説明

車載ナビゲーション装置

【課題】
一般に燃料価格の高い自動車専用道路内の給油を避け、どうしても給油しなければならない場合でも極力ユーザの経済的負担を抑えるアドバイスをすることができる車載ナビゲーション装置を得る。
【解決手段】
少なくとも平均燃費から指定された経路を走行する為に消費される燃料の量及び車両の燃料の残量とを算出し、燃料の残量及び各道路種別ごとの燃料消費量から目的地までの経路に含まれる自動車専用道路上で燃料切れが発生するかどうかを判定し、これによって燃料切れが発生すると判定された場合に前記自動車専用道路に進入する前に給油ができる施設を検索して給油施設を経由地として再探索を設定できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載ナビゲーション装置に係り,特に高速道路上での給油が必要になる可能性がある場合に経済的な給油方法を案内することのできる車載ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車載ナビゲーション装置は、GPS衛星からの信号、ジャイロセンサが発する信号や車速パルス等を取得して車両の位置(緯度経度で示される座標値)や車両の進行方向、走行速度などが算出できるようになっている。
また、DVD-ROMやハードディスクなどの記録媒体を装着してこの記録媒体に格納されている地図データや道路データ等を検索して読み出す装置を備えており、こうした装置により検索して読み出した地図データや道路データと前述のセンサ等の信号から算出された 位置(座標)情報から現在、車両がどの道路を走行しているかわかるようにもなっている。
【0003】
ところが、一般に車両の燃料の残量に関しては車両に予め装備されている燃料計の表示でしかわからず、残りの燃料でどのくらい走行できるかは運転者のそれまでの経験等から判断しなければならない。
加えて、走行距離は走行速度が変化すると大きく変化するといった不安定要素もあるので、残りの燃料でどのくらい走行できるか判断することは容易ではない。
【0004】
通常、高速道路では一定の速度で走行できるので、燃料は効率良く使われ、かなり長い距離を走行することができるが、一般道などでは交差点等で停止したり、周りの車両の流れで走行速度が大きく変化したりする為に走行距離が高速道路よりはかなり落ちてしまう傾向にある。
【0005】
このような背景のなか、特開2000−46572号公報(特許文献1)には一般道を走行中に探索された経路に自動車専用道路(高速道路など)が含まれる場合に自動車専用道路において給油が可能な場所まで到達できるかどうか判断し、到達できない場合には自動車専用道路への進入を一旦中止し、一般道における最寄りの給油所にまず誘導するというナビゲーションシステムが提案されている。
【0006】
ところがこのような従来の技術では道路の混雑度等による走行速度の変化は考慮されておらず、しかもユーザの経済的負担(一般に自動車専用道路における燃料価格は一般道に比べ高い傾向にある)に対する配慮もされていない。
つまり、自動車専用道路が事故等で渋滞していると次の燃料が給油できる場所まで到達できない場合があるし、高速道内で給油することで経済的な負担を大きくさせてしまう可能性もある。
【特許文献1】特開2000−46572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような点に鑑み、本発明は一般に燃料価格の高い自動車専用道路内の給油を避け、どうしても給油しなければならない場合でも極力ユーザの経済的負担を抑えるアドバイスをすることができる車載ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために本発明の車載ナビゲーション装置では、
(a) 少なくとも道路種別毎に走行距離と燃料の消費量を検出し、それらから平均燃費を算出する平均燃費算出手段と、
(b)前記道路種別毎の平均燃費から指定された経路を走行する為に消費される燃料の量を算出する燃料消費量算出手段と、
(c) 車両の燃料の残量を算出する燃料残量算出手段と、
(d)前記燃料残量算出手段にて算出される燃料の残量及び前記燃料消費量算出手段により求められる各道路種別ごとの燃料消費量から目的地までの経路に含まれる自動車専用道路上で燃料切れが発生するかどうかを判定する判定手段と
を備え、
これによって燃料切れが発生すると判定された場合に前記自動車専用道路に進入する前に給油ができる施設を検索し、検索された給油施設を経由地として設定し、再探索を設定できるようになるものである。
【0009】
更に、
(a)前記交通情報取得手段によって取得された交通情報から渋滞等の交通障害が推奨経路上の自動車専用道路内で発生しているかどうかを判定する交通障害判定手段と、
(b)前記交通障害による影響で前記自動車専用道路上で給油しなければならないかどうかを判定する給油判定手段と、
(c)前記給油判定手段にて給油が必要と判断された場合に前記自動車専用道路及び前記自動車専用道路の出口から先の一般道における給油施設の探索を指示する施設探索指示手段と、
(d)前記燃料残量算出手段にて求められた燃料の残量と探索された該給油施設間を走行するのに必要な燃料の量から自動車専用道路上の該給油施設にて補給すべき燃料の最小量を算出する補給燃料算出手段と
を備え、
算出された燃料の最小補給量をユーザに提示するとともに一般道における給油場所を経由地として経路を再探索できるものである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したような手段を備えることにより、自動車専用道路内での給油を避けることができ、事故渋滞等により万が一自動車専用道路内で給油しなければならなくなっても、ユーザの経済的負担を抑えることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の車載ナビゲーション装置を実施するための最良の形態は、
(a) 少なくとも道路種別毎に走行距離と燃料の消費量を検出し、それらから平均燃費を算出する平均燃費算出手段と、
(b)前記道路種別毎の平均燃費から指定された経路を走行する為に消費される燃料の量を算出する燃料消費量算出手段と、
(c) 車両の燃料の残量を算出する燃料残量算出手段と、
(d)前記燃料残量算出手段にて算出される燃料の残量及び前記燃料消費量算出手段により求められる各道路種別ごとの燃料消費量から目的地までの経路に含まれる自動車専用道路上で燃料切れが発生するかどうかを判定する判定手段と、
(e) 前記判定手段にて燃料切れが発生すると判定された場合に前記自動車専用道路に進入する前に給油ができる施設を検索する指示を出す施設検索指示手段と、
(f) 検索された給油施設を経由地として設定し、再探索を指示する再探索指示手段と
を備えたことにある。
【実施例1】
【0012】
まず、本発明の車載ナビゲーション装置の内部構成例について図1を用いて説明する。
ナビゲーション装置1は演算処理部10、外部記憶装置20、センサ部30、表示部
40、外部情報受信部50、入出力部60等から構成されている。
【0013】
演算処理部10はCPU(Central Processing Unit)11、Flash ROM(Read Only
Memory)12、DRAM(Dynamic Random Access Memory)13から構成されている。
もちろん演算処理部10を構成する要素はこれら以外にもあるが、本発明の説明に関連
のない構成要素の図示は省略してある。
【0014】
CPU11は後述するアプリケーションプログラムを実行するほか種々の演算をするために用いられる。 例えばセンサ部30からの信号を所定のロジックに従って演算したり、GPS(Global Positioning System)信号受信部51からの情報に基づいて車両の現在位置を算出し、算出した現在位置情報から表示に必要な地図情報を外部記憶装置20から読み出して現在位置と共に表示部40に表示する機能を有している。
【0015】
また、CPU11はユーザにより任意に指定された2地点間の距離を後述のデータベー
スに格納された指定地点の座標値データから算出する処理も行なうことができる。
記憶装置12はナビゲーション装置1の各種機能のアプリケーションプログラムやその
演算に必要なデータなどを記憶しておくもので、ここではFlash ROM12を用いているがこれと同等の機能を有するEPROM等であってもよい。
【0016】
DRAM13は処理中の作業エリアとして使用したり、地図データなどを一時記憶したりするために用いられる。
外部記憶装置20は地図データ、道路種別、道路データを構成するノードやリンク構成
情報等の経路計算用道路データ、座標値、電話番号、住所等の施設情報などのナビゲーシ
ョン処理に必要な情報をデータベースとして構築している。
【0017】
そして、外部記憶装置20は前述した情報を記憶しているDVD(Digital Versatile Disk)23が挿入されるDVDドライブ21及びメモリカード24が挿入されるPCカードインターフェース22の一方或いは両方の組み合わせで構成されている。
【0018】
センサ部30は方位センサ31、ジャイロ32を備えており、方位センサ31は地球が有している磁場を検出して移動体の向きを検出し、また、ジャイロ32は光ファイバジャイロや振動ジャイロ等が用いられ、移動体が回転した角度を検出するものである。
これらの方位センサ31及びジャイロ32の検出信号はアナログーディジタル変換器(A/D)34によりディジタル信号に変換されて内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
また、上記センサ類とは別に燃料センサ37が備えられており、この燃料センサ37の検出信号は定期的にアナログーディジタル変換器(A/D)36によりディジタル信号に変換されて内部バス70を介して演算処理部10に送られDRAM13に記憶される。
【0019】
また、センサ部30は車輪速センサ33を備えており車輪速センサ33は車輪の回転に伴って出力されるパルス信号をカウンタ35により計数することにより移動体の走行距離を検出し、この走行距離信号は同様に内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0020】
GPS信号受信部51はGPSアンテナ54を介してGPS衛星からの信号を受信し、移動体と衛星との間の距離および距離の変化率を測定することにより、移動体の現在位置、
進行方向および進行方位を測定するもので、これらの測定データはSCI(Serial Communication Interface)53から内部バス70を介して演算部10に送られる。
【0021】
更に交通情報受信部52はFM多重受信機55を介してFM放送に重畳されているVICS情報を定期的に受信し、渋滞情報や交通規制及び交通事故発生情報等の交通情報を取り込みSCI53から内部バス70を介して演算部10に送られる。これらの交通情報は地図情報と共に表示部40で表示されるものである。
【0022】
表示部40は表示ドライバ41、コントローラ43、バッファ44等よりなる表示制御
手段及び液晶パネルやCRT等の表示装置42から構成され、内部バス70を介して演算
処理部10から送られてくるデータをバッファ44に格納し、これに基づいて表示装置4
2に地図、誘導ルート、自車位置などを表示させるものである。
【0023】
入出力部60はユーザによる指示を受け付けるハードスイッチやジョグスイッチなどで
構成されるKey PAD62、ユーザの操作するリモコン65からの光信号を受信するリモコン受光部61、演算処理部10が生成したユーザへのメッセージをスピーカ(SP)66で音声信号に変換すると共にマイク68を介して入力される音声信号を取り込んで信号変換するCODEC63等により構成されている。
これらはPIO(Port Input/Output)64及び内部バス70を介して演算処理部10とデータのやり取りを実行する。
【0024】
本発明の車載ナビゲーション装置における一連の処理について図2〜図9を用いて説明する。
図2は一般的な目的地までの経路を模式化したもので、出発地Sから距離L1(km)だけ一般道IPLが続き、入口インタチェンジEICから高速道路HWLに入り、高速道路を距離L2(km)だけ走行した後、出口OICにて高速道路HWLを下りて目的地Dまで一般道IPLをL3(km)に亘り走行するようになっている。尚高速道路HWLの途中には休憩所や給油所等が設けられたサービスエリアSAが設置されている。
【0025】
このような一般道と高速道路を使用する走行ルートについて本発明の実施態様を以下説明する。
最初に、道路種別毎の平均燃費を算出する処理について図3に示す道路種別毎の平均燃費を算出する処理フロー図及び図4に示す機能図に基づき説明する。図4において各構
成要素の機能は次に述べる通りである。
【0026】
まず、自車位置検出手段320はGPS信号やセンサ部30からの車速信号,方位信号等によって自車位置を求めるものである。
また、地図データベース380は地図データ,道路データ及び検索用データ等を備えており、燃料残量算出手段350は燃料センサからの信号に基づき燃料タンク内の燃料残量を求めるものである。平均燃費算出手段370は自車位置検出手段320、地図データベース380、残量燃料等から平均燃費を算出するものである。バッファメモリ340は経路データ、平均燃費及び燃料残量等の一時格納機能を有しており、これ他のデータが随時読み出されて必要な演算が実行されるものである。
【0027】
次に、道路種別毎の平均燃費を算出する処理について図3に基づき説明するが,このリンクID変更割込み処理S100は、定期的にGPS信号受信部51やセンサ部30からロケータ情報を取得すると自車位置算出手段320にて新しい現在地情報が算出され、現在、どのリンク上にいるかが特定され、その際、新しい現在地に対応したリンクIDに変化があるとこのリンクID変更割込み処理S100が実行される。
【0028】
このリンクID変更割込み処理S100が起動されると、まずステップS102で現在設定されている車速範囲を確認する。このステップS102では平均燃費を予めいくつかに分類した車速範囲毎に求めるようにしたもので、本実施例では一般道に限って時速20km未満、20km以上40km未満、40km以上の3種類に分類している。
【0029】
次にステップS104で車速センサからの出力信号を基に算出される車速情報を取得し、その後ステップS106でそれまで累積してきたリンク長の合計に現在自車が存在しているリンクのリンク長を加算して累積走行距離を求め、更に残量算出手段350にて算出された燃料の残量情報を取得し、最初に取得した残量情報との差から前記走行距離に対応した燃料の消費量を算出する。
【0030】
次いで、S108で累積走行距離と燃料の消費量から燃費を計算し、所定のバッファに格納されている同一の道路種別(一般道の場合にはさらに同一の車速範囲)の過去の平均燃費データとの間で平均値を計算し、この平均値を新しい平均燃費として前記バッファ340に格納する。
【0031】
その後、S110で今回のリンクID変化において道路種別にも変化があったかどうかを判定し、変化があった場合にはS112に移行して燃費計算の道路種別の変更を行なう。
一方また、道路種別に変化がなかった場合にはS114で車速設定範囲に変化がなかったかどうか判定し、変化があった場合にはS116で車速設定範囲をS104にて取得した車速情報を基に変更して本処理を抜け、車速設定範囲に変化がなかった場合には何もせず本処理を抜ける。
【0032】
次に高速道路での給油必要性判定処理について図5(a)及び図6を用いて説明する。
この処理は、ユーザが施設データベース等を基に目的地を検索・抽出し、それにより推奨経路探索手段にて目的地までの推奨経路が探索され、該経路を構成するリンク数やそのリンクID、道路種別、リンク長などのデータがバッファメモリ340(DRAM13など)に格納されていることが前提となっている。
【0033】
まず、図6において各構成要素の機能は次に述べる通りである。
燃料消費算出手段400はバッファメモリ340から道路種別,リンク長等から燃料消費量を算出する機能を有している。
また、高速道路での給油必要性判定手段410は燃料消費量算出手段400からの燃料消費量,道路種別,燃料残量等から高速道路での給油必要性を判定する機能を有している。
これらは燃料切れの警告や給油の必要性の問い合わせを表示手段に表示して行なうようになっている。
【0034】
次に具体的な処理について図5(a)に基づき説明するが、これは給油判定処理S200で定義される処理フローで実行される。
まず、S202で残量算出手段350にて算出されてバッファメモリ340に格納されている燃料の残量情報を取得する。
次にS204で推奨経路を構成する道路の区間長(複数のリンクのリンク長の合計)と道路種別データ、更に前記道路種別に対応した平均燃費データ(なお、一般道の場合、時速20km以上40km未満の車速範囲の平均燃費を使用)からその道路を走行する際に消費される燃料の量を算出し、S206で前記燃料の残量から減算していく。
【0035】
その後,S208でその減算結果が0以下になるかどうか判定し、0以下にならなかった場合にはS204に戻り次の道路データを読み出して同様な処理を繰り返し行なう。
一方,S208でその減算結果が0以下になった場合にはS210に移行し、道路種別データからそこが高速道路であるかどうかを判定する。
このS210で高速道路ではなかった場合には本処理を抜ける(ここで、目的地まで行っても0以下にならなかった場合や0以下になったのが高速道路でなかった場合には残量が0以下になる地点を地図上に表示するようにしてもいい)。
【0036】
逆に、S210で高速道路と判断された場合には、S212に進んで給油施設を探索するかどうか訊ねるメッセージを表示部40に表示するなどしてユーザに問い合わせる。
ここで、S214でこの問い合わせに対してユーザが給油施設を検索する旨の指示を示した場合には図5(b)に示す給油施設探索処理へ移行する。
【0037】
給油施設探索処理については図5(b)を用いて説明する。
まず、S302で出発地から高速道路入口までの経路(図2のIPLに相当)を特定し、次にS304で検索用データベース380を基に前記経路上あるいは近傍の給油施設を探索する。
そして、S306で探索された給油施設を経由地として目的地までの経路を探索し、最後に、S308で探索された給油施設を表示画面の地図上に強調表示して本処理を抜ける。
【0038】
尚,前述の一連の処理例は渋滞などの交通障害の影響を考慮しないものだったが、経路上に渋滞等が発生した場合を考慮した実施例における処理ついて図7を用いて説明する。
まず、S402で交通情報取得手段にて渋滞情報を取得すると表示部40に表示するが、それと並行してS404で渋滞区間が経路上であるかどうかを判定する。
【0039】
このS404で経路上ではなかった場合には本処理を抜けるが、経路上であった場合にはS406で渋滞情報に含まれる渋滞区間長と通過時間に関する情報から走行速度を推定し、推定された走行速度に対応した平均燃費をバッファメモリ340から読み出す。
そして、S408で残量算出手段350にて算出された燃料の残量と目的地までの残りの経路(道路種別とその距離)、燃費(渋滞区間に関しては前述の燃費を採用)から計算される走行可能距離を比較する。
【0040】
次に、S410でその結果から高速道路上で燃料切れが発生するかどうか判定し発生しない場合には本処理を抜ける。一方、S410でその結果から高速道路上で燃料切れが発生する可能性があると判断された場合には、S412で現在、高速道路上にいるかどうかを判定する。
そして、S412で高速道路上にいない、つまり一般道路上にいた場合にはS416で自車位置周辺の一般道給油施設を検索し、S420でこの一般道給油施設を経由地として経路を再探索した後に本処理を抜ける。
【0041】
一方,高速道路上にいる場合には、S414で高速道路上で給油できる高速道給油施設と高速道路を下りてから給油できる一般道給油施設を探索し、その後S418でこの2つの施設を経由地として経路を再探索する。
そして、S422で高速道路を下りて給油できる一般道給油施設まで到達するのに必要な給油量(高速道路の給油施設における最小補給量)を算出する処理を行なって本処理を抜ける。尚,この処理の詳細については図8にて後述する。
【0042】
図8に高速道路の給油施設における最小給油量を算出する処理を示し、図9にその機能図を示してある。
まず、図9において補給燃料算出手段560は現在地情報,経路データ,給油施設情報,
平均燃費燃料残量等から燃料補給料を算出し表示手段に表示する機能を有している。
【0043】
次に高速道路の給油施設における最小給油量を算出する処理を説明する。
まず、S502でバッファメモリ340に格納されている経路データ及び給油施設情報(位置情報)から高速道路上の給油施設から高速道路を下りるまでの距離を算出し、S504で高速道路の平均燃費から高速道路走行で消費される燃料の消費量を求める。
次に、S506で高速道路出口から前記一般道路上の給油施設までの走行距離を求め、S508で一般道路の平均燃費から該一般道路を走行するのに必要な燃料の量を求める。
【0044】
そして、S510で燃料の残量からこれらの合計量を減算し、その減算結果を格納するとともに給油施設に到着するまでは画面の下端部に表示しておき、給油施設から所定距離内に入ったらポップアップ表示してユーザに通知する。
尚,給油施設に到着するまでは画面の下端部に残量のみを表示しておき、給油施設から所定距離内に入ったら給油量をその近くに強調表示させるようにしてもいい。
【0045】
本実施例では一般道路における平均燃費を求めるにあたって走行速度範囲を設定したが、その走行速度範囲での走行時間については考慮しなかった。
しかし、あまり走行時間が短いと残量算出手段において正確に残量変化が検出できない場合が想定されるので、設定した速度範囲内で所定時間継続して走行しなかった場合は平均燃費算出には使わないようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の車載ナビゲーション装置の内部構成例を説明する図である。
【図2】一般的な目的地までの経路構成を示した模式図である。
【図3】本発明の車載ナビゲーション装置における平均燃費算出処理を説明するフローチャート図である。
【図4】本発明の車載ナビゲーション装置における平均燃費算出処理を説明する機能図である。
【図5】本発明の車載ナビゲーション装置における給油必要性判定処理を説明するフローチャート図である。
【図6】本発明の車載ナビゲーション装置における給油必要性判定処理を説明する機能図である。
【図7】本発明の車載ナビゲーション装置における渋滞発生を考慮した給油必要性判定処理を説明するフローチャート図である。
【図8】本発明の車載ナビゲーション装置における渋滞発生により高速道路上で給油が必要になった場合の最小給油量算出処理を説明するフローチャート図である。
【図9】本発明の車載ナビゲーション装置における渋滞発生により高速道路上で給油が必要になった場合の処理を説明する機能図である。
【符号の説明】
【0047】
1‥車載ナビゲーション装置、10‥演算処理部、11‥CPU、12‥Flash ROM、13‥DRAM、20‥外部記憶装置、21‥DVDドライブ、22‥PCカードI/F、30‥センサ部、37‥燃料センサ、40‥表示部、51‥GPS信号受信部、52‥交通情報受信部、60‥入出力部、70‥バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも地図データや道路データ等のナビゲーション処理に必要な情報及び施設検索データベース等が記憶されている記憶手段と,少なくとも現在の自車位置及び前記自車位置から目的地までの推奨経路を前記道路データ等を用いて探索する制御手段と、前記制御手段によって探索された推奨経路上に自車位置を表示画面上に表示する表示制御手段とを備えたナビゲーション装置において、
前記制御手段は
(a) 少なくとも道路種別毎に走行距離と燃料の消費量を検出し、それらから平均燃費を算出する平均燃費算出手段と、
(b)前記道路種別毎の平均燃費から指定された経路を走行する為に消費される燃料の量を算出する燃料消費量算出手段と、
(c) 車両の燃料の残量を算出する燃料残量算出手段と、
(d)前記燃料残量算出手段にて算出される燃料の残量及び前記燃料消費量算出手段により求められる各道路種別ごとの燃料消費量から目的地までの経路に含まれる自動車専用道路上で燃料切れが発生するかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
外部から交通情報を取得する交通情報取得手段と、少なくとも地図データや道路データ等のナビゲーション処理に必要な情報及び施設検索データベース等が記憶されている記憶手段と,少なくとも現在の自車位置及び前記自車位置から目的地までの推奨経路を前記道路データ等を用いて探索する制御手段と、前記制御手段によって探索された推奨経路上に自車位置を表示画面上に表示する表示制御手段とを備えたナビゲーション装置において、
前記制御手段は
(a) 少なくとも道路種別毎に走行距離と燃料の消費量を検出し、それらから平均燃費を算出する平均燃費算出手段と、
(b)前記道路種別毎の平均燃費から指定された経路を走行する為に消費される燃料の量を算出する燃料消費量算出手段と、
(c) 車両の燃料の残量を算出する燃料残量算出手段と、
(d)前記燃料残量算出手段にて算出される燃料の残量及び前記燃料消費量算出手段により求められる各道路種別ごとの燃料消費量から目的地までの経路に含まれる自動車専用道路上で燃料切れが発生するかどうかを判定する判定手段と、
(e) 前記判定手段にて燃料切れが発生すると判定された場合に前記自動車専用道路に進入する前に給油ができる施設を検索する指示を出す施設検索指示手段と、
(f) 検索された給油施設を経由地として設定し、再探索を指示する再探索指示手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2において、前記制御手段は
(a)前記交通情報取得手段によって取得された交通情報から渋滞等の交通障害が推奨経路上の自動車専用道路内で発生しているかどうかを判定する交通障害判定手段と、
(b)前記交通障害による影響で前記自動車専用道路上で給油しなければならないかどうかを判定する給油判定手段と、
(c)前記給油判定手段にて給油が必要と判断された場合に前記自動車専用道路及び前記自動車専用道路の出口から先の一般道における給油施設の探索を指示する施設探索指示手段と、
(d)前記燃料残量算出手段にて求められた燃料の残量と探索された該給油施設間を走行するのに必要な燃料の量から自動車専用道路上の該給油施設にて補給すべき燃料の最小量を算出する補給燃料算出手段と
を有し、算出された燃料の最小補給量をユーザに提示するとともに一般道における給油場所を経由地として経路を再探索することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−133068(P2006−133068A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322054(P2004−322054)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【Fターム(参考)】