説明

車両用充電システム

【課題】 充電中に不注意などにより充電が停止されてしまうことを確実に防止することのできる車両用充電システムを提供する。
【解決手段】 充電受付された車両1に対応した受付情報を記憶するメモリ10と、メモリ10から読み出した受付情報に基づく車両1に対して充電可能に制御する充電制御部7とを備えた充電制御ユニット6と、車室3のうち少なくとも1以上に設置され、車室3に駐車した車両1の電源プラグ19が接続され電源幹線から電力が供給されるコンセント20を備えた車室側充電ユニット14と、を備えてなり、充電制御部7は、メモリ10に受付情報と関連付けてパスワードを記憶させ、利用者が入力するパスワードとメモリ10に記憶されたパスワードとが合致した場合にのみ充電を終了させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用充電システムに係り、特に、充電中に不注意などにより充電が停止されてしまうことを確実に防止することを可能とした車両用充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車が普及しつつあり、電気自動車に対する充電システムが開発されてきている。このような充電システムにおいては、電気自動車を駐車場に駐車させた際に、複数の車両に対して充電することが行われている。
【0003】
ここで、複数のバッテリに対して充電を行う場合に、初期に電力を供給したときの、電流値の情報に基づいて、充電容量などを表示するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−238178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術においては、充電する対象が、例えば、携帯用ビデオカメラなどの比較的小容量のバッテリに対する技術であり、電気自動車などの大容量のバッテリを備えた車両に対しては、適用が困難である。
【0006】
一方、車両に対して充電する手段としては、一般家庭用の電源を用いた家庭用充電と、急速充電とが考えられる。しかしながら、急速充電は、充電時間は短いものの、設備が大規模となり、設備コストが高くなってしまうという問題を有している。また、家庭用充電は、一般的な商用電力で充電が可能であるが、充電に時間がかかるという問題を有している。さらに、複数のコンセントを用意することにより、複数の車両に対して充電が可能であるが、複数の車両に対応するためには、合計総電力が多く必要となり、使用する電線も太いものを用いる必要があり、設備工事も大掛かりなものとなってしまうという問題を有している。
【0007】
一般に、車両に充電を行う場合、満充電になると充電を停止し、充電完了となるが、充電を途中で停止する必要が生じた場合には、従来、充電停止ボタンを押すことで、強制的に充電を終了することが可能となっている。また、充電中に、不注意やいたずらなどにより、コンセントが引き抜かれてしまうおそれもある。
【0008】
このように、充電中に、充電停止ボタンが押されたり、コンセントが引き抜かれてしまうと、希望する充電量まで充電されない事態が生じてしまうという問題を有している。
これを防止するため、IDカード、非接触ICカードあるいは鍵などを利用して充電中の充電停止ボタンの操作やコンセントの引き抜きを規制することも可能であるが、IDカードなどを用いた場合には、家族などIDカードを携帯していない利用者が利用することができず、使い勝手が悪いという問題を有している。しかも、カードや鍵などを紛失してしまうと、利用することができなくなり、カードなどの再発行など余計なコストがかかってしまうという問題を有している。
【0009】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、充電中に不注意などにより充電が停止されてしまうことを確実に防止することのできる車両用充電システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る車両用充電システムは、 電気車両を駐車可能とした駐車場に設置される複数の車室と、
外部電源から電力が供給される電源幹線と、
充電受付された前記車両に対応した受付情報を記憶するメモリと、前記メモリから読み出した受付情報に基づく車両に対して充電可能に制御する充電制御部とを備えた充電制御ユニットと、
前記車室のうち少なくとも1以上に設置され、前記車室に駐車した車両の電源プラグが接続され前記電源幹線から電力が供給されるコンセントを備えた車室側充電ユニットと、を備えてなり、
前記充電制御部は、前記メモリに受付情報と関連付けてパスワードを記憶させ、利用者が入力するパスワードと前記メモリに記憶されたパスワードとが合致した場合にのみ充電を終了させるように制御するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記車室側充電ユニットは、前記コンセントに電源プラグを接続した状態で、電源プラグが外れないように保持するロック機構を備え、前記充電制御部は、利用者が入力するパスワードと前記メモリに記憶されたパスワードとが合致した場合にのみ前記ロック機構を解除するように制御することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記車室側充電ユニットは、前記コンセントを被覆するカバー部材を開閉自在に備え、前記ロック機構は、前記カバー部材を閉状態に保持するものであることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記充電制御ユニットは、前記パスワードを印刷するためのプリンタユニットを備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記充電制御部は、利用者が入力したパスワードを前記メモリに受付情報と関連付けて記憶させることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記充電制御部は、前記充電制御部がランダムに設定したパスワードを前記メモリに受付情報と関連付けて記憶させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、充電制御部により、メモリに受付情報と関連付けてパスワードを記憶させ、利用者が入力するパスワードとメモリに記憶されたパスワードとが合致した場合にのみ充電を終了させるように制御するようにしているので、充電中に不注意などにより充電が停止されてしまうことを確実に防止することができる。また、カードなどを用いるものではないので、カードの紛失などによる利用不能といった事態を確実に防止することができ、カードなどの再発行などによる余計なコストが生じることもない。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、車室側充電ユニットに、コンセントに電源プラグを接続した状態で、電源プラグが外れないように保持するロック機構を設け、充電制御部により、利用者が入力するパスワードとメモリに記憶されたパスワードとが合致した場合にのみロック機構を解除するように制御するようにしているので、ロック機構により、電源プラグがコンセントから引き抜かれてしまうことを確実に防止することができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、車室側充電ユニットに、コンセントを被覆するカバー部材を開閉自在に設け、ロック機構は、カバー部材を閉状態に保持するものであるので、ロック機構によりカバー部材を閉状態に保持することにより、電源プラグがコンセントから引き抜かれてしまうことを確実に防止することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、充電制御ユニットに、パスワードを印刷するためのプリンタユニットを設けるようにしているので、利用者は、プリンタユニットにより、パスワードを印刷して携帯することができ、パスワードを忘れてしまうことがなく、パスワードを利用して充電中における充電停止を防止することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、充電制御部により、利用者が入力したパスワードをメモリに受付情報と関連付けて記憶させるようにしているので、利用者の任意のパスワードを利用して充電中における充電停止を防止することができる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、充電制御部により、充電制御部がランダムに設定したパスワードをメモリに受付情報と関連付けて記憶させるようにしているので、充電制御部による任意のパスワードを利用して充電中における充電停止を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る車両用充電システムの実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る車両用充電システムをスタンドアロン形式で適用した場合の例を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る車両用充電システムを駐車場に適用した場合の例を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る車両用充電システムを駐車場に適用した場合の例を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における充電開始動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による車室入力画面を示す説明図である。
【図7】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による充電状況確認画面を示す説明図である。
【図8】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による充電開始画面を示す説明図である。
【図9】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるロック確認画面を示す説明図である。
【図10】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるパスワード設定画面を示す説明図である。
【図11】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるパスワード自動設定画面を示す説明図である。
【図12】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるパスワード手動入力画面を示す説明図である。
【図13】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるパスワード印刷画面を示す説明図である。
【図14】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるパスワード設定なし画面を示す説明図である。
【図15】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における充電終了動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による車室番号入力画面を示す説明図である。
【図17】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による充電状況確認画面を示す説明図である。
【図18】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による充電時間確認画面を示す説明図である。
【図19】本発明に係る車両用充電システムの実施形態によるパスワード入力画面を示す説明図である。
【図20】本発明に係る車両用充電システムの実施形態による電源プラグ取り外し案内画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は本発明に係る車両用充電システムの実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の車両用充電システムは、例えば、電気自動車などのバッテリの電力で走行する車両1を駐車させるため、駐車場2に設置されるものであり、この駐車場2は、複数の車室3を備えている。
【0025】
また、車両用充電システムは、図示しない外部電源からの電力が供給される分電盤4を備えており、分電盤4には、複数の漏電遮断器5が設置されている。また、車両用充電システムは、充電制御ユニット6を備えており、この充電制御ユニット6には、充電の各種制御を行うための充電制御部7が設けられている。また、充電制御ユニット6には、駐車場2の利用者が充電予約の受付などの操作を行うためのキー入力部8が設けられており、充電制御ユニット6には、所定の表示を行う表示部9が設けられている。
【0026】
さらに、充電制御ユニット6には、キー入力部8により入力された充電受付情報を充電リストとして記憶するメモリ10が設けられている。この受付情報としては、本実施形態においては、車両1が駐車される車室番号が用いられる。さらに、充電制御ユニット6には、充電時間を計測するタイマ11が設けられている。
【0027】
また、本実施形態においては、充電制御ユニット6には、所定の印刷を行うプリンタユニット12が設けられており、充電制御ユニット6には、プリンタユニット12に所定のカードを供給するためのカード処理機13が設けられている。さらに、充電制御部7には、後述する車室側充電ユニット14との間で信号の送受信を行うための通信部15が設けられている。
【0028】
また、駐車場2の各車室3には、それぞれ車室側充電ユニット14が配設されており、車室側充電ユニット14には、各種制御を行う車室側制御部16が設けられている。また、車室側充電ユニット14には、充電制御ユニット6との通信を行うための車室側通信部17が設けられており、この車室側通信部17と充電制御ユニット6の通信部15とは、制御用通信線18を介して接続されている。
【0029】
また、各車室側充電ユニット14には、車室3に駐車した車両1の受電側接続器としての電源プラグ19が差し込まれる給電側接続器としてのコンセント20が設けられている。本実施形態においては、コンセント20部分には、コンセント20部分を被覆するカバー部材21が設けられており、さらに、コンセント20部分には、車室側制御部16の制御信号により、カバー部材21を閉状態に保持するロック機構22が設けられている。このロック機構22は、コンセント20に電源プラグ19が差し込まれた状態で、カバー部材21を閉状態に保持するものである。なお、カバー部材21を設けない場合には、ロック機構22として、コンセント20に差し込まれた電源プラグ19が抜けないように保持する機構で構成するようにしてもよい。
【0030】
また、車室側充電ユニット14には、コンセント20に電気的に接続された電力開閉器23が設けられており、電力開閉器23は、電源幹線24との接続を開閉するスイッチであり、分電盤4からの電源幹線24が漏電遮断器25を介して接続されている。また、車室側制御部16は、充電制御部7の通信部15から車室側通信部17を介して送られる充電ON信号に基づいて、電力開閉器23をON動作させるように構成されている。そして、電力開閉器23がON動作されると、電源幹線24とコンセント20とを接続してコンセント20に電源が供給されるように構成されている。また、電圧検知部27および電流センサ26によりコンセント20に送られる電圧値および電流値を検出して車室側制御部16に送るように構成されており、車室側制御部16は、電流センサ26による電流値が所定の値以下になったら、充電が完了したものとして電力開閉器23をOFF動作させるように構成されている。これにより、電源幹線24とコンセント20とが切り離され、電力が完全に供給されない状態となる。そして、車室側制御部16は、充電が完了した場合に充電制御部7にその旨を送信し、充電制御部7は、充電リストに基づいて、他の充電要求がある他の車室3の充電が可能となるように充電ON信号を出力して、充電される車室3を充電完了後に順次切り換えるように制御するものである。さらに、車室側充電ユニット14には、電圧検知部27、車室側表示部28および車室側キー入力部29がそれぞれ設けられている。
【0031】
また、本実施形態においては、充電制御部7は、駐車場2の利用者がキー入力部8を操作して車室番号を入力して充電予約を行った場合に、車室番号とともに充電受付情報を充電リストとしてメモリ10に記憶させるように構成されている。そして、充電制御部7は、メモリ10に記憶された充電リストから充電の対象となる車室番号を読み出し、この対象となる車室番号における充電が可能となるように充電ON信号を車室側充電ユニット14に出力するように構成されている。
【0032】
この場合において、本実施形態においては、充電受付情報として、パスワードを設定することができるように構成されている。すなわち、充電制御部7は、利用者がキー入力部8を操作してパスワードを入力した際に、このパスワードを充電受付情報とともにメモリ10に記憶させるものである。このパスワードは、利用者による入力のみならず、充電制御部7によりランダムに設定するようにしてもよい。また、パスワードを設定した際に、利用者の要求に応じて、充電制御部7によりプリンタユニット12を駆動制御して、パスワードを印刷することができるように構成されている。
【0033】
なお、本実施形態においては、各車室3に車室側充電ユニット14を設置し、各車室側充電ユニット14を充電制御ユニット6に接続して、充電制御ユニット6により、各車室側充電ユニット14を制御するようにしているが、本発明を、例えば、いわゆるスタンドアロン方式に適用する場合には、図2に示すように、各車室側充電ユニット14に設けられた車室側制御部16により、パスワードの設定を行うようにすればよい。また、この場合には、車室側充電ユニット14にカード処理機13およびプリンタユニット12を搭載するようにすればよい。
【0034】
また、図3は、本発明に係る車両用充電システムを駐車場2に適用する場合の例を示している。この駐車場2は、例えば、駐車場2の各車室3に、駐車中の車両1のロックを行うためのロック装置30が設置されるとともに、精算機31が設けられたCPL方式の駐車場2の例である。このような駐車場2においては、精算機31に、充電制御ユニット6を搭載するようにして、精算機31において、パスワードの設定やパスワードの印刷などを行わせるようにすればよい。
【0035】
また、例えば、図4に示すように、発券機32および精算機31を備えたISP方式の駐車場2に適用することもできる。この駐車場2においては、駐車場2の入口側には、開閉自在とされたゲートバー33を備えた入場ゲート機34が設置されており、入場ゲート機34の手前には、発券機32が設置されている。この発券機32に対応する位置には、その上に位置する車両1を検出して車両検出信号を発生するループコイルなどからなる入場口車両感知器35が配設されている。また、駐車場2の出口側には、ゲートバー36を備えた出場ゲート機37が設置されており、出場ゲート機35の手前には、精算機29が設置されており、精算機31に対応する位置には、その上に位置する車両1を検出して車両検出信号を発生するループコイルなどからなる出場口車両感知器38が配設されている。そして、この駐車場2の各車室3に車室側充電ユニット14を設置するとともに、駐車場2の所定箇所に充電制御ユニット6を設置するようにすればよい。このとき、不正な充電を防止するため、充電制御ユニット6に駐車券を挿入して読み込ませた場合にのみ、充電予約が可能となるようにすればよい。
【0036】
次に、本実施形態の作用について図5に示すフローチャートおよび図6から図14に示す表示画像例を参照して説明する。
【0037】
本実施形態においては、まず、駐車場2の利用者が車両1の充電を希望する場合は、車室側充電ユニット14のカバー部材21を開いて、コンセント20に、車両1の充電プラグを差し込んだ後、充電制御ユニット6において、充電予約受付の入力を行う。
【0038】
すなわち、充電制御ユニット6の表示部9には、図6に示すように、車室番号の入力画面が表示されており(ST1)、利用者が、キー入力部8を操作して、自動車を駐車した車室3の番号を入力して、確認を選択すると、図7に示すように、該当する車室3の充電状況が表示部9に表示される(ST2)。
【0039】
そして、利用者が充電を選択すると(ST3)、図8に示すように、充電開始画面が表示部9に表示され(ST4)、確認を選択すると(ST5)、充電制御部7から車室側制御部16に信号を出力し、車室側制御部16によりロック機構22を動作させてカバー部材21をロックさせる(ST6)。そして、ロック機構22のロックが完了しない場合には(ST7)、図9に示すように、カバー部材21の確認画面を表示部9に表示させ(ST8)、ロック機構22のロックが完了した場合は、図10に示すように、パスワードの設定画面を表示部9に表示させる(ST9)。
【0040】
利用者が、パスワードの設定画面から自動設定を選択した場合には(ST10:YES)、図11に示すように、ランダムに設定されたパスワードを表示部9に表示させる(ST11)。また、利用者が、パスワードの手動設定を選択した場合には(ST12:YES)、図12に示すように、パスワードの入力画面を表示部9に表示させ(ST13)、利用者は、キー入力部8を操作してパスワードを入力する。
【0041】
そして、自動設定または手動設定によりパスワードが設定された後、利用者が確認を選択すると、図13に示すように、パスワード印刷の選択画面を表示部9に表示させる(ST14)。利用者がパスワードの印刷を選択した場合は(ST15:YES)、プリンタユニット12を駆動してパスワードを印刷する(ST16)。また、パスワードの設定なしを選択した場合は(ST17)、図14に示すように、パスワードを設定しない旨の確認画面を表示部9に表示させる(ST18)。
【0042】
そして、パスワードの印刷処理またはパスワードの設定なしの確認処理が完了したら、充電制御部7から車室側制御部16に充電ON信号を送り、車室側制御部16により、電力開閉器23をON動作させ、コンセント20に電源を供給することにより、充電が開始される(ST19)。なお、図8に示す充電開始画面によりキャンセルを選択すると(ST20)、充電を行わずに終了する。
【0043】
次に、本実施形態における充電中および充電終了の動作について、図15に示すフローチャートおよび図16から図20に示す表示画像例を参照して説明する。
【0044】
充電中は、図16に示すように、車室番号入力画面が表示部9に表示されており(ST30)、利用者がキー入力部8から車室番号を入力すると、図17に示すように、現在の充電状況が表示部9に表示される(ST31)。そして、確認を選択すると(ST32)、図18に示すように、充電時間および充電完了までの時間の確認画面が表示部9に表示される(ST33)。
【0045】
一方、現在の充電状況から終了を選択すると(ST34)、充電制御部7により、パスワードが設定されているか否か判断し(ST35)、パスワードが設定されている場合は、図19に示すように、パスワードの入力画面が表示部9に表示される(ST36)。
そして、利用者がパスワードを入力したら、充電制御部7により、パスワードがメモリ10に記憶されているパスワードと合致しているか否か判断し(ST37)、パスワードが合致している場合は(ST37:YES)、充電制御部7から充電OFF信号を車室側制御部16に出力して、充電を終了する(ST38)。
【0046】
その後、カバー部材21のロック機構22を解除して(ST39)、図20に示すように、コンセント20から電源プラグ19を取り外す旨のメッセージ画面を表示させ(ST40)、利用者が電源プラグ19を外して、カバー部材21を閉めることにより(ST41)、全ての充電動作が完了する。
【0047】
ここで、パスワードを忘れてしまった場合には、例えば、精算機29が接続されている場合は、精算機29による精算が完了したら、精算機29から送られる精算情報に基づいてパスワードを解除するようにしてもよい。また、充電制御ユニット6が警備会社や管理会社の中央管理システムにネットワーク接続されている場合は、中央管理システムからネットワークを介して充電制御ユニット6を遠隔操作することにより、パスワードを強制的に解除するようにしてもよい。さらに、充電制御ユニット6がネットワーク接続されていない場合は、あらかじめ強制解除パスワードを設定しておき、警備会社などから強制解除パスワードを利用者に連絡することにより、パスワードを解除させるようにしてもよい。
【0048】
以上述べたように、本実施形態においては、利用者により入力されたパスワードまたは充電制御部7によりランダムに設定されたパスワードを充電受付情報とともにメモリ10に記憶させ、利用者が入力したパスワードと、メモリ10に記憶されたパスワードとが合致した場合に、カバー部材21のロック機構22を解除するようにしているので、充電中に不注意などにより充電が停止されてしまうことを確実に防止することができる。また、カードなどを用いるものではないので、カードの紛失などによる利用不能といった事態を確実に防止することができ、カードなどの再発行などによる余計なコストが生じることもない。
【0049】
なお、前記実施形態においては、各車室3に車室側充電ユニット14を設けるようにしたが、必ずしも、全ての車室3に車室側充電ユニット14を設ける必要はなく、一部の車室3に車室側充電ユニット14を設けて複数の車室3において、この車室側充電ユニット14を共有するようにしてもよい。さらに、各車室3に充電ユニットを設けるのではなく、例えば、精算機31に充電ユニットを設け、この充電ユニットを共有するようにしてもよい。
【0050】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 車両
2 駐車場
3 車室
4 分電盤
6 充電制御ユニット
7 充電制御部
8 キー入力部
9 表示部
10 メモリ
11 タイマ
12 プリンタユニット
13 カード処理機
14 車室側充電ユニット
15 通信部
16 車室側制御部
17 車室側通信部
18 制御用通信線
19 電源プラグ
20 コンセント
21 カバー部材
22 ロック機構
23 電力開閉器
24 電源幹線
25 漏電遮断器
26 電流センサ
27 電圧検知部
28 車室側表示部
29 車室側キー入力部
31 精算機
32 発券機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両を駐車可能とした駐車場に設置される複数の車室と、
外部電源から電力が供給される電源幹線と、
充電受付された前記車両に対応した受付情報を記憶するメモリと、前記メモリから読み出した受付情報に基づく車両に対して充電可能に制御する充電制御部とを備えた充電制御ユニットと、
少なくとも1以上設置され、前記車室に駐車した車両の受電側接続器が接続され前記電源幹線から電力が供給される給電側接続器を備えた充電ユニットと、を備えてなり、
前記充電制御部は、前記メモリに受付情報と関連付けてパスワードを記憶させ、利用者が入力するパスワードと前記メモリに記憶されたパスワードとが合致した場合にのみ充電を終了させるように制御するものであることを特徴とする車両用充電システム。
【請求項2】
前記車室側充電ユニットは、前記給電側接続器に受電側接続器を接続した状態で、受電側接続器が外れないように保持するロック機構を備え、
前記充電制御部は、利用者が入力するパスワードと前記メモリに記憶されたパスワードとが合致した場合にのみ前記ロック機構を解除するように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用充電システム。
【請求項3】
前記車室側充電ユニットは、前記給電側接続器を被覆するカバー部材を開閉自在に備え、
前記ロック機構は、前記カバー部材を閉状態に保持するものであることを特徴とする請求項2に記載の車両用充電システム。
【請求項4】
前記充電制御ユニットは、前記パスワードを印刷するためのプリンタユニットを備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用充電システム。
【請求項5】
前記充電制御部は、利用者が入力したパスワードを前記メモリに受付情報と関連付けて記憶させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用充電システム。
【請求項6】
前記充電制御部は、前記充電制御部がランダムに設定したパスワードを前記メモリに受付情報と関連付けて記憶させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用充電システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−23851(P2012−23851A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159461(P2010−159461)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】