説明

車両用空調装置

【課題】不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車室内に向かって空気を送風する空調用送風機37と、空気が流れる空調用空気通路70を形成する空調ケース51と、空調ケース51の外部に設けられ、外気が流れる外気流路80と、一方の面60aが空調用空気通路70の空気と接触し、かつ他方の面60bが外気流路80の外気と接触するように空調用空気通路70と外気流路80との境目に配置され、空調用空気通路70側と外気流路80側との間で気体を透過させる透過膜60と、空調用送風機37の作動を制御する制御手段90とを備える車両用空調装置において、乗員が乗車していない場合に、空調用送風機37を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過膜を用いて車室内空気に含まれる臭気成分を車室外に排出する車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、車室内へ送風される送風空気の温度調整や湿度調整を行う車両用空調装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−38971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の車両用空調装置では、冷凍サイクルの蒸発器にて結露した結露水が乾く際に不快な臭いが発生し、この臭いが車室内に流入して乗員に不快感を与えるという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内に向かって空気を送風する空調用送風機(37)と、空気が流れる空調用空気通路(70)を形成する空調ケース(51)と、空調ケース(51)の外部に設けられ、外気が流れる外気流路(80)と、一方の面(60a)が空調用空気通路(70)の空気と接触し、かつ他方の面(60b)が外気流路(80)の外気と接触するように空調用空気通路(70)と外気流路(80)との境目に配置され、空調用空気通路(70)側と外気流路(80)側との間で気体を透過させる透過膜(60)と、空調用送風機(37)の作動を制御する制御手段(90)とを備え、制御手段(90)は、乗員が乗車していない場合に、空調用送風機(37)を作動させることを特徴としている。
【0007】
一般に、乗員が乗車中でない場合には空調用送風機(37)は停止している。これに対し、本発明によると、乗員が乗車中でない場合に、空調用送風機(37)を作動させて空調ケース(51)内に空気の流れを発生させることで、透過膜(60)の一方の面(60a)に臭気成分を含む空気を供給することができる。これにより、透過膜(60)を介して臭気成分を車室外に排出することができるので、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、空調ケース(51)には、車室内に向かって空気を吹き出す少なくとも1つの吹出口(56〜58)が設けられており、制御手段(90)は、乗員が乗車しておらず、かつ、吹出口(56〜58)から車室内に向かって流れる空気の風量が予め定めた基準風量以上になった場合に、空調用送風機(37)を作動させることを特徴としている。
【0009】
乗員が乗車中でない場合に空調用送風機(37)を作動させても、吹出口(56〜58)から空気が流れない状態では、空調用空気通路(70)における透過膜(60)の一方の面(60a)近傍に空気の流れが生じにくくなり、透過膜(60)の透過性能が低下する虞がある。
【0010】
これに対し、本発明では、吹出口(56〜58)から車室内に向かって流れる空気の風量が基準風量以上になった場合に、空調用送風機(37)を作動させるので、空調用送風機(37)を作動させた際に、空調用空気通路(70)における透過膜(60)の一方の面(60a)近傍に確実に空気の流れが発生する。このため、不快な臭いが車室内に流入することを確実に抑制できる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車両用空調装置において、吹出口(56〜58)を開閉する吹出口開閉ドア(560〜580)を備え、制御手段(90)は、乗員が乗車していない場合に、吹出口(56〜58)から車室内に向かって流れる空気の風量が基準風量以上になり、かつ、吹出口開閉ドア(560〜580)の開度が予め定めた基準開度以下となるように吹出口開閉ドア(560〜580)を作動させるとともに、空調用送風機(37)を作動させることを特徴としている。
【0012】
これによれば、吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を基準開度以下とする、すなわち吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を小さくすることで、空調ケース(51)内の臭気成分が吹出口(56〜58)を介して車室内に拡散されることを抑制できる。
【0013】
さらに、吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を基準開度以下とすることで、空調ケース(51)の内圧を上昇させることができる。このため、透過膜(60)の一方の面(60a)側の圧力を高くできるので、透過膜(60)を介しての臭気成分の車室外への排出を促進できる。したがって、不快な臭いが車室内に流入することをより確実に抑制できる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明では、車室内に向かって空気を送風する空調用送風機(37)と、空気が流れる空調用空気通路(70)を形成する空調ケース(51)と、空調ケース(51)の外部に設けられ、外気が流れる外気流路(80)と、一方の面(60a)が空調用空気通路(70)の空気と接触し、かつ他方の面(60b)が外気流路(80)の外気と接触するように空調用空気通路(70)と外気流路(80)との境目に配置され、空調用空気通路(70)側と外気流路(80)側との間で気体を透過させる透過膜(60)と、空調ケース(51)における透過膜(60)の空気流れ下流側に接続され、空調ケース(51)内の空気を空調用送風機(37)の空気流れ上流側に導くバイパス通路(59)とを備えることを特徴としている。
【0015】
これによれば、空調ケース(51)内の臭気成分を含む空気を、バイパス通路(59)を介して空調用送風機(37)の空気流れ上流側に導くことができる。このため、空調ケース(51)内の臭気成分を含む空気を、透過膜(60)の一方の面(60a)に積極的に供給することができる。これにより、透過膜(60)を介して臭気成分を車室外に排出することができるので、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の車両用空調装置において、空調ケース(51)内および車室内の少なくとも一方の臭気濃度を検出する臭気濃度検出手段(91)と、バイパス通路(59)を開閉するバイパスドア(590)と、バイパスドア(590)の開閉を制御する制御手段(90)とを備え、制御手段(90)は、臭気濃度検出手段(91)により検出された臭気濃度が予め定めた基準濃度以上の場合に、バイパスドア(590)を開くことを特徴としている。
【0017】
これによれば、臭気濃度が高い場合のみバイパスドア(590)を開け、臭気濃度が低い場合にはバイパスドア(590)を閉じておくことができる。このため、臭気濃度が低い場合にはバイパスドア(590)が閉じられているので、乗員の空調感に影響を与えることはなく、一方、臭気濃度が高い場合はバイパスドア(590)が開かれるので、透過膜(60)を介して臭気成分を車室外に排出することができる。したがって、乗員の空調感の悪化を抑制しつつ、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両用空調装置において、空調ケース(51)に設けられ、車室内に向かって空気を吹き出す少なくとも1つの吹出口(56〜58)と、吹出口(56〜58)を開閉する吹出口開閉ドア(560〜580)とを備え、制御手段(90)は、乗員が乗車しておらず、かつ、臭気濃度検出手段(91)により検出された臭気濃度が予め定めた基準濃度以上の場合に、吹出口開閉ドア(56〜58)を予め定めた基準開度以下にするとともに、バイパスドア(590)を開くことを特徴としている。
【0019】
これによれば、空調ケース(51)内の空気の大部分を空調用送風機(37)に戻す、すなわち空調ケース(51)内を循環させることができるので、透過膜(60)を介して臭気成分を車室外に確実に排出することができる。
【0020】
また、吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を基準開度以下とする、すなわち吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を小さくすることで、空調ケース(51)の内圧を上昇させることができる。このため、透過膜(60)の一方の面(60a)側の圧力を高くできるので、透過膜(60)を介して臭気成分を車室外に排出することを促進できる。したがって、不快な臭いが車室内に流入することを確実に抑制できる。
【0021】
ところで、臭気濃度が基準値を上回っている場合に、車両用空調装置の通常の空調制御と関係なく吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を小さくすると、乗員の空調感が悪化する虞がある。
【0022】
これに対し、本発明では、乗員が乗車していない場合に限って、吹出口開閉ドア(560〜580)の開度を小さくするので、乗員の空調感を悪化させることなく、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0023】
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、空調用送風機(37)は、空調用空気通路(70)における透過膜(60)の空気流れ上流側に配置されていてもよい。
【0024】
また、請求項8に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、空調用送風機(37)は、空調用空気通路(70)における透過膜(60)の空気流れ下流側に配置されていてもよい。
【0025】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。
【図2】第1実施形態の電気制御部のブロック図である。
【図3】第1実施形態における空気清浄制御装置90が実行する空気清浄制御のフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。
【図5】第2実施形態における空気清浄制御装置90が実行する空気清浄制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0028】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本第1実施形態に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。
【0029】
図1に示すように、車両用空調装置の室内ユニット20は、いわゆるセミセンター置きレイアウトのものであって、送風機ユニット30、接続ダクト40および空調ユニット50が車両左右方向にこの順番に配置されている。
【0030】
空調ユニット50は、車室内前方の計器盤内部のうち車両左右方向の略中央部に配置されている。送風機ユニット30は、空調ユニット50の側方(助手席側)にオフセット配置されており、空調ユニット50に空気を送風する。接続ダクト40は、空調ユニット50と送風機ユニット30との間に挟まれるように配置されており、送風機ユニット30の送風空気を空調ユニット50に導く接続通風路41を形成している。
【0031】
送風機ユニット30は、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替手段としての内外気切替箱31を有している。内外気切替箱31の内気導入口32および外気導入口33は、内外気切替ドア34によって開閉される。
【0032】
内外気切替ドア34は、内外気導入モード切替手段としての役割を果たす。内外気導入モードとしては、内気のみを導入する全内気モード、外気のみを導入する全外気モード、および内気と外気とを同時に導入する内外気モードが設定可能になっている。
【0033】
内外気切替箱31の外気導入口33には、外気導入ダクト35が接続されている。外気導入ダクト35は、車室外(エンジンルーム)から外気導入口33に外気を導入する外気導入通路36を形成する通路形成部材であり、ファイアウォール(図示せず)に設けられた貫通穴に挿通されている。
【0034】
内外気切替箱31の車両下方側、かつ空気流れ下流側には、内外気切替箱31を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風手段としての空調用送風機(ブロワ)37が配置されている。この空調用送風機37は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータ(図示せず)にて駆動する電動送風機である。空調用送風機37はスクロールケーシング38内に収容されている。
【0035】
スクロールケーシング38の出口部は、スクロールケーシング38の最も車両前方側部分において、空調ユニット50側を向いて開口している。スクロールケーシング38の出口部には、接続ダクト40の一端部が接続されている。接続ダクト40は、樹脂にて形成されており、車両後方側に向かって連続的に延びる形状を有している。
【0036】
空調ユニット50は、樹脂製の空調ケース51を有している。空調ケース51のうち車両前方側の部位には、接続ダクト40の他端部に接続される空気入口部52が形成されている。送風機ユニット30からの送風空気は、接続ダクト40内の接続通風路41を通じて空気入口部52に流入する。
【0037】
空調ケース51のうち最も車両前方側の面には、空調ケース51の内部と外部とを連通する貫通穴が形成されており、この貫通穴は透過膜60によって塞がれている。
【0038】
この透過膜60は、例えば気体全般が透過しやすい一方、車室に入れたくない液体や固体の汚染物質(例えば粉塵、花粉、SPM等)が全く透過しないか透過しにくいという性質を有する膜である。また透過膜60は例えば、ある特定の成分の気体(例えば臭気、酸素、二酸化炭素、水蒸気)が透過しやすいが他の特定の成分の気体(例えば窒素)は透過しにくく、かつ上記の汚染物質が全く透過しないか透過しにくいというものである。
【0039】
透過膜60の材料としては、シリコーン等の気体透過性高分子の膜やセロファンやセラミックの多孔体や不織布等を用いることができる。
【0040】
本実施形態では、透過膜60は、内気中の臭気成分の濃度と外気中のその成分の濃度との差によって透過性能が発揮されるようになっている。そして、透過膜60の内気側と外気側との間に、真空ポンプ等の差圧発生手段により大きな圧力差を設けることなく、すなわち内気と外気との間に差圧がない状態においても、透過膜60の透過性能が発揮されるようになっている。
【0041】
このような透過膜60を用いた車両用空調装置は、一般的な大気圧に、車両の走行によって生じる圧力や、圧縮比2未満の送風機の送風圧力が加わった程度の圧力変動の範囲で作動させることができる。具体的には、透過膜60における内気と外気との圧力差が5kPa以下のシステムに適用することができる。
【0042】
ここで、内外気導入モードが全内気モードまたは内外気モードに設定された場合、内気導入口から導入された内気は、空調用空気通路70、すなわちスクロールケーシング38、接続通風路41および空調ケース51内の空気通路を通過して、透過膜60の一方の面(車室側の面)60aに供給される。
【0043】
透過膜60の車両前方側には、外気が流れる外気流路80の一部を形成する外気ダクト81が接続されている。外気流路80および外気ダクト81の詳細については後述する。
【0044】
したがって、透過膜60は、その一方の面60aが空調用空気通路70に露出して内気と接触し、その他方の面(エンジンルーム側の面)60bが外気流路80に露出して外気と接触するように、空調用空気通路70と外気流路80との境目に配置されている。
【0045】
空調ケース51内において透過膜60の空気流れ下流側で車両後方側には、蒸発器53が配置されている。蒸発器53は、冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空気から吸熱して空気を冷却する冷却用熱交換器であり、車両前後方向に薄型の形態で空調ケース51内の空気通路を横断するように略垂直に配置されている。
【0046】
空調ケース51内において蒸発器53の空気流れ下流側で車両後方側には、蒸発器53に対して所定の間隔を開けてヒータコア54が配置されている。ヒータコア54は、車両のエンジン(図示せず)の冷却水(温水)を熱源流体として空気を加熱する加熱用熱交換器である。蒸発器53およびヒータコア54は、空調用送風機37に対して車両の側方(本実施形態では運転席側)にオフセットして配置されている。
【0047】
空調ケース51内においてヒータコア54の上方側には、冷風バイパス通路(図示せず)が形成されている。空調ケース51内において蒸発器53の直ぐ下流側(車両後方側)には板状のエアミックスドア(図示せず)が回動可能に配置されている。このエアミックスドアは、冷風バイパス通路を通過する冷風とヒータコア54を通過する温風との風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を所望温度に調整するものである。
【0048】
空調ケース51内においてヒータコア54および冷風バイパス通路の直後の部位にはヒータコア54通過後の温風と冷風バイパス通路からの冷風とを混合する空気混合部55が形成されている。
【0049】
さらに、空調ケース51における空気流れ最下流部には、空気混合部55から空調対象空間である車室内へ温度調整された空調風を吹き出す吹出口56〜58が配置されている。この吹出口としては、具体的に、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口56、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口57、および、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口58が設けられている。
【0050】
また、フェイス吹出口56、フット吹出口57およびデフロスタ吹出口58の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出口56を開閉してその開口面積を調整するフェイスドア560、フット吹出口57を開閉してその開口面積を調整するフットドア570、デフロスタ吹出口58を開閉してその開口面積を調整するデフロスタドア580が配置されている。
【0051】
これらのフェイスドア560、フットドア570、デフロスタドア580は、図示しないリンク機構を介して、吹出口開閉ドア駆動用の電動アクチュエータ561、571、581に連結されて連動して回転操作される。以下、フェイス吹出口56、フット吹出口57、デフロスタ吹出口58をまとめて吹出口56〜58ともいい、フェイスドア560、フットドア570、デフロスタドア580をまとめて吹出口開閉ドア560〜580ともいう。
【0052】
室内ユニット20の車両前方側には、外気が流れる外気流路80の一部を形成する外気ダクト81が設けられている。外気ダクト81は、樹脂にて形成されている。外気ダクト81の一端部は、外気導入ダクト35に接続されている。これにより、外気導入ダクト35から導入された外気の少なくとも一部が、外気ダクト81内に流入するようになっている。
【0053】
換言すると、外気ダクト81および外気導入ダクト35により、外気流路80が形成されている。すなわち、外気流路80の一部が、外気導入ダクト35内の外気導入通路36によって構成されている。そして、外気導入通路36の入口部が、外気流路80に外気を流入させる外気入口部80aを構成している。
【0054】
外気流路80には、外気の流れを発生させて透過膜60の他方の面60bに外気を供給する外気送風機82が設けられている。外気送風機82は、外気流路80のうち外気導入通路36の空気流れ下流側で、かつ透過膜60より空気流れ上流側に配置されている。この外気送風機82は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータ(図示せず)にて駆動する電動送風機である。
【0055】
外気ダクト81は、透過膜60の車両前方側において、透過膜60の他方の面60bを車両前方側から覆うような形状に形成されている。外気ダクト81における透過膜60の車両前方側には、外気を外気流路80の外部に流出させる外気出口部80bが形成されている。外気出口部80bは、車両下方側の面(床面)に開口している。
【0056】
次に、図2により、本実施形態の電気制御部について説明する。図2は、本第1実施形態の電気制御部のブロック図である。
【0057】
図2に示すように、制御手段としての空気清浄制御装置90は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空気清浄制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された機器の作動を制御する。
【0058】
出力側に接続された機器としては、空調用送風機37、外気送風機82、フェイスドア用電動アクチュエータ561、フットドア用電動アクチュエータ571、デフロスタドア用電動アクチュエータ581等が挙げられる。
【0059】
また、空気清浄制御装置90の入力側には、空調ケース51内の臭気濃度を検出する臭気濃度センサ91からの検出信号が入力される。ちなみに、本実施形態では、図1に示すように、臭気濃度センサ91は、空調ケース51の空気流れ最下流部に配置されている。
【0060】
図3に、本第1実施形態における空気清浄制御装置90が実行する空気清浄制御のフローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオン状態になると、空気清浄制御装置90は図3に示す処理を開始する。
【0061】
まず、ステップ101では、ノーマルモードに移行する。具体的には、外気送風機82を作動させるとともに、空調用送風機37、フェイスドア用電動アクチュエータ561、フットドア用電動アクチュエータ571、デフロスタドア用電動アクチュエータ581を空調制御装置(図示せず)から出力される制御信号に基づいて作動させる。
【0062】
次に、ステップ102では、臭気濃度センサ91により検出された空調ケース51内の臭気濃度が、予め定めた基準濃度を上回っているか否かを判定する。ステップ102にて空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度を上回っていると判定した場合には、ステップ103にて車両に乗員が乗車中か否かを判定する。
【0063】
乗員が乗車中か否かは、イグニッションスイッチがオン状態かオフ状態かに基づいて判定することができる。すなわち、イグニッションスイッチがオン状態であれば乗員が乗車中であると判定し、イグニッションスイッチがオフ状態であれば乗員が乗車中でない、すなわち乗員が車両から降りていると判定することができる。
【0064】
ステップ103にて乗員が乗車中であると判定した場合には、ステップ102に戻る。
【0065】
一方、ステップ103にて乗員が乗車中でないと判定した場合には、ステップ104にてクリーンナップモードに移行する。具体的には、空調用送風機37を作動させるとともに、外気送風機82をノーマルモード時よりも高い回転数で作動させ、さらに吹出口開閉ドア560〜580を閉じるように作動させる。より詳細には、吹出口開閉ドア560〜580を、各吹出口56〜58から車室内に向かって流れる空気の風量の合計が予め定めた基準風量以上になり、かつ、フェイスドア560、フットドア570およびデフロスタドア580それぞれの開度が予め定めた基準開度以下となるように作動させる。例えば、基準風量は30m/hに設定することができる。
【0066】
このように、空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度を上回っており、かつ、乗員が乗車中でない場合に、クリーンナップモードに移行した後、ステップ102に戻る。
【0067】
ここで、空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度以下になっていれば、ステップ105にて乗員が乗車中であるか否かを判定する。乗員が乗車中か否かは、ステップ103と同様に、イグニッションスイッチがオン状態かオフ状態かに基づいて判定することができる。
【0068】
ステップ105にて乗員が乗車中であると判定した場合には、ステップ101に戻り、ノーマルモードに移行する。一方、ステップ105にて乗員が乗車中でないと判定した場合には、本制御を終了する。
【0069】
本実施形態によれば、クリーンナップモードにおいて、乗員が乗車中でない、すなわちイグニッションスイッチがオフ状態でも、空調用送風機37を作動させて空気の流れを発生させることで、透過膜60の一方の面60aに臭気成分を含む空気を供給することができる。これにより、透過膜60を介して臭気成分を車室外に排出することができるので、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0070】
このとき、外気送風機82をノーマルモード時よりも高い回転数で作動させることで、外気を透過膜60の他方の面60bに積極的に供給することができる。これにより、透過膜60における分子交換が促進されるので、臭気成分を車室外に確実に排出することができる。
【0071】
また、クリーンナップモードでは、吹出口開閉ドア560〜580の開度を基準開度以下とする、すなわち吹出口開閉ドア560〜580の開度を小さくすることで、空調ケース51内の臭気成分が吹出口56〜58を介して車室内に拡散されることを抑制できる。
【0072】
さらに、吹出口開閉ドア560〜580の開度を基準開度以下とすることで、空調ケース51の内圧を上昇させることができる。このため、透過膜60の一方の面60a側の圧力を高くできるので、透過膜60を介しての臭気成分の車室外への排出を促進できる。
【0073】
ところで、クリーンナップモードにおいては、空調制御と関係なく吹出口開閉ドア560〜580の開度を基準開度以下にする必要があるため、乗員の空調感が悪化する虞がある。
【0074】
これに対し、本実施形態では、乗員が乗車していない場合に限ってクリーンナップモードに移行するので、乗員の空調感を悪化させることなく、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0075】
ところで、乗員が乗車中でない、すなわちイグニッションスイッチがオフ状態において空調用送風機37を作動させても、吹出口56〜58から空気が流れない状態では、空調用空気通路70における透過膜60の一方の面60a近傍に空気の流れが生じにくくなり、透過膜60の透過性能が低下する虞がある。
【0076】
これに対し、本実施形態のクリーンナップモードでは、吹出口56〜58から車室内に向かって流れる空気の合計風量が基準風量以上となるように吹出口開閉ドア560〜580を作動させるので、空調用送風機37を作動させた際に、空調用空気通路70における透過膜60の一方の面60a近傍に確実に空気の流れが発生するようにできる。これにより、透過膜60を介して臭気成分を車室外に確実に排出することができる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4、5に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態と比較して、さらに、室内ユニット20にバイパス通路59を設けた点が異なるものである。
【0078】
図4は本第2実施形態に係る車両用空調装置の模式的な断面図である。図4に示すように、室内ユニット20には、空調ケース51における透過膜60の空気流れ下流側に接続され、空調ケース51内の空気を空調用送風機37の空気流れ上流側に導くバイパス通路59が設けられている。本実施形態では、バイパス通路59は、空調ケース51における空気流れ最下流部に接続されており、空気混合部55の空気が空調用送風機37の空気流れ上流側に導かれるようになっている。
【0079】
空調ケース51におけるバイパス通路59との接続部には、バイパス通路59を開閉するバイパスドア590が配置されている。バイパスドア590は、リンク機構(図示せず)を介して、バイパスドア駆動用の電動アクチュエータ(図示せず)に連結されて連動して回転操作される。バイパスドア駆動用の電動アクチュエータは、空気清浄制御装置90(図2参照)の出力側に接続されており、空気清浄制御装置90から出力される制御信号により、その作動が制御される。
【0080】
図5に、本第2実施形態における空気清浄制御装置90が実行する空気清浄制御のフローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオン状態になると、空気清浄制御装置90は図5に示す処理を開始する。
【0081】
まず、ステップ201では、ノーマルモードに移行する。具体的には、外気送風機82を作動させるとともに、空調用送風機37、フェイスドア用電動アクチュエータ561、フットドア用電動アクチュエータ571、デフロスタドア用電動アクチュエータ581を、空調制御装置(図示せず)から出力される制御信号に基づいて作動させる。
【0082】
さらに、本実施形態のノーマルモードでは、バイパスドア590を全閉する。これにより、空調ケース51内の空気がバイパス通路59に流入しないようにできる。
【0083】
次に、ステップ202では、臭気濃度センサ91により検出された空調ケース51内の臭気濃度が、予め定めた基準濃度を上回っているか否かを判定する。
【0084】
ステップ202にて空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度を上回っていると判定した場合には、ステップ203にて車両に乗員が乗車中か否かを判定する。 乗員が乗車中か否かは、イグニッションスイッチがオン状態かオフ状態かに基づいて判定することができる。
【0085】
ステップ203にて乗員が乗車中でないと判定した場合には、ステップ204にてクリーンナップモードに移行する。具体的には、空調用送風機37を作動させるとともに、外気送風機82をノーマルモード時よりも高い回転数で作動させる。さらに、吹出口開閉ドア560〜580を閉じるように作動させる。より詳細には、吹出口開閉ドア560〜580を、各吹出口56〜58から車室内に向かって流れる空気の風量の合計が基準風量以上になり、かつ、フェイスドア560、フットドア570およびデフロスタドア580それぞれの開度が基準開度以下となるように作動させる。
【0086】
さらに、本実施形態のクリーンナップモードでは、バイパスドア590を開く。これにより、空気混合部55の空気が、バイパス通路59を介して空調用送風機37の空気流れ上流側に導かれる。
【0087】
このように、空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度を上回っており、かつ、乗員が乗車中でない場合に、クリーンナップモードに移行した後、ステップ202に戻る。
【0088】
一方、ステップ203にて乗員が乗車中であると判定した場合には、ステップ205にてドライブクリーンナップモードに移行する。具体的には、ノーマルモードと比較して、バイパスドア590を開く点のみが異なっている。これにより、空気混合部55の空気の一部が、バイパス通路59を介して空調用送風機37の空気流れ上流側に導かれる。
【0089】
このように、空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度を上回っており、かつ、乗員が乗車中である場合に、ドライブクリーンナップモードに移行した後、ステップ202に戻る。
【0090】
ここで、空調ケース51内の臭気濃度が基準濃度以下になっていれば、ステップ205にて乗員が乗車中であるか否かを判定する。乗員が乗車中か否かは、ステップ203と同様に、イグニッションスイッチがオン状態かオフ状態かに基づいて判定することができる。
【0091】
ステップ206にて乗員が乗車中であると判定した場合には、ステップ201に戻り、ノーマルモードに移行する。一方、ステップ206にて乗員が乗車中でないと判定した場合には、本制御を終了する。
【0092】
本実施形態によれば、空調ケース51内の臭気成分を含む空気を、バイパス通路59を介して空調用送風機37の空気流れ上流側に導くことができる。これにより、臭気成分を含む空気を透過膜60の一方の面60aに供給することができるので、透過膜60を介して臭気成分を車室外に排出することができる。したがって、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0093】
また、臭気濃度が高い場合のみ、クリーンナップモードまたはドライブクリーンナップモードに移行することで、臭気濃度が高い場合のみバイパスドア590を開き、臭気濃度が低い場合にはバイパスドア590を閉じておくことができる。このため、臭気濃度が低い場合にはバイパスドア590が閉じられているので、乗員の空調感に影響を与えることはなく、一方、臭気濃度が高い場合はバイパスドア590が開かれるので、透過膜60を介して臭気成分を車室外に排出することができる。したがって、乗員の空調感の悪化を抑制しつつ、不快な臭いが車室内に流入することを抑制できる。
【0094】
ところで、臭気濃度が高い場合に、車両用空調装置の通常の空調制御と関係なく吹出口開閉ドア560〜580の開度を小さくすると、乗員の空調感が悪化する虞がある。
【0095】
これに対し、本実施形態では、臭気濃度が高い場合でも乗員が乗車しているときは、ドライブクリーンナップモードに移行する、すなわちバイパスドア590を開きつつも、吹出口開閉ドア560〜580を通常の空調制御に基づいて作動させることで、透過膜60を介して臭気成分を車室外に排出しつつ、乗員の空調感に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0096】
一方、臭気濃度が高い場合で乗員が乗車していないときは、クリーンナップモードに移行する、すなわちバイパスドア590を開くとともに、吹出口開閉ドア560〜580の開度を基準開度以下にすることで、空調ケース51内の空気の大部分を空調用送風機37に戻すことができる。これにより、透過膜60を介して臭気成分を車室外に確実に排出することができる。
【0097】
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
【0098】
(1)上述の各実施形態では、臭気濃度センサ91を空調ケース51内に配置し、空調ケース51内の空気の臭気濃度を検出した例について説明したが、これに限らず、臭気濃度センサ91を車室内に配置し、車室内の空気の臭気濃度を検出してもよい。
【0099】
さらに臭気濃度センサ91を空調ケース51内および車室内の両方に配置してもよい。この場合、空気清浄制御装置90は、空調ケース51内の空気および車室内の空気のうち少なくとも一方の臭気濃度が基準濃度を上回った場合に、クリーンナップモード(またはドライブクリーンナップモード)に移行させてもよい。
【0100】
(2)上述の各実施形態では、臭気濃度センサ91を設けた例について説明したが、これに限らず、臭気濃度センサ91を廃止してもよい。この場合、第1実施形態においては、空気清浄制御装置90は、乗員が乗車していない、すなわちイグニッションスイッチがオフ状態の場合に、常にクリーンナップモードに移行させてもよい。
【0101】
また、第2実施形態においては、空気清浄制御装置90は、乗員が乗車していない場合には、常にクリーンナップモードに移行させ、乗員が乗車している場合には、常にドライブクリーンナップモードに移行させてもよい。
【0102】
(3)上述の第2実施形態では、臭気濃度が基準濃度を上回っており、かつ乗員が乗車している場合に、ドライブクリーンナップモードに移行した例について説明したが、これに限らず、ドライブクリーンナップモードを廃止してもよい。
【0103】
(4)上述の各実施形態では、空調用送風機37を、空調用空気通路70における透過膜60の空気流れ上流側に配置した例について説明したが、これに限らず、空調用空気通路70における透過膜60の空気流れ下流側に配置してもよい。
【0104】
(5)上述の各実施形態では、クリーンナップモードにおいて、吹出口開閉ドア560〜580を、各吹出口56〜58から車室内に向かって流れる空気の風量の合計が予め定めた基準風量以上になり、かつ、フェイスドア560、フットドア570およびデフロスタドア580それぞれの開度が予め定めた基準開度以下となるように作動させた例について説明したが、これに限らず、吹出口開閉ドア560〜580を全閉してもよい。
【0105】
(6)上述の各実施形態では、外気流路80に外気送風機82を設けた例について説明したが、これに限らず、外気送風機82を廃止してもよい。
【符号の説明】
【0106】
37 空調用送風機
56 フェイス吹出口(吹出口)
57 フット吹出口(吹出口)
58 デフロスタ吹出口(吹出口)
59 バイパス通路
60 透過膜
90 空気清浄制御装置(制御手段)
91 臭気濃度センサ(臭気濃度検出手段)
560 フェイスドア(吹出口開閉ドア)
570 フットドア(吹出口開閉ドア)
580 デフロスタドア(吹出口開閉ドア)
590 バイパスドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に向かって空気を送風する空調用送風機(37)と、
空気が流れる空調用空気通路(70)を形成する空調ケース(51)と、
前記空調ケース(51)の外部に設けられ、外気が流れる外気流路(80)と、
一方の面(60a)が前記空調用空気通路(70)の空気と接触し、かつ他方の面(60b)が前記外気流路(80)の外気と接触するように前記空調用空気通路(70)と前記外気流路(80)との境目に配置され、前記空調用空気通路(70)側と前記外気流路(80)側との間で気体を透過させる透過膜(60)と、
前記空調用送風機(37)の作動を制御する制御手段(90)とを備え、
前記制御手段(90)は、乗員が乗車していない場合に、前記空調用送風機(37)を作動させることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記空調ケース(51)には、前記車室内に向かって空気を吹き出す少なくとも1つの吹出口(56〜58)が設けられており、
前記制御手段(90)は、乗員が乗車しておらず、かつ、前記吹出口(56〜58)から前記車室内に向かって流れる空気の風量が予め定めた基準風量以上になった場合に、前記空調用送風機(37)を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
さらに、前記吹出口(56〜58)を開閉する吹出口開閉ドア(560〜580)を備え、
前記制御手段(90)は、乗員が乗車していない場合に、前記吹出口(56〜58)から前記車室内に向かって流れる空気の風量が前記基準風量以上になり、かつ、前記吹出口開閉ドア(560〜580)の開度が予め定めた基準開度以下となるように前記吹出口開閉ドア(560〜580)を作動させるとともに、前記空調用送風機(37)を作動させることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
車室内に向かって空気を送風する空調用送風機(37)と、
空気が流れる空調用空気通路(70)を形成する空調ケース(51)と、
前記空調ケース(51)の外部に設けられ、外気が流れる外気流路(80)と、
一方の面(60a)が前記空調用空気通路(70)の空気と接触し、かつ他方の面(60b)が前記外気流路(80)の外気と接触するように前記空調用空気通路(70)と前記外気流路(80)との境目に配置され、前記空調用空気通路(70)側と前記外気流路(80)側との間で気体を透過させる透過膜(60)と、
前記空調ケース(51)における前記透過膜(60)の空気流れ下流側に接続され、前記空調ケース(51)内の空気を前記空調用送風機(37)の空気流れ上流側に導くバイパス通路(59)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項5】
さらに、前記空調ケース(51)内および前記車室内の少なくとも一方の臭気濃度を検出する臭気濃度検出手段(91)と、
前記バイパス通路(59)を開閉するバイパスドア(590)と、
前記バイパスドア(590)の開閉を制御する制御手段(90)とを備え、
前記制御手段(90)は、前記臭気濃度検出手段(91)により検出された前記臭気濃度が予め定めた基準濃度以上の場合に、前記バイパスドア(590)を開くことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
【請求項6】
さらに、前記空調ケース(51)に設けられ、前記車室内に向かって空気を吹き出す少なくとも1つの吹出口(56〜58)と、
前記吹出口(56〜58)を開閉する吹出口開閉ドア(560〜580)とを備え、
前記制御手段(90)は、乗員が乗車しておらず、かつ、前記臭気濃度検出手段(91)により検出された前記臭気濃度が予め定めた基準濃度以上の場合に、前記吹出口開閉ドア(56〜58)を予め定めた基準開度以下にするとともに、前記バイパスドア(590)を開くことを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
前記空調用送風機(37)は、前記空調用空気通路(70)における前記透過膜(60)の空気流れ上流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記空調用送風機(37)は、前記空調用空気通路(70)における前記透過膜(60)の空気流れ下流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−168196(P2011−168196A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34674(P2010−34674)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】