説明

車体のルーフサイド構造

【課題】高い剛性を確保して乗員の安全性を向上させつつ、車体塗装ラインでの浸漬処理にて付着した電着液や洗浄液を貯留してしまうこともない車体のルーフサイド構造を提供する。
【解決手段】ルーフサイドリヤリインフォース116が、車体前後方向に延伸しルーフサイドインナパネル124に固定される2つの並列な車体取付面154a、154bと、2つの車体取付面154a、154bの互いの内側からほぼ垂直に起立する2つの起立面156a、156bと、2つの起立面156a、156bの上辺同士を接続する突出面158とを有し、2つの起立面156a、156bが水平面に対して車体後方にゆくほど下降するようにルーフサイドインナパネル124に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体のルーフサイド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、前後方向、側方向および上方向からの荷重に対応するために、車体に高い強度(剛性)をもたせることが望まれている。例えば、特許文献1には、ピラー部およびサイドシル部の剛性を向上させる側部車体構造が開示されている。また、特許文献2に開示される車体構造では、ボディサイドパネルのアウタパネルとして機能する部位とインナパネルとして機能する部位との間に変位部が設けられている。この変位部にはリインフォースの前端部が面合わせして結合され、これによって、車体の剛性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−247258号公報
【特許文献2】特開2000−142468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車体上部に上下方向の荷重がかかる場合、車室内の空間を保持するためには、この上下方向にかかる荷重に対し、車体が高い剛性を確保する必要がある。このための1つの手段として、ルーフサイド構造の剛性の強化が挙げられる。
【0005】
しかし、特許文献1のような技術では、ルーフサイド構造の剛性を向上させることができない。特許文献1の技術は、ピラー部およびサイドシル部(車体側部)の剛性を向上させるものであり、ルーフサイド構造(車体上部)の剛性を向上させる何らの対策も講じていないためである。
【0006】
特許文献2のような技術では、確かにルーフサイド構造の剛性がある程度向上すると考えられる。しかし、さらに剛性を高めたルーフサイド構造が求められている。また、特許文献2の技術は、ボディサイドパネルを折曲加工し、リインフォースの前端部等に溶接する必要があるため、加工箇所が増え製造現場にかかる負担が増大するおそれがある。
【0007】
ルーフサイド構造の剛性をさらに高める場合に注意しなければならないのは、ルーフサイド構造を、車体塗装ラインでの浸漬処理にて付着する電着液や洗浄液が溜まらないような形状にすることである。電着液や洗浄液が溜まりやすい(排出速度が低下する)場合には、車体に付いた鉄粉やゴミ等の異物が除去されずに後工程に持ち込まれるおそれがあるためである。また、電着液の付き回りが悪くなり、塗装の仕上がりにばらつきを生じるおそれがあるためでもある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高い剛性を確保しつつ、車体塗装ラインでの浸漬処理にて付着した電着液や洗浄液を貯留してしまうこともない車体のルーフサイド構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、車体のルーフの側部から車体側面までの間に設置されるルーフサイドインナパネルと、ルーフサイドインナパネルの車体後方部分の外側に車体前後方向にわたって取り付けられ、このルーフサイドインナパネルを補強するルーフサイドリヤリインフォースとを含む車体のルーフサイド構造であって、ルーフサイドリヤリインフォースは、車体前後方向に延伸し、ルーフサイドインナパネルに固定される2つの並列な車体取付面と、2つの車体取付面の互いの内側からほぼ垂直に起立する2つの起立面と、2つの起立面の上辺同士を接続する突出面とを有し、ルーフサイドリヤリインフォースはさらに、2つの起立面が水平面に対して車体後方にゆくほど下降していることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、2つの車体取付面と、2つの起立面と、突出面とで、断面がハット形状に屈曲したルーフサイドリヤリインフォースが構成される。かかる屈曲した断面形状のリインフォースは、平坦な形状のリインフォースに比較して、格段に剛性が高い。したがって、ルーフサイド構造の剛性をより高めることができる。
【0011】
一方、上記形状のリインフォースによれば、ハット形状の角部に車体塗装ラインでの浸漬処理にて付着する電着液や洗浄液が溜まりやすい。そこで、上記のように、ルーフサイドリヤリインフォースを水平面に対して車体後方にゆくほど下降させることで、電着液がこの下降に沿って排出されるように構成した。したがって、本発明によれば、高い剛性を確保しつつ、車体塗装ラインでの浸漬処理にて付着した電着液や洗浄液を貯留してしまうこともない車体のルーフサイド構造を提供することができる。
【0012】
上記ルーフサイドリヤリインフォースの中心線は、ルーフサイドインナパネルに対して車体後方にゆくほど下降しているとよい。これにより、ルーフサイドリヤリインフォースの中心線が前後方向だけでなく上下方向のベクトルを持つので、ルーフサイドに上下方向にかかる荷重に対し、車体骨格の剛性をさらに高めることができる。
【0013】
上記ルーフサイドリヤリインフォースは、上に凸の湾曲した軌跡で下降しているとよい。これにより、ルーフサイドに上方向からかかる荷重に対し、上に凸の湾曲部が剛性向上効果を持つので、車体骨格の剛性をさらに高めることができる。
【0014】
上記ルーフサイドリヤリインフォースの前方に、ルーフサイドインナパネル外側に車体前後方向にわたって取り付けられ、このルーフサイドインナパネルを補強するルーフサイドリインフォースをさらに備え、ルーフサイドリヤリインフォースの車体前方部分とルーフサイドリインフォースの車体後方部分とが重なるように設置されているとよい。これにより、ルーフサイドリヤリインフォース前方においても、充分な剛性を確保することができる。特に、ルーフサイドリヤリインフォースおよびルーフサイドリインフォースを重なるように設置したため、両部材を一体と見なすことができ、継ぎ目部分が強度的な弱点となることを回避できる。
【0015】
上記ルーフサイドリヤリインフォースは、ルーフサイドインナパネルと、このルーフサイドインナパネルの後端部に接続される後続部材とにまたがって取り付けられているとよい。これにより、ルーフサイドインナパネルと後続部材との連結を好適に補強することができる。つまり、ルーフサイドに上下方向にかかる荷重をルーフサイドインナパネルだけでなくルーフサイドリヤリインフォースを介しても後続部材に伝えることができる。また、後続部材に掛かる後方からの荷重を、効率よくルーフサイドインナパネルにも伝えることができるので、荷重の吸収性を向上することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ルーフサイドに上下方向にかかる荷重に対し、車体骨格の剛性を確保しつつ、車体塗装ラインでの浸漬処理にて付着した電着液や洗浄液を貯留してしまうこともない車体のルーフサイド構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態にかかるルーフサイド構造を適用した車体側部の分解斜視図である。
【図2】図1のうち、本実施形態にかかるルーフサイド構造を構成する各構成要素を示す図である。
【図3】図2のルーフサイド構造の各構成要素を組み立てた状態を示す図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のルーフサイドリヤリインフォースの第1の変形例を示す図である。
【図6】図3のルーフサイドリヤリインフォースの第2の変形例を示す図である。
【図7】比較例としてのルーフサイド構造を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
[車体側部構造]
図1は、本実施形態にかかるルーフサイド構造を適用した車体側部の分解斜視図である。車体側部100は、サイドボディアウタパネル110と、その内側に設けられるサイドボディインナパネル112とから構築される。
【0020】
サイドボディインナパネル112は、複数の車体骨格部材が組み合わせられて構築される。例えば、車体前方部分には、フロントドアヒンジリインフォース120に接続してフロントインナアッパピラー122が配置される。フロントインナアッパピラー122の上端には、車体のルーフ(屋根)の側部と車体側面とをつなぐルーフサイドインナパネル124が接続される。
【0021】
フロントインナアッパピラー122およびルーフサイドインナパネル124にまたがって、これらを補強するフロントピラーアッパリインフォース126が並列に備えられる。フロントインナアッパピラー122およびフロントピラーアッパリインフォース126は、車体のフロントガラスの側部を構成するため、これに沿うように水平面に対して車体前方にゆくほど下降している。
【0022】
この車体前方への下降した形状に沿って、車体塗装ラインでの浸漬処理にてフロントインナアッパピラー122およびフロントピラーアッパリインフォース126に付着した電着液や洗浄液は排出される。電着液や洗浄液が溜まってしまう(排出速度が低下する)形状の場合には、車体に付いた鉄粉やゴミ等の異物が除去されずに後工程に持ち込まれるおそれがある。また、電着液の付き回りが悪くなり、塗装の仕上がりにばらつきを生じるおそれもある。
【0023】
ルーフサイドインナパネル124の中途には、センタピラーインナパネル128がほぼ垂直に接続される。センタピラーインナパネル128の外側には、補強材としてのセンタピラーリインフォース130が備えられる。これらの下部は、上記フロントドアヒンジリインフォース120に前端が接続されるサイドシルストレングス132に連結される。サイドシルストレングス132の後端は、サイドシルリヤパネル134を介してホイールハウスインナパネル136、ホイールハウスアウタパネル138に接続する。かかるピラー部およびサイドシル部により、車体側部または車体下部の剛性が確保される。
【0024】
ルーフサイドインナパネル124の後端部には、クォータインナエクステンション140(後続部材)が接続される。ルーフサイドインナパネル124からクォータインナエクステンション140にかけてこれらの外側には、車体前後方向にわたり、ルーフサイドリインフォース142およびルーフサイドリヤリインフォース116が備えられる。
【0025】
ハッチバック車等では、箱型の車室空間を形成するために、クォータインナエクステンション140の下側がほぼ垂直にクォータインナパネル146に接続される。クォータインナパネル146は、クォータインナフロントリインフォース148を介してホイールハウスインナパネル136に接続される。クォータウィンドロアメンバ150は、クォータインナパネル146のウィンド開口部の下側に備えられる補強材である。これらの後方には、バックドアの枠体の一部をなすランプハウスインナパネル152が備えられる。
【0026】
[ルーフサイド構造]
図2は、図1のうち、本実施形態にかかるルーフサイド構造を構成する各構成要素を示す図である。図2に示すように、ルーフサイド構造114は、ルーフサイドインナパネル124、クォータインナエクステンション140、ルーフサイドリインフォース142およびルーフサイドリヤリインフォース116で構成される。
【0027】
ルーフサイドリヤリインフォース116は、ルーフサイドインナパネル124とクォータインナエクステンション140とにまたがって、2つの起立面156a、156bが水平面に対して車体後方にゆくほど下降するように取り付けられる。特に、本実施形態では、ルーフサイドリヤリインフォース116の中心線が、ルーフサイドインナパネル124に対して角度を成す。また、ルーフサイドリインフォース142が、その車体後方部分がルーフサイドリヤリインフォース116の前端(車体前方部分)に重なるように、ルーフサイドインナパネル124外側に取り付けられる。
【0028】
図3は、図2のルーフサイド構造の各構成要素を組み立てた状態を示す図である。図4は、図3のA−A断面図である。図3に示すように、ルーフサイド構造114では、ルーフサイドリヤリインフォース116が、ルーフサイドインナパネル124とクォータインナエクステンション140とにまたがって設置されるため、これらの連結が好適に補強される。つまり、ルーフサイドに上下方向にかかる荷重をルーフサイドインナパネル124だけでなくルーフサイドリヤリインフォース142を介してもクォータインナエクステンション140に伝えることができる。また、クォータインナエクステンション140に掛かる後方からの荷重を、効率よくルーフサイドインナパネル124にも伝えることができるので、荷重の吸収性を向上することができる。
【0029】
また、ルーフサイドリヤリインフォース116の前端にルーフサイドリインフォース142が重畳する。そのため、両部材を一体と見なすことができ、継ぎ目部分が強度的な弱点となることを回避できる。
【0030】
なお、ルーフサイドリヤリインフォース116とルーフサイドリインフォース142を別部材としているのは、ルーフサイドリヤリインフォース116の設定のある仕様車と、設定のない仕様車との間で部品の共通化を図るためである。これにより、生産効率の向上、コストの低減、車体後部の剛性バランスの調節などを簡単に行うことができる。
【0031】
図4に示すように、ルーフサイドリヤリインフォース116では、2つの並列な車体取付面154a、154bが車体前後方向に延伸し(図3参照)、ルーフサイドインナパネル124に固定される。そして、2つの車体取付面154a、154bの互いの内側からほぼ垂直に2つの起立面156a、156bが起立し、この起立面156a、156bの上辺同士を突出面158が接続する。2つの車体取付面154a、154b、2つの起立面156a、156bおよび突出面158により、ルーフサイドリヤリインフォース116はハット形状の断面を形成する。
【0032】
図7は、比較例としてのルーフサイド構造を例示する断面図である。図7に示すように、比較例としてのルーフサイド構造14では、ルーフサイドリヤリインフォース16は、ルーフサイドインナパネル24に固定される車体取付面54aから、外側が水平以下に下がるように傾斜面56aが延伸されていた。そして、傾斜面56aが突出面58に接続されていた。突出面58は、この傾斜面56aと、車体取付面54bからほぼ垂直に起立する起立面56bとによって支持されていた。しかし、かかるルーフサイドリヤリインフォース16を設けたとしても、さらなる剛性の向上が望まれていた。
【0033】
そこで、図4に示すように、本実施形態のルーフサイド構造114は上述のハット形状の断面を形成することとした。ハット形状によれば、ルーフサイドインナパネル124に平行な突出面158を、ルーフサイドインナパネル124に対しほぼ垂直に起立した2つの起立面156a、156bが支持する。一方、比較例のルーフサイド構造14では、突出面58を支持する面のうち、ルーフサイドインナパネル24に対して垂直なため剛性を高められる起立面56bは1つしかない。これより、本実施形態では比較例よりも高い剛性を得ることができる。また、比較例よりもルーフサイドリヤリインフォース116の断面の面積が大きくなるため、ルーフサイドリヤリインフォース116の変形量を確保でき、車体の荷重吸収性の向上に寄与することが可能となる。
【0034】
しかし、上記のようにハット形状の断面を形成した場合には、車体取付面154aと起立面156aの外側の角部160a、および車体取付面154bと起立面156bの内側の角部160bに電着液や洗浄液が溜まらないようにする必要がある。そこで、図3に示すように、本実施形態では上記2つの起立面156a、156bが水平面に対して車体後方にゆくほど下降するようにルーフサイドリヤリインフォース142を設置する。これにより、生産時の下塗りの電着液や洗浄液が、この下降に沿って排出されるようになるため、角部160a、160bへ、電着液や洗浄液が溜まるおそれがない。
【0035】
上記のように、ルーフサイドリヤリインフォース116を車体後方にゆくほど下降させる必要があるのは、箱型の車室空間を形成するハッチバック車等では、通常ルーフサイドインナパネル124が水平に備えられるためである。水平なルーフサイドインナパネルに沿うようにルーフサイドリヤリインフォースを取り付けた場合には、その角部に溜まる電着液や洗浄液を排出できないからである。
【0036】
なお、上記電着液や洗浄液を排出するために、液抜きの孔を形成することも考えられる。しかし、液抜きの孔の形成は、車体の剛性を低下させてしまうため、当初の目的である車体の剛性向上に反することとなる。
【0037】
図5は、図3のルーフサイドリヤリインフォースの第1の変形例を示す図である。図5に示すように、他のルーフサイドリヤリインフォース117として、車体取付面154a、154b、起立面156a、156bおよび突出面158に、車体前後方向に延びるビード162をそれぞれ設けてもよい。かかるビード162を設けることで、各面の面剛性の向上を図ることができる。なお、図5では代表して1つのビード162に符号を付している。
【0038】
ビード162を設けた場合には、ビード162の傾斜面に電着液や洗浄液が溜まるおそれがある。そこで、ビード162の傾斜面の勾配や、ルーフサイドリヤリインフォース117の車体後方への下降の程度を、確実に電着液や洗浄液を排出できるように設定するとよい。
【0039】
再び、図3を参照しながら説明する。本実施形態では、ルーフサイドリヤリインフォース116の中心線が、ルーフサイドインナパネル124に対して角度を成す。すなわち、ルーフサイドリヤリインフォース116の中心線が、ルーフサイドインナパネル124に対して車体後方に行くほど下降するように設置される。これより、ルーフサイドリヤリインフォース116の中心線が前後方向だけでなく上下方向のベクトルを持つので、車体上部から入力される上下方向の荷重Xに対しルーフサイドインナパネル124の剛性を向上させることができる。この剛性の向上により、上記荷重Xがかかっても、車体各部にその荷重を分散させることができ、車室が変形することを回避できる。すなわち、上記荷重Xに対しルーフサイドインナパネル124の剛性を向上させ、車体の荷重吸収性の向上に寄与することが可能となる。
【0040】
図6は、図3のルーフサイドリヤリインフォースの第2の変形例を示す図である。図6に示すように、第2の変形例としてのルーフサイドリヤリインフォース118は、上に凸の湾曲した軌跡で(円弧状に)車体後方側が下降している。これにより、ルーフサイドに上方向からかかる荷重に対し上に凸の湾曲部が剛性向上効果を持つので、上記と同様に車体上部から入力される上下方向の荷重Xに対しルーフサイドインナパネル124の剛性を向上させ、車体の荷重吸収性の向上に寄与することが可能となる。
【0041】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明した。本実施形態にかかるルーフサイド構造114によれば、車体に上下方向にかかる荷重に対し、車体上部の剛性を高めることができる。ピラー部およびサイドシル部により車体側部または車体下部の剛性を確保することで、さらなる相乗効果を生み出すことが可能である。これにより、高い剛性を確保することができる。
【0042】
なお、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、車体のルーフサイド構造に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
100…車体側部、110…サイドボディアウタパネル、112…サイドボディインナパネル、114…ルーフサイド構造、116、117、118…ルーフサイドリヤリインフォース、120…フロントドアヒンジリインフォース、122…フロントインナアッパピラー、124…ルーフサイドインナパネル、126…フロントピラーアッパリインフォース、128…センタピラーインナパネル、130…センタピラーリインフォース、132…サイドシルストレングス、134…サイドシルリヤパネル、136…ホイールハウスインナパネル、138…ホイールハウスアウタパネル、140…クォータインナエクステンション、142…ルーフサイドリインフォース、146…クォータインナパネル、148…クォータインナフロントリインフォース、150…クォータウィンドロアメンバ、152…ランプハウスインナパネル、154a、154b…車体取付面、156a、156b…起立面、158…突出面、160a、160b…角部、162…ビード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のルーフの側部から車体側面までの間に設置されるルーフサイドインナパネルと、
前記ルーフサイドインナパネルの車体後方部分の外側に車体前後方向にわたって取り付けられ、該ルーフサイドインナパネルを補強するルーフサイドリヤリインフォースとを含む車体のルーフサイド構造であって、
前記ルーフサイドリヤリインフォースは、前記車体前後方向に延伸し、前記ルーフサイドインナパネルに固定される2つの並列な車体取付面と、
前記2つの車体取付面の互いの内側からほぼ垂直に起立する2つの起立面と、
前記2つの起立面の上辺同士を接続する突出面とを有し、
前記ルーフサイドリヤリインフォースはさらに、前記2つの起立面が水平面に対して車体後方にゆくほど下降していることを特徴とする車体のルーフサイド構造。
【請求項2】
前記ルーフサイドリヤリインフォースの中心線は、前記ルーフサイドインナパネルに対して車体後方にゆくほど下降していることを特徴とする請求項1に記載の車体のルーフサイド構造。
【請求項3】
前記ルーフサイドリヤリインフォースは、上に凸の湾曲した軌跡で下降していることを特徴とする請求項1または2に記載の車体のルーフサイド構造。
【請求項4】
前記ルーフサイドリヤリインフォースの前方に、前記ルーフサイドインナパネル外側に車体前後方向にわたって取り付けられ、該ルーフサイドインナパネルを補強するルーフサイドリインフォースをさらに備え、
前記ルーフサイドリヤリインフォースの車体前方部分と前記ルーフサイドリインフォースの車体後方部分とが重なるように設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車体のルーフサイド構造。
【請求項5】
前記ルーフサイドリヤリインフォースは、前記ルーフサイドインナパネルと、該ルーフサイドインナパネルの後端部に接続される後続部材とにまたがって取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車体のルーフサイド構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−235680(P2011−235680A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106769(P2010−106769)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】