説明

車載用モニター装置

【課題】内装パネルとモニターの画面表示部との一体感を確立して意匠性を高める。
【解決手段】車載用モニター装置であって、内装パネル(スモークパネル22)の内面に電極シート26が貼付けられ、かつ、この電極シートの内側にモニター30が組付けられている。そして、内装パネルはモニター30の画像を表示する範囲が透明に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のセンタークラスタやインストルメントパネル等の内装パネルに、カーナビゲーション画像やテレビ画像を表示するモニターが設けられた車載用モニター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の内装パネルは、その意匠性を考慮してラウンド形状が採用される傾向にある。例えばセンタークラスタにおいては、表面が車内側へ膨らんだ曲面形状になっている。このような内装パネルにモニター装置を装着する場合、内装パネルに開口を形成し、そこに平板状のモニターを組付けている。
なお、車載用モニター装置に関する一般的な技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−210193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの車載用モニター装置では、曲面形状の内装パネルの一部にモニターの平坦な画面が存在することになり、内装パネルとの一体感が損なわれ、意匠性が低下する。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、内装パネルとモニターの画面表示部との一体感を確立して意匠性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
車載用モニター装置であって、内装パネルの内面に電極シートが貼付けられ、かつ、この電極シートの内側にモニターが組付けられている。そして、内装パネルはモニターの画像を表示する範囲が透明に設定されている。
【0007】
より好ましくは、透明素材からなる内装パネルの内面の全範囲に、モニターの画像を表示する範囲が透明で他の範囲が不透明の目隠しシートが貼付けられ、この目隠しシートの内側に電極シートが貼付けられていることである。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、内装パネルが曲面形状であっても、モニター用の開口を開けることなく、その内側に平板状のモニターを組付けて内装パネルの表面側に画像を表示できるため、内装パネルとモニターの画面表示部との一体感を確立でき、意匠性を高めることができる。
【0009】
また、内装パネルの内面に貼付けられる目隠しシートにおいて、モニターの画像が表示される範囲を切り抜くことなく透明にすることで、その内側に電極シートを面一状に貼付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】車室内の前方を表した斜視図。
【図2】モニター装置を表した分解斜視図。
【図3】モニター装置を表した正面図。
【図4】図3のA−A矢視方向の断面図。
【図5】図3のB−B矢視方向の断面図。
【図6】図5の一部を拡大して表した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1で示すように、車内におけるフロントシート10の前方にはインストルメントパネル12が位置しており、インストルメントパネル12の車幅方向の中間にセンタークラスタ14が位置している。そして、このセンタークラスタ14にはカーナビゲーション画像やその他の各種画像を表示するモニター装置20が設けられている。
【0012】
モニター装置20は、センタークラスタ14の意匠面を構成するスモークパネル22(内装パネル)の表面にモニター30の画像が表示されるようになっている。このスモークパネル22は透明の樹脂材で成形され、画像表示部22aおよび操作表示部22bを備えている。
スモークパネル22は、センタークラスタ14の意匠性を高めるためのラウンド形状になっている。つまり、スモークパネル22の画像表示部22aは、車幅方向に関して車内側へ膨出した曲面形状になっている(図2あるいは図3)。また、操作表示部22bは、車幅方向ならびに上下方向に関して共に車内側へ膨出した球曲面形状になっている。
【0013】
スモークパネル22の内面には、このスモークパネル22とほぼ同じ外形をした目隠しシート24が貼付けられている(図6)。目隠しシート24は、透明のシートに対してモニター30の画像を表示する範囲を残して黒色を施したもので、画像を表示するための透明部分24aと、その他の不透明部分24bとからなっている(図6)。なお、図2および図3において、スモークパネル22の画像表示部22aに示されている矩形線は、目隠しシート24の透明部分24aと不透明部分24bとの境界線であり、スモークパネル22の形状を示すものではない。
【0014】
目隠しシート24の内側には、二つの電極シート26,27が貼付けられる。一方の電極シート26はマトリックスタイプで、スモークパネル22の画像表示部22aの内側に位置する。この電極シート26は、画像表示部22aに表示される画像のアイコンなどをタッチすることによる静電容量の検出信号を制御基板34に発信する。他方の電極シート27は、操作表示部22bの内側に位置し、ここに表記されている印刷記号をタッチすることによる静電容量の検出信号を制御基板34に発信する。
【0015】
スモークパネル22は、その外周に取付けられたスチール製のベゼル29を介して樹脂製のリテーナ28にビス止めされる。このリテーナ28は、モニター30用の開口部28aと、複数個の投光孔28bと、ケーブル孔28cとを備えている。
モニター30は平板状の液晶パネルであり、モニターカバー32に組付けられた状態でその表示面をリテーナ28の開口部28aに位置させ、かつ、モニターカバー32がリテーナ28にビス止めされる。これにより、曲面形状のスモークパネル22の内側に平板状のモニター30が組付けられたことになる(図4、図5)。
【0016】
制御基板34はモニターカバー32の背面にビス止めされ、LED基板36はリテーナ28における開口部28aの下部背面にビス止めされる。LED基板36に設けられている各LEDの光は、リテーナ28の各投光孔28bを通じてスモークパネル22の操作表示部22bの表記部を照明する。また、リテーナ28のケーブル孔28cには、電極シート26,27と制御基板34とを接続するケーブルを挿通させる。
リテーナ28には、モニター30(モニターカバー32を含む)、制御基板34およびLED基板36を被った状態で樹脂製のケース38がビス止めされる(図4、図5)。このケース38が、図1の状態で車体側に組付けられる。
【0017】
以上のように構成されたモニター装置20において、スモークパネル22の画像表示部22aは意匠性を考慮した曲面形状であり、その内側に組込まれるモニター30は平板状であるが、画像表示部22aに開口などを開けることなく、この画像表示部22aにモニター30の画像を表示できる。また、スモークパネル22の内側に電極シート26が貼付けられており、画像表示部22aに表示されるモニター30のアイコンなどをスモークパネル22の表面からタッチすることで、各種の切替え操作を行うことができる。そして、内装パネルであるスモークパネル22は、その画像表示部22aを含めて一体感が保たれ、センタークラスタ14としての意匠性が高められる。
【0018】
スモークパネル22の内面に貼付けられる目隠しシート24は、前述のように画像を表示するための透明部分24aと黒色が塗布された不透明部分24bとからなっている。したがって、目隠しシート24の内側に貼付けられる電極シート26が該目隠しシート24と面一状に接合する。これにより、例えば目隠しシート24において画像が表示される範囲を切り抜いた場合の不具合、つまり目隠しシート24の切り抜き部に電極シート26が入り込んで切り抜き部の縁との間に隙間が生じることが解消される。
【0019】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えばモニター装置20を構成するセンタークラスタ14のスモークパネル22は、インストルメントパネル12やその他の内装パネルを利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
20 モニター装置
22 スモークパネル(内装パネル)
26 電極シート
30 モニター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用モニター装置であって、
内装パネルの内面に電極シートが貼付けられ、かつ、この電極シートの内側にモニターが組付けられ、内装パネルはモニターの画像を表示する範囲が透明に設定されている車載用モニター装置。
【請求項2】
請求項1に記載された車載用モニター装置であって、
透明素材からなる内装パネルの内面の全範囲に、モニターの画像を表示する範囲が透明で他の範囲が不透明の目隠しシートが貼付けられ、この目隠しシートの内側に電極シートが貼付けられている車載用モニター装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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