説明

車載機器の出力音制御方法および車載機器

【課題】音量が優先度に応じて強制的にある所定レベルに固定的に調整されることなく、ユーザとって適した音量に調整できるようにする。
【解決手段】ユーザにより音調整デバイス5の音量調整ボリュームが回転操作されると、この操作指示を受付け、優先順位の高い音情報の音量調整を優先して行い、優先順位の低い音情報の音量調整を逆方向に行うようにしている。ユーザが、音調整デバイス5として音量調整ボリュームにより音量調整するときには音量をより調整しやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されると共に複数の音情報を報知するための車載機器の出力音制御方法および車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車載機器は、車両内制御に関する複数の機能を複合的に処理する場合がある。車載機器が制御する機能としては、例えば車載オーディオビジュアル制御機能、カーナビゲーション機能、音声認識機能、ハンズフリー機能、警告機能などが挙げられる。このような機能は、各機能毎に独立もしくは連携して動作しており、車載機器はこれらの機能を複合的に処理し、車両(車室)内に様々な情報を報知する。
【0003】
このため、車載機器が互いに異なる2種類以上の複数の音を出力することもあり、これらの複数の音が混合することがある。例えば、オーディオ機能により音楽を流している最中にナビゲーション機能により道案内音声を流すことが挙げられる。
【0004】
このような複数の音が車両内に同時に出力されると、ユーザは複数の音情報を全て聴き取ることが難しい。そこで、音情報の優先順位を事前に設定し、優先順位の高い音情報と優先順位の低い音情報との間で2音間の音量差を形成する技術思想が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−116045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの方法では、音量が優先度により強制的に固定的に調整されるため、ユーザにとって適した音環境を満たせない虞が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、音量が優先度に応じて強制的にある所定レベルに固定的に調整されることなく、ユーザにとって適した音量に調整できるようにした車載機器の出力音制御方法、この方法を実施する車載機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1、10に係る発明は、互いに異なる複数の音情報を報知する車載機器を対象としている。この車載機器またはその出力音制御方法によれば、ユーザによる音量調整の方向指示を受付けると複数の音情報のうち優先順位の低い音情報よりも高い音情報の音量を音量調整の方向指示に応じて行うと共に優先順位の低い音情報の音量を音量調整の方向指示とは逆方向に行うようにしているため、音量が優先度に応じて強制的に所定レベルに固定的に調整されることなく、特に優先順位の高い音情報の音量をユーザ所望の音量に調整でき、優先順位の低い音情報の音量についてユーザ所望の調整方向とは逆方向に調整できる。これにより、ユーザは直感的な操作を行うだけで所望の音量に調整することができる。また、ユーザは新たな音量操作方法を覚える必要がなくなる。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、音量ボリュームにより音量調整の方向指示を受付けるため、ユーザが音量をより調整しやすくなる。
請求項3、11に係る発明は、互いに異なる複数の音情報を報知する車載機器を対象としている。この車載機器またはその出力音制御方法によれば、ユーザによる音量調整指示を受付けると音量調整指示に応じて複数の音情報のうち優先順位の低い音情報よりも高い音情報の音量調整を優先して行うようにすると共に、優先順位の低い音情報の音量調整を優先して行わないようにして複数の音情報の音量を調整するため、特に優先順位の高い音情報の音量をユーザ所望の音量に調整でき、優先順位の低い音情報の音量について音量調整を行わないようにすることができる。これにより、ユーザは直感的な操作を行うだけで所望の音量に調整することができる。しかも、ユーザは新たな音量操作方法を覚える必要がなくなる。
【0009】
請求項4記載の発明によれば、トリガを発生するボタンの押下により音量調整指示を受付けるため、ユーザが音量を調整しやすい。
請求項5記載の発明によれば、音量調整指示を受け付けると、優先順位の高い音情報の音量を優先順位の低い音情報の音量に合わせて調整するため、ユーザは優先順位の高い音情報を聴き取りやすくなる
請求項6記載の発明によれば、2種類の異なる音情報が報知されているときには、2種類の音情報の音量を逆転するように音量調整するため、優先順位の高い音情報の音量が優先順位の低い音情報の音量よりも高くなり、優先順位の高い音情報をより聴き取りやすくなる。
【0010】
請求項7記載の発明によれば、複数の音情報のうち優先順位の高い音情報の報知が終了した場合には、ユーザによる音量調整指示を受付ける前の音量状態に戻すため、音情報の音量を一時的に調整できるようになり、ユーザにとって利便性が向上する。
【0011】
請求項8記載の発明によれば、複数の音情報のうち優先順位の高い音情報の報知が終了した場合でも音量調整されたままの音量を維持するため、音情報の音量を調整したまま維持できるようになり、ユーザにとって利便性が向上する。
【0012】
請求項9記載の発明によれば、複数の音情報の中に優先度が所定値よりも高い音声内容を包含している場合には、ユーザによる音量調整指示が終了した後に、音声内容を再出力するため、ユーザによる聞き逃しを極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態における電気的構成を概略的に示すブロック図
【図2】音出力優先度テーブルを表わす図
【図3】車載装置の動作を概略的に示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施形態における図3相当図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。図1は、車載機器として車両用マルチメディアシステムに適用した実施形態について概略的に示している。
【0015】
この図1に示すように、車両用マルチメディアシステム1は、音情報出力装置2を備え出力音調整装置3を介して音出力装置4を接続して構成されている。出力音調整装置3には、音調整デバイス5が接続されていると共に音出力優先度記憶装置6が接続されている。音情報出力装置2は、例えばカーナビゲーション装置の道路情報などのデータベースを内蔵しており、音情報(音声情報)を作成し各種音情報を出力音調整装置3に出力するように構成されている。
【0016】
音出力装置4は、例えばスピーカからなるもので、出力音調整装置3からの出力信号に応じて音出力するように構成されている。音調整デバイス5は音調整ボリュームにより構成されている。この音調整ボリュームは左右方向に回転可能に構成されており、ユーザにより回転操作されるときの回転操作情報を出力音調整装置3に送信する。
【0017】
尚、音調整デバイス5は、左右方向に回転可能な音調整ボリュームに限らず、音量調節のときに音量上下調整ボタン、音量調整のときにスライド操作するデバイス、静電パットなどのようにパット面をなぞって音量調整するデバイス、音声認識技術を用いたデバイス、などが挙げられるが、操作デバイスの形式は特に問わない。本実施形態では、左右方向に回転可能な音調整ボリュームを用いた実施形態を示す。
【0018】
出力音調整装置3は、ユーザ操作または車両用マルチメディアシステム1に搭載されるプログラムからの音量調整要求を受付けるようになっており、出力可能な複数の音情報の音量調整を行うように構成されている。特には、出力音調整装置3は、音出力優先度記憶装置6の記憶情報、および、音調整デバイス5の音調整デバイスからの回転操作情報に応じて音出力装置4から出力する複数音の音量を調整制御可能に構成されている。
【0019】
図2は、音出力優先度記憶装置に記憶された音出力優先度テーブルの一部を概略的に示している。
車両用マルチメディアシステム1は、車両内に流れる各種音情報について音出力装置4を通じて出力する。音情報の一例としては、緊急警報音声、周囲センサ音、カーナビゲーションシステムによる道案内音声、ハンズフリー電話の着信音、オーディオ機器によるオーディオ音(BGM)などがある。これらは、一例として示しているものの、実際には全音情報が複雑に組み合わされた状態でテーブルとして設けられており、そのテーブルの生成は静的な生成に関わらず、動的な生成を行っても良い。図2に示すように、優先順位は、緊急警報音声、周囲センサ音、道案内音声、電話着信音、オーディオ音の音情報の順に高く設定されており、これらは緊急性の高い順に設定されている。
【0020】
この優先順位は次のように用いられる。車両内には各種音(複数音)が報知されるが、ユーザは音調整デバイス5の音量調整ボリュームを操作することでこれらの各種音の音量を調整する。ユーザはこの音量調整ボリュームについて右回り操作すると音量を大きくし、左回り操作すると音量を小さくするように用いることが一般的である。
【0021】
しかし、本実施形態では、この一般的な操作を優先順位が高い音情報について適用し、当該音情報よりも優先順位が低い音情報については、左回り操作は音量を小さくし、右回り操作は音量を大きくするように用いる。
【0022】
例えば、オーディオ機能によりBGM音楽が出力されている最中、このオーディオ機能よりも優先順位の高いナビゲーション機能による道案内音声が出力される場合を考慮する。複数の音情報が同時に出力されている場合には、ユーザの音量調整ボリュームによる音量操作は、ナビゲーション機能による道案内音声について適用される。BGM音楽は逆方向操作となる。
【0023】
すなわち、ユーザは道案内音声を大音量で聞きたいときには、音量調整ボリュームを右回り操作することによって操作量に応じて大きな音量で聴くことができる。同時に、オーディオ機能によるBGM音楽は操作量に応じて小さな音量で出力されるようになる。
【0024】
逆に、ユーザが道案内音声を聞きたくない場合には、音量調整ボリュームを左回り操作することによってその操作量に応じて音を小さく(ミュート)することができる。同時に、オーディオ機能によるBGM音楽はその操作量に応じて大きな音量で出力されるようになる。尚、BGM音楽を大音量にする実施形態を示しているが、必要に応じてオーディオ機能の音量を一定に保持するようにしても良い。
【0025】
このような音量調整機能を有する車両用マルチメディアシステムの音量調整処理の電気的ブロックの内部処理の具体例について図3を用いて説明する。図3は、車両用マルチメディアシステムの動作をフローチャートにより概略的に示している。まず、音情報出力装置2は、音情報(音声情報)を作成し出力音調整装置3に出力する(S1)。次に、出力音調整装置3は、音調整デバイス5の操作情報、音出力優先度記憶装置6に記憶された優先順位情報から音量を調整制御する(S2)。出力音調整装置3は、音量調整された音を音出力装置4から出力する(S3)。ここで、音情報の割込み(例えば、BGMが流れている最中に道案内音声が流れる)が発生したものと仮定する。
【0026】
出力音調整装置3は、ユーザが音調整デバイス5の音量調整ボリュームを用いて連続的に音量調整しているか否かを判定する(S4)。これは、最後に音調整デバイス5の操作が行われてから所定期間の操作状態を観察し、この操作が観察されれば連続的に音量調整していると判定すると良い。出力音調整装置3がユーザにより連続的に音量調整がなされていると判定すると(S4:YES)、ステップS4に戻って連続的に音量調整がなされないようになるまで繰り返し観察する。
【0027】
出力音調整装置3は、音調整デバイス5により音量調整がなされていないと判定すると(S4:NO)、例えばユーザにより音調整ボリュームが右回転操作されたときには、優先順位の高い音情報の音量を調整量分上げると共に、優先順位の低い音情報の音量を調整量分下げる(S5)。すると、ユーザは優先順位の高い音情報を優先的に聴くことができる。逆に、ユーザにより音調整ボリュームが左回転操作されたときには、優先順位の高い音情報の音量を調整量分下げると共に、優先順位の低い音情報の音量を調整量分上げる。
【0028】
このときの音量設定方法は、特に限られないものの、前回出力時にユーザにより調整された音量に応じた数値を記憶し、当該数値を変更して設定する方法が挙げられる。また、他の設定値を記憶したり、出力音または基準音との差分を記憶して設定したりする方法もある。
【0029】
その後、出力音調整装置3は、再送が必要な音声であるか否かを判定し(S6)、再送処理が必要な音声であれば音出力装置4に再送を行う(S7)が、再送が必要なければ再送処理を行わない。再送処理とは、優先順位が所定よりも高い音情報(例えば緊急警報音声、周囲センサ音など)のようにユーザが音声内容を冒頭から聞くべき内容である場合に行う処理であり、優先度の高い順に必要に応じて設定される。この再送処理は、ユーザ指示により再送を行っても良いし、優先順位が所定よりも高い音声内容を包含している場合には、ユーザ指示を待機するまでもなく自動的に行うようにしても良い。この場合、音声内容が再出力されるため、ユーザによる聞き逃しを極力防止できる。また、音量を上げる操作が行われたことを条件として再送処理を行ってもよく、逆に、音量を下げる操作が行われたことを条件として音情報の出力をキャンセルしたり、再送処理を行わないようにしたりしても良い。
【0030】
音情報の報知が終了した場合には、ユーザによる音量調整指示を受付ける前の音量状態に戻すと良い。この場合、音情報の音量を一時的に調整できるようになり、ユーザにとって利便性が向上する。また、音情報の報知が終了した場合でも、音量調整後のままの音量を維持するようにしても良い。
【0031】
例えば特許文献1記載の技術思想のように、優先順位により音量が強制的に固定される場合には、ユーザの意図と関係なく調整が行われてしまうため、ユーザ所望の音量に調整することができない。また、道案内音声のような人名に関わるほどの緊急警告ではないものの、ユーザにとって不利益の可能性のある音情報であったとしても、例えば自宅近くなどユーザが既知の道案内音声である場合にはユーザは当該音情報を必要としない。他にも同時出力される音情報の組み合わせ、外的要因やユーザが欲している情報によって、その音量がその状況で最もユーザが求めている状態になるとは限らない。つまり、音量はその場面(シーン)毎に調整する必要がある。しかし、複数の音情報の音量を同時にしかも簡単に調整するのは困難度が高い。
【0032】
本実施形態によれば、ユーザにより音調整デバイス5の音量調整ボリュームが回転操作されると、この操作指示を受付け、優先順位の高い音情報の音量調整を優先して行い、優先順位の低い音情報の音量調整を逆方向に行うようにしているため、特に優先順位の高い音情報の音量についてユーザ所望の音量に調整できる。また、優先順位の低い音情報の音量についてユーザ所望の調整方向とは逆方向に調整できる。これにより、ユーザは直感的な操作を行うだけで所望の音量に調整することができ、新たな音量操作方法を覚える必要がなくなる。ユーザが、音調整デバイス5として音量調整ボリュームにより音量調整するときには音量を調整しやすい。
【0033】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態ではユーザが手動で音量調整する形態を示しているが、本実施形態では、音量調整指示トリガを受け付けると優先度の高い音情報について自動的に調整するようにしたところが異なる部分となる。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
【0034】
本実施形態では、音量調整処理をユーザ操作によるトリガ受付に応じて行うものであると考慮して以下の説明を行う。すなわち、本実施形態では、音調整デバイス5としては、トリガを発生するための各種ボタン、各種スイッチなどが適している。この場合、ユーザが音量を調整しやすくなる。
【0035】
図4は、図3に代わるフローチャートを概略的に示している。この図4に示すように、音情報出力装置2は、音情報(音声情報)を作成し出力音調整装置3に出力する(T1)。次に、出力音調整装置3は、音量を調整制御する(T2)。次に、出力音調整装置3は、音量調整された音を音出力装置4から出力する(T3)。出力音調整装置3は、ユーザの音調整デバイス5の操作によるトリガを受け付けると、音量調整指示トリガを受け付けたと判定し(T4:YES)、優先順位の高い音情報の音量を割込み前の優先順位の低い音情報の音量に合わせる(T5)。次に、出力音調整装置3は、優先順位の低い音情報の音量を優先順位の高い音情報の音量から一定値下げるように調整し(T6)、音出力装置4から出力する。具体的には、BGM音が流れている最中に緊急の重要警告情報のような割込みが入った場合には、音調整デバイス5のユーザ操作によるトリガを受付けると、重要警告情報の音量をBGM音の音量に合わせ、BGM音の音量を一定値だけ自動的に下げて調整する。
【0036】
この場合、優先順位の高い音情報は、優先順位の低い音情報よりも高い音に自動的に調整されるため、ユーザは優先順位の高い音情報を良好に聴くことができる。このとき、急激に音量を変更するとユーザが意図しない大音量になる可能性があるため、例えば一定時間かけて滑らかに音量を変更したり、音情報の性質によって音量の上限値を設定したりすると良い。
【0037】
本実施形態によれば、ユーザの音調整デバイス5の操作によるトリガを受け付けると、音量調整指示トリガを受け付けたと判定し、優先順位の高い音情報の音量を割込み前の優先順位の低い音情報の音量に合わせて調整するため、ユーザは優先順位の高い音情報を聴き取りやすくなる。優先順位の高い音情報と優先順位の低い音情報との2種類の異なる音情報の音量を逆転して調整しているため、ユーザが優先順位の高い音情報をより聴きやすくなる。
【0038】
本実施形態は、人命に大きく関わる重要警告情報などを素早く正しく確実にユーザに情報伝達する必要のある音情報を伝えるときに特に効果が発揮される。また車両運転中には、運転者は操作が限られるため、本実施形態のような音調整処理を用いると特に効果的である。
【0039】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
第2の実施形態では、ステップT5、T6の処理に代えて、出力音調整装置3にマイクを接続して構成し、当該マイクにより車両内の騒音環境を測定、評価し、この騒音環境に応じて優先順位の高い音情報または/および低い音情報の音量を調整しても良い。
【0040】
前述実施形態では、再送が必要な音情報の場合には、再送処理を行うようにしているが、この場合、再音声ボタンを設けて構成すると良い。第1の実施形態の場合、再音声ボタンの押下を受付けた後、音調整デバイス5の音量調整ボリュームを調整受付可能に構成すると良い。また、第2の実施形態の場合、再音声ボタンの押下を受け付けた後、音調整デバイス5のボタンなどのトリガを受付可能に構成すると良い。
【0041】
第1の実施形態に示した音調整方法を通常の音情報割込みに用いて、第2の実施形態に示した音調整方法を重要警告音声の割込みに用いるなど、同一の車載機器1内で音情報の種類に応じて使い分けることでさらに最適な音情報の環境を提供できる。
【0042】
例えば自宅の近くなどの道案内音声のように、ユーザが道案内を必要としない場合がある。この場合、本実施形態に示すように、ユーザが道案内を必要としないときに合わせて音量を調整することができる。
【0043】
他にも同時出力される音声の組合せ、外的要因、ユーザの求める情報に応じて、その音量がその状況でユーザが最も求めている状態になるとは限らない。そのため、音量を周囲環境(例えば、日昼などに走行する場合と夜など静粛に走行する場合)、走行環境(分岐路通過前の距離に応じた道案内)毎に調整すると良い。
【符号の説明】
【0044】
図面中、1は車両用マルチメディアシステム(車載機器)、2は音情報出力装置、3は出力音調整装置、4は音出力装置、5は音調整デバイス、6は音出力優先度記憶装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器が互いに異なる複数の音情報を報知制御するための出力音制御方法において、
ユーザによる音量調整の方向指示を受付けると前記複数の音情報のうち優先順位の低い音情報よりも高い音情報の音量を前記音量調整の方向指示に応じて行うと共に前記優先順位の低い音情報の音量を前記音量調整の方向指示とは逆方向に行うようにして前記複数の音情報の音量を調整することを特徴とする車載機器の出力音制御方法。
【請求項2】
音量ボリュームにより音量調整の方向指示を受付けることを特徴とする請求項1記載の車載機器の出力音制御方法。
【請求項3】
車載機器が互いに異なる複数の音情報を報知制御するための出力音制御方法において、
ユーザによる音量調整指示を受付けると前記音量調整指示に応じて前記複数の音情報のうち優先順位の低い音情報よりも優先順位の高い音情報の音量調整を優先して行うようにすると共に、前記優先順位の低い音情報の音量調整を優先して行わないようにして前記複数の音情報の音量を調整することを特徴とする車載機器の出力音制御方法。
【請求項4】
トリガを発生するボタンの押下により音量調整指示を受付けることを特徴とする請求項3記載の車載機器の出力音制御方法。
【請求項5】
音量調整指示を受け付けると、優先順位の高い音情報の音量を優先順位の低い音情報の音量に合わせて調整することを特徴とする請求項3または4記載の車載機器の出力音制御方法。
【請求項6】
前記複数の音情報として2種類の異なる音情報が報知されているときには、
前記2種類の音情報の音量を逆転するように音量調整することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の出力音制御方法。
【請求項7】
前記複数の音情報のうち優先順位の高い音情報の報知が終了した場合には、ユーザによる音量調整指示を受付ける前の音量状態に戻すことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の車載機器の出力音制御方法。
【請求項8】
前記複数の音情報のうち優先順位の高い音情報の報知が終了した場合でも音量調整されたままの音量を維持することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の車載機器の出力音制御方法。
【請求項9】
前記複数の音情報の中に優先度が所定値よりも高い音声内容を包含している場合には、ユーザによる音量調整指示が終了した後に、前記音声内容を再出力制御することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の車載機器の出力音制御方法。
【請求項10】
互いに異なる複数の音情報を報知制御するための制御手段を備え、
前記制御手段は、ユーザによる音量調整の方向指示を受付けると前記複数の音情報のうち優先順位の低い音情報よりも高い音情報の音量を前記音量調整の方向指示に応じて行うと共に前記優先順位の低い音情報の音量を前記音量調整の方向指示とは逆方向に行うようにして前記複数の音情報の音量を調整することを特徴とする車載機器。
【請求項11】
互いに異なる複数の音情報を報知制御するための制御手段を備え、
前記制御手段は、ユーザによる音量調整指示を受付けると前記音量調整指示に応じて前記複数の音情報のうち優先順位の低い音情報よりも高い音情報の音量調整を優先して行うようにすると共に、前記優先順位の低い音情報の音量調整を優先して行わないようにして前記複数の音情報の音量を調整することを特徴とする車載機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−70155(P2012−70155A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212249(P2010−212249)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】