧縮器113を通過して高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮される。
【0076】
制御器150は、圧縮器113を通過した冷媒を内部凝縮機107に供給し、第1バルブ117を作動させて内部凝縮機107と連結された冷媒ライン(R.L)を開放する。
【0077】
ここで、圧縮器113と第1バルブ117の間で冷媒ライン(R.L)上に装着された圧力センサー129は、圧縮器113から出た冷媒の圧力を測定して、制御器150にその測定値を出力する。制御器150は、圧力センサー129から出力された測定値によって冷媒の圧力を判断し、要求された車両性能に応じて第1バルブ117の開度量および第2膨張バルブ123の開度量を調節する。
【0078】
第1バルブ117の作動によって内部凝縮機107に供給された冷媒は内部凝縮機107を通過した後、第3バルブ127の作動によってバイパスライン125に沿って流れる。
【0079】
冷媒は、第2バルブ121の作動によってさらに第2膨張バルブ123に供給され、第2膨張バルブ123で膨張する。その後、冷媒は、蒸発器105に供給される。結局、冷媒は、冷媒ライン(R.L)とバイパスライン125に沿って循環する。
【0080】
HVACモジュール103に流入した外気は、蒸発器105に流入した低温状態の冷媒によって蒸発器105で冷却される。この時、流入した外気は蒸発器105を通過して除湿され、開閉ドア111は、冷却された外気が内部凝縮機107を通過するようにする。
その後、外気は、内部凝縮機107で加熱された後、車両の室内に流入する。これによって車両の室内を除湿することになる。
ヒートポンプシステム1は、極低温時に外部結氷が激しい外部凝縮機101への冷媒の供給を中止することによって、効率的に外部凝縮機101の円滑な除霜が行われるようになる。
【0081】
ここに述べた実施形態では、暖房モードで外気と共にPTCヒータ109が作動することを一実施形態として説明しているが、これに限定されることではない。使用者が設定した暖房温度によってPTCヒータ109の作動有無が選択可能である。
【0082】
本発明の実施形態による車両用ヒートポンプシステム1およびその制御方法によれば、冷媒の流れを制御することによって、車両の全体的な暖房性能、除湿性能、および除霜性能を向上させる。また、極低温の時には外部凝縮機101への冷媒の流入を防止して除霜を行うことが可能となって、さらに効率的に外部凝縮機101の外部積霜を防止することができる。
【0083】
また、極低温時の暖房モードではPTCヒータ109と共に全体的な車両用ヒートポンプシステムを同時に駆動させることによって、電源使用量の増加を防止すると共に、暖房負荷を減少させて、同一の動力で車両の全体的な走行距離を増加させることができる。
【0084】
第1バルブ117と第2バルブ121を、それぞれ3方向バルブとすることによって、各モードで第1バルブ117と第2バルブ121の頻繁な開閉作動を減らし、バルブの開閉作動による騒音および振動発生を低減させることができる。
【0085】
また、バイパスライン125に第3バルブ127を設けることによって、外部凝縮機101の除霜のための別途の装置がなくても、除湿モードと除霜モードを同時に行うことができる。したがって、構造の簡素化が可能となって全体的なシステムパッケージを縮小することができる。
【0086】
以上のように、本発明を、限定された実施形態と図面に基づいて説明したが、本発明はこれによって限定されず、当業者によって、本発明の技術思想と下記に記載する特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正および変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0087】
1;ヒートポンプシステム
100;エアコン手段
101;外部凝縮機
102;クーリングファン
103;HVACモジュール
105;蒸発器
107;内部凝縮機
109;PTCヒータ
111;開閉ドア
113;圧縮器
115;アキュムレータ
117;第1バルブ
119;第1膨張バルブ
121;第2バルブ
123;第2膨張バルブ
125;バイパスライン
127;第3バルブ
129;圧力センサー
150;制御器
R.L;冷媒ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒ラインを通して循環する冷媒を利用して車両の室内の冷房および暖房を調節するためのエアコン手段を含む車両用ヒートポンプシステムにおいて、
前記エアコン手段は、
車両のエンジンルームに備えられて、外気との熱交換によって冷媒を凝縮させ、その後方にクーリングファンが装着される外部凝縮機、
前記外部凝縮機と流体が流れるように連結され、蒸発器と、暖房、冷房、または除湿モードにより前記蒸発器を通過した外気を選択的に内部凝縮機とPTCヒータに流入するようにしたり流入しないように調節する開閉ドアを備えたHVACモジュール、
前記蒸発器と前記冷媒ラインによって連結され、気体状態の冷媒を圧縮させる圧縮器、
前記圧縮器と前記蒸発器の間の冷媒ライン上に備えられ、前記圧縮器に気体冷媒を供給するアキュムレータ、
前記圧縮器から排出された冷媒を車両のモードにより前記内部凝縮機や外部凝縮機に選択的に供給する第1バルブ、
前記内部凝縮機を通過した冷媒を膨張させる第1膨張バルブ、
前記第1膨張バルブで膨張して前記外部凝縮機を通過した冷媒を前記蒸発器やアキュムレータに選択的に供給する第2バルブ、
前記蒸発器と前記第2バルブの間に備えられ、前記第2バルブを通過した冷媒を膨張させる第2膨張バルブ、
前記内部凝縮機を通過した冷媒を前記外部凝縮機を経ずに、前記第2バルブの作動によって前記蒸発器やアキュムレータに流入するようにバイパスさせるバイパスライン、
前記バイパスライン上に備えられ、前記第2バルブと連結された冷媒ラインに冷媒を選択的に供給する第3バルブ、
を有して構成されることを特徴とする車両用ヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記圧縮器と前記第1バルブを連結する冷媒ライン上には圧力センサーが装着されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記第1バルブと前記第2バルブは、それぞれ3方向バルブで形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記エアコン手段は制御器と連結され、前記制御器の制御信号によって作動することを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項5】
制御器と連結され、冷媒ラインとバイパスラインによって相互連結される複数個のバルブおよび膨張バルブと、圧縮器、アキュムレータ、蒸発器、外部凝縮機、内部凝縮機、PTCヒータ、および開閉ドーアで構成されたHVACモジュールを含むエアコン手段が具備されたヒートポンプシステムを、使用者の選択により暖房モード、冷房モード、除湿モード、除湿/除霜モード、および極低温除湿/除霜モードで制御する方法において、
前記暖房モードで、
前記外部凝縮機で外気との熱交換によって温度が上昇した冷媒を、前記アキュムレータと圧縮器を通過させて高温/高圧状態の気体冷媒に圧縮させた後、前記HVACモジュールの内部凝縮機に供給し、
前記内部凝縮機を通過した冷媒を、膨張バルブを通じて膨張させて前記外部凝縮機に供給し、
前記HVACモジュールの蒸発器を通過した外気を、前記内部凝縮機と前記PTCヒータの選択的な作動によって昇温させて車両の室内を暖房することを特徴とする車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項6】
前記冷房モードでは、
クーリングファンの作動と外気との熱交換によって前記外部凝縮機で冷却された低温の冷媒を、別の膨張バルブによって膨張された後に前記蒸発器に供給され、
前記蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、前記アキュムレータと圧縮器で圧縮させた状態で前記外部凝縮機に供給し、
前記蒸発器で冷媒との熱交換によって冷却された外気を、前記内部凝縮機に流入させずに、直接車両の室内に流入させて車両の室内を冷房する、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項7】
前記除湿モードでは、
前記外部凝縮機で外気との熱交換によって冷却された低温の冷媒を、別の膨張バルブで膨張させて、膨張した冷媒を前記蒸発器に供給し、
前記蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、前記アキュムレータと圧縮器を通過して圧縮させた後、前記内部凝縮機に供給し、
前記内部凝縮機を通過した冷媒を、膨張バルブで膨張させた後、前記外部凝縮機に供給して循環させ、
前記HVACモジュールの蒸発器を通過して冷却された外気を、前記内部凝縮機とPTCヒータを通過した後に車両の室内に供給されて車両の室内を除湿する、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項8】
前記除湿モードでは、前記制御器が前記膨張バルブの開度量を調節して冷媒の膨張量を調節することを特徴とする請求項7に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項9】
前記除湿/除霜モードでは、
前記外部凝縮機で外気との熱交換によって冷却された低温の冷媒を、別の膨張バルブで膨張させて膨張した冷媒を、前記蒸発器に供給し、
前記蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、前記アキュムレータと圧縮器を通過して圧縮させた後、前記外部凝縮機および内部凝縮機にそれぞれ供給し、
前記内部凝縮機を通過した冷媒を、前記バイパスラインに沿ってさらに前記した別の膨張バルブに供給し、
前記した別の膨張バルブで膨張した冷媒を、前記蒸発器に供給して循環させ、
前記HVACモジュールの蒸発器を通過して冷却された外気を、前記内部凝縮機と前記PTCヒータを通過した後に車両の室内に供給されて車両の室内を除湿し、
前記圧縮された冷媒を、前記外部凝縮機に供給させて、表面が結氷した前記外部凝縮機を除霜する、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項10】
車両外部の温度が極低温である場合に、前記除湿/除霜モードでは、
冷媒を、膨張バルブで膨張した後に前記蒸発器に供給し、
前記蒸発器で外気との熱交換によって蒸発した冷媒を、前記アキュムレータと圧縮器を通過して圧縮させた後、前記内部凝縮機に冷媒を供給し、
前記内部凝縮機を通過した冷媒を前記バイパスラインに沿ってさらに前記した別の膨張バルブに供給し、前記膨張バルブで膨張した冷媒を、前記蒸発器に供給して循環させ、
前記HVACモジュールの蒸発器を通過して冷却された外気を、前記内部凝縮機と前記PTCヒータを通過した後に車両の室内に供給されて車両の室内を除湿し、
前記圧縮された冷媒は前記外部凝縮機に供給しないようにし、表面が結氷した前記外部凝縮機を除霜することを特徴とする請求項9に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項11】
前記暖房モード、前記冷房モード、前記除湿モード、および前記除湿/除霜モードでは、前記制御器が車両の温度状態と冷媒の温度状態により前記クーリングファンの作動を制御することを特徴とする請求項5に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−23210(P2013−23210A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260204(P2011−260204)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】