説明

車載用アンテナシステム

【課題】車載用アンテナシステムにおいて、コンパクトな構成で指向性に偏りがある電波を効果的に送受信する。
【解決手段】給電点21からそれぞれ反対方向に延びる給電点側平板22と各給電点側平板から折れ曲がる各先端側平板24とを含む複数の折板エレメント25を備え、各板状ダイポールアンテナ12の複数の折板エレメント25の各給電点側平板22の各平板面を略同一方向となるように配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用アンテナシステムの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アナログ方式のテレビ放送に代わり、映像や音声を0と1のデジタル信号に置き換えることにより、より高品質で、ゴーストや雑音のない映像と音声とを受信することができるデジタル方式のテレビ放送が開始されている。デジタル方式のテレビ放送は、静止衛星を使用した衛星放送でも行われているが、地上に立てたアンテナからテレビ電波を放射する地上波放送においても、このデジタル方式が採用されており、地上デジタルテレビ放送と呼ばれている。
【0003】
この地上デジタルテレビ放送を、自動車のような車両に搭載されたテレビで受信して視聴する場合は、ポール状アンテナを車両の外部に設置することが考えられる。しかし、ポール状アンテナは車両の外部にアンテナが突出するために車両の見栄えが悪くなるという問題があった。
【0004】
このため、地上デジタルテレビ放送用の極超短波(UHF)を送受信するために、車両のフロントガラスなどの誘電体にアンテナエレメントを配置し、給電点を車体に近接させたループアンテナが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1には、複数のループアンテナを車両に搭載し、受信した信号の電圧の高いアンテナを選択してその出力をテレビに出力するように構成する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−80999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されたループアンテナは、指向性が強いアンテナであることから、例えば、特許文献1の図11のように車両のフロントガラスにアンテナを取付けた場合、電波を受信することができる範囲は車両の前方に限られてしまうという問題がある。特許文献1の図5に記載されているようにフロントガラスに2つのループアンテナを取付けても、車両前方の受信範囲は多少広がるものの、車両の左右方向からの電波を受信することができないという問題があった。また、地上デジタルテレビ放送に用いられる極超短波(UHF)はFM,AM放送などのように全方向の指向性が無く、指向性に偏りがあることから、アンテナの指向性が広い範囲をカバーしていない場合には、車両の位置によっては放送を受信できない場合があるという問題があった。
【0007】
このため、地上デジタルテレビ放送用の極超短波(UHF)を送受信するためのアンテナとして、例えば、図6に示すように、2つの板状ダイポールアンテナ120を車両110の後方に設けられたバンパ130の中の車体の角の部分に設けた車載用アンテナシステム100が用いられている。図7、図8に示すように、各板状ダイポールアンテナ120はそれぞれ中央の給電点121から両側に向かって延びる平板エレメント122と、各平板エレメント122に平行に設けられた導体の副エレメント123を備えている。板状ダイポールアンテナ120は平板エレメント122に設けられた取り付けラグ125によって樹脂製のバンパ130の内面に取付けられている。各板状ダイポールアンテナ120はそれぞれ車両側面側に車両前後方向の中心線140に対して傾斜し、各平板エレメント122,123の面が車両前後方向及び車両左右方向に対する投影面を持つよう配置されている。
【0008】
このように平板エレメント122、副エレメント123を車両前後方向の中心線140に対して斜めに配置することによって、各平板エレメント122,123によって車両の前後方向及び左右方向の電波を同時に捉えられるようにしている。そして、各板状ダイポールアンテナ120で受信した信号を合成し図9に示すような車載用アンテナシステム100の指向特性を得ている。図9において、図中央の四角部分は車両と車両の両角に設けられた2つの板状ダイポールアンテナ120の配置を示したものであり、図中の同心円は利得を示し、外側に行くほど利得が大きくなるような座標となっている。また、図の左右方向の軸は車両の左右方向を示し、図9の上方向は車載用アンテナシステム100が設けられている車両の後方を示し、図9の下方向は車両の前方を示す。図9に示すように、板状の2つのダイポールアンテナが車両の各角に設けられているので、車両の後方向に加え、車両の左右方向にも指向性を得ることができている。図9中の車両前方側は車両110に隠れてしまうため、アンテナの利得は低くなっている。
【0009】
図6〜8に示すような車載用アンテナシステム100は、車両110の意匠上の要求から、車両110の外部に出ないようにバンパ130またはエアスポイラ等の樹脂製の車両用外装品の内部に設けられていることが多い。ところが、このような車両外装品には、たとえば、歩行者衝撃吸収材、或いは各種ランプなどが取付けられるため、内部にもこれらの部品の取り付けスペースが必要となってくるので、良好なアンテナ特性が得られるような位置にアンテナを斜めに配置できない場合がある。
【0010】
ところが、平板エレメント122、副エレメント123を斜めに取付けずに各エレメント122,123の面が同一方向となるように配置すると、各エレメント122,123の面に沿った方向の指向性が低くなってしまう。このため、各アンテナエレメント122,123の面が車両の左右方向となるように車両に配置すると、特許文献1に記載された従来技術と同様、車載用アンテナシステム100の車両110の左右方向の指向性が低くなり、車両110の位置によっては、地上デジタルテレビ放送に用いられる極超短波(UHF)のように指向性に偏りがある電波を受信できない場合があるという問題があった。
【0011】
本発明は、車載用アンテナシステムにおいて、コンパクトな構成で指向性に偏りがある電波を効果的に送受信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、中空体の車両用外装品の内部に並べて離間配置される複数の板状ダイポールアンテナを含む車載用アンテナシステムであって、各板状ダイポールアンテナは、給電点から一方に延びる平板エレメントと、給電点から平板エレメントと反対方向に向かって沿って延びる給電点側平板と給電点側平板から折れ曲がる先端側平板とを含む折板エレメント又は、給電点からそれぞれ反対方向に延びる給電点側平板と各給電点側平板から折れ曲がる各先端側平板とを含む複数の折板エレメントを備え、各板状ダイポールアンテナの各平板エレメントと各折板エレメントの各給電点側平板の各平板面又は、各板状ダイポールアンテナの複数の折板エレメントの各給電点側平板の各平板面が、略同一面で、かつ、略同一の直線方向に沿って延びるように配置され、各板状ダイポールアンテナの各平板エレメントと各折板エレメントの各給電点側平板又は、複数の折板エレメントの各給電点側平板は、それぞれ車両の左右方向に対してこれらの板面が垂直方向に面するように配置され、各板状ダイポールアンテナの各折板エレメントの各先端側平板は、それぞれ車両の前後方向に対してこれらの板面が垂直方向に面するように配置されること、を特徴とする。
【0013】
本発明に係る車載用アンテナシステムは、望ましくは、各板状ダイポールアンテナは、各給電点にそれぞれ位相調整器が接続され、地上デジタルテレビ用周波数帯の電波を送受信するアンテナである。
【0014】
本発明の関連技術に係る車載用アンテナシステムは、中空体の車両用外装品の内部に設けられ、複数の板状ダイポールアンテナを含む車載用アンテナシステムであって、各板状ダイポールアンテナは、給電点から一方に延びる平板エレメントと、給電点から平板エレメントと反対方向に向かって沿って延びる給電点側平板と給電点側平板から折れ曲がる先端側平板とを含む折板エレメント又は、給電点からそれぞれ反対方向に延びる給電点側平板と各給電点側平板から折れ曲がる各先端側平板とを含む複数の折板エレメントを備え、各板状ダイポールアンテナの各平板エレメントと各折板エレメントの各給電点側平板の各平板面又は、各板状ダイポールアンテナの複数の折板エレメントの各給電点側平板の各平板面が略同一方向となるように配置されたこと、を特徴とする。
【0015】
本発明の車載用アンテナシステムにおいて、折板エレメントの折り曲げ角度は90度以上であり、先端側平板の長さは折板エレメント全長の1/2以下であること、としても好適であるし、各板状ダイポールアンテナは、地上デジタルテレビ用周波数帯の電波を送受信するアンテナであること、としても好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、車載用アンテナシステムにおいて、コンパクトな構成で指向性に偏りがある電波を効果的に送受信することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における車載用アンテナシステムを搭載した車両の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における車載用アンテナシステムの構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態における車載用アンテナシステムの板状ダイポールアンテナを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における車載用アンテナシステムの指向性を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施形態における車載用アンテナシステムの板状ダイポールアンテナを示す斜視図である。
【図6】従来技術における車載用アンテナシステムを搭載した車両の斜視図である。
【図7】従来技術における車載用アンテナシステムの構成を示す説明図である。
【図8】従来技術における車載用アンテナシステムの板状ダイポールアンテナを示す説明図である。
【図9】従来技術における車載用アンテナシステムの指向性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態の車載用アンテナシステム10は、車両11の後方に設けられた樹脂製のバンパ30の中に設けられた2つの板状ダイポールアンテナ12を備えている。図2に示すように、各板状ダイポールアンテナ12はそれぞれ車両11の前後方向の中心線40と車両の左右の側面11a,11bとの間に設けられている。車載用アンテナシステム10はUHF周波数帯のうち周波数範囲が470MHzから770MHzの地上デジタルテレビ放送用の電波を送受信するものである。
【0019】
図3に示すように、板状ダイポールアンテナ12は中央の給電点21からそれぞれ反対方向に延びる給電点側平板22と、給電点側平板22から折れ曲がった先端側平板24とを含む折板エレメント25を給電点21の両側に備えている。折板エレメント25は薄い金属板によって構成されていてもよいし、誘電体の板の上に導電性フィルムを貼ったり導電性の塗装をしたりして構成されるようにしてもよい。折板エレメント25の給電点21からの折れ曲がり方向に沿った全長はL0であり、先端側平板24の長さL2は折板エレメント25の全長L0の1/2の長さとなっている。この先端側平板24の長さL2は折板エレメント25の全長L0の1/2以下であれば1/2で無くともよく、例えば、全長の1/3などであってもよい。また、給電点側平板22の長さL1は折板エレメント25の全長L0の1/2となっている。折板エレメント25の全長L0は、470MHzから770MHzの周波数範囲の地上デジタルテレビ放送用の電波を送受信することができるよう、例えば、電気長が周波数590MHzの1/4波長となるように構成してもよい。また、折板エレメント25の先端側平板24の給電点側平板22からの折れ曲がり角度は略90度で、給電点側平板22と先端側平板24とは略直角となっている。この折り曲げ角度は90度以上であってもよい。
【0020】
図3に示すように、板状ダイポールアンテナ12は各給電点側平板22と同一面で、各給電点側平板22に沿って延びる帯板状の副エレメント23が設けられている。副エレメント23は各折板エレメント25の各給電点側平板22と結合共振を起こし、板状ダイポールアンテナ12の送受信可能な周波数帯域を広げるためのものである。副エレメント23の長さは各折板エレメント25の各給電点側平板22の長さL1の略2倍の長さとなっている。
【0021】
図2に示すように、各板状ダイポールアンテナ12は、各折板エレメント25の給電点側平板22に設けられた取り付けラグ27によって、各折板エレメント25の各給電点側平板22の各平板面が略同一方向となるように樹脂製のバンパ30の内側に取付けられている。本実施形態では、各給電点側平板22の各平板面は車両11の幅方向である左右方向に略平行で、車両11の後端面11cに沿うように配置されている。また、各折板エレメント25の先端側平板24は給電点側平板22と略直角となっていることから、先端側平板24の平板面は車両11の後端面11cと略垂直の方向となっており、車両の側面11a,11bに略平行となっている。本実施形態では、各先端側平板24は折り曲げ方向が車両11の側となるように取付けられているが、折り曲げ方向が車両11と離れる方向に取付けてもよい。
【0022】
2つの板状ダイポールアンテナ12は車両11の前後方向の中心線40からそれぞれ距離Wの位置に配置されている。距離Wは各板状ダイポールアンテナ12の間隔Dが互いに干渉しないような距離、例えば、Dが共振周波数における電波の波長の5/4(電気長の5/4の長さ)となる寸法となっている。本実施形態で、折板エレメント25の長さL0が共振周波数における電波の波長の1/4である場合、各給電点側平板22の長さはそれぞれ共振周波数における電波の波長の1/8となるので、間隔Dを共振周波数における電波の波長の長さとする場合には、距離Wは1/8+(5/4)/2=3/4、すなわち共振周波数における電波の波長の3/4となる。
【0023】
図2に示すように、各板状ダイポールアンテナ12の各給電点21にはそれぞれ位相調整器50が接続されている。位相調整器50は、たとえばLC回路などで構成され、各板状ダイポールアンテナ12への給電位相を変化させることができるものである。そして、例えば、各板状ダイポールアンテナ12への給電位相を位相ずれが0度の同一位相とすると、2つの板状ダイポールアンテナ12の合成された指向性、すなわち車載用アンテナシステム10の指向性は車両の前後方向に強く、車両の左右方向に弱くなり、逆に、2つの板状ダイポールアンテナ12への給電位相を180度ずらすと、合成された車載用アンテナシステム10の指向性は左右方向に強く、車両の前後方向には弱くなる。位相調整器50によって各板状ダイポールアンテナ12の給電位相を調整することによって前後方向、及び左右方向の合成された指向性を所望の形状とすることができる。
【0024】
以上説明したように構成された車載用アンテナシステム10によって、周波数範囲が470MHzから770MHzの地上デジタルテレビ放送用の電波の送受信を行う場合について説明する。
【0025】
地上デジタルテレビ放送用の電波が、車両の前後方向に向かって送信されている場合には、その平板面が車両11の前後方向にほぼ垂直となっている折板エレメント25の各給電点側平板22が電波を受け、折板エレメント25が共振して電波を受信する。また、地上デジタルテレビ放送用の電波が、車両の左右方向に向かって送信されている場合には、その平板面が車両11の左右の側面11a,11bに沿った方向に略垂直となっている各折板エレメント25の各先端側平板24が電波を受け、折板エレメント25が共振して電波を受信する。また、車両の前後方向の中心線40から90度以内で傾いた方向から電波が送信されている場合には、各給電点側平板22及び先端側平板24がそれぞれ電波を受けて折板エレメント25が共振して電波を受信する。また、副エレメント23は折板エレメント25が共振する際に結合共振を起こすので、車載用アンテナシステム10の受信可能周波数帯域が広がり、470MHzから770MHzの周波数帯において必要な利得を得ることができる。
【0026】
図4に車載用アンテナシステム10の周波数590MHzにおける水平面内の指向性を示す。図4において、図中央の四角部分は車両と車両の後方に設けられた各板状ダイポールアンテナ12の各折板エレメント25の配置を示したものであり、図中の同心円は利得を示し、外側に行くほど利得が大きくなるような座標となっている。また、図の左右方向の軸は車両の左右方向を示し、図の上方向は車載用アンテナシステム10が設けられている車両の後方を示し、図の下方向は車両の前方を示す。図4に示すように、各板状ダイポールアンテナ12は、車両11の前後方向に対して平面が略垂直となるように配置された給電点側平板22と車両11の左右方向に対して平面が略垂直となるように配置された先端側平板24とを備えていること、及び、位相調整器50によって各板状ダイポールアンテナ12の給電点21への給電位相を調整しているので、車両11の前後方向、左右方向とも略同等の利得を得ることができ、地上デジタルテレビ放送用の電波のように指向性に偏りのある電波を効果的に送受信することができる。なお、図中の車両前方側の指向性が低くなっているのは、車両11が車載用アンテナシステム10の遮蔽となってしまうためである。車両前方方向については、例えば、車両前方にもう1つ車載用アンテナシステム10を設けることによって必要な利得を得ることができる。
【0027】
また、本実施形態の車載用アンテナシステム10は、各板状ダイポールアンテナ12の各折板エレメント25の各給電点側平板22の各平板面が略同一方向となるように配置しても、図4に示すように、先に図9に示した従来技術の車載用アンテナシステム100の指向性と略同等の指向性を得ることができるので、図6から図9に示した従来技術の車載用アンテナシステムのように、各板状ダイポールアンテナ12を車両の角部に斜め方向に向けて設ける必要がなく、コンパクトな配置とすることができ、小さな車両外装品の内部にも設置することができるという効果を奏する。
【0028】
以上述べたように、本実施形態の車載用アンテナシステム10は、コンパクトな構成で地上デジタルテレビ放送用の電波のように指向性に偏りのある電波を効果的に送受信することができるという効果を奏する。
【0029】
本実施形態の車載用アンテナシステム10では、板状ダイポールアンテナの先端側平板24の長さは折板エレメント25全体の1/2として説明したが、必要とされる指向性によって、その折曲げ長さを変化させてもかまわない。また、指向性に合わせて各板状ダイポールアンテナ12の設置間隔を変化させてもかまわない。また、本実施形態の車載用アンテナシステム10では、車両11の後部に取付けられたバンパ30の内部で車両の前後方向の中心線40の左右にそれぞれ板状ダイポールアンテナ12を配置したものとして説明したが、本実施形態が取付けられる車両用外装品はバンパ30に限られず、樹脂製の中空品であればエアスポイラ等他の外装品であってもかまわない。また、車両用外装品の内部に収納される板状ダイポールアンテナは2つに限らず、それ以上の数としてもよい。
【0030】
以下、図5を参照しながら本発明の他の実施形態について説明する。先に説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
【0031】
本実施形態の車載用アンテナシステム10は、図5に示すように、板状ダイポールアンテナ12を、給電点21から一方に延びる平板エレメント26と、給電点21から平板エレメント26と反対方向に向かって沿って延びる給電点側平板22と給電点側平板22から折れ曲がる先端側平板24と、を含む折板エレメント25によって構成したもので、平板エレメント26と折板エレメント25の給電点側平板22の平板面は略同一方向となるように構成されている。平板エレメント26の給電点21からの長さは、例えば、共振周波数における電波の波長1/4とすることができる。そして、この板状ダイポールアンテナ12の先端側平板24がそれぞれ図2に示す車両11の各側面11a,11b側となるように、先に説明した実施形態と同様に配置される。各板状ダイポールアンテナ12の各平板エレメント26の間隔は先の実施形態と同様、Dが共振周波数における電波の波長5/4となるように配置し、それに伴って各板状ダイポールアンテナ12の給電点21の中心線40からの距離Wは先に図2で説明した実施形態よりも少し長くする。例えば、各平板エレメント26の間隔Dを共振周波数における電波の波長の5/4とする場合、距離Wは1/4+(5/4)/2=7/8なる。すなわち共振周波数における電波の波長の7/8となる。
【0032】
本実施形態は、先に図1から図4を参照して説明した実施形態と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0033】
10,100 車載用アンテナシステム、11,110 車両、11a,11b 側面、11c 後端面、12,120 板状ダイポールアンテナ、21,121 給電点、22 給電点側平板、23,123 副エレメント、24 先端側平板、25 折板エレメント、26,122 平板エレメント、27,125 取り付けラグ、30,130 バンパ、40,140 中心線、50 位相調整器、D 間隔、W 距離。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空体の車両用外装品の内部に並べて離間配置される複数の板状ダイポールアンテナを含む車載用アンテナシステムであって、
各板状ダイポールアンテナは、
給電点から一方に延びる平板エレメントと、給電点から平板エレメントと反対方向に向かって沿って延びる給電点側平板と給電点側平板から折れ曲がる先端側平板とを含む折板エレメント又は、
給電点からそれぞれ反対方向に延びる給電点側平板と各給電点側平板から折れ曲がる各先端側平板とを含む複数の折板エレメントを備え、
各板状ダイポールアンテナの各平板エレメントと各折板エレメントの各給電点側平板の各平板面又は、各板状ダイポールアンテナの複数の折板エレメントの各給電点側平板の各平板面が、略同一面で、かつ、略同一の直線方向に沿って延びるように配置され、
各板状ダイポールアンテナの各平板エレメントと各折板エレメントの各給電点側平板又は、複数の折板エレメントの各給電点側平板は、それぞれ車両の左右方向に対してこれらの板面が垂直方向に面するように配置され、
各板状ダイポールアンテナの各折板エレメントの各先端側平板は、それぞれ車両の前後方向に対してこれらの板面が垂直方向に面するように配置されること、
を特徴とする車載用アンテナシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−51718(P2013−51718A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234058(P2012−234058)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【分割の表示】特願2007−295212(P2007−295212)の分割
【原出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
【Fターム(参考)】