説明

車載ハンズフリー装置及び車載ハンズフリーシステム

【課題】装置が起動した直後に速やかにハンズフリー通話を行えるようにする。
【解決手段】車載ハンズフリー装置3は、ACCスイッチからACCオフ信号が入力された時点でBluetooth(登録商標)ユニット7がハンズフリープロファイル以外のプロファイルをBluetooth携帯電話機2との間で接続していると、そのプロファイルを強制的に切断する。次回に装置が起動した直後では、Bluetooth携帯電話機2が通常の待受状態(いずれかのプロファイルを接続する待受状態)を行うことになり、装置が起動した直後にハンズフリープロファイルをBluetooth携帯電話機2との間で速やかに接続することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンズフリープロファイルを携帯電話機との間で接続可能であると共にハンズフリープロファイル以外のプロファイルをも携帯電話機との間で接続可能に構成されている車載ハンズフリー装置及び前記車載ハンズフリー装置と携帯電話機とを備えてなる車載ハンズフリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Bluetooth(登録商標)通信機能を有する車載ハンズフリー装置では、起動トリガとしての例えばACCスイッチがオンして起動すると、その時点でBluetooth通信機能を有するBluetooth携帯電話機との間でBluetooth通信可能な状態であれば、ハンズフリープロファイル(HFP)をBluetooth携帯電話機との間で接続してハンズフリー通話を自動的に可能とする構成が一般的である(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−110049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、停止トリガとしての例えばACCスイッチがオフして停止したときにハンズフリープロファイル以外のプロファイル(例えばダイヤルアップネットワークプロファイル(DUNP))をBluetooth携帯電話機との間で接続していると、その直後にACCスイッチがオンして起動すると、Bluetooth携帯電話機が通常の待受状態(いずれかのプロファイルを接続する待受状態)を行うのではなく、Bluetooth携帯電話機が当該プロファイルの手順を待受ける待受状態を継続して行うことになるので、ハンズフリープロファイルをBluetooth携帯電話機との間で接続するまでに時間がかかり、ハンズフリー通話を速やかに行うことができないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置が起動した直後にハンズフリー通話を速やかに行うことができ、使い勝手を高めることができる車載ハンズフリー装置及び車載ハンズフリーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した車載ハンズフリー装置によれば、制御手段は、停止トリガの発生が停止トリガ検出手段により検出された時点で近距離無線通信手段がハンズフリープロファイル以外のプロファイルを携帯電話機との間で接続していると、そのプロファイルを強制的に切断させる。これにより、停止トリガが発生したときにハンズフリープロファイル以外のプロファイルを携帯電話機との間で接続していたとしても、そのプロファイルを強制的に切断することにより、次回に装置が起動した直後では、携帯電話機がハンズフリープロファイル以外のプロファイルの手順を待受ける待受状態を継続して行うことはなく、携帯電話機が通常の待受状態(いずれかのプロファイルを接続する待受状態)を行うことになる。よって、装置が起動した直後にハンズフリープロファイルをBluetooth携帯電話機との間で速やかに接続することにより、装置が起動した直後にハンズフリー通話を速やかに行うことができ、使い勝手を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、車載ハンズフリーシステムの構成を機能ブロック図として示している。車載ハンズフリーシステム1は、Bluetooth通信(本発明でいう近距離無線通信)機能を有するBluetooth携帯電話機(本発明でいう携帯電話機)2とBluetooth通信機能を有する車載ハンズフリー装置3とがBluetooth通信可能に構成されている。Bluetooth携帯電話機2は、他の携帯電話機や固定電話機との間で携帯電話網を介して携帯電話通信を行うことが可能であると共に、Bluetooth通信可能な状態であれば(電源がオンしており且つ通信圏内であれば)、車載ハンズフリー装置3との間でBluetooth通信を行うことが可能に構成されている。
【0007】
車載ハンズフリー装置3は、制御部4(本発明でいう停止トリガ検出手段、制御手段)、電源制御部5、表示部6及びBluetoothユニット7(本発明でいう近距離無線通信手段)を備えて構成されている。制御部4は、CPU、RAM及びROMなどを備え、制御プログラムを実行することで車載ハンズフリー装置3の動作全般を制御する。
【0008】
電源制御部5は、ACCスイッチから当該ACCスイッチがオンしたことに応じてACCオン信号が入力されると共に当該ACCスイッチがオフしたことに応じてACCオフ信号が入力されるように構成されており、ACCオン信号が入力されると、制御部4への動作電源の供給を許可することで装置全体を起動させ、一方、ACCオフ信号が入力されると、制御部4への動作電源の供給を禁止することで装置全体を停止させるように構成されている。尚、電源制御部5は、車載ハンズフリー装置3が電源オフの状態であっても、低消費電力動作でACCオン信号の入力を監視するように構成されている。
【0009】
表示部6は、制御部4から表示指令信号が入力されると、その入力された表示指令信号に応じた表示動作を行う。Bluetoothユニット7は、制御部4から動作指令信号が入力されると、その入力された動作指令信号に応じたBluetooth通信動作を行う。この場合、Bluetoothユニット7は、制御部4がハンズフリー通信処理を行うのに必要なハンズフリープロファイル(HFP)をBluetooth携帯電話機2との間で接続可能であると共に、ハンズフリープロファイル以外のプロファイルとして例えば制御部4がデータ通信処理を行うのに必要なダイヤルアップネットワークプロファイル(DUNP)をもBluetooth携帯電話機2との間で接続可能に構成されている。
【0010】
制御部4は、Bluetoothユニット7がBluetooth携帯電話機2との間でハンズフリープロファイルを接続している場合には、マイクロホン8から入力された送話音声をBluetoothユニット7からBluetooth携帯電話機2へ送信させると共に、Bluetooth携帯電話機2からBluetoothユニット7に送信された受話音声をスピーカ9から出力させる。また、制御部4は、操作部10からユーザの操作内容を表す操作信号が入力されると、その入力された操作信号に応じた動作を行う。尚、上記した車載ハンズフリー装置3の機能が車載ナビゲーション装置(図示せず)に組み込まれていることで、車載ナビゲーション装置とBluetooth携帯電話機とがBluetooth通信可能に構成されていても良い。
【0011】
次に、上記した構成の作用について、図2を参照して説明する。
車載ハンズフリー装置3において、制御部4は、ACCスイッチからACCオフ信号が電源制御部5に入力され、ACCスイッチがオフした旨を検出すると(本発明でいう停止トリガが発生すると)、Bluetoothユニット7がBluetooth携帯電話機2との間でいずれかのプロファイルを接続しているか否かを判定する(ステップS1)。そして、制御部4は、Bluetoothユニット7がBluetooth携帯電話機2との間でいずれかのプロファイルを接続している旨を検出すると(ステップS1にて「YES」)、その接続しているプロファイルがハンズフリープロファイルであるか否かを判定する(ステップS2)。
【0012】
ここで、制御部4は、その接続しているプロファイルがハンズフリープロファイルでない旨、つまり、その接続しているプロファイルがハンズフリープロファイル以外のプロファイルである旨を検出すると(ステップS2にて「NO」)、その接続しているプロファイルを切断するプロファイル切断処理を実行し(ステップS3)、その接続しているプロファイルを強制的に切断させ、一連の処理を終了する。
【0013】
一方、制御部4は、Bluetoothユニット7がBluetooth携帯電話機2との間でいずれかのプロファイルを接続していない旨を検出すると(ステップS1にて「NO」)、一連の処理を速やかに終了し、また、Bluetoothユニット7がBluetooth携帯電話機2との間でハンズフリープロファイルを接続している旨を検出すると(ステップS2にて「YES」)、その接続しているハンズフリープロファイルを強制的に切断させることなく、一連の処理を速やかに終了する。
【0014】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載ハンズフリー装置3において、ACCスイッチからACCオフ信号が入力された時点でBluetoothユニット7がハンズフリープロファイル以外のプロファイルをBluetooth携帯電話機2との間で接続していると、そのプロファイルを強制的に切断するように構成したので、次回に装置が起動した直後では、Bluetooth携帯電話機2がハンズフリープロファイル以外のプロファイルの手順を待受ける待受状態を継続して行うことはなく、Bluetooth携帯電話機2が通常の待受状態(いずれかのプロファイルを接続する待受状態)を行うことになり、装置が起動した直後にハンズフリー通話を速やかに行うことができ、使い勝手を高めることができる。
【0015】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
停止トリガは、ACCスイッチからACCオフ信号が電源制御部に入力されることに限らず、例えば車載ハンズフリー装置に停止ボタンが設けられていれば、その停止ボタンが操作されることであっても良い。
ハンズフリープロファイル以外のプロファイルとしてオブジェクトプッシュプロファイル(OPP)やベーシックイメージプロファイル(BIP)を接続している場合に適用する構成であっても良い
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート
【符号の説明】
【0017】
図面中、1は車載ハンズフリーシステム、2はBluetooth携帯電話機(携帯電話機)、3は車載ハンズフリー装置、4は制御部(停止トリガ検出手段、制御手段)、7はBluetoothユニット(近距離無線通信手段)である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンズフリープロファイルを携帯電話機との間で接続可能であると共にハンズフリープロファイル以外のプロファイルをも前記携帯電話機との間で接続可能な近距離無線通信手段と、
自装置を停止させる停止トリガの発生を検出する停止トリガ検出手段と、
停止トリガの発生が前記停止トリガ検出手段により検出された時点で前記近距離無線通信手段がハンズフリープロファイル以外のプロファイルを前記携帯電話機との間で接続している場合に、そのプロファイルを強制的に切断させる制御手段とを備えたことを特徴とする車載ハンズフリー装置。
【請求項2】
ハンズフリープロファイルを実行可能であると共にハンズフリープロファイル以外のプロファイルをも実行可能な携帯電話機と、前記携帯電話機と近距離無線通信可能な車載ハンズフリー装置とを備えてなる車載ハンズフリーシステムであって、
前記車載ハンズフリー装置は、
ハンズフリープロファイルを前記携帯電話機との間で接続可能であると共にハンズフリープロファイル以外のプロファイルをも前記携帯電話機との間で接続可能な近距離無線通信手段と、
自装置を停止させる停止トリガの発生を検出する停止トリガ検出手段と、
停止トリガの発生が前記停止トリガ検出手段により検出された時点で前記近距離無線通信手段がハンズフリープロファイル以外のプロファイルを前記携帯電話機との間で接続している場合に、そのプロファイルを強制的に切断させる制御手段とを備えて構成されていることを特徴とする車載ハンズフリーシステム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate