説明

車両用ミラー装置

【課題】ミラーが傾動される際に接続手段のミラーより車体側部分の移動を抑制する。
【解決手段】車両用ドアミラー装置10では、ミラーユニット28の傾動板30が支持板32において傾動可能に支持されている。さらに、ミラーユニット28の作動部44が第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52を介して車体側に電気的に接続されており、第1ハーネス46が支持板32内を貫通すると共に、第2コネクタ50がリモコンユニット24に保持されている。このため、ミラーユニット28が傾動される際には、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52がミラーユニット28の開放孔40より車体側の部分において移動されることを抑制できる。これにより、特に第2ハーネス52が格納装置16及びフレーム20等に対して当接音や引っ掛かりを発生することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられたミラーを支持機構が傾動可能に支持する車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ミラー装置としては、樹脂製ハウジング内に鏡面作動ユニットが設けられると共に、鏡面作動ユニットにヒータユニット(ミラーガラス、ミラーホルダ及びヒータパネルユニット)が傾動可能に支持されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この車両用ミラー装置では、ヒータユニット(ヒータパネルユニット)と車体側とを電気的に接続するハーネス配線が、樹脂製ハウジング内の空間を介して、ヒータユニット(ヒータパネルユニット)の鏡面作動ユニットによる支持位置から離間した部位に接続されている。
【0004】
このため、ヒータユニットが傾動される際には、樹脂製ハウジング内の空間において、ハーネス配線が移動されることで、樹脂製ハウジングの内面部や鏡面作動ユニット等に対するハーネス配線の当接音(異音)や引っ掛かりが発生する可能性がある。
【特許文献1】特開平10−59137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、ミラーが傾動される際に接続手段がミラーより車体側の部分において移動されることを抑制できる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車両に設けられ、支持部が設けられたミラーと、前記ミラーを前記支持部において傾動可能に支持する支持機構と、前記支持部を介して前記ミラーと車体側とを電気的に接続すると共に、前記支持機構に保持される接続手段と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記接続手段は、前記ミラーを制御すると共に前記支持機構に保持される制御手段を有している。
【0008】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記制御手段は、前記支持機構による前記ミラーの傾動を制御する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、車両に設けられたミラーに支持部が設けられており、支持機構がミラーを支持部において傾動可能に支持している。
【0010】
ここで、接続手段が、支持部を介してミラーと車体側とを電気的に接続すると共に、支持機構に保持されている。このため、ミラーが傾動される際に接続手段がミラー(支持部)より車体側の部分において移動されることを抑制できる。
【0011】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、接続手段の制御手段が、ミラーを制御すると共に、支持機構に保持される。このため、ミラーを支持機構に組み付ける際に、ミラーを制御手段に電気的に接続できる。これにより、組付工数を低減できて、組付作業性を向上できる。
【0012】
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、制御手段が、ミラーを制御するのみならず、支持機構によるミラーの傾動を制御する。このため、制御手段を車体側に電気的に接続することで、支持機構及びミラーを車体側に電気的に接続できる。これにより、組付工数を一層低減できて、組付作業性を一層向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第1の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10が上方から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。図2には、車両用ドアミラー装置10が車両左斜め後方から見た分解斜視図にて示されており、図3には、車両用ドアミラー装置10の主要部が車両後方から見た正面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
【0014】
本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両のドア(図示省略)の車両前側端部かつ上下方向中間部における外部に設けられている。
【0015】
図2及び図3に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、車幅方向内側端部かつ下端部において、支持部材としてのステー12を備えており、ステー12は、車両のドアに取り付けられている。
【0016】
ステー12には、支持機構14が支持されている。
【0017】
図1に示す如く、支持機構14には、格納手段としての格納装置16が設けられており、格納装置16は、ステー12の上側に取り付けられている。格納装置16には、回転軸18が設けられており、回転軸18はステー12に固定されている。回転軸18は、上下方向に起立されており、格納装置16は、回転軸18を中心として回転可能にされている。回転軸18は、円筒状にされており、回転軸18内は、上側及び下側に開放されている。回転軸18内の下側は、ステー12内を介して車体側に連通されており、格納装置16は、回転軸18内及びステー12内を介して車体側の制御装置(図示省略)に電気的に接続されている。
【0018】
格納装置16には、骨格部材としての矩形板状のフレーム20が取り付けられており、フレーム20は、格納装置16から車幅方向外側へ延出されている。
【0019】
図1〜図3に示す如く、フレーム20には、収容部材としての略直方体形容器状のバイザ22が取り付けられており、バイザ22は、フレーム20を収容すると共に、車両後側面が開放されている。
【0020】
フレーム20の車両後側には、調整手段としてのリモコンユニット24(鏡面調整リモコンユニット)が取り付けられており、リモコンユニット24は、バイザ22内、格納装置16の回転軸18内及びステー12内を介して、車体側の制御装置に電気的に接続されている。リモコンユニット24には、挿通孔26が形成されており、挿通孔26は、リモコンユニット24を車両前後方向へ貫通している。
【0021】
リモコンユニット24には、検出手段としてのメモリ装置(図示省略)が取り付けられており、メモリ装置は、リモコンユニット24に電気的に接続されて、バイザ22内、格納装置16の回転軸18内及びステー12内を介して、車体側の制御装置に電気的に接続されている。
【0022】
図1及び図2に示す如く、リモコンユニット24は、車両後側において、ミラーとしてのミラーユニット28を傾動可能に支持している。
【0023】
ミラーユニット28の車両前側部分には、支持部材としての略矩形板状の傾動板30が設けられており、傾動板30の中央部分には、支持部としての略半球形板状の支持板32が形成されている。支持板32のリモコンユニット24側部分には、貫通孔34が貫通形成されており、傾動板30は、支持板32において、リモコンユニット24の挿通孔26周辺部分に傾動可能に支持されている。これにより、支持板32内(貫通孔34内を含む)にリモコンユニット24の挿通孔26が配置された状態で、ミラーユニット28がリモコンユニット24(支持機構14)に傾動可能に支持されている。
【0024】
ミラーユニット28の車両後側部分には、ユニット本体36が設けられており、ユニット本体36は、バイザ22の車両後側端(開放部分)に配置されている。ミラーユニット28がリモコンユニット24に対し傾動される際には、ユニット本体36が重心部分を中心として傾動される。
【0025】
ユニット本体36の車両前側部分には、組付部材としての略矩形板状のミラーホルダ38が設けられており、ミラーホルダ38が傾動板30に組み付けられることで、ユニット本体36が傾動板30に組み付けられている。ミラーホルダ38の中央には、開放孔40が貫通形成されており、開放孔40は、ユニット本体36内を車両前側に開放している。
【0026】
ユニット本体36の車両後側部分には、組付部材としての略矩形板状のミラー本体42が設けられており、ミラー本体42は、周部においてミラーホルダ38の周部に保持されて、ミラーホルダ38と一体にされている。ミラー本体42の表面(車両後側面)は、鏡面42Aにされており、ミラー本体42によって車両の乗員が車両後側を視認可能にされている。
【0027】
図1に示す如く、ミラー本体42の裏面(車両前側面)には、略矩形薄板状の作動部44が設けられており、作動部44は、EC(エレクトロ・クロミック)防眩機能及びヒータ機能を有している。
【0028】
作動部44には、ユニット本体36の重心位置において、接続手段を構成する配線としての第1ハーネス46の一端が接続されており、第1ハーネス46は、作動部44からミラーホルダ38の開放孔40内、傾動板30の支持板32内(貫通孔34内を含む)及びリモコンユニット24の挿通孔26内を貫通して、リモコンユニット24の車両前側に延出されている。第1ハーネス46の他端には、接続手段を構成するコネクタとしての第1コネクタ48が接続されており、第1コネクタ48は、接続手段を構成するコネクタとしての第2コネクタ50に接続(結線)されている。第2コネクタ50は、リモコンユニット24に挿通孔26の車両前側端部において保持されており、第2コネクタ50には、接続手段を構成する配線としての第2ハーネス52の一端が接続されている。第2ハーネス52は、バイザ22内、格納装置16の回転軸18内及びステー12内を介して、他端が車体側の制御装置に接続されている。これにより、作動部44が、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52を介して車体側の制御装置に電気的に接続されている。
【0029】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0030】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、車体側の制御装置の制御により格納装置16が作動されることで、格納装置16が回転軸18を中心として格納方向又は展開方向(復帰方向)へ回転される。これにより、格納装置16が格納方向へ回転されることで、フレーム20、バイザ22、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28が、格納装置16と一体に格納方向(車両後側かつ車幅方向内側)へ回動されて、格納される。一方、格納装置16が展開方向へ回転されることで、フレーム20、バイザ22、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28が、格納装置16と一体に展開方向(車両前側かつ車幅方向外側)へ回動されて、展開(復帰)される。
【0031】
また、車体側の制御装置の制御によりリモコンユニット24が作動されることで、リモコンユニット24に対しミラーユニット28が傾動されて、ミラーユニット28(ミラー本体42)の鏡面42Aの角度が調整される。しかも、メモリ装置がミラーユニット28の鏡面42Aの角度を検出して、ミラーユニット28の鏡面42Aの角度が車体側の制御装置に記憶される。
【0032】
さらに、車体側の制御装置の制御によりミラーユニット28の作動部44のEC防眩機能が作動されることで、ミラー本体42の光の反射率が変更される。また、車体側の制御装置の制御によりミラーユニット28の作動部44のヒータ機能が作動されることで、ミラー本体42が加熱される。
【0033】
ここで、ミラーユニット28の傾動板30が支持板32においてリモコンユニット24の挿通孔26周辺部分に傾動可能に支持されている。さらに、ミラーユニット28の作動部44が、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52を介して車体側の制御装置に電気的に接続されており、第1ハーネス46が作動部44からミラーホルダ38の開放孔40内、傾動板30の支持板32内(貫通孔34内を含む)及びリモコンユニット24の挿通孔26内を貫通して、第1コネクタ48が第2コネクタ50に接続されると共に、第2コネクタ50がリモコンユニット24に挿通孔26の車両前側端部において保持されている。
【0034】
このように、ミラーユニット28の作動部44に接続される第1ハーネス46が、支持板32内を通過している。このため、リモコンユニット24によってミラーユニット28が傾動される際には、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52がミラーユニット28(ミラーホルダ38)の開放孔40より車体側の部分において移動されることを抑制できる。これにより、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52が、格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28等に対して、当接音(異音)や引っ掛かりを発生することを抑制できる。
【0035】
さらに、第1ハーネス46が第1コネクタ48を介して接続される第2コネクタ50が、リモコンユニット24に保持されている。このため、リモコンユニット24によってミラーユニット28が傾動される際には、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52がミラーユニット28(ミラーホルダ38)の開放孔40より車体側の部分において移動されることを一層抑制できる。これにより、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52が、格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28等に対して、当接音(異音)や引っ掛かりを発生することを一層抑制できる。
【0036】
しかも、第1ハーネス46がリモコンユニット24の挿通孔26内を貫通すると共に、第1ハーネス46が第1コネクタ48を介して接続される第2コネクタ50がリモコンユニット24に挿通孔26の車両前側端部において保持されている。このため、リモコンユニット24によってミラーユニット28が傾動される際に、仮に第1ハーネス46が移動されても、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52が移動されることを防止できる。これにより、リモコンユニット24の外側の第2ハーネス52が、格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28等に対して、当接音(異音)や引っ掛かりを発生することを防止できる。
【0037】
また、ミラーユニット28のユニット本体36をリモコンユニット24に支持された傾動板30に組み付ける際に、第1ハーネス46及び第1コネクタ48をリモコンユニット24の挿通孔26に貫通させて、第1コネクタ48をリモコンユニット24に保持された第2コネクタ50に接続できる。このため、組付作業を容易にできる。
【0038】
なお、本実施の形態では、第2コネクタ50がリモコンユニット24に保持された構成としたが、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第2コネクタ50及び第2ハーネス52の少なくとも1つが格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24及びメモリ装置の少なくとも1つに保持された構成であればよい。
【0039】
[第2の実施の形態]
図4には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第2の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置70の主要部が上方から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)にて示されている。
【0040】
本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置70は、上記第1の実施の形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0041】
図4に示す如く、本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置70では、上記第1の実施の形態における第2コネクタ50及び第2ハーネス52が設けられていない。
【0042】
リモコンユニット24には、接続手段を構成するコネクタとしての第3コネクタ72が保持されて接続されている。第3コネクタ72には、接続手段を構成する配線としての第3ハーネス74の一端が接続されており、第3ハーネス74は、バイザ22内、格納装置16の回転軸18内及びステー12内を介して、他端が車体側の電源(図示省略)に接続されている。
【0043】
リモコンユニット24内には、接続手段を構成するコネクタとしての第4コネクタ76が設けられており、第4コネクタ76には、第3コネクタ72が接続されている。第4コネクタ76には、接続手段を構成する配線としての第4ハーネス78の一端が接続されており、第4ハーネス78の他端は、接続手段を構成する制御手段としての制御基板80に接続されている。これにより、制御基板80が、第4ハーネス78、第3コネクタ72及び第3ハーネス74を介して車体側の電源に電気的に接続されている。また、制御基板80には、メモリ装置が電気的に接続されている。
【0044】
制御基板80は、リモコンユニット24内に保持されており、制御基板80には、接続手段を構成するコネクタとしての第5コネクタ82が固定されて接続されている。第5コネクタ82は、リモコンユニット24の挿通孔26内に挿入されており、リモコンユニット24では、挿通孔26が制御基板80より車両後側のみに設けられている。
【0045】
ミラーユニット28の作動部44に接続された第1ハーネス46は、作動部44からミラーホルダ38の開放孔40内、傾動板30の支持板32内及びリモコンユニット24の挿通孔26内に挿入されている。第1ハーネス46に接続された第1コネクタ48は、第5コネクタ82に接続されている。これにより、作動部44が、第1ハーネス46、第1コネクタ48及び第5コネクタ82を介して制御基板80に電気的に接続されている。
【0046】
第1ハーネス46は、筒状のシール部材84内に貫通されており、シール部材84は、ゴム製にされて、シール性及び弾性を有している。シール部材84は、リモコンユニット24の挿通孔26内及びミラーホルダ38の開放孔40内に弾性収縮された状態で挿入されており、シール部材84は、リモコンユニット24に対するミラーユニット28の傾動を弾性変形により許容する状態で、第1ハーネス46と挿通孔26との間及び第1ハーネス46と開放孔40との間をシールしている。
【0047】
リモコンユニット24及びミラーユニット28の作動部44は、制御基板80の制御により作動される。さらに、メモリ装置がミラーユニット28の鏡面42Aの角度を検出して、ミラーユニット28の鏡面42Aの角度が制御基板80に記憶される。
【0048】
ここで、ミラーユニット28の傾動板30が支持板32においてリモコンユニット24の挿通孔26周辺部分に傾動可能に支持されている。さらに、ミラーユニット28の作動部44が、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第5コネクタ82、制御基板80、第4ハーネス78、第4コネクタ76、第3コネクタ72及び第3ハーネス74を介して車体側の電源に電気的に接続されており、第1ハーネス46が作動部44からミラーホルダ38の開放孔40内、傾動板30の支持板32内及びリモコンユニット24の挿通孔26内に挿入されて、第1コネクタ48が第5コネクタ82に接続されると共に、第5コネクタ82が固定された制御基板80がリモコンユニット24内に保持されている。
【0049】
このように、ミラーユニット28の作動部44に接続される第1ハーネス46が、支持板32内を通過している。このため、リモコンユニット24によってミラーユニット28が傾動される際には、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第5コネクタ82、制御基板80、第4ハーネス78、第4コネクタ76、第3コネクタ72及び第3ハーネス74がミラーユニット28(ミラーホルダ38)の開放孔40より車体側の部分において移動されることを抑制できる。これにより、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第5コネクタ82、制御基板80、第4ハーネス78、第4コネクタ76、第3コネクタ72及び第3ハーネス74が、格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28等に対して、当接音(異音)や引っ掛かりを発生することを抑制できる。
【0050】
さらに、第1ハーネス46が第1コネクタ48及び第5コネクタ82を介して接続される制御基板80が、リモコンユニット24に保持されている。このため、リモコンユニット24によってミラーユニット28が傾動される際には、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第5コネクタ82、制御基板80、第4ハーネス78、第4コネクタ76、第3コネクタ72及び第3ハーネス74がミラーユニット28(ミラーホルダ38)の開放孔40より車体側の部分において移動されることを一層抑制できる。これにより、第1ハーネス46、第1コネクタ48、第5コネクタ82、制御基板80、第4ハーネス78、第4コネクタ76、第3コネクタ72及び第3ハーネス74が、格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28等に対して、当接音(異音)や引っ掛かりを発生することを一層抑制できる。
【0051】
しかも、第1ハーネス46がリモコンユニット24の挿通孔26内に挿入されると共に、第1ハーネス46が第1コネクタ48及び第5コネクタ82を介して接続される制御基板80がリモコンユニット24内に保持されている。このため、リモコンユニット24によってミラーユニット28が傾動される際に、仮に第1ハーネス46が移動されても、第1コネクタ48、第5コネクタ82、制御基板80、第4ハーネス78、第4コネクタ76、第3コネクタ72及び第3ハーネス74が移動されることを防止できる。これにより、リモコンユニット24の外側の第3ハーネス74が、格納装置16、フレーム20、バイザ22の内面部、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28等に対して、当接音(異音)や引っ掛かりを発生することを防止できる。
【0052】
また、ミラーユニット28のユニット本体36をリモコンユニット24に支持された傾動板30に組み付ける際には、同時に、第1ハーネス46、第1コネクタ48及びシール部材84をリモコンユニット24の挿通孔26内に挿入して、第1コネクタ48を挿通孔26内の第5コネクタ82に接続できる。このため、組付工数を低減できて、組付作業性を向上できる。
【0053】
しかも、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28(作動部44)の制御部が1つの制御基板80に集約されており、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28(作動部44)の車体側に対するコネクタが、制御基板80を車体側に接続する第3コネクタ72及び第4コネクタ76に一元化されている。このため、第3コネクタ72を第4コネクタ76に接続することで、リモコンユニット24、メモリ装置及びミラーユニット28(作動部44)の全てを車体側に電気的に接続できる。これにより、組付工数を一層低減できて、組付作業性を一層向上できる。
【0054】
なお、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ミラーユニット28の作動部44がEC防眩機能及びヒータ機能を有する構成としたが、ミラーユニット28の作動部44がEC防眩機能及びヒータ機能の何れか一方のみを有する構成としてもよい。また、ミラーユニット28の作動部44がEC防眩機能及びヒータ機能以外の機能(ミラー本体42に車両進路変更情報等の情報を表示する機能等)を有する構成としてもよい。
【0055】
さらに、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、リモコンユニット24の作動によりミラーユニット28がリモコンユニット24に対し傾動される構成としたが、ミラーユニット28に対する手動操作によってミラーユニット28がリモコンユニット24に対し傾動される構成としてもよい。
【0056】
また、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10、70に適用した構成としたが、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す上方から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両左斜め後方から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す車両後方から見た正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す上方から見た断面図(図3の1−1線位置断面図)である。
【符号の説明】
【0058】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
14 支持機構
28 ミラーユニット(ミラー)
32 支持板(支持部)
46 第1ハーネス(接続手段)
48 第1コネクタ(接続手段)
50 第2コネクタ(接続手段)
52 第2ハーネス(接続手段)
70 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
72 第3コネクタ(接続手段)
74 第3ハーネス(接続手段)
76 第4コネクタ(接続手段)
78 第4ハーネス(接続手段)
80 制御基板(接続手段、制御手段)
82 第5コネクタ(接続手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ、支持部が設けられたミラーと、
前記ミラーを前記支持部において傾動可能に支持する支持機構と、
前記支持部を介して前記ミラーと車体側とを電気的に接続すると共に、前記支持機構に保持される接続手段と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記接続手段は、前記ミラーを制御すると共に前記支持機構に保持される制御手段を有する請求項1記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記支持機構による前記ミラーの傾動を制御する請求項2記載の車両用ミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−105548(P2010−105548A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279912(P2008−279912)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】