説明

車載機器制御システム

【課題】車載機器を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときに、特定の車載機器だけを作動させるようにする車載機器制御システムを提供すること。
【解決手段】操作者が車両から離れていて不在のときに車載ネットワークを介して接続される複数の車載機器3〜13を制御する車載機器制御システムSYSは、複数の車載機器3〜13に電源装置1からの電気エネルギーを供給させる電気エネルギー供給手段PS11と、電気エネルギーが供給された複数の車載機器3〜13のうちの一部の車載機器4〜13の作動を停止させる作動停止手段PS12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときにそれら車載機器を制御する車載機器制御システムに関し、特に、電気エネルギーの供給が同時に開始される複数の車載機器のうちの一部の車載機器だけを継続的に作動させるようにする車載機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者不在時に車室内の温度上昇等に起因して発生する人物や愛玩動物等の事故、又は、物品等の破裂若しくは変形を防止することができる車両用制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この車両用制御システムは、RFIDタグを保持した幼児が車室内に存在することを無線タグ検出手段で検出し、かつ、温度センサで測定した車室内温度が予め設定された温度を超えた場合に、カーエアコンを作動させることによって車室内温度の調整を自動的に行うようにする。
【0004】
通常、カーエアコンは、IGリレー(イグニッションスイッチをオンしたときに通電状態となるスイッチである。)を介してバッテリに接続されており、カーエアコンを作動させるためにはそのIGリレーを通電状態にする必要がある。
【0005】
また、IGリレーは、カーエアコンの他にも多くの車載機器をバッテリに接続させるので、カーエアコンを作動させるには他の多くの車載機器を同時に作動させる必要がある。
【特許文献1】特開2006−224894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、車室内温度が設定温度を超えた場合にカーエアコンを作動させることを開示するが、カーエアコンと同時に作動させた他の車載機器の制御については何ら開示しておらず、その車両用制御システムは、運転者が不在の間、他の車載機器を作動させたままにしてしまう場合がある。
【0007】
上述の点に鑑み、本発明は、車載機器を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときに、特定の車載機器だけを作動させるようにする車載機器制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る車載機器制御システムは、操作者が車両から離れていて不在のときに車載ネットワークを介して接続される複数の車載機器を制御する車載機器制御システムであって、複数の車載機器に電源装置からの電気エネルギーを供給させる電気エネルギー供給手段と、電気エネルギーが供給された複数の車載機器のうちの一部の車載機器の作動を停止させる作動停止手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第二の発明は、第一の発明に係る車載機器制御システムであって、車室内の空調装置を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときに該空調装置を制御する不在時空調制御手段を備え、前記電気エネルギー供給手段は、前記空調装置を含む複数の車載機器に電源装置からの電気エネルギーを供給させ、前記作動停止手段は、前記不在時空調制御手段が前記空調装置を作動させた場合、前記空調装置の作動の停止を禁止することを特徴とする。
【0010】
また、第三の発明は、第一又は第二の発明に係る車載機器制御システムであって、前記作動停止手段は、灯火装置、ワイパー装置、侵入センサ、計器用照明装置、ナビゲーションシステム、パワーウィンドウ、電動ドアロック、電動ステアリングロック、パワーステアリング、又は、電動パーキングブレーキの作動を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上述の手段により、本発明は、車載機器を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときに特定の車載機器だけを作動させるようにする車載機器制御システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明に係る車載機器制御システムの構成例を示すブロック図であり、車載機器制御システムSYSは、バッテリ1、IGリレー2、各種車載機器(空調装置3、灯火装置4、ワイパー装置5、計器用照明装置6、ナビゲーションシステム7、パワーウィンドウ8、侵入センサ9、電動ドアロック10、電動ステアリングロック11、パワーステアリング12、及び、電動パーキングブレーキ13である。)、及び、電源投入システムPSを含み、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載ネットワークを介してIGリレー2と各種車載機器と電源投入システムPSとを接続し、電力線及びIGリレー2を介してバッテリ1と各種車載機器とを接続する。
【0014】
なお、図1の破線は、車載ネットワークを形成する信号線を示し、図1の実線は、各種車載機器からIGリレー2を経てバッテリ1に接続される電力線を示す。また、電源投入システムPSは、図1の太線で示すように、バッテリ1に常時接続されている。
【0015】
バッテリ1は、各種車載機器に電気エネルギーを供給する車載電源装置であり、例えば、12V鉛蓄電池である。
【0016】
IGリレー2は、バッテリ1と各種車載機器との間の通電・非通電状態を切り換えるスイッチであり、例えば、ソレノイドスイッチであって、電源投入システムPSが車載ネットワークを介して出力する通電・非通電信号に応じて通電・非通電状態を切り換える。
【0017】
IGリレー2が通電状態になると、バッテリ1は、各種車載機器に対して電気エネルギーを供給し、各種車載機器は、電気エネルギーの供給に応じて起動する。
【0018】
空調装置3は、車室内の空気状態(温度、湿度、空気清浄度、又は、空気の流れ等である。)を調整するための装置であり、例えば、カーエアコンであって、インストルメントパネル等に設置された操作ボタンを介して入力される操作者の操作に応じて冷房機、暖房機、除湿器、加湿器、空気清浄機、ルーバー等の各種装置を作動させる。
【0019】
また、空調装置3は、電源投入システムPSが車載ネットワークを介して出力する空調作動信号に応じて作動し、操作者が車室内にいない場合であっても、車室内の空調を自律的に制御することができる。
【0020】
灯火装置4は、車両に搭載される照明装置であり、例えば、ヘッドライト、テールランプ、フォグランプ、ストップランプ、ウィンカー等がある。
【0021】
ワイパー装置5は、ウィンドウに付着した水滴等を拭き取るための装置であり、例えば、フロントガラス用のフロントワイパーやリアガラス用のリアワイパー等がある。
【0022】
計器用照明装置6は、計器類の視認性を高めるための照明装置であり、例えば、スピードメータやタコメータ等の表示又は照明に利用されるLED(Light Emitting Diode)等がある。
【0023】
ナビゲーションシステム7は、GPS(Global Positioning System)機能により取得される車両の位置情報と、ハードディスクやDVD等に記憶された地図情報とに基づいて目的地までの経路を示し、車両を誘導するためのシステムである。
【0024】
パワーウィンドウ8は、電動アクチュエータを用いてドアウィンドウを自動的に開閉させる装置である。
【0025】
侵入センサ9は、車室内に侵入する動体(人間)を検出するためのセンサであり、例えば、超音波、電波又は赤外線等を用いて車室内の所定位置を通過する動体を検出する接近センサがある。
【0026】
電動ドアロック10は、電動アクチュエータを用いてドアを自動的に施錠・解錠するための装置であり、電動ステアリングロック11は、電動アクチュエータを用いてハンドルを固定し、そのハンドルを回転できないようにするための装置である。
【0027】
パワーステアリング12は、コラムシャフト部に取り付けられたモータと減速機の働きにより、操舵時にアシストトルクを発生させ、ステアリング操作力を軽減させるための装置である。
【0028】
電動パーキングブレーキ13は、電動アクチュエータを用いてパーキングブレーキによる制動力を自動的に発生又は解除させるための装置である。
【0029】
電源投入システムPSは、各種車載機器への電気エネルギーの供給、及び、各種車載機器の起動・停止を制御するための車載装置であり、例えば、バッテリ1に常時接続され、車載ネットワークを介して、IGリレー2のソレノイドスイッチのオン・オフを切り換えるための通電・非通電信号をIGリレー2に対して出力したり、空調装置3を起動させるための空調作動信号を空調装置3に対して出力したりする。
【0030】
図2は、電源投入システムPSの構成例を示すブロック図であり、電源投入システムPSは、制御装置PS1、通信装置PS2、車室内環境センサPS3及びエンジンスイッチPS4を含む。
【0031】
制御装置PS1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであって、例えば、不在時空調制御手段PS10、電気エネルギー供給手段PS11及び作動停止手段PS12のそれぞれに対応するプログラムをROMに記憶しながら、各手段に対応する処理をCPUに実行させる。
【0032】
通信装置PS2は、車両外部との通信を制御するための装置であり、例えば、車載機器制御システムSYSを遠隔操作するための携帯端末(図示せず。)と制御装置PS1との間の通信を制御するための装置であって、特定小電力無線周波数を利用して運転者が携帯するリモートコントローラが発信する遠隔制御信号を受信したり、携帯電話周波数を利用して運転者が携帯する携帯電話と制御装置PS1との間の双方向通信を制御したりする。
【0033】
通信装置PS2は、携帯端末が遠隔制御信号に含めて出力する識別番号に基づいてその携帯端末の認証を行い、認証された携帯端末からの遠隔制御信号のみを受け付けるようにする。
【0034】
車室内環境センサPS3は、車室内の環境(温度、湿度、空気清浄度、照度等を含む。)を検知するための装置であり、例えば、車室内の一箇所又は複数箇所に設置される温度センサや湿度センサであって、各種測定値を制御装置PS1に出力する。
【0035】
エンジンスイッチPS4は、手動でエンジンを始動させるためのスイッチであり、例えば、ステアリングコラム付近に取り付けられた押しボタン式のスイッチである。
【0036】
次に、制御装置PS1が有する各種手段について説明する。
【0037】
不在時空調制御手段PS10は、操作者が車両から離れて不在であるときに空調装置3を制御するための手段であり、例えば、通信装置PS2を介して受信したリモートコントローラからの空調作動信号に応じてIGリレー2に通電信号を出力してバッテリ1から空調装置3への電気エネルギーの供給を開始させ、かつ、空調装置3に空調作動信号を出力して空調装置3による空調を開始させるようにする。
【0038】
また、不在時空調制御手段PS10は、車室内環境センサPS3の出力に基づいて車室内の温度、湿度、空気清浄度又は照度等(以下、「温度等」とする。)が所定の温度等に達したか否かを判定し、車室内の温度等が所定の温度等に達したと判定した場合に空調装置3に空調作動信号を出力して空調装置3による空調を開始させるようにしてもよい。
【0039】
この場合、操作者は、空調装置3による空調を開始させるための条件(以下、「開始条件」とし、例えば、温度等の条件である。)を予め設定しておき、かつ、操作ボタン等を介して不在時における空調装置3の自律的な作動開始を明示的に許可しておくようにする。不在時に空調装置3をむやみに作動させないようにするためである。
【0040】
なお、不在時空調制御手段PS10は、操作者が設定した時刻に空調装置3による空調を開始させるようにしてもよく、操作者が設定した時刻以降であって、所定の開始条件を満たす場合に、空調装置3による空調を開始させるようにしてもよい。
【0041】
また、不在時空調制御手段PS10は、開始条件が満たされた場合、その旨を後述の作動停止手段PS12に出力し、空調装置3の作動が自動操作によるものであることを作動停止手段PS12に通知する。
【0042】
電気エネルギー供給手段PS11は、電源装置から各種車載機器への電気エネルギーの供給を開始させるための手段であり、例えば、バッテリ1と各種車載機器との間に配置されるIGリレー2であって、それらの間の通電・非通電を切り換えるIGリレー2に対し車載ネットワークを通じて通電・非通電信号を出力し、バッテリ1から各種車載機器への電気エネルギーの供給を制御する。
【0043】
作動停止手段PS12は、各種車載機器の作動を停止させるための手段であり、例えば、電気エネルギー供給手段PS11によるバッテリ1からの電気エネルギーの供給開始に応じて起動した車載機器に作動停止信号を出力し、それら車載機器の作動を停止させる。
【0044】
作動停止手段PS12は、不在時空調制御手段PS10の車載ネットワークを通じた出力に基づいて、或いは、エンジンスイッチPS4からの出力に基づいて、電気エネルギー供給手段PS11による電気エネルギーの供給開始が、操作者の手動操作に基づくものか(エンジンスイッチPS4をオンにしたことによるものか)、或いは、不在時空調制御手段PS10等の自動操作に基づくものかを判定し、自動操作に基づくものであると判定した場合に限り、所定の車載機器(例えば、空調装置3である。)以外の車載機器の作動を停止させるようにする。起動させたい車載機器以外の車載機器を起動したまま放置しないようにするためである。
【0045】
次に、図3を参照しながら、車載機器制御システムSYSにおいて電源投入システムPSが空調装置3を継続的に作動させながら空調装置3の作動に関連のない他の車載機器を停止させる処理(以下、「非関連車載機器停止処理」とする。)について説明する。なお、図3は、非関連車載機器停止処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
最初に、電源投入システムPSの制御装置PS1は、不在時空調制御手段PS10により、通信装置PS2を介してリモートコントローラからの制御信号を受信したり、操作者が設定した時刻になったり、或いは、車室内の温度等が操作者によって設定された温度等に達したりしたこと等を確認することで、開始条件が満たされたか否かを判定する(ステップS1)。
【0047】
開始条件が満たされていないと判定した場合(ステップS1のNO)、制御装置PS1は、空調装置3による空調を開始させることなく一旦この処理を終了させる。
【0048】
一方、開始条件が満たされたと判定した場合(ステップS1のYES)、制御装置PS1は、電気エネルギー供給手段PS11により、車載ネットワークを通じてIGリレー2に対して通電信号を出力しバッテリ1と空調装置3を含む各種車載機器との間を通電させる(ステップS2)。
【0049】
その後、制御装置PS1は、バッテリ1から空調装置3に電気エネルギーが供給されて空調装置3が起動した段階で(例えば、通電信号を出力してから所定時間が経過し空調装置3の初期化が終了した後)、不在時空調制御手段PS10により、車載ネットワークを通じて空調装置3に対して空調作動信号を出力し、空調装置3による空調を開始させるようにする(ステップS3)。
【0050】
その後、制御装置PS1は、バッテリ1から空調装置3以外の各種車載機器(例えば、灯火装置4、ワイパー装置5等である。)に電気エネルギーが供給されてそれら車載機器が起動した段階で、作動停止手段PS12により、車載ネットワークを通じてそれら車載機器に対して作動停止信号を出力し、それら車載機器の起動を停止させるようにする(ステップS4)。
【0051】
なお、制御装置PS1は、作動停止手段PS12により、空調装置3以外の各種車載機器に対して作動停止信号を出力した後で、空調装置3に対して空調作動信号を出力するようにしてもよく、空調装置3以外の各種車載機器に対する作動停止信号と空調装置3に対する空調作動信号とを同時に出力するようにしてもよい。また、作動停止信号と空調作動信号とは同じ信号であってもよい。
【0052】
次に、図4を参照しながら、電源投入システムPSによる非関連車載機器停止処理が進行する車載機器制御システムSYSの状態の変化について説明する。なお、図4は、車載機器制御システムSYSの状態の移り変わりを示す図であり、灰色で塗り潰された車載機器は、停止した状態であることを示し、白色で塗りつぶされた車載機器は起動した状態であることを示す。
【0053】
図4(A)は、操作者不在時に全ての車載機器が停止しているときの車載機器制御システムSYSの状態を示し、電源投入システムPSだけにバッテリ1から電気エネルギーが供給されていることを示す。なお、図の太線は、バッテリ1と電源投入システムPSとの間が通電状態であることを示す。
【0054】
この状態において、電源投入システムPSは、例えば、リモートコントローラから遠隔制御信号を受信して、不在時空調制御手段PS10により空調装置3の開始条件が満たされたと判定すると、車載ネットワークを通じてIGリレー2に対して通電信号を出力する。
【0055】
図4(B)は、操作者不在時に電源投入システムPSがIGリレー2に対して通電信号を出力した後の車載機器制御システムSYSの状態を示し、IGリレー2に接続される全ての車載機器にバッテリ1から電気エネルギーが供給されていることを示す。
【0056】
なお、図の一点鎖線は、車載ネットワークを通じて電源投入システムPSからIGリレー2に対して通電信号が出力されたことを示し、図の太線は、バッテリ1と各種車載機器との間が通電状態であることを示す。
【0057】
この状態において、電源投入システムPSは、車載ネットワークを通じて空調装置3以外の車載機器に対して作動停止信号を出力する。
【0058】
図4(C)は、電源投入システムPSが空調装置3以外の車載機器に対して作動停止信号を出力した後の車載機器制御システムSYSの状態を示し、空調装置3以外の車載機器を停止させた状態を示す。
【0059】
なお、図の一点鎖線は、車載ネットワークを通じて電源投入システムPSから空調装置3以外の車載機器に対して起動停止信号が出力されたことを示す。
【0060】
以上の構成により、電源投入システムPSは、起動させたい車載機器だけを起動させながら、それ以外の車載機器を停止させるので、車載機器を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときにも、特定の車載機器だけを選択的に作動させることができる。
【0061】
また、電源投入システムPSは、起動させたい車載機器以外の車載機器を停止させ、それら車載機器で消費される電気エネルギーの量を低減させることができ、また、起動させたい車載機器の連続稼働可能時間を延長させることができる。
【0062】
また、電源投入システムPSは、操作者不在時に空調装置3による空調を開始させた場合に灯火装置4、ワイパー装置5、計器用照明装置6及びナビゲーションシステム7等の作動を停止させるので、空調装置3による空調に関連のない車載機器を意味もなく作動させたままにしてしまうのを防止することができる。
【0063】
また、電源投入システムPSは、操作者不在時に空調装置3による空調を開始させた場合に侵入センサ9の作動を停止させるので、空調による風の吹き出し等により車室内の物(例えば、カーテンである。)が動くことで侵入者の存在を誤検出してしまうのを防止することができる。
【0064】
また、電源投入システムPSは、操作者不在時に空調装置3による空調を開始させた場合にパワーウィンドウ8、電動ドアロック10、パワーステアリング12及び電動パーキングブレーキ13等の作動を停止させるので、車室内に留め置かれたペット等によりパワーウィンドウ8、電動ドアロック10、パワーステアリング12及び電動パーキングブレーキ13等が誤って操作されてしまうのを防止することができる。
【0065】
また、電源投入システムPSは、操作者不在時に空調装置3による空調を開始させた場合に電動ステアリングロック11の作動を停止させるので、ステアリングロックが誤って解除され盗難に対するセキュリティレベルが低下してしまうのを防止することができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0067】
例えば、上述の実施例において、電源投入システムPSは、操作者不在時に空調装置3だけを作動させる場合に利用されるが、遠隔操作によりセキュリティに関する装置(例えば、侵入センサ9、電動ドアロック10及び電動ステアリングロック11である。)だけを作動させる場合に利用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る車載機器制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】電源投入システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】非関連車載機器起動停止処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】車載機器制御システムの状態の移り変わりを示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 バッテリ
2 IGリレー
3 空調装置
4 灯火装置
5 ワイパー装置
6 計器用照明装置
7 ナビゲーションシステム
8 パワーウィンドウ
9 侵入センサ
10 電動ドアロック
11 電動ステアリングロック
12 パワーステアリング
13 電動パーキングブレーキ
PS 電源投入システム
PS1 制御装置
PS2 通信装置
PS3 車室内環境センサ
PS4 エンジンスイッチ
PS10 不在時空調制御手段
PS11 電気エネルギー供給手段
PS12 作動停止手段
SYS 車載機器制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が車両から離れていて不在のときに車載ネットワークを介して接続される複数の車載機器を制御する車載機器制御システムであって、
複数の車載機器に電源装置からの電気エネルギーを供給させる電気エネルギー供給手段と、
電気エネルギーが供給された複数の車載機器のうちの一部の車載機器の作動を停止させる作動停止手段と、
を備えることを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項2】
車室内の空調装置を操作できる操作者が車両から離れていて不在のときに該空調装置を制御する不在時空調制御手段を備え、
前記電気エネルギー供給手段は、前記空調装置を含む複数の車載機器に電源装置からの電気エネルギーを供給させ、
前記作動停止手段は、前記不在時空調制御手段が前記空調装置を作動させた場合、前記空調装置の作動の停止を禁止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。
【請求項3】
前記作動停止手段は、灯火装置、ワイパー装置、侵入センサ、計器用照明装置、ナビゲーションシステム、パワーウィンドウ、電動ドアロック、電動ステアリングロック、パワーステアリング、又は、電動パーキングブレーキの作動を停止させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−196481(P2009−196481A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39701(P2008−39701)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】