説明

車両用施解錠制御装置

【課題】利便性の低下を抑制しつつ、高いセキュリティレベルの確保することができる車両用施解錠制御装置を提供する。
【解決手段】メモリ21Mには車両側ローリングコードが記録され、車両制御部21は、施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値が、メモリ21Mに記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値よりも大きい場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する。また、該施解錠規制制御の実行状態において車両制御部21は、携帯機10との相互通信が成立したことを条件として、該施解錠規制制御の実行を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって所持される携帯機との通信に基づいて車両のドア錠の施解錠を制御する車両用施解錠制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車においては、車両の利便性能と盗難防止性能とを高めるべく、ユーザによって所持される携帯機と車載装置との間で無線通信を行い、該無線通信が成立したことを条件としてドア錠の施解錠を自動的に行うことによって車両の高いセキュリティを確保する車両用施解錠制御システムが提案されている。
【0003】
具体的には、例えば特許文献1や特許文献2に示されるように、無線通信機能を有する携帯機には施解錠操作部が設けられ、該施解錠操作部が操作された際に、該携帯機から該操作の旨と固有のIDコードとを含む施解錠操作信号が送信されるようになっている。そして、車載装置は、こうした施解錠操作信号を受信すると、該施解錠操作信号に含まれるIDコードと自身に予め設定されたIDコードとに基づいて照合を行い、該照合が成立した際にドア錠を施解錠させるようになっている。
【0004】
また、この種の車両用施解錠制御システムでは、携帯機は、施解錠操作部が操作される毎にその操作回数を加算するとともに、その加算したカウント値を示すコード(携帯機側ローリングコード)をIDコードに付した状態で施解錠操作信号を送信するようになっている。
【0005】
一方、車載装置は、携帯機から送信された施解錠操作信号を受信すると、その施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値が、自身に記録された車両側ローリングコードの値よりも大きいと判断した際には、前記IDコードの照合を行い、該照合の一致に基づいてドア錠の施解錠を行う。それとともに車載装置は、該施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードを新たな車両側ローリングコードとして更新する。このため、車載装置は、次に施解錠操作信号を受信した際には、更新した車両側ローリングコードと用いてローリングコードの比較を行うこととなる。
【0006】
これに対し、車載装置は、受信した携帯機からの施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値が車両側ローリングコードの値以下であると判断した場合には、前記IDコードの照合に基づくドア錠の施解錠を行わない。すなわちこの場合には、たとえ施解錠操作信号に含まれるIDコードと車載装置に設定されたIDコードとが一致しているとしても、施解錠が行われない。
【0007】
したがって、こうした車両用施解錠制御システムでは、正規の携帯機を用いてドア錠の施解錠を行う場合、施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値は、常に車載装置に記録された車両側ローリングコードの値よりも大きくなり、ドア錠を確実に施解錠させることができる。また、たとえ施解錠操作信号が不正に傍受され、その傍受された施解錠操作信号によってドア錠が施解錠されようとしても、正規の携帯機によって一旦ドア錠が施解錠されると、傍受された施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値は、車両側ローリングコードの値以下となる。このため、傍受された施解錠操作信号による施解錠は不能となる。よって、施解錠操作信号の不正な傍受に基づくドア錠の施解錠操作を防止することができ、車両の高いセキュリティレベルが確保される。
【特許文献1】特開2001−27063号公報
【特許文献2】特開平8−193443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、こうしたローリングコードを用いた車両用施解錠制御システムにおいては、携帯機と車載装置との通信が不能な箇所等において携帯機の施解錠操作部が操作されると、携帯機側ローリングコードの値のみが操作回数分加算され、車両側ローリングコードの値は加算されない。すなわち、状況によっては、携帯機側ローリングコードの値と車両側ローリングコードの値との間に大きな差分が生じてしまうおそれがある。
【0009】
こうした場合、防犯性の観点では、車載装置はIDコードの照合を行わないようにすることが望ましい。なぜなら、例えば集合駐車場に駐車した状態でユーザが携帯機を紛失したり盗難に遭ったりした場合、該携帯機の不正入手者は、該携帯機の施解錠操作部を操作しながら対応する車両を探し出すことが考えられる。この場合、不正入手者は、車載装置との通信が不能な場所で何回も施解錠操作部を操作することが予想されるため、携帯機のローリングコードは大きな値となる。よって、携帯機側ローリングコードの値と車両側ローリングコードの値との間に大きな差分が生じた際にIDコードの照合を禁止することにより、たとえ不正入手者が対応する車両と通信可能な領域で施解錠操作部を操作してもドア錠の施解錠は行われなくなるため、車両を特定することができなくなる。
【0010】
一方、利便性の観点では、両ローリングコードの値に大きな差分が生じたとしても、車載装置がIDコードの照合を行い、該携帯機を用いたドア錠の施解錠を行うことが望ましい。すなわち、ユーザが意図せずに施解錠操作部を操作してしまったが故に両ローリングコードの値に大きな差分が生じてしまった場合には、携帯機がユーザによって所持されているにも拘わらず、ドア錠を施解錠させることができないといった問題が生じてしまう。
【0011】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性の低下を抑制しつつ、高いセキュリティレベルの確保することができる車両用施解錠制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、施解錠操作部の操作回数に応じて変化する携帯機側ローリングコードとともに固有の識別コードを含む施解錠操作信号を無線送信する携帯機と通信可能に構成され、該施解錠操作信号に含まれる識別コードと予め設定された識別コードとの照合結果と、受信した前記携帯機側ローリングコードと自身に設定された車両側ローリングコードとの比較結果とに基づいてドア錠の施解錠を行う車両用施解錠制御装置であって、前記施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が行われる毎に前記携帯機側ローリングコードの値を前記車両側ローリングコードとして記録する記録手段と、前記携帯機側ローリングコードの値が、前記記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値の範囲外である場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する一方、該施解錠規制制御の実行状態において予め設定された車両に対する直接的な特定の操作が行われた場合には、該施解錠規制制御の実行を停止する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0013】
上記構成によると、携帯機側ローリングコードの値が、記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値の範囲外である場合には、施解錠規制制御が実行されることにより、該施解錠操作信号に基づく施解錠が不可となる。すなわち、車両用施解錠装置と通信不能な箇所において携帯機の施解錠操作部が閾値を超える回数操作された場合には、たとえその後に車両用施解錠装置と通信可能な箇所において施解錠操作部が操作されたとしても、その操作に基づく施解錠は行われない。このため、携帯機の不正入手者によってドア錠が施解錠されてしまうのを抑止することが可能となる。また、こうした施解錠規制制御の実行状態においても、車両に対して直接的な特定の操作が行われた場合には、施解錠規制制御の実行が停止され、施解錠操作部の操作に基づくドア錠の施解錠が可能となる。このため、正規のユーザは、該特定の操作を行うことにより、施解錠操作部の操作に基づいてドア錠を施解錠させることができるようになる。ちなみに、こうした車両に対する直接的な特定の操作を行うためには、車両の特定が必要であることから、携帯機の不正入手者が対応する車両を特定できない限りは、施解錠規制制御の実行を停止させることができないため、車両のセキュリティレベルを著しく低下させることもない。よって、こうした車両用施解錠制御装置によると、利便性の低下を抑制しつつ、高いセキュリティレベルを確保することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用施解錠制御装置において、前記制御手段は、機械鍵を用いてドア錠が施解錠されたことを条件として、前記施解錠規制制御の実行を停止することを要旨とする。
【0015】
上記構成によると、施解錠規制制御の実行状態にあっては、機械鍵を用いてドア錠の施解錠が行われた際に、該施解錠規制制御の実行が停止される。すなわち、車両と対応する機械鍵を用いたドア錠の施解錠が行われた場合にのみ、施解錠規制制御の実行が停止される。このため、該施解錠規制制御の実行を停止させるためには、対応する車両の特定が必要であるとともに、その車両と対応する機械鍵が必要となる。よって、携帯機の不正入手者による該施解錠規制制御の実行停止をより確実に抑制することができる。また、正規のユーザにとっては、該施解錠規制制御の実行を停止させるために機械鍵によるドア錠の施解錠操作が必要となるものの、それ以後は携帯機の施解錠操作部を操作することによるドア錠の施解錠が可能となることから、利便性が著しく低下することもない。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の車両用施解錠制御装置において、車両室内の一部の領域に駆動電波を送信するとともに、その駆動電波に応答して送信された携帯機からの無線信号を受信したことを条件として車両の駆動を許可する機能を有し、前記制御手段は、該車両の駆動が許可されたことを前記特定の操作が行われたと認識して、前記施解錠規制制御の実行を停止することを要旨とする。
【0017】
上記構成によると、施解錠規制制御の実行状態にあっては、車両室内における携帯機との通信に基づいて車両の駆動が許可された際に、該施解錠規制制御の実行が停止される。すなわち、携帯機が車両室内に存在する場合に、施解錠規制制御の実行が停止される。このため、該施解錠規制制御の実行を停止させるためには、対応する車両の特定が必要となり、利便性の低下を抑制しつつ、高いセキュリティレベルを確保することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、施解錠操作部の操作回数に応じて変化する携帯機側ローリングコードとともに固有の識別コードを含む施解錠操作信号を無線送信するとともに、対応する応答要求信号を受信したことを条件として前記固有の識別コードを含む応答信号を無線送信する携帯機と通信可能に構成され、前記施解錠操作信号の識別コードと予め設定された識別コードとの照合結果と、受信した前記携帯機側ローリングコードと自身に設定された車両側ローリングコードとの比較結果とに基づいてドア錠を施解錠する単方向通信施解錠制御を行う一方、前記応答要求信号を前記施解錠操作信号の通信領域よりも狭領域に設定された車両周辺の車外領域に送信するとともに、前記応答信号の受信有無に基づいてドア錠の施解錠を許可または実行する双方向通信施解錠制御を行う車両用施解錠制御装置であって、前記施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が行われる毎に前記携帯機側ローリングコードの値を前記車両側ローリングコードとして記録する記録手段と、前記携帯機側ローリングコードの値が、前記記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値の範囲外である場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する一方、該施解錠規制制御の実行状態において、前記双方向通信が成立した場合には、該施解錠規制制御の実行を停止する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0019】
上記構成によると、携帯機側ローリングコードの値が、記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値の範囲外である場合には、施解錠規制制御が実行されることにより、該施解錠操作信号に基づく施解錠が不可となる。すなわち、車両用施解錠装置と通信不能な箇所において携帯機の施解錠操作部が閾値を超える回数操作された場合には、たとえその後に車両用施解錠装置と通信可能な箇所において施解錠操作部が操作されたとしても、その操作に基づく施解錠は行われない。このため、携帯機の不正入手者によってドア錠が施解錠されてしまうのを抑止することが可能となる。また、こうした施解錠規制制御の実行状態においても、携帯機と車両用施解錠制御装置との双方向通信(相互通信)が成立すると、該施解錠規制制御の実行が停止される。こうした相互通信は自動的に行われるため、ユーザは、車両に近づくだけで何ら操作を行うことなく、施解錠規制制御の実行を停止させることができる。しかも、施解錠操作信号の通信領域よりも狭領域で可能となることから、携帯機を対応する車両の近傍に位置させないと該相互通信が行われない。このため、こうした相互通信を成立させるためには車両の特定が必要であることから、携帯機の不正入手者が対応する車両を特定できない限りは、施解錠規制制御の実行を停止させることができないため、車両のセキュリティレベルを著しく低下させることもない。よって、こうした車両用施解錠制御装置によると、利便性を損なうことなく、高いセキュリティレベルを確保することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したように、本発明によれば、利便性の低下を抑制しつつ、高いセキュリティレベルの確保することができる車両用施解錠制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、車両用施解錠制御システム1は、車両の所有者(ユーザ)によって所持される携帯機10と、車両2に配設された車両用施解錠制御装置としての車載装置20とを備えている。
【0022】
<携帯機10の構成>
携帯機10は無線通信機能を有し、車載装置20と相互通信可能となっている。詳しくは、携帯機10は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットによって構成された通信制御部11と、その通信制御部11に電気的に接続された受信回路12及び送信回路13とを備えている。
【0023】
受信回路12は、車載装置20から送信される応答要求信号(リクエスト信号)を受信すると、該リクエスト信号をパルス信号に復調して通信制御部11に出力する。
通信制御部11は不揮発性のメモリ11Mを備え、そのメモリ11Mには予め設定された固有の識別コード(IDコード)が記録されている。そして、通信制御部11は、受信回路12からリクエスト信号が入力されると、メモリ11Mに記録されたIDコードを含むIDコード信号を送信回路13に出力する。
【0024】
また、通信制御部11には、施解錠操作部14が電気的に接続されている。この施解錠操作部14は、携帯機10の意匠面に設けられた押しボタンスイッチ等によって構成され、ユーザによって施錠操作及び解錠操作が可能となっている。そして、通信制御部11は、施解錠操作部14から施錠操作が行われた旨または解錠操作が行われた旨を示す操作信号が入力されると、図3に示すように、該施解錠操作部14の操作回数に基づいて算出された携帯機側ローリングコードと、操作信号に基づく施錠コードまたは解錠コードと、IDコードとを含む施解錠操作信号を送信回路13に出力する。なお、携帯機側ローリングコードは、施解錠操作部14が操作される毎にその操作回数が予め設定された基準値(例えば100)に加算されることによって算出されるカウント値に相当するものであり、該施解錠操作部14が操作される度に通信制御部11によって算出されるとともに、メモリ11Mに記録される。
【0025】
送信回路13は、通信制御部11から入力されるIDコード信号及び施解錠操作信号を、所定周波数(例えば300MHz)の電波に変調して外部に送信する。なお、図2に示すように、IDコード信号及び施解錠操作信号の送信強度は、受信回路12によるリクエスト信号の受信限界領域(車外領域A1)よりも車両2から離間した位置に携帯機10が位置している状態においても車載装置20が該IDコード信号及び施解錠操作信号を受信可能となる強度に設定されている。具体的には、同図に示すように、携帯機10が車両2から距離L(例えば10m)だけ離間している状態においても、車載装置20が受信可能となるような送信領域A2にIDコード信号及び施解錠操作信号が送信されるようになっている。このため、施解錠操作信号に基づく車載装置20との通信領域は、IDコード信号に基づく車載装置20との通信領域よりも広くなっている。
【0026】
<車載装置20の構成>
図2に示すように、車載装置20は車両2の室内の略中央に配設され、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータユニットによって構成された制御手段しての車両制御部21を備えている。この車両制御部21には、送信回路22と、受信回路23とが電気的に接続されている。
【0027】
送信回路22は、車両制御部21からリクエスト信号が入力されると、そのリクエスト信号を所定周波数(例えば124kHz)の電波に変調するとともに、送信アンテナ22aを介して図2に破線で示す車外領域A1(例えば車両2から1〜2m程度の狭領域)において携帯機10との通信が可能となる強度で該リクエスト信号を送信する。
【0028】
受信回路23は、前記携帯機10から送信されるIDコード信号や施解錠操作信号を、受信アンテナ23aを介して受信可能となっている。そして、受信回路23は、該受信アンテナ23aによってIDコード信号または施解錠操作信号を受信すると、その受信信号をパルス信号に復調して車両制御部21に出力する。
【0029】
車両制御部21は、記録手段としての不揮発性のメモリ21Mを備え、そのメモリ21Mには、対応する携帯機10に設定されたIDコードと同等のIDコード、施錠コード及び解錠コードが記録されている。また、同メモリ21Mには、車両制御部21によって更新される車両側ローリングコードが記録されている。
【0030】
車両制御部21には、アウトサイドドアハンドル3にそれぞれ設けられたドアハンドルセンサ31及びロックスイッチ32と、ドアロック装置33とが電気的に接続されている。なお、ドアハンドルセンサ31は、アウトサイドドアハンドル3に対する人の接触を検出するセンサであり、該人の接触を検出した際にその旨を示す検出信号を車両制御部21に出力する。ロックスイッチ32は、アウトサイドドアハンドル3に設けられた押しボタンスイッチ等によって構成され、操作された際にその旨を示す操作信号を車両制御部21に出力する。また、ドアロック装置33は、ドア錠を自動的に施解錠する装置であり、車両制御部21から解錠信号が入力されるとドア錠を解錠し、施錠信号が入力されるとドア錠を施錠するとともに、ドア錠の施解錠状態を示す施解錠状態信号を車両制御部21に出力する。このため、車両制御部21は、施解錠状態信号に基づいて、ドア錠の施解錠状態を認識可能となる。
【0031】
<双方向(相互)通信に基づくドア錠の施解錠制御>
こうした車両制御部21は、車外領域A1にリクエスト信号を送信することによって携帯機10との相互通信が成立した場合、すなわち車外領域A1内に携帯機10が存在する場合には、ドアロック装置33を駆動制御するドア錠制御を行う。詳しくは、車両制御部21は、ドア錠が施錠状態であり、且つ室内に携帯機10が存在していない状態にあっては、送信回路22に対してリクエスト信号を所定の間欠周期で自動的に出力し、該リクエスト信号を前記車外領域A1に送信させる。そして、該リクエスト信号に応答して送信された携帯機10からのIDコード信号が受信回路23によって受信されると、車両制御部21は、該IDコード信号に含まれるIDコードとメモリ21Mに記録されたIDコードとの比較(IDコード照合)を行う。その結果、該IDコード同士が一致すると、すなわちIDコード照合が成立すると、車両制御部21は、携帯機10との相互通信が成立したと判断して、ドア錠解錠許可状態となる。そして、車両制御部21は、この状態においてドアハンドルセンサ31から、アウトサイドドアハンドル3に対する人の接触を検出した旨の検出信号が入力されると、ドアロック装置33に対して解錠信号を出力してドア錠を解錠させる。また、こうしたドア錠の解錠状態においてロックスイッチ32から操作信号が入力されると、車両制御部21は、ドアロック装置33に対して施錠信号を出力してドア錠を施錠させる。
【0032】
<単方向通信に基づくドア錠の施解錠制御>
また、車両制御部21は、受信回路23から施解錠操作信号が入力されると、まず、その施解錠操作信号に含まれるIDコードとメモリ21Mに記録されたIDコードとの比較(IDコード照合)を行う。その結果、該IDコード同士が一致した場合、すなわちIDコード照合が成立した場合、車両制御部21は、施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値(カウント値)と、メモリ21Mに記録された車両側ローリングコードの値とを比較する。その結果、携帯機側ローリングコードの値が車両側ローリングコードの値よりも大きく、且つその差分値が予め設定された閾値以下である場合には、車両制御部21は、施錠コードまたは解錠コードに基づいてドアロック装置33に施錠信号または解錠信号を出力してドア錠を施解錠させる。それとともに、車両制御部21は、携帯機側ローリングコードの値を、新たな車両側ローリングコードとしてメモリ21Mに記録する。すなわちこの場合、車両制御部21は、携帯機10からの単方向通信に基づいてドア錠の施解錠制御を行うとともに、車両側ローリングコードの値を更新する。
【0033】
一方、携帯機側ローリングコードの値が車両側ローリングコードの値以下の場合、車両制御部21はドア錠の施解錠制御を行わない。このため、たとえ施解錠操作信号に含まれるIDコードがメモリ21Mに記録されたIDコードと一致する場合であっても、ドア錠の施解錠制御は行われない。すなわちこの場合、車両制御部21は、受信した施解錠操作信号が不正に複製されたものであると判断してドア錠の施解錠制御を行わないようになっている。
【0034】
さらに、携帯機側ローリングコードの値が車両側ローリングコードの値よりも高い値であっても、その差分値が前記閾値を超えている場合には、車両制御部21はドア錠の施解錠を行わない施解錠規制制御を実行する。すなわちこの場合、車両制御部21は、携帯機側ローリングコードの値が携帯機10の不正操作によって著しく高まったおそれがあると判断して、該携帯機10の施解錠操作部14の操作に基づくドア錠の施解錠制御を不能とする制御を実行する。
【0035】
そして、こうした施解錠規制制御の実行状態において車両制御部21は、携帯機10との前記相互通信に基づくドア錠の解錠が行われた場合、すなわち携帯機10との相互通信が成立した状態でドアハンドルセンサ31に人の接触があったことに基づいてドア錠の解錠を行った場合に、該施解錠規制制御の実行を停止する。このため、以後は、携帯機10の施解錠操作部14を操作することによる単方向通信に基づくドア錠の施解錠が可能となる。
【0036】
<施解錠動作>
次に、このように構成された車両用施解錠制御システム1によるドア錠の施解錠動作を、図4に示すシーケンスチャートに従って説明する。
【0037】
同図に示すように、ステップS1において携帯機10は、施解錠操作部14が操作されると、その操作に対応した施解錠操作信号を、図2に示した前記送信領域A2に送信する。
【0038】
車載装置20は、その施解錠操作信号を受信すると、ステップS2において前記IDコード照合を行い、該IDコード照合が成立しない場合には施解錠制御を行わずに処理を終了する。これに対し、該IDコード照合が成立すると、車載装置20は、ステップS3において携帯機側ローリングコードの値が車両側ローリングコードの値よりも大きいか否かを判断する。その結果、車載装置20は、否定判断の場合には施解錠制御を行わずに処理を終了し、肯定判断の場合にはステップS4において該携帯機側ローリングコードの値を新たな車両側ローリングコードとしてメモリ21Mに記録する。
【0039】
続くステップS5において車載装置20は、車両制御部21が現時点において施解錠規制制御の実行中であるか否かを判断し、その結果が肯定判断の場合にはここでの処理を一旦終了する。これに対し、該結果が否定判断の場合、ステップS6において車載装置20は、前記ステップS3において比較した携帯機側ローリングコードの値と車両側ローリングコードの値との差分値が、前記閾値以下であるか否かを判断する。その結果が肯定判断の場合、すなわち該差分値が閾値以下であると判断した場合、車載装置20は、ステップS7において施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠動作を行う。これに対し、該結果が否定判断の場合、すなわち該差分値が閾値よりも大きいと判断した場合、車載装置20は、ステップS8において施解錠規制制御を実行する。
【0040】
<施解錠規制制御の実行停止>
続いて、施解錠規制制御の実行を停止するための動作を、図5に示すシーケンスチャートに従って説明する。
【0041】
前述したように、車載装置20は、車外領域A1に対してリクエスト信号を自動的に送信し、携帯機10との自動的な相互通信に基づいてドア錠の施解錠が可能となっている。そこで、本実施形態において車載装置20は、こうした相互通信の成立有無に基づいて施解錠規制制御の実行を停止する制御を行うようになっている。
【0042】
詳しくは、ステップS11において車載装置20は、リクエスト信号を前記車外領域A1に送信する。
携帯機10は、その車外領域A1に送信されたリクエスト信号を受信すると、ステップS12においてIDコード信号を送信する。
【0043】
そして、車載装置20は、そのIDコード信号を受信すると、ステップS13においてIDコード照合を行い、該IDコード照合が成立するとドア錠の解錠許可状態となる。こうした解錠許可状態で、ステップS14においてドアハンドルセンサ31によりアウトサイドドアハンドル3に対する人の接触を検出すると、車載装置20はドア錠を解錠させる。
【0044】
それとともに、車載装置20は、ステップS15において、車両制御部21が現時点において施解錠規制制御の実行中であるか否かを判断し、その結果が肯定判断の場合にはここでの処理を一旦終了する。これに対し、該結果が否定判断の場合、ステップS16において車載装置20は、施解錠規制制御の実行を停止する。
【0045】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)施解錠操作信号に含まれる携帯機側ローリングコードの値が、メモリ21Mに記録されたローリングコードの値に対して予め設定された閾値よりも大きい場合には、施解錠規制制御が実行されることにより、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が不可となる。すなわち、車載装置20と通信不能な箇所において携帯機10の施解錠操作部14が閾値を超える回数操作された場合には、たとえその後に車載装置20と通信可能な箇所において施解錠操作部14が操作されたとしても、その操作に基づくドア錠の施解錠は行われない。このため、車両2から離間した位置でのドア錠の施解錠が不能となることにより、携帯機10の不正入手者によってドア錠が施解錠されてしまうのを抑止することができる。また、こうした施解錠規制制御の実行状態においても、携帯機10と車載装置20との車外領域A1内での双方向通信(相互通信)が成立すると、該施解錠規制制御の実行が停止される。車外領域A1は狭領域であることから、携帯機10を対応する車両2の近傍に位置させないと該相互通信が行われない。このため、こうした相互通信を成立させるためには車両2の特定が必要であることから、携帯機10の不正入手者が対応する車両2を特定できない限りは、施解錠規制制御の実行を停止させることができない。よって、車両2のセキュリティレベルを著しく低下させることもない。それゆえ、こうした車両用施解錠制御システム1によると、利便性を損なうことなく、高いセキュリティレベルを確保することができる。
【0046】
(2)携帯機10と車載装置20との相互通信は、携帯機10を所持するユーザが車両2に近接するだけで自動的に行われる。このため、該ユーザは、車両2に近づくだけで何ら操作を行うことなく、施解錠規制制御の実行を停止させることができる。よって、高い利便性を維持しつつ、高レベルのセキュリティを確保することができる。
【0047】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態において車両制御部21は、施解錠規制制御の実行状態にあっては、携帯機10との相互通信の成立に基づいてドア錠が解錠されたことをトリガとして、該施解錠規制制御の実行状態を停止するようになっている。しかし、車両制御部21は、携帯機10との相互通信が成立した時点で施解錠規制制御の実行を停止するようになっていてもよい。
【0048】
・ 図4のステップS3において、「携帯機側ローリングコード≧車両側ローリングコード」の条件を満たしている場合に、車両制御部21がステップS3の処理へ移行するようにしてもよい。なお、この場合において車両制御部21は、ステップS4において携帯機側ローリングコードの値に「1」を加算した値を新たな車両側ローリングコードとしてメモリ21Mに記録する。
【0049】
・ 前記実施形態において車両制御部21は、車外領域A1に送信したリクエスト信号をトリガとした携帯機10との相互通信が成立したことを条件として施解錠規制制御の実行を停止するようになっている。しかしながら、例えば携帯機10及び車載装置20にトランスポンダ通信機能が設けられるとともに、該トランスポンダ通信に基づいてエンジンの始動が許可されるようになっている場合には、車両制御部21は、こうしたトランスポンダ通信が成立したことを条件として施解錠規制制御の実行を停止するようになっていてもよい。なお、トランスポンダ通信機能とは、携帯機10のバッテリ切れ時においても携帯機10と車載装置20との間で通信を可能とする機能である。具体的には、携帯機10には、トランスポンダ駆動電波の電磁エネルギーによって起動して固有のトランスポンダコードを含む無線信号を送信するトランスポンダが設けられる。また、車載装置20には、車両2の室内における運転席周辺の狭領域にトランスポンダ駆動電波を送信するトラポン送信部と、トランスポンダから送信される無線信号を受信するトラポン受信部と、該トランスポンダ駆動電波の送信制御を行うとともに、該無線信号に含まれるトランスポンダコードが対応するものであると判断した際にエンジンの始動を許可する許可制御を行うトラポン制御部とが設けられる。なお、トランスポンダ送信部は送信回路22、トランスポンダ制御部は車両制御部21によって構成されてもよい。
【0050】
このようにした場合においても、実質的には車両2に対する直接的な操作が行われたことを条件として施解錠規制制御の実行が停止されることとなり、該車両2を特定できない限り、該施解錠規制制御の実行を停止させることはできない。よって、携帯機10の不正入手者が対応する車両2を特定できない限りは、施解錠規制制御の実行を停止させることができず、車両2のセキュリティレベルを著しく低下させることもない。それゆえ、こうした車両用施解錠制御システム1によっても、利便性を損なうことなく、高いセキュリティレベルを確保することができる。
【0051】
・ 一般に、前述したような無線通信による電子照合を用いた車両用施解錠制御システム1においては、バッテリ切れ等を要因とする通信不能時におけるフェイルセーフとして、機械鍵(エマージェンシーキー)を用いたドア錠の施解錠が可能となっている。そこで、車両制御部21は、こうした機械鍵を用いたドア錠の施解錠が行われた際に、施解錠規制制御の実行を停止するようになっていてもよい。
【0052】
具体的には、例えば図6に示すように、施解錠規制制御の実行中にあっては、車両制御部21は、ステップS21において機械鍵によるドア錠の施解錠操作が行われたか否かを判断する。その結果、車両制御部21は、機械鍵による施解錠操作が行われていない場合にはここでの処理を一旦終了し、機械鍵による施解錠操作が行われた場合にはステップS22において施解錠規制制御の実行を停止する。そして、ステップS23において車両制御部21は、次回のローリングコードの比較時における閾値を無効化する。詳しくは、車両制御部21は、図4に示したステップS6の処理において、携帯機側ローリングコードの値と車両側ローリングコードの値との差分値がたとえ前記閾値よりも大きくても、ドア錠の施解錠動作を行うようにする。
【0053】
このようにした場合においても、施解錠規制制御の実行を停止させるためには、対応する車両2の特定が必要であるとともに、その車両2と対応する機械鍵が必要となる。よって、携帯機10の不正入手者による該施解錠規制制御の実行停止をより確実に抑制することができる。正規のユーザにとっては、該施解錠規制制御の実行を停止させるために機械鍵によるドア錠の施解錠操作が必要となるものの、それ以後は携帯機10の施解錠操作部14を操作することによるドア錠の施解錠が可能となることから、利便性が著しく低下することもない。
【0054】
・ 上記変更例を適用した態様においては、携帯機10及び車載装置20における相互通信機能を省略してもよい。すなわち、携帯機10から受信回路12を省略するとともに、車載装置20から送信回路22を省略してもよい。
【0055】
・ 車両制御部21は、携帯機10との相互通信の成立を条件として施解錠規制制御の実行を停止することに限らない。すなわち、車両制御部21は、例えば相互通信の成立有無にかかわらず、アウトサイドドアハンドル3に対する人の接触が検出されたことや、ロックスイッチ32が操作されたこと等、車両2に対して何らかの直接的な操作が行われたことを条件として施解錠規制制御の実行を停止するようになっていてもよい。
【0056】
・ 前記実施形態において車両制御部21は、施解錠操作信号が入力された際に、IDコード照合(図4におけるステップS2参照)を行った後にローリングコードの比較(ステップS3)を行うようになっている。しかしながら、車両制御部21は、まずローリングコードの比較を行い、該判定条件を満たした場合にIDコード照合を行うようになっていてもよい。
【0057】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用施解錠制御装置において、前記制御手段は、前記記録手段に記録されたローリングコードの値を、前記施解錠操作信号に含まれるローリングコードの値に変更することにより、前記施解錠規制制御の実行を停止すること。この(1)に記載の技術的思想によれば、施解錠規制制御の実行を容易且つ確実に停止することができる。
【0058】
(2) 施解錠操作部の操作回数に応じて変化する携帯機側ローリングコードとともに固有の識別コードを含む施解錠操作信号を無線送信する携帯機と通信可能に構成され、該施解錠操作信号に含まれる識別コードと予め設定された識別コードとの照合結果と、受信した前記携帯機側ローリングコードと自身に設定された車両側ローリングコードとの比較結果とに基づいてドア錠の施解錠を行う車両用施解錠制御装置であって、前記施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が行われる毎に前記携帯機側ローリングコードの値を前記車両側ローリングコードとして記録する記録手段と、前記携帯機側ローリングコードの値が、前記記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値よりも大きい場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する一方、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠以外の方法でドア錠の施解錠が行われた場合には、該施解錠規制制御の実行を停止する制御手段とを備えること。
【0059】
(3) 施解錠操作部を有するとともに、その施解錠操作部の操作回数に応じて変化する携帯機側ローリングコードとともに固有の識別コードを含む施解錠操作信号を無線送信する通信制御手段を有する携帯機と、該携帯機と通信可能に構成され、該施解錠操作信号に含まれる識別コードと予め設定された識別コードとの照合結果と、受信した前記携帯機側ローリングコードと自身に設定された車両側ローリングコードとの比較結果とに基づいてドア錠の施解錠を行う車載装置とを備える車両用施解錠制御装置であって、前記車載装置は、前記施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が行われる毎に前記携帯機側ローリングコードの値を前記車両側ローリングコードとして記録する記録手段と、前記携帯機側ローリングコードの値が、前記記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値よりも大きい場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する一方、該施解錠規制制御の実行状態において予め設定された車両に対する直接的な特定の操作が行われた場合には、該施解錠規制制御の実行を停止する制御手段とを備えること。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態の車両用施解錠制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の車両用施解錠制御システムを搭載した車両と携帯機との関係を模式的に示す平面図。
【図3】同実施形態の施解錠操作信号を模式的に示す図。
【図4】同実施形態の施解錠動作の一例を示すシーケンスチャート。
【図5】同実施形態の施解錠規制制御の実行停止動作の一例を示すシーケンスチャート。
【図6】他の実施形態の施解錠規制制御の実行停止動作の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0061】
1…車両用施解錠制御システム、2…車両、10…携帯機、14…施解錠操作部、20…車載装置(車両用施解錠制御装置)、21…制御手段としての車両制御部、21M…記録手段としてのメモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施解錠操作部の操作回数に応じて変化する携帯機側ローリングコードとともに固有の識別コードを含む施解錠操作信号を無線送信する携帯機と通信可能に構成され、該施解錠操作信号に含まれる識別コードと予め設定された識別コードとの照合結果と、受信した前記携帯機側ローリングコードと自身に設定された車両側ローリングコードとの比較結果とに基づいてドア錠の施解錠を行う車両用施解錠制御装置であって、
前記施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が行われる毎に前記携帯機側ローリングコードの値を前記車両側ローリングコードとして記録する記録手段と、
前記携帯機側ローリングコードの値が、前記記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値の範囲外である場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する一方、該施解錠規制制御の実行状態において予め設定された車両に対する直接的な特定の操作が行われた場合には、該施解錠規制制御の実行を停止する制御手段とを備えることを特徴とする車両用施解錠制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、機械鍵を用いてドア錠が施解錠されたことを条件として、前記施解錠規制制御の実行を停止することを特徴とする請求項1に記載の車両用施解錠制御装置。
【請求項3】
車両室内の一部の領域に駆動電波を送信するとともに、その駆動電波に応答して送信された携帯機からの無線信号を受信したことを条件として車両の駆動を許可する機能を有し、
前記制御手段は、該車両の駆動が許可されたことを前記特定の操作が行われたと認識して、前記施解錠規制制御の実行を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用施解錠制御装置。
【請求項4】
施解錠操作部の操作回数に応じて変化する携帯機側ローリングコードとともに固有の識別コードを含む施解錠操作信号を無線送信するとともに、対応する応答要求信号を受信したことを条件として前記固有の識別コードを含む応答信号を無線送信する携帯機と通信可能に構成され、
前記施解錠操作信号の識別コードと予め設定された識別コードとの照合結果と、受信した前記携帯機側ローリングコードと自身に設定された車両側ローリングコードとの比較結果とに基づいてドア錠を施解錠する単方向通信施解錠制御を行う一方、
前記応答要求信号を前記施解錠操作信号の通信領域よりも狭領域に設定された車両周辺の車外領域に送信するとともに、前記応答信号の受信有無に基づいてドア錠の施解錠を許可または実行する双方向通信施解錠制御を行う車両用施解錠制御装置であって、
前記施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠が行われる毎に前記携帯機側ローリングコードの値を前記車両側ローリングコードとして記録する記録手段と、
前記携帯機側ローリングコードの値が、前記記録手段に記録された車両側ローリングコードの値に対して予め設定された閾値の範囲外である場合には、該施解錠操作信号に基づくドア錠の施解錠を不可とする施解錠規制制御を実行する一方、該施解錠規制制御の実行状態において、前記双方向通信が成立した場合には、該施解錠規制制御の実行を停止する制御手段とを備えることを特徴とする車両用施解錠制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−224663(P2007−224663A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48932(P2006−48932)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】