説明

車止め予告シート

【課題】本発明は、既に車止めが固定されている駐車場や車庫等においても簡単に設置することができ、自動車を最適な位置に駐めることができるようにガイドする車止め予告シートを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、水平なシート上に貫通孔の空いた略円柱状の高凸部材を等間隔に配置した列と下面に孔の空いた略円柱状の低凸部材を等間隔に配置した列とを交互に複数列配置した水平部、前記水平部の後ろに連設した前後方向に盛り上がるシート上に略円柱状の凸部材を等間隔に複数列配置した湾曲部からなる予告シートを車止めの前方に固定し、前記予告シートにタイヤが載ったら音を発生することを特徴とする車止め予告シートの構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既に車止めが固定されている駐車場や車庫等においても簡単に設置することができ、自動車を最適な位置に駐めることができるようにガイドする車止め予告シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
駐車場等には、自動車を後進で駐車する際に、後方に進み過ぎて壁や別の自動車などに接触しないように、コンクリート製のブロック等を車止めとして地面に固定している場所もある。
【0003】
特許文献1に記載されているように、車載可能で、荷物の転がり防止具としての使用にも適する車止め具の発明も公開されている。
【特許文献1】特開平10−086800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、車輪を載せる基部と車輪を留める当接部とが一体になっており、車輪を留める車止めが最初から設置されている駐車場に設置するには適さない。
【0005】
そこで、本発明は、既に車止めが固定されている駐車場や車庫等においても簡単に設置することができ、自動車を最適な位置に駐めることができるようにガイドする車止め予告シートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、水平なシート上に貫通孔2hの空いた略円柱状の高凸部材2eを等間隔に配置した列と下面に孔2iの空いた略円柱状の低凸部材2fを等間隔に配置した列とを交互に複数列配置した水平部2b、前記水平部2bの後ろに連設した前後方向に盛り上がるシート上に略円柱状の凸部材2gを等間隔に複数列配置した湾曲部2cからなる予告シート2、2aを車止め4、4aの前方に固定し、前記予告シート2、2aにタイヤ5aが載ったら音を発生することを特徴とする車止め予告シート1の構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、予告シートが車止めの位置を予告するので、免許取立ての初心者、女性又は老人等の車庫入れに自信のない者でも、安心して自動車を所定の位置に収めることができるようになる。
【0008】
第2に、予告シートの発する音や、接触式センサーを使用したランプを確認することにより、夜や雨の日など視界の悪い状態でも、簡単に自動車を所定の位置に収容することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、既に車止めが固定されている駐車場や車庫等においても簡単に設置することができ、自動車を最適な位置に駐めることができるようにガイドするという目的を、水平なシート上に貫通孔の空いた略円柱状の高凸部材を等間隔に配置した列と下面に孔の空いた略円柱状の低凸部材を等間隔に配置した列とを交互に複数列配置した水平部、前記水平部の後ろに連設した前後方向に盛り上がるシート上に略円柱状の凸部材を等間隔に複数列配置した湾曲部からなる予告シートを車止めの前方に固定し、前記予告シートにタイヤが載ったら音を発生することを特徴とする車止め予告シートとすることで実現した。
【実施例1】
【0010】
以下に、添付図面に基づいて、本発明である車止め予告シートについて詳細に説明する。図1は、本発明である車止め予告シートの使用状況を示す図である。
【0011】
車止め予告シート1は、水平なシート上に貫通孔2hの空いた略円柱状の高凸部材2eを等間隔に配置した列と下面に孔2iの空いた略円柱状の低凸部材2fを等間隔に配置した列とを交互に複数列配置した水平部2b、前記水平部2bの後ろに連設した前後方向に盛り上がるシート上に略円柱状の凸部材2gを等間隔に複数列配置した湾曲部2cからなる予告シート2、2aを車止め4、4aの前方に固定し、前記予告シート2、2aにタイヤ5aが載ったら音を発生することを特徴とする。
【0012】
自動車5を後進で駐車スペースに入れる際、視界が悪いために駐車スペースを区切るラインや車止め4、4aの位置が分からない場合があり、駐車スペースに収めることができなかったり、車止め4、4aを乗り越えてしまうこともある。
【0013】
車止め予告シート1を設置しておくことにより、車止め4、4aの位置を把握することができるようになり、自動車5を適正な場所に駐車することができるようになる。尚、車止め予告シート1には、予告シート2、2a及びサイド用シート3、3a等がある。
【0014】
図2は、本発明である車止め予告シートの斜視図である。図3は、本発明である車止め予告シートの平面図である。
【0015】
左予告シート2は、左車止め4の前方に敷き、右予告シート2aは、右車止め4aの前方に敷く。予告シート2、2aにタイヤ5aが載った感覚及び予告シート2、2aが発生する音等により、車止め4、4aに近づいたことを察知できる。
【0016】
左サイド用シート3は、駐車スペース内の左端に沿って敷き、右サイド用シート3aは、駐車スペース内の右端に沿って敷く。サイド用シート3、3aにタイヤ5aが載った感覚により、自動車5が駐車スペースから外れようとしていることが察知できる。
【0017】
図4は、本発明である車止め予告シートの予告シートの平面図である。図5は、本発明である車止め予告シートの予告シートの側面図である。尚、右予告シート2aは左予告シート2と同様である。
【0018】
予告シート2は、前側の水平部2b、中央の湾曲部2c及び後側の後端部2dを連設したシートである。予告シート2に材質としては、プラスチック、ゴム、合成ゴム又はその他リサイクル材等を使用することができる。
【0019】
予告シート2の寸法の例としては、前端から後端までの長さを約510mm、左端から右端までの幅を約450mm、厚さ(シートのみ)を7mmとし、一列に11個又は10個の凸部材を40mm毎に配置したものを25列設ける。
【0020】
水平部2bは、最初に自動車5のタイヤ5aが載る水平な部分である。水平部2bの表面には、高凸部材2e及び低凸部材2fが配置される。尚、高凸部材2eの列と低凸部材2fを列とを位置を横にずらした上で交互に並べる。
【0021】
水平部2bの寸法の例としては、長さを約200mmとし、高凸部材2eを5列、低凸部材2fを5列の全部で10列設ける。尚、高凸部材2eは1列に11個配置し、低凸部材2fは1個分横にずらして1列に10個配置する。
【0022】
高凸部材2e及び低凸部材2fには空洞があるため、自動車5のタイヤ5aが載って潰されると、空気が抜けて音が発生する。また、高凸部材2eと低凸部材2fとは高さが異なり、空洞の空き方も異なるので、発生する音も異なる。
【0023】
更に、タイヤ5aの位置により高凸部材2e及び低凸部材2fの潰され方が様々であるため、不規則な音が発生し、水平部2bにタイヤ5aが載ったことを、自動車5の運転者に知らせることが可能となる。
【0024】
湾曲部2cは、水平部2bの後に続く緩やかな山状に盛り上がった部分である。湾曲部2cの斜面には、凸部材2gが配置される。尚、11個の列と10個の列とを位置を横にずらした上で交互に並べる。
【0025】
湾曲部2cの寸法の例としては、長さを約260mmとし、凸部材2gを1列11個の列を7列、1列10個の列を6列の全部で13列設ける。尚、1列10個の列は、1個分横にずらして配置する。
【0026】
また、湾曲部2cは、半径を約300mmとする円弧のように湾曲しており、凸部材2gは、頂部の1つ隣りにおいては、垂直方向から約3.7°傾いて設置され、前端側又は後端側においては、垂直方向から約22.6°傾いて設置される。
【0027】
尚、頂部の2つ隣りにおいては、垂直方向から約7.4°、頂部の3つ隣りにおいては、垂直方向から約11.1°、頂部の4つ隣りにおいては、垂直方向から約14.9°、頂部の5つ隣りにおいては、垂直方向から約18.4°傾いて設置される。
【0028】
自動車5の運転者は、タイヤ5aが湾曲部2cに乗り上げることにより、車止め4の位置が近いことを把握することができる。尚、凸部材2gには、斜面を上り下りする際の滑り止めの効果もある。
【0029】
後端部2dは、湾曲部2cの斜面を降りた後の水平な部分である。後端部2dの表面には、湾曲部2cと同様に凸部材2gが配置される。後端部2dの寸法の例としては、長さを約50mmとし、凸部材2gを2列設ける。
【0030】
留具2jは、予告シート2の左端及び右端の数ヶ所、例えば四隅において、予告シート2を地面に固定する部材である。留具2jとしては、コンクリートボンド又はコンクリートビス等が使用される。
【0031】
図6は、本発明である車止め予告シートの高凸部材の平面図である。図7は、本発明である車止め予告シートの高凸部材の側面の断面図である。
【0032】
高凸部材2eは、略円柱状であり、上面から下面にかけて中央に貫通孔2hが空く。側面は台形状に斜面であり、上から下にかけてテーパー状に拡がる。尚、上面の縁は丸めても良い。
【0033】
高凸部材2eの寸法の例としては、上面の直径を約12mm、下面の直径を約20mm、高さを約12mm(シートを含めて約19mm)とする。また、貫通孔2hの直径を上面で5mm、下面で12mmとする。
【0034】
図8は、本発明である車止め予告シートの低凸部材の平面図である。図9は、本発明である車止め予告シートの低凸部材の側面の断面図である。
【0035】
低凸部材2fは、高凸部材2eと同様に略円柱状であるが、下面から貫通しない略円錐形の孔2iが空く。低凸部材2fの寸法の例としては、高さを10mm(シートを含めて17mm)とし、孔2iの下面の直径を12mmとする。
【0036】
図10は、本発明である車止め予告シートの凸部材の平面図である。図11は、本発明である車止め予告シートの凸部材の側面の断面図である。
【0037】
凸部材2gは、高凸部材2e又は低凸部材2fと同様に略円柱状であるが、高凸部材2e及び低凸部材2fとは異なり、貫通孔2h又は孔2iのような空洞は存在しない。尚、寸法についても同様である。
【実施例2】
【0038】
図12は、本発明である車止め予告シートのサイド用シートの平面図である。図13は、本発明である車止め予告シートのサイド用シートの正面図である。尚、右サイド用シート3aは左サイド用シート3と同様である。
【0039】
車止め予告シート1の予告シート2、2aの斜め前方、即ち自動車の側方に、左右方向に盛り上がるシート上に略円柱状の凸部材3dを等間隔に数列配置したサイド用シート3、3aを設置することもできる。
【0040】
サイド用シート3は、中央の湾曲部3b及び左側及び右側の側端部3cを連設したシートである。尚、サイド用シート3の材質は、予告シート2と同様に、プラスチック、ゴム、合成ゴム又はその他リサイクル材等である。
【0041】
サイド用シート3の寸法の例としては、前端から後端までの長さを約600mm、左端から右端までの幅を約190mm、厚さ(シートのみ)を7mmとし、一列に3個又は4個の凸部材を40mm毎に配置したものを29列設ける。
【0042】
湾曲部3bは、中央の緩やかな山状に盛り上がった部分である。湾曲部2cの斜面には、凸部材3dが配置される。尚、3個の列と4個の列とを位置を横にずらした上で交互に並べる。
【0043】
湾曲部3bの寸法の例としては、幅を約150mmとし、凸部材3dを1列3個の列を15列、1列4個の列を14列の全部で13列設ける。尚、1列4個の列は、1個分横にずらして配置する。
【0044】
また、湾曲部3bは、半径を約125mmとする円弧のように湾曲しており、凸部材3dは、頂部の1つ隣りにおいては、垂直方向から約8.4°、2つ隣りにおいては、約17°、端側においては、約26°傾いて設置される。
【0045】
湾曲部3bは、予告シート2の湾曲部2cよりも急な斜面で盛り上がっており、自動車5の運転者が乗り上げたことを容易に判断できるため、タイヤ5aが横に逸れるのを防止する効果がある。
【0046】
側端部3cは、湾曲部3bの左右両側の水平な部分である。サイド用シート3を、留具3eにより数ヶ所、例えば四隅において、地面に固定する部材である。留具3eとしては、コンクリートボンド又はコンクリートビス等である。
【実施例3】
【0047】
図14は、本発明である車止め予告シートの接触式センサーを使用した予告シートにタイヤが載った状態を示す図である。図15は、本発明である車止め予告シートの接触式センサーを使用した予告シートを越えてタイヤが車止めで留まった状態を示す図である。
【0048】
車止め予告シート1の左右予告シート2、2aに接触式センサー6を設置し、左右予告シート2、2aの上に自動車5のタイヤ5aが載ったらランプ6aを点灯するようにすることもできる。
【0049】
接触式センサー6は、予告シート2の水平部2bにある高凸部材2e又は低凸部材2fの数ヶ所に設置する。尚、タイヤ5aがどの位置に載っても1個以上感知できるようにバランス良く配置する。
【0050】
接触式センサー6の信号は、ランプ6aの点灯又は消灯に利用する。即ち、タイヤ5aが水平部2bに載ったら接触式センサー6が感知してランプ6aを点灯させ、水平部2b上に無い場合はランプ6aを消灯させる。
【0051】
ランプ6aは、自動車5の運転者の目に付く場所に設置する。騒音等により高凸部材2e又は低凸部材2fが発する音が聞こえづらくても、ランプ6aの点灯により、予告シート2にタイヤ5aが載ったことを把握することができる。
【0052】
水平部2bを過ぎて湾曲部2cに至るとランプ6aは消灯し、湾曲部2cを乗り越えると、タイヤ5aはちょうど車止め4の前に来る。尚、予告シート2と車止め4との距離は、タイヤ5aの大きさにより調整することができるようにすることも可能である。
【実施例4】
【0053】
図16は、本発明である車止め予告シートの予告シートの高凸部材の上面を丸めた場合の断面図である。図17は、本発明である車止め予告シートの予告シートの低凸部材の上面を丸めた場合の断面図である。尚、凸部材2g及び凸部材3dも同様である。
【0054】
車止め予告シート1の予告シート2に設けた高凸部材2e、低凸部材2f及び凸部材2gの上面、又はサイド用シート3に設けた凸部材3dの上面を、球面状に丸めて略円錐状にすることもできる。
【0055】
上面を丸めることにより、タイヤ5aに接触しやすくなり、高凸部材2e又は低凸部材2fが発する音、接触式センサー6の感度、凸部材2g又は凸部材3dの滑り止めの効果等を向上させることができる。
【0056】
以上のように、本発明である車止め予告シートは、予告シートが車止めの位置を予告するので、免許取立ての初心者、女性又は老人等の車庫入れに自信のない者でも、安心して自動車を所定の位置に収めることができるようになる。
【0057】
また、予告シートの発する音や、接触式センサーを使用したランプを確認することにより、夜や雨の日など視界の悪い状態でも、簡単に自動車を所定の位置に収容することができるようになる。
【実施例5】
【0058】
図18は、本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートの平面図であり、図19は、本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートの側面図である。
【0059】
予告シート7は、前側の水平部7a、中央の湾曲部7b及び後側の後端部7cを連設したシートであり、車止め13aの前側に設置される。表面にはセンサー付き凸部材7d、高凸部材7e及び低凸部材7fが取り付けられ、四隅等が留具7gにより地面に固定される。
【0060】
予告シート7の寸法例としては、前端から後端までの長さが約288mm、左端から右端までの幅が約500mm、湾曲部7b以外の厚さが5mmであり、センサー付き凸部材7d、高凸部材7e及び低凸部材7fが約56mm毎に配置される。
【0061】
水平部7aの長さは約92mmであり、前端側から1列目に高凸部材7eが横に9個、2列目にセンサー付き凸部材7dが8個、3列目に低凸部材7fが9個の3列配置される。
【0062】
湾曲部7bの長さは約160mmであり、4列目に高凸部材7eが8個、5列目に低凸部材7fが9個、6列目に低凸部材7fが8個、7列目に低凸部材7fが9個、8列目に低凸部材7fが8個、9列目に高凸部材7eが9個の6列配置される。
【0063】
湾曲部7bの表面は、半径が約220mmの円弧状に上側へ盛り上がっており、タイヤが載った際の微振動で運転手に浮き上がる感覚を伝える。運転手は、タイヤが車止め13aに当たる前に、近付いたことを察知することができる。
【0064】
後端部7cの長さは約36mmであり、10列目に低凸部材7fが8個の1列配置される。尚、奇数列と偶数列とは位置を横にずらして交互に並べる。
【0065】
凸部材は、前端側から高、高(センサー付き)、低、高、低、低、低、低、高、低の順に配置されており、高低が交互ではない。運転手に不規則な微振動が伝わり、告知効果は高くなる。また、湾曲部7bにおいては、盛り上がっていることから、前後端のみ高凸部材7eで、間は低凸部材7fとしている。
【0066】
図20は、本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートのセンサー付き凸部材の平面図及び正面図であり、図21は、本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートの高凸部材及び低凸部材の正面図である。
【0067】
センサー付き凸部材7dは、円錐を水平に切断した下側部分である円錐台の形状であり、側面が斜面で上から下にテーパー状に拡がる。尚、上面の縁は、タイヤに影響のないように角を丸めてある。
【0068】
センサー付き凸部材7dは、高凸部材7eの中央に、上面から下面にかけて貫通孔7hを空け、内部に接触式センサー7iを埋め込む。タイヤが載ったことをセンサーが感知すると、信号が伝達され、音や光に変換して運転手に通知することができる。
【0069】
センサー付き凸部材7dの寸法例としては、上面が直径約12mm、下面が直径約20mm、高さが約6mmであり、貫通孔7hの上面は直径約4mm、下面(シートの裏側)は直径約10mmである。
【0070】
高凸部材7e及び低凸部材7fも、円錐台の形状であり、上面の縁は角を丸めてある。寸法例としては、上面が直径約12mm、下面が直径約20mmで、高凸部材7eについては高さが約6mm、低凸部材7fについては高さが約4mmである。
【0071】
図22は、本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの平面図であり、図23は、本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの正面図である。
【0072】
サイド用シート8は、中央の湾曲部8a、左側の側端部8b及び右側の側端部8bを連設したシートであり、駐車スペースの横端に設置される。表面には凸部材8cが取り付けられ、四隅等の何箇所かにおいて留具8dにより地面に固定される。
【0073】
サイド用シート8の寸法例としては、前端から後端までの長さが約600mm、左端から右端までの幅が約150mm、湾曲部7b以外の厚さが5mmであり、凸部材8cが縦が約36mm毎、横が約30mm毎に配置される。
【0074】
湾曲部8aの幅は約30mmであり、左端側から1列目に凸部材8cが縦に15個、2列目に16個、3列目に15個、4列目に16個、5列目に15個、6列目に16個、7列目に15個の7列配置される。尚、奇数列と偶数列とは位置を横にずらして交互に並べる。また、側端部8bの長さは約15mmであり、凸部材8cは配置されない。
【0075】
湾曲部8aの表面は、半径が約303mmの円弧状に上側へ盛り上がっており、3列目及び5列目の凸部材8cは垂直方向から約3.8°傾いており、2列目及び6列目の凸部材8cは垂直方向から約7.5°傾いており、1列目及び7列目の凸部材8cは垂直方向から約11.3°傾いている。
【0076】
湾曲部8aにタイヤが載ると、微振動により運転手に浮き上がる感覚を伝える。運転手は、タイヤが駐車エリアからはみ出そうとしていることを察知することができる。
【0077】
凸部材8cの寸法例としては、上面が直径約10mm、下面が直径約16mm、高さが約4mmである。
【0078】
図24は、本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの凸部材の間隔を変えた場合の平面図であり、図25は、本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの凸部材の間隔を変えた場合の正面図である。
【0079】
予告シート7及びサイド用シート8は、車種等によりシートから受ける運転者の感触も異なることから、凸部材等の間隔及びシートのサイズを設置場所や利用状況に応じて変更することが可能である。
【0080】
サイド用シート9の寸法例としては、前端から後端までの長さが約600mm、左端から右端までの幅が約150mm、湾曲部7b以外の厚さが5mmであり、凸部材8cが約56mm毎に配置される。
【0081】
湾曲部9aの幅は約56mmであり、左端側から1列目に凸部材9cが縦に10個、2列目に11個、3列目に10個、4列目に11個、5列目に10個の5列配置される。尚、奇数列と偶数列とは位置を横にずらして交互に並べる。また、側端部9bの長さは約11mmであり、凸部材9cは配置されない。
【0082】
湾曲部9aの表面は、半径が約293mmの円弧状に上側へ盛り上がっており、2列目及び4列目の凸部材9cは垂直方向から約5.3°傾いており、1列目及び5列目の凸部材9cは垂直方向から約10.7°傾いている。
【0083】
凸部材8cの寸法例としては、上面が直径約10mm、下面が直径約16mm、高さが約5mmである。
【0084】
図26は、本発明である車止め予告シートの前進で駐車する場合を示す図である。車止め予告シート1aは、自動車13を前進で駐車する場合においても、後進で駐車する場合においても、車止め13aを位置を予告することができる。
【0085】
暗い場所等の視界の悪い状況であっても、車止め13aの位置が把握できることから、車止め13aの存在を知らずに、タイヤが車止め13aに当たって初めて存在に気付き、急ブレーキを踏むという状況を防止することができる。
【0086】
また、車止め13aの位置が把握できないために、勢い良く自動車13を進入させてしまい、タイヤが車止め13aを乗り越えてしまうという状況も防止することができる。
【0087】
車止め予告シート1aを使用することにより、予告シート7及びサイド用シート8が運転者に注意を促すので、自動車13を前進駐車又は後進駐車する際に、駐車領域に適正に誘導することが可能となる。
【実施例6】
【0088】
図27は、本発明である車止め予告シートの実施例6である予告シートの斜視図である。予告シート10は、凸部材がなくても、水平部10aの接触式センサー10d及び湾曲部10bの微振動により、後端部10cの先に車止め13aがあることを、運転者に予告することが可能である。
【0089】
予告シート10の材質は、プラスチック(合成樹脂)、ゴム、合成ゴム等以外に、鉄、スチール、アルミニウム、ステンレス等の金属など様々な材料を使用することができる。
【0090】
凸部材を使用せずに、シートの表面に凹凸のある模様を付すこともでき、タイヤが載った際の微振動を表現することが可能である。
【0091】
凸部材に貫通孔を空けて設置していた接触式センサー10dは、水平部10aに一定の間隔を置いて1列に複数の孔を空けて設置することで、水平部10aにタイヤが載ったことを感知することが可能となる。
【0092】
接触式センサー10dを併用することで、湾曲部10bの盛り上がる感覚の他に、音や光など様々な方法により、運転者に車止め13aの位置を予告することができる。
【0093】
また、予告シート10の表面に蛍光塗料や蓄光塗料等を塗布又は前記塗料を含んだ部材を貼付・埋設等することにより、夜間であっても視覚的に車止めの位置を把握することが可能となる。尚、凸部材を取り付けた場合は、タイヤが載って塗装が剥がれやすいので、シートの表面だけでも良い。
【0094】
視界の悪い場所、騒音の大きい場所、整地されていない場所など、設置場所及び利用形態には様々な状況が予想されることから、複数の予告方法を組み合わせておくことは非常に有効である。
【実施例7】
【0095】
図28は、本発明である車止め予告シートの実施例7である予告シートの平面図であり、図29は、本発明である車止め予告シートの実施例7である予告シートの側面図である。
【0096】
予告シート11は、前側の水平部11a、中央の湾曲部11b及び後側の後端部11cを連設したシートであり、車止め13aの前側に設置される。表面には左端から右端にかけて台形状に突起した突条11dが取り付けられ、四隅等の何箇所かにおいて留具8dにより地面に固定される。
【0097】
予告シート11の寸法例としては、前端から後端までの長さが約300mm、左端から右端までの幅が約500mm、湾曲部11b以外の厚さが5mmであり、突条11dが約40mm毎に配置される。
【0098】
水平部11aの長さは約99mmであり、突条11dが2列配置される。湾曲部11bの長さは約152mmであり、突条11dが4列配置される。後端部7cの長さは約49mmであり、突条11dが1列配置される。
【0099】
湾曲部11bの表面は、半径が約200mmの円弧状に上側へ盛り上がっており、2列目及び3列目の突条11dは垂直方向から約5.7°傾いており、1列目及び4列目の突条11dは垂直方向から約17.5°傾いている。
【0100】
突条11dの寸法例としては、上面の長さが約12mm、下面の長さが約20mm、高さが約6mmである。
【実施例8】
【0101】
図30は、本発明である車止め予告シートの実施例8である予告シートの斜視図である。予告シート12は、凸部材等とは逆に凹んでいても、車止め13aの位置を運転者に予告することが可能である。
【0102】
予告シート12は、前側の水平部12a、中央の湾曲部12b及び後側の後端部12cを連設したシートであり、車止め13aの前側に設置される。表面には一定間隔ごとに円柱状に陥没させた凹部12dが空けられる。
【0103】
突条11dや凹部12dのように、凸部材以外であっても、湾曲部の盛り上がりと共に微振動を与えることが可能であり、接触式センサーと組み合わせて、より効果的な予告をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明である車止め予告シートの使用状況を示す図である。
【図2】本発明である車止め予告シートの斜視図である。
【図3】本発明である車止め予告シートの平面図である。
【図4】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの平面図である。
【図5】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの側面図である。
【図6】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの高凸部材の平面図である。
【図7】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの高凸部材の側面の断面図である。
【図8】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの低凸部材の平面図である。
【図9】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの低凸部材の側面の断面図である。
【図10】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの凸部材の平面図である。
【図11】本発明である車止め予告シートの実施例1である予告シートの凸部材の側面の断面図である。
【図12】本発明である車止め予告シートの実施例2であるサイド用シートの平面図である。
【図13】本発明である車止め予告シートの実施例2であるサイド用シートの正面図である。
【図14】本発明である車止め予告シートの実施例3である接触式センサーを使用した予告シートにタイヤが載った状態を示す図である。
【図15】本発明である車止め予告シートの実施例3である接触式センサーを使用した予告シートを越えてタイヤが車止めで留まった状態を示す図である。
【図16】本発明である車止め予告シートの実施例4である予告シートの高凸部材の上面を丸めた場合の断面図である。
【図17】本発明である車止め予告シートの実施例4である予告シートの低凸部材の上面を丸めた場合の断面図である。
【図18】本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートの平面図である。
【図19】本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートの側面図である。
【図20】本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートのセンサー付き凸部材の平面図及び正面図である。
【図21】本発明である車止め予告シートの実施例5である予告シートの高凸部材及び低凸部材の正面図である。
【図22】本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの平面図である。
【図23】本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの正面図である。
【図24】本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの凸部材の間隔を変えた場合の平面図である。
【図25】本発明である車止め予告シートの実施例5であるサイド用シートの凸部材の間隔を変えた場合の正面図である。
【図26】本発明である車止め予告シートの前進で駐車する場合を示す図である。
【図27】本発明である車止め予告シートの実施例6である予告シートの斜視図である。
【図28】本発明である車止め予告シートの実施例7である予告シートの平面図である。
【図29】本発明である車止め予告シートの実施例7である予告シートの側面図である。
【図30】本発明である車止め予告シートの実施例8である予告シートの斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
1 車止め予告シート
1a 車止め予告シート
2 左予告シート
2a 右予告シート
2b 水平部
2c 湾曲部
2d 後端部
2e 高凸部材
2f 低凸部材
2g 凸部材
2h 貫通孔
2i 孔
2j 留具
3 左サイド用シート
3a 右サイド用シート
3b 湾曲部
3c 側端部
3d 凸部材
3e 留具
4 左車止め
4a 右車止め
5 自動車
5a タイヤ
6 接触式センサー
6a ランプ
7 予告シート
7a 水平部
7b 湾曲部
7c 後端部
7d センサー付き凸部材
7e 高凸部材
7f 低凸部材
7g 留具
7h 貫通孔
7i 接触式センサー
8 サイド用シート
8a 湾曲部
8b 側端部
8c 凸部材
8d 留具
9 サイド用シート
9a 湾曲部
9b 側端部
9c 凸部材
9d 留具
10 予告シート
10a 水平部
10b 湾曲部
10c 後端部
10d 接触式センサー
11 予告シート
11a 水平部
11b 湾曲部
11c 後端部
11d 突条
11e 留具
12 予告シート
12a 水平部
12b 湾曲部
12c 後端部
12d 凹部
13 自動車
13a 車止め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの前側である水平部と、前記水平部の後ろに連設した前後方向に弧状に盛り上がる湾曲部とからなる予告シートを車止めの前方に固定し、タイヤが前記湾曲部を乗り越えた際に運転手に微振動を感じさせることを特徴とする車止め予告シート。
【請求項2】
シート上に、上面の角を丸めた円錐台型の高凸部材を等間隔に配置した列と、前記高凸部材より高さの低い低凸部材を等間隔に配置した列とを、奇数列と偶数列の横位置をずらして複数列設けることにより、運転手に不規則な微振動を感じさせることを特徴とする請求項1に記載の車止め予告シート。
【請求項3】
シートの左端から右端にかけて突起させた突条を複数列設けたことを特徴とする請求項1に記載の車止め予告シート。
【請求項4】
シートに一定間隔ごとに陥没させた複数の凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車止め予告シート。
【請求項5】
シート上に凹凸のある模様を付したことを特徴とする請求項1に記載の車止め予告シート。
【請求項6】
水平部の左端から右端にかけて一定の間隔を置いて複数の接触式センサーを設置することにより、タイヤを感知して音又は光を発することを特徴とする請求項1乃至5に記載の車止め予告シート。
【請求項7】
予告シートの斜め前方に、左右方向に盛り上がるシート上に円錐台型の凸部材を等間隔に数列配置したサイド用シートを設置したことを特徴とする請求項1乃至6に記載の車止め予告シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−63866(P2008−63866A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244103(P2006−244103)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(306020405)中山工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】