説明

車両組み込み型車載器

【課題】車載器内に水が浸入した場合に当該水を良好に排出し、しかも車載器内への湿気・塵埃の侵入も防止する。
【解決手段】 下ケース3の後板部3eに通水可能な第1の排水用開口部6を形成し、下仕切り壁部3iにおいて前後方向で第1の排水用開口部6と非対向となる部位に、通水可能な第2の排水用開口部7を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に組み込まれるETC車載器やDSRC車載器などの車両組み込み型車載器に関する。
ETC(登録商標:Electronic Toll Collection System)車載器やDSRC(登録商標:Dedicated Short Range Communication)車載器など車両に組み込まれる車両組み込み型(いわゆるビルトインタイプ)車載器は、その大部分が車両のインストルメントパネル(以下インパネという)の内部に組み込まれ、車載器において操作部やカード挿入口がある前面部をインパネの開口部から外部に覗かせる構成とされている。
【0002】
この場合、車載器は、操作性などを考慮して、やや後ろ下がりの傾斜形態に取付けられる。又、前記インパネ内部には、その上方部にエアコンダクト等水滴が発生する環境にあることも多い。この場合、その水滴が車載器に直接もしくはインパネ面を伝って滴下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−221765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した車両組み込み型車載器においては、車載器内に水が浸入した場合のことを考慮して排水口などの排水構造をとることが必要となる。この場合、排水口から湿気・塵埃が侵入することがないようにする必要がある。
そこで、本発明の目的は、車載器内に水が浸入した場合に当該水を良好に排出でき、しかも車載器内への湿気・塵埃の侵入も防止できる車両組み込み型車載器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の車両組み込み型車載器では、車載器内に浸入した水は、重力によって筐体の底板部内面を下降傾斜方向である後方へ流れるが、この水は、仕切り壁部の第2の排水用開口部を通り、この仕切り壁部と後板部との間に出る。ここで、この第2の排水用開口部と、筐体の後板部に形成された第1の排水用開口部は前後方向つまり底板部の傾斜方向で非対向であるから、第2の排水用開口部から出た水は、第1の排水用開口部へそのまま出ることはなく、後板部部分で屈曲した後第1の排水用開口部から外へ出る。このように筐体内の水を排出することができる。
【0006】
ところで、車載器外の湿気・塵埃が車載器内に侵入することが懸念されるが、この請求項1においては、第1の排水用開口部と第2の排水用開口部とが筐体の前後方向において非対向状態となっているから、湿気・塵埃が筐体の後板部の第1の排水用開口部から筐体内に入ることがあっても、この第1の排水用開口部と対向するところに第2の排水用開口部はなく、従って、筐体の後板部と仕切り壁部との空間部で停滞し、第2の排水用開口部から筐体内に侵入することを極力防止できる。
【0007】
しかも、非対向関係にある、仕切り壁部の第2の排水用開口部と筐体後板部の第1の排水用開口部とで、排水を図るから、回路基板に対するシールド効果が低下することはない。すなわち、仮に筐体の底板部に排水口を形成する構成としたとしても、排水は図れるが、その排水口の面積だけシールド層が欠落し、しかも、回路基板の板面がその排水口から外部に直接的に臨むため、シールド性能が低下するが、上記請求項1によれば、上述したように、非対向関係にある、仕切り壁部の第2の排水用開口部と筐体後板部の第1の排水用開口部とで、排水を図るから、シールド性能に直接的に影響のある筐体底板部のシールド層を欠落させずに済み、しかも回路基板が外部に臨むことがなく、よって、回路基板に対するシールド性を低下させることなく、排水を図り且つ湿気・塵埃の侵入を防止できる。
【0008】
請求項2の車両組み込み型車載器は、前記回路基板が後部にコネクタを有し、且つ前記筐体が後板部にこのコネクタを外部に臨ませるためのコネクタ用開口部を有し、前記第1の排水用開口部が、前記コネクタ用開口部を下方へ大きくすることで形成された余剰空間部により構成されていることを特徴とする。これによれば、コネクタ用開口部を利用して第1の排水用開口部を形成できる。
【0009】
又、請求項3の車両組み込み型車載器は、前記仕切り壁部が、前記筐体の底板部内面後部から立ち上がって前記回路基板の下側空間を前後に仕切る下仕切り壁部と、前記筐体の上板部内面後部から垂下して前記回路基板の上側空間を前後に仕切る上仕切り壁部とを有して構成され、前記第2の排水用開口部が前記下仕切り壁部に形成されていることを特徴とする。これによれば、下仕切り壁部と上仕切り壁部とによって、回路基板の下面方向及び上面方向への湿気・塵埃の侵入を防止でき、特に電気・電子部品が実装されている回路基板上面への湿気・塵埃の侵入は上仕切り壁部によって防止でき、電気・電子部品の劣化を効果的に防止できる。
【0010】
請求項4の車両組み込み型車載器は、前記下仕切り壁部が後方へ突出する突出壁部を有し、この突出壁部の最深部に前記第2の排水用開口部が形成されていることを特徴とする。これによれば、前記突出壁部が下仕切り壁部と筐体の後板部との空間部に入り込んだ形態となるから、第1の排水用開口部からこの空間部に湿気・塵埃が侵入したとしても、この突出壁部によって第2の排水用開口部方向へは移動しにくくなり、湿気・塵埃の侵入防止効果がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示すETC車載器の下ケースの斜視図
【図2】ETC車載器の斜視図
【図3】ETC車載器の背面図
【図4】ETC車載器がインパネに組み込まれた状態の概略縦断側面図
【図5】前方から見たETC車載器の分解斜視図
【図6】後方から見たETC車載器の分解斜視図
【図7】上ケースを下方から見た斜視図
【図8】下ケースの上面図
【図9】上ケースの下面図
【図10】回路基板及びコネクタケースの一体物の下面図
【図11】回路基板及びコネクタケースの一体物の上面図
【図12】他の実施形態を示す図1相当図
【図13】参考例を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図11を参照して説明する。この実施形態では、車両組み込み型車載器として車両組み込み型ETC車載器1(以下単にETC車載器1という)を示している。このETC車載器1は、後述するが、ブラケット8、8を介して車両のインパネ16の内部に傾斜角度5°〜12°で後ろ下がり形態に配設されている。
【0013】
図2及び図3に示すように、このETC車載器1の筐体2は、下ケース3と上ケース4とを嵌合して構成されている。この筐体2の前面にはETCカード挿入口2aが形成され、また、後面にはコネクタ用開口部としての第1のコネクタ用開口部2b、及び第2のコネクタ用開口部2c、第3のコネクタ用開口部2dが並んで形成されている。前記第1のコネクタ用開口部2bの下部に通水可能な第1の排水用開口部6が形成されている。
【0014】
下ケース3は、図1、図5〜図7に示すように、底板部3aと、前板部3bと、左側板部3c、右側板部3dと、後板部3eとを有して構成されており、上面が開放している。そして、後板部3eには、前記第1のコネクタ用開口部2bの下縁部を構成する切欠状部3f、第2のコネクタ用開口部2cの下縁部を構成する切欠状部3g、及び第3のコネクタ用開口部2dの下縁部を構成する切欠状部3hが形成されている。
【0015】
又、この下ケース3の前板部3bには前述のETCカード挿入口2aが形成されている。さらに、この下ケース3の底板部3aの内面後部には、下仕切り壁部3iが立ち上がり形態に形成されている。この下仕切り壁部3iの左右端部にはこの下仕切り壁部3iと同一高さのねじ座3j、3kが形成され、又、この下ケース3の前部における底板部3aの内面の左右両側にも前記ねじ座3j、3kと同じ高さのねじ座3l、3mが形成されている。
【0016】
さらに、この下ケース3の左側板部3c、右側板部3dには下係止爪5、5が形成されている。
前記下仕切り壁部3iの一部には後方へ突出する突出壁部3i1を有し、この突出壁部3i1の最深部(後述する)に前後方向に通水可能な第2の排水用開口部7が形成されている。この第2の排水用開口部7は前述の第2の排水用開口部6とは前後方向で非対向状態となっており、この第2の排水用開口部7の下縁部は底板部3aと面一となっている。
【0017】
又、この下ケース3の左側板部3c、右側板部3dの外面にはブラケット8、8が形成されている。
又、この下ケース3の各板部3a〜3eの上端部には、適宜、嵌合内板部3u、嵌合外板部3sが形成されている。
【0018】
さらに、この下ケース3の内面全面に、電磁波シールドのためのシールド層10Aが例えばアルミ蒸着により形成されている。
一方、上ケース4は、図7及び図9に示すように、上板部4aと、左側板部4bと、右側板部4c、後板部4dとを有して構成されており、下面及び前面が開放している。前記後板部4dには、前記第1のコネクタ用開口部2bの上縁部を構成する切欠状部4e、第2のコネクタ用開口部2cの上縁部を構成する切欠状部4f、及び第3のコネクタ用開口部2dの上縁部を構成する切欠状部4gが形成されている。
【0019】
この上ケース4の上板部4aの内面(下面)後部には、上仕切り壁部4hが垂下形態に形成されている。この上仕切り壁部4hの左右端部にはこの上仕切り壁部4hと同一高さのねじ挿通ボス4i、4jが形成され、又、この上ケース4の前部における上板部4aの内面の左右両側にも前記ねじ挿通ボス4i、4jと同じ高さのねじ挿通ボス4k、4lが形成されている。この上仕切り壁部4hと下仕切り壁部3iとで仕切り壁部2eが構成されている。
【0020】
又、この上ケース4の各板部には、前記下ケース3の嵌合内板部3uと嵌合する嵌合外板部4s、前記嵌合外板部3sと嵌合する嵌合内板部4uが適宜形成されている。さらに、この上ケース4の左側板部4b、右側板部4cには上係止爪9、9が形成されている。又、この上ケース4の内面全面に、電磁波シールドのためのシールド層10Bが例えばアルミ蒸着により形成されている。
【0021】
前記筐体2内に収容される主要部品としては、図5及び図6に示すように、回路基板11及びカードコネクタ12がある。回路基板11の上面後部には、第1のコネクタ13、第2のコネクタ14、及び第3のコネクタ15が取り付けられている。
【0022】
又、回路基板11の下面に前記カードコネクタ12が取り付けられている。これら回路基板11及びカードコネクタ12は、下ケース3と上ケース4とで筐体2を組み立てる折りに、予めこの筐体2内に配設される。すなわち、筐体2を組み立てる場合、この下ケース3に、カードコネクタ12一体の回路基板11を前記下仕切り壁部3i、ねじ座3j〜3m上に配置し、そして、下ケース3に上ケース4を嵌合し、下係止爪5、5に上係止爪9、9を係止させて仮組み立てし、そして、前記ねじ挿通ボス4i〜4lを通したねじ(図示せず)をねじ座3j〜3mにねじ込むことにより、筐体2を組み立てる。この筐体2の組み立て状態では、回路基板11はねじ座3j〜3mとねじ挿通ボス4i〜4lとで上下方向で挟持された形態となっており、もって回路基板11は底板部3aから離間した状態に配設されている。
【0023】
さらに、下仕切り壁部3iは、回路基板11において電気・電子部品が実装された基板主要領域の下面(図10に符号11Aで示す)と各コネクタ13〜15が配設されたコネクタ領域の下面(図10に符号11Bで示す)とを区分する位置に存在し、当該位置で回路基板11の下側空間を前後に仕切り、上仕切り壁部4hは、回路基板11において電気・電子部品が実装された基板主要領域の上面(図11に符号11A´で示す)と各コネクタ13〜15が配設されたコネクタ領域の下面(図11に符号11B´で示す)とを区分する位置に存在し、当該位置で回路基板11の上側空間を前後に仕切る。
【0024】
又、筐体2の組み立て状態で、図3に示すように、筐体2の後面(これは下ケース3の後板部3eと上ケース4の後板部4dとで構成される)に第1のコネクタ用開口部2b、第2のコネクタ用開口部2c、第3のコネクタ用開口部2dが形成されると共に、第1のコネクタ用開口部2bから第1のコネクタ13が外部に臨み、第2のコネクタ用開口部2cから第2のコネクタ14が外部に臨み、第3のコネクタ用開口部2dから第2のコネクタ15が外部に臨む。
【0025】
ここで、図3に示すように、上記第1のコネクタ用開口部2bが、第1の排水用開口部6を設けないと仮定すると、下端部が一点鎖線2sで示す大きさとなる。しかし、この実施形態では、この第1のコネクタ用開口部2bを下方へ大きくすることで形成された余剰空間部Yにより第1の排水用開口部6を構成している。この第1の排水用開口部6の下縁部は前記筐体2の底板部3aと面一である。なお、この場合、第1の排水用開口部6の下縁部は前記筐体2の底板部3aよりさらに低くしても良い。
【0026】
この場合、この第1の排水用開口部6は、図1において後板部3eの左部にあり、第2の排水用開口部7は中央部よりやや右寄りの部位にあり、もって、両開口部6、7は非対向状態をなしている。つまり、第1の排水用開口部6と第2の排水用開口部7との間は迷路状になっている。
【0027】
上述のように、筐体2が組み立てられることによりETC車載器1が組み立てられるものであり、このETC車載器1は、図4に示すように、ブラケット8、8を介して車両のインパネ16の内部に配設されている。この場合、このETC車載器1は傾斜角度5°〜12°で後ろ下がり形態に配設される。又、このETC車載器1の前面はインパネ16の開口16aから外部に臨んでいる。なお、このインパネ16内におけるETC車載器1の上方部にはエアコンダクト17が存在する。この傾斜形態の組み立て状態において、この突出壁部3i1の最深部となる部分に、前述の第2の排水用開口部7が位置する。
【0028】
上述した実施形態によれば、ETC車載器1内に浸入した水は、重力によって筐体2の底板部3a内面を下降傾斜方向である後方へ流れるが、この水は、下仕切り壁部3iの第2の排水用開口部7を通り、この下仕切り壁部3iと後板部3eとの間に出る。
【0029】
ここで、この第2の排水用開口部7と、筐体2の後板部3e及び4dに形成された第1の排水用開口部6は、前後方向つまり底板部3aの傾斜方向で非対向であるから、第2の排水用開口部7から出た水は、第1の排水用開口部6へそのまま出ることはなく、後板部後板部3e部分で屈曲した後第1の排水用開口部6から外へ出る。このように筐体2内の水を外部に排出することができる。
【0030】
又、ETC車載器1外の湿気・塵埃が当該ETC車載器1内に侵入することが懸念されるが、この実施形態によれば、第1の排水用開口部6と第2の排水用開口部7とが筐体2の前後方向において非対向状態となっているから(向き合っていないから)、湿気・塵埃が筐体2の後板部3e及び4dの第1の排水用開口部6から筐体2内に入ることがあっても、この第1の排水用開口部6と対向するところに第2の排水用開口部7はなく、従って、湿気・塵埃は筐体2の後板部3e及び4dと仕切り壁部2eとの空間部で停滞し、第2の排水用開口部7から筐体2内、つまり筐体2にあって仕切り壁部2eよりは前方部位である、回路基板11の基板主要部11A方向に侵入することを極力防止できる。この結果、回路基板11において湿気・塵埃から保護する必要がある基板主要部11Aを、良好に湿気・塵埃から保護できる。
【0031】
しかも、非対向関係にある、仕切り壁部2eの第2の排水用開口部7と筐体2の後板部3e及び4dの第1の排水用開口部6とで、排水を図るから、回路基板11に対するシールド層10A、10Bによるシールド効果が低下することはない。すなわち、仮に筐体2の底板部3aに排水口を形成する構成としたとしても、排水は図れるが、その排水口の面積だけシールド層10Aが欠落し、しかも、回路基板11の板面がその排水口から外部に直接的に臨むため、シールド性能が低下するが、上記実施形態によれば、上述したように、非対向関係にある、仕切り壁部2eの第2の排水用開口部7と筐体2の後板部3e及び4dの第1の排水用開口部6とで、排水を図るから、シールド性能に直接的に影響のある筐体2の底板部3aのシールド層10Aを欠落させずに済み、しかも回路基板11が外部に臨むことがなく、よって、回路基板11に対するシールド性を低下させることなく、排水を図り且つ湿気・塵埃の侵入を防止できる。
【0032】
又、本実施形態によれば、前記第1の排水用開口部6を、第1のコネクタ用開口部2bを下方へ大きくすることで形成された余剰空間部Yにより構成した。これによれば、第1のコネクタ用開口部2bを利用して第1の排水用開口部6を形成できる。
【0033】
ここで、前記第1のコネクタ用開口部2bを大きくすることなく、この第1のコネクタ用開口部2bをそのまま第1の排水用開口部6として利用することも考えられるが(図13参照)、この第1のコネクタ用開口部2bの下縁部2bkの高さが2.2mmで、ETC車載器1が5°傾斜しているとすると、筐体2内に18.7ml(ミリリットル)の残水が発生し、各コネクタ13〜15において回路基板11の後部下面から下方に突出する部分(コネクタ固定用脚部など)が濡れるおそれがある。この点、上述した実施形態によれば、前記第1の排水用開口部6を、第1のコネクタ用開口部2bを下方へ大きくすることで形成された余剰空間部Yにより構成したから、第1の排水用開口部6の下縁部が底板部3a内面と段差なく連続するようになって、上述した残水を確実に防止でき、コネクタ13〜15の突出部分が濡れることがない。
【0034】
又、本実施形態によれば、仕切り壁部2eを、筐体2の底板部3a内面後部から立ち上がって回路基板11の下側空間を前後に仕切る下仕切り壁部3iと、筐体2の上板部4a内面後部から垂下して回路基板11の上側空間を前後に仕切る上仕切り壁部4hとを有する構成とし、第2の排水用開口部7を下仕切り壁部3iに形成した。
【0035】
これによれば、下仕切り壁部3iと上仕切り壁部4hとによって、回路基板11の下面方向及び上面方向への湿気・塵埃の侵入を防止でき、特に電気・電子部品が実装されている回路基板11上面への湿気・塵埃の侵入は上仕切り壁部4hによって防止でき、電気・電子部品の劣化を効果的に防止できる。
【0036】
又、本実施形態によれば、前記下仕切り壁部3iが後方へ突出する突出壁部3i1を有し、この突出壁部3i1の最深部に第2の排水用開口部7を形成した。これによれば、突出壁部3i1が下仕切り壁部3iと筐体2の後板部3eとの空間部に入り込んだ形態となるから、第1の排水用開口部6からこの空間部に湿気・塵埃が侵入したとしても、この突出壁部3i1によって第2の排水用開口部7方向へは移動しにくくなり、湿気・塵埃の侵入防止効果がさらに向上する。
【0037】
本発明の実施形態は、上記実施形態に限られず、例えば他の実施形態として示す図12のように、下仕切り壁部3iに傾斜壁部3i1が無い構成、つまり直線状をなす構成としても良い。又、本発明はDSRC車載器に適用しても良い。その他本発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適宜変更して適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1はETC車載器(車両組み込み型車載器)、2は筐体、2bは第1のコネクタ用開口部(コネクタ用開口部)、2eは仕切り壁部、3は下ケース、3iは下仕切り壁部、4は上ケース、4hは上仕切り壁部、6は第1の排水用開口部、7は第2の排水用開口部、10A、10Bはシールド層、11は回路基板、12はカードコネクタ、13は第1のコネクタを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状をなし内面のほぼ全面にシールド層を形成した筐体と、この筐体の内部に当該筐体の底板部内面から離間した状態に配設された回路基板とを備え、車両に後ろ下がり形態に取付けられる車両組み込み型車載器であって、
前記筐体の後板部に通水可能な第1の排水用開口部を形成し、
前記筐体に、当該筐体内部を筐体後部で前後に仕切る仕切り壁部を形成し、
この仕切り壁部において前後方向で前記第1の排水用開口部と非対向となる部位に、通水可能な第2の排水用開口部を形成したことを特徴とする車両組み込み型車載器。
【請求項2】
前記回路基板は後部にコネクタを有し、且つ前記筐体は後板部にこのコネクタを外部に臨ませるためのコネクタ用開口部を有し、
前記第1の排水用開口部は、前記コネクタ用開口部を下方へ大きくすることで形成された余剰空間部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両組み込み型車載器。
【請求項3】
前記仕切り壁部は、前記筐体の底板部内面後部から立ち上がって前記回路基板の下側空間を前後に仕切る下仕切り壁部と、前記筐体の上板部内面後部から垂下して前記回路基板の上側空間を前後に仕切る上仕切り壁部とを有して構成され、前記第2の排水用開口部は前記下仕切り壁部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両組み込み型車載器。
【請求項4】
前記下仕切り壁部は後方へ突出する突出壁部を有し、この突出壁部の最深部に前記第2の排水用開口部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両組み込み型車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−228904(P2012−228904A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97084(P2011−97084)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(390001812)アンデン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】