説明

車輌運行情報提供システム

【課題】 集中管理センタなどを要せず、特に車輌側において簡単な構成で、システム導入時の初期費用を抑えることができ、停留所において車輌の運行情報を簡単に表示することができる車輌運行情報提供システムを提供すること。
【解決手段】 複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、各車輌に取り付けられる発信機と、各停留所に設置される路上装置とからなり、路上装置は、発信機から電磁波を受信したときに信号を送信する受信機と、受信機からの信号を受信し、現在時刻情報を送信するタイマと、タイマからの現在時刻情報を受信し、現在時刻を表示欄に表示する時間表示機とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌運行情報提供システムに関し、より詳しくは、バスなど所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する車輌についての運行情報を、各停留所において表示する車輌運行情報提供システムに関するものである。
なお、本発明において、停留所は所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する車輌に利用者が乗車又は降車する際に停止する場所を指し、バス停留所に限定されず、駅なども含む。
【背景技術】
【0002】
所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行するバス等の車輌について、その運行情報を提供するシステムとして、バスロケーションシステムなどがある。このバスロケーションシステムは二つの目的を持って都会中心で運用され、一つの目的は乗客サービスであり、もう一つは運行管理である。このうち乗客サービスは、バスの到着予定時刻を知らせることを主な目的としている。都会のバスは、道路渋滞によって時刻表通りの運行が困難で遅れることが多いため、後どのくらいで到着するか等の情報をバス停留所で待っている乗客に対し、表示板に表示して知らせることが行われている。
【0003】
このシステムでは、GPSや近接無線等でバスの位置情報を自動的に取得し、この位置情報を次のバス停留所に送信して表示するという方法が取られる(例えば、下記特許文献1参照)。その場合の通信は無線等で行われる。
【0004】
しかしながら、このようなシステムは、時刻表に合わせて運行を集中管理しながら到着予定時刻を知らせるようにしているため、複雑な構成で、導入時には高額な初期費用が掛かり、時刻表変更時にも運用コストが必要となる。また、バスの位置情報を送信するための車載装置は、簡単に設置できるものではない。さらに、表示板に到着予定時刻を随時表示するために必要な電力を供給する必要があるが、バス停留所に電源を取ることも容易ではない。
当然、1時間に1台程度の路線では、前記システムの導入は採算面で割に合わない。
しかし、バスの運行情報が本当に必要なのは、このようなバス運行頻度が低い路線である。都会のような交通情報等は全くなく、所定のバスを見過ごすと長時間待たなければならない。せめて、所定のバスが、果たして通過したのかそうでないのか位を知って、待つべきか、他の交通手段を使用すべきかを判断したいとの要望がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−16587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、集中管理センタなどを要せず、特に車輌側において簡単な構成で、システム導入時の初期費用を抑えることができ、停留所において車輌の運行情報を簡単に表示することができる車輌運行情報提供システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、各車輌に取り付けられる発信機と、各停留所に設置される路上装置とからなり、前記路上装置は、発信機から電磁波を受信したときに信号を送信する受信機と、該受信機からの信号を受信し、現在時刻情報を送信するタイマと、該タイマからの現在時刻情報を受信し、現在時刻を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システムに関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、各車輌に取り付けられ、その車輌の識別情報を有する無線タグと、各停留所に設置される路上装置とからなり、前記路上装置は、無線タグから識別情報を含む電波を受信し、その受信情報を送信するタグ受信機と、該タグ受信機からの受信情報を受信し、該受信情報に含まれる識別情報を把握し、現在時刻情報とともに把握した識別情報を車輌通過情報として送信するタイマと、該タイマからの現在時刻情報及び車輌通過情報を受信し、該車輌通過情報に含まれる識別情報から路線を区別し、その路線ごとに少なくとも直近の車輌通過時刻を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システムに関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記車輌の識別情報及び通過時刻を含む表示欄に表示された情報を記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶された情報を外部装置に取り込むことを特徴とする請求項2記載の車輌運行情報提供システムに関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記路上装置は通信手段を備え、該通信手段と情報を送受信する通信装置と、受信した情報を格納するサーバーをセンターに設置し、前記通信装置は、前記路上装置における時間表示機に表示される情報を受信してサーバーが収集し、該サーバーに収集された情報は、外部端末で表示されることを特徴とする請求項2又は3記載の車輌運行情報提供システムに関する。
請求項5に係る発明は、停留所がない施設に第2の時間表示機を設置し、該第2の時間表示機は、第2の通信手段を備え、前記路上装置の通信手段を介して前記路上装置の時間表示機に表示される情報を受信して表示することを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の車輌運行情報提供システムに関する。
【0011】
請求項6に係る発明は、複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、各車輌に取り付けられる発信機と、各停留所に設置される路上装置とからなり、前記路上装置は、発信機から電磁波を受信したときに信号を送信する受信機と、該受信機からの信号を受信し、時間計測を開始するとともに信号を送信し、時間計測開始後、所定時間経過ごとに異なる信号を送信するタイマと、該タイマからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、車輌の通過及び通過後時間を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システムに関する。
【0012】
請求項7に係る発明は、複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、各車輌に取り付けられ、その車輌の識別情報を有する無線タグと、各停留所に設置される路上装置とからなり、前記路上装置は、無線タグから識別情報を含む電波を受信し、その受信情報を送信するタグ受信機と、該タグ受信機からの受信情報を受信し、該受信情報に含まれる識別情報を把握して時間計測を開始するとともに、取得した受信情報を車輌通過情報として送信し、時間計測開始後、所定時間経過ごとに識別情報を含む通過後時間情報を送信するタイマと、該タイマからの車輌通過情報又は通過後時間情報を受信し、これらの情報に含まれる識別情報から車輌を区別し、その車輌の通過及び通過後時間を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システムに関する。
【0013】
請求項8に係る発明は、前記時間表示機は、現在時刻付近に通過した数台の車輌を区別し、その車輌の通過又は通過後時間を表示欄に表示することを特徴とする請求項6又は7記載の車輌運行情報提供システムに関する。
請求項9に係る発明は、前記タイマは、車輌の運行予定時刻の間隔に応じて設定された所定時間経過ごとに通過後時間情報を送信し、前記時間表示機は、タイマからの通過後時間情報を受信する間隔で表示欄に表示し、車輌の運行予定時刻の間隔に応じた車輌台数を表示欄に表示することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の車輌運行情報提供システムに関する。
【0014】
請求項10に係る発明は、前記無線タグは、識別情報にその車輌の路線情報を含み、前記時間表示機は、車輌通過情報及び通過後時間情報に含まれる路線情報から各車輌の路線を区別し、路線ごとに車輌の通過及び通過後時間を表示欄に表示することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の車輌運行情報提供システムに関する。
請求項11に係る発明は、前記タグ受信機は、車輌が停留所に接近して交信可能な間、無線タグからの電波を間欠的又は連続的に受信し続け、その受信情報を送信し続け、前記タイマは、タグ受信機から受信していた受信情報を受信しなくなったとき、時間計測を開始するとともに、受信情報を車輌通過情報として送信することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の車輌運行情報提供システムに関する。
【0015】
請求項12に係る発明は、前記無線タグは、識別情報にその車輌が何時便かを識別する便情報を含み、前記時間表示機は、予め運行予定時刻情報を有し、該運行予定時刻情報から車輌通過情報及び通過後時間情報に含まれる便情報に相当する運行予定時刻を検出して車輌通過情報及び通過後時間情報とともに表示し、前記運行予定時刻情報から次に通過する車輌の運行予定時刻を取得して表示欄に表示することを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の車輌運行情報提供システムに関する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、車輌に発信機を取り付け、この発信機から発信される電磁波を、停留所に備えられた路上装置で受信して処理するようにしたので、運行する車輌側では発信機を取り付けるだけでよく、特に車輌側において簡単な構成で、システム導入時の初期費用を抑えることができる。路上装置に対しては、車輌の通過時刻のみを提供すれば、車輌の識別情報等の運行に関する情報(各バスのIDとそのIDに対応する運行時刻等の情報)を提供する必要がないので、運用面でも負担が少なく、路線が1つだけの場合等に、簡便に運用することが可能である。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、車両に無線タグを取り付け、この無線タグから送信される電波を、停留所に備えられた路上装置で受信して処理するようにしたので、運行する車輌側では無線タグを取り付けるだけでよい。路上装置に対しては、各車両がいずれの路線であるかという情報のみを提供すればよく、各車両の識別情報等の運行に関する情報(各車両のIDとそのIDに対応する運行時刻等の情報)を提供する必要がないので、運用面でも負担が少ない。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、時間表示機に表示される情報(各路線の車輌の通過時刻)を路上装置に備えられた記憶手段に格納し、外部装置に取り込むことによって、バス会社等では取り出した情報から運行状況を把握して運行管理に利用することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、路上装置に通信手段を備え、これと情報を送受信する通信装置と受信した情報を格納するサーバーをセンターに設けることによって、停留所の路上装置の時間表示機に表示されている情報は、サーバーから外部端末にダウンロードして取得することができ、車輌利用者は停留所まで行かなくても通過情報を知ることができ、次の車輌の到着予定時刻を確実に予測して、停留所での待ち時間を短くすることができる。
請求項5に係る発明によれば、停留所がない施設に、第2の通信手段を備える第2の時間表示機を設置し、路上装置の通信手段を介して路上装置の時間表示機に表示される情報を受信して表示することによって、停留所から離れた施設内にいながら停留所で路上装置の時間表示機に表示される情報を取得し、車輌の到着予定時刻を予測して施設から停留所へ向かうことができる。この場合、自ら携帯電話等の端末を操作することなく、情報を容易に取得することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、車輌に発信機を取り付け、この発信機から発信される電磁波を、停留所に備えられた路上装置で受信して処理するようにしたので、運行する車輌側では発信機を取り付けるだけでよく、特に車輌側において簡単な構成で、システム導入時の初期費用を抑えることができ、路上装置に対して各バスの識別情報等の運行に関する情報を提供する必要がないので、運用面でも負担が少ない。
また、路上装置では、車輌に取り付けられた発信機からの電磁波を受信することによって車輌が通過したことを表示し、その受信から所定時間経過ごとに車輌の通過後時間を表示するようにしたので、非常に簡単な構成で車輌の通過及び通過後時間を知らせることができるとともに、システム構築に掛かる費用を安価に抑えることができる。このように簡単な送受信及び表示とで、複雑な処理を要しないので、ソーラー電池などわずかな電力で作動することができ、特別な電力原を必要としないという利点がある。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、車輌に無線タグを取り付け、この無線タグから送信される電波を、停留所に備えられた路上装置で受信して処理するようにしたので、運行する車輌側では無線タグを取り付けるだけでよく、特に車輌側において簡単な構成で、システム導入時の初期費用を抑えることができ、路上装置に対して特別な運行に関する情報を提供する必要がないので、運用面でも負担が少ない。
また、路上装置では、車輌に取り付けられた無線タグからの電波を受信することによって車輌が通過したことを表示し、その受信から所定時間経過ごとに車輌の通過後時間を表示するようにしたので、非常に簡単な構成で車輌の通過及び通過後時間を知らせることができるとともに、システム構築に掛かる費用を安価に抑えることができる。このように簡単な送受信及び表示とで、複雑な処理を要しないので、ソーラー電池などわずかな電力で作動することができ、特別な電力原を必要としないという利点がある。
【0022】
請求項8に係る発明によれば、現在時刻付近に通過した車輌について、何時便であるかを特定することなく単に車輌を区別して表示するようにしたので、時刻表に合わせた表示が不要で簡単に表示でき、日によって運行予定時刻が異なる場合にも表示を変更することなく使用することができる。
【0023】
請求項9に係る発明によれば、車輌の運行予定時刻の間隔に応じて設定された所定の時間経過ごとに通過後時間を表示し、前記間隔に応じた車輌台数を表示するようにしたので、車輌運行頻度が極端に低い路線にも対応して次に到着する車輌の時刻を予測することができる。
【0024】
請求項10に係る発明によれば、識別情報に含まれる各車輌の路線情報に基づいて各車輌の路線を区別し、路線ごとに車輌の通過及び通過後時間を表示したので、路線別に運行予定時刻表と比較して目的の路線における次の車輌の到着予定時刻を予測することができる。
【0025】
請求項11に係る発明によれば、交信可能期間に無線タグからの電波を受信し続け、受信できなくなったとき、時間計測を開始するとともに、車輌通過情報を送信するようにしたので、非常に簡単な構成で、より正確な車輌の通過及び通過後時間を知らせることができるとともに、システム構築に掛かる費用を安価に抑えることができる。
【0026】
請求項12に係る発明によれば、予め運行予定時刻情報を有し、識別情報に含まれる各車輌の運行予定時刻情報に相当する運行予定時刻を、車輌通過情報及び通過後時間情報とともに表示し、前記運行予定時刻情報から次に通過する車輌の運行予定時刻を表示するようにしたので、停留所に予め設置されている時刻表と照らし合わせることなく、表示欄だけで正確に何時の便が通過したかを把握することができるとともに、次の運行予定時刻も表示欄から直ちに知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る車輌運行情報提供システムの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る車輌運行情報提供システムの第1実施形態の構成を示すブロック構成図である。
本第1実施形態に係る車輌運行情報提供システムは、複数のバスと、各バス停留所に備えられた路上装置とで構成される。図1においては、1つのバス停留所を順次通過する予定の3台のバス1〜3の通過情報を、そのバス停留所に備えられた路上装置20において表示する例を示している。
【0028】
バス1〜3には、夫々無線タグ11〜13が取り付けられている。
路上装置20は、バス1〜3の無線タグ11〜13からの電波を受信するタグ受信機21と、時計機能を有して現在時刻を把握でき、タグ受信機21からの信号を受信して現在時刻情報を送信するタイマ22と、現在時刻情報をバス1〜3の通過時刻情報として表示する時間表示機23と、これらタグ受信機21、タイマ22及び時間表示機23に電力を供給するソーラー電池21とで構成される。
また、路上装置20には、時間表示機23に表示される情報を格納する記憶手段(図示せず)と、図示しない外部装置と情報を送受信する通信手段(図示せず)とを備えている。
【0029】
無線タグ11〜13としては、電池を内蔵して数十m程度の距離で交信可能なアクティブ型のRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。また、本第1実施形態においては、各バス停留所を使用して運行するバス路線が複数であり、いずれのバス路線を運行するバスであるかを特定するために識別情報を利用する。
そのため無線タグ11〜13には、夫々、当該無線タグ11〜13が取り付けられているバスの路線を識別するための識別情報が記憶される。該識別情報としては、無線タグ11〜13が夫々取り付けられるバス1〜3の識別情報(ID)及び路線についての情報を記憶させることができる。
【0030】
一方、各バス停留所を使用して運行するバス路線が1つである場合には、識別情報を利用しないので、タグである必要はなく、数十m程度の距離で交信可能な微弱な電波を使用する無線を用いることもできる。
ただし、バス1〜3を特定又は区別する識別情報は利用しないが、バス停留所を運行するバス1〜3であることを路上装置2側で認識する必要はある。そのため、例えば、これらを認識するための何らかのフラグを発信する電波に付けるようにする。さらに、バス1〜3に取り付けられた発信機から特定波長の光を発し、この光をバス停留所における受信機で受けるようにしてもよい。光の代わりに音を利用することも可能で、前述のような電波、光や音を含む種々の波長の電磁波を利用することが可能である。
【0031】
なお、無線タグ11〜13は、数十m程度の距離で交信可能なため、無線タグ11〜13を各々バス1〜3に取り付ける場所については、特に制限されないが、より良好に交信するためには、バス1〜3の車体外側であって、フロントやバス停留所により近くなる左側面などが好ましい。なお、電池は、年一回程度で交換が必要である。電池を内蔵しないパッシブ型のRFIDタグもあるが、1m以下の近距離でしか交信できないので、バス1〜3とバス停留所との最接近距離を考慮すると、交信し損なうことが考えられるので好ましくない。
【0032】
タグ受信機21は、無線タグ11〜13からの電波を受信したとき、識別情報を含む受信情報をタイマ22に送信する。
タイマ22は、タグ受信機21から受信情報を取得し、該受信情報に含まれる識別情報(バスの路線)を把握するとともに現在時刻を把握し、その現在時刻(通過時刻)とともに把握した識別情報を車輌通過情報として、時間表示機23へ送信する。
時間表示機23は、タイマ22から受信した車輌通過情報をバス通過情報として表示欄に表示する。
【0033】
図2は、時間表示機によって表示される表示欄の一例を示す図である。表示欄には、運行するバス1〜3の各路線A〜Cを区別して表示する「路線」欄と、各「路線」欄のバスが通過した時刻を表示する「最新バス通過時刻」及び「二つ前通過時刻」の欄が設けられ、図示例では現在時刻も表示されている。この「最新バス通過時刻」は現在時刻から直近に通過していったバスの通過時刻を表示し、「二つ前通過時刻」には「最新バス通過時刻」に通過したバスのもう一つ前、即ち現在から二つ前に通過したバスの通過時刻を表示する。
【0034】
次に、本第1実施形態に係る車輌運行情報提供システムにおいて、バス1〜3が1つのバス停留所を通過した情報が図2の表示欄に表示されるまでの情報の流れを、図1に基づいて説明する。バス1は路線C、バス2は路線A、バス3は路線Bを運行しているものとする。
【0035】
まず、バス1がバス停留所の手前数十mまで接近したとき、バス停留所に備えられた路上装置20におけるタグ受信機21は、バス1に取り付けられた無線タグ11からの電波を受信すると、その電波を受信情報としてタイマ22に送信する(ステップ1)。
タイマ22では、受信情報を取得すると、該受信情報に含まれる識別情報から路線Cのバス1に取り付けられた無線タグ11からの受信情報であることを把握するとともに、現在時刻を把握する。この現在時刻(通過時刻)とともに把握した識別情報を車輌通過情報として、時間表示機23へ送信する(ステップ2)。
【0036】
時間表示機23は、タイマ22から車輌通過情報(路線C及び通過時刻)を取得すると、図2の表示欄に「路線C」の「最新バス通過時刻」欄に新たに取得した「通過時刻」を表示し、それまで「最新バス通過時刻」欄に表示されていた「通過時刻」を「二つ前通過時刻」欄に表示する(ステップ3)。
以降、バス1の次に通過するバス2、その次に通過するバス3についても、タグ受信機21、タイマ22及び時間表示機23では、ステップ1〜3と同様に動作して表示欄に順次表示されることになる。
なお、通過時刻としては、少なくとも現在時刻から直近の通過時刻である「最新バス通過時刻」が表示されていればよい。
【0037】
このようにして時間表示機23に表示される情報(各路線のバスの通過時刻)は、路上装置20に備えられた記憶手段(図示せず)に格納される。
記憶手段に格納された情報は、例えば1ヶ月ごとにバス会社の担当者がバス停留所にて、路上装置20からPC(パーソナルコンピュータ)へダウンロードして取り出すことができるようになっている。
バス会社では取り出した情報から運行状況を把握することができ、例えば時刻表と比較して常に遅れが出ている時間帯やバス停留所においては適正な運行予定となるように時刻表を見直すことができる。
【0038】
図3は、路上装置の記憶手段に格納された情報をセンターで収集管理するシステムの概略構成図である。
センターに設けられた通信装置32は、各バス停A〜Cの路上装置20に備えられた通信手段31と情報を送受信する。またセンターには、通信装置32で受信した情報を格納するサーバーが備えられている。
バス停A〜Cの路上装置20の時間表示機23に表示されている情報は、サーバーからPCや携帯電話等にダウンロードして取得することができる。
【0039】
このような構成によってバス利用者は、例えば会社の研究所内で携帯電話にバス停留所の時間表示機23に表示されている路線の通過時刻を見ることができ、30分に一本しか運行されておらず、研究所からバス停留所まで5分以上かかるようなところでも、通過時刻からバスの到着予定時刻を確実に予測して、バス停留所での待ち時間を短くすることができる。
また、センターにおいて、路上装置20から取得した情報を管理し、問題があることを発見した場合や、別ルートから事故等の情報が入った場合には、センター側から各バス停A〜Cの通信手段31へ情報を発信することも可能である。
【0040】
さらに、このようなシステムにおいては、図3に示すように、バス停留所から少し離れた場所にある施設、例えば空港、ホテル、観光施設等に、バス停留所の路上装置20に備えられる時間表示機23と同様の第2の時間表示機40とが備えられている。また、路上装置20の通信手段31から路上装置20の時間表示機23に表示される情報を受信する通信手段41が備えられている。よって、第2の時間表示機40は、通信手段41を介して取得したバス停留所の時間表示機23に表示される情報(通過時刻等)を表示することができる。
このような第2の時間表示機40を例えば空港のロビーやホテルのフロントに設置しておけば、バス利用者は、バス停留所から離れた空港のロビーにいながらバス停留所の時間表示機23に表示される通過情報等を知ることができ、次のバスの到着予定時刻を予測して空港のロビーを出てバス停留所に向かうことができる。この場合、バス利用者は自ら携帯等の端末を操作しなくても、空港のロビーに設置された時間表示機40から容易にバスの通過時刻を取得することができる。
【0041】
このように、本第1実施形態においては、バス1〜3に無線タグ11〜13を取り付け、この無線タグ11〜13から送信される電波を、バス停留所に備えられた路上装置20で受信して処理するようにしたので、運行するバス1〜3側では無線タグを取り付けるだけでよい。路上装置20に対しては、通過時刻と各バスがいずれの路線であるかという情報のみを提供すればよく、各バスの識別情報等の運行に関する情報(各バスのIDとそのIDに対応する運行時刻等の情報)を提供する必要がないので、運用面でも負担が少ない。特に路線が1つだけの場合であれば、路線の情報は不要で、より簡便に運用することが可能である。
【0042】
また、バス停留所に備えられた路上装置20では、バス1〜3に夫々取り付けられた無線タグ11〜13から識別情報を含む電波を受信することによって、識別情報からバス1〜3の各路線を区別し、その路線の通過時刻を表示するようにしたので、非常に簡単な構成で各路線のバスが現在時刻から直近にバス停留所を通過した時刻を知らせることができるとともに、システム構築に掛かる費用を安価に抑えることができる。
さらに、路上装置20における動作としては、タグ受信機21での電波の受信と、タイマ22での信号の送受信及び時計機能と、時間表示機23での信号の受信及びこれに基づく分類表示(路線ごとに通過時刻を表示)とで、複雑な処理を要しないので、ソーラー電池などわずかな電力で作動することができ、特別な電力原を必要としないという利点がある。
【0043】
また、表示欄には、バス停留所を通過するバス1〜3の路線ごとに「最新バス通過時刻」のみを表示するので、各バスについて何時の便かを特定することなく、運行予定時刻に合わせた○○:○○便等の表示としないことにより、時間表示機23においては、時刻表に合わせた表示が不要で簡単に表示でき、また、平日と休日のように日によって運行予定時刻が異なる場合にも表示を変更することなく使用できる。
【0044】
このような構成において、図2の表示欄のように表示されている場合、例えば路線Aのバスに乗りたい利用者は、現在時刻が10:10であり、10:00にバスが通過したことが分かり、このバス停留所に別途取り付けられている運行予定時刻表等から、路線Aのバスが10分間隔で予定通り運行されていることが分かると、次の10:10便は未だ通過しておらず、まもなく到着するはずであることを把握することができる。
即ち、乗りたい路線の通過時刻に相当する便をバス停留所の時刻表から探すことができ、実際の通過時刻と時刻表の時刻との差などを参考に、次に到着するバスの時刻を予測して、次のバスを待つべきか、別の交通手段に変えるべきか等を検討することも可能である。
【0045】
また、時間表示機23に表示される情報(各路線のバスの通過時刻)を路上装置20に備えられた記憶手段に格納し、PC等の外部装置へダウンロードすることによって、バス会社等では取り出した情報から運行状況を把握して運行管理に利用することができる。
さらに、路上装置20に通信手段31を備え、これと情報を送受信する通信装置32と受信した情報を格納するサーバーをセンターに設けることによって、バス停A〜Cの路上装置20の時間表示機23に表示されている情報は、サーバーからPCや携帯電話等の外部端末にダウンロードして取得することができ、バス利用者はバス停留所まで行かなくても通過情報を知ることができ、次のバスの到着予定時刻を確実に予測して、バス停留所での待ち時間を短くすることができる。
【0046】
次に、本発明に係る車輌運行情報提供システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態の構成を示すブロック構成図としては、図1と同様である。
ただし、タイマ22における動作と時間表示機23に表示される情報が異なる。
即ち、本第2実施形態においては、タイマ22は、バス1〜3が通過した時刻からの経過時間をカウントし、時間表示機23はバス1〜3の通過及びその通過時間を表示する。
本第2実施形態においては、識別情報を利用しないが無線タグ11〜13を用いる。
【0047】
タグ受信機21は、無線タグ11〜13からの電波を受信したとき、信号をタイマ22に送信する。
タイマ22は、タグ受信機21から信号を取得し、時間を計測し始めるとともに、信号を時間表示機23へ送信する。また、タイマ22は、時間計測開始後、所定時間経過ごと、例えば5分ごとに、時間表示機23へ経過時間に応じた信号を送信する。さらに一定時間、例えば30分を経過すると、タイマ22は時間計測を停止する。
時間表示機23は、タイマ22から最初の信号を受信したときバス通過情報として表示欄に表示し、所定経過時間ごとに異なる信号を受信したとき各通過後時間情報として表示欄に表示する。
【0048】
図4は、時間表示機によって表示される表示欄の一例を示す図である。表示欄には、運行するバス1〜3を区別して表示する「便」欄と、各「便」欄のバスが通過したときに表示される「通過」の欄と、通過後5分ごとに30分まで経過したときに夫々表示される「通過後」の欄が設けられている。なお、「便」欄には、現在時刻近くに通過したバス1〜3を特定するのではなく、区別するだけなので、何時便のようにバス1〜3を特定する表示はしない。
【0049】
次に、本第2実施形態に係る車輌運行情報提供システムにおいて、バス1〜3が1つのバス停留所を通過した情報が図4の表示欄に表示されるまでの情報の流れを、図1に基づいて説明する。
図5は、バス停留所に備え付けられている運行予定時刻表の一例を示す図である。バス1〜3が通過するバス停留所には、図5に示すような運行予定時刻で20分おき、例えば3時台なら3:10、3:30及び3:50に、バス1〜3が順次運行しているものとする。
【0050】
まず、バス1(3:10便)がバス停留所の手前数十mまで接近したとき、バス停留所に備えられた路上装置20におけるタグ受信機21は、バス1に取り付けられた無線タグ11からの電波を受信すると、信号をタイマ22に送信する(ステップ11)。
タイマ22では、信号を受信すると、時間を計測し始めるとともに、信号を時間表示機23に送信する。このとき送信する信号は、新たなバスが通過したことを表示させるため、例えば1つのパルス信号を送信する(ステップ12)。
【0051】
時間表示機23は、タイマ22から信号(1つのパルス信号)を取得すると、新たなバスが通過したことを把握し、図4の表示欄に「バスB」の「通過」欄を点灯することによって通過したことを表示する(ステップ13)。なお、この場合、「便」欄の「バスA」には先に通過したバス3(2:50便)についての通過情報がすでに表示されているものとする。
【0052】
次いで、タイマ22は、タグ受信機21から信号を受信して時間計測を開始してから5分後に、再び信号を時間表示機23に送信する。このとき送信する信号は、通過後5分経過したことを表示させるため、例えば3つのパルス信号を送信する(ステップ14)。
時間表示機23は、タイマ22から信号(3つのパルス信号)を取得すると、通過後5分経過したことを把握し、図4の表示欄に「バスB」の「5分」の欄を点灯して通過時間を表示する(ステップ15)。
以降、時間計測開始から25分後まで、タイマ22及び時間表示機23では、ステップ14及びステップ15と同様にして、表示欄の「バスB」の「10分」、「15分」、「20分」及び「25分」まで点灯して通過時間が表示される。
【0053】
次いで、タイマ22は、タグ受信機21から信号を受信して時間計測を開始してから30分後に、時間表示機23に信号を送信するとともに、バス1についての時間計測を停止する。このとき送信する信号は、通過後30分経過したことを表示させるため、例えば13のパルス信号を送信する(ステップ16)。
時間表示機23は、タイマ22から信号(13のパルス信号)を取得すると、通過後30分経過したことを把握し、図4の表示欄に「バスB」の「30分以上」の欄を点灯して通過時間を表示する(ステップ17)。
【0054】
次に、バス1(3:10便)の次に通過予定のバス2(3:30便)についても、タグ受信機21及びタイマ22では、ステップ11及び2と同様に動作する。なお、前述のように、バス停留所には20分おきにバス1〜3が運行しているので、予定通りに運行されていれば、バス1の通過後20分後にバス2が通過することになる。即ち、図4の表示欄では、「バスB」の「20分」が点灯表示されるころに「バスC」の「通過」が点灯表示されることになる。
【0055】
従って、タイマ22は、バス1についての時間計測とともに、バス2についての時間を計測することになる。タイマ22では、1つの時間計測装置で時間測定し、バス1又はバス2に対応する通過後時間に信号を送信するようにしてもよいし、複数の時間計測装置を備え、各時間計測装置において時間測定して時間表示機23に信号を送信するようにしてもよい。
そして、時間表示機23は、タイマ22から信号(1つのパルス信号)を取得すると、新たなバスが通過したことを把握し、図4の表示欄に「バスC」の「通過」欄を点灯して通過したことを表示する。
以降、バス1の通過後と同様、バス2についての時間計測開始25分後まで、タイマ22及び時間表示機23では、ステップ14及びステップ15と同様にして、表示欄の「バスC」の「10分」、「15分」、「20分」及び「25分」まで点灯表示される。
【0056】
次いで、タイマ22は、ステップ16と同様に、時間表示機23は、ステップ17と同様にして、「バスC」についての表示を終了する。
以降、順次運行されるバス1〜3についても、ステップ11〜17と同様にして表示欄に順次表示されることになる。なお、表示欄は、図4のように「通過」欄や通過後時間の「5分」、「10分」等の欄を各々点灯表示する例を示したが、棒グラフのように点灯する棒状の領域を延長していくように表示してもよい。
【0057】
このように、本第2実施形態においては、バス1〜3に無線タグ11〜13を取り付け、この無線タグ11〜13から送信される電波を、バス停留所に備えられた路上装置20で受信して処理するようにしたので、運行するバス1〜3側では無線タグを取り付けるだけでよく、路上装置20に対して各バスの識別情報等の運行に関する情報を提供する必要がないので、運用面でも負担が少ない。
【0058】
また、バス停留所に備えられた路上装置20では、バス1〜3に夫々取り付けられた無線タグ11〜13からの電波を受信することによってバス1〜3が通過したことを表示し、その受信から所定時間経過ごとにバス1〜3の通過後時間を表示するようにしたので、非常に簡単な構成でバス1〜3の通過及び通過後時間を知らせることができるとともに、システム構築に掛かる費用を安価に抑えることができる。
さらに、路上装置20における動作としては、タグ受信機21での電波の受信と、タイマ22での信号の送受信及び時間計測と、時間表示機23での信号の受信及びこれに基づく表示とで、複雑な処理を要しないので、ソーラー電池などわずかな電力で作動することができ、特別な電力原を必要としないという利点がある。
【0059】
また、表示欄には、バス停留所を通過するバス1〜3について何時の便かを特定することなく、バスA、バスB、バスC等と表示し、運行予定時刻に合わせた○○:○○便等の表示としないことにより、時間表示機23においては、時刻表に合わせた表示が不要で簡単に表示でき、また、平日と休日のように日によって運行予定時刻が異なる場合にも表示を変更することなく使用できる。
【0060】
このような構成において、利用者は、図4の表示欄のように表示されている場合、現在時刻が3:40であるとき、5分前にバスが通過したことが分かり、図5の運行予定時刻表と比較すると、予定通り運行されていれば3:10便が通過してから30分経過し、3:30便が通過してから10分経過しているはずであるから、3:10便は予定通り通過して30分経過し、3:30便は予定より5分遅れて通過してから5分経過していることが分かる。このことから、利用者は、次のバスがあと15分程で到着することを予測することができる。
【0061】
即ち、その通過したバス3について、通過後時間の表示から逆算して通過時刻を割り出し、その通過時刻に相当する便をバス停留所の時刻表から探すことができ、実際の通過時刻と時刻表の時刻との差などを参考に、次に到着するバス1の時刻を予測して、次のバス1を待つべきか、別の交通手段に変えるべきか等を検討することも可能である。
【0062】
また、バス1(2:50便)の通過情報が「バスB」欄に表示された後、バス2(3:10便)が運行取り止めになってバス2が通過することなく、バス3(3:30便)が通過した場合、バス3の通過情報は「バスC」欄に表示されることになる。仮に、3:10便と表示されていた場合には、そこに3:30便についての表示がなされることになり問題であるところ、図4のような表示欄ならずれた表示にならないので問題がない。このように運行予定時刻を表示しない表示欄であっても、バス利用者は、バス停留所に備えられた運行時刻表と表示欄を照らし合わせることによって、バス2が運行取り止めになったことを把握することができる。
【0063】
次に、第3実施形態に係る車輌運行情報提供システムについて説明する。第3実施形態の構成を示すブロック構成図としては、図1と同様である。ただし、無線タグ11〜13には、夫々、当該無線タグ11〜13を識別するための識別情報が記憶される。該識別情報としては、無線タグ11〜13が夫々取り付けられるバス1〜3の識別情報(ID)を記憶させることができる。また、同じバス1が巡回して1つのバス停留所を何度も通過するような場合には、何時の便かを識別する識別情報を記憶させるようにしてもよい。また、タイマ22及び時間表示機23での動作が異なる。
【0064】
タグ受信機21は、無線タグ11〜13からの電波を受信したとき、識別情報を含む受信情報をタイマ22に送信する。
タイマ22は、タグ受信機21から受信情報を取得し、該受信情報に含まれる識別情報を把握して時間を計測し始めるとともに、取得した受信情報をバス通過情報として時間表示機23へ送信する。また、タイマ22は、時間計測開始後、所定時間経過ごと、例えば5分ごとに、時間表示機23へ識別情報を含む通過時間情報を送信する。さらに一定時間、例えば30分を経過すると、タイマ22は時間計測を停止する。
時間表示機23は、タイマ22から受信したバス通過情報及び通過後時間情報を表示欄に表示する。
【0065】
次に、本第3実施形態に係る車輌運行情報提供システムにおいて、バス1〜3が1つのバス停留所を通過した情報が図4の表示欄に表示されるまでの情報の流れを、図1に基づいて説明する。バス1〜3が通過するバス停留所には、図5に示すような運行予定時刻で20分おき、例えば3時台なら3:10、3:30及び3:50に、バス1〜3が順次運行しているものとする。
【0066】
まず、バス1(3:10便)がバス停留所の手前数十mまで接近したとき、バス停留所に備えられた路上装置20におけるタグ受信機21は、バス1に取り付けられた無線タグ11からの電波を受信すると、その受信情報をタイマ22に送信する(ステップ31)。
タイマ22では、受信情報を取得すると、該受信情報に含まれる識別情報からバス1に取り付けられた無線タグ11からの受信情報であることを把握するとともに、時間を計測し始める。また、タイマ22は、取得した受信情報をバス通過情報として時間表示機23に送信する(ステップ32)。
【0067】
時間表示機23は、バス通過情報を取得すると、該バス通過情報に含まれる識別情報から、新たにバス1が通過したことを把握し、図4の表示欄に「バスB」の「通過」欄を点灯することによって通過したことを表示する(ステップ33)。なお、この場合、「便」欄の「バスA」には先に通過したバス3(2:50便)についての通過情報がすでに表示されているものとする。
【0068】
次いで、タイマ22は、バス1から受信情報を取得して時間計測を開始してから5分後に、その受信情報に含まれていた識別情報を含む通過後時間情報を時間表示機23に送信する(ステップ34)。
時間表示機23は、通過後時間情報を取得し、該通過後時間情報に含まれる識別情報から、バス1についての通過後時間情報であることを把握し、図4の表示欄に「バスB」の「5分」の欄を点灯して通過時間を表示する。(ステップ35)。
以降、時間計測開始から25分後まで、タイマ22及び時間表示機23では、ステップ34及びステップ35と同様にして、表示欄の「バスB」の「10分」、「15分」、「20分」及び「25分」まで点灯して通過時間が表示される。
【0069】
次いで、タイマ22は、バス1についての時間計測開始から30分後に、時間表示機23に通過後時間情報を送信するとともに、バス1についての時間計測を停止する(ステップ36)。
時間表示機23は、通過後時間情報を取得し、該通過後時間情報に含まれる識別情報から、バス1についての通過後時間情報であることを把握し、「30分以上」の欄を点灯表示し、「バスB」についての表示を終了する(ステップ37)。
【0070】
次に、バス1(3:10便)の次に通過予定のバス2(3:30便)についても、タグ受信機21及びタイマ22では、ステップ31及び22と同様に動作する。なお、前述のように、バス停留所には20分おきにバス1〜3が運行しているので、予定通りに運行されていれば、バス1の通過後20分後にバス2が通過することになる。即ち、図4の表示欄では、「バスB」の「20分」が点灯表示されるころに「バスC」の「通過」が点灯表示されることになる。
従って、タイマ22は、バス1についての時間計測とともに、バス2についての時間を計測することになる。
【0071】
そして、時間表示機23は、バス2についてのバス通過情報を取得すると、該バス通過情報に含まれる識別情報から、新たにバス2が通過したことを把握し、図4の表示欄に「バスC」の「通過」欄を点灯して通過したことを表示する。
以降、バス1の通過後と同様、バス2についての時間計測開始25分後まで、タイマ22及び時間表示機23では、ステップ34及びステップ35と同様にして、表示欄の「バスC」の「10分」、「15分」、「20分」及び「25分」まで点灯表示される。
【0072】
次いで、タイマ22は、ステップ36と同様に、時間表示機23は、ステップ37と同様にして、「バスC」についての表示を終了する。
以降、順次運行されるバス1〜3についても、ステップ31〜27と同様にして表示欄に順次表示されることになる。
【0073】
このように、本第3実施形態においては、バス1〜3に無線タグ11〜13を取り付け、この無線タグ11〜13から送信される電波を、バス停留所に備えられた路上装置20で受信して処理するようにしたので、運行するバス1〜3側では無線タグを取り付けるだけでよく、路上装置20に対して特別な運行に関する情報を提供する必要がないので、運用面でも負担が少ない。
また、バス停留所に備えられた路上装置20では、バス1〜3に夫々取り付けられた無線タグ11〜13からの電波を受信することによってバス1〜3が通過したことを表示し、その受信から所定時間経過ごとにバス1〜3の通過後時間を表示するようにしたので、非常に簡単な構成でバス1〜3の通過及び通過後時間を知らせることができるとともに、システム構築に掛かる費用を安価に抑えることができる。
【0074】
さらに、路上装置20における動作としては、タグ受信機21での情報の送受信と、タイマ22での情報の送受信及び時間計測と、時間表示機23での情報の受信及びこれに基づく表示とで、複雑な処理を要しないので、ソーラー電池などわずかな電力で作動することができ、特別な電力原を必要としないという利点がある。
また、表示欄には、バス停留所を通過するバス1〜3について何時の便かを特定することなく、バスA、バスB、バスC等と表示し、運行予定時刻に合わせた○○:○○便等の表示としないことにより、時間表示機23においては、時刻表に合わせた表示が不要で簡単に表示でき、また、平日と休日のように日によって運行予定時刻が異なる場合にも表示を変更することなく使用できる。
【0075】
このような構成において、利用者は、図4の表示欄のように表示されている場合、現在時刻が3:40であるとき、5分前にバスが通過したことが分かり、図5の運行予定時刻表と比較すると、予定通り運行されていれば3:10便が通過してから30分経過し、3:30便が通過してから10分経過しているはずであるから、3:10便は予定通り通過して30分経過し、3:30便は予定より5分遅れて通過してから5分経過していることが分かる。このことから、利用者は、次のバスがあと15分程で到着することを予測することができる。
【0076】
即ち、その通過したバス3について、通過後時間の表示から逆算して通過時刻を割り出し、その通過時刻に相当する便をバス停留所の時刻表から探すことができ、実際の通過時刻と時刻表の時刻との差などを参考に、次に到着するバス1の時刻を予測して、次のバス1を待つべきか、別の交通手段に変えるべきか等を検討することも可能である。
【0077】
また、バス1(2:50便)の通過情報が「バスB」欄に表示された後、バス2(3:10便)が運行取り止めになってバス2が通過することなく、バス3(3:30便)が通過した場合、バス3の通過情報は「バスC」欄に表示されることになる。仮に、3:10便と表示されていた場合には、そこに3:30便についての表示がなされることになり問題であるところ、図4のような表示欄ならずれた表示にならないので問題がない。このように運行予定時刻を表示しない表示欄であっても、バス利用者は、バス停留所に備えられた運行時刻表と表示欄を照らし合わせることによって、バス2が運行取り止めになったことを把握することができる。
なお、第2及び第3実施形態の車輌運行情報提供システムにおいては、図5のように20分ごと、1時間に3台のバスが運行される場合に、図4のような表示欄に通過及び通過後時間を表示する例について説明したが、1時間に1台程度の路線においても好適に採用することが可能である。
【0078】
図6は、バス停留所に備え付けられている運行予定時刻表の他の例を示す図である。このバス停留所には1時間おきに、例えば2:10、3:10及び4:10に、バス1〜3が順次運行する。このように1時間おきにしか通過しない運行予定で、図4のような30分までの通過後時間しか表示されない表示欄では、利用者は次のバスの到着時刻を予測することが困難である。
【0079】
即ち、現在時刻が2:40で、図4においてバス1及びバス2の通過後時間の欄がすべて点灯し、バス3の通過及び通過後時間の欄が点灯していない状態であるとする。図6の運行予定時刻表通りに運行されているとすれば、最近通過した時刻は2:10の30分前のはずで、図4のバス2の通過後時間の欄がすべて点灯し、バス3の通過及び通過後時間の欄が点灯していないことから、バス2が2:10便であったと推測することはできる。しかしながら、2:10便の通過後時間として30分以上であることしか分からないので、2:10便の通過後60分程度で到着するはずの3:10便の到着時刻を予測するには、あまり参考にならない。
【0080】
図7は、時間表示機によって表示される表示欄の他の例を示す図である。基本的に図4と同様であるが、図6のように1時間に1台程度の運行予定時刻に合わせ、「便」欄にはバス1及びバス2の2台分しか表示されず、通過後時間として「20分」、「25分」及び「30分以上」に替えて「30分」、「45分」及び「60分以上」が表示されている。このような表示欄であれば、1時間に1台程度の運行予定時刻であっても、利用者は次のバスの到着時刻を予測することができる。
【0081】
このように、表示欄は、何台分のバスについて表示するか、通過後何分ごとに表示するか、何分まで表示するか等について、運行予定時刻におけるバス便の間隔に応じて適宜設定することができ、これによって、バス運行頻度が極端に低い路線にも対応して次に到着するバスの時刻を予測することができる。
また、表示欄は、複数のバス路線がある場合に、路線ごとに分けて表示することも可能である。無線タグ11〜13の識別情報に路線についての情報を含むようにすれば、時間表示機23は、バス通過情報及び通過後時間情報に含まれる識別情報から路線についての情報を把握し、表示欄の対応する路線の欄に表示することができる。これによって、利用者は、路線別に運行予定時刻表と比較して目的の路線の次のバスの到着予定時刻を予測することができる。
【0082】
ここで、前述のように、無線タグ11は、数十m程度の距離で交信可能であるため、タグ受信機21は、バス1がバス停留所の数十m手前に接近してきたとき、無線タグ11からの電波を受信し、バス1がバス停留所に停止し、さらにバス1がバス停留所から遠ざかっても数十mは、無線タグ11からの電波を受信している。従って、厳密には、タイマ22が、タグ受信機21から識別情報を取得した時点で、バス1はバス停留所を通過しておらず、バス停留所の数十m手前に接近しているところである。
通常、タグ受信機21が、接近してきたバス1の無線タグ11から電波を受信し、バス1が停止して出発し、無線タグ11から電波を受信しなくなるまで、長くても3〜4分程度と考えられるので、タグ受信機21が無線タグ11からの電波を受信したとき、その受信情報をバス通過情報としてタイマ22に送信することにしても問題はない。
【0083】
ところが、バス1がしばらくバス停留所に止まって出発時刻調整をするような場合、タグ受信機21が無線タグ11から電波を受信している時間が5分以上続くことが想定される。このような場合には、タグ受信機21が無線タグ11から電波を受信し始めた時点から、タイマ22が時間計測を開始すると、通過後時間がかなりずれることになる。そこで、タグ受信機21が無線タグ11からの電波を受信しなくなった時点から、タイマ22が時間を計測し始めるようにしてもよい。このようなタイミングでタイマ22が時間計測を開始する場合を第4実施形態として以下に説明する。
【0084】
本第4実施形態の構成を示すブロック構成図としては、図1と同様である。ただし、第2実施形態とはタグ受信機21及びタイマ22での動作が異なる。即ち、タグ受信機21は、無線タグ11〜13からの電波を受信したときだけでなく、バス1〜3がバス停留所付近にいて無線タグ11〜13から電波を受けている間、受信してタイマ22へ送信する。また、タイマ22では、タグ受信機21からの送信がなくなった時点で時間計測を開始する。
従って、本第4実施形態に係る車輌運行情報提供システムにおける情報の流れとしては、第2実施形態におけるステップ11及び2が異なるので、異なるステップについて図1に基づいて説明する。
【0085】
まず、7:10便のバス1がバス停留所の手前数十mまで接近したとき、バス停留所に備えられた路上装置20におけるタグ受信機21は、バス1に取り付けられた無線タグ11からの電波を受信する。タグ受信機21では、その後もバス1がバス停留所に停止した後通過してバス停留所から数十mのところまで、無線タグ11からの電波を間欠的又は連続的に受信し続け、この間、信号をタイマ22へ送信し続ける(ステップ41)。
タイマ22では、信号を受信し、バス1がバス停留所から離れ、受信していた信号を受信しなくなったとき、時間計測を開始するとともに、信号を時間表示機23に送信する(ステップ42)。
以降、第2実施形態におけるステップ13〜ステップ17と同様にして、表示欄に通過情報が表示される。
なお、本第4実施形態は、第2実施形態の応用例として説明したが、第3実施形態についても同様に適用することができる。
【0086】
このように、本第4実施形態においては、第2実施形態と同様の効果に加え、タグ受信機21は無線タグ11〜13からの電波を受信している間、受信した信号をタイマ22に送信し、タイマ22においてタグ受信機21からの送信がなくなった時点で時間計測を開始するようにしたので、非常に簡単な構成で、より正確なバス1〜3の通過及び通過後時間を知らせることができるとともに、システム構築に係る費用を安価に抑えることができる。
このような構成において、利用者は、図4のような表示欄に表示される、より正確な通過及び通過後時間に基づいて、図5のような運行予定時刻表と比較して次のバスの到着時刻を、より正確に予測することができる。
【0087】
次に、第5実施形態に係る車輌運行情報提供システムについて説明する。第5実施形態においては、第3実施形態の構成に加え、時間表示機23が運行予定時刻の情報を有し、表示欄において通過及び通過後時間とともに、運行予定時刻を表示する。
図8は、第5実施形態における時間表示機によって表示される表示欄の一例を示す図である。
【0088】
本第5実施形態の構成を示すブロック構成図としては、図1におけるソーラー電池24に替えて外部電源から電力を供給する他は図1と同様である。ただし、第3実施形態とは、無線タグ11〜13は何時の便かを識別する識別情報を有し、時間表示機23での動作が異なる。即ち、時間表示機23は、バス通過情報及び通過後時間情報を取得し、これらの情報から、表示欄の適切な欄を点灯表示するだけでなく、予め運行予定時刻情報を有する。バス通過情報及び通過後時間情報に含まれる何時の便かを識別する便情報を取得し、運行予定時刻情報から便情報に相当する運行予定時刻を検索し、その時刻を通過情報及び通過後時間情報とともに表示する。また、前記便情報と運行予定時刻情報から次に通過する便の運行予定時刻を検索して表示欄に表示する。
【0089】
従って、本第5実施形態に係る車輌運行情報提供システムにおける情報の流れとしては、第4実施形態とは時刻表示機23における処理、即ち、第3実施形態におけるステップ33、ステップ35及びステップ37が異なるので、異なるステップを中心に図1に基づいて説明する。
第3実施形態と同様にして、バス2の無線タグ12からの受信信号をタグ受信機21が受信して送信し、その受信信号をタイマ22がバス通過情報として時間表示機23に送信される(ステップ51)。
【0090】
時間表示機23では、バス通過情報を取得すると、該バス通過情報に含まれる何時の便かを識別する便情報から、予め有する運行予定時刻情報に基づいて何時の便かと次に通過する便を把握し、図8のように何時の便か(3:30)を「運行予定時刻」欄に表示し、その「通過」欄を点灯表示するとともに、次に通過する便の運行予定時刻を表示欄に表示する(ステップ52)。
以降、第3実施形態のステップ34〜27と同様にして、タイマ22はバス2から受信情報を取得して時間計測を開始してから一定時間ごとに、その受信情報に含まれていた識別情報を含む通過後時間情報を時間表示機23に送信し、時間表示機23は通過後時間情報を取得し、該通過後時間情報に含まれる識別情報から、バス2についての通過後時間情報であることを把握し、図8のように「運行予定時刻」の「3:30」欄の各「通過後」欄を点灯して経過時間を表示し、3:30便についての表示を終了する(ステップ43)。
【0091】
このような本第5実施形態においては、第3実施形態と同様の効果に加え、時間表示機23が予め運行予定時刻を有し、通過情報及び通過後時間情報に含まれる何時の便かを識別する便情報を取得し、運行予定時刻情報から便情報に相当する運行予定時刻を検索し、その時刻を通過情報及び通過後時間情報とともに表示し、便情報と運行予定時刻情報から次に通過する便の運行予定時刻を表示欄に表示するようにしたので、利用者は、バス停留所に予め設置されている時刻表と照らし合わせることなく、表示欄だけで正確に何時の便が通過したかを把握することができるとともに、次の運行予定時刻も表示欄から直ちに知ることができる。
【0092】
なお、本第5実施形態においては、時刻表の改正時には時刻表示機23に登録し直す必要があり、通過したバス便に合わせて表示欄に運行予定時刻を表示するため充分な電力を供給できる電源を要するが、バス運行上は何ら変更することはなく、各バス停留所における路上装置20の構成のみを拡張して変更すればよい。従って、容易に変更することができ、各バス停留所の利用状況に合わせ、利用が多いバス停留所でのみ表示欄に運行予定時刻を表示することも可能である。
【0093】
以上、本発明に係る車輌運行情報提供システムの一例として、バス運行を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であって、本発明に係る車輌運行情報提供システムは、例えば路面電車についても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する車輌及びその車輌の停留所に対して好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る車輌運行情報提供システムの第1実施形態の構成を示すブロック構成図である。
【図2】時間表示機によって表示される表示欄の一例を示す図である。
【図3】路上装置の記憶手段に格納された情報をセンターで収集管理するシステムの概略構成図である。
【図4】時間表示機によって表示される表示欄の一例を示す図である。
【図5】バス停留所に備え付けられている運行予定時刻表の一例を示す図である。
【図6】バス停留所に備え付けられている運行予定時刻表の他の例を示す図である。
【図7】時間表示機によって表示される表示欄の他の例を示す図である。
【図8】第5実施形態における時間表示機によって表示される表示欄の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1〜3 バス
11〜13 無線タグ
20 路上装置
21 タグ受信機
22 タイマ
23 時間表示機
24 ソーラー電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、
各車輌に取り付けられる発信機と、各停留所に設置される路上装置とからなり、
前記路上装置は、発信機から電磁波を受信したときに信号を送信する受信機と、
該受信機からの信号を受信し、現在時刻情報を送信するタイマと、
該タイマからの現在時刻情報を受信し、現在時刻を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システム。
【請求項2】
複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、
各車輌に取り付けられ、その車輌の識別情報を有する無線タグと、各停留所に設置される路上装置とからなり、
前記路上装置は、無線タグから識別情報を含む電波を受信し、その受信情報を送信するタグ受信機と、
該タグ受信機からの受信情報を受信し、該受信情報に含まれる識別情報を把握し、現在時刻情報とともに把握した識別情報を車輌通過情報として送信するタイマと、
該タイマからの現在時刻情報及び車輌通過情報を受信し、該車輌通過情報に含まれる識別情報から路線を区別し、その路線ごとに少なくとも直近の車輌通過時刻を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システム。
【請求項3】
前記車輌の識別情報及び通過時刻を含む表示欄に表示された情報を記憶する記憶手段を備え、
該記憶手段に記憶された情報を外部装置に取り込むことを特徴とする請求項2記載の車輌運行情報提供システム。
【請求項4】
前記路上装置は通信手段を備え、
該通信手段と情報を送受信する通信装置と、受信した情報を格納するサーバーをセンターに設置し、
前記通信装置は、前記路上装置における時間表示機に表示される情報を受信してサーバーが収集し、該サーバーに収集された情報は、外部端末で表示されることを特徴とする請求項2又は3記載の車輌運行情報提供システム。
供システム。
【請求項5】
停留所がない施設に第2の時間表示機を設置し、
該第2の時間表示機は、第2の通信手段を備え、前記路上装置の通信手段を介して前記路上装置の時間表示機に表示される情報を受信して表示することを特徴とする請求項2乃至4いずれか記載の車輌運行情報提供システム。
【請求項6】
複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、
各車輌に取り付けられる発信機と、各停留所に設置される路上装置とからなり、
前記路上装置は、発信機から電磁波を受信したときに信号を送信する受信機と、
該受信機からの信号を受信し、時間計測を開始するとともに信号を送信し、時間計測開始後、所定時間経過ごとに異なる信号を送信するタイマと、
該タイマからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、車輌の通過及び通過後時間を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システム。
【請求項7】
複数の停留所を有する所定の路線を運行予定時刻に基づいて運行する複数の車輌について、その運行情報を各停留所において利用者に提供する車輌運行情報提供システムであって、
各車輌に取り付けられ、その車輌の識別情報を有する無線タグと、各停留所に設置される路上装置とからなり、
前記路上装置は、無線タグから識別情報を含む電波を受信し、その受信情報を送信するタグ受信機と、
該タグ受信機からの受信情報を受信し、該受信情報に含まれる識別情報を把握して時間計測を開始するとともに、取得した受信情報を車輌通過情報として送信し、時間計測開始後、所定時間経過ごとに識別情報を含む通過後時間情報を送信するタイマと、
該タイマからの車輌通過情報又は通過後時間情報を受信し、これらの情報に含まれる識別情報から車輌を区別し、その車輌の通過及び通過後時間を表示欄に表示する時間表示機とを備えたことを特徴とする車輌運行情報提供システム。
【請求項8】
前記時間表示機は、タイマから送信される異なる信号に基づいて現在時刻付近に通過した数台の車輌を区別し、その車輌の通過又は通過後時間を表示欄に表示することを特徴とする請求項6又は7記載の車輌運行情報提供システム。
【請求項9】
前記タイマは、車輌の運行予定時刻の間隔に応じて設定された所定時間経過ごとに通過後時間情報を送信し、
前記時間表示機は、タイマからの通過後時間情報を受信する間隔で表示欄に表示し、車輌の運行予定時刻の間隔に応じた車輌台数を表示欄に表示することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の車輌運行情報提供システム。
【請求項10】
前記無線タグは、前記識別情報にその車輌の路線情報を含み、
前記時間表示機は、車輌通過情報及び通過後時間情報に含まれる路線情報から各車輌の路線を区別し、路線ごとに車輌の通過及び通過後時間を表示欄に表示することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の車輌運行情報提供システム。
【請求項11】
前記タグ受信機は、車輌が停留所に接近して交信可能な間、無線タグからの電波を間欠的又は連続的に受信し続け、その受信情報を送信し続け、
前記タイマは、タグ受信機から受信していた受信情報を受信しなくなったとき、時間計測を開始するとともに、受信情報を車輌通過情報として送信することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の車輌運行情報提供システム。
【請求項12】
前記無線タグは、識別情報にその車輌が何時便かを識別する便情報を含み、
前記時間表示機は、予め運行予定時刻情報を有し、該運行予定時刻情報から車輌通過情報及び通過後時間情報に含まれる便情報に相当する運行予定時刻を検出して車輌通過情報及び通過後時間情報とともに表示し、前記運行予定時刻情報から次に通過する車輌の運行予定時刻を取得して表示欄に表示することを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の車輌運行情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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