説明

車両走行情報管理システム、走行距離計算装置および車両走行情報管理方法

【課題】各車ごとに走行距離を計算する手段や、走行距離を管理端末に送信する通信手段を備えていなくても、各車の走行距離を計算できる車両走行情報管理システムを提供する。
【解決手段】車両番号読取手段21は車両の車両番号を読み取り、車両位置情報送信手段22は車両番号読取手段21が読み取った車両番号と、位置情報とを走行距離計算装置30に送信する。走行距離導出手段31は、車両番号読取装置20から車両番号および位置情報を受信したときに、受信した位置情報と直近に受信した位置情報とから、2地点間の距離を導出する。走行履歴更新手段32は、車両番号と、車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置20が車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段33に、導出した距離を加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各車両の走行距離を計算し、管理する車両走行情報管理システムおよび車両走行情報管理システムに適用される走行距離計算装置、距離受信端末、車両走行情報管理方法、走行距離計算プログラムおよび距離受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、全国の幹線道路に、自動車ナンバー自動読取装置(通称Nシステム)や、車両番号読取装置(通称AVI(Automatic Vehicle Identification)システム)と呼ばれる装置を警察署が設置している。これは、増え続ける交通事情に対応し、車両全体を警察により監視する必要性があるとの判断により、1980年代後半に科学警察研究所が民間企業と合同で開発したものである。
【0003】
NシステムやAVIシステムは、防犯の目的で警察主導のもと設置されているが、高額な装置であるため、現在のところ主要な幹線道路にしか設置されていない。そのため、車両が幹線道路以外を移動した場合には、その車両の追跡が困難になる。
【0004】
また、特許文献1には、運転者を管理する運転者管理システムが記載されている。特許文献1記載の運転者管理システムは、車載コンピュータに搭載されるプログラムが、距離計の情報を読み出して走行距離を計算する。車両に取り付けられた無線ICタグは、運転免許証の無線ICタグに記録された運転者情報や走行距離、その他の情報を記憶する。そして、車両に取り付けた無線ICタグに記憶された情報は、車両が車両認識装置付近を通過する時に、車両認識装置に送信される。
【0005】
また、カーナビゲーションシステムや携帯端末等と連携して、各車両が自身の走行距離および走行距離ごとの位置情報を管理端末に送信し、その送信された情報を利用して行われるサービスも存在する。
【0006】
また、車両販売店が車両を販売したユーザに対し、次にメンテナンスを受ける年月日を通知するために、前回のメンテナンス実施時期から現在までの期間を計算して、メンテナンスの必要性を通知するか判断する方法が存在する。車両販売店は、その期間が一定の期間を経過したと判断した場合、ユーザに対し、メンテナンスについての情報を通知する。
【0007】
【特許文献1】特開2005−284476号広報(段落0083、0085、0088、0089、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたサービスをユーザが利用する場合、走行距離を計算する装置や、その情報を送信する通信装置を各車両に搭載する必要がある。そのため、これらの装置を搭載しない車両ではサービスを受けることができない。
【0009】
また、前回のメンテナンス実施時期から経過した期間に基づいて、車両販売店が車両のメンテナンス通知をユーザに行う場合、ユーザが次にメンテナンスを受ける通知を受け取った段階では、その車両がすでにメンテナンスを受けるべきであった走行距離を過ぎていることがある。このような場合、車両の寿命を縮めてしまうという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は、各車両ごとに走行距離を計算する装置や、走行距離を管理端末に送信する通信装置を備えていなくても、各車両の走行距離を計算できる車両走行情報管理システムおよび車両走行情報管理システムに適用される走行距離計算装置、距離受信端末、車両走行情報管理方法、走行距離計算プログラム、距離受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による車両走行情報管理システムは、車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置と、車両番号読取装置から、車両番号と、車両番号読取装置が車両番号を読み取った地点の位置情報とを受信し、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置とを備え、車両番号読取装置が、車両の車両番号を読み取る車両番号読取手段と、車両番号読取手段が読み取った車両番号と、位置情報とを走行距離計算装置に送信する車両位置情報送信手段とを備え、走行距離計算装置が、車両番号と、車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置が車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段と、車両番号読取装置から車両番号および位置情報を受信したときに、位置情報と、車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出手段と、距離を加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する走行履歴更新手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による走行距離計算装置は、車両番号と、車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置が車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段と、車両番号読取装置から、車両番号と、位置情報とを受信したときに、位置情報と、車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出手段と、距離を加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する走行履歴更新手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明による距離受信端末は、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置に車両番号を送信することにより、車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、要求した累積走行距離を走行距離計算装置から受信する走行履歴受信手段と、車両の車両番号と、車両番号が示す車両のメンテナンス実施時の走行距離とを対応付けて記憶するメンテナンス距離記憶手段と、走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信したときに、メンテナンス実施時の走行距離と、累積走行距離との差分を計算する走行距離差分計算手段と、差分が所定範囲以内であるときに、メンテナンス通知を行うメンテナンス通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明による距離受信端末は、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置に車両番号を送信することにより、車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、要求した累積走行距離を走行距離計算装置から受信する走行履歴受信手段と、車両の車両番号と、車両番号が示す車両の走行距離メータに表示されるメータ表示距離とを対応付けて記憶するメータ表示距離記憶手段と、車両番号が入力される入力手段と、走行距離計算装置から車両番号が示す車両の累積走行距離を受信したときに、累積走行距離とメータ表示距離との差分を計算し、差分が所定範囲内であるときに、メータ表示距離記憶手段に比較結果を記憶させる比較結果登録手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明による車両走行情報管理方法は、車両番号読取装置が、車両番号を読み取り、車両番号と、車両番号を読み取った地点の位置情報とを、走行距離計算装置に送信し、走行距離計算装置が、車両番号読取装置から車両番号および位置情報を受信したときに、位置情報と、車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出し、距離を、車両番号と、車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置が車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段の累積走行距離に加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加することを特徴とする。
【0016】
本発明による走行距離計算プログラムは、コンピュータに、車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置から、車両番号と、位置情報とを受信したときに、位置情報と、車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出処理、および、距離を、車両番号と、車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置が車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段の累積走行距離に加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する走行履歴更新処理を実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明による距離受信プログラムは、コンピュータに、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置から、車両の累積走行距離を受信する走行履歴受信処理、走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信したときに、車両の車両番号と、車両番号が示す車両のメンテナンス実施時の走行距離とを記憶するメンテナンス距離記憶手段に記憶されたメンテナンス実施時の走行距離と、累積走行距離との差分を計算する走行距離差分計算処理、および、距離の差分が所定範囲以内であるときに、メンテナンス通知を行うメンテナンス通知処理を実行させることを特徴とする。
【0018】
本発明による距離受信プログラムは、コンピュータに、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置から、車両の累積走行距離を受信する走行履歴受信処理、および、走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信したときに、車両の車両番号と、車両番号が示す車両の走行距離メータに表示されるメータ表示距離とを対応付けて記憶するメータ表示距離記憶手段に記憶されたメータ表示距離と、累計走行距離との差分を計算し、差分が所定範囲内であるときに、メータ表示距離記憶手段に比較結果を記憶させる比較結果登録処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、各車両ごとに走行距離を計算する装置や、走行距離を管理端末に送信する通信装置を備えていなくても、各車両の走行距離を計算できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明による車両走行情報管理システムの一実施形態を示すブロック図である。本発明による車両走行情報管理システムは、販売店端末10と、車両番号読取装置20と、走行距離計算装置30とを備えている。販売店端末10と、車両番号読取装置20と、走行距離計算装置30とは、閉域網などの通信ネットワーク100を介して相互に接続されるが、通信ネットワーク100の形態は特に限定されない。
【0022】
車両番号読取装置20は、通過する車両の車両番号を読み取り、車両番号読取装置20が設置されている地点の情報(通過地点情報)と併せて走行距離計算装置30へ送信する。車両番号読取装置20は、例えば道路上を車両が通過したことを認識できる位置に設置される。走行距離計算装置30は、車両番号読取装置20から送信される通過地点情報を受信して走行距離を計算し、車両番号、通過地点情報と併せて記憶する。販売店端末10は、走行距離計算装置30に車両番号を送信し、走行距離計算装置30によって送信される通過地点情報、走行距離を受信する。
【0023】
図1に示す例では、1台の販売店端末10を図示しているが、販売店端末10の台数は1台に限定されず、複数存在してもよい。また、図1に示す例では、1台の車両番号読取装置20を図示しているが、車両番号読取装置20は複数存在する。
【0024】
車両番号読取装置20は、車両番号読取手段21と、車両位置情報送信手段22とを備えている。
【0025】
車両番号読取手段21は、車両が通過したことを検知すると、車両の車両番号を読み取り、読み取った車両番号を車両位置情報送信手段22に通知する。車両番号読取手段21は、例えば、車両を検知するセンサと、センサが車両の通過を検知すると車両番号を撮影する撮影装置と、撮影装置が撮影した車両番号を認識する認識装置を備えていてもよい。例えば、赤外線センサが車両の通過を検知したときに、テレビカメラが車両の前面を撮影し、認識装置がその撮影した画像のナンバープレートをもとに、車両番号を認識して読み取ってもよい。
【0026】
車両位置情報送信手段22は、車両番号読取手段21が読み取った車両番号の通知を受けると、その車両番号と、車両番号読取装置20を設置する地点の情報(通過地点情報)とを、走行距離計算装置30に送信する。通過地点情報は、例えば、各車両番号読取装置20を識別する識別子であってもよいし、緯度および経度で表わされるものであってもよい。通過地点情報は、車両番号読取装置20が車両番号を読み取った地点の位置情報に相当する。例えば、車両番号読取装置20は、通過地点情報を記憶する記憶手段を備え、車両位置情報送信手段22は、その記憶手段から通過地点情報を読み取って、走行距離計算装置30に送信してもよいが、その方法に限定されない。
【0027】
走行距離計算装置30は、走行距離導出手段31と、走行履歴更新手段32と、走行履歴記憶手段33と、走行履歴送信手段34と、対応距離記憶手段35とを備えている。
【0028】
走行履歴記憶手段33は、車両番号、通過地点および累積走行距離とを対応付けて記憶する記憶装置である。通過地点と累積走行距離とをまとめたものは、走行履歴情報と呼ぶことができる。図2は、走行履歴記憶手段33に記憶される情報の例を示す説明図である。図2に示す例では、車両番号「練馬xxx さ xx−xxxx」が、「AAAインターチェンジ」「BBBジャンクション」「CCCインターチェンジ」の順に通過し、その累積距離が3500kmであることを示している。
【0029】
対応距離記憶手段35は、2つの車両番号読取装置20間の距離を記憶する記憶装置である。対応距離記憶手段35は、2つの車両番号読取装置20の識別子の組合せと、距離とを対応付けて記憶する。図3は、対応距離記憶手段35に記憶される情報の例を示す説明図である。例えば、図3に示す例では、「AAAインターチェンジ」および「BBBジャンクション」という2つの識別子の組合せと、100kmという距離とを対応付けている。このことは、車両が「AAAインターチェンジ」から「BBBジャンクション」に走行した場合、その走行距離は100kmであることを示す。対応距離記憶手段35は、車両番号読取装置20の識別子の組合せごとに距離の情報を記憶する。
【0030】
走行距離導出手段31は、車両番号読取装置20から受信した通過地点情報を使用して走行距離を導出する。走行距離導出手段31は、例えば、2つの車両番号読取装置20の識別子の組合せをもとに対応距離記憶手段35から走行距離を読み取ればよい。
【0031】
走行履歴更新手段32は、走行距離導出手段31が導出した走行距離を、累積走行距離に加算して走行履歴記憶手段33に記憶させる。
【0032】
走行履歴送信手段34は、販売店端末10から車両番号を受信すると、走行履歴記憶手段33からその車両番号に対応する通過地点情報、累積走行距離を読み取り、販売店端末10に送信する。
【0033】
上記の説明では、走行距離導出手段31が、通過地点情報として車両番号読取装置20の識別子を利用し、走行距離を導出する方法について説明したが、走行距離の計算方法は、上記の方法に限定されない。例えば、車両位置情報送信手段22が通過地点情報として、経度および緯度を送信し、走行距離導出手段31が、2地点の緯度および経度の差から直線距離を計算してもよい。この場合、走行距離導出手段31は、対応距離記憶手段35を使用せずに計算するため、対応距離記憶手段35は設けられていなくてもよい。
【0034】
走行距離導出手段31、走行履歴更新手段32および走行履歴送信手段34は、例えば、プログラム(走行距離計算プログラム)に従って動作するCPUによって実現される。
【0035】
販売店端末10は、走行履歴受信手段11と、メンテナンス距離記憶手段12と、走行距離差分計算手段13と、メンテナンス通知手段14とを備えている。
【0036】
メンテナンス距離記憶手段12は、車両番号と、前回のメンテナンス実施時の走行距離とを対応付けて記憶する記憶装置である。図4は、メンテナンス距離記憶手段12に記憶される情報の例を示す説明図である。メンテナンス距離記憶手段12は、例えば、販売店端末10が備えるデータベースによって実現される。
【0037】
走行履歴受信手段11は、走行距離計算装置30に車両番号を送信することにより、累積走行距離、通過地点情報等を要求し、車両番号に対応する累積走行距離、通過地点情報等を走行距離計算装置30から受信する。走行履歴受信手段11は、販売店端末10のメンテナンス距離記憶手段12に、受信した累積走行距離、通過地点情報等を記憶させてもよい。
【0038】
走行距離差分計算手段13は、走行距離計算装置30から受信した累積走行距離と、メンテナンス距離記憶手段12に記憶された前回のメンテナンス実施時点の走行距離との差を計算し、計算結果をメンテナンス距離記憶手段12に記憶させる。図4に示す例では、メンテナンス距離記憶手段12が、前回のメンテナンス実施時点の走行距離と、前回のメンテナンス実施時点からの走行距離を記憶している状態を示す。この場合、走行履歴受信手段11が、走行距離計算装置30から累積走行距離を受信すると、走行距離差分計算手段13は、その累積走行距離と前回のメンテナンス実施時点の走行距離との差を計算し、計算結果を、前回のメンテナンス実施時点からの走行距離として、メンテナンス距離記憶手段12に記憶させる。
【0039】
メンテナンス通知手段14は、走行距離差分計算手段13が計算した走行距離とメンテナンスの通知が必要な距離との差分を計算する。メンテナンス通知手段14は、計算した差分を比較し、その差分が所定範囲以内である場合には、メンテナンス通知が必要と判断し、メンテナンスの通知を行う。すなわち、例えば、差分をD1とし、所定範囲をA以上B以下とした場合、A≦D1≦Bならば、メンテナンスの通知を行う。
【0040】
差分の計算方法は、例えば、販売店端末10が、メンテナンス通知を行う走行距離を記憶する記憶手段を備え、メンテナンス通知手段14は、その記憶手段から走行距離を読み取り、前回のメンテナンス実施時点からの走行距離との差を計算してもよい。また、例えば、メンテナンス距離記憶手段12が、各車両ごとに、次回メンテナンス通知を行う走行距離を記憶し、メンテナンス通知手段14が、前回のメンテナンス実施時点からの走行距離と、メンテナンス距離記憶手段12が記憶する次回メンテナンス通知を行う走行距離との差を計算してもよいが、これらの方法に限定されない。
【0041】
メンテナンス通知手段14は、計算した差分が所定の範囲以内であると判断した場合、例えば、販売店端末10が出力装置(図示せず)を備えている場合であれば、メンテナンス通知手段14は、メンテナンス通知を出力装置に出力してもよい。メンテナンス通知とは、車両のメンテナンスを実施することを奨める旨の通知である。また、例えば、メンテナンス距離記憶手段12が、ユーザのメールアドレスをあらかじめ記憶し、メンテナンス通知手段14が、メンテナンス距離記憶手段12からメンテナンス通知を行うユーザのメールアドレスを読み取り可能であれば、メンテナンス通知手段14は、そのメールアドレスを使用して、電子メールの送信によるメンテナンス通知を行ってもよいが、通知の方法は、これらに限定されない。
【0042】
走行履歴受信手段11、走行距離差分計算手段13およびメンテナンス通知手段14は、例えば、プログラム(距離受信プログラム)に従って動作するCPUによって実現される。
【0043】
次に、動作について説明する。
図5は、車両番号読取装置20が車両番号を読み取ってから、販売店端末10に走行距離を記憶させるまでの一連の動作の例を示すフローチャートである。本実施例では、走行履歴記憶手段33に、車両番号に対応する通過地点情報および累積走行距離が記憶されていない状態から処理が開始する場合を例に説明する。
【0044】
ユーザの運転する車両が、車両番号読取装置20を通過すると、車両番号読取手段21は、通過した車両の車両番号を読み取る。車両位置情報送信手段22は、車両番号読取手段21が読み取った車両番号と、車両番号読取装置20の通過地点情報とを併せて、走行距離計算装置30へ送信する(ステップS1)。走行距離計算装置30は、車両番号と通過地点情報とを受信すると、走行履歴更新手段32は、車両番号と通過地点情報とを走行履歴記憶手段33に記憶させる。走行距離導出手段31は、走行距離を導出しようとするが、走行履歴記憶手段33には、車両番号に対応する過去の通過地点情報および、累積走行距離を記憶していないため、走行履歴更新手段32は、累積走行距離に0kmを登録する(ステップS2)。
【0045】
ユーザの運転する車両が、別の車両番号読取装置20を通過すると、車両位置情報送信手段22はステップS1と同様に、車両番号読取手段21が読み取った車両番号と、車両番号読取装置20の通過地点情報とを併せて、走行距離計算装置30へ送信する(ステップS3)。走行距離計算装置30は、車両番号と通過地点情報とを受信すると、走行履歴更新手段32は、車両番号と通過地点情報とを走行履歴記憶手段33に記憶させる(ステップS4)。この結果、走行履歴記憶手段33に記憶された走行履歴情報に、新たに受信した通過地点情報が追加される。
【0046】
走行距離導出手段31は、ステップS4で記憶させた通過地点情報と、ステップS4で記憶させる前に記憶させた直近の通過地点情報を比較し、走行距離を導出する。
【0047】
走行距離計算装置30が、対応距離記憶手段35を備えている場合には、走行距離導出手段31は、ステップS2で記憶された通過地点情報と、ステップS4で記憶された通過地点情報の組合せに対応する距離を、対応距離記憶手段35から読み込み、走行距離としてもよい。例えば、ステップS2およびステップS4で記憶された2つの通過地点情報が、それぞれ「AAAインターチェンジ」と「BBBジャンクション」である場合、図3に示す例では、これらの通過地点情報の組合せに対応する距離は100kmと記憶されているため、この距離を走行距離として利用することができる。2地点間の距離として、実際の走行距離を計測したものが対応距離記憶手段35に記録されていれば、走行距離導出手段31は、走行距離をより正確な値として導出できるため、より好ましい。
【0048】
このように、走行距離導出手段31は、車両番号読取装置20から車両番号および通過地点情報を受信したときに、受信した位置情報と、その車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、通過地点情報が示す地点間の距離を導出する。
【0049】
走行距離導出手段31が、対応距離記憶手段35から読み込んだ走行距離を、走行履歴更新手段32は、走行履歴記憶手段33の累積走行距離に加算し、記憶させる(ステップS5)。
【0050】
販売店端末10は、例えば、販売店端末10の使用者の操作に応じて、走行距離計算装置30に車両番号を送信し、車両番号に対応する累積走行距離を要求する(ステップS6)。走行距離計算装置30の走行履歴送信手段34は、販売店端末10から車両番号を受信すると、受信した車両番号に対応する通過地点情報、累積走行距離を含む情報を、走行履歴記憶手段33から読み取り、販売店端末10へ送信する(ステップS7)。
【0051】
販売店端末10の走行履歴受信手段11が、走行距離計算装置30から通過地点情報、累積走行距離を含む情報を受信すると、走行距離差分計算手段13は、その累積走行距離と、メンテナンス距離記憶手段12に記憶されている前回のメンテナンス実施時点の走行距離との差分を計算し、その計算結果をメンテナンス距離記憶手段12に記憶させる(ステップS8)。図4に示す例では、走行距離差分計算手段13が走行距離計算装置30から受信した累積走行距離と、「前回メンテナンス実施時点の走行距離」との差を計算し、その計算結果を「前回メンテナンス実施時点からの走行距離」に記憶している状態を示す。
【0052】
走行履歴受信手段11は、走行距離差分計算手段13の計算結果以外にも、走行距離計算装置30から受信した通過地点情報、累積走行距離を含む情報をメンテナンス距離記憶手段12に記憶させてもよい。
【0053】
図2と図4を用いて具体的に説明する。走行履歴受信手段11が、車両番号「練馬xxx さ xx−xxxx」の累積走行距離を走行距離計算装置30に要求すると、走行履歴送信手段34は、走行履歴記憶手段33から累積走行距離「3500km」を読み取り、その累積走行距離を販売店端末10に送信する。走行履歴受信手段11は、走行履歴記憶手段33から累積走行距離を受信すると、走行距離差分計算手段13は、「前回メンテナンス実施時点の走行距離」が3250kmであることを確認し、距離の差を250kmと計算する。走行距離差分計算手段13は、計算結果をメンテナンス距離記憶手段12の「前回メンテナンス実施時点からの走行距離」に記憶させる。
【0054】
図6は、「前回メンテナンス実施時点からの走行距離」を計算してから、メンテナンス通知を行う動作の例を示すフローチャートである。
【0055】
メンテナンス通知手段14は、走行距離差分計算手段13が計算した「前回メンテナンス実施時点からの走行距離」が、所定の範囲内であるか判断する(ステップS9)。例えば、「前回メンテナンス実施時点からの走行距離」が一定の距離に到達したらメンテナンス通知が必要と判断してもよい。また、例えば、各車両ごとにあらかじめメンテナンス通知を行う距離を準備しておき、「前回メンテナンス実施時点からの走行距離」がその距離に到達したらメンテナンス通知が必要と判断してもよいが、これらの方法に限定されない。
【0056】
メンテナンス通知手段14は、通知が必要と判断した場合、様々な方法で通知をすることが可能である。例えば、メンテナンス通知手段14は、販売店端末10の出力装置(図示せず)に、メンテナンス通知を行うユーザの情報や電話番号を出力してもよい。また、例えば、販売店端末10が、図4の例に示す「連絡手段」として「電子メール」および、その電子メールに対応する「連絡先」を管理している場合には、メンテナンス通知手段14は、電子メールを利用して、メンテナンス通知を行ってもよい。具体的には、販売店端末10に各車両のユーザごとに電子メールアドレスを記憶しておき、メンテナンス通知手段14は、メンテナンス通知を必要と判断した場合には、その記憶された電子メールアドレスを読み込み、読み込んだ電子メールアドレスをもとに、各車両のユーザに電子メールにてメンテナンス通知を行ってもよい。
【0057】
上記説明では、走行距離導出手段31が、通過地点情報の組合せに対応する距離を、対応距離記憶手段35から読み込み、走行距離とする場合について説明した。その他にも、車両番号読取装置20から送信される通過地点情報に、車両番号読取装置20を設置している地点の経度および緯度が含まれている場合には、走行距離導出手段31は、2つの通過地点情報の経度および緯度の差から直線距離を計算し、走行距離としてもよい。この場合、対応距離記憶手段35から距離を読み込む必要がないため、走行距離計算装置30は、対応距離記憶手段35を備えていなくてもよい。
【0058】
本発明によれば、車両番号読取装置20が車両番号を読み取り、通過地点情報と併せて走行距離計算装置30に送信し、走行距離計算装置30が、車両番号読取装置20から受信した通過地点情報から走行距離を計算して記憶する。そのため、各車両ごとに走行距離を計算する装置や、走行距離を管理端末に送信する通信装置を備えていなくても、各車両の走行距離を計算できる。
【0059】
また、走行履歴受信手段11が走行距離計算装置30に車両番号を送信し、走行履歴送信手段34が走行履歴記憶手段33から受信した車両番号に対応する通過地点情報や、累積走行距離を販売店端末10に送信する。そのため、販売店端末10を備える販売店がユーザの使用する車両の実走行距離や走行履歴を把握することが可能になる。よって、車両の販売店は、車両を頻繁に使用するユーザに対し、メンテナンスを受けるべき走行距離を過ぎる前にメンテナンス通知を行うことが可能になり、車両の寿命を縮めてしまうという問題を回避できる。
【0060】
車両の販売店が本実施形態の販売店端末10を利用する場合の例について具体的に説明する。販売店端末10は、走行距離計算装置30から受信した累積走行距離を、販売店端末10が備えるデータベースに記憶させ、そのデータベースが記憶する顧客情報(ユーザ名、連絡先、前回のメンテナンス内容など)に基づき、販売店の判断でオイル交換、タイヤ交換など、受けるべきメンテナンスの通知をユーザに行うことが可能になる。図4に示す例では、ユーザへの連絡手段の情報をデータベースで管理しているため、車両の販売店は、この情報を利用して、電子メール、または電話にて、各車両のユーザに連絡することができる。
【0061】
本実施形態では、ユーザが所有する車両のメンテナンス内容は、販売店が備えるデータベースに、走行距離とともに記録できる。そのため、ユーザ自身が車両のメンテナンスの記録を行う必要がなくなるうえ、車両の走行距離に応じ、適切なメンテナンスの通知を販売店から受けることが可能になる。特に、多数の車両を有する運送会社、タクシー会社などでは、自社で車両のメンテナンスの記録を管理する手間からも解放される。また、販売店にとっては、車両のユーザに対して自身の店でメンテナンスを受けてもらえるように促すことができ、車体販売以外のアフターサービスによる利益を得ることができるという効果もある。
【0062】
車両の販売店は、販売店の有する顧客情報と通過地点情報とを併せて利用することで、その個人のニーズに合わせた、より効果的なサービスが提供可能である。例えば、東京都に住んでいる人が長野や新潟など、関越地方に良く出向いているという記録があるとする。この場合、販売店は、冬の雪に備え、冬用タイヤや、雪に役立つグッズの宣伝を行うことも可能になる。
【0063】
また、本発明によれば、現在警察主導で行われている車両番号読取装置の技術を、車両の走行距離の計算に応用することができるため、車両番号読取装置を利用することは、防犯だけでなく、ビジネスへのメリットになる。これらのメリットより、車両番号読取装置の更なる普及を促進できる。
【0064】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図7は、本実施形態の変形例における車両走行情報管理システムの例を示すブロック図である。本実施形態の変形例では、販売店端末10は、メンテナンス距離記憶手段12の代わりに、メータ表示距離記憶手段15を備えており、メータ表示距離記憶手段15には、車体に取り付けられた走行距離メータで確認した走行距離(以下、メータ表示距離)が記録されている点で、上記説明と異なる。また、販売店端末10は、走行距離差分計算手段13およびメンテナンス通知手段14の代わりに、入力手段16および比較結果登録手段17を備えている点で、上記説明と異なる。それ以外の構成は、図1と同一である。上記に説明した実施形態と同様の構成については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
メータ表示距離記憶手段15は、車両番号と、メータ表示距離とを対応付けて記憶する記憶装置である。また、メータ表示距離記憶手段15は、メータ表示距離と累積走行距離を比較した結果を示す情報も、車両番号と対応付けて記憶する。メータ表示距離記憶手段15は、例えば、販売店端末10が備えるデータベースによって実現される。
【0066】
比較結果登録手段17は、走行距離計算装置30に記憶された累積走行距離と、メータ表示距離の差分を計算する。その差分が所定の範囲内である場合には、比較結果登録手段17は照合出来たものと判断し、メータ表示距離記憶手段15に照合が完了したことを示す照合完了識別フラグを記憶させる。
【0067】
入力手段16には、例えば、販売店端末10の使用者によって、車両の累積走行距離を走行距離計算装置30から受信するために、その車両の車両番号が入力される。入力手段16は、例えば、キーボード等の入力デバイスによって実現されるが、入力手段16の態様は、キーボード等に限定されない。
【0068】
比較結果登録手段17は、例えば、プログラム(距離受信プログラム)に従って動作するCPUによって実現される。
【0069】
図8は、本実施形態の変形例の動作の例を示すフローチャートである。なお、上記に説明した実施形態と同様の動作については、図5と同一の符号を付し、説明を省略する。ステップS7で、走行履歴送信手段34が、販売店端末10から車両番号を受信し、受信した車両番号に対応する通過地点情報、累積走行距離を含む情報を、走行履歴記憶手段33から読み取り、販売店端末10へ送信するまでの動作は、既に説明した動作と同様である。
【0070】
ただし、ステップS6では、例えば、販売店端末10の使用者が入力手段16に入力した車両番号を、走行距離計算装置30に送信してもよい。
【0071】
販売店端末10が、走行距離計算装置30から累積走行距離を受信すると、比較結果登録手段17は、その累積走行距離とメータ表示距離記憶手段15に記憶されたメータ表示距離との差分を計算する。比較結果登録手段17は、その差分が所定の範囲内である場合には照合出来たものと判断し、メータ表示距離記憶手段15に照合完了識別フラグを記憶させる(ステップS11)。すなわち、例えば、差分をD2とし、所定範囲をP以上Q以下とした場合、P≦D2≦Qならば、メータ表示距離記憶手段15に照合完了識別フラグを記憶させる。なお、先に説明したメンテナンス通知手段14が比較する所定範囲と、比較結果登録手段17が比較する所定範囲とは異なるものであり、それぞれ別の範囲を定めることができる。
【0072】
本発明によれば、販売店端末10が、走行距離計算装置30から累積走行距離を受信し、比較結果登録手段17が、その累積走行距離と、メータ表示距離記憶手段15に記憶されたメータ表示距離とを比較し、その差分が所定の範囲内であると判断した場合には、照合完了識別フラグをメータ表示距離記憶手段15に記憶させる。そのため、照合完了識別フラグが記憶された車両は、走行距離メータが不正に巻き戻されたり、メータ部分のみが交換されたりといったことがないことを証明することが可能になる。
【0073】
具体的な例として、中古車オークションの管理者が、中古車オークションの情報を管理する端末(中古車情報管理端末)を使用して、本実施形態を利用する場合を例に説明する。この場合、中古車情報管理端末が販売店端末10に相当する。
【0074】
中古車情報管理端末は、車両番号に対応する累積走行距離を、走行距離計算装置30から受信する。中古車情報管理端末は、例えば、中古車の情報を蓄積しているデータベース(中古車情報データベース)から、走行距離を比較する車両のメータ表示距離を読み込み、走行距離計算装置30から受信した累積走行距離との差分を計算する。その差分が所定の範囲以内であると判断した場合には、その車体は照合完了として、中古車情報データベースに照合完了識別フラグを記憶させることができる。
【0075】
その結果、オークションの利用者は、照合完了識別フラグが記憶されている車両は、走行距離メータが不正に巻き戻された、または、メータ部分のみ部品が交換されたなどの不正行為が介在しない車両であるとの安心感を得ることができる。すなわち、より付加価値をつけた中古車の転売が可能になる。
【0076】
図9は、本発明による車両走行情報管理システムの概要を示すブロック図である。本発明による車両走行情報管理システムは、車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置20と、車両番号読取装置20から、車両番号と、車両番号読取装置20が車両番号を読み取った地点の位置情報(例えば、通過地点情報)とを受信し、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置30とを備えている。
【0077】
車両番号読取装置20は、車両の車両番号を読み取る車両番号読取手段21と、車両番号読取手段21が読み取った車両番号と、位置情報とを走行距離計算装置30に送信する車両位置情報送信手段22とを備えている。
【0078】
走行距離計算装置30は、車両番号と、車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置20が車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段33と、車両番号読取装置20から車両番号および位置情報を受信したときに、位置情報と、車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出手段31と、距離を加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する走行履歴更新手段32とを備えている。
【0079】
そのような構成により、各車両ごとに走行距離を計算する手段や、走行距離を管理端末に送信する通信手段を備えていなくても、各車両の走行距離を計算できる。
【0080】
また、上記の実施形態には、走行距離計算装置30から車両の累積走行距離を受信する距離受信端末(例えば、販売店端末10)を備え、距離受信端末が、走行距離計算装置30に車両番号を送信することにより、車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、要求した累積走行距離を走行距離計算装置30から受信する走行履歴受信手段を備え、走行距離計算装置30が、距離受信端末から車両番号を受信したときに、車両番号に対応する車両の累積走行距離を走行履歴記憶手段33から読み込み、距離受信端末に送信する走行履歴送信手段を備えた構成が開示されている。
【0081】
また、上記の実施形態には、距離受信端末が、車両の車両番号と、車両番号が示す車両のメンテナンス実施時の走行距離とを対応付けて記憶するメンテナンス距離記憶手段と、走行距離計算装置30から車両の累積走行距離を受信したときに、メンテナンス実施時の走行距離と、累積走行距離との差分を計算する走行距離差分計算手段と、差分が所定範囲以内であるときに、メンテナンス通知を行うメンテナンス通知手段とを備えた構成が開示されている。
【0082】
また、上記の実施形態には、距離受信端末が、車両の車両番号と、車両番号が示す車両の走行距離メータが示すメータ表示距離とを対応付けて記憶するメータ表示距離記憶手段と、車両番号が入力される入力手段と、走行距離計算装置30から車両番号が示す車両の累積走行距離を受信したときに、累積走行距離とメータ表示距離との差分を計算し、差分が所定範囲以内であるときに、メータ表示距離記憶手段に比較結果を記憶させる比較結果登録手段とを備えた構成が開示されている。
【0083】
また、上記の実施形態には、走行距離計算装置30が、2つの地点の位置情報によって特定される2地点間の距離を記憶する対応距離記憶手段を備え、走行距離導出手段が、車両番号とともに走行距離計算装置30から受信した位置情報が示す地点と、車両情報とともに受信した直近の位置情報が示す地点との距離を、対応距離記憶手段に記憶された距離の中から特定する構成が開示されている。
【0084】
また、走行距離導出手段が、車両番号とともに走行距離計算装置30から受信した位置情報が示す地点と、車両情報とともに受信した直近の位置情報が示す地点との距離を、位置情報に含まれる経度および緯度の差分から距離を計算してもよい。
【0085】
また、走行履歴送信手段は、距離受信端末からの要求に応じて累積走行距離を送信するときに、距離受信端末に位置情報を送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、各車両の走行距離を計算し、管理する車両走行情報管理システムに好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】車両走行情報管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】走行履歴記憶手段33が記憶する情報の例を示す説明図である。
【図3】対応距離記憶手段35が記憶する情報の例を示す説明図である。
【図4】メンテナンス距離記憶手段12が記憶する情報の例を示す説明図である。
【図5】本実施形態の動作の例を示すフローチャートである。
【図6】メンテナンス通知を行うまでの動作の例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の変形例における車両走行情報管理システムの例を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の変形例の動作の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明による車両走行情報管理システムの概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
10 販売店端末
20 車両番号読取装置
21 車両番号読取手段
22 車両位置情報送信手段
30 走行距離計算装置
31 走行距離導出手段
32 走行履歴更新手段
33 走行履歴記憶手段
100 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置と、
前記車両番号読取装置から、車両番号と、車両番号読取装置が車両番号を読み取った地点の位置情報とを受信し、車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置とを備え、
前記車両番号読取装置は、
車両の車両番号を読み取る車両番号読取手段と、
前記車両番号読取手段が読み取った車両番号と、前記位置情報とを前記走行距離計算装置に送信する車両位置情報送信手段とを備え、
前記走行距離計算装置は、
車両番号と、当該車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置が当該車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段と、
前記車両番号読取装置から車両番号および位置情報を受信したときに、当該位置情報と、前記車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出手段と、
前記距離を加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する走行履歴更新手段とを備えた
ことを特徴とする車両走行情報管理システム。
【請求項2】
走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信する距離受信端末を備え、
前記距離受信端末は、
走行距離計算装置に車両番号を送信することにより、当該車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、要求した累積走行距離を走行距離計算装置から受信する走行履歴受信手段を備え、
走行距離計算装置は、
前記距離受信端末から車両番号を受信したときに、車両番号に対応する車両の累積走行距離を走行履歴記憶手段から読み込み、距離受信端末に送信する走行履歴送信手段を備えた
請求項1記載の車両走行情報管理システム。
【請求項3】
距離受信端末は、
車両の車両番号と、当該車両番号が示す車両のメンテナンス実施時の走行距離とを対応付けて記憶するメンテナンス距離記憶手段と、
走行距離計算装置から前記車両の累積走行距離を受信したときに、前記メンテナンス実施時の走行距離と、当該累積走行距離との差分を計算する走行距離差分計算手段と、
前記差分が所定範囲以内であるときに、メンテナンス通知を行うメンテナンス通知手段とを備えた
請求項2記載の車両走行情報管理システム。
【請求項4】
距離受信端末は、
車両の車両番号と、当該車両番号が示す車両の走行距離メータに表示されるメータ表示距離とを対応付けて記憶するメータ表示距離記憶手段と、
車両番号が入力される入力手段と、
走行距離計算装置から前記車両番号が示す車両の累積走行距離を受信したときに、当該累積走行距離と前記メータ表示距離との差分を計算し、当該差分が所定範囲以内であるときに、メータ表示距離記憶手段に比較結果を記憶させる比較結果登録手段とを備えた
請求項2に記載の車両走行情報管理システム。
【請求項5】
走行距離計算装置は、
2つの地点の位置情報によって特定される2地点間の距離を記憶する対応距離記憶手段を備え、
走行距離導出手段は、
車両番号とともに走行距離計算装置から受信した位置情報が示す地点と、前記車両情報とともに受信した直近の位置情報が示す地点との距離を、対応距離記憶手段に記憶された距離の中から特定する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の車両走行情報管理システム。
【請求項6】
走行距離導出手段は、
車両番号とともに走行距離計算装置から受信した位置情報が示す地点と、前記車両情報とともに受信した直近の位置情報が示す地点との距離を、位置情報に含まれる経度および緯度の差分から距離を計算する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の車両走行情報管理システム。
【請求項7】
走行履歴送信手段は、距離受信端末からの要求に応じて累積走行距離を送信するときに、距離受信端末に位置情報を送信する
請求項2から請求項6のうちのいずれか1項に記載の車両走行情報管理システム。
【請求項8】
車両番号と、当該車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置が当該車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段と、
車両番号読取装置から、車両番号と、前記位置情報とを受信したときに、当該位置情報と、前記車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出手段と、
当該距離を加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を走行履歴情報に追加する走行履歴更新手段とを備えた
ことを特徴とする走行距離計算装置。
【請求項9】
走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信する距離受信端末から車両番号を受信したときに、前記車両番号に対応する車両の累積走行距離を走行履歴記憶手段から読み込み、距離受信端末に送信する走行履歴送信手段を備えた
請求項8記載の走行距離計算装置。
【請求項10】
車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置に車両番号を送信することにより、当該車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、要求した累積走行距離を走行距離計算装置から受信する走行履歴受信手段と、
車両の車両番号と、当該車両番号が示す車両のメンテナンス実施時の走行距離とを対応付けて記憶するメンテナンス距離記憶手段と、
走行距離計算装置から前記車両の累積走行距離を受信したときに、前記メンテナンス実施時の走行距離と、当該累積走行距離との差分を計算する走行距離差分計算手段と、
前記差分が所定範囲内であるときに、メンテナンス通知を行うメンテナンス通知手段とを備えた
ことを特徴とする距離受信端末。
【請求項11】
車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置に車両番号を送信することにより、当該車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、要求した累積走行距離を走行距離計算装置から受信する走行履歴受信手段と、
車両の車両番号と、当該車両番号が示す車両の走行距離メータに表示されるメータ表示距離とを対応付けて記憶するメータ表示距離記憶手段と、
車両番号が入力される入力手段と、
走行距離計算装置から前記車両番号が示す車両の累積走行距離を受信したときに、当該累積走行距離と前記メータ表示距離との差分を計算し、当該差分が所定範囲内であるときに、メータ表示距離記憶手段に比較結果を記憶させる比較結果登録手段とを備えた
ことを特徴とする距離受信端末。
【請求項12】
車両番号読取装置が、車両番号を読み取り、
前記車両番号と、車両番号を読み取った地点の位置情報とを、走行距離計算装置に送信し、
前記走行距離計算装置が、
前記車両番号読取装置から車両番号および位置情報を受信したときに、当該位置情報と、前記車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出し、
前記距離を、車両番号と、当該車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置が当該車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段の累積走行距離に加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を前記走行履歴情報に追加する
ことを特徴とする車両走行情報管理方法。
【請求項13】
走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信する距離受信端末が、走行距離計算装置に車両番号を送信することにより、当該車両番号が示す車両の累積走行距離を要求し、
走行距離計算装置が、
前記距離受信端末から車両番号を受信したときに、車両番号に対応する車両の累積走行距離を走行履歴記憶手段から読み込み、距離受信端末に送信し、
前記距離受信端末が、
走行距離計算装置に要求した累積走行距離を受信する
請求項12に記載の車両走行情報管理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
車両の車両番号を読み取る車両番号読取装置から、車両番号と、前記位置情報とを受信したときに、当該位置情報と、前記車両番号とともに受信した直近の位置情報とから、位置情報が示す地点間の距離を導出する走行距離導出処理、および、
前記距離を、車両番号と、当該車両番号が示す車両の累積走行距離と、車両番号読取装置が当該車両の車両番号を読み取った地点の位置情報とを含む走行履歴情報を記憶する走行履歴記憶手段の累積走行距離に加算して累積走行距離を更新し、新たに受信した位置情報を前記走行履歴情報に追加する走行履歴更新処理
を実行させるための走行距離計算プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信する距離受信端末から車両番号を受信したときに、前記車両番号に対応する車両の累積走行距離を走行履歴記憶手段から読み込ませ、距離受信端末に送信させる
請求項14記載の走行距離計算プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置から、当該車両の累積走行距離を受信する走行履歴受信処理、
走行距離計算装置から車両の累積走行距離を受信したときに、車両の車両番号と、当該車両番号が示す車両のメンテナンス実施時の走行距離とを記憶するメンテナンス距離記憶手段に記憶されたメンテナンス実施時の走行距離と、前記累積走行距離との差分を計算する走行距離差分計算処理、および、
前記距離の差分が所定範囲内であるときに、メンテナンス通知を行うメンテナンス通知処理
を実行させるための距離受信プログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
車両の累積走行距離を計算する走行距離計算装置から、当該車両の累積走行距離を受信する走行履歴受信処理、および、
走行距離計算装置から前記車両の累積走行距離を受信したときに、車両の車両番号と、当該車両番号が示す車両の走行距離メータに表示されるメータ表示距離とを対応付けて記憶するメータ表示距離記憶手段に記憶されたメータ表示距離と、当該累計走行距離との差分を計算し、当該差分が所定範囲内であるときに、メータ表示距離記憶手段に比較結果を記憶させる比較結果登録処理
を実行させるための距離受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−9123(P2010−9123A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164732(P2008−164732)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】