車両用操作スイッチ装置
【課題】押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる車両用操作スイッチ装置を提供する。
【解決手段】中立位置から揺動操作可能とされるとともに中立位置で押圧操作可能とされた操作手段1と、操作手段1が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチ11と、操作手段1を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段5と、押圧操作用スイッチ11の右側又は左側に配設され、操作手段1が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチ12、13と、操作手段1を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段6とを備えたものである。
【解決手段】中立位置から揺動操作可能とされるとともに中立位置で押圧操作可能とされた操作手段1と、操作手段1が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチ11と、操作手段1を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段5と、押圧操作用スイッチ11の右側又は左側に配設され、操作手段1が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチ12、13と、操作手段1を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段6とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された所定電装品を操作するための車両用操作スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車のハンドルバー先端側に配設されたハンドルスイッチ装置には、運転者がハンドルグリップを把持しつつ操作可能な複数の操作ノブが形成されている。例えば、二輪車が搭載する前照灯を前方照射又は下方照射に切り替え操作するためのディマースイッチノブ、ホーンを鳴らすためのホーンスイッチノブ、或いは左右何れかのターンシグナルを点滅させるターンシグナルスイッチノブ等がハンドルスイッチ装置に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−254328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用操作スイッチ装置においては、以下の如き問題があった。ハンドルスイッチ装置には、近時において、多種の電装品に対する種々操作スイッチが形成されるに至っており、その操作形態も様々に設定されている。例えば、二輪車にオーディオやカーナビゲーション等の電装品を搭載することも行われており、これらの電装品を操作するため、従来よりも多様な操作形態を有した種々の操作スイッチ装置が必要とされている。
【0005】
即ち、従来より採用されている操作スイッチのほとんどは、接点を用いたものとされていることから、電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせるものにそのまま適用することが困難である場合が多い。例えば押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせる操作スイッチについて、従来の接点構造を用いたターンシグナルスイッチをそのまま適用することが困難とされており、新たな形態の操作スイッチ装置が求められるに至っている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる車両用操作スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、車両に搭載された所定電装品を操作するための車両用操作スイッチ装置において、中立位置から左側又は右側の少なくとも何れか一方に揺動操作可能とされるとともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた操作手段と、前記操作手段が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチと、前記操作手段を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段と、前記操作手段の揺動方向に応じて当該押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設され、前記操作手段が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチと、前記操作手段を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用操作スイッチ装置において、前記操作手段は、操作のための操作ノブが形成されるとともに、押圧操作により前記押圧操作用付勢手段の付勢力に抗して移動して前記押圧操作用スイッチをオンする第1操作手段と、該第1操作手段と別体とされ、且つ、当該第1操作手段に対する揺動操作により前記揺動操作用付勢手段の付勢力に抗して揺動して前記揺動操作用スイッチをオンする第2操作手段とから構成されるとともに、当該第1操作手段及び第2操作手段を収容する収容ケースを具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車両用操作スイッチ装置において、前記第2操作手段は、揺動操作の過程において前記第1操作手段の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能な一対の作動子を有するとともに、それぞれの作動子が前記揺動操作用付勢手段で付勢されて成ることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の車両用スイッチ装置において、前記収容ケースには、前記第2操作手段の揺動操作に伴って前記操作子を摺動させつつ変位させるための摺動形状が形成されるとともに、当該摺動形状には、当該第2操作手段が中立位置にあるとき当該操作子を嵌入させる凹形状が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用操作スイッチ装置を示す全体斜視図
【図2】同車両用操作スイッチ装置の内部構成(蓋部材を取り外した状態)を示す全体斜視図
【図3】同車両用操作スイッチ装置の分解斜視図
【図4】同車両用操作スイッチ装置における操作手段が中立位置にある状態を示す断面図
【図5】同車両用操作スイッチ装置における操作手段が押圧操作された状態を示す断面図
【図6】同車両用操作スイッチ装置における操作手段が揺動操作された状態を示す断面図
【図7】同車両用操作スイッチ装置における摺動形状を示す模式図
【図8】他の形態の摺動形状を示す模式図
【図9】他の形態の摺動形状を示す模式図
【図10】他の形態の摺動形状を示す模式図
【図11】同車両用操作スイッチ装置が適用されるハンドルスイッチ装置を示す斜視図
【図12】本発明の他の実施形態に係る車両用操作スイッチ装置を示す全体斜視図
【図13】同車両用操作スイッチ装置の内部構成を示す全体斜視図
【図14】本発明の更に他の実施形態に係る車両用操作スイッチ装置を示す全体斜視図
【図15】同車両用操作スイッチ装置の内部構成を示す全体斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る車両用操作スイッチ装置は、二輪車(車両)に搭載された所定電装品(例えば、二輪車に搭載されたオーディオ又はカーナビゲーション等)を操作するためのものであり、図1〜3に示すように、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)と、収容ケース4と、押圧操作用スイッチ11と、操作手段1を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段5と、揺動操作用スイッチ(左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13)と、操作手段1を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段6とから主に構成されている。
【0014】
操作手段1は、中立位置(図4の状態)から左側及び右側に揺動操作可能とされる(左側への揺動操作を図6に示す)とともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた(押圧操作状態を図5に示す)もので、第1操作手段2、第2操作手段3及び収容ケース4から主に構成されている。尚、図中符号8は、収容ケース4の開口部位を塞ぐ蓋部材を示しており、当該蓋部材8は、図3に示すように、一体形成された爪部8bを収容ケース4の嵌合孔4bに嵌合させることにより当該収容ケース4に取り付け可能とされている。
【0015】
第1操作手段2は、運転者が操作するための操作ノブ2aが突出形成されるとともに、押圧操作により押圧操作用付勢手段5の付勢力に抗して移動して押圧操作用スイッチ11をオンするものである。より具体的には、第1操作手段2は、長孔2bが形成されており、当該長孔2b内にコイルスプリングから成る押圧操作用付勢手段5を収容したもので、その端面には凸部2dが形成されて成るものとされる。
【0016】
また、第1操作手段2の側面における所定部位には、凹部2cが形成されており、当該凹部2cにコイルスプリング10で付勢された節度部材9の先端が嵌合し得るよう構成されている。これにより、第1操作手段2を押圧操作して節度部材9が凹部2cから脱する際に節度が生じるようになっており、操作性を向上させることができる。尚、押圧操作を止めると、押圧操作用付勢手段5による付勢力で第1操作手段2が初期位置まで戻り、節度部材9の先端が再び凹部2cに嵌合し得るよう構成されている。
【0017】
第2操作手段3は、第1操作手段2と別体とされ、且つ、当該第1操作手段2に対する揺動操作により揺動操作用付勢手段6の付勢力に抗して揺動して左側揺動操作用スイッチ12又は右側揺動操作用スイッチ13の何れかをオンするためのものである。より具体的には、第2操作手段3には、その略中央において上下方向に貫通する貫通溝3eが形成されており、当該貫通溝3e内に第1操作手段2が挿通されて組み付けられる。尚、第1操作手段2における貫通溝3eを臨ませた所定位置には、節度部材9を変位可能に収容するための凹部3dが形成されている。
【0018】
また、第2操作手段3の貫通溝3eには、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)を揺動操作させる際の揺動軸Lが突出形成されている。この揺動軸Lは、第1操作手段2を貫通溝3eに挿通して組み付けた際、当該第1操作手段2の長孔2b内において突出した状態とされるとともに、その先端が蓋部材8の挿通孔8aに嵌合し得るよう構成されている。尚、押圧操作用付勢手段5は、長孔2b内に収容された状態で、一端が当該長孔2bの内周壁面に当接しつつ他端が揺動軸Lの側面に当接し得るようになっている。
【0019】
然るに、操作ノブ2aに対して押圧操作すると、図5で示すように、第2操作手段3の中立位置での静止状態が維持されるとともに、第2操作手段3の貫通溝3eに沿って当該第1操作手段2が押圧操作用付勢手段5の付勢力に抗して直線状に摺動する一方、操作ノブ2aに対して左右何れかの方向に揺動操作すると、図6で示すように、第1操作手段2と共に第2操作手段3が揺動操作用付勢手段6の付勢力に抗して揺動軸Lを中心に揺動するようになっている。
【0020】
更に、第2操作手段3の両側端部には、第1操作手段2の凸部2dと同様の凸部3a、3bがそれぞれ形成されている。而して、操作手段1が中立位置にあるとき、図4に示すように、第1操作手段2の凸部2dと第2操作手段3の凸部3a及び凸部3bとが、一列に並ぶよう構成されており、凸部2dが押圧操作用スイッチ11と対向した位置、凸部3aが左側揺動操作用スイッチ12と対向した位置、凸部3bが右側揺動操作用スイッチ13と対向した位置となるよう組み付けられる。
【0021】
また更に、第2操作手段3の左右両側面には、挿通穴3cが形成されるとともに、当該挿通穴3cには、コイルスプリングから成る揺動操作用付勢手段6でそれぞれ付勢された一対の操作子7が挿通されて組み付けられる。この操作子7は、操作手段1に対する揺動操作の過程において第1操作手段2の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能なものであり、第2操作手段3において左右一対形成されて成るものである。而して、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)を揺動操作すると、操作子7を介して揺動操作用付勢手段6の付勢力が付与されるようになっている。
【0022】
収容ケース4は、第1操作手段2及び第2操作手段3を収容するためのもので、第2操作手段3と対向する内側壁面における操作子7と対応する部位には、摺動形状4aが形成されている。この摺動形状4aは、第2操作手段3の揺動操作に伴って操作子7を摺動させつつ挿通穴3c内において変位させるためのもので、図7に示すように、略中央位置には、当該第2操作手段3が中立位置にあるとき当該操作子7の先端を嵌入させる凹形状4aaが形成されている。
【0023】
これにより、操作手段1を押圧操作して操作子7が摺動形状4a上を摺動すべく凹形状4aaから脱する際に節度が生じるようになっており、操作性を向上させることができる。尚、揺動操作を止めると、揺動操作用付勢手段6による付勢力で第2操作手段3が中立位置(初期位置)まで戻り、操作子7の先端が再び凹形状4aaに嵌合し得るよう構成されている。而して、操作子7が凹形状4aaに嵌合することにより、操作手段1(第2操作手段3)を中立位置にて保持することができる。尚、かかる摺動形状4aに代えて、図8に示すように、略中央において「く字状」に屈曲形成された一対の摺動形状Aであってもよい。
【0024】
また、図9に示すように、一方の摺動形状A(一方の操作子7が摺動する側)には操作子7の先端を嵌合する凹形状Aaが形成されるとともに、他方の摺動形状A(他方の操作子7が摺動する側)には当該凹形状Aaが形成されず、単に「く字状」に屈曲形成されたものであってもよい。この場合、操作手段1を右側へ揺動操作する際と左側へ揺動操作する際とで節度を異ならせることができる。
【0025】
更に、図10に示すように、一方の摺動形状B及び他方の摺動形状Cのそれぞれの略中央に操作子7(実線で示した操作子7)の先端を嵌合する凹形状Ba、Caが形成されるとともに、操作手段1が揺動操作した状態で操作子7が位置する部位にも当該操作子7(二点鎖線で示した操作子7)の先端を嵌合する凹形状Bb、Cbを形成するものであってもよい。この場合、操作手段1を揺動操作した状態を保持させることができる。
【0026】
一方、収容ケース4には、スイッチ用ケース14が取り付けられている。このスイッチ用ケース14内には、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13が形成された基板16や、これら押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13を隔成して防水する防水ブーツ15が収容されている。
【0027】
押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13は、何れもタクトスイッチから成るもので、基板16上において、直線状に等間隔で配設されている。また、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13には、押圧されることにより、電気的なオン信号を形成するための押圧部11a、12a、13aがそれぞれ形成されている。
【0028】
而して、操作手段1(第1操作手段2)が押圧操作された際、図5に示すように、第1操作手段2の凸部2dが防水ブーツ15を介して押圧操作用スイッチ11の押圧部11aを押圧するよう構成されており、これにより、押圧操作用スイッチ11において電気的なオン信号が形成され、かかるオン信号に基づいて所定電装品の一の操作(例えば、カーナビゲーションの音声モードを切り換える操作等)を行わせることができる。
【0029】
また、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)が左側に揺動操作された際、図6に示すように、第2操作手段3の凸部3aが防水ブーツ15を介して左側揺動操作用スイッチ12の押圧部12aを押圧するよう構成されており、これにより、左側揺動操作用スイッチ12において電気的なオン信号が形成され、かかるオン信号に基づいて所定電装品の他の操作(例えば、カーナビゲーションの表示の拡大操作等)を行わせることができる。
【0030】
同様に、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)が右側に揺動操作された際、第2操作手段3の凸部3bが防水ブーツ15を介して右側揺動操作用スイッチ13の押圧部13aを押圧するよう構成されており、これにより、右側揺動操作用スイッチ13において電気的なオン信号が形成され、かかるオン信号に基づいて所定電装品の他の操作(例えば、カーナビゲーションの表示の縮小操作等)を行わせることができる。
【0031】
ここで、本実施形態においては、図11に示すように、ハンドルバーHにおける把持グリップGと隣接した位置に配設されたハンドルスイッチ装置Cに適用される。かかるハンドルスイッチ装置Cは、前照灯を前方照射と下方照射とで切り換え操作するためのディマースイッチノブCa、左右何れかのターンシグナルを点灯させるターンシグナルスイッチノブCb、及びホーンを鳴らすホーンスイッチノブCc等が形成されるものである。尚、本実施形態に適用されるハンドルスイッチ装置Cは、把持グリップG側に向かって傾斜した傾斜面Cdが形成されており、当該傾斜面Cdにおいて操作ノブ2aを外部に臨ませつつ本車両用操作スイッチ装置が配設されている。
【0032】
上記実施形態によれば、押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる。また、第1操作手段2と第2操作手段3とが別体とされ、押圧操作時には第1操作手段2のみが摺動し、揺動操作時には第2操作手段3と共に第1操作手段2が揺動するよう構成されているので、押圧操作と揺動操作とを確実且つスムーズに行わせることができる。
【0033】
更に、第2操作手段3は、揺動操作の過程において第1操作手段2の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能な一対の作動子7を有するとともに、それぞれの作動子7が揺動操作用付勢手段6で付勢されて成るので、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12又は右側揺動操作用スイッチ13の何れかを確実にオンさせることができ、且つ、装置全体の小型化を図ることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13を構成するタクトスイッチに代えて、操作手段1の押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の所望の操作を行わせ得る他のスイッチとしてもよい。
【0035】
例えば、図12、13に示すように、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをマイクロスイッチm1〜m3で構成するようにしてもよい。この場合、操作手段1を押圧操作すると、第1操作手段2の凸部2dが押圧操作用スイッチを構成するマイクロスイッチm1の押圧部m1aを押圧して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の一の操作を行わせる一方、操作手段1を揺動操作すると、第2操作手段3の凸部3a又は3bの何れか一方が左側揺動操作用スイッチ又は右側揺動操作用スイッチを構成するマイクロスイッチm2又はm2の押圧部m2a又はm2bを押圧して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の他の操作を行わせる。このように、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをマイクロスイッチで構成することにより、防水ブーツの如き別個の防水手段を不要とすることができる。
【0036】
更に、図14、15に示すように、第1操作手段2の端部及び第2操作手段3の左右端部にそれぞれ磁力を発生し得る凸状の磁石g1〜g3を形成するとともに、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをホールIC素子h1〜h3で構成するようにしてもよい。この場合、操作手段1を押圧操作すると、第1操作手段2の磁石g1が押圧操作用スイッチを構成するホールIC素子h1と近接して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の一の操作を行わせる一方、操作手段1を揺動操作すると、第2操作手段3の磁石g2又はg3の何れか一方が揺動操作用スイッチ又はを構成するホールIC素子h2又はh3と近接して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の他の操作を行わせる。このように、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをホールIC素子で構成することにより、非接触にて電気的なオン・オフを行わせることができる。
【0037】
また更に、上記実施形態においては何れも揺動操作用スイッチが押圧操作用スイッチの両側に配設されているが、揺動操作用スイッチは、操作手段1の揺動方向に応じて押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設されたものであってもよい。また、本実施形態においては、二輪車が搭載するオーディオやカーナビゲーションに適用されているが、押圧操作及び揺動操作が必要とされる他の電装品(ターンシグナルを点滅又は点灯操作させるターンシグナルスイッチ装置等)としてもよい。
【0038】
また更に、本実施形態においては二輪車のハンドルバーに取り付けられた車両用操作スイッチ装置に適用されているが、スノーモービルや3輪又は4輪バギーなど、ハンドルバーを具備した他の車両においても適用することができる。尚、ハンドルバーを具備しない車両において、ハンドルバー以外に取り付けられる車両用操作スイッチ装置に適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
中立位置から左側又は右側の少なくとも何れか一方に揺動操作可能とされるとともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた操作手段と、操作手段が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチと、操作手段を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段と、操作手段の揺動方向に応じて当該押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設され、操作手段が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチと、操作手段を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段とを備えた車両用操作スイッチ装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 操作手段
2 第1操作手段
2a 操作ノブ
3 第2操作手段
4 収容ケース
4a 摺動形状
4aa 凹形状
5 押圧操作用付勢手段
6 揺動操作用付勢手段
7 操作子
8 蓋部材
9 節度部材
10 コイルスプリング
11 押圧操作用スイッチ
12 左側揺動操作用スイッチ
13 右側揺動操作用スイッチ
14 スイッチ用ケース
15 防水ブーツ
16 基板
L 揺動軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された所定電装品を操作するための車両用操作スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車のハンドルバー先端側に配設されたハンドルスイッチ装置には、運転者がハンドルグリップを把持しつつ操作可能な複数の操作ノブが形成されている。例えば、二輪車が搭載する前照灯を前方照射又は下方照射に切り替え操作するためのディマースイッチノブ、ホーンを鳴らすためのホーンスイッチノブ、或いは左右何れかのターンシグナルを点滅させるターンシグナルスイッチノブ等がハンドルスイッチ装置に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−254328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用操作スイッチ装置においては、以下の如き問題があった。ハンドルスイッチ装置には、近時において、多種の電装品に対する種々操作スイッチが形成されるに至っており、その操作形態も様々に設定されている。例えば、二輪車にオーディオやカーナビゲーション等の電装品を搭載することも行われており、これらの電装品を操作するため、従来よりも多様な操作形態を有した種々の操作スイッチ装置が必要とされている。
【0005】
即ち、従来より採用されている操作スイッチのほとんどは、接点を用いたものとされていることから、電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせるものにそのまま適用することが困難である場合が多い。例えば押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせる操作スイッチについて、従来の接点構造を用いたターンシグナルスイッチをそのまま適用することが困難とされており、新たな形態の操作スイッチ装置が求められるに至っている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる車両用操作スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、車両に搭載された所定電装品を操作するための車両用操作スイッチ装置において、中立位置から左側又は右側の少なくとも何れか一方に揺動操作可能とされるとともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた操作手段と、前記操作手段が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチと、前記操作手段を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段と、前記操作手段の揺動方向に応じて当該押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設され、前記操作手段が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチと、前記操作手段を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用操作スイッチ装置において、前記操作手段は、操作のための操作ノブが形成されるとともに、押圧操作により前記押圧操作用付勢手段の付勢力に抗して移動して前記押圧操作用スイッチをオンする第1操作手段と、該第1操作手段と別体とされ、且つ、当該第1操作手段に対する揺動操作により前記揺動操作用付勢手段の付勢力に抗して揺動して前記揺動操作用スイッチをオンする第2操作手段とから構成されるとともに、当該第1操作手段及び第2操作手段を収容する収容ケースを具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車両用操作スイッチ装置において、前記第2操作手段は、揺動操作の過程において前記第1操作手段の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能な一対の作動子を有するとともに、それぞれの作動子が前記揺動操作用付勢手段で付勢されて成ることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の車両用スイッチ装置において、前記収容ケースには、前記第2操作手段の揺動操作に伴って前記操作子を摺動させつつ変位させるための摺動形状が形成されるとともに、当該摺動形状には、当該第2操作手段が中立位置にあるとき当該操作子を嵌入させる凹形状が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用操作スイッチ装置を示す全体斜視図
【図2】同車両用操作スイッチ装置の内部構成(蓋部材を取り外した状態)を示す全体斜視図
【図3】同車両用操作スイッチ装置の分解斜視図
【図4】同車両用操作スイッチ装置における操作手段が中立位置にある状態を示す断面図
【図5】同車両用操作スイッチ装置における操作手段が押圧操作された状態を示す断面図
【図6】同車両用操作スイッチ装置における操作手段が揺動操作された状態を示す断面図
【図7】同車両用操作スイッチ装置における摺動形状を示す模式図
【図8】他の形態の摺動形状を示す模式図
【図9】他の形態の摺動形状を示す模式図
【図10】他の形態の摺動形状を示す模式図
【図11】同車両用操作スイッチ装置が適用されるハンドルスイッチ装置を示す斜視図
【図12】本発明の他の実施形態に係る車両用操作スイッチ装置を示す全体斜視図
【図13】同車両用操作スイッチ装置の内部構成を示す全体斜視図
【図14】本発明の更に他の実施形態に係る車両用操作スイッチ装置を示す全体斜視図
【図15】同車両用操作スイッチ装置の内部構成を示す全体斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る車両用操作スイッチ装置は、二輪車(車両)に搭載された所定電装品(例えば、二輪車に搭載されたオーディオ又はカーナビゲーション等)を操作するためのものであり、図1〜3に示すように、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)と、収容ケース4と、押圧操作用スイッチ11と、操作手段1を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段5と、揺動操作用スイッチ(左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13)と、操作手段1を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段6とから主に構成されている。
【0014】
操作手段1は、中立位置(図4の状態)から左側及び右側に揺動操作可能とされる(左側への揺動操作を図6に示す)とともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた(押圧操作状態を図5に示す)もので、第1操作手段2、第2操作手段3及び収容ケース4から主に構成されている。尚、図中符号8は、収容ケース4の開口部位を塞ぐ蓋部材を示しており、当該蓋部材8は、図3に示すように、一体形成された爪部8bを収容ケース4の嵌合孔4bに嵌合させることにより当該収容ケース4に取り付け可能とされている。
【0015】
第1操作手段2は、運転者が操作するための操作ノブ2aが突出形成されるとともに、押圧操作により押圧操作用付勢手段5の付勢力に抗して移動して押圧操作用スイッチ11をオンするものである。より具体的には、第1操作手段2は、長孔2bが形成されており、当該長孔2b内にコイルスプリングから成る押圧操作用付勢手段5を収容したもので、その端面には凸部2dが形成されて成るものとされる。
【0016】
また、第1操作手段2の側面における所定部位には、凹部2cが形成されており、当該凹部2cにコイルスプリング10で付勢された節度部材9の先端が嵌合し得るよう構成されている。これにより、第1操作手段2を押圧操作して節度部材9が凹部2cから脱する際に節度が生じるようになっており、操作性を向上させることができる。尚、押圧操作を止めると、押圧操作用付勢手段5による付勢力で第1操作手段2が初期位置まで戻り、節度部材9の先端が再び凹部2cに嵌合し得るよう構成されている。
【0017】
第2操作手段3は、第1操作手段2と別体とされ、且つ、当該第1操作手段2に対する揺動操作により揺動操作用付勢手段6の付勢力に抗して揺動して左側揺動操作用スイッチ12又は右側揺動操作用スイッチ13の何れかをオンするためのものである。より具体的には、第2操作手段3には、その略中央において上下方向に貫通する貫通溝3eが形成されており、当該貫通溝3e内に第1操作手段2が挿通されて組み付けられる。尚、第1操作手段2における貫通溝3eを臨ませた所定位置には、節度部材9を変位可能に収容するための凹部3dが形成されている。
【0018】
また、第2操作手段3の貫通溝3eには、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)を揺動操作させる際の揺動軸Lが突出形成されている。この揺動軸Lは、第1操作手段2を貫通溝3eに挿通して組み付けた際、当該第1操作手段2の長孔2b内において突出した状態とされるとともに、その先端が蓋部材8の挿通孔8aに嵌合し得るよう構成されている。尚、押圧操作用付勢手段5は、長孔2b内に収容された状態で、一端が当該長孔2bの内周壁面に当接しつつ他端が揺動軸Lの側面に当接し得るようになっている。
【0019】
然るに、操作ノブ2aに対して押圧操作すると、図5で示すように、第2操作手段3の中立位置での静止状態が維持されるとともに、第2操作手段3の貫通溝3eに沿って当該第1操作手段2が押圧操作用付勢手段5の付勢力に抗して直線状に摺動する一方、操作ノブ2aに対して左右何れかの方向に揺動操作すると、図6で示すように、第1操作手段2と共に第2操作手段3が揺動操作用付勢手段6の付勢力に抗して揺動軸Lを中心に揺動するようになっている。
【0020】
更に、第2操作手段3の両側端部には、第1操作手段2の凸部2dと同様の凸部3a、3bがそれぞれ形成されている。而して、操作手段1が中立位置にあるとき、図4に示すように、第1操作手段2の凸部2dと第2操作手段3の凸部3a及び凸部3bとが、一列に並ぶよう構成されており、凸部2dが押圧操作用スイッチ11と対向した位置、凸部3aが左側揺動操作用スイッチ12と対向した位置、凸部3bが右側揺動操作用スイッチ13と対向した位置となるよう組み付けられる。
【0021】
また更に、第2操作手段3の左右両側面には、挿通穴3cが形成されるとともに、当該挿通穴3cには、コイルスプリングから成る揺動操作用付勢手段6でそれぞれ付勢された一対の操作子7が挿通されて組み付けられる。この操作子7は、操作手段1に対する揺動操作の過程において第1操作手段2の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能なものであり、第2操作手段3において左右一対形成されて成るものである。而して、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)を揺動操作すると、操作子7を介して揺動操作用付勢手段6の付勢力が付与されるようになっている。
【0022】
収容ケース4は、第1操作手段2及び第2操作手段3を収容するためのもので、第2操作手段3と対向する内側壁面における操作子7と対応する部位には、摺動形状4aが形成されている。この摺動形状4aは、第2操作手段3の揺動操作に伴って操作子7を摺動させつつ挿通穴3c内において変位させるためのもので、図7に示すように、略中央位置には、当該第2操作手段3が中立位置にあるとき当該操作子7の先端を嵌入させる凹形状4aaが形成されている。
【0023】
これにより、操作手段1を押圧操作して操作子7が摺動形状4a上を摺動すべく凹形状4aaから脱する際に節度が生じるようになっており、操作性を向上させることができる。尚、揺動操作を止めると、揺動操作用付勢手段6による付勢力で第2操作手段3が中立位置(初期位置)まで戻り、操作子7の先端が再び凹形状4aaに嵌合し得るよう構成されている。而して、操作子7が凹形状4aaに嵌合することにより、操作手段1(第2操作手段3)を中立位置にて保持することができる。尚、かかる摺動形状4aに代えて、図8に示すように、略中央において「く字状」に屈曲形成された一対の摺動形状Aであってもよい。
【0024】
また、図9に示すように、一方の摺動形状A(一方の操作子7が摺動する側)には操作子7の先端を嵌合する凹形状Aaが形成されるとともに、他方の摺動形状A(他方の操作子7が摺動する側)には当該凹形状Aaが形成されず、単に「く字状」に屈曲形成されたものであってもよい。この場合、操作手段1を右側へ揺動操作する際と左側へ揺動操作する際とで節度を異ならせることができる。
【0025】
更に、図10に示すように、一方の摺動形状B及び他方の摺動形状Cのそれぞれの略中央に操作子7(実線で示した操作子7)の先端を嵌合する凹形状Ba、Caが形成されるとともに、操作手段1が揺動操作した状態で操作子7が位置する部位にも当該操作子7(二点鎖線で示した操作子7)の先端を嵌合する凹形状Bb、Cbを形成するものであってもよい。この場合、操作手段1を揺動操作した状態を保持させることができる。
【0026】
一方、収容ケース4には、スイッチ用ケース14が取り付けられている。このスイッチ用ケース14内には、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13が形成された基板16や、これら押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13を隔成して防水する防水ブーツ15が収容されている。
【0027】
押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13は、何れもタクトスイッチから成るもので、基板16上において、直線状に等間隔で配設されている。また、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13には、押圧されることにより、電気的なオン信号を形成するための押圧部11a、12a、13aがそれぞれ形成されている。
【0028】
而して、操作手段1(第1操作手段2)が押圧操作された際、図5に示すように、第1操作手段2の凸部2dが防水ブーツ15を介して押圧操作用スイッチ11の押圧部11aを押圧するよう構成されており、これにより、押圧操作用スイッチ11において電気的なオン信号が形成され、かかるオン信号に基づいて所定電装品の一の操作(例えば、カーナビゲーションの音声モードを切り換える操作等)を行わせることができる。
【0029】
また、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)が左側に揺動操作された際、図6に示すように、第2操作手段3の凸部3aが防水ブーツ15を介して左側揺動操作用スイッチ12の押圧部12aを押圧するよう構成されており、これにより、左側揺動操作用スイッチ12において電気的なオン信号が形成され、かかるオン信号に基づいて所定電装品の他の操作(例えば、カーナビゲーションの表示の拡大操作等)を行わせることができる。
【0030】
同様に、操作手段1(第1操作手段2及び第2操作手段3)が右側に揺動操作された際、第2操作手段3の凸部3bが防水ブーツ15を介して右側揺動操作用スイッチ13の押圧部13aを押圧するよう構成されており、これにより、右側揺動操作用スイッチ13において電気的なオン信号が形成され、かかるオン信号に基づいて所定電装品の他の操作(例えば、カーナビゲーションの表示の縮小操作等)を行わせることができる。
【0031】
ここで、本実施形態においては、図11に示すように、ハンドルバーHにおける把持グリップGと隣接した位置に配設されたハンドルスイッチ装置Cに適用される。かかるハンドルスイッチ装置Cは、前照灯を前方照射と下方照射とで切り換え操作するためのディマースイッチノブCa、左右何れかのターンシグナルを点灯させるターンシグナルスイッチノブCb、及びホーンを鳴らすホーンスイッチノブCc等が形成されるものである。尚、本実施形態に適用されるハンドルスイッチ装置Cは、把持グリップG側に向かって傾斜した傾斜面Cdが形成されており、当該傾斜面Cdにおいて操作ノブ2aを外部に臨ませつつ本車両用操作スイッチ装置が配設されている。
【0032】
上記実施形態によれば、押圧操作と揺動操作との両者を選択的に行わせることができるとともに、押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の操作を行わせることができる。また、第1操作手段2と第2操作手段3とが別体とされ、押圧操作時には第1操作手段2のみが摺動し、揺動操作時には第2操作手段3と共に第1操作手段2が揺動するよう構成されているので、押圧操作と揺動操作とを確実且つスムーズに行わせることができる。
【0033】
更に、第2操作手段3は、揺動操作の過程において第1操作手段2の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能な一対の作動子7を有するとともに、それぞれの作動子7が揺動操作用付勢手段6で付勢されて成るので、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12又は右側揺動操作用スイッチ13の何れかを確実にオンさせることができ、且つ、装置全体の小型化を図ることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、押圧操作用スイッチ11、左側揺動操作用スイッチ12及び右側揺動操作用スイッチ13を構成するタクトスイッチに代えて、操作手段1の押圧操作及び揺動操作により電気的なオン信号を形成して所定電装品の所望の操作を行わせ得る他のスイッチとしてもよい。
【0035】
例えば、図12、13に示すように、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをマイクロスイッチm1〜m3で構成するようにしてもよい。この場合、操作手段1を押圧操作すると、第1操作手段2の凸部2dが押圧操作用スイッチを構成するマイクロスイッチm1の押圧部m1aを押圧して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の一の操作を行わせる一方、操作手段1を揺動操作すると、第2操作手段3の凸部3a又は3bの何れか一方が左側揺動操作用スイッチ又は右側揺動操作用スイッチを構成するマイクロスイッチm2又はm2の押圧部m2a又はm2bを押圧して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の他の操作を行わせる。このように、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをマイクロスイッチで構成することにより、防水ブーツの如き別個の防水手段を不要とすることができる。
【0036】
更に、図14、15に示すように、第1操作手段2の端部及び第2操作手段3の左右端部にそれぞれ磁力を発生し得る凸状の磁石g1〜g3を形成するとともに、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをホールIC素子h1〜h3で構成するようにしてもよい。この場合、操作手段1を押圧操作すると、第1操作手段2の磁石g1が押圧操作用スイッチを構成するホールIC素子h1と近接して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の一の操作を行わせる一方、操作手段1を揺動操作すると、第2操作手段3の磁石g2又はg3の何れか一方が揺動操作用スイッチ又はを構成するホールIC素子h2又はh3と近接して電気的なオン信号を形成し、所定電装品の他の操作を行わせる。このように、押圧操作用スイッチ、左側揺動操作用スイッチ及び右側揺動操作用スイッチをホールIC素子で構成することにより、非接触にて電気的なオン・オフを行わせることができる。
【0037】
また更に、上記実施形態においては何れも揺動操作用スイッチが押圧操作用スイッチの両側に配設されているが、揺動操作用スイッチは、操作手段1の揺動方向に応じて押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設されたものであってもよい。また、本実施形態においては、二輪車が搭載するオーディオやカーナビゲーションに適用されているが、押圧操作及び揺動操作が必要とされる他の電装品(ターンシグナルを点滅又は点灯操作させるターンシグナルスイッチ装置等)としてもよい。
【0038】
また更に、本実施形態においては二輪車のハンドルバーに取り付けられた車両用操作スイッチ装置に適用されているが、スノーモービルや3輪又は4輪バギーなど、ハンドルバーを具備した他の車両においても適用することができる。尚、ハンドルバーを具備しない車両において、ハンドルバー以外に取り付けられる車両用操作スイッチ装置に適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
中立位置から左側又は右側の少なくとも何れか一方に揺動操作可能とされるとともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた操作手段と、操作手段が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチと、操作手段を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段と、操作手段の揺動方向に応じて当該押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設され、操作手段が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチと、操作手段を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段とを備えた車両用操作スイッチ装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 操作手段
2 第1操作手段
2a 操作ノブ
3 第2操作手段
4 収容ケース
4a 摺動形状
4aa 凹形状
5 押圧操作用付勢手段
6 揺動操作用付勢手段
7 操作子
8 蓋部材
9 節度部材
10 コイルスプリング
11 押圧操作用スイッチ
12 左側揺動操作用スイッチ
13 右側揺動操作用スイッチ
14 スイッチ用ケース
15 防水ブーツ
16 基板
L 揺動軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された所定電装品を操作するための車両用操作スイッチ装置において、
中立位置から左側又は右側の少なくとも何れか一方に揺動操作可能とされるとともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた操作手段と、
前記操作手段が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチと、
前記操作手段を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段と、
前記操作手段の揺動方向に応じて当該押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設され、前記操作手段が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチと、
前記操作手段を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段と、
を備えたことを特徴とする車両用操作スイッチ装置。
【請求項2】
前記操作手段は、
操作のための操作ノブが形成されるとともに、押圧操作により前記押圧操作用付勢手段の付勢力に抗して移動して前記押圧操作用スイッチをオンする第1操作手段と、
該第1操作手段と別体とされ、且つ、当該第1操作手段に対する揺動操作により前記揺動操作用付勢手段の付勢力に抗して揺動して前記揺動操作用スイッチをオンする第2操作手段と、
から構成されるとともに、当該第1操作手段及び第2操作手段を収容する収容ケースを具備したことを特徴とする請求項1記載の車両用操作スイッチ装置。
【請求項3】
前記第2操作手段は、揺動操作の過程において前記第1操作手段の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能な一対の作動子を有するとともに、それぞれの作動子が前記揺動操作用付勢手段で付勢されて成ることを特徴とする請求項2記載の車両用操作スイッチ装置。
【請求項4】
前記収容ケースには、前記第2操作手段の揺動操作に伴って前記操作子を摺動させつつ変位させるための摺動形状が形成されるとともに、当該摺動形状には、当該第2操作手段が中立位置にあるとき当該操作子を嵌入させる凹形状が形成されたことを特徴とする請求項3記載の車両用操作スイッチ装置。
【請求項1】
車両に搭載された所定電装品を操作するための車両用操作スイッチ装置において、
中立位置から左側又は右側の少なくとも何れか一方に揺動操作可能とされるとともに、当該中立位置で押圧操作可能とされた操作手段と、
前記操作手段が押圧操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の一の操作を行わせる押圧操作用スイッチと、
前記操作手段を押圧操作位置から中立位置に常時付勢する押圧操作用付勢手段と、
前記操作手段の揺動方向に応じて当該押圧操作用スイッチの右側又は左側の少なくとも何れか一方に配設され、前記操作手段が揺動操作された際に電気的なオン信号を形成して所定電装品の他の操作を行わせる揺動操作用スイッチと、
前記操作手段を揺動操作位置から中立位置に常時付勢する揺動操作用付勢手段と、
を備えたことを特徴とする車両用操作スイッチ装置。
【請求項2】
前記操作手段は、
操作のための操作ノブが形成されるとともに、押圧操作により前記押圧操作用付勢手段の付勢力に抗して移動して前記押圧操作用スイッチをオンする第1操作手段と、
該第1操作手段と別体とされ、且つ、当該第1操作手段に対する揺動操作により前記揺動操作用付勢手段の付勢力に抗して揺動して前記揺動操作用スイッチをオンする第2操作手段と、
から構成されるとともに、当該第1操作手段及び第2操作手段を収容する収容ケースを具備したことを特徴とする請求項1記載の車両用操作スイッチ装置。
【請求項3】
前記第2操作手段は、揺動操作の過程において前記第1操作手段の押圧操作方向と略直交する方向に変位可能な一対の作動子を有するとともに、それぞれの作動子が前記揺動操作用付勢手段で付勢されて成ることを特徴とする請求項2記載の車両用操作スイッチ装置。
【請求項4】
前記収容ケースには、前記第2操作手段の揺動操作に伴って前記操作子を摺動させつつ変位させるための摺動形状が形成されるとともに、当該摺動形状には、当該第2操作手段が中立位置にあるとき当該操作子を嵌入させる凹形状が形成されたことを特徴とする請求項3記載の車両用操作スイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−49024(P2011−49024A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196321(P2009−196321)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】
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