説明

車載用電子機器

【課題】本発明は、車載用電子機器において、構成の簡素化を図ることを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、本体ケース7と、この本体ケース7の前面側に設けた表示部8と、この表示部8の表示内容を変更する操作部9と、この操作部9の操作を車両走行中には無効化する無効化手段と、前記操作部9および前記表示部8に接続された制御部10とを備え、前記表示部8に無効化解除キー15、16、17を表示させるとともに、この無効化解除キー15、16、17のキー操作手順を報知する報知手段18、19、20を前記本体ケース7の背面側21に設け、これにより所期の目的を達成するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に搭載される車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種車載用電子機器の構成は、以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、本体ケースと、この本体ケースの前面側に設けた表示部と、この表示部の表示内容を変更する操作部と、この操作部の操作を車両走行中には無効化する無効化手段と、前記操作部および前記表示部に接続された制御部とを備え、前記無効化手段の解除手段を前記本体ケースから遠く離れた位置に配置した構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−164565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すなわち、上記従来例においては、車両運転中には操作部の操作を行わせないことで安全性を高めている。また、運転者とは異なる同乗者が操作部の操作を行うときには解除手段を操作することで無効化手段を解除し、これにて操作部の操作が行えるようになっている。
【0006】
しかしながら、このような構成とした場合には、本体ケースから遠く離れた位置に解除手段を別個に配置しなければならず、構成が複雑化するという課題があった。
【0007】
そこで本発明は、構成の簡素化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明は、本体ケースと、この本体ケースの前面側に設けた表示部と、この表示部の表示内容を変更する操作部と、この操作部の操作を車両走行中には無効化する無効化手段と、前記操作部および前記表示部に接続された制御部とを備え、前記表示部に無効化解除キーを表示させるとともに、この無効化解除キーのキー操作手順を報知する報知手段を前記本体ケースの背面側に設け、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本体ケースと、この本体ケースの前面側に設けた表示部と、この表示部の表示内容を変更する操作部と、この操作部の操作を車両走行中には無効化する無効化手段と、前記操作部および前記表示部に接続された制御部とを備え、前記表示部に無効化解除キーを表示させるとともに、この無効化解除キーのキー操作手順を報知する報知手段を前記本体ケースの背面側にものであるので、構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
すなわち、本発明においては、前記表示部に無効化解除キーを表示させるとともに、この無効化解除キーのキー操作手順を報知する報知手段を前記本体ケースの背面側にものであるので、無効化解除キーおよびそのキー操作手順を報知する報知手段を本体ケースに一
体的に配置することができ、これにより構成の簡素化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における車載用電子機器を車両に搭載した状態を示す正面図
【図2】同車載用電子機器の正面図
【図3】同車載用電子機器の平面図
【図4】同車載用電子機器の側面図
【図5】同車載用電子機器の斜視図
【図6】同車載用電子機器の制御ブロック図
【図7】同車載用電子機器の動作状態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1において、1は車両を示し、室内2の右手前方にはハンドル3が配置されている。また、ハンドル3に対向させて右側には運転席4、左側には助手席5が配置されている。さらに、ハンドル3の左手前方で運転席4と助手席5の間部分には、車載用電子機器の一例として、カーナビゲーション装置6が配置されている。
【0014】
このカーナビゲーション装置6は図2から図5に示すように、扁平状態の本体ケース7とこの本体ケース7の前面側に配置された表示部8とこの表示部8内に配置された操作部9とを備えている。
【0015】
このような構成の本体ケース7は、図5に示すように運転席4に座った運転者に向かって傾斜した状態で配置されている。
【0016】
つまり、この表示部8および操作部9が運転者に見えやすい状態として配置されているのであるが、車両1が走行中は操作部9の操作は無効化することとなっている。つまり、図6に示すごとく前記表示部8および操作部9は、制御部10に接続されており、この制御部10に車速センサ11から車両1の走行状態が伝達され、そのときには操作部9の操作を無効化する無効化手段(図示せず)が制御部10内に構成されているのである。
【0017】
この無効化手段については、すでによく知られていることであるので、ここではこれ以上の説明は省略するが、本実施形態においても後述のごとく、助手席5に座る同乗者は、この無効化手段を解除することができるようになっている。
【0018】
なお、図6に示す12は、表示部8に表示させる地図情報等を記憶した記憶装置であり、この記憶装置12とジャイロセンサ13、GPS14によって図2に示すようなカーナビゲーション動作が行われるようになっている。
【0019】
以上の構成において、走行中に表示部8の操作部9を操作しようとして、指を触れると図2に示すごとく表示部8の一端側に縦方向に3つの無効化解除キー15、16、17が表示される。
【0020】
したがって、これらの3つの無効化解除キー15、16、17を適切に操作しなければ以降の操作はできないこととなる(図7のS1〜S3)。
【0021】
さて、本実施形態においては、この無効化解除キー15、16、17のキー操作手順を
報知する報知手段として、発光部18、19、20を本体ケース7の背面側に縦方向に配置した。
【0022】
具体的には、前記本体ケースの背面側の一端側と他端側には、図3に示すごとく、表示部8の内方に向けて傾斜した傾斜面21、22を設けているが、これら傾斜面のうち、一端側の傾斜面21が同乗者側であるので、本実施形態のおいては、こちら側の傾斜面に上述した発光部18、19、20を縦方向に配置している。
【0023】
本実施形態において、上述したように、車両1の走行中で操作部9の操作が行われると、図2に示すごとく、無効化解除キー15、16、17が表示部8に表示されることとなる(図7のS4)。
【0024】
本実施形態においては、無効化解除キー15、16、17の解除を行わせるキー操作手順は、ランダムなものとなっており、毎回の操作の都度に変更されるようになっている。今回は図7のS5に示したように、1,3,1を入力すれば、この無効化が解除されるようになっている。この状態において、それを同乗者に知らせるべく、まずは最初の1は、発光部18を点灯させることになる(図7のS6)。
【0025】
したがって、同乗者は、発光部18に対向する無効化解除キー15を操作することになる。
【0026】
制御部10の無効化手段は、発光部18で報知した手順と実際に操作された無効化解除キー15が合致するか否かを判定し、合致すれば次の3を操作させるべく、S5へと戻る(図7のS7、S8、S9)。
【0027】
したがって、今度は3に対応して発光部20が点灯するので、同乗者は無効化解除キー17を操作することになり、同じように最後の1に対応して発光部18が点灯するので、同乗者は無効化解除キー15を操作することになる。このようにして、3つの1、3、1が入力されると、無効化手段の無効化が解除され、表示部8には解除の文字が表示され(図7のS10)、続いて、図6に示す発音部23から「ピンポン」と発音され(図7のS11)、これにより、同乗者による操作部9の操作が実行されることになる(図7のS12)。
【0028】
なお、S7やS8での操作が不適切である場合には、図7のS13で操作部9の操作が無効となる。
【0029】
また、S8で操作が不適切であった場合は、表示部8には無効の表示がされ(図7のS14)、続いて発音部23から「ブブー」の発音がされるようになっている。
【0030】
以上の説明で理解されるように、本実施形態においては、走行中における操作部9の操作を行おうとするときには、発光部18、19、20の案内に従って、無効化解除キー15、16、17を操作することが必要となる。
【0031】
ここで、重要なことは、発光部18、19、20は本体ケース7の背面側で、その一端側(同乗者側)に配置したので、運転席4に座る運転者からは確認することができず、つまり、走行中は運転者は操作部9の操作を行うことができないということである。
【0032】
一方、助手席5に座る同乗者は、この発光部18、19、20を目視確認することができるので、この同乗者は極めて容易に発光部18、19、20の表示案内内容を確認し、無効化解除キー15、16、17を適切に操作することができる。
【0033】
つまり、走行中であっても同乗者は、操作部の操作を極めて容易に行うことができ、使い勝手の良いものになる。
【0034】
本実施形態においては、同乗者からの操作がさらに容易に行えるようにするために、上述のごとく前記本体ケースの背面側の一端側に表示部8の内方に向けて傾斜した傾斜面21を設けたので、同乗者からはこの傾斜面21に配置した発光部18、19、20の発行状態を極めて見やすくなるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の車載用電子機器は、したがって、カーナビゲーション装置としての活用が期待される。
【符号の説明】
【0036】
1 車両
2 室内
3 ハンドル
4 運転席
5 助手席
6 カーナビゲーション装置
7 本体ケース
8 表示部
9 操作部
10 制御部
11 車速センサ
12 記憶装置
13 ジャイロセンサ
14 GPS
15、16、17 無効化解除キー
18、19、20 発光部
21、22 傾斜面
23 発音部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースの前面側に設けた表示部と、この表示部の表示内容を変更する操作部と、この操作部の操作を車両走行中には無効化する無効化手段と、前記操作部および前記表示部に接続された制御部とを備え、
前記表示部に無効化解除キーを表示させるとともに、この無効化解除キーのキー操作手順を報知する報知手段を前記本体ケースの背面側に設けた車載用電子機器。
【請求項2】
前記表示部には、縦方向に複数の無効化解除キーを表示させ、これら複数の無効化解除キーに対応させて複数の報知手段を本体ケースの背面側に縦方向に配置した請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
本体ケースの背面側の少なくとも一端側には、表示部の内方に向けて傾斜した傾斜面を設け、この傾斜面に報知手段を配置した請求項1または2に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−250678(P2012−250678A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126986(P2011−126986)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】