説明

車両用変速機

【課題】昇温後の作動油を作動油必要箇所に早急に供給することができる車両用変速機を提供すること。
【解決手段】本発明の車両用変速機では、作動油ATFを貯留するオイルパン25と、オイルパン25に貯留した作動油ATFをろ過するオイルストレーナ26と、オイルストレーナ26を介して作動油ATFを吸い込むオイルポンプ27と、オイルストレーナ26の近傍に位置し、オイルポンプ27に吸い込まれる作動油ATFを加熱する作動油加熱手段(オイルヒータ)30Aと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動油を加熱する作動油加熱手段を備えた車両用変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コントロールバルブユニットの下流に下流油路を介して連通するオイルウォーマと、コントロールバルブユニットの上流と下流油路に対して選択的に連通するオイルポンプと、を備えた車両用変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、この車両用変速機では、作動油温が低いとき、オイルポンプは下流油路に連通し、オイルポンプから吐出される作動油をオイルウォーマに流入させて作動油温を積極的に昇温する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-307950公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用変速機では、昇温した作動油を作動油必要箇所に早急に供給することができなかった。
すなわち、従来の車両用変速機では、オイルパンに貯留した作動油をオイルポンプで吸い上げ、その後オイルウォーマに供給して加熱する。そのため、作動油がオイルウォーマに到達するまでに時間がかかり、昇温までに時間を要することとなる。その結果、昇温した作動油が作動油必要箇所に供給されるまでに時間がかかってしまう。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、昇温後の作動油を作動油必要箇所に早急に供給することができる車両用変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の車両用変速機では、オイルパンと、オイルストレーナと、オイルポンプと、作動油加熱手段と、を備えている。
前記オイルパンは、作動油を貯留する。
前記オイルストレーナは、前記オイルパンに貯留した作動油をろ過する。
前記オイルポンプは、前記オイルストレーナを介して作動油を吸い込む。
前記作動油加熱手段は、前記オイルストレーナの近傍に位置し、前記オイルポンプに吸い込まれる作動油を加熱する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両用変速機にあっては、作動油加熱手段により、オイルストレーナを経てオイルポンプに吸い込まれる作動油が加熱される。そのため、オイルポンプから吐出する作動油は昇温されたものとなる。この結果、昇温後の作動油を作動油必要箇所に早急に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の車両用変速機を備えたFFハイブリッド車両の要部構成を示すシステムブロック図である。
【図2】実施例1の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【図3】実施例1の車両用変速機で実行される作動油加熱処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施例2の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【図5】実施例3の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【図6】実施例4の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【図7】(a)は実施例5の車両用変速機の要部構成を示す説明図であり、(b)は図7(a)の要部断面図である。
【図8】実施例1の他の例の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【図9】(a)は実施例5の他の例の車両用変速機の要部構成を示す説明図であり、(b)は図9(a)の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の車両用変速機を実施するための形態を、図面に示す実施例1から実施例5に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、構成を説明する。
実施例1の車両用変速機の構成を、「全体システム構成」、「オイルヒータの配置構成」、「作動油加熱処理」に分けて説明する。
【0011】
[全体システム要部構成]
図1は、実施例1の車両用変速機を備えたFFハイブリッド車両の要部構成を示すシステムブロック図である。以下、図1に基づいて、車両用変速機の全体システム構成を説明する。
【0012】
実施例1の車両用変速機は、FFハイブリッド車両に搭載されている。ここで、FFハイブリッド車両は、図1に示すように、エンジン1と、電動駆動ユニット(車両用変速機)2と、図示しない駆動輪と、を備えている。
【0013】
前記エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御や燃料カット制御、等が行われる。また、このエンジン1には、エンジン1を始動する専用モータであるスタータモータ1aが設けられている。
【0014】
前記電動駆動ユニット2は、第1クラッチ21と、モータ/ジェネレータ22と、ベルト式無段変速機構23と、作動油循環システム24と、を備えている。
【0015】
前記第1クラッチ21は、エンジン1とモータ/ジェネレータ22の間に介装されたクラッチである。後述するコントロールバルブ28によって作り出された第1クラッチ油圧により、締結〜解放が制御される。
【0016】
前記モータ/ジェネレータ22は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータ/ジェネレータである。インバータ22aにより作り出された三相交流を印加することにより駆動する。ここで、モータ/ジェネレータ22は、インバータ22aを介して高電圧バッテリ22bからの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作する(力行)。また、モータ/ジェネレータ22のロータがエンジン1や不図示の駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、インバータ22aを介して高電圧バッテリ22bを充電する(回生)。
【0017】
前記ベルト式無段変速機構23は、車速VSPやアクセル開度APOに応じて目標入力回転数を決め、無段階による変速比を自動的に変更する。このベルト式無段変速機構23は、後述するコントロールバルブ28によって作り出されたプライマリ油圧とセカンダリ油圧により、2つのプーリーへのベルト巻き付け径比である変速比が制御される。ベルト式無段変速機構23の変速機出力軸23aには、図外のディファレンシャルが連結され、ディファレンシャルから左右のドライブシャフトを介してそれぞれに左右の駆動輪が設けられている。
【0018】
前記作動油循環システム24は、電動駆動ユニット2において作動油を循環させるシステムである。ここで、作動油ATF(Automatic Transmission Fluid)は、第1クラッチ21の締結・開放作動、ベルト式無段変速機構23の変速作動以外にも、前後進を切り替えるためのクラッチやブレーキの作動や、回転部分の焼き付きを防止するための潤滑、ベルト・クラッチ・ブレーキ等から発生する熱を冷却するなどの働きがある。
そして、この作動油循環システム24は、オイルパン25と、オイルストレーナ26と、オイルポンプ27と、コントロールバルブ28と、オイルヒータ(作動油加熱手段)30と、を備えている。
【0019】
前記オイルパン25は、ベルト式無段変速機構23の鉛直方向下面に取り付けられ、作動油ATFを貯留する。
【0020】
前記オイルストレーナ26は、オイルパン25に貯留した作動油をろ過するフィルター機能を有しており、オイルパン25の内側に配置される。そして、このオイルストレーナ26は、オイルパン25の底面25aに臨む流入開口26aと、流入開口26aから作動油ATFが流入する流入管26b(図2参照)と、オイルポンプ27の吸入口27aに連通して作動油ATFが流出する流出管26c(図2参照)と、流入管26bと流出管26cの間に設けられたオイルフィルタ26d(図2参照)と、を有している。
【0021】
前記オイルポンプ27は、オイルストレーナ26を介して吸入口27aからオイルパン25内の作動油ATFを吸い込み、吐出口27bから吐出した作動油ATFをコントロールバルブ28へ供給する。このオイルポンプ27は、モータ/ジェネレータ22の入力軸22cにチェーン駆動機構27cを介して連結されており、入力軸22cの近傍に配置される。そして、オイルポンプ27は、このチェーン駆動機構27cを介して入力軸22cの回転駆動トルクを伝達することでポンプ駆動する。
【0022】
前記コントロールバルブ28は、オイルポンプ27から吐出された高圧の作動油ATFの油圧を調整してライン圧(元圧)を作り出し、第1クラッチ21やベルト式無段変速機構23等の作動油必要箇所へ作動油ATFを供給する。コントロールバルブ28では、油圧調整の際に多量のドレインが生じるため、このコントロールバルブ28はオイルパン25の内側であって、オイルストレーナ26に近接して設けられる。
そして、このコントロールバルブ28は、内部に多数の油路が形成されたコントロールバルブボディ28a(図2参照)に、スプールとばねを組み合わせたスプールセット、ソレノイドやステップモータ、アキュムレータ、オリフィス等の各部品が組み込まれて形成される。このとき、各部品の一部は、コントロールバルブ用ボルト28b(図2参照)によって、コントロールバルブボディ28aの外側から取り付けられる。
【0023】
前記オイルヒータ30は、オイルストレーナ26の近傍に位置し、オイルポンプ27に吸い込まれる作動油ATFを加熱するものである。このオイルヒータ30は、低電圧バッテリ30aからの電力の供給を受けて発熱する。
【0024】
さらに、この作動油循環システム24では、作動油温センサ29Aと、作動油圧センサ29Bと、を有している。
前記作動油温センサ29Aは、オイルポンプ27から吐出した作動油温を検出する。前記作動油圧センサ29Bは、コントロールバルブ28により作り出されたライン圧の圧力を検出する。
【0025】
[オイルヒータの配置構成]
図2は、実施例1の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【0026】
前記オイルヒータ30は、図2に示すように、円柱形状を呈しており、先端に加熱部31が設けられ、他端に低電圧バッテリ30aに接続する図示しないハーネスが設けられている。そして、このオイルヒータ30は、オイルストレーナ26の近傍で、少なくとも加熱部31がオイルパン25に貯留した作動油ATFに常時浸る位置にブラケット32を介して支持される。これにより、オイルヒータ30は、オイルパン25の内側に配置されて、オイルストレーナ26の流入管26bへ流入する前の作動油ATFを加熱することとなる。
なお、ここでは、オイルヒータ30は、加熱部31がオイルストレーナ26の流入開口26a側に向いた状態で支持される。
【0027】
前記ブラケット32は、オイルヒータ30を支持するヒータ支持部32aと、ヒータ支持部32aから連続してコントロールバルブ28に固定される固定部32bと、を有している。ここで、固定部32bは、コントロールバルブボディ28aに設けられるコントロールバルブ用ボルト28bによって固定される。
すなわち、ブラケット32は、コントロールバルブボディ28aに各種部品を取り付けるためにコントロールバルブ用ボルト28bを設ける際、各種部品と一緒に共締めされる。
また、ブラケット32がコントロールバルブボディ28aに固定されることで、オイルヒータ30は、コントロールバルブ28の近傍位置に配置される。
【0028】
[作動油加熱処理]
図3は、実施例1の車両用変速機で実行される作動油加熱処理の流れを示すフローチャートである。
以下、作動油加熱処理をあらわす図3の各ステップについて説明する。
【0029】
ステップS1では、モータ/ジェネレータ22の駆動に伴ってオイルポンプ27のポンプ駆動が開始したことを検知すると、作動油温センサ29A及び作動油圧センサ29BをON制御し、ステップS2へ移行する。
【0030】
ステップS2では、ステップS1での作動油温センサ29A及び作動油圧センサ29BのON制御に続き、オイルポンプ27から吐出した作動油温(Toil)を作動油温センサ29Aにより検出し、ステップS3へ移行する。
【0031】
ステップS3では、ステップS2での作動油温の検出に続き、検出した作動油温が予め設定した油温閾値A以下であるか否かを判断する。YES(Toil ≦油温閾値A)の場合はステップS4へ移行し、NO(Toil>油温閾値A)の場合は、作動油ATFを加熱する必要がないとしてエンドへ移行する。
ここで、油温閾値Aは、例えば第1クラッチ21の締結・開放動作を円滑に行うことができる作動油温であり、マイナス30℃等の任意の値に設定する。
【0032】
ステップS4では、ステップS3でのToil ≦油温閾値Aとの判断に続き、作動油温が低いとしてオイルヒータ30をON制御し、ステップS5へ移行する。
【0033】
ステップS5では、ステップS4でのオイルヒータ30のON制御に続き、コントロールバルブ28により作り出されたライン圧の圧力(Poil)を作動油圧センサ29Bにより検出し、ステップS6へ移行する。
【0034】
ステップS6では、ステップS5での作動油圧の検出に続き、検出した作動油圧が予め設定した油圧閾値Bを上回ったか否かを判断する。YES(Poil >油圧閾値B)の場合はステップS7へ移行し、NO(Poil≦油温閾値A)の場合は、作動油ATFが十分加熱されていないとしてステップS4へ戻る。
ここで、油圧閾値Bは、例えば第1クラッチ21の締結を可能とする圧力であり、任意の値に設定する。
【0035】
ステップS7では、ステップS6でのPoil >油圧閾値Bとの判断に続き、作動油温が十分に昇温され、必要油圧を出力可能としてオイルヒータ30をOFF制御し、エンドへ移行する。
【0036】
次に、実施例1の車両用変速機の作動油昇温作用について説明する。
【0037】
[作動油昇温作用]
実施例1の車両用変速機を備えたFFハイブリッド車両において、モータ/ジェネレータ22が駆動し、このモータ/ジェネレータ22の駆動に伴ってオイルポンプ27のポンプ駆動が開始したことを検知すると、図3に示すフローチャートでステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。これにより、作動油温センサ29Aによってオイルポンプ27から吐出した作動油温が検出され、検出された作動油温が油温閾値A以下であるか否かが判断される。そして、作動油温が油温閾値A以下であれば、ステップS4へ移行してオイルヒータ30がON制御される。
【0038】
そして、オイルヒータ30がON制御されて加熱部31が発熱し、オイルパン25内の作動油ATFの加熱を開始すると、図3に示すフローチャートでステップS5→ステップS6へと進み、作動油圧センサ29Bによってコントロールバルブ28により作り出されたライン圧の圧力が検出され、検出されたライン圧が油圧閾値Bを上回ったか否かが判断される。そして、作動油圧が油圧閾値Bを上回れば、ステップS7へ移行してオイルヒータ30がOFF制御され、作動油の加熱が停止される。
【0039】
ここで、オイルヒータ30は、オイルストレーナ26の近傍で、少なくとも加熱部31がオイルパン25に貯留した作動油ATFに常時浸る位置にブラケット32を介して支持されている。これにより、オイルヒータ30により、オイルパン25に貯留し、オイルストレーナ26の流入管26bへ流入する前の作動油ATFが加熱される。
つまり、オイルパン25に貯留した作動油ATFは、オイルストレーナ26を介してオイルポンプ27に吸い込まれる前に昇温することができる。
【0040】
そして、オイルストレーナ26に流れ込む前に昇温した作動油ATFは、昇温した状態でオイルポンプ27から吐出され、コントロールバルブ28に供給される。そして、コントロールバルブ28では、油圧を調整してライン圧(元圧)を作り出し、第1クラッチ21やベルト式無段変速機構23等の作動油必要箇所へ昇温した作動油を供給する。
【0041】
このように、実施例1の車両用変速機(電動駆動ユニット2)では、オイルポンプ27に吸い込まれる前に作動油ATFを昇温するため、オイルポンプ27から吐出する作動油ATFはすでに昇温されたものとなる。これにより、昇温後の作動油ATFをコントロールバルブ28から作動油必要箇所に早急に供給することができる。
【0042】
なお、実施例1の車両用変速機では、オイルヒータ30をオイルパン25の内側に配置し、このオイルヒータ30によりオイルストレーナ26の流入管26bへ流入する前の作動油ATFを加熱する。
そのため、オイルヒータ30の設置自由度が高く、レイアウトの制限が低い。さらに、流入開口26aの開口面積を犠牲にすることなく作動油ATFの加熱ができるため、オイルストレーナ26の吸入性能の低下を防止できる。
【0043】
特に、実施例1の車両用変速機では、オイルヒータ30は、コントロールバルブ28に設けられたコントロールバルブ用ボルト28bを介して、このコントロールバルブ28に固定されたブラケット32により支持する。
そのため、ブラケット32は、コントロールバルブ28に取り付ける各種部品と共に、コントロールバルブ用ボルト28bにより共締めされる。これにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0044】
また、ブラケット32をコントロールバルブ28に固定することで、オイルヒータ30がコントロールバルブ28の近傍に位置する。このため、オイルヒータ30の熱によりコントロールバルブボディ28aをも加熱される。これにより、オイルヒータ30によって油圧制御を行う部分、つまりライン圧を作り出す部分が直接暖められる。
すなわち、オイルヒータ30を、コントロールバルブ用ボルト28bを介してコントロールバルブ28に支持することで、オイルストレーナ26の流入管26bへ流入する前の作動油ATFを加熱すると共に、コントロールバルブ28に流れ込んだ作動油ATFを加熱することができる。このため、作動油ATFは、オイルストレーナ26に流入する前に加熱された後、コントロールバルブ28に流れた際再度加熱されることとなる。これにより、作動油ATFはコントロールバルブ28から各油圧必要箇所に供給される前に2回加熱されるため、油温の昇温効果が高まり、油圧応答性の向上を図ることができる。
さらに、ブラケット32やコントロールバルブ用ボルト28bを熱伝導性能の高い材質により形成すれば、オイルヒータ30の熱がコントロールバルブボディ28aに伝わりやすくなり、コントロールバルブ28における作動油ATFの昇温効果をさらに高めることができる。
【0045】
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用変速機にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
【0046】
(1) 作動油ATFを貯留するオイルパン25と、
前記オイルパン25に貯留した作動油ATFをろ過するオイルストレーナ26と、
前記オイルストレーナ26を介して作動油ATFを吸い込むオイルポンプ27と、
前記オイルストレーナ26の近傍に位置し、前記オイルポンプ27に吸い込まれる作動油ATFを加熱する作動油加熱手段(オイルヒータ)30と、
を備えた構成とした。
これにより、昇温後の作動油ATFを作動油必要箇所に早急に供給することができる。
【0047】
(2) 前記オイルストレーナ26は、前記オイルパン25に臨んで前記作動油ATFが流入する流入管26bを有し、
前記作動油加熱手段30は、前記オイルパン25の内側に配置されて、前記流入管26bへ流入する前の作動油ATFを加熱する構成とした。
これにより、オイルヒータ30の設置自由度が高く、レイアウトの制限を低減すると共に、流入開口26aの開口面積を犠牲にすることなく作動油ATFの加熱ができ、オイルストレーナ26の吸入性能の低下を防止できる。
【0048】
(3) 前記オイルポンプ27から吐出された作動油ATFの油圧を調整するコントロールバルブ28を備え、
前記作動油加熱手段30は、前記コントロールバルブ28に設けられたコントロールバルブ用ボルト28bを介して、前記コントロールバルブ28により支持する構成とした。
これにより、コントロールバルブ28に取り付ける各種部品と共に、コントロールバルブ用ボルト28bにより作動油加熱手段30を共締めでき、部品点数の削減を図ることができる。
【実施例2】
【0049】
実施例2は、オイルヒータをオイルパンから差し込んで固定した例である。
図4は、実施例2の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【0050】
実施例2におけるオイルヒータ30Aは、図4に示すように、円柱形状を呈しており、先端に加熱部31が設けられ、他端に低電圧バッテリ30aに接続するハーネス31aが設けられている。そして、このオイルヒータ30Aは、オイルストレーナ26の近傍で、オイルパン25の底面25aを貫通し、このオイルパン25の底面25aにより支持される。
なお、このとき、オイルヒータ30Aは、加熱部31がオイルストレーナ26の流入開口26aと対向した状態で支持される。また、オイルヒータ30Aとオイルパン25との間には、図示しないシール材が設けられ、作動油の漏れが防止される。
【0051】
このような実施例2の車両用変速機において、オイルヒータ30AをON制御すると、加熱部31が発熱して作動油ATFを加熱する。
【0052】
ここで、オイルヒータ30Aがオイルパン25の底面25aを貫通し、この底面25aにより支持されている。そのため、オイルヒータ30Aから延びるハーネス31aはオイルパン25の外側に配策することができる。
つまり、ハーネス31aは作動油ATFに接触することがなくなるため、ハーネス31aに耐油性能が不要となり、絶縁対策も容易になる。
【0053】
また、実施例2では、オイルヒータ30Aの加熱部31がオイルストレーナ26の流入開口26aと対向しているので、オイルストレーナ26に吸い込まれる直前の作動油ATFを加熱することができる。そのため、加熱効率の向上を図ることができる。
【0054】
すなわち、実施例2の車両用変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0055】
(4) 前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Aは、前記オイルパン25を貫通し、前記オイルパン25の底面25aにより支持する構成とした。
これにより、作動油加熱手段30Aから延びるハーネス31aの耐油性能が不要となり、絶縁対策を容易化することができる。
【実施例3】
【0056】
実施例3は、オイルヒータをレベルゲージに固定した例である。
図5は、実施例3の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【0057】
実施例3の車両用変速機では、オイルパン25に貯留した作動油ATF量を検出するレベルゲージ35を備えている。
このレベルゲージ35は、先端部をオイルパン25内の作動油ATFに浸すいわゆるディップスティック式のレベルゲージであり、先端部が作動油ATFに接触する。
【0058】
そして、実施例3のオイルヒータ30Bは、図5に示すように、シート形状を呈しており、レベルゲージ35の先端部に巻きつき固定されている。このとき、一方の面に形成された加熱部31が、外側(作動油ATF側)を向くように固定される。
【0059】
このような実施例3の車両用変速機において、オイルヒータ30BをON制御すると、加熱部31が発熱して作動油ATFを加熱する。
【0060】
ここで、オイルヒータ30Bがレベルゲージ35に巻きつき固定されているため、このオイルヒータ30Bはレベルゲージ35と一体に移動可能となる。つまり、レベルゲージ35をオイルパン25から引き出すと、オイルヒータ30Bもオイルパン25から引き出される。このため、オイルヒータ30Bのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0061】
すなわち、実施例3の車両用変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(5) 前記オイルパン25に貯留した作動油ATF量を検出するレベルゲージ35を備え、
前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Bは、前記レベルゲージ35に設けた構成とした。
これにより、作動油加熱手段30Bをレベルゲージ35と共にオイルパン25から引き出すことができ、作動油加熱手段30Bのメンテナンス性能を向上することができる
【実施例4】
【0062】
実施例4は、オイルヒータをオイルパンの底面外側に固定した例である。
図6は、実施例4の車両用変速機の要部構成を示す説明図である。
【0063】
実施例4のオイルヒータ30Cは、図6に示すように、シート形状を呈しており、オイルパン25の底面25aの外側面に取り付けられている。このとき、一方の面に形成された加熱部31が、オイルパン25側を向くように固定される。また、オイルヒータ30Cは、オイルパン25の底面25aに臨んだオイルストレーナ26の流入開口26aが対向する位置に配置される。
【0064】
このような実施例4の車両用変速機において、オイルヒータ30CをON制御すると、加熱部31が発熱し、オイルパン25の外側面を加熱する。
【0065】
そして、オイルパン25の外側面が加熱されることで、このオイルパン25に貯留された作動油ATFが加熱される。すなわち、オイルヒータ30Cは、オイルパン25の外側からオイルストレーナ26の流入管26bへ流入する前の作動油ATFを加熱する。
【0066】
これにより、オイルヒータ30Cは、作動油ATFと直接接触することなく加熱することができ、オイルヒータ30Cに耐油性能が不要となる。また、このオイルヒータ30Cと低電圧バッテリとを接続するハーネス(不図示)にも耐油性能が不要となり、絶縁対策も容易になる。
また、オイルヒータ30Cはオイルパン25自体を加熱するため、オイルパン25に貯留した作動油ATF全体にオイルヒータ30Cからの熱が効率よく伝達され、効率的に温めることができる。
【0067】
特に、実施例4では、オイルヒータ30Cをオイルパン25の底面25aに臨んだオイルストレーナ26の流入開口26aが対向する位置に配置している。つまり、オイルヒータ30Cは、オイルストレーナ26の流入開口26aの直下に位置することとなる。このため、オイルヒータ30Cによる加熱効率のさらなる向上を図ることができる。
【0068】
すなわち、実施例4の車両用変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0069】
(6) 前記オイルストレーナ26は、前記オイルパン25に臨んで前記作動油ATFが流入する流入管26bを有し、
前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Cは、前記オイルパン25の外側面に取り付けられて、前記流入管26bへ流入する前の作動油ATFを加熱する構成とした。
これにより、作動油加熱手段30Cに耐油性能が不要となり、容易に設置することができる。
【0070】
(7) 前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Cは、前記流入管26bの流入開口26aに対向する位置に設けた構成とした。
これにより、オイルパン25内の作動油ATFの加熱効率の向上を図ることができる。
【実施例5】
【0071】
実施例5は、オイルヒータをオイルストレーナの流入管の内側に配置した例である。
図7(a)は、実施例5の車両用変速機の要部構成を示す説明図であり、(b)は図7(a)の要部断面図である。
【0072】
実施例5のオイルヒータ30Dは、図7に示すように、シート形状を呈しており、オイルストレーナ26の流入管26bの内周面に沿って取り付けられている。このとき、一方の面に形成された加熱部31が、流入管26bの内側を向くように固定される。また、オイルヒータ30Dは加熱部31の背面側に断熱層33を有している。そのため、オイルヒータ30Dとオイルストレーナ26との間に断熱層33が介在することとなる。
【0073】
このような実施例5の車両用変速機において、オイルヒータ30DをON制御すると、加熱部31が発熱し、オイルストレーナ26の流入管26bへ流入した後の作動油ATFを加熱する。
【0074】
これにより、オイルストレーナ26に流入した作動油ATFのみを集中的に加熱することができ、短時間で必要な昇温を図ることができる。
また、オイルヒータ30Dを流入管26bの内側面に取り付けたことで、加熱された作動油ATFはオイルストレーナ26内に吸い込まれ、オイルパン25内に拡散することが防止される。このため、作動油ATFの昇温効果をさらに高めることができる。
【0075】
さらに、この実施例5では、オイルヒータ30Dは加熱部31の背面側に断熱層33を有し、オイルヒータ30Dとオイルストレーナ26との間に断熱層33が介在している。
そのため、オイルヒータ30Dからの熱が拡散することなく流入管26bの内部に留まることができ、作動油ATFの昇温効果をさらに高めることができる。つまり、オイルヒータ30Dの熱がオイルストレーナ26の内部の作動油ATFに伝達し、昇温効果が向上する。
【0076】
このように、実施例5の車両用変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0077】
(8) 前記オイルストレーナ26は、前記オイルパン25に臨んで前記作動油ATFが流入する流入管26bを有し、
前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Dは、前記流入管26bへ流入した後の作動油ATFを加熱する構成とした。
これにより、オイルストレーナ26に流入した作動油ATFのみを集中的に加熱することができ、短時間で必要な昇温を図ることができる。
【0078】
(9) 前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Dは、前記流入管26bの内周面に沿って設けた構成とした。
これにより、加熱された作動油ATFがオイルパン25内に拡散することが防止され、作動油ATFの昇温効果をさらに高めることができる。
【0079】
(10) 前記作動油加熱手段(オイルヒータ)30Dは、加熱部31が設けられた面の背面側に断熱層33を有する構成とした。
このため、オイルヒータ30Dの熱がオイルストレーナ26の内部の作動油ATFに伝達し、昇温効果を向上することができる。
【0080】
以上、本発明の車両用変速機を実施例1〜実施例5に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0081】
上記実施例1では、ブラケット32を介してオイルヒータ30をコントロールバルブ28に固定した例を示した。しかしながらこれに限らず、例えば、図8に示すように、円筒形状のオイルヒータ30Eを、オイルパン25の底面25a上に、図示しないブラケットを介して固定してもよい。このとき、図8ではオイルストレーナ26の流入管26bとオイルヒータ30Eとの干渉を防止するため、オイルヒータ30Eは、流入管26bの延在方向とオイルヒータ30Eの軸方向が直交するように配置されている。また、加熱効率の向上を図るため、流入管26bの流入開口26aの直下にオイルヒータ30Eの加熱部31を配置する。
【0082】
そして、この図8に示すように、オイルヒータ30Eをオイルパン25の底面25a上に配置することで、オイルストレーナ26の作動油吸込効率に影響を与えることなく、作動油ATFの加熱を行うことができる。
【0083】
なお、オイルヒータ30Eを配置する位置は、オイルストレーナ26の流入開口26aの位置に応じて変更する必要があるため、例えばオイルパン25の側面25bにオイルヒータ30Eを固定してもよい。
また、オイルヒータ30Eを、流入管26bの延在方向と軸方向が一致するように配置してもよい。
【0084】
また、実施例2では、オイルパン25の底面25aを貫通したオイルヒータ30Aをオイルパン25で支持した例を示しているが、これに限らず、オイルヒータ30Aがオイルパン25の側面25bを貫通し、この側面25bによってオイルヒータ30Aを支持してもよい。
【0085】
そして、実施例5では、シート状のオイルヒータ30Dをオイルストレーナ26の流入管26bの内周面に沿って設けているが、これに限らない。シート状のオイルヒータ30Fを、図9に示すように、流入管26bの外側を覆うように、流入管26bの外周面に沿って取り付けてもよい。
【0086】
この場合であっても、オイルヒータ30Fは、流入管26bと流出管26cとの間に配置され、流入管26bへ流入した後の作動油ATFを加熱する。これにより、オイルストレーナ26に流入した作動油ATFのみを集中的に加熱することができ、短時間で必要な昇温を図ることができる。
【0087】
また、オイルヒータ30Fの外側面、すなわち加熱部31の背面側を断熱層33で覆うことで、オイルヒータ30Fからの熱の拡散を防止して、オイルストレーナ26内部の作動油ATFに熱を伝達することができて、昇温効果を向上することができる。
【0088】
さらに、実施例1において、オイルヒータ30は低電圧バッテリ30aからの電力供給を受けており、これにより、安全性・信頼性共に確保した上で、安定的に駆動することができるが、これに限らない。例えば、モータ/ジェネレータ22に電力供給を行う高電圧バッテリ22bからの電力供給を受けてオイルヒータ30を駆動してもよい。この場合では発熱量の高いオイルヒータを使用することができる。
また、本発明の車両用変速機を、プラグインハイブリッド車両に適用した場合では、家庭用電源等の外部電源からの電力供給を受けてオイルヒータ30を駆動してもよい。この場合であっても、高出力を実現することができるため、発熱量の高いオイルヒータを使用することができる。
【0089】
そして、実施例3等では、シート形状を呈するオイルヒータ30Bを用いているが、これに限らず、電熱線からなるオイルヒータであってもよい。この場合では、オイルヒータを安価に製造することが可能となる。
また、作動油加熱手段として、オイルヒータではなく、例えばエンジン冷却水等との熱交換により作動油を加熱するいわゆるオイルウォーマであってもよい。
【0090】
そして、実施例1では、ライン圧が油圧閾値Bを超えたらオイルヒータ30をOFF制御するが、このとき、作動油圧センサ29Bによってライン圧をモニタリングしている。しかしながらこれに限らず、例えば、オイルポンプ27の始動時の作動油温と外気温とオイルヒータ30の作動時間とから、出力可能なライン圧を推定してもよい。
この場合では、作動油圧センサ29Bが不要となる。
【0091】
また、オイルヒータの制御は、ライン圧に応じてオイルヒータをOFF制御するものではなく、作動油ATFの温度が予め設定した目標作動油温に達するまで、すなわち作動油温が低温の間は、オイルヒータを駆動し続けるものであってもよい。この場合では、必要な作動油温を維持し続けることができる。また、オイルヒータに電力供給するバッテリの残量に応じてオイルヒータのOFF制御を行ってもよい。
【0092】
さらに、オイルポンプ27として、上記各実施例では、チェーン駆動機構27cを介してモータ/ジェネレータ22の入力軸22cにより駆動される機械式のオイルポンプとしたが、電動モータを有する電動式のオイルポンプであってもよい。
【0093】
そして、実施例1では、本発明の車両用変速機を、FFハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の車両用変速機は、ハイブリッド車両に限らず、エンジン車や電気自動車、燃料電池車等変速機を備えた車両であれば適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 エンジン
2 電動駆動ユニット(車両用変速機)
21 第1クラッチ
22 モータ/ジェネレータ
23 ベルト式無段変速機構
24 作動油循環システム
25 オイルパン
26 オイルストレーナ
26a 流入開口
26b 流入管
26c 流出管
26d オイルフィルタ
27 オイルポンプ
28 コントロールバルブ
28a コントロールバルブボディ
28b コントロールバルブ用ボルト
29A 作動油温センサ
29B 作動油圧センサ
30 オイルヒータ(作動油加熱手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動油を貯留するオイルパンと、
前記オイルパンに貯留した作動油をろ過するオイルストレーナと、
前記オイルストレーナを介して作動油を吸い込むオイルポンプと、
前記オイルストレーナの近傍に位置し、前記オイルポンプに吸い込まれる作動油を加熱する作動油加熱手段と、
を備えたことを特徴とする車両用変速機。
【請求項2】
請求項1に記載された車両用変速機において、
前記オイルストレーナは、前記オイルパンに臨んで前記作動油が流入する流入管を有し、
前記作動油加熱手段は、前記オイルパンの内側に配置されて、前記流入管へ流入する前の作動油を加熱する
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項3】
請求項2に記載された車両用変速機において、
前記オイルポンプから吐出された作動油の油圧を調整するコントロールバルブを備え、
前記作動油加熱手段は、前記コントロールバルブに設けられたコントロールバルブ用ボルトを介して、前記コントロールバルブにより支持する
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項4】
請求項2に記載された車両用変速機において、
前記作動油加熱手段は、前記オイルパンを貫通し、前記オイルパンの底面又は側面により支持する
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項5】
請求項2に記載された車両用変速機において、
前記オイルパンに貯留した作動油量を検出するレベルゲージを備え、
前記作動油加熱手段は、前記レベルゲージに設けた
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項6】
請求項1に記載された車両用変速機において、
前記オイルストレーナは、前記オイルパンに臨んで前記作動油が流入する流入管を有し、
前記作動油加熱手段は、前記オイルパンの外側面に取り付けられて、前記流入管へ流入する前の作動油を加熱する
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項7】
請求項6に記載された車両用変速機において、
前記作動油加熱手段は、前記流入管の流入開口に対向する位置に設けた
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項8】
請求項1に記載された車両用変速機において、
前記オイルストレーナは、前記オイルパンに臨んで前記作動油が流入する流入管を有し、
前記作動油加熱手段は、前記流入管へ流入した後の作動油を加熱する
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項9】
請求項8に記載された車両用変速機において、
前記作動油加熱手段は、前記流入管の内周面に沿って設けた
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項10】
請求項8に記載された車両用変速機において、
前記作動油加熱手段は、前記流入管の外周面に沿って設けた
ことを特徴とする車両用変速機。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載された車両用変速機において、
前記作動油加熱手段は、加熱部が設けられた面の背面側に断熱層を有する
ことを特徴とする車両用変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−113406(P2013−113406A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261912(P2011−261912)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】