説明

車載システム

【課題】車載装置との間で無線通信による接続が行われる携帯端末装置の電力消費を抑えることができる車載システムを提供すること。
【解決手段】携帯電話機10と車載装置50とが無線通信で接続される。携帯電話機10は、無線通信により信号を送受信するインタフェース部30と、携帯電話機10の位置を検出する位置検出部41と、位置検出部41によって検出された位置が利用者によって予め登録された特定位置に到達したか否かを判定する到達判定部46と、到達判定部46によって特定位置に到達した旨の判定がなされたときにインタフェース部30による無線通信の機能を停止させる無線機能制御部47とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末と車載装置との間で無線通信により信号の送受信を行う車載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載機と携帯電話機との間をブルーツース(Bluetooth)接続し、車載器に備わったスピーカとマイクロホンを使って電話による会話を行うようにした車載ハンズフリー電話システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。車載器と携帯電話機のそれぞれに、IEEE 802.15規格に準拠した近距離無線通信を行う通信モジュールが備わっており、これらの通信モジュール間でブルーツース接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−98981号公報(第4−7頁、図1−5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された車載ハンズフリー電話システムでは、車室内にいる利用者が電話をかけて会話を行うことを前提としてるが、車両が目的地等に到着した後に利用者が携帯電話機を持って車両から離れても携帯電話機のブルーツース機能が有効になっていると、使用しないブルーツース機能の維持に伴って無駄に電力が消費されるという問題があった。携帯電話機の中には手動操作でブルーツース機能を無効(停止)にすることができるものがあるが、このような操作は忘れやすいため、消費電力を抑える手段としてはあまり有効であるとはいえない。
【0005】
また、携帯電話機と車載器との組み合わせに限らず、例えば、音楽プレーヤの機能を有する携帯端末装置と車載オーディオ装置とをブルーツース接続して、車載オーディオ装置のスピーカから音声出力する場合などについても同様の問題がある。さらに、ブルーツース接続を行う携帯電話機や携帯端末装置だけでなく、その他の無線接続(例えば、無線LANによる接続)についても同様の問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、車載装置との間で無線通信による接続が行われる携帯端末装置の電力消費を抑えることができる車載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の車載システムは、携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムであって、携帯端末装置は、無線通信により信号を送受信する無線通信手段と、自装置の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段によって検出された位置が、利用者によって予め登録された特定位置に到達したか否かを判定する到達判定手段と、到達判定手段によって特定位置に到達した旨の判定がなされたときに、無線通信手段による無線通信の機能を停止させる無線機能停止手段とを備えている。具体的には、上述した特定位置は、自宅位置、車両が走行する経路の目的地、経由地、駐車場の少なくとも一つであることが望ましい。
【0008】
車両が目的地等の特定位置に到達した場合に、携帯端末装置の利用者は、一般には車両から離れることが多い。車両から離れれば、この利用者が携帯端末装置を携帯していても携帯端末装置の無線通信機能は使用しない。したがって、特定位置に到達した旨の判定が行われたときに携帯端末装置の無線通信機能を停止させることにより、使用中の機能に影響を与えることなく携帯端末装置の消費電力を抑えることが可能となる。
【0009】
また、上述した特定位置を含む車両の走行経路があらかじめ設定されており、無線機能停止手段は、到達判定手段によって特定位置に到達した旨の判定がなされた後であって、位置検出手段によって検出された位置が走行経路上の特定位置から離脱したときに、無線通信手段による無線通信の機能を停止させることが望ましい。特定位置に到達した場合であっても、車両内に利用者がいる場合には携帯端末装置の無線通信機能を用いた何らかの処理が可能になる場合がある。特定位置から離脱したことを確認した後に携帯端末装置の無線通信機能を停止させることにより、このような場合を除外することができるため、携帯端末装置の無線通信機能を使わないことが明らかな場合に限って無線通信機能を停止させて消費電力を抑えることができる。
【0010】
また、上述した携帯端末装置は、位置検出手段によって検出された位置が走行経路上の特定位置から離脱した後に、再び特定位置に戻ってきたときに、無線通信手段による無線通信の機能を有効にする無線機能起動手段をさらに備えることが望ましい。具体的には、上述した無線機能起動手段は、車両位置検出手段によって検出された位置に基づいて、再び特定位置に戻ってきた旨の判定を行うことが望ましい。あるいは、上述した無線通信手段は、消費電力および通信方法が異なる2種類の無線通信により信号の送受信が可能であり、無線機能停止手段は、無線通信手段による消費電力が大きい方の無線通信の機能を停止させ、無線機能起動手段は、無線通信手段による消費電力が小さい方の無線通信が車載装置との間で可能となったときに、再び特定位置に戻ってきた旨の判定を行うことが望ましい。これにより、一旦停止させた無線通信機能を自動的に有効にすることができ、操作性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の車載システムは、携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムであって、携帯端末装置は、無線通信により信号を送受信する無線通信手段を備え、車載装置は、車両の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段によって検出された位置が、利用者によって予め登録された特定位置に到達したか否かを判定する到達判定手段と、到達判定手段によって特定位置に到達した旨の判定がなされたときに、携帯端末装置に備わった無線通信手段による無線通信の機能を停止させる無線機能停止手段とを備えている。
【0012】
上述したように無線機能停止手段を携帯端末装置側ではなく車載装置側に備える場合にも同様に携帯端末装置の無線通信機能を停止させることができる。これにより、使用中の機能に影響を与えることなく携帯端末装置の消費電力を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態の車載システムの構成を示す図である。
【図2】車両に搭乗する利用者が携帯する携帯電話機において無線通信機能を停止する基本的な動作手順を示す流れ図である。
【図3】無線通信機能を停止させる変形例の動作手順を示す流れ図である。
【図4】車載システムの変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態の車載システムについて、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の車載システムの構成を示す図である。この車載システムは、車両に搭載されており、利用者が携帯電話機を手に持つことなく通話を行うハンズフリー電話システムとして動作する。図1に示す車載システムは、ブルーツースによって相互に接続された携帯電話機10と車載装置50とを備えている。
【0015】
携帯電話機10は、アンテナ12、送話器14、受話器16、送受信部18、制御部20、着信音出力部22、操作部24、表示部28、インタフェース部(IF)30、地図アプリ処理部40を備えている。
【0016】
アンテナ12は、基地局から無線で送られてくる信号を受信するとともに、携帯電話機10から基地局に向けて信号を無線で送信する。送話器14は、利用者(話者)の音声を入力する。受話器16は、通話相手の音声を出力する。
【0017】
送受信部18は、電源スイッチ(図示せず)がオンされたときに動作し、受信時に、アンテナ12を介して受信した無線信号をベースバンド信号に変換し、受信信号に含まれる制御データを制御部20に入力し、音声データを受話器16に入力する。また、送受信部18は、送信時に、制御部20から入力される制御データや送話器14から入力される音声データを無線信号に変換してアンテナ12から基地局に向けて送信する。
【0018】
制御部20は、携帯電話機10全体の制御を行うとともに、車載装置50との間でのブルーツースを介して各種データの送受信を行う。着信音出力部22は、着信があると所定の着信メロディを出力して着信を利用者に知らせる。操作部24は、各種の設定や入力を行うためのものであり、テンキーや機能キーを有する。インタフェース部(IF)30は、ブルーツースによって車載装置50との間で各種データの送受信を行う通信装置(ブルーツース機器)である。
【0019】
地図アプリ処理部40は、メモリに格納された地図アプリケーションをCPUで実行することにより実現されるものであり、従来から車両に搭載されていたナビゲーション装置と同等の機能を実現する。地図アプリ処理部40の詳細については後述する。
【0020】
また、車載装置50は、インタフェース部(IF)52、送話回路54、受話回路56、増幅器58、操作部60、表示部66、制御部68を備えている。インタフェース部(IF)52は、ブルーツースによって携帯電話機10との間で各種データの送受信を行う通信装置(ブルーツース機器)である。送話回路54は、ハンズフリー機能で通話を行うときにマイクロホン90から入力される音声信号を携帯電話機10に送る。受話回路56は、着信した通話相手の音声信号を増幅器58を介してスピーカ92に入力する。
【0021】
操作部60は、車載装置50の各種設定を行う機能キーと数字や文字入力用のキーを有している。また、操作部60は、表示部66の画面に取り付けられたタッチパネルを含んでおり、画面上の一部を直接利用者が指等で指し示すことにより、操作指示を行うことができるようになっている。表示部66は、車載装置50を用いて行われる操作内容や動作状態などの表示を行う。制御部68は、車載装置50全体を制御するとともに、携帯電話機10との間でのブルーツースを介して各種データの送受信を行う。
【0022】
次に、携帯電話機10に備わった地図アプリ処理部40の詳細構成について説明する。図1に示すように、地図アプリ処理部40は、位置検出部41、自宅位置設定部42、特定位置設定部43、経路探索部44、経路案内部45、到達判定部46、無線機能制御部47を備えている。
【0023】
位置検出部41は、携帯電話機10の位置(携帯電話機10を携帯した利用者が車室内にいる場合には車両の位置)を検出する。この位置検出部41は、最近の携帯電話機に備わっているGPS機能によって実現することができる。また、このGPS機能は、基本的には地図アプリケーションの有無に関係なく携帯電話機に広く備わっているものであるため、地図アプリ処理部40とは別に設けるようにしてもよい。
【0024】
自宅位置設定部42は、携帯電話機10の利用者の自宅の位置を登録する。この登録は、利用者が操作部24を操作して自宅位置を指定することにより行われる。例えば、地図アプリ処理部40内に備わった地図表示部(図示せず)によって任意の位置の地図画像を描画して表示部28に表示することができる場合に、利用者は、操作部24を操作することにより、この地図画像の表示範囲を自宅周辺に移動させるとともに、自宅位置を指定する。自宅位置設定部42は、このようにして指定された自宅位置を登録する。
【0025】
特定位置設定部43は、携帯電話機10の利用者が指定した特定位置を登録する。特定位置としては、例えば、車両走行の目的地や経由地、走行経路の途中にある駐車場が含まれる。登録の手順は上述した自宅位置の登録と同様であり、利用者は、操作部24を操作することにより、地図画像の表示範囲を特定位置周辺に移動させるとともに、特定位置を指定する。特定位置設定部43は、このようにして指定された特定位置を登録する。
【0026】
経路探索部44は、所定の探索条件で経路探索処理を行うことにより、出発地と目的地との間の最適な車両の走行経路を決定する。出発地としては、経路探索処理を行う際の自車位置(例えば、位置検出部41によって検出された位置が自車位置として用いられる)が用いられる。また、目的地としては、特定位置設定部43によって登録された目的地が用いられる。
【0027】
経路案内部45は、経路探索部44によって決定された走行経路に沿って車両の走行案内を行う。例えば、この走行案内は、地図画像上に走行経路を強調表示することで(例えば、通常の道路と色を変えて)行われる。また、この地図画像は、携帯電話機10内の表示部28に表示する場合のほか、制御部20からインタフェース部30を介して車載装置50に地図画像表示に必要な描画データを送信し、車載装置50内の表示部66に表示するようにしてもよい。
【0028】
到達判定部46は、走行中の車両が特定位置設定部43によって登録された特定位置に到達したか否かを判定する。無線機能制御部47は、インタフェース部30の無線通信の機能を所定の停止条件を満たすときに停止させるとともに、停止後に所定の起動条件を満たすときにインタフェース部30の無線通信の機能を有効にする。
【0029】
上述したインタフェース部30が無線通信手段に、位置検出部41が位置検出手段に、到達判定部46が到達判定手段に、無線機能制御部47が無線機能停止手段、無線機能起動手段にそれぞれ対応する。
【0030】
本実施形態の車載システムはこのような構成を有しており、次に、車両が特定位置に到達したときに無線通信機能を停止あるいは起動する動作について説明する。
【0031】
図2は、車両に搭乗する利用者が携帯する携帯電話機10において無線通信機能を停止する基本的な動作手順を示す流れ図である。無線機能制御部47は、携帯電話機10内のインタフェース部30(ブルーツース機器)の無線通信機能が有効になっているか否かを判定する(ステップ100)。有効になっていない場合(否定判断)には、無線通信機能を停止する動作が不要であるため処理を終了する。
【0032】
また、無線通信機能が有効になっている場合にはステップ100の判定において肯定判断が行われる。次に、到達判定部46は、車両位置(位置検出部41によって検出された携帯電話機10の位置)が特定位置設定部43によって設定されたいずれかの特定位置に到達したか否かを判定する(ステップ102)。なお、この判定を行う前提として、経路探索部44の経路探索処理によって走行経路が決定されている必要は必ずしもない。特定位置に到達していない場合にはステップ102の判定において否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、特定地点に到達するとステップ102の判定において肯定判断が行われる。次に、無線機能制御部47は、インタフェース部30の無線通信機能を停止させる(ステップ104)。
【0033】
このように、本実施形態の車載システムでは、車両が目的地等の特定位置に到達したときに、車両から降りた利用者が使用する機能に影響を与えることなく、車載装置50との間で無線通信を行うために必要な携帯電話機10の無線通信機能を停止させるため、携帯電話機10の消費電力を抑えることが可能となる。
【0034】
図3は、無線通信機能を停止させる変形例の動作手順を示す流れ図である。図2に示した流れ図に対して、ステップ200〜206が追加されている。以下では、この追加された各ステップについて説明する。なお、この変形例では、その前提として経路探索部44の経路探索処理によって走行経路が決定されている必要がある。
【0035】
車両位置が特定位置に到達してステップ102の判定において肯定判断が行われると、到達判定部46は、位置検出部41によって検出された携帯電話機10の位置が走行経路から離脱したか否かを判定する(ステップ200)。この離脱判定は、携帯電話機10を保持する利用者が車両から降りたか否かを判定するためのものである。実際には、車両を降りた利用者が走行経路に沿って徒歩で移動する場合もあるが、この場合には車両に搭乗した状態で利用者が移動したか否かが区別できないため、この例では、走行経路と非平行な向きに利用者が移動した場合を「離脱」として扱うものとする。
【0036】
走行経路から離脱しない場合にはステップ200の判定において否定判断が行われ、次に、到達判定部46は、車両の走行が再開されたか否かを判定する(ステップ202)。位置検出部41によって検出された位置が走行経路に沿って特定位置を離脱した場合には、車両の走行が再開された旨の判定が行われ、ステップ102に戻って特定位置への到達判定が繰り返される。また、車両の走行が再開されない場合にはステップ202の判定において否定判断が行われ、ステップ200の離脱判定が繰り返される。
【0037】
また、走行経路から離脱した場合にはステップ200の判定において肯定判断が行わ、次に、無線機能制御部47は、インタフェース部30の無線通信機能を停止させる(ステップ104)。その後、到達判定部46は、走行経路から離脱した携帯電話機10の位置が走行経路上の特定位置に戻ってきたか否かを判定する(ステップ204)。戻らない場合には否定判断が行われ、この判定動作が繰り返される。また、戻ってきた場合には肯定判断が行われ、次に、無線機能制御部47は、インタフェース部30の無線通信機能を起動する(ステップ206)。その後、ステップ200に戻って離脱判定が繰り返される。
【0038】
このように、特定位置に到達した場合であっても、車両内に利用者がいる場合には携帯電話機10の無線通信機能を用いた何らかの処理が可能になる場合がある。特定位置から離脱したことを確認した後に携帯電話機10の無線通信機能を停止させることにより、このような場合を除外することができるため、携帯電話機10の無線通信機能を使わないことが明らかな場合に限って無線通信機能を停止させて消費電力を抑えることができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、携帯電話機10に備わった地図アプリ処理部40によって特定位置に到達したか否かを判定し、その結果に基づいてインタフェース部30の無線通信機能を停止させるようにしたが、この地図アプリ処理部40の機能を車載装置50側に備えるようにしてもよい。
【0040】
図4は、車載システムの変形例の構成を示す図である。図4に示す車載システムでは、図1に示した携帯電話機10内の地図アプリ処理部40と同等の機能を有するナビゲーション処理部40Aを車載装置50A側に設けている。車両が特定位置に到達すると、ナビゲーション処理部40A内の無線機能制御部47は、インタフェース部52を介して携帯電話機10Aに向けて指示を送り、携帯電話機10A内のインタフェース部30の無線通信機能を停止させる。図4に示す車載システムの動作は、図2あるいは図3に示した動作手順をそのまま適用することができる。但し、車載装置50A内のナビゲーション処理部40Aに備わった位置検出部41では車載装置50Aの位置がわかるだけであって携帯電話機10の位置がわからないため、携帯電話機10の位置が走行経路の特定位置に戻ってきたか否かがわからない。このため、図3のステップ204、206の動作は省略され、ステップ104の動作が終了後に一連の処理が終了する。
【0041】
また、上述した実施形態では、携帯電話機10の位置が走行経路の特定位置に戻ってきたか否かの判定を、携帯電話機10内の地図アプリ処理部40に備わった位置検出部41で行ったが、他の方法を用いて同様の判定を行うようにしてもよい。例えば、消費電力および通信方法が異なる2種類のインタフェース部を備える場合に、消費電力が大きいインタフェース部による無線通信機能を停止させ、省電力が小さいインタフェース部による無線通信機能を維持するようにする。この場合には、利用者が車両から離れると、通信エリア外になって、消費電力が小さいインタフェース部による無線ができなくなる。そして、利用者が車両に戻ってくると、再び通信エリア内になって、消費電力が小さいインタフェース部による無線が可能となる。このように、一方のインタフェース部による無線通信機能を維持することにより、利用者が走行経路上の特定位置に戻ってきたか否かを知ることができる。この方法は、図1および図4に示した構成に適用することができる。特に、図4に示した構成に適用する場合には図3に示したステップ204、206の動作を実施することが可能となる。なお、消費電力が異なる2種類のインタフェース部の具体例としては、ブルーツースによる無線通信を行う消費電力が少ないインタフェース部と、無線LANによる無線通信を行う消費電力が多いインタフェース部とを組み合わせる場合などが考えられる。
【0042】
また、上述した実施形態では、ハンズフリー電話システムとしての車載システムについて説明したが、その他の車載システムについても本発明を適用することができる。例えば、携帯電話機10の代わりに音楽プレーヤとして動作する携帯端末装置を用い、この携帯端末装置から無線通信で音楽信号を車載装置側に送信し、車載装置からスピーカに音楽を出力するようにしてもよい。このように、携帯電話機10を含む各種の携帯端末装置において無線通信機能を適宜停止および起動することにより消費電力を抑える場合に広く本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上述したように、本発明によれば、車両が目的地等の特定位置に到達したときに、車載装置50との間で無線通信を行うために必要な携帯電話機10の無線通信機能を停止させるため、携帯電話機10の消費電力を抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
10 携帯電話機
50 車載装置
20 制御部
24 操作部
28 表示部
30 インタフェース部(IF)
40 地図アプリ処理部
41 位置検出部
42 自宅位置設定部
43 特定位置設定部
44 経路探索部
45 経路案内部
46 到達判定部
47 無線機能制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムであって、
前記携帯端末装置は、
無線通信により信号を送受信する無線通信手段と、
前記自装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段によって検出された位置が、利用者によって予め登録された特定位置に到達したか否かを判定する到達判定手段と、
前記到達判定手段によって前記特定位置に到達した旨の判定がなされたときに、前記無線通信手段による無線通信の機能を停止させる無線機能停止手段と、
を備えることを特徴とする車載システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記特定位置は、自宅位置、車両が走行する経路の目的地、経由地、駐車場の少なくとも一つであることを特徴とする車載システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記特定位置を含む車両の走行経路があらかじめ設定されており、
前記無線機能停止手段は、前記到達判定手段によって前記特定位置に到達した旨の判定がなされた後であって、前記位置検出手段によって検出された位置が前記走行経路上の前記特定位置から離脱したときに、前記無線通信手段による無線通信の機能を停止させることを特徴とする車載システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記携帯端末装置は、前記位置検出手段によって検出された位置が前記走行経路上の前記特定位置から離脱した後に、再び前記特定位置に戻ってきたときに、前記無線通信手段による無線通信の機能を有効にする無線機能起動手段をさらに備えることを特徴とする車載システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記無線機能起動手段は、前記車両位置検出手段によって検出された位置に基づいて、再び前記特定位置に戻ってきた旨の判定を行うことを特徴とする車載システム。
【請求項6】
請求項4において、
前記無線通信手段は、消費電力および通信方法が異なる2種類の無線通信により信号の送受信が可能であり、
前記無線機能停止手段は、前記無線通信手段による消費電力が大きい方の無線通信の機能を停止させ、
前記無線機能起動手段は、前記無線通信手段による消費電力が小さい方の無線通信が前記車載装置との間で可能となったときに、再び前記特定位置に戻ってきた旨の判定を行うことを特徴とする車載システム。
【請求項7】
携帯端末装置と車載装置とが無線通信で接続される車載システムであって、
前記携帯端末装置は、無線通信により信号を送受信する無線通信手段を備え、
前記車載装置は、車両の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出された位置が、利用者によって予め登録された特定位置に到達したか否かを判定する到達判定手段と、前記到達判定手段によって前記特定位置に到達した旨の判定がなされたときに、前記携帯端末装置に備わった前記無線通信手段による無線通信の機能を停止させる無線機能停止手段とを備えることを特徴とする車載システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−169792(P2012−169792A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27950(P2011−27950)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】