説明

車体フロア構造

【課題】給油配管を通過させる貫通孔や貫通凹部を後クロスメンバから除去することで後クロスメンバの剛性を確保できる車体フロア構造を提供することを課題とする。
【解決手段】車体フロア構造10は、左右のフロントサイドフレーム11に設けられた左右のフロアフレーム12と、左右のフロアフレームの車体外側に設けられた左右のサイドシル13と、左右のサイドシルに架け渡された後クロスメンバ14と、左右のフロアフレームなどに載置されたフロアパネル16とを備えている。そして、左右のフロアフレームは、車体後方に向けてフロアパネル16のフロア膨出部21の後端部まで上り勾配に延出され、後端部が後クロスメンバに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右のサイドシルに前後のクロスメンバが架け渡されるとともに、左右のサイドシル間に左右のフロアフレームが設けられ、前後のクロスメンバ間で且つ左右のフロアフレーム間の空間に燃料タンクが設けられた車体フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体フロア構造のなかには、フロアパネルの下方で、かつ車体前方側の略中央に燃料タンクを備え、燃料タンクの車体後方側にクロスメンバ(以下、「後クロスメンバ」という)を備えたものがある。
この燃料タンクは、車体の後側部に備えた給油口の車体前方に設けられている。
よって、給油口から燃料タンクまで給油配管を延ばすために、後クロスメンバに貫通孔や貫通凹部を形成し、貫通孔や貫通凹部に給油配管を通過させている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−248381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の車体フロア構造は、後クロスメンバに貫通孔や貫通凹部を形成し、貫通孔や貫通凹部に給油配管を通過させて燃料タンクまで延ばしている。
このように、後クロスメンバに貫通孔や貫通凹部を形成することで、後クロスメンバによるフロアパネルの補強に影響を与えることが考えられる。
【0005】
よって、後クロスメンバによるフロアパネルの補強が損なわれないように、例えばフロアパネルを補強部材などで補強する必要がある。
このため、車体フロア構造の部品数が増加して構成が複雑になり、この観点から改良の余地が残されていた。
【0006】
本発明は、給油配管を通過させる貫通孔や貫通凹部を後クロスメンバから除去することで後クロスメンバの剛性を確保できる車体フロア構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、左右のフロントサイドフレームの後端部から車体後方に向けて延出された左右のフロアフレームと、前記左右のフロアフレームの車体外側に設けられ、車体前後方向に延出された左右のサイドシルと、前記左右のサイドシルに架け渡された後クロスメンバと、前記後クロスメンバおよび前記左右のフロアフレームに載置され、燃料タンクを下方から収納可能なフロア膨出部が隆起されたフロアパネルと、を備え、前記左右のフロアフレームが車体後方に向けて前記フロア膨出部の後端部まで上り勾配に延出されるとともに、前記左右のフロアフレームの後端部が前記後クロスメンバに設けられ、
前記後クロスメンバに前記フロア膨出部の後端部が設けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、前記後クロスメンバの車体前方に設けられ、前記左右のサイドシルに架け渡された前クロスメンバを備え、前記前クロスメンバは、前記フロアパネルの前端部で、かつ前記フロア膨出部の上面に設けられることで中央部が前記フロア膨出部の上面に沿って上方へ湾曲されるとともに、前記左右のフロアフレームに対して前記前クロスメンバが直交するように設けられ、前記前クロスメンバおよび前記左フロアフレームで前記フロアパネルの左側部が挟持されるとともに、前記前クロスメンバおよび前記右フロアフレームで前記フロアパネルの右側部が挟持されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3は、前記後クロスメンバは、左右の端部のうち底部が車体外側に向けて下り勾配に形成されることで、左右の端部がそれぞれ断面拡大部に形成され、前記左右の断面拡大部に前記左右のフロアフレームの後端部が連結されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4は、後クロスメンバの左右の断面拡大部から車体後方に向けて左右のリヤフロアフレームが延出され、前記左リヤフロアフレームの前端部および前記左フロアフレームの後端部が、前記左断面拡大部の底部に重ね合わされた状態で結合され、前記右リヤフロアフレームの前端部および前記右フロアフレームの後端部が、前記右断面拡大部の底部に重ね合わされた状態で結合されたことを特徴とする。
【0011】
請求項5は、前記左右のサイドシルは、車幅方向内側に張り出されることで、前記後クロスメンバの左右の端部に連結されるとともに、前記左右のフロアフレームの後端部に連結された左右のシル膨張部を有し、前記左シル膨張部は、前記左サイドシルおよび前記前クロスメンバの左端部の連結部から前記左フロアフレームの後端部に向けて傾斜状に延出された左前傾斜部を有し、前記右シル膨張部は、前記右サイドシルおよび前記前クロスメンバの右端部の連結部から前記右フロアフレームの後端部に向けて傾斜状に延出された右前傾斜部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項6は、前記左シル膨張部は、前記後クロスメンバの左端部から前記左サイドシルに向けて傾斜状に延出された左後傾斜部を有し、前記右シル膨張部は、前記後クロスメンバの右端部から前記右サイドシルに向けて傾斜状に延出された右後傾斜部を有し、前記左右の後傾斜部の少なくとも一方に沿って、スライドドアをスライド自在に案内するガイドレールを設けることで、前記ガイドレールで前記左右の後傾斜部の少なくとも一方を補強することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、左右のフロアフレームを車体後方に向けてフロア膨出部の後端部まで上り勾配に延ばした。そして、フロア膨出部の後端部および左右のフロアフレームの後端部を後クロスメンバに設けた。
よって、フロア膨出部の後端部および後クロスメンバを上方に配置することができる。
【0014】
後クロスメンバを上方に配置することで、後クロスメンバの下方に比較的大きな空間が確保でき、比較的大きな空間に給油配管などを配置することができる。
よって、給油配管を通過させる貫通孔や貫通凹部を後クロスメンバから除去することができ、後クロスメンバでフロアパネルを確実に補強することができる。
これにより、フロアパネルを補強する補強部材を不要にでき、部品数の増加を抑えて構成の簡素化を図ることができる。
【0015】
また、フロア膨出部の後端部を上方に配置することで、フロアパネルのうち後端部の後方部位を上方に配置する(持ち上げる)ことができる。
フロアパネルの後方部位からフロア膨出部の頂部までの傾斜角を小さく抑えることができ、後席乗員の足首角度を緩やかにできる。
【0016】
請求項2に係る発明では、前クロスメンバの中央部をフロア膨出部の前端部に沿って上方へ湾曲することで燃料タンクを上方に設けることができる。
これにより、燃料タンクの下方に比較的大きな空間を確保でき、比較的大きな空間に排気管などを配置することができる。
【0017】
さらに、前後のクロスメンバを備えることで、前後のクロスメンバにシートを設けることができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、左右の端部を断面拡大部とすることで剛性を高め、左右の断面拡大部に左右のフロアフレームの後端部を連結した。
これにより、左右のフロアフレームに車体前方から作用した荷重を左右の断面拡大部で確実に支えることができる。
【0019】
さらに、後クロスメンバの左右の端部のうち底部を車体外側に向けて下り勾配に形成することで、後クロスメンバの中央部を高い位置に配置することができる。
これにより、後クロスメンバの中央部の下方に給油配管などを配置可能な空間を確保できる。
【0020】
請求項4に係る発明では、左右のリヤフロアフレームの前端部および左右のフロアフレームの後端部を左右の断面拡大部の底部にそれぞれ重ね合わせた状態で結合した。
よって、左右のリヤフロアフレームの前端部および左右のフロアフレームの後端部を左右の断面拡大部の底部に強固に連結でき、左右の連結部の剛性を高めることができる。
【0021】
これにより、左右のフロアフレームに車体前方から作用した荷重を左右の連結部を経て左右のリヤフロアフレームに効率よく伝えることができる。
さらに、左右の連結部の剛性を高めることで、車体側方から作用した荷重を左右の連結部を経て後クロスメンバに効率よく伝えることができる。
【0022】
請求項5に係る発明では、左右のサイドシルに左右のシル膨張部を設けた。そして、左右のシル膨張部を、後クロスメンバの左右の端部に連結し、左右のフロアフレームの後端部に連結した。
また、左右のシル膨張部に左右の前傾斜部を設けた。そして、左右の前傾斜部を、左右のサイドシルおよび前クロスメンバの左右の端部の連結部から左右のフロアフレームの後端部に向けて傾斜状に延出した。
【0023】
よって、例えば、車体左側方から前クロスメンバの左端部に荷重が作用した場合に、作用した荷重を左シル膨張部の左前傾斜部に分散することができる。そして、左前傾斜部に分散した荷重を左フロアフレームの後端部および後クロスメンバの左端部を経て後クロスメンバに伝えることができる。
【0024】
これにより、車体左側方から前クロスメンバの左端部に荷重が作用した場合に、前クロスメンバに伝わる荷重を抑えることができる。
したがって、前クロスメンバの中央部が上方に湾曲していても、前クロスメンバに伝わる荷重を前クロスメンバで支えることができる。
【0025】
なお、車体右側方から前クロスメンバの右端部に荷重が作用した場合にも、車体左側方から荷重が作用した場合と同様に、前クロスメンバに伝わる荷重を前クロスメンバで支えることができる。
【0026】
さらに、例えば、車体前方から左フロアフレームに荷重が作用した場合に、作用した荷重を左シル膨張部を経て左サイドシルに分散することができる。
これにより、車体前方から左フロアフレームに荷重が作用した場合に、左フロアフレームに伝わる荷重を抑えることができ、伝わった荷重を左サイドシルや左フロアフレームで支えることができる。
【0027】
なお、車体前方から右フロアフレームに荷重が作用した場合にも、左フロアフレームに荷重が作用した場合と同様に、右フロアフレームに伝わった荷重を右サイドシルや右フロアフレームで支えることができる。
【0028】
請求項6に係る発明では、左右のシル膨張部に左右の後傾斜部を設けた。そして、左右の後傾斜部を、後クロスメンバの左右の端部から左右のサイドシルに向けて傾斜状に延出した。
そして、左右の後傾斜部の少なくとも一方に沿ってスライドドアのガイドレールを設けることで、ガイドレールで左右の後傾斜部の少なくとも一方を補強するようにした。
【0029】
よって、スライドドアのガイドレールを補強部材として兼用することができる。
これにより、専用の補強部材を個別に設ける必要がないので、部品点数を抑えることができ、軽量化を図ることができる。
【0030】
さらに、左右の後傾斜部を傾斜状に延出することで、左右の後傾斜部の後方部位に車両側方から荷重が作用した場合に、作用した荷重を左右の後傾斜部を経て後クロスメンバに分散できる。
これにより、左右の後傾斜部の後方部位に作用した荷重を後クロスメンバで好適に支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る車体フロア構造を備えた車両を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体フロア構造を示す斜視図である。
【図3】図1の車体フロア構造を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る車体フロア構造を示す平面図であり、フロアパネルを除去した状態を示す。
【図5】図4の車体フロア構造を下方から見た状態を示す底面図である。
【図6】本発明に係る車体フロア構造を示す側面図であり、前シートを分解した状態を示す。
【図7】本発明に係る車体フロア構造を示す側面図であり、前後のシートを取り付けた状態を示す。
【図8】本発明に係る車体フロア構造を示す背面図である。
【図9】(a)は本発明に係る車体フロア構造の左フロアフレーム、左リヤフロアフレームおよび後クロスメンバを示す斜視図、(b)は(a)の分解斜視図である。
【図10】本発明に係る車体フロア構造を示す正面図である。
【図11】図4の11−11線断面図である。
【図12】本発明に係る左フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を支える例を説明する図である。
【図13】本発明に係る左サイドシル(前クロスメンバの左端部に相当する部位)に車体左側方から作用した荷重を支える例を説明する図である。
【図14】本発明に係る左サイドシル(左後傾斜部の後方部位)に車体左側方から作用した荷重を支える例を説明する図である。
【図15】本発明に係る左サイドシル(後クロスメンバの左端部に相当する部位)に車体左側方から作用した荷重を支える例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【実施例】
【0033】
実施例に係る車体フロア構造10について説明する。
図1〜図3に示すように、車体フロア構造10は、車体前後方向に延出された左右のフロントサイドフレーム11と、左右のフロントサイドフレーム11の後端部11aから車体後方に向けてそれぞれ延出された左右のフロアフレーム12と、左右のフロアフレーム12の車体外側に設けられるとともに車体前後方向に延出された左右のサイドシル13と、左右のサイドシル13に架け渡された後クロスメンバ14と、後クロスメンバ14の左右の端部14a,14bから車体後方に向けて延出された左右のリヤフロアフレーム15と、後クロスメンバ14、左右のフロアフレーム12および左右のリヤフロアフレーム15に載置されたフロアパネル16と、フロアパネル16に載置されるとともに左右のサイドシル13に架け渡された前クロスメンバ17とを備えている。
【0034】
車体フロア構造10の左サイドシル13に沿ってスライドドア18が車体前後方向にスライド移動自在に設けられている。
左サイドシル13内に、スライドドア18をスライド自在に案内するガイドレール19(図11参照)が設けられている。
【0035】
この車体フロア構造10は、フロアパネル16のフロア膨出部21が隆起するように設けられ、フロア膨出部21に燃料タンク23が下方から収納されている。
図4、図5に示すように、燃料タンク23は、平面視略矩形状に形成され、左右のフロアフレーム12間で、かつ前後のクロスメンバ17,14間の空間25に設けられている。
この燃料タンク23は、後部左端23aから車体後方に延出された給油配管26と、上部23bから車体後方に延出されたブリーザ管27と、後部右端23cから延出され燃料タンク23の右側部23dを経て車体前方に延出された燃料供給管28とを備えている。
【0036】
また、燃料タンク23は、下端右側部に凹部29が形成されている。燃料タンク23の下端右側部に凹部29を形成することで、排気管31を受け入れる空間32(図8も参照)を確保することができる。
給油配管26は、給油口(図示せず)から燃料タンク23に連通される給油用の配管である。
ブリーザ管27は、燃料タンク23内の内圧を好適に保つための管である。
燃料供給管28は、エンジン(図示せず)に燃料を供給する供給管である。
【0037】
左右のフロントサイドフレーム11は、車幅方向に所定間隔をおいて設けられるとともに、車体前後方向に延出されている。
左フロントサイドフレーム11の後端部11a近傍および左サイドシル13の前端部13aが左アウトリガー34で連結されている(図2、図3も参照)。
右フロントサイドフレーム11の後端部11a近傍および右サイドシル13の前端部13aが右アウトリガー34で連結されている(図2、図3も参照)。
【0038】
左右のフロアフレーム12は、車幅方向に所定間隔をおいて設けられている。
左フロアフレーム12は、図9に示すように、底部36と、底部36の内外から立ち上げられた内外の側壁37と、内側壁37から車室側に折り曲げられた内フランジ38と、外側壁37から車外側に折り曲げられた外フランジ38とを有している。
この左フロアフレーム12は、底部36、内外の側壁37および内外のフランジ38で上方に開口するように、いわゆる断面略ハット状に形成されている。
右フロアフレーム12は、左フロアフレーム12と左右対称に形成された部材であり、詳しい説明を省略する。
【0039】
図6、図7に示すように、左右のフロアフレーム12は、左右のフロントサイドフレーム11の後端部11aからフロア膨出部21の後端部21aまで傾斜角θ1の上り勾配で延出され、後端部12aが後クロスメンバ14に設けられている(図9も参照)。
よって、後クロスメンバ14を高さH1まで上方に設ける(持ち上げる)ことができる。
加えて、後クロスメンバ14に載置されるフロア膨出部21の後端部21aを、後クロスメンバ14とともに上方に設ける(持ち上げる)ことができる。
【0040】
図8に示すように、後クロスメンバ14を高さH1まで上方に設けることで、後クロスメンバ14の下方に比較的大きな空間41が確保できる。
後クロスメンバ14の下方に空間41を確保することで、空間41に給油配管26やブリーザ管27などを配置することができる。
よって、給油配管26やブリーザ管27などを通過させる貫通孔や貫通凹部を後クロスメンバ14に形成する必要がないので、後クロスメンバ14の剛性を確保することができる。
【0041】
後クロスメンバ14の剛性を確保することで、後クロスメンバ14のみでフロアパネル16(図2、図3参照)を確実に補強できる。
これにより、フロアパネル16を補強するために、従来必要とされていた補強部材を不要にでき、部品数の増加を抑えて構成の簡素化を図ることができる。
【0042】
図6に示すように、フロア膨出部21の後端部21aを上方に配置することで、フロアパネル16のうち後端部21aの後方部位16aを上方に配置する(持ち上げる)ことができる。
よって、後方部位16aからフロア膨出部21の頂部21cまでの傾斜角θ2を小さく抑えることができる。
【0043】
ここで、フロア膨出部21の後端部21aは後クロスメンバ14の上方に設けられ、後端部21aを介して後クロスメンバ14に前シート43の後脚部43aがボルト44で取り付けられている。また、前クロスメンバ17に前シート43の前脚部43bがボルト44で取り付けられている。
すなわち、前後のクロスメンバ17,14に前シート43がボルト44で設けられている。
【0044】
図7に示すように、前シート43の車体後方側に後シート46が設けられている。
後シート46の後部座席46aに着座した乗員47の足部48はフロアパネル16(具体的には、後方部位16a)に載置される。
【0045】
ここで、フロアパネル16の後方部位16aから頂部21c(図6参照)までの傾斜角θ2を小さく抑えられている。
これにより、後部座席46aに着座した乗員47の足部48を後方部位16a(詳しくは、カーペット49)に載置した状態で、足部48の足首角度θ2(すなわち、後方部位16aから頂部21cまでの傾斜角θ2)を緩やかにできる。
なお、フロアパネル16の表面にはカーペット49が敷かれている。
【0046】
図8、図9に示すように、後クロスメンバ14は、左右のサイドシル13に架け渡され、フロア膨出部21の後端部21a(図6参照)が設けられている。
後クロスメンバ14は、底部51と、底部51の内外から立ち上げられた前後の側壁52と、前側壁52から車体前側に折り曲げられた前フランジ53と、後側壁52から車体後側に折り曲げられた後フランジ53とを有している。
後クロスメンバ14は、底部51、前後の側壁52および前後のフランジ53で上方に開口するように、いわゆる断面略ハット状に形成されている。
【0047】
この後クロスメンバ14は、左右の端部14aのうち底部51aが車体外側に向けて傾斜角θ3の下り勾配に形成されることで、左右の端部14aがそれぞれ断面積Sが拡大された状態に形成されている。
以下、左右の端部14aをそれぞれ左右の断面拡大部14aとして説明する。
後クロスメンバ14の左右の端部14aを左右の断面拡大部14aとすることで、左右の端部14aの剛性を高めることができる。
【0048】
図9に示すように、左断面拡大部14aに左フロアフレーム12の後端部12aがそれぞれ連結されている。
これにより、左フロアフレーム12に車体前方から作用した荷重F1を左右の断面拡大部14aで確実に支えることができる。
【0049】
なお、図8に示す右断面拡大部14aは、左断面拡大部14aと左右対称の部材であり、右フロアフレーム12(図4参照)に車体前方から作用した荷重を右断面拡大部14aで確実に支えることができる。
【0050】
図8に示すように、後クロスメンバ14の左右の断面拡大部14aのうち底部51aを車体外側に向けて傾斜角θ3の下り勾配に形成することで、後クロスメンバ14の中央部14bを高い位置H1に配置できる。
中央部14bを高い位置H1に配置することで、中央部14bのうち底部51bを高い位置H2に配置できる。
これにより、中央部14bのうち底部51bの下方に給油配管26やブリーザ管27などを配置可能な空間41を確保できる。
【0051】
図4、5に示すように、後クロスメンバ14の左右の断面拡大部14aから左右のリヤフロアフレーム15が車体後方に向けて延出されることで車幅方向に所定間隔をおいて設けられている。
図9に示すように、左リヤフロアフレーム15は、底部56と、底部56の内外から立ち上げられた内外の側壁57と、内側壁57から車室側に折り曲げられた内フランジ58と、外側壁57から車外側に折り曲げられた外フランジ58とを有している。
【0052】
この左リヤフロアフレーム15は、底部56、内外の側壁57および内外のフランジ58で上方に開口するように、いわゆる断面略ハット状に形成されている。
【0053】
左リヤフロアフレーム15の前端部15aおよび左フロアフレーム12の後端部12aが、左断面拡大部14aの底部51aに重ね合わされた状態で結合されている。
具体的には、左リヤフロアフレーム15の前端部15aのうち底部56aが車体前側に延ばされている。また、左フロアフレーム12の後端部12aのうち底部36aが車体後側に延ばされている。
左断面拡大部14aの底部51aに前端部15aの底部56aが下方から重ね合わされ、前端部15aの底部56aに後端部12aの底部36aが重ね合わされている。
この状態で、底部51a、底部56aおよび底部36aが結合(接合)されている。
よって、底部51a、底部56aおよび底部36aが結合された左連結部61(図5も参照)の剛性を高めることができる。
【0054】
図4、図5に示すように、右リヤフロアフレーム15は、左リヤフロアフレーム15と左右対称に形成された部材である。
右リヤフロアフレーム15の前端部15aおよび右フロアフレーム12の後端部12aが、右断面拡大部14aの底部51aに重ね合わされた状態で結合されている。
よって、左右のリヤフロアフレーム15の前端部15aおよび左右のフロアフレームの後端部12aを左右の断面拡大部14aの底部51aに強固に連結でき、左右の連結部61の剛性を高めることができる。
【0055】
これにより、図9に示すように、左フロアフレーム12に車体前方から作用した荷重F1を左連結部61を経て左リヤフロアフレーム15に効率よく伝えることができる。
また、前端部15aの底部56aと後端部12aの底部36aとの重合代T(図9(b)参照)を大きく確保することで荷重F1を一層効率よく伝えることができる。
【0056】
さらに、左連結部61の剛性を高めることで、車体側方から作用した荷重F2を左連結部61を経て後クロスメンバ14に効率よく伝えるとともに、左フロアフレーム12および左リヤフロアフレーム15にも伝えることができる。
また、前端部15aの底部56aと後端部12aの底部36aとの重合代T(図9(b)参照)を大きく確保することで、荷重F2を左フロアフレーム12および左リヤフロアフレーム15に一層効率よく伝えることができる。
【0057】
図3に示すように、左右のフロアフレーム12、後クロスメンバ14および左右のリヤフロアフレーム15(右リヤフロアフレーム15は図4参照)にフロアパネル16が載置されている。
フロアパネル16は、平面視略矩形状に形成され、略前半部に上方に隆起するようにフロア膨出部21が設けられている。
フロア膨出部21は、平面視略矩形状に形成されることで、下方に燃料タンク23を収納可能な空間63が形成されている。
【0058】
フロアパネル16の前端部16bで、かつフロア膨出部21の上面21bに前クロスメンバ17が載置され、前クロスメンバ17が左右のサイドシル13に架け渡されている。
そして、この前クロスメンバ17は、後クロスメンバ14の車体前方に設けられている。
【0059】
図10に示すように、前クロスメンバ17は、フロアパネル16の前端部16bで、かつフロア膨出部21の上面21bに設けられることで、中央部17aがフロア膨出部21の上面21bに沿って上方へ湾曲されている。
中央部17aが上方へ湾曲されることで、高い位置H3になるように上方に配置する(持ち上げる)ことができる。
【0060】
前クロスメンバ17の中央部17aが上方へ湾曲されることで、燃料タンク23を上方に設けることができる。
これにより、燃料タンク23の凹部29で比較的大きな空間32を確保でき、空間32に排気管31などを好適に配置することができる。
【0061】
図3に示すように、前クロスメンバ17は、頂部66と、頂部66の前後から下方に折り曲げられた前後の側壁67と、前側壁67から車体前側に折り曲げられた前フランジ68と、後側壁67から車体後側に折り曲げられた後フランジ68とを有している。
この前クロスメンバ17は、頂部66、前後の側壁67および前後のフランジ68で下方に開口するように、いわゆる断面略逆ハット状に形成されている。
【0062】
また、前クロスメンバ17は、左右のフロアフレーム12に対して直交するように設けられている(図4、図5も参照)。
【0063】
前クロスメンバ17および左サイドシル13で、フロアパネル16の前端部16bのうち左側部16cが挟持されている。
前クロスメンバ17および右サイドシル13で、フロアパネル16の前端部16bのうち右側部16dが挟持されている。
【0064】
さらに、前クロスメンバ17を後クロスメンバ14の車体前方に設けることで、図6、図7に示すように、前後のクロスメンバ17,14に前シート43をボルト44で設けることができる。
【0065】
左フロアフレーム12および左リヤフロアフレーム15の車体外側(左外側)に左サイドシル13が設けられるとともに車体前後方向に延出されている。
また、右フロアフレーム12および右リヤフロアフレーム15(図2参照)の車体外側(右外側)に右サイドシル13が設けられるとともに車体前後方向に延出されている。
【0066】
図4、図5に示すように、左右のサイドシル13は、左右のシル膨張部71を有している。
左シル膨張部71は、左サイドシル13から車幅方向内側に張り出されることで、後クロスメンバ14の左端部(すなわち、左断面拡大部)14aに連結されるとともに、左フロアフレーム12の後端部12aに連結されている。
【0067】
この左シル膨張部71は、左サイドシル13および前クロスメンバ17の左端部17bの連結部73から左フロアフレーム12の後端部12aに向けて傾斜状に延出された左前傾斜部71aと、後クロスメンバ14の左端部(すなわち、左断面拡大部)14aから左サイドシル13に向けて車体後方へ傾斜状に延出された左後傾斜部71bとを有している。
左前傾斜部71aは、前クロスメンバ17に対して傾斜角度θ4に設定されている。
【0068】
右シル膨張部71は、左シル膨張部71と左右対称に形成された部材である。
すなわち、右シル膨張部71は、右サイドシル13および前クロスメンバ17の右端部17bの連結部73から右フロアフレーム12の後端部12に向けて傾斜状に延出された右前傾斜部71aと、後クロスメンバ14の右端部(すなわち、右断面拡大部)14aから右サイドシル13に向けて車体後方に傾斜状に延出された右後傾斜部71bとを有している。
右前傾斜部71aは、前クロスメンバ17に対して傾斜角度θ4に設定されている。
【0069】
よって、例えば、車体左側方から前クロスメンバ17の左端部17bに荷重F3が作用した場合に、作用した荷重F3を左シル膨張部71の左前傾斜部71aに分散することができる。
そして、左前傾斜部71aに分散した荷重を左フロアフレーム12の後端部12aおよび後クロスメンバ14の左端部(すなわち、左断面拡大部)14aを経て後クロスメンバ14に伝えることができる。
【0070】
これにより、車体左側方から前クロスメンバ17の左端部17bに荷重F3が作用した場合に、前クロスメンバ17に伝わる荷重を抑えることができる。
したがって、図10に示すように、前クロスメンバ17の中央部17aが上方に湾曲していても、前クロスメンバ17に伝わる荷重を前クロスメンバ17で支えることができる。
【0071】
ここで、前クロスメンバ17に対する左右の前傾斜部71aの傾斜角度θ4が小さく抑えられている。
これにより、左連結部73に作用した荷重F3を左前傾斜部71aに効率よく分散することができる。
同様に、右連結部73に作用した荷重F4を右前傾斜部71aに効率よく分散することができる。
【0072】
なお、車体右側方から前クロスメンバ17の右端部17aに荷重F4が作用した場合にも、車体左側方から荷重F3が作用した場合と同様に、前クロスメンバ17に伝わる荷重を前クロスメンバ17で支えることができる。
【0073】
さらに、例えば、車体前方から左フロアフレーム12に荷重F5が作用した場合に、作用した荷重F5を左シル膨張部71を経て左サイドシル13に分散することができる。
これにより、車体前方から左フロアフレーム12に荷重F5が作用した場合に、左フロアフレーム12に伝わる荷重を抑えることができ、左フロアフレーム12に伝わった荷重を左フロアフレーム12や左サイドシル13で支えることができる。
【0074】
なお、車体前方から右フロアフレーム12に荷重F6が作用した場合にも、左フロアフレーム12に荷重F5が作用した場合と同様に、右フロアフレーム12に伝わった荷重F6を右フロアフレーム12や右サイドシル13で支えることができる。
【0075】
さらに、左後傾斜部71bを傾斜状に延出することで、左後傾斜部71bの後方部位71cに車両左側方から荷重F7が作用した場合に、作用した荷重F7を左後傾斜部71bを経て後クロスメンバ14に分散できる。
なお、右後傾斜部71bを傾斜状に延出することで、右後傾斜部71bの後方部位71cに車両右側方から荷重F7が作用した場合に、作用した荷重F7を右後傾斜部71bを経て後クロスメンバ14に分散できる。
これにより、左右の後傾斜部71bの後方部位71cに作用した荷重F7を後クロスメンバ14で好適に支えることができる。
【0076】
図11に示すように、左シル膨張部71の左後傾斜部71bに沿ってガイドレール19が設けられている。
ガイドレール19は、ロアレール袋体75の上部75aに設けられている。このロアレール袋体75の上部75aは、左シル膨張部71の上部71dに設けられている。
この状態で、ガイドレール19が左シル膨張部71の左後傾斜部71bに沿って設けられている(図4参照)。
【0077】
ガイドレール19は、スライドドア18(図1も参照)のローラ76を車体前後方向にスライド自在に案内するレールである。
このように、左後傾斜部71bに沿ってガイドレール19が設けられることで、ガイドレール19で左後傾斜部71bが補強されている。
【0078】
よって、スライドドア18のガイドレール19を左後傾斜部71bの補強部材として兼用することができる。
これにより、専用の補強部材を個別に設ける必要がないので、部品点数を抑えることができ、軽量化を図ることができる。
【0079】
つぎに、車体フロア構造10に作用した荷重を支える例を図12〜図15に基づいて説明する。なお、図12〜図15においては、車体フロア構造10は左半部および右半部が略左右対称の部材なので左半部に荷重が作用した例について説明して右半部の説明は省略する。
【0080】
まず、車体フロア構造10の左フロントサイドフレーム11に車体前方から作用した荷重を支える例を図12に基づいて説明する。
図12に示すように、左フロントサイドフレーム11に車体前方から荷重F10が作用する。
左フロントサイドフレーム11に作用した荷重F10の一部は、左フロントサイドフレーム11を経て左フロアフレーム12に荷重F11として伝わる。
【0081】
左フロアフレーム12に伝わった荷重F11の一部は、左フロアフレーム12を経て荷重F12として左リヤフロアフレーム15に伝わる。
そして、左フロアフレーム12に伝わった荷重F11の残りは、左シル膨張部71の左後傾斜部71bに荷重F13として分散されて左サイドシル13に伝わる。
【0082】
このように、左フロアフレーム12に伝わった荷重F11を左後傾斜部71bに荷重F13として分散することで、左フロアフレーム12に伝わる荷重を抑えることができる。
これにより、左フロアフレーム12に伝わった荷重を左フロアフレーム12で好適に支えることができる。
【0083】
なお、左フロントサイドフレーム11に作用した荷重F10の残りは、左アウトリガー34を経て左サイドシル13に荷重F14として伝わる。
【0084】
ここで、図5、図9(b)に示すように、左断面拡大部14aの底部51a、左リヤフロアフレーム15の底部56aおよび左フロアフレーム12底部36aが重ね合わされた状態で結合されることで左連結部61の剛性が高められている。
これにより、左フロアフレーム12に伝わった荷重F12を左連結部61を経て左リヤフロアフレーム15に効率よく伝えることができる。
【0085】
つぎに、車体フロア構造10の左サイドシル13(前クロスメンバ17の左端部17bに相当する部位)に車体左側方から作用した荷重を支える例を図13に基づいて説明する。
図13に示すように、左サイドシル13のうち、前クロスメンバ17の左端部17bが連結された連結部73に車体左側方から荷重F15が作用する。
連結部73に作用した荷重F15の一部は、前クロスメンバ17に荷重F16として伝わる。
【0086】
一方、連結部73に作用した荷重F15の残りは、左前傾斜部71aに荷重F17として分散することができる。
そして、左前傾斜部71aに分散した荷重17を左フロアフレーム12の後端部12aおよび後クロスメンバ14の左端部(すなわち、左断面拡大部)14aを経て後クロスメンバ14に伝えることができる。
【0087】
これにより、左サイドシル13の連結部73に車体左側方から荷重F15が作用した場合に、前クロスメンバ17に伝わる荷重F16を抑えることができる。
したがって、図10に示すように、前クロスメンバ17の中央部17aが上方に湾曲していても、前クロスメンバ17に伝わる荷重F16を前クロスメンバ17で好適に支えることができる。
【0088】
ここで、前クロスメンバ17に対する左前傾斜部71aの傾斜角度θ4を小さく抑えられている。
よって、連結部73に作用した荷重F15の残りを、左前傾斜部71aに荷重F17として効率よく分散することができる。
【0089】
ついで、車体フロア構造10の左サイドシル13(左後傾斜部71bの後方部位71c)に車体左側方から作用した荷重を支える例を図14に基づいて説明する。
図14に示すように、左サイドシル13のうち左後傾斜部71bの後方部位71cに車両左側方から荷重F20が作用する。
【0090】
後方部位71cに作用した荷重F20は、左後傾斜部71bを経て後クロスメンバ14に荷重F21として分散される。
このように、左サイドシル13の後方部位71cに荷重F20が作用が作用した場合に、荷重F20を後クロスメンバ14に荷重F21として分散し、分散した荷重F21を後クロスメンバ14で好適に支えることができる。
【0091】
つぎに、車体フロア構造10の左サイドシル13(後クロスメンバ14の左端部14aに相当する部位)に車体左側方から作用した荷重を支える例を図15に基づいて説明する。
図15に示すように、左サイドシル13のうち後クロスメンバ14の左端部14aに相当する部位に車両左側方から荷重F22が作用する。作用した荷重F22は左シル膨張部71を経て後クロスメンバ14の左端部14aに伝わる。
【0092】
ここで、図5、図9(b)に示すように、左断面拡大部14aの底部51a、左リヤフロアフレーム15の底部56aおよび左フロアフレーム12底部36aが重ね合わされた状態で結合されることで左連結部61の剛性が高められている。
【0093】
よって、後クロスメンバ14の左端部14aに伝わった荷重F22の一部を、左連結部61を経て左フロアフレーム12に荷重F24として分散させるとともに、左リヤフロアフレーム15に荷重F25として分散させることができる。
そして、左端部14aに伝わった荷重F22の残りを、後クロスメンバ14に荷重F23として効率よく伝えることができる。
【0094】
このように、左サイドシル13に作用した荷重F22を左フロアフレーム12および左リヤフロアフレーム15に分散させることで、後クロスメンバ14に作用する荷重F23を抑えることができる。
これにより、後クロスメンバ14に作用する荷重F23を後クロスメンバ14で好適に支えることができる。
【0095】
なお、本発明に係る車体フロア構造10は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、左シル膨張部71の上部71dにロアレール袋体75を設けることでガイドレール19を左後傾斜部71bに沿って設けた例について説明したが、ガイドレール19を右後傾斜部71bに沿って設けることも可能である。
【0096】
また、前記実施例で示した左右のフロントサイドフレーム11、左右のフロアフレーム12、左右のサイドシル13、後クロスメンバ14、左右の断面拡大部14a、左右のリヤフロアフレーム15、フロアパネル16、前クロスメンバ17、前クロスメンバの中央部17a、スライドドア18、ガイドレール19、フロア膨出部21、左右のシル膨張部71、左右の前傾斜部71a、左右の後傾斜部71bおよび左右の連結部73などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、前後のクロスメンバ間で且つ左右のフロアフレーム間の空間に燃料タンクが設けられた車体フロア構造を備えた自動車への適用に好適である。
【符号の説明】
【0098】
10…車体フロア構造、11…左右のフロントサイドフレーム、11a…左右のフロントサイドフレームの後端部、12…左右のフロアフレーム、12a…左右のフロアフレームの後端部、13…左右のサイドシル、14…後クロスメンバ、14a…左右の端部(左右の断面拡大部)、15…左右のリヤフロアフレーム、15a…左右のリヤフロアフレームの前端部、16…フロアパネル、16b…フロアパネルの前端部、16c…フロアパネルの左側部、16d…フロアパネルの右側部、17…前クロスメンバ、17a…前クロスメンバの中央部、18…スライドドア、19…ガイドレール、21…フロア膨出部、21a…フロア膨出部の後端部、21b…フロア膨出部の上面、51a…左右の断面拡大部の底部、71…左右のシル膨張部、71a…左右の前傾斜部、71b…左右の後傾斜部、73…左右の連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のフロントサイドフレームの後端部から車体後方に向けて延出された左右のフロアフレームと、
前記左右のフロアフレームの車体外側に設けられ、車体前後方向に延出された左右のサイドシルと、
前記左右のサイドシルに架け渡された後クロスメンバと、
前記後クロスメンバおよび前記左右のフロアフレームに載置され、燃料タンクを下方から収納可能なフロア膨出部が隆起されたフロアパネルと、を備え、
前記左右のフロアフレームが車体後方に向けて前記フロア膨出部の後端部まで上り勾配に延出されるとともに、前記左右のフロアフレームの後端部が前記後クロスメンバに設けられ、
前記後クロスメンバに前記フロア膨出部の後端部が設けられたことを特徴とする車体フロア構造。
【請求項2】
前記後クロスメンバの車体前方に設けられ、前記左右のサイドシルに架け渡された前クロスメンバを備え、
前記前クロスメンバは、
前記フロアパネルの前端部で、かつ前記フロア膨出部の上面に設けられることで中央部が前記フロア膨出部の上面に沿って上方へ湾曲されるとともに、前記左右のフロアフレームに対して前記前クロスメンバが直交するように設けられ、
前記前クロスメンバおよび前記左フロアフレームで前記フロアパネルの左側部が挟持されるとともに、前記前クロスメンバおよび前記右フロアフレームで前記フロアパネルの右側部が挟持されたことを特徴とする請求項1記載の車体フロア構造。
【請求項3】
前記後クロスメンバは、
左右の端部のうち底部が車体外側に向けて下り勾配に形成されることで、左右の端部がそれぞれ断面拡大部に形成され、
前記左右の断面拡大部に前記左右のフロアフレームの後端部が連結されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体フロア構造。
【請求項4】
後クロスメンバの左右の断面拡大部から車体後方に向けて左右のリヤフロアフレームが延出され、
前記左リヤフロアフレームの前端部および前記左フロアフレームの後端部が、前記左断面拡大部の底部に重ね合わされた状態で結合され、
前記右リヤフロアフレームの前端部および前記右フロアフレームの後端部が、前記右断面拡大部の底部に重ね合わされた状態で結合されたことを特徴とする請求項3記載の車体フロア構造。
【請求項5】
前記左右のサイドシルは、
車幅方向内側に張り出されることで、前記後クロスメンバの左右の端部に連結されるとともに、前記左右のフロアフレームの後端部に連結された左右のシル膨張部を有し、
前記左シル膨張部は、
前記左サイドシルおよび前記前クロスメンバの左端部の連結部から前記左フロアフレームの後端部に向けて傾斜状に延出された左前傾斜部を有し、
前記右シル膨張部は、
前記右サイドシルおよび前記前クロスメンバの右端部の連結部から前記右フロアフレームの後端部に向けて傾斜状に延出された右前傾斜部を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車体フロア構造。
【請求項6】
前記左シル膨張部は、
前記後クロスメンバの左端部から前記左サイドシルに向けて傾斜状に延出された左後傾斜部を有し、
前記右シル膨張部は、
前記後クロスメンバの右端部から前記右サイドシルに向けて傾斜状に延出された右後傾斜部を有し、
前記左右の後傾斜部の少なくとも一方に沿って、スライドドアをスライド自在に案内するガイドレールを設けることで、前記ガイドレールで前記左右の後傾斜部の少なくとも一方を補強することを特徴とする請求項5記載の車体フロア構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−280293(P2010−280293A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135061(P2009−135061)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】