説明

車載レーダ装置

【課題】車両側レドーム表面に付着する汚れを車両側レドームとレーダとの位置関係によらず確実に検出できる確実に検出できる車載レーダ装置を提供する。
【解決手段】車両に取り付けられた車両側レドーム100内に送信手段、受信手段を含む電波式レーダ200を収容すると共に、車両側レドームを通してレーダからの電波を送受信し、対象物までの距離、相対速度を計測する車載レーダ装置において、車両側レドーム100とレーダ200との間に配置され、車両側レドーム表面の付着物からの反射波をレーダの受信手段に導く反射板300等の誘導手段と、この誘導手段によって受信された反射波の信号レベルに基づいて、車両側レドーム表面の付着物の有無を判定する付着物判定手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載レーダ装置に関するものであり、反射波の信号レベルに基づいて車両側レドーム表面に付着した汚れを検出できるようにした車載レーダ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に取り付けられた車両側レドームの表面からの反射波の信号レベルに基づいて、車両側レドーム表面に付着した汚れを判定する従来の手法として、特許文献1に示されるように、周波数変調レーダ(FMレーダ)装置において、ビート信号の低周波成分を低域通過フィルタで抽出し、抽出した低周波成分をA/D変換器でAD変換し、高速フーリエ変換器で高速フーリエ変換を施して、レーダレドームに汚れが付着していない状態での低周波成分の記憶された周波数スペクトルデータと入力された低周波成分の周波数スペクトルデータを比較し、車両側レドーム表面に汚れが付着したことを検出することが行われている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−282229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に電波式レーダは、光学式レーダに比べて、その媒体の特性から、車両側のレドーム内に搭載することができ、車両デザインを損ねないという利点がある。
このため、レーダの前面に車両側のデザインを損ねないように斜めに車両側レドームが配置されるケースが多く、このような場合、車両側レドーム表面に付着した雪等の汚れからの反射波は、入射角と反射角が等しくなるように反射されるため、車両側レドームの角度によっては、受信されないことになり、付着物の検出ができないことがある。
【0005】
また、レーダレドームあるいは車両側レドームへの付着物からの反射以外の至近距離からの反射成分として、高周波回路内部での送受信間漏れや送受アンテナ間漏れ等が存在する。これらの成分のレベルは、ミキシングする送信波成分(LO波)との位相関係によって決まるため、個体差や温度によってレベルが変化してしまう。
そのため、例えば、温度特性を考慮して、判定基準値のマップを設ける等の方法もあるが、個々の調整を必要とし、調整コストの増大につながってしまう。
【0006】
あるいは、至近距離からの反射成分のレベルを常時学習しておき、その学習値からの変化量に基づいて、付着物の有無を判定する方法がある。
しかしながら、例えば、夜間の駐車中に車両側レドーム表面に汚れが付着し、翌日の朝にエンジン起動したような場合においては、汚れが付着した状態から学習することになるので、変化量が検出できず、付着物があることを判定できない。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、車両側レドーム表面に付着する汚れを車両側レドームとレーダとの位置関係によらず確実に検出できる車載レーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による車載レーダ装置は、車両に取り付けられた車両側レドーム内に送信手段、受信手段を含む電波式レーダを収容すると共に、上記車両側レドームを通して上記レーダからの電波を送受信し、対象物までの距離、相対速度を計測する車載レーダ装置において、上記車両側レドームとレーダとの間に配置され、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記レーダの受信手段に導く誘導手段と、この誘導手段によって受信された反射波の信号レベルに基づいて、上記車両側レドーム表面の付着物の有無を判定する付着物判定手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明による車載レーダ装置によれば、車両側レドームが斜めに取り付けられているような場合においても、車両側レドーム表面に付着した汚れを確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1における車載レーダ装置は、図1(a)に示すように、車両に取り付けられた車両側レドーム100と、この車両側レドーム100内に収容され、車両側レドームを通して電波を送受信し、対象物までの距離、相対速度を計測する電波式レーダ200と、
車両側レドーム100とレーダ200との間に配置され、車両側レドーム表面の付着物からの反射波をレーダの受信手段に導く誘導手段である反射板300とで構成されている。
図中、Aはレーダ100からの送信波の経路、Bは車両側レドーム100の表面に付着した汚れからの反射波の経路、Cは反射板300からレーダ100への反射波の経路を示している。
なお、車両側レドーム100は、レーダ200の前面の筐体を兼ねるレーダレドーム400の前面に位置するように、車両側前面グリル500の一部を切り欠いて取り付けられる。(図1(b)(c))
【0011】
電波式レーダ200は、図2に示すように、制御部201と、変調用信号を生成する電圧発生回路202と、電圧制御発振器(VCO)203と、分配器204と、送信用スイッチ205と、サーキュレータ206と、送受信共用アンテナ207と、ミキサ208と、バンドパスフィルタ(BPF)209と、増幅器210と、A/D変換器211と、メモリ212と、信号処理部213と、アンテナ方向制御部214とで構成されている。
【0012】
まず、送信動作について説明する。(図3参照)
制御部201によりタイミングなどを制御された電圧発生回路202が、時間的に三角波状に変化する図3(a)の電圧を発生し、電圧制御発振器203に印加する。電圧制御発振器203は、印加された電圧に応じて、周波数が時間的に変化する周波数変調連続波(FMCW)を生成し、分配器204へ出力する。このFMCWについて、時間に対する電圧変化を図3(b)に、時間に対する周波数変化を図3(c)に示す。分配器204は入力されたFMCWの一部を送信信号として、送信用スイッチ205へ出力し、残りをローカル信号としてミキサ208へ出力する。送信用スイッチ205では、入力されたFMCWをパルス変調し、サーキュレータ206を経て、送受信共用アンテナ207へ出力する。送受信共用アンテナ207は、入力された送信信号を送信波として車両側レドーム100を通して空間に放射する。
【0013】
次に受信動作について説明する。(図4参照)
送受信共用アンテナ207から放射された電波は、図4に示すようにTgだけ出力されるパルス波となり、対象までの距離Rに対応する遅延時間τをもって、車両側レドーム100を通して送受信共用アンテナ207に入力される。その後、ミキサ208により電圧制御発振器203からのFMCWとミキシングされ、ビート信号を出力する。得られたビート信号はバンドパスフィルタ209を通過し、増幅器210により増幅されて、各距離ゲート毎にA/D変換器211に入力されてデジタル信号に変換され、メモリ212へ出力される。メモリ212は、制御部201によって、アップフェーズ(時間につれて周波数が高くなる変調期間)、ダウンフェーズ(時間につれて周波数が低くなる変調期間)の観測期間が終了すると、記録したA/D値を読み出し可能とする。
【0014】
信号処理部213は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはCPUとDSP(Digital Signal Processor)で構成され、制御部201によってアップフェーズ、あるいはダウンフェーズの観測期間が終了した時点で、アップフェーズにおけるビート信号のA/D値、あるいは、ダウンフェーズにおけるビート信号のA/D値を入力し、目標の距離・速度・方位角を算出し、その結果を他の装置(車両の運動制御装置や表示装置など)へ出力する(通常計測モード)。
【0015】
なお、上記動作は、制御部201によってアンテナ方向制御部214が送受信共用アンテナ207の向きを変えながら、すなわち、図5に示すように、レーダ200の送受信共用アンテナ207から放射される電波ビームの方向(例えば8方向)が変わりながら実施される。
【0016】
また、本実施の形態では電波ビームの方向を変えながら送信する例を示したが、複数のビームを同時に送信あるいはスイッチにて切り替える構成にしてもよい。
【0017】
次に車両側レドーム100の汚れ検出方法について説明する。
図1に示すように、車両側レドーム100に汚れ101が付着した場合、汚れ面からの反射波は、車両側レドーム100とレーダ200との間に配置された反射板300により反射されて、レーダ100の送受信共用アンテナ207へ入力される。
一方、車両側レドーム100に汚れが付着していない場合には、送信波は車両側レドーム100を透過して放射され、車両側レドーム100からの反射はほとんど存在しない。
【0018】
図6及び図7は、周波数変調レーダにおける送受信波の周波数とビート信号の周波数の関係について、相対速度の異なる場合を示すタイミングチャートである。
一般に、周波数変調レーダの場合、図6,図7に示すように、受信波と送信波成分(LO波)がミキシングされ、その周波数差成分がビート信号fb1,fb2として生成される。
車両側レドーム100に付着した汚れ101からの反射波は、送信してから極めて短い時間で受信されるので、図7に示すように、その受信波は、送信波の変調周波数とほぼ等しい周波数を有している。
よって、ビート信号fb1,fb2として、反射波の強度およびミキシングする送信波成分(LO波)との位相関係によって決まるほぼ直流成分のみの信号が生成される。
従って、図8に示すように、至近距離に相当する距離ゲートに着目した場合、汚れがない場合のA/D値と、汚れがある場合のA/D値とでは、汚れそのものからの反射によってその直流成分のレベルが異なることになるので、そのレベルの違いを検出することによって、汚れ付着を判定することができる。
【0019】
次にレーダ200の信号処理部213にて実施される信号処理について、図8にフローチャートを示す。
以下それぞれのステップについて説明する。
S1001 : 制御ビーム方向が所定の方向かどうかを判定し、所定のビームでない時にはS1002へ、所定のビームの時は、S1004へ進む。
S1002 : 各距離ゲート毎に、アップフェーズ・ダウンフェーズのA/D値を読み込む(通常計測モード)。
S1003 : 読み込んだA/D値をもとに、該ビームにおける距離・相対速度・受信レベルを算出する。
S1004 : 汚れ検出処理を実行(汚れ検出モード)。
S1005 : 全てのビームについて処理が終了したかどうかを判定し、終了していれば、S1006へ進み、終了していなければ、S1001へ戻る。
S1006 : 各ビームにおける距離・相対速度・受信レベルから、対象の距離・相対速度・方位角を算出する。
【0020】
次に、図10
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に示す汚れ検出モードのフローチャートついて説明する。この汚れ検出モードは反射波の信号レベルに基づいて、車両側レドーム表面の付着物の有無を判定する付着物判定手段として機能する。
以下それぞれのステップについて説明する。
S1101: 全てのビームにおいて、至近距離(例えば、10m以下)を検出していないかどうかがチェックされ、1つでも至近距離を検出している場合には、処理を終え、全てのビームについて、至近距離を検出していない場合には、S1102へ進む。
至近距離に実際に物体を検出している場合には、その相対速度によっては、至近距離ゲートのA/D値が変化してしまい、汚れの誤判定をまねく恐れがあるため、至近距離検出状態では、汚れ判定を行わないようにする。
S1102: 至近距離ゲート(例えば、最小距離ゲート)におけるA/D値を読み込む。
S1103: 汚れフラグがONの場合には、S1108へ進み、OFFの場合はS1104へ進む。
S1104: 今回入力したA/D値と所定値との差の絶対値:Xを算出し、予め設定した汚れ判定閾値と比較する。Xが汚れ判定閾値よりも大きい場合には、S1105へ進み、それ以外の場合には、S1106へ進む。
S1105: 汚れフラグをONにする。
S1106: 汚れフラグをOFFにする。
S1107: 今回入力したA/D値と所定値との差の絶対値:Xを算出し、予め設定した汚れ復帰閾値と比較する。Xが汚れ復帰閾値以下の場合には、S1108へ進み、それ以外の場合には、S1109へ進む。
S1108: 汚れフラグをOFFにする。
S1109: 汚れフラグをONにする。
【0021】
以上より、本実施の形態1によれば、車両側レドーム100の表面に付着した汚れ101からの反射波をレーダ200の受信アンテナ207にて受信できるように車両側レドーム100とレーダ200との間に誘導手段として反射板300を配置することにより、車両側レドーム100が斜めに取り付けられているような場合においても、車両側レドーム表面に付着した汚れ101を確実に検出することができる。
【0022】
なお、本実施の形態1について試験結果の一例を示すと、車両側レドーム100の表面に汚れ101がない状態において上記A/D値と所定値との差分が10〜20である場合、汚れ(水膜)101がある状態で、かつ反射板300を設けないときには、上記A/D値と所定値との差分が50〜100であるのに対し、汚れ(水膜)101がある状態で、かつ反射板300を設けたときには、上記A/D値と所定値との差分が200〜300となり、反射板300を設けない場合に比べて3〜4倍の差分値が得られた。
【0023】
また、汚れの付着判定に予め設定した閾値を設けることにより、汚れ付着がない場合のレベル変化(ノイズ等によるもの)による誤判定を防止することができる。
さらに、特定のビーム方向のみに影響を与えるように誘導手段である反射板300を設けているので、例えば、特定の方向をビーム照射範囲の一番端の方向とすることにより、通常の計測モードに影響を与えない。
【0024】
なお、本実施の形態1では、レーダ方式として、FMパルス方式を例にあげて説明したが、他のレーダ方式においても、至近距離からの反射レベルを利用することにより、同様の効果が得られる。
【0025】
また、図21に示すように、反射板300を設置し、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を、レーダ200の受信アンテナの指向性方向と平行に受信アンテナ方向へ反射させてもよい。
この場合、受信アンテナの指向性も考慮しているので、より効率よく汚れ101からの反射波を受信することができる。
【0026】
また、本実施の形態1では、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信アンテナにて受信できるように、反射板300を使用することを例にあげたが、同様に車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を受信アンテナにて受信できるように導くものであれば、どのような形態の誘導手段でもよい。
【0027】
例えば、図22に示すように、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信アンテナにて受信できるようにする誘導手段として、反射鏡301を用いてもよい。
【0028】
また、例えば、図23に示すように、給電点を全反射とした平面アレイアンテナ302を用いてもよい。
給電点を全反射とし、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波が受信アンテナ方向へ反射するように、予め各素子の位相を調整しておくことで、受信アンテナにて受信することができる。
これにより、誘導手段を薄く形成することができ、配置の自由度が増し、かつ容易になる。
さらに、レーダ100の前面の遮蔽を防ぐことができる。
【0029】
また、平面アレイアンテナ302の給電点を、スイッチにて全反射と終端(例えば50Ω)を切り替えるようにしておけば、複数ビームを送信する場合において、特定のビームを送信する場合にのみ、全反射とすることができ、それにより、特定のビーム方向のみ車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信することができる。
【0030】
また、例えば、図24に示すように、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信アンテナにて受信できるようにする誘導手段として、リフレクトアレイ303を用いてもよい。
リフレクトアレイ303は、金属素子を平面上に配置したもので、その大きさ及び形を素子毎に変えることにより、到来電波を所望の方向へ反射できるものである。
これにより、誘導手段を薄く形成することができ、配置の自由度が増し、かつ容易になる。
さらに、レーダ100の前面の遮蔽を防ぐことができる。
【0031】
また、例えば、図25に示すように、誘電体レンズ304を用いて、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信アンテナにて受信できるように屈折させてもよい。
【0032】
同様に、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を、受信アンテナの指向性方向と平行に受信アンテナ方向へ屈折させれば、より効率よく受信することができる。
【0033】
さらに、図26に示すように、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信アンテナにて受信できるように導波管305を用いて、導くこともできる。
この場合、伝搬損失が小さくなるため、より効率よく、汚れからの反射波を受信することができる。
【0034】
同様に、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を受信アンテナにて受信できるように誘電体導波路を用いてもよい。
【0035】
実施の形態2.
図11は実施の形態2による車載レーダ装置を示す概略構成図である。本実施の形態2におけるレーダ200の構成は、図2と同じである。以下、実施の形態1と異なる点のみ説明する。
【0036】
実施の形態1においては、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信アンテナにて受信できるように、誘導手段として反射板300を配置したが、反射板の配置位置は車両側レドームの傾きとレーダとの距離によって決まり、例えば、図12のような場合には、汚れ101からの反射波は反射板300により、経路Cを経るので、受信アンテナで受信されない。
予め反射板の配置角度を受信アンテナに反射波を導くように設定する方法も考えられるが、車両側レドームとレーダとの位置関係が軽微な衝撃等で変化した場合には、やはり受信アンテナで受信されないことになる。
【0037】
この問題を解決するため、本実施の形態2では、車両側レドーム表面の付着物からの反射波を受信アンテナにて受信できるように、送信波を挟んで互いに対向して配置された誘導手段を設ける。
具体的には、図11に示すように、車両側レドーム100とレーダ200との間に上下に反射板301a,301bを配置する。
この場合、汚れ101からの反射波は反射板301aにより、経路Cを経るが、上方に配置した反射板301bにて再び反射し、経路Dを経てレーダ100の受信アンテナにて受信される。
これにより、車両側レドーム100に汚れ101が付着した場合には、汚れ面からの反射波は、上下に配置された反射板301a,301bにより反射されて、最終的に受信アンテナへ入力される。車両側レドーム100に汚れが付着していない場合には、送信波は車両側レドーム100を透過して放射されるので、車両側レドーム100からの反射はほとんど存在しない。
【0038】
なお、本実施の形態では、上下に反射板301a,301bを配置する例を挙げたが、図13に示すように円筒状の反射手段306を設けても同様に車両側レドーム100の汚れ101からの反射波を受信アンテナへ導くことができる。
【0039】
次に、レーダ100の信号処理部213にて実施される汚れ検出処理について説明する。この汚れ検出処理は反射波の信号レベルに基づいて、車両側レドーム表面の付着物の有無を判定する付着物判定手段として機能する。
信号処理フローチャートは、図9と同様である。ここでは、汚れ検出処理について説明する。図14に汚れ検出処理のフローチャートを示す。以下それぞれのステップについて説明する。
S1501: 全てのビームにおいて、至近距離(例えば、10m以下)を検出していないかどうかがチェックされ、1つでも至近距離を検出している場合には、処理を終え、全てのビームについて、至近距離を検出していない場合には、S1502へ進む。
至近距離に実際に物体を検出している場合には、その相対速度によっては、至近距離ゲートのA/D値が変化してしまい、汚れの誤判定をまねく恐れがあるため、至近距離検出状態では、汚れ判定を行わないようにする。
S1502: 至近距離ゲート(例えば、最小距離ゲート)におけるA/D値を読み込む。
S1503: 汚れフラグがONの場合には、S1511へ進み、OFFの場合はS1504へ進む。
S1504: A/D学習値を更新する。例えば、過去のA/D値を用いて移動平均値を算出する。
S1505: 今回入力したA/D値とA/D学習値との差の絶対値:Xを算出し、予め設定した汚れ判定閾値と比較する。Xが汚れ判定閾値よりも大きい場合には、S1506へ進み、それ以外の場合には、S1507へ進む。
S1506: 汚れ判定カウンタをアップする。
S1507: 汚れ判定カウンタをクリアする。
S1508: 汚れ判定カウンタの値が予め設定した汚れ判定カウンタ閾値より大きければ、S1509へ進み、それ以外の場合には、S1510へ進む。
S1509: 汚れフラグをOFFにする。
S1510: 汚れフラグをONにする。
S1511: 今回入力したA/D値とA/D学習値との差の絶対値:Xを算出し、予め設定した汚れ復帰閾値と比較する。Xが汚れ復帰閾値以下の場合には、S1512へ進み、それ以外の場合には、S1513へ進む。
S1512: 汚れ復帰カウンタをアップする。
S1513: 汚れ復帰カウンタをクリアする。
S1514: 汚れ復帰カウンタの値が予め設定した汚れ復帰カウンタ閾値より大きければ、S1515へ進み、それ以外の場合には、S1516へ進む。
S1515: 汚れフラグをOFFにする。
S1516: 汚れフラグをONにする。
【0040】
以上より、本実施の形態によれば、車両側レドーム100とレーダ200との位置関係によらず、確実に車両側レドーム表面に付着した汚れ101を検出することができる。
また、汚れ付着判定を反射レベルの学習値をもとに行うので、汚れが付着していない状況にて反射レベルが温度変化や経年変化により変化しても、誤判定することを防止することができる。
【0041】
さらに、汚れ検出カウンタの値が所定値より大きい場合、すなわち反射レベルの変化が所定時間継続した場合に、汚れ付着判定を行うので、雨天時に車両側レドーム表面に雨滴が付着し、瞬時的に反射レベルが変化しても、それによる誤判定を防止することができる。
【0042】
実施の形態3.
図15は実施の形態3による車載レーダ装置を示す概略構成図である。
実施の形態1では、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を受信アンテナにて受信できるように、反射板300を使用したが、本実施の形態では、図15に示すように、車両側レドーム表面の付着物からの反射波をその到来方向へ反射させるようにコーナリフレクタ307を配置する。
レーダ200からの送信波は、経路Aを経て、車両側レドーム表面に付着した汚れ101により反射し、経路Bを経て、コーナリフレクタ307により、経路Cへ反射される。さらに、車両側レドーム表面に付着した汚れ101により、再び反射し、経路Dを経て、レーダ200の受信アンテナにて受信される。
これにより、車両側レドーム100に汚れ101が付着した場合には、汚れ面からの反射波は、コーナリフレクタ307により反射されて、最終的に受信アンテナへ入力される。車両側レドーム100に汚れが付着していない場合には、送信波は車両側レドーム100を透過して放射されるので、車両側レドーム100からの反射はほとんど存在しない。
【0043】
図16にコーナリフレクタ307の設置位置(上面視)を示す。この例では、図5に示す例えば左端のビーム(#0)が送信され、経路Aを経て、車両側レドーム表面に付着した汚れ101により反射し、経路Bを経て、コーナリフレクタ307により、車両側レドームに向かう経路Cへ反射される。さらに、車両側レドーム表面に付着した汚れ101により、再び反射し、経路Dを経て、受信アンテナにて受信される。
一方、例えば、図5に示す右端のビーム(#7)に関しては、図17に示すように、経路Aを経て、車両側レドーム表面に付着した汚れ101により反射し、経路Bを経てレーダ方向へ反射されるが、その方向にはコーナリフレクタ307が存在しないため、受信アンテナにて受信されない。
【0044】
よって、左端のビーム(#0)と右端のビーム(#7)に注目した場合、車両側レドーム表面に汚れが付着していない時には、至近距離に相当する距離ゲートのA/D値はほぼ同じような値をとるが、車両側レドーム表面に汚れが付着している時には、配置されたコーナリフレクタの影響により、左端のビーム(#0)におけるA/D値のみが変化し、右端のビーム(#7)におけるA/D値との差分が増大する。
従って、左端のビーム(#0)と右端のビーム(#7)の至近距離に相当する距離ゲートのA/D値を監視し、その差分が所定のレベル以上の場合に汚れが付着したと判定することができる。
【0045】
次にレーダ200の信号処理部213にて実施される信号処理について、図18にフローチャートを示す。以下それぞれのステップについて説明する。
S1901 : 各距離ゲート毎に、アップフェーズ・ダウンフェーズのA/D値を読み込む。
S1902 : 読み込んだA/D値をもとに、該ビームにおける距離・相対速度・受信レベルを算出する。
S1903 : 全てのビームについて処理が終了したかどうかを判定し、終了していれば、S1904へ進み、終了していなければ、S1901へ戻る。
S1904 : 各ビームにおける距離・相対速度・受信レベルから、対象の距離・相対速度・方位角を算出する。
S1905 : 汚れ検出処理を実行。
【0046】
次に、汚れ検出処理について説明する。図19に汚れ検出処理のフローチャートを示す。この汚れ検出処理は反射波の信号レベルに基づいて、車両側レドーム表面の付着物の有無を判定する付着物判定手段として機能する。
以下それぞれのステップについて説明する。
S2001: 全てのビームにおいて、至近距離(例えば、10m以下)を検出していないかどうかをチェックし、1つでも至近距離を検出している場合には、処理を終え、全てのビームについて、至近距離を検出していない場合には、S2002へ進む。
至近距離に実際に物体を検出している場合には、その相対速度によっては、至近距離ゲートのA/D値が変化してしまい、汚れの誤判定をまねく恐れがあるため、至近距離検出状態では、汚れ判定を行わないようにする。
S2002: 左端ビームにおける至近距離でのA/D値と右端ビームにおける至近距離でのA/D値との差分(△X)を算出する。
S2003: 汚れフラグがONの場合には、S2007へ進み、OFFの場合はS2004へ進む。
S2004: S2002にて算出された△Xを汚れ判定閾値と比較する。△Xが汚れ判定閾値よりも大きい場合には、S2005へ進み、それ以外の場合には、S2006へ進む。
S2005: 汚れ判定カウンタをアップする。
S2006: 汚れ判定カウンタをクリアする。
S2007: 汚れ判定カウンタの値が予め設定した汚れ判定カウンタ閾値より大きければ、S2008へ進み、それ以外の場合には、S2009へ進む。
S2008: 汚れフラグをONにする。
S2009: 汚れフラグをOFFにする。
S2010: S2002にて算出された△Xを汚れ復帰閾値と比較する。△Xが汚れ復帰閾値以下の場合には、S2011へ進み、それ以外の場合には、S2012へ進む。
S2011: 汚れ復帰カウンタをアップする。
S2012: 汚れ復帰カウンタをクリアする。
S2013: 汚れ復帰カウンタの値が予め設定した汚れ復帰カウンタ閾値より大きければ、S2014へ進み、それ以外の場合には、S2015へ進む。
S2014: 汚れフラグをOFFにする。
S2015: 汚れフラグをONにする。
【0047】
以上より、本実施の形態によれば、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波をその到来方向へ反射させ、最終的に受信アンテナにて受信できるように車両側レドーム100とレーダ200との間にコーナリフレクタ307を配置することにより、車両側レドーム表面に付着した汚れを確実に検出することができる。
【0048】
また、車両側レドーム100の汚れのない状態での反射レベルに対する汚れ101のある状態での反射レベルの割合は、本実施の形態3による場合の方が、実施の形態1の汚れからの反射波を受信アンテナ方向へ反射させる場合に比べて大きくなる。
例えば、汚れのない車両側レドーム表面での反射係数を0.1、汚れが付着した車両側レドーム表面での反射係数を0.5と仮定すると、
実施の形態1のように反射波を受信アンテナ方向へ反射させる場合では、汚れのない状態での反射レベルに対する汚れのある状態での反射レベルの割合は、
0.5/0.1 = 5
になるのに対し、本実施の形態3のようにコーナリフレクタ307により反射波をその到来方向へ反射させる場合では、汚れのない状態での反射レベルに対する汚れのある状態での反射レベルの割合は車両側レドーム表面にて2回反射するので、
0.5/0.1 = 25
となり、実施の形態1の場合に比べて5倍となる。
したがって、より確実に汚れを検出することができる。
【0049】
さらに、車両側レドーム表面の付着物からの反射波を特定のビーム方向のみ受信アンテナにて受信できるように反射させる誘導手段を車両側レドーム100とレーダ200との間に配置し、特定のビーム方向とそれ以外のビーム方向における車両側レドーム表面の付着物からの反射レベルに基づいて、車両側レドーム表面の付着物の有無を判定するようにしたので、温度特性を考慮して、判定基準値のマップを設ける等の個々の調整を必要とせず、調整コストの増大を招かない上、車両側レドーム表面の付着物による反射特性の経年変化にも対応できる。
また、実施の形態2に示した反射成分のレベルを学習する方式でも検出できなかった、エンジン起動時に既に汚れが付着した場合でも、汚れを検出することができる。
【0050】
さらに、上記の効果に加え、汚れの付着判定に予め設定した閾値を設けることにより、汚れ付着がない場合のレベル変化(ノイズ等によるもの)による誤判定を防止することができる。
【0051】
さらに、上記の効果に加え、反射レベルの変化が所定時間継続した場合に、汚れ付着判定を行うので、雨天時に車両側レドーム表面に雨滴が付着し、瞬時的に反射レベルが変化しても、それによる誤判定を防止することができる。
【0052】
なお、本実施の形態3では、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波をその到来方向へ反射させ、最終的に受信アンテナにて受信できるように、図20のようなコーナリフレクタ307を使用することを例に挙げた。
コーナリフレクタ307は、3つの直角二等辺三角形をそれぞれ垂直になるように組み合わせたもので、到来電波を同一方向へ反射させる性質を有する。この性質により、誘導手段を配置するための調整が容易となる。コーナリフレクタ307は複数用いてもよい。
同様に車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波をその到来方向へ反射させ、最終的に受信アンテナにて受信できるものであれば、どのような形態の誘導手段でもよい。
【0053】
例えば、図27に示すように、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波をその到来方向へ反射させ、受信アンテナにて受信できるようにする誘導手段として、反射鏡308を用いてもよい。
【0054】
また、例えば、図28に示すような給電点を全反射とした平面アレーアンテナ309を用いてもよい。
この場合、アレーアンテナ309の各素子の位相調整を予めしておくことで、車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波をその到来方向へ反射させることができる。
これにより、誘導手段を薄く形成することができ、配置の自由度が増し、かつ容易になる。
さらに、レーダの前面の遮蔽を防ぐことができる。
【0055】
また、平面アレイアンテナ309の給電点を、スイッチにて全反射と終端(例えば50Ω)を切り替えるようにしておけば、複数ビームを送信する場合において、特定のビームを送信する場合にのみ、全反射とすることができ、それにより、特定のビーム方向のみ車両側レドーム表面に付着した汚れ101からの反射波を受信することができる。
【0056】
また、例えば、図29に示すように、リフレクトアレイ310を用いてもよい。
これにより、誘導手段を薄く形成することができ、配置の自由度が増し、かつ容易になる。
さらに、レーダ100の前面の遮蔽を防ぐことができる。
【0057】
また、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を受信アンテナにて受信できるように導く誘導手段を車両側レドームと一体構造にしてもよい。
例えば、図30に示すように、車両側レドーム100とリフレクトアレイ310を一体構造にする。
これにより、誘導手段の配置位置の調整が不要となる。
【0058】
また、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を受信アンテナにて受信できるように導く誘導手段をレーダと一体構造にしてもよい。
例えば、図31に示すように、レーダ200とリフレクタ311を一体構造にする。
これにより、誘導手段の配置位置の調整が不要となる。
【0059】
また、車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波を受信アンテナにて受信できるように導く誘導手段を車両側レドームおよびレーダ装置と一体構造にしてもよい。
例えば、図32に示すように、車両側レドーム100およびレーダ200とリフレクトアレイ310を一体構造にする。
これにより、誘導手段の設置位置の調整が不要となる。
【0060】
また、本実施の形態3では、特定のビーム方向として、左端のビームを、それ以外のビーム方向として、右端のビームを用いる例をあげたが、一方のビームのみ車両側レドーム表面に付着した汚れからの反射波をその到来方向へ反射させるという条件を満足できれば、それぞれ他のビームを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の実施の形態1による車載レーダ装置を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1におけるレーダの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1におけるレーダの送信動作を説明するための図である。
【図4】実施の形態1におけるレーダの受信動作を説明するための図である。
【図5】実施の形態1におけるレーダのアンテナ方向制御を説明するための図である。
【図6】実施の形態1の周波数変調レーダの動作を説明するための図である。
【図7】実施の形態1の周波数変調レーダの動作を説明するための図である。
【図8】実施の形態1における汚れ検出方法を説明するための図である。
【図9】実施の形態1における信号処理フローチャートである。
【図10】実施の形態1における汚れ検出処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態2による車載レーダ装置を示す概略構成図である。
【図12】実施の形態2における汚れ検出方法を説明するための図である。
【図13】実施の形態2における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図14】実施の形態2の汚れ検出処理のフローチャートである。
【図15】実施の形態3による車載レーダ装置を示す概略構成図である。
【図16】実施の形態3における汚れ検出方法を説明するための図である。
【図17】実施の形態3における汚れ検出方法を説明するための図である。
【図18】実施の形態3における信号処理フローチャートである。
【図19】実施の形態3における汚れ検出処理のフローチャートである。
【図20】実施の形態3に用いるコーナリフレクタの概観図である。
【図21】実施の形態1における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図22】実施の形態1における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図23】実施の形態1における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図24】実施の形態1における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図25】実施の形態1における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図26】実施の形態1における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図27】実施の形態3における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図28】実施の形態3における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図29】実施の形態3における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図30】実施の形態3における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図31】実施の形態3における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【図32】実施の形態3における誘導手段の異なる例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0062】
100 車両側レドーム
101 汚れ
200 レーダ
201 制御部
202 電圧発生回路
203 電圧制御発振器(VCO)
204 分配器
205 送信用スイッチサーキュレータ206と、
206 サーキュレータ
207 送受信共用アンテナ
208 ミキサ
209 バンドパスフィルタ(BPF)
210 増幅器
211 A/D変換器
212 メモリ
213 信号処理部
214 アンテナ方向制御部
300 反射板
301a,301b 反射板
302 平面アレイアンテナ
303 リフレクトアレイ
304 誘電体レンズ
305 導波管
306 円筒状の反射手段
307 コーナリフレクタ
308 反射鏡
309 平面アレーアンテナ
310 リフレクトアレイ
311 リフレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた車両側レドーム内に送信手段、受信手段を含む電波式レーダを収容すると共に、上記車両側レドームを通して上記レーダからの電波を送受信し、対象物までの距離、相対速度を計測する車載レーダ装置において、
上記車両側レドームとレーダとの間に配置され、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記レーダの受信手段に導く誘導手段と、
この誘導手段によって受信された反射波の信号レベルに基づいて、上記車両側レドーム表面の付着物の有無を判定する付着物判定手段とを備えた
ことを特徴とする車載レーダ装置。
【請求項2】
上記誘導手段は、特定のビーム方向のみの反射波を上記受信手段に導くことを特徴とする請求項1記載の車載レーダ装置。
【請求項3】
上記付着物判定手段は、上記誘導手段によって反射された反射波の信号レベルと所定レベルとを比較し、その差分の絶対値が所定値以上の場合にレベル変化があることを検知するレベル変化検知手段を有し、このレベル変化検知手段によりレベル変化があったことを検知した場合、上記車両側レドーム表面に付着物が存在すると判定することを特徴とする請求項1または2記載の車載レーダ装置。
【請求項4】
上記反射波の信号レベルと比較される所定レベルは、前回までの反射レベルの学習値であることを特徴とする請求項3記載の車載レーダ装置。
【請求項5】
上記付着物判定手段は、上記レベル変化検知手段によりレベル変化があった判定された状態が所定時間継続した場合に、上記車両側レドームの表面に付着物が存在すると判定することを特徴とする請求項3または4記載の車載レーダ装置。
【請求項6】
上記付着物判定手段は、特定のビーム方向とそれ以外のビーム方向における反射波の信号レベルに基づいて、上記車両側レドーム表面の付着物の有無を判定することを特徴とする請求項2記載の車載レーダ装置。
【請求項7】
上記付着物判定手段は、特定のビーム方向とそれ以外のビーム方向における反射波の信号レベルの差分の絶対値が所定値以上の場合、上記車両側レドーム表面に付着物が存在すると判定することを特徴とする請求項6記載の車載レーダ装置。
【請求項8】
上記付着物判定手段は、特定のビーム方向とそれ以外のビーム方向における反射波の信号レベルの差分の絶対値が所定値以上の状態が所定時間継続した場合に、上記車両側レドーム表面に付着物が存在すると判定することを特徴とする請求項6記載の車載レーダ装置。
【請求項9】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記受信手段のある方向へ反射させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項10】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を受信アンテナの指向性方向と平行となるように上記受信手段のある方向へ反射させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項11】
上記誘導手段は、反射鏡であることを特徴とする請求項9または10記載の車載レーダ装置。
【請求項12】
上記誘導手段は、給電点を全反射とした平面アレイアンテナであることを特徴とする請求項9または10記載の車載レーダ装置。
【請求項13】
上記誘導手段は、給電点をスイッチにて全反射あるいは終端となるように切り替え可能な平面アレイアンテナであることを特徴とする請求項9または10記載の車載レーダ装置。
【請求項14】
上記誘導手段は、リフレクトアレイであることを特徴とする請求項9または10に記載の車載レーダ装置。
【請求項15】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記受信手段のある方向へ屈折させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項16】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を受信アンテナの指向性方向と平行となるように上記受信手段のある方向へ屈折させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項17】
上記誘導手段は、誘電体レンズであることを特徴とする請求項15または16記載の車載レーダ装置。
【請求項18】
上記誘導手段は、上記送信手段により送信された送信波を挟んで互いに対向して配置され、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記受信手段のある方向へ導くことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項19】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波をその到来方向へ反射させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項20】
上記誘導手段は、反射鏡であることを特徴とする請求項19記載の車載レーダ装置。
【請求項21】
上記誘導手段は、単数または複数のコーナリフレクタであることを特徴とする請求項19記載の車載レーダ装置。
【請求項22】
上記誘導手段は、給電点を全反射とした平面アレイアンテナであることを特徴とする請求項19記載の車載レーダ装置。
【請求項23】
上記誘導手段は、給電点をスイッチにて全反射あるいは終端となるように切り替え可能な平面アレイアンテナであることを特徴とする請求項19記載の車載レーダ装置。
【請求項24】
上記誘導手段は、リフレクトアレイであることを特徴とする請求項19記載の車載レーダ装置。
【請求項25】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記受信手段のある方向へ導波管を用いて導くことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項26】
上記誘導手段は、上記車両側レドーム表面の付着物からの反射波を上記受信手段のある方向へ誘電体導波路を用いて導くことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項27】
上記誘導手段は、上記車両側レドームと一体構造となることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項28】
上位誘導手段は、上記レーダと一体構造となることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。
【請求項29】
上記誘導手段は、上記車両側レドームおよびレーダと一体構造となることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか一つに記載の車載レーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2007−108028(P2007−108028A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299587(P2005−299587)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】