説明

車両用ポールアンテナ

【課題】屈曲による電気的特性の変化を低減し、アンテナの物理的な長さを短くすることも可能な車両用ポールアンテナを提供する。
【解決手段】アンテナ支持部に固定される車両用のポールアンテナは、ロッド10と、ヘリカルアンテナ素子20と、ジョイント30と、マストカバー40とからなる。ロッド10は、可撓性及び絶縁性を有し、その根元の端面に凹部11を有する。ヘリカルアンテナ素子20は、ロッド10に巻回される被覆線からなり、ロッド10の撓む起点近傍の巻き密度がそこ以外の巻き密度に比べて粗である。ジョイント30は、ロッド10の根元の端面の凹部11に嵌合する凸部31を有し、ヘリカルアンテナ素子20が電気的に接続され、アンテナ支持部に接続されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ポールアンテナに関し、特に、ヘリカルアンテナ素子を用いた車両用ポールアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ポールアンテナはその物理的な長さに制限があるため、アンテナ実効長に比べてアンテナの物理的な長さを短くできるヘリカルアンテナ素子が一般的に用いられている。また、車両用ポールアンテナは、アンテナ自体が障害物に衝突するおそれがあることから、一般に可撓性を有するように構成されている。しかしながら、ヘリカルアンテナ素子を用いた車両用ポールアンテナが衝突等により屈曲した際に、ヘリカルアンテナ素子の巻ピッチがずれてヘリカルアンテナ素子のアンテナ実効長が変わるため電気的な特性が変化してしまうという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、例えば特許文献1には、芯線を絶縁性の被覆材で被覆した被覆線をヘリカル状に密巻したヘリカルアンテナ素子とし、巻ピッチを被覆材の厚さにより決定するヘリカルアンテナが開示されている。これにより、アンテナが屈曲しても巻ピッチを一定に保つことが可能であるとしている。
【0004】
また、特許文献2には、弾性を有するヘリカルコイルをロッドのヘリカル状の溝部内に嵌挿して構成されているヘリカルアンテナ素子を備え、ロッドとベース側のエレメント金具との間にコイルスプリングを設けたアンテナエレメントからなる車両用ポールアンテナが開示されている。これにより、コイルスプリングの部分で屈曲するためアンテナエレメントの巻ピッチが変化しないと共に、電気的特性が変化しづらく、曲がり癖が残らないとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−127522号公報
【特許文献2】特開2005−260432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば特許文献1のポールアンテナは、被覆線を密巻にし、巻ピッチが被覆材の厚さで決定されるように構成しているが、ポールアンテナが屈曲した場合、ヘリカルアンテナ素子が変形し圧縮されて隣り合う被覆線が重なってしまい巻ピッチが変化してしまったり、そのまま曲がり癖が残ってしまったりすることがあった。したがって、電気的特性が変化してしまうことを防止できなかった。
【0007】
また、特許文献2のポールアンテナは、ロッドとベース側のエレメント金具との間にコイルスプリングを設ける等、部品点数が増大するためコストアップするだけでなく、これによりポールアンテナの長さを短くするのに制限が生じていた。また、ヘリカル状の溝部を設ける必要があるため、構造が複雑であった。
【0008】
近来、外観的な問題やハッチバック車のリアハッチとの関係等で、車両用ポールアンテナの物理的な長さをより短くしたいという要望もあったが、特許文献2のように構造が複雑な場合、このような要望に応えることができなかった。さらに、特許文献1のような構造の場合であっても、仮に曲がり癖が残らないように可撓性のより高い材料をロッドに採用した場合、車両用ポールアンテナの物理的な長さをより短くしようとすると、より大きく屈曲することになるため、巻ピッチが変化する可能性がより高くなるものであった。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、屈曲による電気的特性の変化を低減し、アンテナの物理的な長さを短くすることも可能である車両用ポールアンテナを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による車両用ポールアンテナは、可撓性及び絶縁性のロッドであって、その根元の端面に凹部を有するロッドと、ロッドに巻回される被覆線からなるヘリカルアンテナ素子であって、ロッドの撓む起点近傍の巻き密度がそこ以外の巻き密度に比べて粗である、ヘリカルアンテナ素子と、ロッドの根元の端面の凹部に嵌合する凸部を有し、ヘリカルアンテナ素子が電気的に接続され、アンテナ支持部に接続される導電性のジョイントと、少なくともヘリカルアンテナ素子を覆う、可撓性及び絶縁性のマストカバーと、を具備するものである。
【0011】
ここで、ロッドの撓む起点は、ジョイントの凸部先端近傍であれば良い。
【0012】
また、ヘリカルアンテナ素子は、ロッドの先端面に引っ掛かる引掛部をその先端に有していても良い。
【0013】
また、ジョイントはかしめ受け部を有し、さらに、かしめ受け部との間でヘリカルアンテナ素子を挟んでかしめるための環状かしめ部を具備していても良い。
【0014】
また、かしめ受け部及び/又は環状かしめ部は、ジョイントにヘリカルアンテナ素子が電気的に接続されるように、ヘリカルアンテナ素子の被覆線の被覆材を破るための破断部を有していても良い。
【0015】
また、ジョイントの凸部は、環状かしめ部よりもアンテナ先端方向に長く突出していれば良い。
【0016】
また、マストカバーは、ヘリカルアンテナ素子の先端部との間に、ヘリカルアンテナ素子を逃がすためのスペースを設けても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両用ポールアンテナには、屈曲による電気的特性の変化を低減し、アンテナの物理的な長さを短くすることも可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の車両用ポールアンテナを説明するための概略長手方向断面図である。
【図2】図2は、本発明の車両用ポールアンテナのロッドが屈曲する部分の一部拡大概念図である。
【図3】図3は、本発明の車両用ポールアンテナの他の例を説明するための概略長手方向断面図である。
【図4】図4は、図3に示される車両用ポールアンテナの先端面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の車両用ポールアンテナを説明するための概略長手方向断面図である。図示の通り、本発明の車両用ポールアンテナは、主にロッド10と、ヘリカルアンテナ素子20と、ジョイント30と、マストカバー40とから構成されている。このような車両用ポールアンテナは、車両の例えばルーフ等に設けられるアンテナ支持部に固定されるものである。そして、アンテナ支持部(図示せず)を介して車内に設けられるアンプや受信機等に電気的に接続されるものである。
【0020】
ロッド10は、可撓性及び絶縁性を有するものである。具体的には、ロッド10は、例えばウレタン系の素材が用いられれば良い。特に、ポールアンテナの長さを物理的に短くする場合、変形に対して戻りが悪いと、屈曲後元の形状に戻らなくなる可能性があるため、可撓性の高いポリアセタール材やポリプロピレン材等からなるエラストマを用いることが好ましい。また、ロッド10の根元の端面、即ち、ポールアンテナの車両側に近い部分の端面には、凹部11が設けられている。ロッドの径の一例を挙げれば、例えばφ5.5mmである。
【0021】
ヘリカルアンテナ素子20は、ロッド10に巻回される被覆線からなるものである。具体的には、ヘリカルアンテナ素子20は、例えばポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂を被覆材とする銅線等が用いられれば良い。また、ヘリカルアンテナ素子20の被覆線の径の一例を挙げれば、例えばφ0.8mmである。そして、ヘリカルアンテナ素子20は、基本的には密巻、即ち、互いに隣り合う被覆線の間隙が無いように巻かれるものである。したがって、ヘリカルアンテナ素子20の巻ピッチは、被覆線の被覆材の厚さにより決定されている。そして、本発明の車両用ポールアンテナのヘリカルアンテナ素子20は、ロッド10の撓む起点近傍の巻き密度が、そこ以外のまき密度に比べて粗となっている。この粗巻部分25の間隙の一例を挙げれば、例えば5mm程度である。この間隙は、ロッド10の撓みやすさ等に応じて適宜調整すれば良い。
【0022】
ロッド10が撓む場合、その撓む部分は、ポールアンテナ先端付近よりも根元付近である。具体的には、後述するジョイント30の先端近傍が最も力を受ける部分であり、ここを起点としてロッド10が撓み出す。本発明では、この撓む起点近傍の巻き密度を粗とすることで、ロッド10が屈曲したときのヘリカルアンテナ素子20の変化を、この粗巻部分25で吸収するように構成している。したがって、ロッド10が屈曲した場合であっても、ヘリカルアンテナ素子20の密巻部分の巻ピッチは変化しづらく、屈曲による電気的特性の変化を低減することが可能となる。
【0023】
そして、ジョイント30は、導電性を有するものであり、アンテナ支持部(図示せず)に接続されるものである。なお、アンテナ支持部は、車両用ポールアンテナを支持するものであり、車両のルーフ等に固定されるものである。そして、このアンテナ支持部を介してヘリカルアンテナ素子20を車内に設けられるアンプや受信機等に電気的に接続するものである。ジョイント30には、ヘリカルアンテナ素子20が電気的に接続される。また、ジョイント30は、ロッド10の根元の端面の凹部11に嵌合する凸部31を有している。この凸部31の先端近傍が、ロッド10の撓む起点となる。したがって、ヘリカルアンテナ素子20の粗巻部分25は、ジョイント30の凸部31近傍に配置されれば良い。凸部31の長さを任意に変えることで、ロッド10の撓む起点の位置を任意に設定することも可能である。
【0024】
図2に、本発明の車両用ポールアンテナのロッドが屈曲する部分の一部拡大概念図を示す。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。図示の通り、ジョイント30の凸部31の先端近傍が最も大きく屈曲する場所である。ロッド10が曲がる内側に位置するヘリカルアンテナ素子20の隣り合う被覆線が圧縮され、曲がる外側に位置する隣り合う被覆線が引っ張られる。このとき、破線で示されるような状態のように、撓む起点の位置のヘリカルアンテナ素子を粗巻にせず密巻とした場合には、圧縮される側のヘリカルアンテナ素子の隣り合う被覆線が重なってしまって外側に飛び出る等、可塑性変形を起こし得る。しかしながら、本発明の車両用ポールアンテナのヘリカルアンテナ素子20は、撓む起点の位置のヘリカルアンテナ素子が実線で示されるように粗巻になっているため、ロッド10が屈曲した場合であっても、この粗巻部分にヘリカルアンテナ素子20の変形を逃がすことが可能となる。したがって、ヘリカルアンテナ素子20のアンテナ実効長の変化を低減でき、その結果、電気的特性の変化を低減することが可能となる。特に、車両用ポールアンテナの物理的な長さを短くした場合には、可撓性が高く大きくロッドが撓むことになるが、この場合であっても、撓む起点に位置するヘリカルアンテナ素子20は粗巻になっているため、ヘリカルアンテナ素子20の隣り合う被覆線が可塑性変形を起こすことを防止可能である。
【0025】
このように、本発明の車両用ポールアンテナは、ヘリカルアンテナ素子20がロッド10に対して固定されておらず、長手方向にある程度自由に動くように構成されている。そして、ヘリカルアンテナ素子20の最も大きく変形するロッド10の撓む起点近傍が粗巻となっているので、圧縮されたとしても逃げる場所がある。このため、隣り合う被覆線が飛び出す等の大きな変形を最小限とすることが可能となる。したがって、密巻部分については、あまり巻ピッチが変化しないまま長手方向にある程度自由に動くように構成されている。なお、ロッド10とヘリカルアンテナ素子20は、固定されてはいないものの、振動によるロッド10及びヘリカルアンテナ素子20同士の叩き音が発生しないように、ある程度の強さでヘリカルアンテナ素子20がロッド10に巻回されれば良い。
【0026】
ここで、ジョイント30には、かしめ受け部33が設けられていても良い。再度図1を参照すると、かしめ受け部33は、ジョイント30の中段に設けられている。具体的には、ロッド10と同径のジョイント30の部分の表面に、かしめ受け部33が設けられる。そして、かしめ受け部33との間でヘリカルアンテナ素子20を挟んでかしめるための、環状かしめ部35がジョイント30の周囲に配置されている。環状かしめ部35をかしめることで、ヘリカルアンテナ素子20がジョイント30に固定されると共に、凹部11と凸部31の嵌合部分もかしめられ、ロッド10もジョイント30に固定される。
【0027】
次に、ヘリカルアンテナ素子20とジョイント30との電気的接続について説明する。ヘリカルアンテナ素子20をジョイント30にはんだ等により電気的に接続しても勿論良い。しかしながら、以下のような構造を採用することにより、はんだ付け等の工程を省略でき、より簡単に組み付けを行えるようになる。即ち、かしめ受け部33に、例えば螺旋状に切られたねじ山状の破断部を設ける。環状かしめ部35をかしめると、ヘリカルアンテナ素子20の被覆線の被覆材が、かしめ受け部33に設けられる破断部によって破られ、破断部が被覆材の下の導体線に接触する(食い込む)。これにより、ジョイント30とヘリカルアンテナ素子20が電気的に接続されることになる。なお、上述の例では、破断部がジョイント30のかしめ受け部33に設けられる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば環状かしめ部35の内面側に破断部を設けても良い。さらに、かしめ受け部と環状かしめ部の両方に破断部を設けても良い。環状かしめ部35の内面側に破断部を設ける場合には、環状かしめ部35がジョイント30と電気的に接触するように構成する。これにより、ヘリカルアンテナ素子20は環状かしめ部35を介してジョイント30に電気的に接続されることになる。また、破断部は、例えばネジ山状のものを例にあげたが、被覆材を貫通でき、被覆線に電気的に接触可能な形状であれば、針状のものやフランジ状のものであっても良い。さらに、例えば、ヘリカルアンテナ素子20の巻き方向と反対向きの方向に走る破断部とすることで、破断部と被覆線の接触面積が増え、より確実な電気的導通を確保できる。
【0028】
なお、環状かしめ部35は、ジョイント30の凸部31よりも、ポールアンテナ先端側に延在しないものが好ましく、また、ヘリカルアンテナ素子20の粗巻部分25を覆わないことが好ましい。即ち、ジョイント30の凸部31が、環状かしめ部35よりもアンテナ先端方向に長く突出していることが好ましい。ジョイント30の凸部31が短く、環状かしめ部35に完全に囲まれた状態の場合には、ロッド10の撓む起点は環状かしめ部35の先端側近傍となる。このとき、ヘリカルアンテナ素子20の粗巻部分25は、環状かしめ部35の先端近傍を中心に配置したいが、粗巻部分25の一部が環状かしめ部35に覆われてしまい、かしめられることにより粗巻部分25が小さくなってしまう可能性がある。ジョイント30の凸部31が環状かしめ部35よりも長く突出していれば、ロッド10の撓む起点は凸部31の先端近傍となるため、ここを中心に粗巻部分25を配置することで、環状かしめ部35に粗巻部分25が覆われることも無い。
【0029】
このように構成されたヘリカルアンテナ素子20を覆うように、マストカバー40が設けられる。マストカバー40は、可撓性及び絶縁性を有するものである。具体的には、マストカバー40は、例えばロッド10と同様に、ウレタン系のエラストマ等であれば良い。ここで、ヘリカルアンテナ素子20の先端部との間に、ヘリカルアンテナ素子を長手方向に逃すためのスペース41を設けることが好ましい。より具体的には、マストカバー40の先端部の内側面と、ヘリカルアンテナ素子20の先端面との間にスペースが設けられれば良い。ロッド10が屈曲した場合に、ヘリカルアンテナ素子20には引っ張り力が働き、一時的にポールアンテナの長手方向に伸び得る。このときに、マストカバー40とヘリカルアンテナ素子20の先端部との間にスペースが無いと、ヘリカルアンテナ素子20の隣り合う被覆線が重なり合い可塑性変形してしまう可能性がある。したがって、図1に示されるように、先端部にスペースを設けることで、ヘリカルアンテナ素子を逃すことが可能となり、可塑性変形を防止することが可能となる。なお、マストカバー20についても、ヘリカルアンテナ素子20がポールアンテナの長手方向にある程度自由に動くように構成しつつ、マストカバー40との叩き音が発生しないように、ある程度の強さでヘリカルアンテナ素子20に接触するように構成されれば良い。さらに、最も変化の大きいヘリカルアンテナ素子の粗巻部分の近傍のみをある程度自由に動くように構成しつつ、他の密巻部分についてはインサート成形等によりロッドやマストカバーと一体成形しても良い。
【0030】
次に、本発明の車両用ポールアンテナの他の例について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の車両用ポールアンテナの他の例を説明するための概略長手方向断面図である。また、図4は、図3に示される車両用ポールアンテナの先端面の概略図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。なお、マストカバー40については、図1のものと同一のため図示を省略した。図示例では、ヘリカルアンテナ素子21の先端に、ロッド10の先端面に引っ掛かる引掛部28を有している点が図1に示されるものと異なる部分である。
【0031】
引掛部28を設けることで、ヘリカルアンテナ素子21がロッド10よりも短くなることを防止可能である。即ち、本発明の車両用ポールアンテナのヘリカルアンテナ素子21には、粗巻部分25が設けられているが、引掛部28が無い場合には、ヘリカルアンテナ素子21の自重等により、ヘリカルアンテナ素子21がポールアンテナの根元側に移動し、粗巻部分25を押し潰す可能性がある。粗巻部分25が押し潰されると、電気特性が変化してしまう可能性がある。しかしながら、図3及び図4に示されるように、引掛部28を設けた例であれば、ロッド10の先端面に引掛部28が引っ掛かるため、ロッド10よりもヘリカルアンテナ素子21が短くなる(落ちる)ことを防止可能である。
【0032】
また、引掛部28は、ロッド10に完全に固定されず、ロッドが屈曲した場合にヘリカルアンテナ素子21が一時的にポールアンテナの長手方向に伸びることを妨げないように構成されている。これにより、ポールアンテナの屈曲によるヘリカルアンテナ素子の可塑性変形を防止することも可能となる。
【0033】
なお、本発明の車両用ポールアンテナは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
10 ロッド
11 凹部
20,21 ヘリカルアンテナ素子
25 粗巻部分
28 引掛部
30 ジョイント
31 凸部
33 かしめ受け部
35 環状かしめ部
40 マストカバー
41 スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ支持部に固定される車両用のポールアンテナであって、該車両用ポールアンテナは、
可撓性及び絶縁性のロッドであって、その根元の端面に凹部を有するロッドと、
前記ロッドに巻回される被覆線からなるヘリカルアンテナ素子であって、ロッドの撓む起点近傍の巻き密度がそこ以外の巻き密度に比べて粗である、ヘリカルアンテナ素子と、
前記ロッドの根元の端面の凹部に嵌合する凸部を有し、ヘリカルアンテナ素子が電気的に接続され、アンテナ支持部に接続される導電性のジョイントと、
少なくとも前記ヘリカルアンテナ素子を覆う、可撓性及び絶縁性のマストカバーと、
を具備することを特徴とする車両用ポールアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ポールアンテナにおいて、前記ロッドの撓む起点は、ジョイントの凸部先端近傍であることを特徴とする車両用ポールアンテナ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用ポールアンテナにおいて、前記ヘリカルアンテナ素子は、ロッドの先端面に引っ掛かる引掛部をその先端に有することを特徴とする車両用ポールアンテナ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用ポールアンテナにおいて、前記ジョイントはかしめ受け部を有し、さらに、かしめ受け部との間でヘリカルアンテナ素子を挟んでかしめるための環状かしめ部を具備することを特徴とする車両用ポールアンテナ。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用ポールアンテナにおいて、前記かしめ受け部及び/又は環状かしめ部は、ジョイントにヘリカルアンテナ素子が電気的に接続されるように、ヘリカルアンテナ素子の被覆線の被覆材を破るための破断部を有することを特徴とする車両用ポールアンテナ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の車両用ポールアンテナにおいて、前記ジョイントの凸部は、環状かしめ部よりもアンテナ先端方向に長く突出していることを特徴とする車両用ポールアンテナ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の車両用ポールアンテナにおいて、前記マストカバーは、前記ヘリカルアンテナ素子の先端部との間に、ヘリカルアンテナ素子を逃がすためのスペースを設けることを特徴とする車両用ポールアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−169892(P2012−169892A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29508(P2011−29508)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000165848)原田工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】