説明

車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置

【課題】衝突時の衝撃エネルギーを十分に吸収できないとともに構成を簡単化できない。
【解決手段】シートクッションフレームに固定されたブラケット22とシートバックフレームに固定されたベースプレート24との間に、曲げモーメントのもとで折曲変形しやすい強度脆弱部を有した衝撃吸収プレート26が取付けピン34L、34Rで取付けられている。ベースプレート24は連結シャフト28によってブラケット22に対して相対的に揺動可能に取付けられ、連結シャフトの回りで円弧孔22c、24cがブラケット、ベースプレートに、対応する挿通孔24d、22dがベースプレート、ブラケットに形成されている。そして、衝撃吸収プレートの端部に挿通孔26c、26dが形成され、2つの取付けピンは対応する衝撃吸収プレートの挿通孔、ブラケット、ベースプレートの円弧孔、挿通孔にそれぞれ挿通されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後方からの衝突や前方への衝突などの車両の衝突時における衝撃エネルギーを吸収、軽減して衝撃から着座者を保護する車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両用シートにおいては、自動車等の後方からの衝突(後方衝突;後突)や、前方への衝突(前方衝突;前突)において着座者を保護する必要があり、シートバックフレームの一部やリクライニングユニット(リクライナー)などの一部に、強度の弱い部分、いわゆる強度脆弱部を設けた衝撃吸収装置が自動車等の車両用シートに組み込まれている。衝撃吸収装置の組み込まれた車両用シートは車両用衝撃吸収シートと称され、衝突(後突、前突)によって過大な衝撃エネルギーがシート(シートバック)に加わると、強度脆弱部が変形してシートバックを強制的に後傾させることによって衝撃エネルギーを吸収し、着座者の頭部や頸部に加わる衝撃を軽減して着座者を衝突時(後突時、前突時)の衝撃から保護している。
【0003】
たとえば、車両用シートの衝撃吸収装置として、たとえば特開平07−132767号公報では、シートバックフレームの一部に蛇行した帯状波形の補強リブを設けている。また、特開2009−001209号公報では、シートバックフレーム、リクライニング装置間に設けられて相対的に揺動する対向する一対の円板部材の一方の円板部材から凸部を突出させて、他方の円板部材に設けた係止孔に係止させている。後突時などには、前者においては補強リブの蛇行部分(強度脆弱部)が座屈変形することにより、後者においては係止孔の縁が凸部(強度脆弱部)をせん断することによって衝撃エネルギーを吸収して着座者の頭部や頸部に加わる衝撃を軽減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−132767号公報
【特許文献2】特開2009−001209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
補強リブの一部(蛇行部分)を座屈変形させて衝撃エネルギーを吸収、軽減する特開平07−132767号公報記載の構成では、後突時などの衝撃のもとで一旦変形し始めるとその変形抵抗が急激に小さくなり、シートバックを過剰に後傾させるおそれがある。シートバックの過剰な後傾は、シートベルトからの着座者上体の過度の離反を伴いやすいため、リバウンド等の2次的な動作を着座者に起こさせるおそれが否定できない。
【0006】
凸部が係止孔の縁でせん断されて衝撃エネルギーを吸収する特開2009−001209号公報記載の構成では、複数、たとえば3つの凸部と3つの係止孔を対向する一対の円板部材に120°離間して形成し、対応する係止孔に凸部をそれぞれ係止させて凸部、係止孔からなる強度脆弱部を3組設けており、衝撃吸収装置の構成が複雑化する。
また、凸部、係止孔の形成された円板部材は、シートバックの揺動中心であるリクライニングシャフトをその回動中心としているため、後突時などにおける衝撃を強度脆弱部で十分に吸収できるように、つまりシートバックの後傾量を十分に確保し得るようにするためには、回動中心(リクライニングシャフト)から十分に離反した位置で凸部を係止孔に係止させる必要がある。従って、凸部、係止孔の形成された円板部材の大径化は避けられず、衝撃吸収装置の軽量小型化が難しい。さらに、衝撃吸収装置の大径化はシートの大型化やシートの意匠自体への悪影響も招きやすく、この点においても好ましくない。
【0007】
本発明は、衝突時の衝撃エネルギーを十分に吸収できる構成の簡単な車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明によれば、シートバックフレーム、シートクッションフレームの一方に固定されたブラケットと、他方に固定されたベースプレートと、曲げモーメントのもとで折曲変形しやすい強度脆弱部を有して、ブラケット、ベースプレートの間に取付けピンで取付けられた衝撃吸収プレートとを備え、シートバックの揺動中心とは異なるその揺動中心に対する前後のいずれか一方の位置でベースプレートはブラケットに対して相対的に揺動可能に取付けられ、シートバックの揺動中心を境とする前後他方の自由端側位置で円弧孔がブラケット、ベースプレートに、また対応する挿通孔がベースプレート、ブラケットに、それぞれ形成され、衝撃吸収プレートの端部に挿通孔がそれぞれ形成され、取付けピンが端部の挿通孔を介在してブラケット、ベースプレートの円弧孔、挿通孔にそれぞれ挿通されて衝撃吸収プレートをブラケット、ベースプレート間に介在させ、衝突による衝撃力がシートバックに加わってその衝撃力が衝撃吸収プレートの持つ剛性を超えたとき、円弧孔内での取付けピンの移動に伴う衝撃吸収プレートの折曲変形により、ブラケット、ベースプレート間を相対的に移動させて衝撃を吸収可能としている。
【0009】
請求項2に係る本発明によれば、衝撃吸収プレートは、破断しやすい強度脆弱部を介して側方に延びた延出部をその一端部に有し、延出部は円弧孔に隣接した位置でブラケット、ベースプレートのいずれかに固着されている。
請求項3に係る本発明によれば、衝撃吸収プレートの中間部に切欠きを設けて中間部の強度脆弱部を形成している。
請求項4に係る本発明によれば、ブラケットはシートクッションフレームに、ベースプレートはシートバックフレームに固定され、ブラケット、ベースプレートの軸支孔に軸支された連結シャフトによってベースプレートはブラケットに対して相対的に揺動可能に連結され、連結シャフトはブッシュを介在してブラケットの軸支孔に軸支されている。
請求項5に係る本発明によれば、連結シャフトの一端がベースプレートに溶着され、他端が連結シャフトに被せたワッシャにカシメられている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明では、曲げモーメントによって衝撃吸収プレートの強度脆弱部を折曲変形させて衝突時の衝撃エネルギーを吸収しており、座屈変形でなく折曲変形であるため衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収できる。そのため、着座者の頭部や頸部に加わる衝撃が軽減されて着座者を衝突時の衝撃から保護できる。
ブラケット、ベースプレート間に介在させた衝撃吸収プレートだけで後突時の衝撃エネルギーが吸収でき、衝撃吸収装置の構成が簡単化できる。また、衝撃吸収プレートだけで衝撃エネルギーを吸収しているため、エネルギー吸収特性が自在に制御できる。
さらに、連結シャフトを支点としたシートバックの後傾量が、円弧孔に対する取付けピンの移動範囲として限定されるため、衝撃力の作用時におけるシートバックの過剰な後傾が確実に防止できる。
シートバックの揺動中心とは異なる揺動中心の回りでベースプレートがブラケットに対して相対的に揺動しており、シートバックの揺動中心から十分に離反した位置に衝撃吸収プレートの強度脆弱部を設定できるため、ベースプレート、ブラケットの大型化を伴うことなくシートバックの後傾が確保でき、衝撃吸収装置を軽量小型化できる。
請求項2に係る本発明では、延出部がブラケットまたはベースプレートに固着されているため、端部の強度脆弱部が破断されるまで、ベースプレートの相対的な揺動が規制され、衝撃吸収プレートの中間部の強度脆弱部の弾性変形が抑制される。そのため、衝撃吸収プレートの中間部の強度脆弱部の折曲変形を適切に制御でき、衝突時の衝撃エネルギーをより確実に吸収できる。
請求項3に係る本発明では、切欠きによって中間部の強度脆弱部を形成しており、プレス加工などで強度脆弱部を容易に成形できる。
請求項4に係る本発明では、ブッシュを介在して連結シャフトがブラケットの軸支孔に軸支されているため、連結シャフトの円滑な回転が確保される。
請求項5に係る本発明では、自由端となる連結シャフトの他端がワッシャを介在してカシメられているため、カシメによる過度の抵抗の付与が防止されてブラケットに対する連結シャフトの円滑な回転が確保される。また、連結シャフトの一端をベースプレートに溶着して連結シャフト、ベースプレートを一体化して、ブラケット側で連結シャフトの端(自由端)をカシメているため、カシメ部を収納するスペースが容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例に係る衝撃吸収装置の組み込まれた車両用衝撃吸収シートの概略側面図を示す。
【図2】本発明の一実施例に係る衝撃吸収装置の分解斜視図を示す。
【図3】(A−1)(A−2)はブラケットの正面図、右側面図、(B−1)(B−2)はベースプレートの正面図、右側面図をそれぞれ示す。
【図4】(A−1)(A−2)は衝撃吸収プレートの正面図、右側面図、(B−1)(B−2)は切欠き形状を変えた衝撃吸収プレートの正面図、右側面図、(C−1)(C−2)は延出部付の衝撃吸収プレートの正面図、右側面図をそれぞれ示す。
【図5】(A−1)(A−2)は連結シャフトの正面図、右側面図、(B−1)(B−2)は取付けピンの正面図、左側面図をそれぞれ示す。
【図6】(A)(B)は、平常時、後突時における衝撃吸収装置の正面図をそれぞれ示す。
【図7】(A)(B)は、衝撃吸収プレートが延出部を持つ衝撃吸収装置の平常時、後突時における正面図をそれぞれ示す。
【図8】衝撃吸収プレートに作用する押力(衝撃荷重)と変形との関係を概略的に表す模式図であり、(A)はブラケットに固定された延出部だけで、(B)は延出部のない衝撃吸収プレートで、(C)は延出部付の衝撃吸収プレートで衝撃荷重を受ける場合をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
たとえば、ブラケットがシートクッションフレーム、ベースプレートがシートバックフレームにそれぞれ固定され、ベースプレートは連結シャフトによってブラケットに対して相対的に揺動可能に取付けられる。曲げモーメントのもとで折曲変形しやすい強度脆弱部を有した衝撃吸収プレートが、ブラケット、ベースプレートの間に取付けピンで取付けられている。ベースプレートは、シートバックの揺動中心とは異なるその揺動中心に対する前後のいずれか一方の位置で、ブラケットに対して相対的に揺動可能に取付けられている。円弧孔がシートバックの揺動中心を境とする前後他方の自由端側位置でブラケット、ベースプレートに、また対応する挿通孔がベースプレート、ブラケットに、それぞれ形成されている、さらに、挿通孔が衝撃吸収プレートの端部にそれぞれ形成され、取付けピンが端部の挿通孔を介在してブラケット、ベースプレートの円弧孔、挿通孔にそれぞれ挿通されて衝撃吸収プレートをブラケット、ベースプレート間に介在させている。そして、衝突による衝撃力がシートバックに加わってその衝撃力が衝撃吸収プレートの持つ剛性を超えたとき、円弧孔内での取付けピンの移動に伴う衝撃吸収プレートの折曲変形により、ブラケット、ベースプレート間を相対的に移動させて衝撃を吸収している。
【実施例】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る衝撃吸収装置の組み込まれた車両用衝撃吸収シートの概略側面図、図2は本発明の一実施例に係る衝撃吸収装置の分解斜視図を示す。
【0014】
図1に示すように、車両用シート10は、シートクッション12と、シートクッションの後端に前後に揺動可能に設けられたシートバック14とを有して構成され、シートクッション、シートバック間の連結部分に、本発明の一実施例に係る衝撃吸収装置20が組み込まれている。図1では図面の複雑化を防ぐために、衝撃吸収装置のみを図示し、サイドフレーム、リクライナー(リクライニングユニット)などの部材は省略されている。
【0015】
図2に示すように、衝撃吸収装置20は、シートバックフレーム、シートクッションフレームの一方に固定されるブラケット22と、他方に固定されるベースプレート24と、ブラケット、ベースプレート間に架設配置される衝撃吸収プレート26とを有して構成され、衝撃吸収プレートは曲げモーメントのもとで折曲変形しやすいように、またその位置が容易に特定化できるように、その一部に強度脆弱部26−1を有して成形されている。
【0016】
実施例では、ブラケット22がシートクッションフレーム(図示しない)側に固定される部材として、またベースプレート24がシートバックフレーム14a側に固定される部材として、それぞれ具体化されている。そして、ブラケット22、ベースプレート24をそれぞれの対応する部材に固定することにより、シートバック14はリクライナーのシャフト(リクライニングシャフト)16を揺動中心としてシートクッション12に対して前後に揺動可能、つまり、前傾または後傾可能となっている。
【0017】
なお、ブラケット22はシートクッションフレームと一体的に成形してもよく、シートクッションフレームへのブラケットの固定は一体成形された形態も含む。
【0018】
図3、図4は衝撃吸収装置の主要部材の正面図、右側面図を示し、図3の(A−1)(A−2)はブラケットの正面図、右側面図、(B−1)(B−2)はベースプレートの正面図、右側面図、図4の(A−1)(A−2)は衝撃吸収プレートの正面図、右側面図をそれぞれ示す。
【0019】
図2、図3(A−1)(A−2)に示すように、ブラケット22は、一方向、たとえばシート前方側に位置する一辺を除いて折曲縁を有する形状に鋼板をプレス加工して成形され、このブラケットの略中央に、リクライニングシャフト16の遊挿される遊挿孔22aが設けられている。そして、遊挿孔22a(リクライニングシャフト16)を境とする、たとえば後方側に、ブラケット22とベースプレート24とを相対的に揺動可能に連結する連結シャフト28のための軸支孔22bが形成されるとともに、遊挿孔を境とするその前方側に、衝撃吸収プレート26のための挿通孔22c、長孔22dがそれぞれ形成されている。なお、長孔22dは軸支孔22bを中心とした円弧孔となっている。また、符号22eは固定用のボルト挿通孔であり、この挿通孔を介した取付けボルト(図示しない)の締結により、ブラケット22はシートクッションフレームに固定される。
【0020】
図2、図3(B−1)(B−2)に示すように、ベースプレート24は、たとえば、二段の段付形状に鋼板をプレス加工して成形されており、ブラケット22と同様に、ベースプレートの略中央にリクライニングシャフト16の遊挿される遊挿孔24aが形成され、ブラケットの軸支孔22bに対応した位置に軸支孔24bが形成されるとともに、挿通孔22cに対応した位置に長孔24cが、また長孔22dに対応した位置に挿通孔24dが、それぞれ形成されている。ここで、長孔24cは、ブラケットの長孔22dと同様に、軸支孔24bを中心とした円弧孔となっている。
上記以外にも、ベースプレート24には遊挿孔24aの回りに5つの孔などが形成されているが、リクライナー15へのベースプレートの固定のためなどの孔であり、本発明とは関係ないためその詳細な説明は省略する。
【0021】
ブラケット22の折曲縁の深さは、段付形状のベースプレート24をほぼ収容可能とする深さとされ、ブラケットがベースプレートを覆う形態でブラケット、ベースプレートは互いに取付けられる。
【0022】
図2、図4(A−1)(A−2)に示すように、衝撃吸収プレート26は、その端に挿通孔26c、26dをそれぞれ持ち、長手方向の略中間部にV字形状の切欠き26−1’を有した長方形状に鋼板のプレス加工により成形されている。切欠き26−1’の存在によって曲げモーメントのもとで折曲変形しやすくその位置の特定化される強度脆弱部26−1が長手方向の略中間で衝撃吸収プレート26に設けられる。
一端の挿通孔26cはブラケットの挿通孔22c、ベースプレートの円弧孔(長孔)24cと整列する位置に、また他端の挿通孔26dはブラケットの円弧孔(長孔)22d、ベースプレートの挿通孔24dと整列する位置に、それぞれ合わせて形成されている。
【0023】
ブラケット22、ベースプレート24、衝撃吸収プレート26を備えた衝撃吸収装置20の組み立ての一例を以下に述べる。
実施例では、連結シャフト28が、ブラケットの遊挿孔22a、ベースプレートの遊挿孔24aを境とする後方側、つまりはリクライニングシャフト16の位置を境とする後方側に配されたブラケット、ベースプレートの軸支孔22b、24bに挿通、軸支されることによって、ベースプレート24がブラケット22に対し、この連結シャフトを中心として相対的に揺動可能に連結されている。
【0024】
図5(A−1)(A−2)は連結シャフトの正面図、右側面図をそれぞれ示す。図2、図5(A−1)(A−2)に示すように、連結シャフト28は、その略中央部にフランジ(ヘッド)28aを持ち、左右に大径部28bL、28bRが延び、右端の先端が小径部28cとなった段付形状に成形されている。
【0025】
たとえば、ブッシュ30を右側の大径部28bRの回りに環装してブッシュとともに大径部28bRはブラケットの軸支孔22bに挿入、嵌合され、軸支孔から延出する小径部28cにワッシャ32を被せて、ワッシャの外側で小径部をカシメている。ワッシャ32の外側で小径部をカシメる代わりに、ワッシャの外側でワッシャに対して小径部28cを溶着してもよい。
また、連結シャフトの左側の大径部28bLは、ベースプレートの軸支孔24bに挿通、軸支されてベースプレート24に一体的に溶着されている。
【0026】
連結シャフト28の右端がブラケット22に対して固定されないのに対して、その左端はベースプレート24に溶着されて、連結シャフト、ベースプレートは一体化されている。このような構成によれば、ブラケット22に対する連結シャフト28の回転がブッシュ30およびワッシャ32により確保されるため、ベースプレート24は連結シャフトを揺動中心としてブラケットに対して揺動される。
【0027】
なお、ブッシュ30を省略して連結シャフト28をブラケットの軸支孔22bで直接軸支してもよい。しかしながら、ブッシュ30を右側の大径部28bRの回りに介在させれば、ブラケット22に対する連結シャフト28の円滑な回転が得られる。
また、小径部28cにワッシャ32を被せることなく小径部をカシメてもよい。しかしながら、ワッシャ32を介在して連結シャフトの小径部28cをカシメれば、カシメによる過度の抵抗の付与が防止されてブラケット22に対する連結シャフトの円滑な回転が得られる。
【0028】
連結シャフト28を揺動中心とするようにブラケット22に対してベースプレート24を連結すれば足り、上記と左右逆の構成としてもよい。つまり、図5(A−1)の左右を逆にして、連結シャフト28の右端をブラケット22に溶着して連結シャフトをブラケットと一体化し、左端にワッシャを被せてその小径部をカシメることでブラケット、ベースプレート24間を連結してもよい。
【0029】
シートバック側に設けたリクライナー15にベースプレート24が取付けられる実施例の構成ではベースプレートはリクライナーに面接触して取付けられるため、連結シャフト28をブラケット22と一体化してベースプレート側で連結シャフトの端をカシメるとそのカシメ部を収納するスペースが確保し難い。これに対して、連結シャフト28、ベースプレート24を一体化してブラケット22側で連結シャフトの端をカシメれば、カシメ部を収納するスペースが容易に確保できる。
【0030】
連結シャフト28がリクライニングシャフト16を境とする後方側に配されるのに対し、衝撃吸収プレート26はその前方側、つまりは自由端側でブラケット22、ベースプレート24間に架設配置される。衝撃吸収プレート26の取り付けには、たとえばフランジ(ヘッド)34a付の取付けピン34が利用される。
【0031】
図5(B−1)(B−2)は取付けピンの正面図、左側面図をそれぞれ示し、図示のように取付けピンはフランジ(ヘッド)34a、大径部34b、小径部34cを持つ形状とされ、取付けピン34は円弧孔への挿通を経て、円弧孔に対応する衝撃吸収プレートの挿通孔、ベースプレートまたはブラケットの挿通孔に順次挿通され、延出する小径部をカシメて取付けられる。
【0032】
すなわち、図2に示すように、取付けピン34Lがベースプレート24側からその円弧孔24cを介して衝撃吸収プレートの挿通孔26c、ブラケットの挿通孔22cに挿通され、延出する小径部34cがブラケット22の外側でカシメられる。また、取付けピン34Rがブラケット22側からその円弧孔22dを介して衝撃吸収プレートの挿通孔26d、ベースプレートの挿通孔24dに挿通され、延出する小径部34cがベースプレート24の外側でカシメられる。
【0033】
取付けピン34(34L、34R)は、相互に近接する方向への移動を可能に、円弧孔24c、22dの外方端側、つまり取付けピン34Lはベースプレートの円弧孔24cの上端(図3(B−1)での上端)に、また取付けピン34Rはブラケットの円弧孔22dの下端(図3(A−1)での下端)に、それぞれ挿通されて初期配置される。
このような構成では、衝撃吸収プレート26の取付けピン34L側の一端がブラケット22に対して、また取付けピン34R側の他端がベースプレート24に対して、それぞれ固定的に連結されるのに対し、その取付けピンの挿通される円弧孔24c、22dを有したベースプレートおよびブラケットに対してはその円弧孔の長さ分だけフリーであるため、衝撃吸収プレートが、揺動可能に後方側の連結されたブラケット、ベースプレートの前方側(自由端側)間で圧縮方向への折曲変形を可能に架設されることになり、ブラケットに対するベースプレートの位置(角度)の保持強度は、この衝撃吸収プレートの持つ剛性に依存することになる。
【0034】
つまり、このような構成において、たとえばベースプレート24に、取付けピン34(34L、34R)を接近させる方向の過度の荷重が作用し、その荷重が衝撃吸収プレート26の剛性を超えたとき、衝撃吸収プレートの折曲変形を伴いながら、ベースプレートが連結シャフト28を支点としてブラケット22に対し揺動される。
【0035】
この衝撃吸収装置20は、たとえば、リクライナー15外面へのベースプレート24の固定、およびブラケットの2つのボルト孔22eを利用してのシートクッションフレームへのブラケット22のボルト止めによりシート10に組み込まれる。
【0036】
図6(A)(B)は、平常時、後突時における衝撃吸収装置の正面図をそれぞれ示す。シート10の装着された車両が通常に走行しているときには、図6(A)に示すように、取付けピン34L、34Rは衝撃吸収プレート26の剛性に起因する保持力のもとで円弧孔22c、24cの互いに離反する側の端に接触したその初期位置に留まる。
また、ベースプレート24は、ブラケット22に対し衝撃吸収プレート26の剛性のもとで固定的に保持されているため、衝撃吸収プレートの折曲変形の生じない通常時においては、ベースプレートがブラケットと一体的なシートクッション側部材として機能することで、リクライナー15の作動によるシートバックの傾動が確保できる。
【0037】
衝突、たとえば後突が生じると、衝撃力F(図1参照)が着座者の上体からシートバック14に作用し、リクライナー15を介してベースプレート24に伝達される。そして、この衝撃力Fが衝撃吸収プレート26の剛性を超えると、衝撃吸収プレートは強度脆弱部を起点として折曲変形を開始するため、取付けピン34(34L、34R)は円弧孔24c、22dに沿って接近方向に相互に移動する。
そのため、後突時にシートバック14に加わる衝撃力Fは、連結シャフト28を揺動中心としてベースプレート24をブラケット22に対して図6(A)に矢印Xで示すように、シートバックの後傾に準ずる方向、つまり図中時計方向(シートバックの後傾方向)に揺動させる。
【0038】
ベースプレート24が連結シャフト28によって相対的に揺動可能にブラケット22に連結され、衝撃吸収プレート26の挿通孔26c、26dを挿通してベースプレート、ブラケット間に延びた取付けピン34(34L、34R)の一端は、連結シャフト28の挿通される軸支孔22b、24bを中心とした円弧孔(長孔)22d、24cにそれぞれ挿通されている。
そのため、ベースプレート22が連結シャフト28の回りでシートバックの後傾方向に揺動すると、円弧孔22d、24cの互いに離反する端に接触していた取付けピン34L、34Rが対応する円弧孔22d、24cの互いに隣接する端に押圧されるまで、円弧孔に沿って移動して取付けピンの回りに曲げモーメントMが作用する。
なお、リクライニングシャフト16とブラケットの遊挿孔22aとの間の隙間は、取付けピン34L、34Rが対応する円弧孔22d、24cの互いに隣接する端に押圧されるまでのベースプレート22の揺動(揺動角θ)を許容する大きさに設定されている。
【0039】
衝撃吸収プレート26の中央部に切欠き26−1’を設けて曲げモーメントのもとで折曲変形しやすい強度脆弱部26−1が形成されているため、取付けピン34L、34Rが円弧孔22d、24cに沿って移動するにつれて、曲げモーメントによって衝撃吸収プレート26が強度脆弱部において折り畳まれるように折曲変形する。そして、衝撃吸収プレート26が強度脆弱部26−1で折曲変形することにより、シートバック14が連結シャフト28を支点として強制的に後傾されるため、後突時にシートバックに作用する衝撃エネルギーが吸収されて着座者の頭部や頸部に加わる衝撃が軽減されて、後突時の衝撃から着座者が保護される。
【0040】
強度脆弱部26−1での衝撃吸収プレート26の変形は、座屈変形のように変形抵抗が急激に低下する変形でなく、緩やかに変形する折曲変形であるため衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収できる。
そして、ブラケット22、ベースプレート24の間に介在させた衝撃吸収プレート26だけで後突時の衝撃エネルギーを吸収しているため、構成が簡単化され、衝撃吸収装置20を軽量小型化できる。また、衝撃吸収プレート26だけで衝撃エネルギーを吸収しているため、エネルギー吸収特性が自在に制御できる。
さらに、連結シャフト28を支点としたシートバックの後傾量が、円弧孔22d、24cに対する取付けピン34L、34Rの移動範囲として限定されるため、衝撃力Fの作用時におけるシートバックの過剰な後傾が確実に防止できる。
【0041】
ブラケット22、ベースプレート24を連結する連結シャフト28がブラケットに対するベースプレートの揺動中心となっており、後突による衝撃の発生時、ベースプレートはシートバック14の揺動中心であるリクライニングシャフト16とは異なる揺動中心の回りでブラケットに対して揺動される。そして、リクライニングシャフト16を境とする後方側に連結シャフト28を、またそのリクライニングシャフトを境とする前方側に衝撃吸収プレート28を、それぞれ配置しているため、衝撃吸収プレートの強度脆弱部26−1が衝撃発生時におけるシートバックの揺動中心(連結シャフト28)から十分に離反した位置に設定できる。つまり、衝撃吸収プレート26の折曲変形を伴いながらのベースプレート24の揺動、ひいては衝撃の発生に伴うシートバックの後傾が、ブラケット22、ベースプレート24の大型化を伴うことなく確保でき、この点からも衝撃吸収装置20の軽量小型化が可能となる。
【0042】
折曲変形しやすい強度脆弱部26−1は切欠き26−1’で形成され、切欠きはプレス加工などで容易に加工されるから、強度脆弱部が容易に成形できる。
強度脆弱部26−1を形成する切欠き26−1’は、実施例では、略V字形状となっているが、折曲変形しやすい強度脆弱部26−1が得られるものであればその形状は略V字形状に限定されない。たとえば、略U字形状でもよいし、図4(B−1)(B−2)に示すように、挿通孔26c、26dを結ぶ線27からずれた位置に円形の切欠き26−1’を形成して強度脆弱部26−1を設けてもよい。
【0043】
ベースプレート24をブラケット22に揺動可能に連結する連結シャフト28や、衝撃吸収プレート26をブラケット、ベースプレートの自由端間に取付ける取付けピン34は一例でありこれに限定されない。たとえば、取付けピンとしてボルト、ナットを利用して衝撃吸収プレート26をブラケット22、ベースプレート24の間に取付けてもよい。
【0044】
図4(C−1)(C−2)は変形例に係る衝撃吸収プレートの正面図、右側面図を示す。この変形例においては、破断しやすい強度脆弱部を介して側方に延びた延出部をその一端部に有している点で、上記の衝撃吸収プレートと相違し、他の構成は共通している。共通する構成についてはその説明を省略し、相違する構成について以下に詳細に説明する。
【0045】
図4(C−1)(C−2)に示すように、変形例に係る衝撃吸収プレート126では、その一端から側方に、たとえば、長方形状の衝撃吸収プレートの長手方向とほぼ直交する側方に、延出部126aが強度脆弱部126−1を介して延びている。衝撃吸収プレートの中央部の強度脆弱部26−1が折曲変形しやすい脆弱部であるのに対して、衝撃吸収プレートの一端と延出部126aとの間に設けられる強度脆弱部126−1は破断しやすい脆弱部とされる。たとえば、切欠き126−1’を形成して狭幅部を設け、この狭幅部で衝撃吸収プレートの表面に略V字形状の溝126−1’を形成して狭幅で肉厚の薄い部分(クビレ)を設けて強度脆弱部126−1が得られる。たとえば、切欠き126−1’、溝126−1は、衝撃吸収プレート26の切欠き26−1’と同様に、プレス加工で成形される。
【0046】
衝撃吸収プレートの延出部126aが、取付けピン34Rの挿通される円弧孔22dに隣接して溶着などでブラケット22に固定される点を除けば、衝撃吸収プレート126は上記の衝撃吸収プレート26と同様に、つまり、取付けピン34(34L、34R)によってブラケット、ベースプレート24の間に配置、収納される。
【0047】
後突によって衝撃力Fがシートバック14に作用すると、ベースプレート24は、図7(A)に矢印Xで示すように、連結シャフト28の回りで時計方向(シートバックの後傾方向)に相対的に揺動しようとする。
延出部を持たない衝撃吸収プレート26においては、後突による衝撃力Fがシートバックに作用してベースプレート24がシートバックの後傾方向に揺動しようとすると、取付けピン34L、34Rは円弧孔22d、24cに沿って直ちに移動し、取付けピンの回りの曲げモーメントMによって強度脆弱部26−1が変形する。すなわち、衝撃吸収プレート26の変形が直ちに生じる。
【0048】
これに対して、延出部付の衝撃吸収プレート126においては、その一端に設けた延出部126aがブラケット22に溶着されているため、ベースプレート24の揺動が一時的に規制される。すなわち、延出部126aが破断されてベースプレート24の揺動がフリーになるまで、衝撃吸収プレート126の変形を妨げられる。
延出部126aが破断されてベースプレート24の揺動がフリーとなってからの衝撃吸収プレート126の変形が延出部のない衝撃吸収プレート26の変形と同様であることはいうまでもない。
【0049】
図8(A)(B)(C)は、衝撃吸収プレートに作用する押力(衝撃荷重)と変形との関係を概略的に表す模式図であり、(A)はブラケットに固定された延出部だけで、(B)は延出部のない衝撃吸収プレートで、(C)は延出部付の衝撃吸収プレートで衝撃荷重を受ける場合をそれぞれ示す。
【0050】
ブラケットに固定された延出部126aだけで荷重(衝撃荷重)Fを受ける場合には、狭幅薄肉部の強度脆弱部126−1が破断される荷重F1、変位S1まで荷重に比例して衝撃吸収プレートは変形(弾性変形)する(図8(A)参照)。
また、延出部を持たない衝撃吸収プレート26(図4(A−1)参照)においては、強度脆弱部26−1が折曲変形し、その変形は、荷重F21まで弾性変形し(変位S21)、それから荷重F22まで比較的大きく塑性変形し、荷重F23で変位S23になる(図8(B)参照)。
【0051】
延出部付の衝撃吸収プレート126(図4(C−1)参照)では、図8(A)(B)に示す変形が重複して生じると考えられる。つまり、強度脆弱部126−1が破断されるまで強度脆弱部26−1の折曲変形は抑制され、強度脆弱部126−1が破断されてから強度脆弱部26−1の折曲変形が生じるから図8(C)に示すように、荷重(F1+F2)まで弾性変形し、それから変位S23まで荷重がF23まで減少する。
【0052】
このような強度脆弱部126−1の破断、強度脆弱部26−1の折曲変形による二段階の変形(破断も変形の一態様と考える)によれば、延出部付の衝撃吸収プレート126では荷重F22での変位が、延出部のない衝撃吸収プレート26での荷重F22の変位S22よりはるかに小さなS3となり、この荷重F22を所定荷重と考えれば所定荷重における変位を大幅に減少できる。
【0053】
このように、衝撃吸収プレート126では、端部の強度脆弱部126−1が破断されるまで衝撃吸収プレートの中間部の強度脆弱部26−1の弾性変形が抑制されて適切に制御できるため、衝撃吸収プレート126は衝突時の衝撃エネルギーをより確実に吸収できる。そして、所定荷重における衝撃吸収プレート126の変位が減少してシートバックの強制的な後傾角度が小さくなるため、着座者の頭部、頸部に加わる衝撃がより軽減され、後突時の衝撃から着座者がより確実に保護される。
【0054】
上記のように、本発明によれば、衝撃吸収プレートの強度脆弱部を折曲変形させて後突による衝撃エネルギーを吸収しており、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収でき、着座者の頭部や頸部に加わる衝撃が軽減されて着座者を衝突時の衝撃から保護できる。
【0055】
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0056】
たとえば、ブラケットをシートクッションフレームに、ベースプレートをシートバックフレームにそれぞれ固定した構成を例示したが、ベースプレートがブラケットに対して相対的に揺動可能であれば足り、実施例とは逆に、ブラケットをシートバックフレームに、ベースプレートをシートクッションフレームにそれぞれ固定してもよい。
また、リクライニングシャフトを境とする後方側に連結シャフトを、またその境の前方側に衝撃吸収プレートを、それぞれ配置した構成を例示したが、シートバックからの荷重を衝撃吸収プレートが受け得る構成であれば足り、実施例とは逆に、リクライニングシャフトを境とする前方側に連結シャフトを、またその境の後方側に衝撃吸収プレートを、それぞれ配置してもよい。
【0057】
また、車両の衝突として後方からの衝突(後方衝突;後突)を例示したが、前方への衝突(前方衝突;前突)時におけるリバウンド荷重に対しても衝撃吸収装置は有効に機能する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ドライバーシート、アシスタントシートなどのフロントシートに適するとはいえ、セカンドシート、サードシートなどの車両シートにも応用できる。
さらに、通常、自動車のシートに応用されるが、後突、前突(「急ブレーキ」も含む)の発生が予想される自動車以外の車両用シート、たとえば、電車、飛行機等の広範囲なシートにも本発明を応用できる。
【符号の説明】
【0059】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
15 リクライナー(リクライニングユニット)
16 リクライニングシャフト
20 衝撃吸収装置
22 ブラケット
22b 軸支孔
22c 挿通孔
22d 円弧孔(長孔)
24 ベースプレート
24b 軸支孔
24c 円弧孔(長孔)
24d 挿通孔
26、126 衝撃吸収プレート
26−1、126−1 強度脆弱部
26−1’、126−1’ 切欠き
26a、26b 挿通孔
126a 延出部
28 連結シャフト
34(34L、34R) 取付けピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックフレーム、シートクッションフレームの一方に固定されたブラケットと、他方に固定されたベースプレートと、曲げモーメントのもとで折曲変形しやすい強度脆弱部を有して、ブラケット、ベースプレートの間に取付けピンで取付けられた衝撃吸収プレートとを備え、
シートバックの揺動中心とは異なるその揺動中心に対する前後のいずれか一方の位置でベースプレートはブラケットに対して相対的に揺動可能に取付けられ、
シートバックの揺動中心を境とする前後他方の自由端側位置で円弧孔がブラケット、ベースプレートに、また対応する挿通孔がベースプレート、ブラケットに、それぞれ形成され、
衝撃吸収プレートの端部に挿通孔がそれぞれ形成され、取付けピンが端部の挿通孔を介在してブラケット、ベースプレートの円弧孔、挿通孔にそれぞれ挿通されて衝撃吸収プレートをブラケット、ベースプレート間に介在させ、
衝突による衝撃力がシートバックに加わってその衝撃力が衝撃吸収プレートの持つ剛性を超えたとき、円弧孔内での取付けピンの移動に伴う衝撃吸収プレートの折曲変形により、ブラケット、ベースプレート間を相対的に移動させて衝撃を吸収可能とした車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置。
【請求項2】
衝撃吸収プレートは、破断しやすい強度脆弱部を介して側方に延びた延出部をその一端部に有し、延出部は円弧孔に隣接した位置でブラケット、ベースプレートのいずれかに固着された請求項1記載の車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置。
【請求項3】
衝撃吸収プレートの中間部に切欠きを設けて中間部の強度脆弱部を形成した請求項1または2記載の車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置。
【請求項4】
ブラケットはシートクッションフレームに、ベースプレートはシートバックフレームに固定され、ブラケット、ベースプレートの軸支孔に軸支された連結シャフトによってベースプレートはブラケットに対して相対的に揺動可能に連結され、連結シャフトはブッシュを介在してブラケットの軸支孔に軸支されている請求項1〜3のいずれか記載の車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置。
【請求項5】
連結シャフトの一端がベースプレートに溶着され、他端が連結シャフトに被せたワッシャにカシメられた請求項4記載の車両用衝撃吸収シートの衝撃吸収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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