車載発電機用の制御装置
【課題】整流モジュール内で発生する異常に対して、迅速に異常状態を他の整流モジュールにも伝達でき、これによって保護動作を迅速に行えるようにする。
【解決手段】発電機1の巻線2u〜2zの各端子からの交流出力を整流モジュール3u〜3zにより整流してバッテリ8に充電する。整流モジュール3u〜3zは2個のMOSFET4a、4bのオン状態で逆方向に通電させることでダイオード5a、5bの電圧降下よりも低いオン抵抗による電圧降下で充電動作を行わせる。過熱や過電圧の異常状態を検出する回路を内部に備え、異常を検出するとMOSFET4a、4bを保護動作すると共に、他の整流モジュールにダイアグ信号を送信して同様に保護動作させる。このとき、整流モジュール間の通信は、レギュレータ7の一定周期のF信号に同期させるので、複数の異常検出信号を送信することができる。
【解決手段】発電機1の巻線2u〜2zの各端子からの交流出力を整流モジュール3u〜3zにより整流してバッテリ8に充電する。整流モジュール3u〜3zは2個のMOSFET4a、4bのオン状態で逆方向に通電させることでダイオード5a、5bの電圧降下よりも低いオン抵抗による電圧降下で充電動作を行わせる。過熱や過電圧の異常状態を検出する回路を内部に備え、異常を検出するとMOSFET4a、4bを保護動作すると共に、他の整流モジュールにダイアグ信号を送信して同様に保護動作させる。このとき、整流モジュール間の通信は、レギュレータ7の一定周期のF信号に同期させるので、複数の異常検出信号を送信することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載発電機の交流発電出力をMOSFETにより整流して直流に変換する構成の車載発電機用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に搭載される車載発電機としては、ダイオードを使った整流装置を用いて交流出力を整流して直流に変換し、これを車載バッテリに充電する構成のものがあった。しかし、ダイオードを用いる構成では、ダイオード自体で発生する順方向の電圧降下(Vf)分により発電効率を悪化させる問題がある。そこで、ダイオードをMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)に置き換え、整流時に模すMOSFETのオンオフを制御することで従来損失する順方向電圧降下Vf分をオン抵抗Ron分で発生する電圧降下に低減させて効率化する技術がある(MOSレクチファイア)。
【0003】
この場合、MOSFETのオンオフを制御するための構成として、例えば6相整流器なら6個の整流モジュールを設けている。この構成では、ダイオード式の整流と異なりMOSFETのオンオフの制御により充電動作の制御が可能であるので、各相の整流モジュールにおいて過電圧・過熱などの不具合が発生した時に各相が協調して保護動作を行うなどの制御をすることができる。
【0004】
この点、特許文献1に示されるものでは、発電制御を担う制御用ICに、その制御用ICがモニタしている相電圧に対しオフセットを付けて異常通知する方式を採用している。これにより、制御用ICは発電機の交流出力に対してバッテリの保護動作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−512131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような方式では、各整流モジュールは異常検知に基づいて制御用ICに異常の通知を行い、保護動作を制御用IC側から各整流モジュールに対して行う構成であるから、異常が発生した時点から時間遅れをもって対処することになり、MOSFETの制御性を有効に活用した迅速な対応ができないという課題が残る。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、整流モジュール内で発生する異常に対して、迅速に異常状態を他の整流モジュールにも伝達でき、これによって保護動作を迅速に行えるようにした車載発電機用の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の車載発電機用の制御装置によれば、車載発電機からの交流出力に対して、各相に対応して設けられた整流モジュール内の2個のMOSFETが通電制御回路により、バッテリに対して充電する方向の電流が流れるタイミングでオン状態となるようにオンオフ制御され、これによって、MOSFETのオン時に流れる電流がオン抵抗で消費される電力のみが損失となるので、ダイオード整流の場合に比べて低損失で充電を行うことができるようになる。そして、整流モジュール内での異常が異常検出手段により検出されると、保護回路は、レギュレータから入力しているロータコイル励磁用で繰り返し周期が一定のF信号に同期させて異常を示すダイアグ信号を他の整流モジュールに対して信号線を介して伝達するとともに通電制御回路に対して保護動作を行わせる。また、他の整流モジュールにおいては、信号線を介してF信号に同期しているダイアグ信号を受信すると、通電制御回路に保護動作を行わせる。これにより、整流モジュール同士がダイアグ信号を直接授受することで異常状態に対応した保護動作を行え、レギュレータを介して異常状態に対する保護動作を行う場合に比べて迅速に対処することができる。
【0009】
請求項2の車載発電機用の制御装置によれば、上記発明において、異常検出手段として、MOSFETの過熱状態を検出する過熱検出回路を設けたので、整流動作を行うためのMOSFETが過電流などで過熱状態になった場合でも、迅速にこれに対処させることができる。
【0010】
請求項3の車載発電機用の制御装置によれば、請求項1の発明において、異常検出手段として、バッテリの過電圧を検出する過電圧検出回路を設けたので、バッテリの端子電圧が何らかの異常で過電圧状態となった場合に、これに対応して整流モジュールの保護動作を行わせることができるようになる。
【0011】
請求項4の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、整流モジュールの保護回路を、信号線を介して他の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路にダイアグ信号を伝達するように構成したので、いずれかの相における整流モジュールの異常の発生を他の全ての相の整流モジュールに迅速に伝達することができ、これによって保護回路による発電機全体の保護動作を迅速に実行させることができる。
【0012】
請求項5の車載発電機用の制御装置によれば、請求項1ないし3の発明において、整流モジュールを、複数相を複数のグループに分けてその各相に対応して設け、整流モジュールの保護回路を、信号線を介してグループ内の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路にダイアグ信号を伝達するように構成したので、いずれかの相における整流モジュールの異常の発生を迅速にグループ内の他の全ての相の整流モジュールに伝達することができ、これによって保護回路による保護動作を迅速に実行させることができると共に、異常が発生していない他のグループの整流モジュールの動作を継続させて発電によるバッテリ充電動作を維持させることができる。
【0013】
請求項6の車載発電機用の制御装置によれば、請求項4および5の発明において、整流モジュールの保護回路を、レギュレータにも信号線を介してダイアグ信号を伝達させるように構成したので、整流モジュールにおいて発生している異常状態をレギュレータにも伝達して必要に応じて発電機全体のレベルで異常対応動作を実施することができるようになる。
【0014】
請求項7の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、整流モジュールの保護回路を、F信号を入力するとその周期を示すエッジを検出してそのタイミングで同期をとるように構成したので、エッジを検出したタイミングから次のエッジを検出するまでを1周期として認識してダイアグ信号を送信することができ、これによって、例えばレギュレータのF信号の周期が個別に異なる場合や経年変化を生じる場合でも、整流モジュール側でF信号の周期を自動的に検出することができ、整流モジュール間での同期を確実にとることができる。
【0015】
請求項8の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、整流モジュールの通電制御回路を、保護動作としてMOSFETに対してバッテリへの充電動作を停止するように制御させるようにしたので、整流モジュールにより検出した異常状態を迅速に発電制御における保護動作に反映させることができる。
【0016】
請求項9の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、異常検出手段を複数備え、整流モジュールの保護回路を、複数の異常検出手段から出力されるダイアグ信号をF信号に同期した異なるパルス信号により伝達するようにしたので、他の整流モジュールにより受信した際に、F信号に同期させてダイアグ信号を受信することで複数の異常検出手段のいずれのものから発生しているダイアグ信号であるのかを認識して対応する保護動作に適用することができる。
【0017】
請求項10の車載発電機用の制御装置によれば、上記発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、F信号に同期して異なる出力タイミングで異常を示すダイアグ信号として伝達するようにしたので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、時分割されたパルス信号をF信号に同期させて認識することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【0018】
請求項11の車載発電機用の制御装置によれば、請求項9および10の発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、パルス幅を異ならせたダイアグ信号として伝達するようにしたので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、ダイアグ信号のパルス幅を検出することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【0019】
請求項12の車載発電機用の制御装置によれば、請求項9および10の発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、パルスの位置を異ならせたダイアグ信号として伝達するように構成したので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、受信したパルス信号の位置をF信号に同期させて認識することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【0020】
請求項13の車載発電機用の制御装置によれば、請求項9および10の発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、複数ビットのパルスコード信号で表したダイアグ信号として伝達するようにしたので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、パルス信号のコードをF信号に同期させて認識することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態を示す全体の電気的構成図
【図2】整流モジュールの電気的構成図
【図3】レギュレータの電気的構成図
【図4】過熱検出回路の電気的構成図
【図5】過熱異常のときのダイアグ信号の信号波形図
【図6】過熱異常および過電圧異常のダイアグ信号の信号波形図
【図7】正常時の動作説明図
【図8】異常時の動作説明図
【図9】第2実施形態の異常判定回路の電気的構成図
【図10】判定レベルに応じたダイアグ信号波形図
【図11】第3実施形態のF信号の周期判定の説明図
【図12】第4実施形態の全体の電気的構成図
【図13】第5実施形態の全体の電気的構成図
【図14】第6実施形態の全体の電気的構成図
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。本実施形態においては、Y結線の三相デュアル巻線型でとして構成される6相の巻線を有するステータの車載発電機に用いられる制御装置の場合で示す。
【0023】
全体構成を示す図1において、交流発電機(オルタネータ)1は、Y結線の三相デュアル巻線タイプのステータ巻線2を有するもので、ステータ巻線2の相数としては6相備えるものである。各Y結線の巻線2u、2v、2wおよび2x、2y、2zは、それぞれ一端が共通に接続され、他端は各相に対応した整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zの入力端子に接続されている。
【0024】
各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zは、それぞれ整流用の2個のMOSFET4a、4bを直列に接続したものを備え、各MOSFET4a、4bには並列に図示極性のダイオード5a、5bが接続されている。2個のMOSFET4a、4bは制御ユニット6からゲート駆動信号が与えられ、制御ユニット6は、MOSFET4a、4bの制御に加えて、後述するような通信機能および異常検出機能を有する構成とされている。
【0025】
これら各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zは、発電機1の発電量を制御するICであるレギュレータ7からF信号が与えられる。また、各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zのダイアグ信号の授受を行う端子Dは信号線Sにより共通に接続されている。
【0026】
各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zの出力端子は、車載用のバッテリ8の端子間に接続されており、またレギュレータ7はバッテリ8から給電される。レギュレータ7の入力端子Pは、発電機1の巻線2uの他端子側に接続されている。負荷9はスイッチ10を介してバッテリ8に接続されている。また、レギュレータ7は、発電機1のロータ側の励磁用の巻線2fにF信号を与えるように接続されている。
【0027】
次に、各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zの詳細な構成について図2を参照して説明する。整流モジュール3u(他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zも同様の構成であるので省略する)のMOSFET4a、4bのオンオフ制御を行う制御ユニット6は、電源回路11、制御回路12、上段駆動回路13a、下段駆動回路13b、過熱検出回路14、過電圧検出回路15およびダイアグ送受信回路16を備えている。
【0028】
電源回路11は、バッテリ8からの給電を受けて所定電圧の電源を生成するもので、制御ユニット6内の各部に給電をする。また、電源回路11は、下段駆動回路13bには所定電圧を供給し、上段駆動回路13aに対して、ハイサイドのMOSFET4aを駆動する上段駆動回路13a用の昇圧回路を備えており、昇圧した電圧を供給するように構成されている。
【0029】
制御回路12は、MOSFET4a、4bの駆動制御を行う通電制御回路の機能を備えると共に、後述する異常検出動作に基づいてダイアグ信号の送受信および保護動作を行う保護回路としての機能を備えている。過熱検出回路14および過電圧検出回路15は異常検出手段としての機能を有する。過熱検出回路14は、整流モジュール3u内の過熱状態を検出して異常信号を制御回路12に出力する。過電圧検出回路15は、バッテリ8の端子電圧をモニタしており、過電圧状態となっているか否かを判断して異常信号を制御回路12に出力する。
【0030】
ダイアグ送受信回路16は、制御回路12から入力されるダイアグ信号を端子Dから通信線Sを介して他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zに送信し、通信線を介して他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zから受信するダイアグ信号を制御回路12に入力する。この場合、後述するように送信するダイアグ信号はレギュレータ7から入力するF信号に同期した信号として出力するように構成されている。
【0031】
次に、レギュレータ7の構成について図3を参照して説明する。レギュレータ7は、全体を制御する制御ロジック回路17を主体とした構成とされている。レギュレータ7の外部のバッテリ8の正極端子に接続される端子Bと発電制御用の端子Fとの間には、ロータ巻線2f通電用のMOSFET18が接続され、端子Fとアース端子Eとの間には外部のロータ巻線2fが接続され、これらの端子間には還流ダイオード19が接続されている。MOSFET18は、制御ロジック回路17からドライバ20を介してゲート信号が与えられる。ゲート信号は、所定の繰り返し周期(例えば約5ms)でパルス幅を変えることで発電量を制御するF信号として端子Fから出力される。
【0032】
発電回転検出部21は、入力端子Pから発電機1の回転により発生する電圧が入力されるもので、制御ロジック回路17に検出信号を入力する。端子Bは電圧検出用の抵抗22、23の直列回路を介してアースに接続され、抵抗23の分圧出力がオペアンプ24を介してA/D変換回路25に入力されるように構成される。A/D変換回路25のデジタル出力は制御ロジック回路17に入力される。記憶回路26は、制御用の各種データなどが記憶されており、制御ロジック回路17により必要に応じて読み出したり、書き込みを行ったりするように構成されている。
【0033】
制御ロジック回路17は、通信ユニット26を介して外部のECU(electronic control unit)と通信を行い、発電制御の指令信号を受けたり発電機1の発電状態を示す信号を送信したりしている。通信ユニット26は、発電制御受信信号格納部27、発電制御送信信号格納部28、通信コントローラ29および通信ドライバ30などから構成され、発電制御のための受信信号や送信信号を、端子Cを介して外部のECUと授受するように構成される。
【0034】
図4は過熱検出回路14の検出原理を示す電気的構成である。温度を検出する素子として、ダイオードの順方向電圧Vfを利用している。ここでは、直列に接続した複数個のダイオード群31の順方向電圧VFを検出温度信号として用い、電源から電流源回路32を介して一定の電流を供給する構成である。ダイオード群31は、温度検出部位に設けられるもので、ここでは、整流モジュール6内、MOSFET4a、4bのそれぞれ温度を検出するように設けられる。温度検出の原理は、ダイオード群31に定電流を流し、温度が高くなると順方向電圧VFが低下するので検出できる。比較回路33にて判定をすべき温度に相当する順方向電圧VFに対応する基準電圧を与えるように抵抗34、35で設定している。
【0035】
次に本実施形態の作用について図5〜図8も参照して説明する。
図示しないキースイッチが操作されてレギュレータ7に給電されると、入力端子Cを介してエンジンストップアンドスタートECU(図示せず)からの発電電圧指示信号を受け、発電制御の動作を行う。この場合、レギュレータ7は、発電機1が回転して発電可能な状態にあるときには、F端子からロータコイル2fに対して所定の繰り返し周波数のF信号によりデューティ比を制御することで発生する電圧とバッテリ8の端子電圧とを検出しながら発電量を制御する。
【0036】
また、レギュレータ7による発電の制御では、発電機1が回転することにより各相の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zの端子U、V、W、X、Y、Zに発生している電圧が各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zの入力端子に入力される。このとき、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにおいては、端子U、V、W、X、Y、Zに発生している電圧が負でないときにはMOSFET4aをオン状態としてバッテリ8への充電を行い、負のときにはMOSFET4bをオン状態に制御することでアース側からの電流が流れるように制御している。
【0037】
これにより、充電動作を行う際にはMOSFET4a、4bをオンさせることで逆方向の通電時にダイオード5a、5bに通電させるのではなくMOSFET4a、4bを流すようしてオン抵抗分の電圧降下を伴う通電動作を行わせることができる。通常オン抵抗は非常に小さく、通電による電圧降下はダイオードの順方向電圧降下よりも小さくすることができ、これによって電力の損失を低減し、且つ発熱を抑制することができる。
【0038】
図7は通常時の制御について、発電機1の巻線2u、2v、2wの端子に発生するU相、V相、W相の三相の出力について整流モジュール3u、3v、3wの各MOSFET4a、4bのオンオフ動作を示すものである。例えば、図示のようにV相からU相に電流が流れる状態では、U相の整流モジュール3uのMOSFET4aをオン(ON)させると共に、V相の整流モジュール3vのMOSFET4bをオン(ON)させる。また、これ以外のMOSFET4a、4bはオフ(OFF)状態に保持する。
【0039】
以下、発電機1の巻線2u、2v、2wの端子に発生するU相、V相、W相の三相の出力がロータの回転に応じて変化し、これに追随して整流モジュール3u、3v、3wによるMOSFET4a、4bのオンオフ制御を行うように構成されている。
【0040】
また、発電制御を行う際に、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zは、内部において、異常の検出動作および異常検出時の通信動作を行う。整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zに設けられている過熱検出回路14は、制御ユニット6内の温度検出用ダイオードあるいは2つのMOSFET4a、4bの温度を検出するダイオード(代表としてダイオード群31で示している)が温度を検出する動作をしていて、過熱状態が発生すると図4に示しているダイオード群31の順方向電圧VFが低下し、所定電圧以下に低下すると過熱状態が判定され比較回路33から過熱検出信号が出力される。一方、過電圧検出回路15は、バッテリ8の端子電圧を検出していて、所定電圧よりも高い電圧値となった場合に図示しない比較回路により比較を行って過電圧検出信号を出力する。
【0041】
上記のようにして例えば整流モジュール3uにおいて過熱検出信号あるいは過電圧検出信号が発生すると、制御回路12は発生した異常状態を示す信号に基づく保護動作を行うと共にその異常状態を示す信号を他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zに対してダイアグ信号として送信する。ここでは、制御回路12は、レギュレータ7から入力されている所定の繰り返し周期のF信号に同期させてダイアグ信号を出力する。
【0042】
図5(a)はダイアグ信号を出力する側の整流モジュール(ここでは3uに相当)の動作を示しており、整流モジュール3u内の過熱異常が発生して過熱検出信号が出力されると、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングで過熱検出信号がハイレベルのときに次のF信号の周期で過熱異常のダイアグ信号として出力する。この場合、過熱異常を示すダイアグ信号はF信号の周期の後半で出力するように設定されている。なお、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングで過熱検出信号が入力されずロウレベルになったときに次のF信号の周期でダイアグ信号の出力を停止する。この場合、過熱検出信号に基づいた過熱異常を示すダイアグ信号を出力している期間中は、自己の整流モジュール3u内に対して保護フラグを出力する。
【0043】
これに対して、図5(b)に示すように、他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zにおいては、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングを始点として次のF信号の立ち上がりタイミングが来るまでの間にダイアグ信号が入力されるか否かを判定している。そして、図示のように整流モジュール3uから出力されたダイアグ信号が入力されると、制御回路12は、F信号の繰り返し周期のうちの後半でダイアグ信号が検出されるので、過熱異常のダイアグ信号が入力されたことを判定し、次のF信号の立ち上がりタイミングで保護フラグを出力するようになる。なお、F信号の周期内でダイアグ信号が入力されていない状態になると、制御回路12は保護フラグの出力を停止する。
【0044】
次に、異常検出のダイアグ信号が二種類発生した場合について図6を参照して説明する。図6では、過電圧検出回路15による過電圧検出が発生している状態で、過熱検出回路14による過熱検出も発生した状態を示している。レギュレータ7から出力されるF信号は、所定の繰り返し周期Tでそのデューティ比を制御することで発電機1による発電量を制御している。
【0045】
そして、前述のようにダイアグ信号を出力する場合には、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングで過電圧検出回路15から過電圧検出信号が出力されている場合にはダイアグ出力を次のF信号の周期の前半で出力する。また、この状態で過熱検出回路14から過熱検出信号が出力されると、F信号の立ち上がりタイミングで検出された後に次のF信号の周期の後半で過熱異常のダイアグ信号が出力される。過熱異常と過電圧異常との両方が発生している場合には、F信号の周期内で2つのダイアグ信号が出力され、これが他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zに送信される。
【0046】
他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zにおいては、前述同様にしてF信号に同期してダイアグ信号に含まれる異常検出の信号を判定し、これに基づいて保護動作を行う。このとき、F信号の周期内において、前半で検出されるダイアグ信号を過電圧異常の検出信号と判断し、後半で検出されるダイアグ信号を過熱異常の検出信号と判断する。これにより、同時に複数の異常を示すダイアグ信号を受信する場合でも、それぞれについて受信する整流モジュール3v、3w、3x、3y、3z側において異常信号の種類を判別して対応する保護フラグによって保護動作を行うことができる。
【0047】
なお、上記した保護動作の一つとして、例えば過電圧異常の検出信号が発生した場合には、整流モジュール3u内およびこれをダイアグ信号として受信した他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3z内において保護フラグが出力され、図8に示すような保護動作を行う。すなわち、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにおいては、制御回路12がMOSFET4aをオフさせると共にMOSFET4bをオンさせるように制御する。
【0048】
これにより、発電機1の各巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zで発生する発電出力は、整流モジュールのMOSFET4bを通じて短絡された状態に制御されるので、バッテリ8側への充電動作は停止される。これにより、バッテリ8の過電圧状態に対して過剰な充電動作をしないように制御することができる。
【0049】
以上説明したように第1実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
第1に、6相の各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z内で異常状態の発生を異常検出手段である過熱検出回路14あるいは過電圧検出回路15により検出する構成とし、異常が発生すると整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z間でダイアグ信号を直接送受信する構成としたので、異常状態になったときに、レギュレータ7やECUからの制御信号を待つこと無く迅速に対処することができ、MOSFET4a、4bの保護や整流モジュールの保護を確実に行うことができる。また、いずれかの整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zが異常状態を検出すると全ての整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにおいて保護動作を行わせることができるので、他の相に異常が及ぶのを極力抑制することができる。
【0050】
第2に、このように整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z間でダイアグ信号を直接送受信する構成としているので、複雑な制御回路が不要なので低コストで実現可能できる。しかも、整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z間を一本の信号線で共通に接続することで実現できる。
【0051】
第3に、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zは、レギュレータ7が発電制御のために出力する周期が一定のF信号を用いて、同期をとって他の整流モジュールへダイアグ信号を送信する構成としているので、複数種類のダイアグ信号を時分割で送信することができるようになり、整流モジュール間での保護動作を迅速且つ連繋をとりながら実施することができる。
【0052】
(第2実施形態)
図9、図10は第2実施形態を示すもので、以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態では、異常状態が発生している場合に、その異常のレベルを判定してレベルに応じたダイアグ信号を出力することで、保護動作をレベルに応じた適切な対応をさせることができる構成としている。
【0053】
図9は、制御回路12内に設けられた異常検出のレベルを判定してレベルに応じた信号を出力する構成を示している。過熱検出回路14あるいは過電圧検出回路15で検出されるアナログ的な異常検出信号を3個の比較回路36a、36b、36cの各非反転入力端子に入力させる構成とし、各比較回路36a、36b、36cの反転入力端子には異常判定の比較基準レベルが低いものから順に高く設定されるように基準A、基準B、基準Cの電圧が入力されるように構成されている。
【0054】
異常検出信号の検出入力のレベルが基準Aを超えると比較回路36aから検出信号が出力され、基準Bを超えると比較回路36bから検出信号が出力され、さらに基準Cを超えると比較回路36cからも検出信号が出力される。これらの検出信号は異常判定回路37に入力され、クロック信号CLKのタイミングで処理をして検出入力のレベルに応じた検出信号として出力される。ダイアグ出力回路38は、異常判定回路37の検出出力をF信号に同期させてダイアグ信号として出力する。
【0055】
ここで、検出信号のレベルに応じたダイアグ信号の例を図10に示す。図10(a)では、検出信号のレベルが基準Aを超え基準Bを超えていない場合には、ダイアグ信号Aとしてパルス幅が狭い信号をF信号に同期させて出力する。検出信号のレベルが基準Bを超え基準Cを超えていない場合には、ダイアグ信号Bとしてパルス幅がダイアグ信号Aよりも広いダイアグ信号Bとして出力する。さらに、検出信号のレベルが基準Cを超えている場合には、ダイアグ信号Cとしてパルス幅がダイアグ信号Bよりも広いダイアグ信号Cとして出力する。
【0056】
図10(b)の例では、ダイアグ信号A、B、Cのいずれかに応じてパルスの出力タイミング(位置)を順次遅らせて出力するものである。また、図10(c)の例では、ダイアグ信号A、B、Cのいずれかに応じてパルスのコードを「100」、「001」、「111」などに対応させて出力するものである。
【0057】
これにより、このダイアグ信号を受信する側においても、同様の構成を設けてダイアグ信号をF信号に同期させて受信し、パルス幅、パルス位置あるいはパルスコードを判定することで異常検出信号のレベルを認識することができる。また、これによって、異常検出のレベルに応じた保護動作を行う場合には、迅速に対応することができる。
【0058】
(第3実施形態)
図11は第3実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、レギュレータ7からのF信号の周期Tが変動してもこれに対応して同期をとることができる構成としたことである。すなわち、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zの制御回路12には、F信号が入力されるとその立ち上がりタイミングでパルスを出力するエッジ検出の回路と、通常はカウンタ出力を「1」としてエッジ検出のパルスが出力されるとカウンタ出力を「0」とするカウンタ回路を設けている。
【0059】
これにより、例えば図11(a)に示すように、レギュレータ7からのF信号が周期T1で与えられている場合に、カウンタ回路においては、F信号の立ち上がりタイミングで「0」のカウンタ出力を得ることができるので、カウンタ出力が「0」となる期間を算出することで周期T1を検出することができる。同様に、レギュレータ7からのF信号が周期T2で与えられている場合には、図11(b)に示すように、周期T2の間隔でカウンタ出力が「0」となるのでこれによってF信号の周期T2を検出することができる。
【0060】
この結果、製造過程あるいは何らかの変動要素に起因してレギュレータ7のF信号の周期Tが変化する場合でもこれに追随して自動的に周期を検出して同期状態を保持することができる。F信号は全ての整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zに共通に入力されているので、確実に同期を取った状態でダイアグ信号の授受を行うことができるようになる。
【0061】
(第4実施形態)
図12は第4実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、発電機1の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zを複数のグループに分けて整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zによる制御を自己が所属するグループ内で行われるように構成したところである。
【0062】
ここでは、図12に示しているように、発電機1の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zのうち、スター結線された巻線2u、2v、2wを第1グループとし、巻線2x、2y、2zを第2グループとして設定する。第1グループの整流モジュール3u、3v、3w間でダイアグ信号を授受し、第2グループの整流モジュール3x、3y、3z間でダイアグ信号を授受するように信号線Sa、Sbの接続をしている。他の部分の構成は第1実施形態と同じである。
【0063】
上記のように構成しているので、発電機1の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zの第1および第2の2つのグループ内のいずれかにおいて異常状態が発生して整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zのうちのいずれかが第1実施形態と同様の動作により異常状態を検出すると、そのグループ内での保護動作を行わせることで他方のグループの整流モジュールが正常に動作している場合には、残った巻線により発電動作を継続させることができる。
【0064】
これにより、異常が発生した整流モジュールが所属するグループ内での保護動作を行いつつ、残りの正常に動作しているグループの整流モジュールの動作を継続させることで安全性を確保しつつ、充電動作を継続させることでバッテリ8の電源確保を行うことができる。
【0065】
(第5実施形態)
図13は第5実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、ダイアグ信号をレギュレータ7にも送信するように通信線Sを接続する構成としたところである。レギュレータ7においては、ダイアグ信号が入力されるD端子から制御ロジック回路17にダイアグ信号が入力されるように構成され、制御ロジック回路17においてダイアグ信号に対する処理が実施される。
【0066】
この場合、レギュレータ7の制御ロジック回路17においては、発電機1による発電動作の制御を行うことで各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにより実施されている保護動作をフォローすることができる。また、制御ロジック回路17により、上位のECUに異常状態の発生を伝達することで故障状態の認識をすることができる。
【0067】
なお、この実施形態では第1実施形態に対応した例で示したが、第4実施形態のようにグループ別に異常時の制御をする構成においても、それぞれのグループの信号線をレギュレータ7に接続するように構成することもできる。この場合には、レギュレータ7は、グループ別に異常状態の認識をすることができる。
【0068】
(第6実施形態)
図14は第6実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、発電機1に代えて三相の巻線2u、2v、2wを有する発電機39に適用したところである。この構成では、図1の構成において巻線2x、2y、2zの構成に関連する部分を省いた構成としている。
【0069】
このような第6実施形態においても、整流モジュール3u、3v、3wにより同様の制御を行うことができ、異常状態が発生したときには自己の内部で保護動作を行うと共にダイアグ信号を他の整流モジュール3u、3v、3wに通信線Scを介して送信して保護動作を行わせることができる。
【0070】
(他の実施形態)
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
【0071】
上記各実施形態では、発電機1、39として巻線をY結線したものを用いたが、これに限らず、Δ結線の発電機に適用しても良い。
また、6相または3相の発電機の場合で説明したが、これ以外の相数の発電機に適用することもできる。
【0072】
整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zでは、異常検出手段として過熱検出回路14および過電圧検出回路15を設ける構成としたが、他の異常検出を行う手段を設けることもできるし、一つの異常検出手段のみ設ける構成のものにも適用することができる。
【0073】
例えば、バッテリ8の端子が外れるなどして低電圧状態となったことを検出する異常検出手段を設け、異常を検出したときには発電機による充電動作を制御するように保護動作を行う構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0074】
図面中、1、39は発電機、2u、2v、2w、2x、2y、2zは巻線、2fはロータコイル、3u、3v、3w、3x、3y、3zは整流モジュール、4a、4bはMOSFET、6は制御ユニット、7はレギュレータ、8はバッテリ、12は制御回路(通電制御回路、保護回路)、14は過熱検出回路(異常検出手段)、15は過電圧検出回路(異常検出手段)、17は制御ロジック回路である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載発電機の交流発電出力をMOSFETにより整流して直流に変換する構成の車載発電機用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に搭載される車載発電機としては、ダイオードを使った整流装置を用いて交流出力を整流して直流に変換し、これを車載バッテリに充電する構成のものがあった。しかし、ダイオードを用いる構成では、ダイオード自体で発生する順方向の電圧降下(Vf)分により発電効率を悪化させる問題がある。そこで、ダイオードをMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)に置き換え、整流時に模すMOSFETのオンオフを制御することで従来損失する順方向電圧降下Vf分をオン抵抗Ron分で発生する電圧降下に低減させて効率化する技術がある(MOSレクチファイア)。
【0003】
この場合、MOSFETのオンオフを制御するための構成として、例えば6相整流器なら6個の整流モジュールを設けている。この構成では、ダイオード式の整流と異なりMOSFETのオンオフの制御により充電動作の制御が可能であるので、各相の整流モジュールにおいて過電圧・過熱などの不具合が発生した時に各相が協調して保護動作を行うなどの制御をすることができる。
【0004】
この点、特許文献1に示されるものでは、発電制御を担う制御用ICに、その制御用ICがモニタしている相電圧に対しオフセットを付けて異常通知する方式を採用している。これにより、制御用ICは発電機の交流出力に対してバッテリの保護動作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−512131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような方式では、各整流モジュールは異常検知に基づいて制御用ICに異常の通知を行い、保護動作を制御用IC側から各整流モジュールに対して行う構成であるから、異常が発生した時点から時間遅れをもって対処することになり、MOSFETの制御性を有効に活用した迅速な対応ができないという課題が残る。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、整流モジュール内で発生する異常に対して、迅速に異常状態を他の整流モジュールにも伝達でき、これによって保護動作を迅速に行えるようにした車載発電機用の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の車載発電機用の制御装置によれば、車載発電機からの交流出力に対して、各相に対応して設けられた整流モジュール内の2個のMOSFETが通電制御回路により、バッテリに対して充電する方向の電流が流れるタイミングでオン状態となるようにオンオフ制御され、これによって、MOSFETのオン時に流れる電流がオン抵抗で消費される電力のみが損失となるので、ダイオード整流の場合に比べて低損失で充電を行うことができるようになる。そして、整流モジュール内での異常が異常検出手段により検出されると、保護回路は、レギュレータから入力しているロータコイル励磁用で繰り返し周期が一定のF信号に同期させて異常を示すダイアグ信号を他の整流モジュールに対して信号線を介して伝達するとともに通電制御回路に対して保護動作を行わせる。また、他の整流モジュールにおいては、信号線を介してF信号に同期しているダイアグ信号を受信すると、通電制御回路に保護動作を行わせる。これにより、整流モジュール同士がダイアグ信号を直接授受することで異常状態に対応した保護動作を行え、レギュレータを介して異常状態に対する保護動作を行う場合に比べて迅速に対処することができる。
【0009】
請求項2の車載発電機用の制御装置によれば、上記発明において、異常検出手段として、MOSFETの過熱状態を検出する過熱検出回路を設けたので、整流動作を行うためのMOSFETが過電流などで過熱状態になった場合でも、迅速にこれに対処させることができる。
【0010】
請求項3の車載発電機用の制御装置によれば、請求項1の発明において、異常検出手段として、バッテリの過電圧を検出する過電圧検出回路を設けたので、バッテリの端子電圧が何らかの異常で過電圧状態となった場合に、これに対応して整流モジュールの保護動作を行わせることができるようになる。
【0011】
請求項4の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、整流モジュールの保護回路を、信号線を介して他の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路にダイアグ信号を伝達するように構成したので、いずれかの相における整流モジュールの異常の発生を他の全ての相の整流モジュールに迅速に伝達することができ、これによって保護回路による発電機全体の保護動作を迅速に実行させることができる。
【0012】
請求項5の車載発電機用の制御装置によれば、請求項1ないし3の発明において、整流モジュールを、複数相を複数のグループに分けてその各相に対応して設け、整流モジュールの保護回路を、信号線を介してグループ内の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路にダイアグ信号を伝達するように構成したので、いずれかの相における整流モジュールの異常の発生を迅速にグループ内の他の全ての相の整流モジュールに伝達することができ、これによって保護回路による保護動作を迅速に実行させることができると共に、異常が発生していない他のグループの整流モジュールの動作を継続させて発電によるバッテリ充電動作を維持させることができる。
【0013】
請求項6の車載発電機用の制御装置によれば、請求項4および5の発明において、整流モジュールの保護回路を、レギュレータにも信号線を介してダイアグ信号を伝達させるように構成したので、整流モジュールにおいて発生している異常状態をレギュレータにも伝達して必要に応じて発電機全体のレベルで異常対応動作を実施することができるようになる。
【0014】
請求項7の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、整流モジュールの保護回路を、F信号を入力するとその周期を示すエッジを検出してそのタイミングで同期をとるように構成したので、エッジを検出したタイミングから次のエッジを検出するまでを1周期として認識してダイアグ信号を送信することができ、これによって、例えばレギュレータのF信号の周期が個別に異なる場合や経年変化を生じる場合でも、整流モジュール側でF信号の周期を自動的に検出することができ、整流モジュール間での同期を確実にとることができる。
【0015】
請求項8の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、整流モジュールの通電制御回路を、保護動作としてMOSFETに対してバッテリへの充電動作を停止するように制御させるようにしたので、整流モジュールにより検出した異常状態を迅速に発電制御における保護動作に反映させることができる。
【0016】
請求項9の車載発電機用の制御装置によれば、上記各発明において、異常検出手段を複数備え、整流モジュールの保護回路を、複数の異常検出手段から出力されるダイアグ信号をF信号に同期した異なるパルス信号により伝達するようにしたので、他の整流モジュールにより受信した際に、F信号に同期させてダイアグ信号を受信することで複数の異常検出手段のいずれのものから発生しているダイアグ信号であるのかを認識して対応する保護動作に適用することができる。
【0017】
請求項10の車載発電機用の制御装置によれば、上記発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、F信号に同期して異なる出力タイミングで異常を示すダイアグ信号として伝達するようにしたので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、時分割されたパルス信号をF信号に同期させて認識することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【0018】
請求項11の車載発電機用の制御装置によれば、請求項9および10の発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、パルス幅を異ならせたダイアグ信号として伝達するようにしたので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、ダイアグ信号のパルス幅を検出することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【0019】
請求項12の車載発電機用の制御装置によれば、請求項9および10の発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、パルスの位置を異ならせたダイアグ信号として伝達するように構成したので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、受信したパルス信号の位置をF信号に同期させて認識することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【0020】
請求項13の車載発電機用の制御装置によれば、請求項9および10の発明において、整流モジュールの保護回路を、異なるパルス信号として、複数ビットのパルスコード信号で表したダイアグ信号として伝達するようにしたので、ダイアグ信号を受信する他の整流モジュールにおいて、パルス信号のコードをF信号に同期させて認識することでいずれの異常検出手段から発生されたものかを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態を示す全体の電気的構成図
【図2】整流モジュールの電気的構成図
【図3】レギュレータの電気的構成図
【図4】過熱検出回路の電気的構成図
【図5】過熱異常のときのダイアグ信号の信号波形図
【図6】過熱異常および過電圧異常のダイアグ信号の信号波形図
【図7】正常時の動作説明図
【図8】異常時の動作説明図
【図9】第2実施形態の異常判定回路の電気的構成図
【図10】判定レベルに応じたダイアグ信号波形図
【図11】第3実施形態のF信号の周期判定の説明図
【図12】第4実施形態の全体の電気的構成図
【図13】第5実施形態の全体の電気的構成図
【図14】第6実施形態の全体の電気的構成図
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。本実施形態においては、Y結線の三相デュアル巻線型でとして構成される6相の巻線を有するステータの車載発電機に用いられる制御装置の場合で示す。
【0023】
全体構成を示す図1において、交流発電機(オルタネータ)1は、Y結線の三相デュアル巻線タイプのステータ巻線2を有するもので、ステータ巻線2の相数としては6相備えるものである。各Y結線の巻線2u、2v、2wおよび2x、2y、2zは、それぞれ一端が共通に接続され、他端は各相に対応した整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zの入力端子に接続されている。
【0024】
各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zは、それぞれ整流用の2個のMOSFET4a、4bを直列に接続したものを備え、各MOSFET4a、4bには並列に図示極性のダイオード5a、5bが接続されている。2個のMOSFET4a、4bは制御ユニット6からゲート駆動信号が与えられ、制御ユニット6は、MOSFET4a、4bの制御に加えて、後述するような通信機能および異常検出機能を有する構成とされている。
【0025】
これら各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zは、発電機1の発電量を制御するICであるレギュレータ7からF信号が与えられる。また、各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zのダイアグ信号の授受を行う端子Dは信号線Sにより共通に接続されている。
【0026】
各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zの出力端子は、車載用のバッテリ8の端子間に接続されており、またレギュレータ7はバッテリ8から給電される。レギュレータ7の入力端子Pは、発電機1の巻線2uの他端子側に接続されている。負荷9はスイッチ10を介してバッテリ8に接続されている。また、レギュレータ7は、発電機1のロータ側の励磁用の巻線2fにF信号を与えるように接続されている。
【0027】
次に、各整流モジュール3u、3v、3wおよび3x、3y、3zの詳細な構成について図2を参照して説明する。整流モジュール3u(他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zも同様の構成であるので省略する)のMOSFET4a、4bのオンオフ制御を行う制御ユニット6は、電源回路11、制御回路12、上段駆動回路13a、下段駆動回路13b、過熱検出回路14、過電圧検出回路15およびダイアグ送受信回路16を備えている。
【0028】
電源回路11は、バッテリ8からの給電を受けて所定電圧の電源を生成するもので、制御ユニット6内の各部に給電をする。また、電源回路11は、下段駆動回路13bには所定電圧を供給し、上段駆動回路13aに対して、ハイサイドのMOSFET4aを駆動する上段駆動回路13a用の昇圧回路を備えており、昇圧した電圧を供給するように構成されている。
【0029】
制御回路12は、MOSFET4a、4bの駆動制御を行う通電制御回路の機能を備えると共に、後述する異常検出動作に基づいてダイアグ信号の送受信および保護動作を行う保護回路としての機能を備えている。過熱検出回路14および過電圧検出回路15は異常検出手段としての機能を有する。過熱検出回路14は、整流モジュール3u内の過熱状態を検出して異常信号を制御回路12に出力する。過電圧検出回路15は、バッテリ8の端子電圧をモニタしており、過電圧状態となっているか否かを判断して異常信号を制御回路12に出力する。
【0030】
ダイアグ送受信回路16は、制御回路12から入力されるダイアグ信号を端子Dから通信線Sを介して他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zに送信し、通信線を介して他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zから受信するダイアグ信号を制御回路12に入力する。この場合、後述するように送信するダイアグ信号はレギュレータ7から入力するF信号に同期した信号として出力するように構成されている。
【0031】
次に、レギュレータ7の構成について図3を参照して説明する。レギュレータ7は、全体を制御する制御ロジック回路17を主体とした構成とされている。レギュレータ7の外部のバッテリ8の正極端子に接続される端子Bと発電制御用の端子Fとの間には、ロータ巻線2f通電用のMOSFET18が接続され、端子Fとアース端子Eとの間には外部のロータ巻線2fが接続され、これらの端子間には還流ダイオード19が接続されている。MOSFET18は、制御ロジック回路17からドライバ20を介してゲート信号が与えられる。ゲート信号は、所定の繰り返し周期(例えば約5ms)でパルス幅を変えることで発電量を制御するF信号として端子Fから出力される。
【0032】
発電回転検出部21は、入力端子Pから発電機1の回転により発生する電圧が入力されるもので、制御ロジック回路17に検出信号を入力する。端子Bは電圧検出用の抵抗22、23の直列回路を介してアースに接続され、抵抗23の分圧出力がオペアンプ24を介してA/D変換回路25に入力されるように構成される。A/D変換回路25のデジタル出力は制御ロジック回路17に入力される。記憶回路26は、制御用の各種データなどが記憶されており、制御ロジック回路17により必要に応じて読み出したり、書き込みを行ったりするように構成されている。
【0033】
制御ロジック回路17は、通信ユニット26を介して外部のECU(electronic control unit)と通信を行い、発電制御の指令信号を受けたり発電機1の発電状態を示す信号を送信したりしている。通信ユニット26は、発電制御受信信号格納部27、発電制御送信信号格納部28、通信コントローラ29および通信ドライバ30などから構成され、発電制御のための受信信号や送信信号を、端子Cを介して外部のECUと授受するように構成される。
【0034】
図4は過熱検出回路14の検出原理を示す電気的構成である。温度を検出する素子として、ダイオードの順方向電圧Vfを利用している。ここでは、直列に接続した複数個のダイオード群31の順方向電圧VFを検出温度信号として用い、電源から電流源回路32を介して一定の電流を供給する構成である。ダイオード群31は、温度検出部位に設けられるもので、ここでは、整流モジュール6内、MOSFET4a、4bのそれぞれ温度を検出するように設けられる。温度検出の原理は、ダイオード群31に定電流を流し、温度が高くなると順方向電圧VFが低下するので検出できる。比較回路33にて判定をすべき温度に相当する順方向電圧VFに対応する基準電圧を与えるように抵抗34、35で設定している。
【0035】
次に本実施形態の作用について図5〜図8も参照して説明する。
図示しないキースイッチが操作されてレギュレータ7に給電されると、入力端子Cを介してエンジンストップアンドスタートECU(図示せず)からの発電電圧指示信号を受け、発電制御の動作を行う。この場合、レギュレータ7は、発電機1が回転して発電可能な状態にあるときには、F端子からロータコイル2fに対して所定の繰り返し周波数のF信号によりデューティ比を制御することで発生する電圧とバッテリ8の端子電圧とを検出しながら発電量を制御する。
【0036】
また、レギュレータ7による発電の制御では、発電機1が回転することにより各相の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zの端子U、V、W、X、Y、Zに発生している電圧が各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zの入力端子に入力される。このとき、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにおいては、端子U、V、W、X、Y、Zに発生している電圧が負でないときにはMOSFET4aをオン状態としてバッテリ8への充電を行い、負のときにはMOSFET4bをオン状態に制御することでアース側からの電流が流れるように制御している。
【0037】
これにより、充電動作を行う際にはMOSFET4a、4bをオンさせることで逆方向の通電時にダイオード5a、5bに通電させるのではなくMOSFET4a、4bを流すようしてオン抵抗分の電圧降下を伴う通電動作を行わせることができる。通常オン抵抗は非常に小さく、通電による電圧降下はダイオードの順方向電圧降下よりも小さくすることができ、これによって電力の損失を低減し、且つ発熱を抑制することができる。
【0038】
図7は通常時の制御について、発電機1の巻線2u、2v、2wの端子に発生するU相、V相、W相の三相の出力について整流モジュール3u、3v、3wの各MOSFET4a、4bのオンオフ動作を示すものである。例えば、図示のようにV相からU相に電流が流れる状態では、U相の整流モジュール3uのMOSFET4aをオン(ON)させると共に、V相の整流モジュール3vのMOSFET4bをオン(ON)させる。また、これ以外のMOSFET4a、4bはオフ(OFF)状態に保持する。
【0039】
以下、発電機1の巻線2u、2v、2wの端子に発生するU相、V相、W相の三相の出力がロータの回転に応じて変化し、これに追随して整流モジュール3u、3v、3wによるMOSFET4a、4bのオンオフ制御を行うように構成されている。
【0040】
また、発電制御を行う際に、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zは、内部において、異常の検出動作および異常検出時の通信動作を行う。整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zに設けられている過熱検出回路14は、制御ユニット6内の温度検出用ダイオードあるいは2つのMOSFET4a、4bの温度を検出するダイオード(代表としてダイオード群31で示している)が温度を検出する動作をしていて、過熱状態が発生すると図4に示しているダイオード群31の順方向電圧VFが低下し、所定電圧以下に低下すると過熱状態が判定され比較回路33から過熱検出信号が出力される。一方、過電圧検出回路15は、バッテリ8の端子電圧を検出していて、所定電圧よりも高い電圧値となった場合に図示しない比較回路により比較を行って過電圧検出信号を出力する。
【0041】
上記のようにして例えば整流モジュール3uにおいて過熱検出信号あるいは過電圧検出信号が発生すると、制御回路12は発生した異常状態を示す信号に基づく保護動作を行うと共にその異常状態を示す信号を他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zに対してダイアグ信号として送信する。ここでは、制御回路12は、レギュレータ7から入力されている所定の繰り返し周期のF信号に同期させてダイアグ信号を出力する。
【0042】
図5(a)はダイアグ信号を出力する側の整流モジュール(ここでは3uに相当)の動作を示しており、整流モジュール3u内の過熱異常が発生して過熱検出信号が出力されると、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングで過熱検出信号がハイレベルのときに次のF信号の周期で過熱異常のダイアグ信号として出力する。この場合、過熱異常を示すダイアグ信号はF信号の周期の後半で出力するように設定されている。なお、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングで過熱検出信号が入力されずロウレベルになったときに次のF信号の周期でダイアグ信号の出力を停止する。この場合、過熱検出信号に基づいた過熱異常を示すダイアグ信号を出力している期間中は、自己の整流モジュール3u内に対して保護フラグを出力する。
【0043】
これに対して、図5(b)に示すように、他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zにおいては、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングを始点として次のF信号の立ち上がりタイミングが来るまでの間にダイアグ信号が入力されるか否かを判定している。そして、図示のように整流モジュール3uから出力されたダイアグ信号が入力されると、制御回路12は、F信号の繰り返し周期のうちの後半でダイアグ信号が検出されるので、過熱異常のダイアグ信号が入力されたことを判定し、次のF信号の立ち上がりタイミングで保護フラグを出力するようになる。なお、F信号の周期内でダイアグ信号が入力されていない状態になると、制御回路12は保護フラグの出力を停止する。
【0044】
次に、異常検出のダイアグ信号が二種類発生した場合について図6を参照して説明する。図6では、過電圧検出回路15による過電圧検出が発生している状態で、過熱検出回路14による過熱検出も発生した状態を示している。レギュレータ7から出力されるF信号は、所定の繰り返し周期Tでそのデューティ比を制御することで発電機1による発電量を制御している。
【0045】
そして、前述のようにダイアグ信号を出力する場合には、制御回路12は、F信号の立ち上がりタイミングで過電圧検出回路15から過電圧検出信号が出力されている場合にはダイアグ出力を次のF信号の周期の前半で出力する。また、この状態で過熱検出回路14から過熱検出信号が出力されると、F信号の立ち上がりタイミングで検出された後に次のF信号の周期の後半で過熱異常のダイアグ信号が出力される。過熱異常と過電圧異常との両方が発生している場合には、F信号の周期内で2つのダイアグ信号が出力され、これが他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zに送信される。
【0046】
他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3zにおいては、前述同様にしてF信号に同期してダイアグ信号に含まれる異常検出の信号を判定し、これに基づいて保護動作を行う。このとき、F信号の周期内において、前半で検出されるダイアグ信号を過電圧異常の検出信号と判断し、後半で検出されるダイアグ信号を過熱異常の検出信号と判断する。これにより、同時に複数の異常を示すダイアグ信号を受信する場合でも、それぞれについて受信する整流モジュール3v、3w、3x、3y、3z側において異常信号の種類を判別して対応する保護フラグによって保護動作を行うことができる。
【0047】
なお、上記した保護動作の一つとして、例えば過電圧異常の検出信号が発生した場合には、整流モジュール3u内およびこれをダイアグ信号として受信した他の整流モジュール3v、3w、3x、3y、3z内において保護フラグが出力され、図8に示すような保護動作を行う。すなわち、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにおいては、制御回路12がMOSFET4aをオフさせると共にMOSFET4bをオンさせるように制御する。
【0048】
これにより、発電機1の各巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zで発生する発電出力は、整流モジュールのMOSFET4bを通じて短絡された状態に制御されるので、バッテリ8側への充電動作は停止される。これにより、バッテリ8の過電圧状態に対して過剰な充電動作をしないように制御することができる。
【0049】
以上説明したように第1実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
第1に、6相の各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z内で異常状態の発生を異常検出手段である過熱検出回路14あるいは過電圧検出回路15により検出する構成とし、異常が発生すると整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z間でダイアグ信号を直接送受信する構成としたので、異常状態になったときに、レギュレータ7やECUからの制御信号を待つこと無く迅速に対処することができ、MOSFET4a、4bの保護や整流モジュールの保護を確実に行うことができる。また、いずれかの整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zが異常状態を検出すると全ての整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにおいて保護動作を行わせることができるので、他の相に異常が及ぶのを極力抑制することができる。
【0050】
第2に、このように整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z間でダイアグ信号を直接送受信する構成としているので、複雑な制御回路が不要なので低コストで実現可能できる。しかも、整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3z間を一本の信号線で共通に接続することで実現できる。
【0051】
第3に、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zは、レギュレータ7が発電制御のために出力する周期が一定のF信号を用いて、同期をとって他の整流モジュールへダイアグ信号を送信する構成としているので、複数種類のダイアグ信号を時分割で送信することができるようになり、整流モジュール間での保護動作を迅速且つ連繋をとりながら実施することができる。
【0052】
(第2実施形態)
図9、図10は第2実施形態を示すもので、以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態では、異常状態が発生している場合に、その異常のレベルを判定してレベルに応じたダイアグ信号を出力することで、保護動作をレベルに応じた適切な対応をさせることができる構成としている。
【0053】
図9は、制御回路12内に設けられた異常検出のレベルを判定してレベルに応じた信号を出力する構成を示している。過熱検出回路14あるいは過電圧検出回路15で検出されるアナログ的な異常検出信号を3個の比較回路36a、36b、36cの各非反転入力端子に入力させる構成とし、各比較回路36a、36b、36cの反転入力端子には異常判定の比較基準レベルが低いものから順に高く設定されるように基準A、基準B、基準Cの電圧が入力されるように構成されている。
【0054】
異常検出信号の検出入力のレベルが基準Aを超えると比較回路36aから検出信号が出力され、基準Bを超えると比較回路36bから検出信号が出力され、さらに基準Cを超えると比較回路36cからも検出信号が出力される。これらの検出信号は異常判定回路37に入力され、クロック信号CLKのタイミングで処理をして検出入力のレベルに応じた検出信号として出力される。ダイアグ出力回路38は、異常判定回路37の検出出力をF信号に同期させてダイアグ信号として出力する。
【0055】
ここで、検出信号のレベルに応じたダイアグ信号の例を図10に示す。図10(a)では、検出信号のレベルが基準Aを超え基準Bを超えていない場合には、ダイアグ信号Aとしてパルス幅が狭い信号をF信号に同期させて出力する。検出信号のレベルが基準Bを超え基準Cを超えていない場合には、ダイアグ信号Bとしてパルス幅がダイアグ信号Aよりも広いダイアグ信号Bとして出力する。さらに、検出信号のレベルが基準Cを超えている場合には、ダイアグ信号Cとしてパルス幅がダイアグ信号Bよりも広いダイアグ信号Cとして出力する。
【0056】
図10(b)の例では、ダイアグ信号A、B、Cのいずれかに応じてパルスの出力タイミング(位置)を順次遅らせて出力するものである。また、図10(c)の例では、ダイアグ信号A、B、Cのいずれかに応じてパルスのコードを「100」、「001」、「111」などに対応させて出力するものである。
【0057】
これにより、このダイアグ信号を受信する側においても、同様の構成を設けてダイアグ信号をF信号に同期させて受信し、パルス幅、パルス位置あるいはパルスコードを判定することで異常検出信号のレベルを認識することができる。また、これによって、異常検出のレベルに応じた保護動作を行う場合には、迅速に対応することができる。
【0058】
(第3実施形態)
図11は第3実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、レギュレータ7からのF信号の周期Tが変動してもこれに対応して同期をとることができる構成としたことである。すなわち、各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zの制御回路12には、F信号が入力されるとその立ち上がりタイミングでパルスを出力するエッジ検出の回路と、通常はカウンタ出力を「1」としてエッジ検出のパルスが出力されるとカウンタ出力を「0」とするカウンタ回路を設けている。
【0059】
これにより、例えば図11(a)に示すように、レギュレータ7からのF信号が周期T1で与えられている場合に、カウンタ回路においては、F信号の立ち上がりタイミングで「0」のカウンタ出力を得ることができるので、カウンタ出力が「0」となる期間を算出することで周期T1を検出することができる。同様に、レギュレータ7からのF信号が周期T2で与えられている場合には、図11(b)に示すように、周期T2の間隔でカウンタ出力が「0」となるのでこれによってF信号の周期T2を検出することができる。
【0060】
この結果、製造過程あるいは何らかの変動要素に起因してレギュレータ7のF信号の周期Tが変化する場合でもこれに追随して自動的に周期を検出して同期状態を保持することができる。F信号は全ての整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zに共通に入力されているので、確実に同期を取った状態でダイアグ信号の授受を行うことができるようになる。
【0061】
(第4実施形態)
図12は第4実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、発電機1の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zを複数のグループに分けて整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zによる制御を自己が所属するグループ内で行われるように構成したところである。
【0062】
ここでは、図12に示しているように、発電機1の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zのうち、スター結線された巻線2u、2v、2wを第1グループとし、巻線2x、2y、2zを第2グループとして設定する。第1グループの整流モジュール3u、3v、3w間でダイアグ信号を授受し、第2グループの整流モジュール3x、3y、3z間でダイアグ信号を授受するように信号線Sa、Sbの接続をしている。他の部分の構成は第1実施形態と同じである。
【0063】
上記のように構成しているので、発電機1の巻線2u、2v、2w、2x、2y、2zの第1および第2の2つのグループ内のいずれかにおいて異常状態が発生して整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zのうちのいずれかが第1実施形態と同様の動作により異常状態を検出すると、そのグループ内での保護動作を行わせることで他方のグループの整流モジュールが正常に動作している場合には、残った巻線により発電動作を継続させることができる。
【0064】
これにより、異常が発生した整流モジュールが所属するグループ内での保護動作を行いつつ、残りの正常に動作しているグループの整流モジュールの動作を継続させることで安全性を確保しつつ、充電動作を継続させることでバッテリ8の電源確保を行うことができる。
【0065】
(第5実施形態)
図13は第5実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、ダイアグ信号をレギュレータ7にも送信するように通信線Sを接続する構成としたところである。レギュレータ7においては、ダイアグ信号が入力されるD端子から制御ロジック回路17にダイアグ信号が入力されるように構成され、制御ロジック回路17においてダイアグ信号に対する処理が実施される。
【0066】
この場合、レギュレータ7の制御ロジック回路17においては、発電機1による発電動作の制御を行うことで各整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zにより実施されている保護動作をフォローすることができる。また、制御ロジック回路17により、上位のECUに異常状態の発生を伝達することで故障状態の認識をすることができる。
【0067】
なお、この実施形態では第1実施形態に対応した例で示したが、第4実施形態のようにグループ別に異常時の制御をする構成においても、それぞれのグループの信号線をレギュレータ7に接続するように構成することもできる。この場合には、レギュレータ7は、グループ別に異常状態の認識をすることができる。
【0068】
(第6実施形態)
図14は第6実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、発電機1に代えて三相の巻線2u、2v、2wを有する発電機39に適用したところである。この構成では、図1の構成において巻線2x、2y、2zの構成に関連する部分を省いた構成としている。
【0069】
このような第6実施形態においても、整流モジュール3u、3v、3wにより同様の制御を行うことができ、異常状態が発生したときには自己の内部で保護動作を行うと共にダイアグ信号を他の整流モジュール3u、3v、3wに通信線Scを介して送信して保護動作を行わせることができる。
【0070】
(他の実施形態)
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
【0071】
上記各実施形態では、発電機1、39として巻線をY結線したものを用いたが、これに限らず、Δ結線の発電機に適用しても良い。
また、6相または3相の発電機の場合で説明したが、これ以外の相数の発電機に適用することもできる。
【0072】
整流モジュール3u、3v、3w、3x、3y、3zでは、異常検出手段として過熱検出回路14および過電圧検出回路15を設ける構成としたが、他の異常検出を行う手段を設けることもできるし、一つの異常検出手段のみ設ける構成のものにも適用することができる。
【0073】
例えば、バッテリ8の端子が外れるなどして低電圧状態となったことを検出する異常検出手段を設け、異常を検出したときには発電機による充電動作を制御するように保護動作を行う構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0074】
図面中、1、39は発電機、2u、2v、2w、2x、2y、2zは巻線、2fはロータコイル、3u、3v、3w、3x、3y、3zは整流モジュール、4a、4bはMOSFET、6は制御ユニット、7はレギュレータ、8はバッテリ、12は制御回路(通電制御回路、保護回路)、14は過熱検出回路(異常検出手段)、15は過電圧検出回路(異常検出手段)、17は制御ロジック回路である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載発電機の交流出力を調整しながら直流に変換してバッテリに充電するようにした車載発電機用の制御装置であって、
前記車載発電機の複数相の各相に対応して設けられる整流モジュールと、
前記車載発電機の交流出力を調整するレギュレータとを備え、
前記整流モジュールは、
前記バッテリの正負の端子間に直列に接続される2個のMOSFETと、
前記バッテリへの充電時に前記MOSFETをオン状態に制御してドレインからソースへの電流を通電させる通電制御回路と、
モジュール内の異常を検出する異常検出手段と、
前記車載発電機のロータコイルに電流を流して発電を制御するためのF信号を前記レギュレータから入力し、前記異常検出手段により異常が検出されると前記F信号に同期した異常を示すダイアグ信号を他の整流モジュールに信号線を介して伝達して前記通電制御回路に保護動作を行わせ、他の整流モジュールから前記信号線を介して前記ダイアグ信号を受信すると前記通電制御回路に保護動作を行わせる保護回路と
を備えたことを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記異常検出手段は、前記MOSFETの過熱状態を検出する過熱検出回路であることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記異常検出手段は、前記バッテリの過電圧を検出する過電圧検出回路であることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記信号線を介して他の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路に前記ダイアグ信号を伝達するように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールは、前記複数相を複数のグループに分けてその各相に対応して設けられ、
前記整流モジュールの保護回路は、前記信号線を介して前記グループ内の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路に前記ダイアグ信号を伝達するように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記レギュレータにも前記信号線を介して前記ダイアグ信号を伝達するように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記F信号を入力するとその周期を示すエッジを検出してそのタイミングで同期をとるように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの通電制御回路は、前記保護動作として前記MOSFETに対して前記バッテリへの充電動作を停止するように制御することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記異常検出手段が複数備えられ、
前記整流モジュールの保護回路は、前記複数の異常検出手段から出力されるダイアグ信号を前記F信号に同期した異なるパルス信号により伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、前記F信号に同期して異なる出力タイミングで前記異常を示すダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、パルス幅を異ならせたダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項12】
請求項9または10に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、パルスの位置を異ならせたダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項13】
請求項9または10に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、複数ビットのパルスコード信号で表したダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項1】
車載発電機の交流出力を調整しながら直流に変換してバッテリに充電するようにした車載発電機用の制御装置であって、
前記車載発電機の複数相の各相に対応して設けられる整流モジュールと、
前記車載発電機の交流出力を調整するレギュレータとを備え、
前記整流モジュールは、
前記バッテリの正負の端子間に直列に接続される2個のMOSFETと、
前記バッテリへの充電時に前記MOSFETをオン状態に制御してドレインからソースへの電流を通電させる通電制御回路と、
モジュール内の異常を検出する異常検出手段と、
前記車載発電機のロータコイルに電流を流して発電を制御するためのF信号を前記レギュレータから入力し、前記異常検出手段により異常が検出されると前記F信号に同期した異常を示すダイアグ信号を他の整流モジュールに信号線を介して伝達して前記通電制御回路に保護動作を行わせ、他の整流モジュールから前記信号線を介して前記ダイアグ信号を受信すると前記通電制御回路に保護動作を行わせる保護回路と
を備えたことを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記異常検出手段は、前記MOSFETの過熱状態を検出する過熱検出回路であることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記異常検出手段は、前記バッテリの過電圧を検出する過電圧検出回路であることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記信号線を介して他の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路に前記ダイアグ信号を伝達するように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールは、前記複数相を複数のグループに分けてその各相に対応して設けられ、
前記整流モジュールの保護回路は、前記信号線を介して前記グループ内の全ての相に対応する整流モジュールの保護回路に前記ダイアグ信号を伝達するように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記レギュレータにも前記信号線を介して前記ダイアグ信号を伝達するように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記F信号を入力するとその周期を示すエッジを検出してそのタイミングで同期をとるように構成されていることを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの通電制御回路は、前記保護動作として前記MOSFETに対して前記バッテリへの充電動作を停止するように制御することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の車載発電機用の制御装置において、
前記異常検出手段が複数備えられ、
前記整流モジュールの保護回路は、前記複数の異常検出手段から出力されるダイアグ信号を前記F信号に同期した異なるパルス信号により伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、前記F信号に同期して異なる出力タイミングで前記異常を示すダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、パルス幅を異ならせたダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項12】
請求項9または10に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、パルスの位置を異ならせたダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【請求項13】
請求項9または10に記載の車載発電機用の制御装置において、
前記整流モジュールの保護回路は、前記異なるパルス信号として、複数ビットのパルスコード信号で表したダイアグ信号として伝達することを特徴とする車載発電機用の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−74738(P2013−74738A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212515(P2011−212515)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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