説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、光源の交換作業が煩雑であり、また、ランプがフロントバンパから外れる虞がある。
【解決手段】この発明は、リアバンパーBの取付孔Dの縁に固定される第1ブラケット2および第2ブラケット3と、第1ブラケット2に着脱可能に取り付けられているランプユニット4およびカバー5と、ランプユニット4およびカバー5を第1ブラケット2にリアバンパーBの表側から裏側に着脱可能に取り付けるスクリュー6およびスプリング7と、を備えるものである。この結果、この発明は、ランプユニット4の光源23の交換が簡単であり、ランプユニット4がリアバンパーBに確実に取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体に着脱可能に取り付けられる車両用灯具に関するものである。詳しくは、この発明は、たとえばバンパーなどの車体に着脱可能に取り付けられるたとえばリアフォグランプやフロントフォグランプなどの車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用灯具について説明する。前者の従来の車両用灯具は、バンパーにブラケットをボルトおよびナットにより固定するとともに、ブラケットの一部をバンパーの貫通孔にバンパーの表側から裏側に貫通させ、そのブラケットの一部にフォグランプをボルトおよびナットによりバンパーの裏側において着脱可能に取り付けるものである。前者の従来の車両用灯具は、ボルトおよびナットがバンパーの裏側に位置し、かつ、バンパーの貫通孔やブラケットがフォグランプで覆い隠されるので、見栄えが向上される。また、後者の従来の車両用灯具は、フロントバンパの貫通孔の縁に環状のブラケットを固定し、ランプのランプハウジングをフロントバンパの貫通孔およびブラケット中にフロントバンパの表側から裏側に貫通させ、ランプのランプハウジングに取り付けられている板ばねをブラケットの縁に押圧させ、かつ、ランプのランプハウジングの凹所をブラケットの切り込みに係止させることにより、ランプをフロントバンパにフロントバンパの表側において着脱可能に取り付けるものである。
【0003】
ところが、前者の従来の車両用灯具は、フォグランプの光源を交換する場合、バンパーの裏側においてボルトおよびナットを工具を使用して外して、フォグランプをバンパーから取り外す必要がある。このために、前者の従来の車両用灯具は、バンパーの裏側において工具を使用してボルトおよびナットを取り外すスペースが無い場合には、バンパーを車両から取り外す必要があり、光源の交換作業が煩雑である。また、後者の従来の車両用灯具は、板ばねのばね力で、ランプをフロントバンパにフロントバンパの表側において着脱可能に取り付けるものであるから、ランプの光源の交換作業が簡単である。ところが、後者の従来の車両用灯具は、板ばねのばね力で、ランプをフロントバンパに着脱可能に取り付けるものであるから、車両の振動などにより、板ばねが撓んで、ランプがフロントバンパから外れる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−138828号公報
【特許文献2】特開平10−223004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、光源の交換作業が煩雑であり、また、ランプがフロントバンパから外れる虞があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、車体の取付孔の縁に固定されるブラケットと、ブラケットに着脱可能に取り付けられているランプユニットおよびカバーと、ランプユニットおよびカバーをブラケットに車体の表側から裏側に着脱可能に取り付けるスクリューおよびカバー用取付部材と、を備え、ブラケットが、車体の取付孔の縁に固定される固定部と、ランプユニットがスクリューにより着脱可能に取り付けられているランプユニット用取付部と、カバー用取付部材が設けられていてそのカバー用取付部材によりカバーが着脱可能に取り付けられているカバー用取付部と、を有し、ランプユニットが、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、ランプハウジングに着脱可能に取り付けられているソケットと、ソケットに着脱可能に取り付けられていて灯室内に配置されている光源と、スクリューによりブラケットのランプユニット用取付部に着脱可能に取り付けられている取付部と、を有し、カバーには、カバー用取付部材によりブラケットのカバー用取付部に着脱可能に取り付けられている取付部が設けられていて、カバーが、スクリューおよびカバー用取付部材と、ブラケットのランプユニット用取付部およびカバー用取付部と、ランプユニットの取付部およびカバーの取付部と、を覆う形状をなし、カバーのうちランプユニットのランプレンズに対応する部分には、開口部が設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、ブラケットが車体の剛性よりも高い剛性を有する部材からなり、ブラケットが第1ブラケットと第2ブラケットとの2分割構造をなし、第1ブラケットと第2ブラケットとがブラケット固定部材としてのスクリューにより相互に固定されていて、第1ブラケットと第2ブラケットとには、車体の取付孔の縁を表側と裏側とから挟み込んで車体の取付孔の縁に固定される固定部がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、車体の表側において、カバーの取付部をブラケットのカバー用取付部のカバー用取付部材から取り外してカバーを車体から取り外し、かつ、スクリューをランプユニットの取付部およびブラケットのランプユニット用取付部から取り外してランプユニットの取付部をブラケットのランプユニット用取付部から取り外してランプユニットを車体から取り外すことにより、ランプユニットの光源を交換することができる。また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ランプユニットの光源の交換後、車体の表側において、ランプユニットの取付部をブラケットのランプユニット用取付部に位置させてスクリューをランプユニットの取付部およびブラケットのランプユニット用取付部に取り付けてランプユニットを車体に取り付け、かつ、カバーの取付部をブラケットのカバー用取付部のカバー用取付部材に取り付けてカバーを車体に取り付けることができる。このように、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、車体の裏側においてスペースが無い場合であっても、ランプユニットの光源を簡単に交換することができる。
【0009】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、スクリューおよびカバー用取付部材と、ブラケットのランプユニット用取付部およびカバー用取付部と、ランプユニットの取付部およびカバーの取付部と、がカバーにより覆われるので、見栄えが向上される。
【0010】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、車体の剛性よりも高い剛性を有する部材からなりかつ2分割構造をなす第1ブラケットと第2ブラケットとをブラケット固定部材としてのスクリューで相互に固定し、この第1ブラケットの固定部と第2ブラケットの固定部とで車体の取付孔の縁をほぼ全周に亘って表側と裏側とから挟み込んで、車体の取付孔の縁にほぼ全周に亘って第1ブラケットの固定部と第2ブラケットの固定部とをそれぞれ固定するものである。このために、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、車体が第1ブラケットおよび第2ブラケットの剛性よりも低い剛性の部材からなるものであっても、第1ブラケットおよび第2ブラケットを車体の取付孔の縁に確実に固定することができる。これにより、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、ランプユニットおよびカバーを第1ブラケットおよび第2ブラケットに取り付けることにより、ランプユニットおよびカバーを第1ブラケットおよび第2ブラケットを介して車体に確実に取り付けることができる。
【0011】
しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、第1ブラケットおよび第2ブラケット側に固定部およびランプユニット用取付部およびカバー用取付部およびブラケット固定部材としてのスクリューをねじ込む部分などの構造物を設けるものであるから、車体側に前記の構造物を設ける必要が無く、車体の構造を複雑化することが無く、その分、車体の製造コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例を示し、ランプユニットおよびカバーがバンパーに着脱可能に取り付けられている状態の横断面図(水平断面図)である。
【図2】同じく、ランプユニットおよびカバーがバンパーから取り外された状態を示す横断面図(水平断面図)である。
【図3】同じく、ランプユニットおよびカバーがバンパーに着脱可能に取り付けられている状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図4】同じく、ランプユニットおよびカバーがバンパーから取り外された状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図5】同じく、カバーの取付部がカバー用取付部材によりブラケットのカバー用取付部に着脱可能に取り付けられている状態を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図6】同じく、使用状態を示す車両(自動車)の後部の一部斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、この発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0014】
以下、この実施例における車両用灯具の構成について説明する。図1において、符号1は、この実施例における車両用灯具であって、この例ではリアフォグランプである。前記車両用灯具1は、車両(自動車)Cの後部の車体、この例ではリアバンパーBの左右両側に着脱可能に取り付けられている。前記リアバンパーBは、車両Cの後部の車体パネルAに固定部材(図示せず)により固定されている。前記リアバンパーBの左右両側には、取付孔Dがそれぞれ設けられている。
【0015】
前記車両用灯具1は、2分割構造の第1ブラケット2および第2ブラケット3と、ランプユニット4と、カバー5と、ランプユニット用取付部材としての複数本のスクリュー6と、カバー用取付部材としての複数個のスプリング7と、を備えるものである。
【0016】
前記第1ブラケット2は、前記リアバンパーBの剛性よりも高い剛性を有する部材からなる。前記第1ブラケット2は、表側(前記車体パネルA側と反対側)が開口し、かつ、その他が閉塞した形状をなす。前記第1ブラケット2の開口部の縁には、前記リアバンパーの前記取付孔Dの表側の縁に当接して固定される固定部8が一体に設けられている。前記第1ブラケット2の閉塞部には、透孔9が設けられている。
【0017】
前記第1ブラケット2の前記透孔9の縁には、ボス形状の複数個のランプユニット用取付部10が裏側(前記車体パネルA側)に一体に設けられている。また、前記第1ブラケット2の開口部の縁には、中空のブロック形状の複数個のカバー用取付部11が一体に設けられている。さらに、前記第1ブラケット2の開口部の縁には、ボス形状の複数個の第2ブラケット用固定部12が裏側に一体に設けられている。
【0018】
前記第2ブラケット3は、前記第1ブラケット2と同様に前記リアバンパーBの剛性よりも高い剛性を有する部材からなる。前記第2ブラケット3は、前記第1ブラケット2とほぼ同様に、表側が開口し、かつ、その他が閉塞した形状をなす。前記第2ブラケット3の開口部の縁には、前記リアバンパーの前記取付孔Dの表側の縁に当接して固定される固定部13が一体に設けられている。前記第2ブラケット3の閉塞部には、透孔14が設けられている。前記第2ブラケット3の前記透孔14の縁のうち前記第1ブラケット2の前記複数個の第2ブラケット用取付部12に対応する箇所には、複数個の小円形の孔15がそれぞれ設けられている。
【0019】
以下、前記第1ブラケット2および前記第2ブラケット3を前記車両Cの前記リアバンパーBに固定する作業工程について説明する。前記第1ブラケット2を前記リアバンパーBの表側に、かつ、前記第2ブラケット3を前記リアバンパーBの裏側に、それぞれ位置させる。前記第1ブラケット2の閉塞部を前記リアバンパーBの前記取付孔Dおよび前記第2ブラケット3の前記透孔14中に前記リアバンパーBの表側から裏側に挿入して、前記第1ブラケット2の前記固定部8を前記リアバンパーBの前記取付孔Dの表側の縁に当接させる。一方、前記第2ブラケット3の前記固定部13を前記リアバンパーBの前記取付孔Dの裏側の縁に当接させる。この状態で、ブラケット固定部材としての複数本のスクリュー16を前記第2ブラケット3の前記複数個の小円形の孔15の中に通して前記第1ブラケット2の前記複数個の第2ブラケット用固定部12にそれぞれねじ込む(図3および図4参照)。これにより、2分割構造の前記第1ブラケット2と前記第2ブラケット3とが一体となる。また、一体となった前記第1ブラケット2の前記固定部8と前記第2ブラケット3の前記固定部13とが前記リアバンパーBの前記取付孔Dの縁を表側と裏側とから挟み込んで前記リアバンパーBの前記取付孔Dの縁にそれぞれ固定されている。
【0020】
前記ランプユニット4は、灯室17を区画するランプハウジング18およびランプレンズ19を有する。前記ランプハウジング18は、光不透過性の部材からなり、一面側が開口し、かつ、その他側が閉塞した形状をなす。一方、前記ランプレンズ19は、光透過性の部材からなり、一面側が開口し、かつ、その他が閉塞した形状をなす。前記ランプハウジング18の開口部の縁部と前記ランプレンズ19の開口部の縁部とがたとえば超音波溶着などにより固定されている。この結果、前記ランプハウジング18および前記ランプレンズ19により、前記灯室17が区画されている。
【0021】
前記ランプハウジング18の側部には、挿入取付孔20が設けられている。前記挿入取付孔20の縁には、ソケット21が防水用のパッキン22を介して着脱可能に取り付けられている。前記ソケット21には、ウエッジベースバルブタイプの光源23が着脱可能に取り付けられている。前記光源23は、前記挿入取付孔20から前記灯室17内に挿入されて配置されている。前記灯室17内には、前記光源23からの光を所定の配光パターンで前記ランプレンズ19側に反射させるリフレクタ24が配置されている。前記リフレクタ24には、前記光源23が挿入される挿入孔25が設けられている。
【0022】
前記ランプハウジング18および前記ランプレンズ19の固定縁部の近傍には、ボス形状の複数個の取付部26がそれぞれ前記第1ブラケット2の前記複数個のランプユニット用取付部10に対応して一体に設けられている。
【0023】
以下、前記ランプユニット4を前記第1ブラケット2に着脱可能に取り付ける作業工程について説明する。前記ランプユニット4の前記ランプハウジング18を前記第1ブラケット2の前記透孔9中に前記リアバンパーBの表側から裏側に挿入する。前記ランプユニット4の前記複数個の取付部26と前記第1ブラケット2の前記複数個のランプユニット用取付部10とを合わせる。前記複数個の取付部26および前記複数個のランプユニット用取付部10に前記複数本のスクリュー6をそれぞれねじ込む。これにより、前記ランプユニット4が前記第1ブラケット2に着脱可能に取り付けられている。
【0024】
前記カバー5は、前記第1ブラケット2および前記第2ブラケット3の剛性よりも低い剛性の部材からなるものである。前記カバー5は、正面視ほぼ長方形形状をなす。前記カバー5の中央部には、前記カバー5よりも一回り小さい正面視ほぼ長方形形状をなす開口部27が設けられている。
【0025】
前記カバー5の外周縁は、正面側から背面側に折り曲がっている。前記カバー5の外周縁には、パッキン28が設けられている。前記パッキン28は、光漏れや前記リアバンパーBの傷つきなどを防止するためのものである。前記カバー5の左右両端部は、ほぼ平板形状をなす。また、前記カバー5の上下両端部は、背面側から正面側に突出した湾曲形状をなす。
【0026】
前記カバー5の左右両端部の背面側には、板形状の複数個の取付部29がそれぞれ前記第1ブラケット2の前記複数個のカバー用取付部11に対応して一体に設けられている。前記複数個の取付部29と前記カバー5との付け根部が肉薄形状をなしていて、前記複数個の取付部29が撓み易いように構成されている。前記複数個の取付部29には、係止部30がそれぞれ一体に設けられている。
【0027】
前記カバー5は、前記複数本のスクリュー6および前記複数個のスプリング7と、前記第1ブラケット2の前記複数個のランプユニット用取付部10および前記複数個のカバー用取付部11および前記複数個の第2ブラケット用固定部12と、前記ランプユニット4の前記複数個の取付部26および前記カバー5の前記複数個の取付部29および前記複数個の係止部30と、を覆う形状をなすものである。
【0028】
前記スプリング7は、図5に示すように、ほぼ中央部をU字形状に湾曲した形状をなす。前記スプリング7の一端部には、くの字形状に折り曲げられた係止部31が設けられている。また、前記スプリング7の他端部には、一部を切り起こして固定部32が設けられている。前記複数個のスプリング7の前記固定部32が前記第1ブラケット2の前記複数個のカバー用取付部11にそれぞれ固定されている。なお、前記第1ブラケット2の前記複数個のカバー用取付部11および前記第2ブラケット3の前記透孔14の縁には、前記複数個のスプリング7および前記カバー5の前記複数個の取付部29が収容される収容孔33および34がそれぞれ設けられている。また、前記第1ブラケット2の前記複数個のカバー用取付部11には、前記複数個のスプリング7の中央部の湾曲部が倒れ込むのを防ぐリブ35がそれぞれ一体に設けられている。
【0029】
以下、前記カバー5を前記第1ブラケット2に着脱可能に取り付ける作業工程について説明する。前記カバー5の前記複数個の取付部29を前記第1ブラケット2の前記複数個のカバー用取付部11の収容孔33中に前記リアバンパーBの表側から裏側に挿入する。すると、前記カバー5の前記複数個の取付部29の係止部30と前記複数個のスプリング7の係止部31とが相互に弾性係止する。これにより、前記カバー5が前記第1ブラケット2に着脱可能に取り付けられている。
【0030】
このようにして、前記車両1は、前記リアバンパーBに着脱可能に取り付けられることとなる。前記ランプユニット4の前記ランプレンズ19は、前記カバー5の前記開口部27に位置する。また、前記複数本のスクリュー6および前記複数個のスプリング7と、前記第1ブラケット2の前記複数個のランプユニット用取付部10および前記複数個のカバー用取付部11および前記複数個の第2ブラケット用固定部12と、前記ランプユニット4の前記複数個の取付部26および前記カバー5の前記複数個の取付部29および前記複数個の係止部30とは、前記カバー5により覆い隠されている。
【0031】
この実施例における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0032】
まず、ランプユニット4の光源23を点灯させる。すると、光源23から光が放射される。この光は、リフレクタ24で反射されて、所定の配光パターンで所定の方向にランプレンズ19を透過して外部に照射される。
【0033】
つぎに、ランプユニット4の光源23を交換する場合は、まず、リアバンパーBの表側において、手もしくは工具を使用してカバー5の取付部29を撓ませてカバー5の取付部29の係止部30とスプリング7の係止部31との弾性係止状態を解除させる。このとき、第1ブラケット2のリブ35により、スプリング7が倒れ込むのを防ぐことができるので、カバー5の取付部29の係止部30とスプリング7の係止部31との弾性係止状態を簡単に解除させる。カバー5の取付部29の係止部30とスプリング7の係止部31との弾性係止状態を解除させた状態で、カバー5の取付部29を第1ブラケット2のカバー用取付部11の収容孔33からリアバンパーBの表側に取り外す。
【0034】
つづいて、リアバンパーBの表側において、工具を使用してスクリュー6をランプユニット4の取付部26と第1ブラケット2のランプユニット用取付部10とからリアバンパーBの表側に取り外す。この状態において、ランプユニット4のランプハウジング18を第1ユニット2の透孔9からリアバンパーBの表側に取り外す。
【0035】
それから、ランプユニット4において、ソケット21をランプハウジング18から取り外すとともに、光源23をリフレクタ24の挿入孔25およびランプハウジング18の挿入取付孔20からランプハウジング18の外側に取り出す。ここで、光源23をソケット21から取り外して、新たな光源23をソケット21に着脱可能に取り付ける。
【0036】
新たな光源23をランプハウジング18の挿入取付孔20およびリフレクタ24の挿入孔25から灯室17内に挿入して、ソケット21をランプハウジング18に着脱可能に取り付ける。これにより、新たな光源23が灯室17内に配置されることとなる。
【0037】
つぎに、新たな光源23に交換したランプユニット4のランプハウジング18を第1ブラケット2の透孔9中にリアバンパーBの表側から裏側に挿入する。ランプユニット4の取付部26と第1ブラケット2のランプユニット用取付部10とを合わせる。取付部26およびランプユニット用取付部10にスクリュー6をねじ込む。これにより、ランプユニット4が第1ブラケット2に着脱可能に取り付けられることとなる。
【0038】
それから、カバー5の取付部29を第1ブラケット2のカバー用取付部11の収容孔33中にリアバンパーBの表側から裏側に挿入する。すると、カバー5の取付部29の係止部30とスプリング7の係止部31とが相互に弾性係止する。これにより、カバー5が第1ブラケット2に着脱可能に取り付けられることとなる。このようにして、リアバンパーBを車体パネルAから取り外すことなく簡単にランプユニット4の光源23を交換することができる。
【0039】
この実施例における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0040】
この実施例における車両用灯具1は、リアバンパーBの表側において、カバー5の取付部29を第1ブラケット2のカバー用取付部11のスプリング7から取り外してカバー5をリアバンパーBから取り外し、かつ、スクリュー6をランプユニット4の取付部26および第1ブラケット2のランプユニット用取付部10から取り外してランプユニット4の取付部26を第1ブラケット2のランプユニット用取付部10から取り外してランプユニット4をリアバンパーBから取り外すことにより、ランプユニット4の光源23を交換することができる。また、この実施例における車両用灯具1は、ランプユニット4の光源23の交換後、リアバンパーBの表側において、ランプユニット4の取付部26を第1ブラケット2のランプユニット用取付部10に位置させてスクリュー6をランプユニット4の取付部26および第1ブラケット2のランプユニット用取付部10にねじ込んでランプユニット4をリアバンパーBに取り付け、かつ、カバー5の取付部29を第1ブラケット2のカバー用取付部11のスプリング7に取り付けてカバー5をリアバンパーBに取り付けることができる。このように、この実施例における車両用灯具1は、リアバンパーBの裏側においてスペースが無い場合であっても、ランプユニット4の光源23を簡単に交換することができる。
【0041】
しかも、この実施例における車両用灯具1は、スクリュー6およびスプリング7と、第1ブラケット2のランプユニット用取付部10およびカバー用取付部11および第2ブラケット用固定部12と、ランプユニット4の取付部26およびカバー5の取付部29と、がカバー5により覆われるので、見栄えが向上される。
【0042】
また、この実施例における車両用灯具1は、リアバンパーBの剛性よりも高い剛性を有する部材からなりかつ2分割構造をなす第1ブラケット2と第2ブラケット3とをブラケット固定部材としてのスクリュー16で相互に固定し、この第1ブラケット2の固定部8と第2ブラケット3の固定部13とでリアバンパーBの取付孔Dの縁をほぼ全周に亘って表側と裏側とから挟み込んで、リアバンパーBの取付孔Dの縁にほぼ全周に亘って第1ブラケット2の固定部8と第2ブラケット3の固定部13とをそれぞれ固定するものである。このために、この実施例における車両用灯具1は、リアバンパーBが第1ブラケット2および第2ブラケット3の剛性よりも低い剛性の部材からなるものであっても、第1ブラケット2および第2ブラケット3をリアバンパーBの取付孔Dの縁に確実に固定することができる。これにより、この実施例における車両用灯具1は、ランプユニット4およびカバー5を第1ブラケット2および第2ブラケット3に取り付けることにより、ランプユニット4およびカバー5を第1ブラケット2および第2ブラケット3を介してリアバンパーBに確実に取り付けることができる。
【0043】
しかも、この実施例における車両用灯具1は、第1ブラケット2および第2ブラケット3側に固定部8および13およびランプユニット用取付部10およびカバー用取付部11およびブラケット固定部材としてのスクリュー16をねじ込む部分の第2ブラケット用固定部12などの構造物を設けるものであるから、リアバンパーB側に前記の構造物を設ける必要が無く、リアバンパーBの構造を複雑化することが無く、その分、リアバンパーBの製造コストを安価にすることができる。
【0044】
なお、前記の実施例においては、車両用灯具としてリアフォグランプについて説明する。ところが、この発明においては、リアフォグランプ以外の車両用灯具、たとえば、フロントフォグランプ、デイタイムランニングランプなどの車両用灯具にも適用することができる。
【0045】
また、前記の実施例においては、車体としてリアバンパーBについて説明するものである。ところが、この発明においては、リアバンパーB以外の車体、たとえば、フロントバンパーや車体パネルなどの車体にも適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
A 車体パネル
B リアバンパー
C 車両(自動車)
D 取付孔
1 車両用灯具
2 第1ブラケット
3 第2ブラケット
4 ランプユニット
5 カバー
6 スクリュー(ランプユニット用取付部材)
7 スプリング(カバー用取付部材)
8 固定部
9 透孔
10 ランプユニット用取付部
11 カバー用取付部
12 第2ブラケット用固定部
13 固定部
14 透孔
15 小円形の孔
16 スクリュー(ブラケット固定部材)
17 灯室
18 ランプハウジング
19 ランプレンズ
20 挿入取付孔
21 ソケット
22 パッキン
23 光源
24 リフレクタ
25 挿入孔
26 取付部
27 開口部
28 パッキン
29 取付部
30 係止部
31 係止部
32 固定部
33 収容孔
34 収容孔
35 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に着脱可能に取り付けられる車両用灯具において、
前記車体の取付孔の縁に固定されるブラケットと、
前記ブラケットに着脱可能に取り付けられているランプユニットおよびカバーと、
前記ランプユニットおよび前記カバーを前記ブラケットに前記車体の表側から裏側に着脱可能に取り付けるランプユニット用取付部材としてのスクリューおよびカバー用取付部材と、
を備え、
前記ブラケットは、前記車体の取付孔の縁に固定される固定部と、前記ランプユニットが前記スクリューにより着脱可能に取り付けられているランプユニット用取付部と、前記カバー用取付部材が設けられていて、前記カバー用取付部材により前記カバーが着脱可能に取り付けられているカバー用取付部と、を有し、
前記ランプユニットは、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、前記ランプハウジングに着脱可能に取り付けられているソケットと、前記ソケットに着脱可能に取り付けられていて前記灯室内に配置されている光源と、前記スクリューにより前記ブラケットの前記ランプユニット用取付部に着脱可能に取り付けられている取付部と、を有し、
前記カバーには、前記カバー用取付部材により前記ブラケットの前記カバー用取付部に着脱可能に取り付けられている取付部が設けられていて、前記カバーは、前記スクリューおよび前記カバー用取付部材と、前記ブラケットの前記ランプユニット用取付部および前記カバー用取付部と、前記ランプユニットの前記取付部および前記カバーの前記取付部と、を覆う形状をなし、前記カバーのうち前記ランプユニットの前記ランプレンズに対応する部分には、開口部が設けられている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記車体の剛性よりも高い剛性を有する部材からなり、
前記ブラケットは、第1ブラケットと第2ブラケットとの2分割構造をなし、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとは、ブラケット固定部材としてのスクリューにより相互に固定されていて、
前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとには、前記車体の取付孔の縁を表側と裏側とから挟み込んで前記車体の取付孔の縁に固定される前記固定部がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−228504(P2010−228504A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76258(P2009−76258)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】