説明

車輪のスプラッシュ・ガード構造

【課題】 サービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキを分離独立させて設けた車輪において、スプラッシュ・ガードの割れ、ハブ・ベアリングの泥水等の侵入からの保護を可能とする。
【解決手段】 スプラッシュ・ガード21、24は、外周側にサービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20に対応する2カ所の切り欠き部21S、21P,24S、24Pを設け、ハブ・ベアリング18を外部異物の侵入から保護するハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21A、24Aと、ブレーキ・ユニット2、20およびディスク・ロータ5を外部異物の侵入から保護するブレーキ用スプラッシュ・ガード21B、24Bとを有する。ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21A、24Aおよびブレーキ用スプラッシュ・ガード21B、24Bは、これらの半径方向途中位置に、これらの外周位置および内周位置の部分に対し、ディスク・ロータ5の軸方向へ突出させた膨張部21i、24jを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を制動可能なサービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキ・ユニットを備えた車輪のスプラッシュ・ガード構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくともサービス・ブレーキ・ユニットを備えた車輪としては、特許文献1に記載のものが知られている。この特許公報には、車輪に用いるサービス・ブレーキ・ユニットとして、車輪と一体回転するディスク・ロータをその両側面からブレーキ・パッドで挟むことで制動力を付与するディスク・ブレーキが採用され、該ディスク・ブレーキが車輪を支持するナックルの後方位置に配置されることが記載されている。また、ナックルとディスク・ロータとの間には、ディスク・ロータを車幅方向内側から覆うディスク状のスプラッシュ・ガード(ブレーキ・ダスト・カバー)が取り付けられ、ダストやスプラッシュ等がディスク・ロータの摺動面、ブレーキ・ユニット内部、車輪内部の軸受等に侵入するのを防ぐようにしている。スプラッシュ・ガードは、ディスク・ブレーキとの干渉を避けるため、その一部がディスク・ブレーキの形状に合わせて切り欠いてある。
【0003】
一方、後輪にあっては、駐車時やサービス・ブレーキ・ユニットの液圧失陥時に制動力を確保する目的でパーキング・ブレーキ・ユニットが設けられている。パーキング・ブレーキ・ユニットは、サービス・ブレーキ・ユニットに一体的に組み込まれる。この結果、パーキング・ブレーキ・ユニットをサービス・ブレーキ・ユニットに一体的に組み付けたビルト・イン・タイプのブレーキ・ユニットは、そのディスク・ロータの摺動面に対する垂直な方向(ピストンの軸方向)の長さが長くなってしまう。このため、車種によってはその車幅方向の搭載性が問題となる。そこで、サービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキを分離独立させて配置し、同じディスク・ロータにそれぞれ制動力を付与可能とすることが一部車両で実施されている。このような車輪では、スプラッシュ・ガードに、サービス・ブレーキ・ユニットおよびパーキング・ブレーキ・ユニットの双方との干渉を避けるため、切り欠き部を2カ所設けてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−273789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにサービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキを分離独立させて設けた車輪にあっては、以下のような問題が生じる。
【0006】
すなわち、サービス・ブレーキ・ユニットでの制動時には、ブレーキ・パッドとディスク・ロータとが摩擦接触しながらディスク・ロータが回転するので、ここで発生した振動は車輪にも伝わり、スプラッシュ・ガードもこの振動にさらされることとなる。この場合、スプラッシュ・ガードには2カ所切り欠き部があり、これら切り欠き部に挟まれた部位の強度が弱いため、また、厚さが薄いため、共振が生じると、その軸方向の変位が大きくなってその脆弱部分に割れが発生する虞がある。また、切り欠き部が2カ所あるので、その分、泥水(スプラッシュ)の浸水量が増加し、車輪内部に配置したハブ・ベアリング等の保護が難しくなる。
これらの問題をそれぞれ解消しようとすると、部品点数が増加しコストが増大するといった問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、サービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキを分離独立させて設けた車輪において、部品点数、コストの増加を抑えながら、スプラッシュ・ガードの割れを防止するとともに、ハブ・ベアリングをスプラッシュ等の我部異物の侵入から保護することができるようにした車輪のスプラッシュ・ガード構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明による車輪のスプラッシュ・ガード構造は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず、本発明の前提となる車輪を説明するに、この車輪は、
ホイール・ディスクと一体回転するディスク・ロータと、
ディスク・ロータをこの両側面から挟むことで制動力を付与可能なサービス・ブレーキ・ユニットと、
ディスク・ロータをこの両側面から挟むことで制動力を付与可能なパーキング・ブレーキ・ユニットと、
ディスク・ロータを支持部材に回転可能に支持するハブ・ベアリングと、
ディスク・ロータと支持部材との間に配置されたスプラッシュ・ガードと、
を備えたものである。
【0009】
本発明は、かかる車輪へ取り付けるブレーキ・ユニットおよびスプラッシュ・ガードの構造を、特に以下のごときものとする。
すなわち、パーキング・ブレーキ・ユニットは、ディスク・ロータのサービス・ブレーキ・ユニットとは異なる箇所の両側面を挟むことで制動力を付与するようにサービス・ブレーキ・ユニットから分離独立して配置し、
スプラッシュ・ガードは、この外周側に、サービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキ・ユニットに対応する2カ所の切り欠き部を設けるとともに、ハブ・ベアリングを外部異物の侵入から保護するハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードと、上記両ブレーキ・ユニットおよびディスク・ロータを外部異物の侵入から保護するブレーキ用スプラッシュ・ガードと、を備え、
ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードおよびブレーキ用スプラッシュ・ガードは、これらの半径方向途中位置に、これらの外周位置および内周位置の部分に対し、ディスク・ロータの軸方向へ突出させた膨張部を有する、
ことを特徴とする。
なお、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードおよびブレーキ用スプラッシュ・ガードは、一体で形成であっても、あるいは別体にしてこれらを組み付けるようにしても良い。
【発明の効果】
【0010】
かかる本発明の車輪のスプラッシュ・ガード構造によれば、サービス・ブレーキ・ユニットとパーキング・ブレーキとを分離独立させて設けた車輪にあっても、部品点数、したがってコストの増加を抑えながら、制動時に発生する共振によるスプラッシュ・ガードの割れ、特にスプラッシュ・ガードの切り欠き部付近での割れを防止し、かつハブ・ベアリングを外部異物の侵入から保護することができる。
【0011】
すなわち、本発明のスプラッシュ・ガードは、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードとブレーキ用スプラッシュ・ガードとを有しているので、ハブ・ベアリング、ディスク・ロータおよびブレーキ・ユニットを、ダストやスプラッシュ(泥水)などの外部異物の侵入から保護することが可能となる。
【0012】
スプラッシュ・ガードは、この半径方向途中位置に、外周位置および内周位置の部分に対し、ディスク・ロータの軸方向へ突出させた膨張部を設けたので、スプラッシュ・ガードの共振時の節となる位置をより外周側に移動させることができ、その結果、スプラッシュ・ガードの共振の固有値がより高くなる。これにより、制動時の振動に起因したスプラッシュ・ガードの切り欠き部間部分等の割れを防止することができる。
【0013】
スプラッシュ・ガードは、一体形成または別体の組合せによるハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードとブレーキ用スプラッシュ・ガードにて構成しており、またこれらで膨張部を形成しているので、部品点数が少なくて済み、また製造コストも低く抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ディスク・ロータ、サービス・ブレーキ・ユニット、パーキング・ブレーキ・ユニットおよびスプラッシュ・ガードを備えた本発明の第1実施例になる車輪を示す斜視図である。
【図2】図1の状態からディスク・ロータを外した状態を示す、第1実施例の車輪の斜視図である。
【図3】図1の第1実施例の車輪の一部断面側面図である。
【図4】実施例1と同様のサービス・ブレーキ・ユニット、パーキング・ブレーキ・ユニットおよび実施例1と異なる構成のスプラッシュ・ガード(一部のみを示す)を備えた本発明の第2実施例になる車輪(ディスク・ロータを外した状態)を示す斜視図である。
【図5】図4に示す第2実施例の車輪の一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<実施例1>
図1〜3は、本発明の第1実施例になる車輪の構造を示し、図1は、イン・ホイール・モータ・ユニット、ディスク・ロータ、サービス・ブレーキ・ユニット、パーキング・ブレーキ・ユニット、スプラッシュ・ガードを備えた車輪の斜視図、図2は図1の状態からディスク・ロータを取り外した状態の第1実施例の車輪の斜視図、図3は図1の一部を断面とした第1実施例の車輪の側面図である。
【0016】
第1実施例の車輪は、電気自動車用のイン・ホイール・モータを備えた車輪に適用した例である。
図1〜3に示すように、車輪は、図示しないサスペンションを介して車体に対し揺動可能に取り付けられる一方、ホイール・ディスク3が取り付けられて図示しないタイヤを支持する。また、車輪には、イン・ホイール・モータ・ユニット1が装着されて、タイヤを駆動可能である。
【0017】
イン・ホイール・モータ・ユニット1は、図示しない電気モータと、電気モータの出力軸に連結された図示しない減速機構と、これらを内蔵するモータ・ケース4と、を有する。電気モータとしては例えば三相交流モータを用いて車輪を駆動可能とするとともに、発電機としても機能させてブレーキ・エネルギを回生するのに用いるが、必ずしも発電機機能をもたせる必要はない。減速機構はこの実施例では遊星歯車組で構成するが、これに限らず他の構成になる減速機構でもよく、あるいは電気モータによっては減速機構を不要とすることも可能である。なお、電気モータは、モータ・ケース4の大径の外周部4b内に、また減速機構はモータ・ケース4の小径部4c内にそれぞれ収納している。
【0018】
図3に示すように、このイン・ホイール・モータ・ユニット1を備えた車輪にあっては、減速機機構の出力軸15にスプライン嵌合したホイール・ハブ30のフランジ部30aに複数のハブ・ボルト31にてディスク・ロータ5の内周側部分5aとホイール・ディスク3とを固定して、これらが一体回転するようにしてある。ディスク・ロータ5は、両側面に制動摺動面を有する外周側部分5bは、その内周側部分5aより車幅方向内側へずらしたオフセット部分5cを有する形状とする。一方、ホイール・ハブ30は、例えばボール・ベアリングにて構成したハブ・ベアリング18を介してモータ・ケース4の支持部40に回転自在に支持する。モータ・ケース4とこの支持部40は、本発明の支持部材を構成する。
【0019】
一方、車輪の中心となる出力軸15の中心線Oを通って、この車両前後方向の水平線上にサービス・ディスク・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20を、それぞれ分離独立して配置する。サービス・ディスク・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20は、ディスク・ロータ5の制動摺動面をこの軸線方向両側からブレーキ・パッド9a、9bで挟んで制動力を発生させるディスク・ブレーキを用いる。また、本実施例にあっては、サービス・ディスク・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20は、図1および図2に示すように、いずれもモータ・ケース4に取着するが、他の部材に取着するようにしてもよい。
【0020】
すなわち、サービス・ディスク・ブレーキ・ユニット2は、いわゆるフローティングキャリパ型ブレーキ・ユニット2であって、キャリパ支持ブラケット6を具え、このキャリパ支持ブラケット6上にスライドピン7を介しディスク・ロータ5の回転軸線方向へスライド可能に浮動支持したキャリパ本体8を設ける。このキャリパ本体8は、全体をディスク・ロータ5の外周部分に跨るコ字状とし、ディスク・ロータ回転軸線方向の一方側(車両幅方向内側)におけるキャリパ本体8の作用端8aに液圧で作動するピストン(図では見えない)を内蔵し、反対側のディスク・ロータ回転軸線方向の他方側(車両幅方向外側)における該キャリパ本体8の端部8bを反作用端として構成する。上記ピストンおよびディスク・ロータ5間にはブレーキ・パッド9aを介在させ、反作用端8bおよびディスク・ロータ5間にはブレーキ・パッド9bを介在させる。
【0021】
サービス・ブレーキ・ユニット2をイン・ホイール・モータ・ユニット1に取着するに際しては、サービス・ブレーキ・ユニット2を、ディスク・ロータ5の外周縁よりも径方向外方位置において、モータ・ケース4の大径部4bの車両幅方向外側の面、すなわち軸線方向一側面4aに取着する。これにより、イン・ホイール・モータ・ユニット1を有する車輪全体がコンパクトになるとともに、サービス・ブレーキ・ユニット2をイン・ホイール・モータ・ユニット1に対し脱着する作業を車幅方向外側から行い得ることとなり、イン・ホイール・モータ・ユニット1の搭載状態でこれにサービス・ブレーキ・ユニット2を脱着し得ると共に、当該脱着のための作業スペースについて考慮する必要がなくなる。
【0022】
このため、モータ・ケース4の外周壁4bと交差するモータ・ケース一側面4aの箇所にボス部11、12を立設し、これらボス部11、12の先端面に開口させてねじ孔(図1〜3では見えていない)を刻設する。
これらボス部11、12の間隔は、キャリパ支持ブラケット6の両端6a、6b間の距離に同じとし、キャリパ支持ブラケット6の両端6a、6bにはそれぞれ、ボス部11、12の先端面開口ねじ孔と整列する透孔(図1〜3では見えていない)を穿設する。
【0023】
フローティングキャリパ型ブレーキ・ユニット2をイン・ホイール・モータ1に取り付けるに当たっては、キャリパ支持ブラケット6の両端6a、6bをそれぞれ、車幅方向外側(ホイール・ディスク3側)からボス部11、12の先端面にあてがって、キャリパ支持ブラケット6の両端6a、6bに穿設した透孔をボス部11、12の先端面開口ねじ孔に整列させる。
この状態でキャリパ支持ブラケット6の両端6a、6bにおける透孔にボルト13、14を車幅方向外側から挿通し、これらボルト13、14の先端をボス部11、12の先端面開口ねじ孔に螺合して緊締する。
【0024】
以上により、イン・ホイール・モータ1(モータ・ケース一側面4a)に対するフローティングキャリパ型ブレーキ・ユニット2の取り付けを完了する。
ところで、キャリパ支持ブラケット6の両端6a、6bをそれぞれ、対応するスライドピン7の直近に位置させ、これによりモータ・ケース一側面4aに対するフローティングキャリパ型ブレーキ・ユニット2の取り付け点(ボス部11、12およびボルト13、14によるブレーキ・ユニット取り付け点)を、フローティングキャリパ型ブレーキ・ユニット2の対応するスライドピン7に隣接させる
【0025】
一方、パーキング・ブレーキ・ユニット20も、サービス・ブレーキ・ユニット2と同様に、ブレーキ・パッドでディスク・ロータ5の両側面を軸方向から挟んで制動力を付与するディスク・ブレーキで構成する。しかしながら、パーキング・ブレーキ・ユニット20は、液圧作動ではなく、運転席の図示しないパーキング・レバーまたはパーキング・ブレーキ・ペダルにケーブルを介して接続されたパーキング・ブレーキ・ユニット20側のレバーにより機械的に作動される点でサービス・ブレーキ・ユニット2とは異なる。なお、図1、2にあっては、他の部品に隠れて見えないが、パーキング・ブレーキ・ユニット20も、サービス・ブレーキ・ユニット2の場合と同様に、モータ・ケース4の軸線方向一側面4aに取着する。
【0026】
上記のように構成した車輪にあっては、モータ・ケース4および支持部40とディスク・ロータ5との間には、スプラッシュ・ガード21を配置する。本実施例では、スプラッシュ・ガード21は、ハブ・ベアリング18をダスト、スプラッシュなどの外部異物の侵入から保護するハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aと、両ブレーキ・ユニット2、20およびディスク・ロータ5を外部異物の侵入から保護するブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bとを有し、これらを以下のような形状として組み付ける。
【0027】
すなわち、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bとは、ディスク・ロータ5のオフセット部分5c近傍の下方位置からディスク・ロータ5の外周より若干半径方向外側まで伸びるディスク形状とする。また、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bとは、図2に示すように、サービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20に対応する2箇所の位置に、これらと干渉しないように両ブレーキ・ユニット2、20の外側形状に合わせて切り欠いた切り欠き部21S、21Pを設けてある。
【0028】
図3に示すように、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aは、ディスク・ロータ5の外周端より半径方向外側へ若干突出した外周端からディスク・ロータ5の制動摺動面に若干の隙間を有しながらこれに沿う外周側部分21aと、この内周端から車幅方向内側かつ半径方向内側へ向かって傾斜する傾斜部分21bと、この傾斜部分21bの内周端から半径方向内側へディスク・ロータ5のオフセット部分5cの内周端部分まで伸ばした取り付け部分21cと、この取り付け部分21cの内周端からディスク・ロータ5のオフセット部分5cの内周面内より若干内側まで車幅方向外側へ伸びその先端を断面L字状に半径方向外側へ折り曲げたガード部分21dと、を有する形状に形成する。
【0029】
ブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bは、この外周端から車幅方向外側へ伸ばしてディスク・ロータ5の外周面の外側に沿うガード部分21eと、この車両幅方向内側端から半径方向内側へハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aの外周側部分21aの途中位置まで沿うように伸ばした外周側部分21fと、この内周端からハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aの傾斜部分21bの半径方向外側でこれに平行に車幅方向内側へ向かって傾斜する傾斜部分21gと、この内周端から半径方向内側に沿って、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aの取り付け部分21cの内周端まで伸ばした取り付け部分21hと、を有する形状に形成する。
【0030】
ブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bは、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aの車幅方向内側に配置されて、これらの外周側部分21aおよび外周側部分21f同士と、取り付け部分21cと取り付け部分21h同士と、を固着するとともに、外周側部分21aの内周側部分、傾斜部分21b、傾斜部分21g、取り付け部分21hの外周側部分で、車幅方向に膨らんだ膨張部21iを形成する。膨張部21iは、菱形の閉断面を形成しており、周方向に沿って延在する。
また、取り付け部分21c、21hには、周上に複数のボルト穴を形成し、ボルト10にてハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bを、支持部40を介してモータ・ケース4に固定する。
【0031】
以上のように構成したイン・ホイール・モータ・ユニット1およびブレーキ・ユニット2、20を備えた車輪の作用につき、以下に説明する。
【0032】
駐車時には、ドライバーがパーキング・レバーまたはパーキング・ブレーキ・ペダルを操作すると、この力はケーブルを介してパーキング・ブレーキ・ユニット20側の図外のレバーに伝わる。レバーの回転により増大されたトルクにてパーキング・ブレーキ・ユニット20は、械的に作動され、ブレーキ・パッドをディスク・ロータ5の制動摺動面を両側から押圧することで、制動力を発生し、車両を駐車制動する。
【0033】
一方、車両を走行させるには、イン・ホイール・モータ・ユニット1の電気モータに電力を供給して電気モータを作動させ、この駆動力を、減速機構を介してトルク増大かつ減速して出力軸15へ出力する。この駆動力は、出力軸15に一体に取り付けられたホイール・ディスク3へ伝わり、この外周のリム部に装着したタイヤを回転駆動することで、車両の走行を可能とする。
【0034】
車両走行中に、ブレーキ・ペダルが踏みこまれると、図示しないマスタ・シリンダから液圧がブレーキ配管を通じてサービス・ブレーキ・ユニット2のピストンに作用し、ブレーキ・パッド9aをディスク・ロータ5の車幅方向内側の制動摺動面に向けて押しつける。この反作用としてキャリバ本体8が移動し反作用端8側のブレーキ・パッド9bをディスク・ロータ5の車幅方向外側の制動摺動面に向けて押しつける。この結果、ディスク・ロータ5には、ブレーキ・パッド9a、9bからその押圧力に応じた大きさの制動力が付与され、車両を減速させる。
【0035】
かかる制動減速運動にあっては、ディスク・ロータ5が回転している状態でブレーキ・パッドが押し付けられているので、これらの間に振動が発生するのを避えない。この振動は、サービス・ブレーキ・ユニット2を通じてスプラッシュ・ガード21にも伝達される。
【0036】
ここで、スプラッシュ・ガード21を上記従来技術のように1枚のディスク部材で構成すると、車輪の全体のコンパクト化を図るなどの目的でサービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20を独立分割して設けようとした場合、スプラッシュ・ガード21には両ブレーキ・ユニット2、20との干渉を避けるため、二つの切り欠き部21S、21Pが必要となってしまい、両切り欠き部21S、21Pの間がその分狭くなり強度的に弱くなる。そこへ上記振動が伝わると、スプラッシュ・ガード21が車幅方向に共振し、共振時の節が図3中Mで示す支持部40の外周端近傍に位置するようになり、この部分に大きな応力が生じてここから割れを生じる虞がある。
また、切り欠き部21S、21Pが二つもあることから、スプラッシュなどの車輪内部への侵入量が増加するので、ハブ・ベアリング18の保護が図り難いといった問題も生じる。
【0037】
これに対し、本実施例のスプラッシュ・ガード21では、ハブ・ベアリング18を外部異物の侵入から保護するハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aと、両ブレーキ・ユニット2、20およびディスク・ロータ5を外部異物の親友から保護するブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bと、を設けている。これにより、ハブ・ベアリング18、ディスク・ロータ5、ブレーキ・ユニット2、20への外部異物の侵入量は少なくなるよう抑制される。
【0038】
また、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bにて、その半径方向途中位置に膨張部21iを形成している。
この結果、共振時の節が上記箇所Mから外周側部分21a、21fの箇所Nへと半径方向外側に移動し、スプラッシュ・ガード21の固有振動数が高くなる。これにより、共振による応力は小さく抑えられ、割れが生じるのが防止される。
【0039】
また、膨張部21iはモータ・ケース4とディスク・ロータ5との間に存在させるとともに、この膨張部21iを閉断面としてこの中には空気が入るようにしてある。
この結果、モータ・ケース4とディスク・ロータ5との間の熱の授受、特に制動中、高温となるディスク・ロータ5から電気モータへの熱の輻射等が空気層により抑制され、これらの熱対策効果が発揮される。
【0040】
以上の説明から分かるように、第1実施例の車輪のスプラッシュ・ガード構造にあっては、以下に列挙する効果を得ることができる。
【0041】
スプラッシュ・ガード21は、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bを備える構成としているので、コストの増大を抑えながら、サービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20を独立分離配置した場合にも、ハブ・ベアリング18、ディスク・ロータ5、ブレーキ・ユニット2、20への外部異物の侵入量を少なく抑えることができる。
【0042】
ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bの半径方向途中位置に膨張部21iを設けたので、スプラッシュ・ガード21の制動時の共振の節を外周側付近へと移動させてスプラッシュ・ガード21の固有振動数が高くすることができ、その結果、スプラッシュ・ガードの切り欠き部やその近傍での割れが生じるのを抑制することができる。
【0043】
モータ・ケース4とディスク・ロータ5との間に設けたスプラッシュ・ガード21の膨張部21iを閉断面構造としたので、この内部に存在する空気層により、モータ・ケース4側とディスク・ロータ5との間の熱の授受を抑制することができる。
【0044】
上記スプラッシュ・ガードは、簡単なディスク状のハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21Bで構成したので、少ない部品点数で済み、製造コストも少なくて済む。
【0045】
<実施例2>
次に、本発明の第2実施例に係る車輪のスプラッシュ・ガード構造につき、添付の図面に基づき説明する。なお、第2実施例で第1実施例と実質的に同様のものについては第1実施例と同一の番号を付し、それらの説明を省略する。
【0046】
図4〜5は本発明の第2実施例になる車輪の構造を示し、図4はイン・ホイール・モータ・ユニット、サービス・ブレーキ・ユニット、パーキング・ブレーキ・ユニット、スプラッシュ・ガード(ブレーキ用スプラッシュ・ガードは図を見やすくするため省略し、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードのみを描いてある)を備えた車輪(ディスク・ロータを外した状態)の斜視図、図5は図4の一部を断面とした第2実施例の車輪の側面図である。
【0047】
図4、5に示すように、第2実施例の車輪にあっても、第1実施例と同様に、サービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20は、車両前後方向に分離独立させて配置する。ディスク・ロータ5とモータ・ケース4との間には、第1実施例のものとは異なる形状のスプラッシュ・ガード24を設ける。
【0048】
また、ハブ・ベアリング18を指示する支持部40の下方部分には、ハブ・ベアリング18の車幅内側の空間とハブ・ベアリング18の下方で車輪の外部とを連通するブリーザ23を設ける。
【0049】
スプラッシュ・ガード24は、ディスク状のハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード24Aと、ブレーキ用スプラッシュ・ガード24Bと、を有する。これらは、第1実施例と同様、サービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20に対応する箇所に切り欠き部24S、24Pを形成してある。
【0050】
ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード24Aは、図5に示すように、ディスク・ロータ5の外周端近傍からモータ・ケース5の近傍上端部分のやや上方へ車幅方向内側かつ半径方向外側に向かって傾斜し先端部が水平方向に折れ曲がって上記近傍上端部分を覆うガード部分24aと、この下端部からディスク・ロータ5の制動摺動面に沿って半径方向内側へ向かう半径方向延在部24bと、この下端から車両幅方向内側かつ半径方向下側へ向けて傾斜する傾斜部分24cと、この内周端から半径方向内側へディスク・ロータ5のオフセット部分5cの内周端部分まで伸ばした取り付け部分24dと、この内周端からディスク・ロータ5のオフセット部分5cの内周面内より若干内側まで車幅方向外側へ伸びその先端を断面L字状に半径方向外側へ折り曲げたガード部分24eと、を有する形状に形成する。
【0051】
一方、ブレーキ用スプラッシュ・ガード24Bは、図5に示すように、この外周端から車幅方向外側へ伸ばしてディスク・ロータ5の外周面に沿ってこのやや外側に位置するガード部分24fと、この外周端から半径方向内側へ伸ばした外周側部分24gと、この内周端からハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード24Aの傾斜部分24bに平行に車幅方向内側かつ半径方向内側に向かって傾斜する傾斜部分24hと、この内周端から半径方向内側に向かって、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード24Aのガード部分24eの内周端まで伸ばした取り付け部分24iと、を有する形状に形成する。
【0052】
ブレーキ用スプラッシュ・ガード24bは、ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード24Aの車幅方向外側に配置されて、これらの半径方向延在部分24bおよび外周側部分24g同士と、取り付け部分24dと取り付け部分24i同士と、を固着するとともに、傾斜部分24c、取り付け部分24dの外周側部分、外周側部分24gの内周側部分、傾斜部分24hで、車幅方向に膨らんだ膨張部24jを形成する。膨張部24jは、菱形の閉断面を形成しており、周方向に沿って延在する。
また、取り付け部分24d、24iには、周上に複数のボルト穴を形成し、ボルト10にてハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード24Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード24Bを、支持部40を介してモータ・ケース4に固定する。
【0053】
第2実施例の車輪は、第1実施例と同様に作用する。また、第2実施例の車輪では、ブリーザ23が設けられているので、ハブ・ベアリング18が配置された空間内に入り込んだ外部異物はブリーザ23を通じて車輪外部下方へと排出される。
【0054】
第2実施例の車輪のスプラッシュ・ガード24は、モータ・ケース4の近傍上方部分とディスク・ロータ5との間や、ブリーザ23の下端開口を覆うようにこれらの上下にガード部分24aが延在しているので、スプラッシュが車輪上方から降りかかってボルト31の締結面まで達したり、車輪下方からブリーザ23を介してハブ・ベアリング18の箇所に侵入したりするのを抑制する。
【0055】
以上の説明から分かるように、第2実施例の車輪のスプラッシュ・ガード構造は、第1実施例と同様の効果に加えて下記の効果を有する。
【0056】
第2実施例の車輪のスプラッシュ・ガード構造では、スプラッシュ・ガード24がその外周にガード部分24aを有しているので、スプラッシュが車輪上方から降りかかってボルト31の締結面まで達したり、車輪下方からブリーザ23を介してハブ・ベアリング18の箇所に侵入したりするのを抑制することができる。
【0057】
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明は上記実施例に限られることなく、その要旨が実質的に同一のものはその変形例であれ設計変更例であれ本発明に含まれる。
【0058】
たとえば、上記スプラッシュ・ガード21、24の形状は上記実施例のものに限られない。
また、スプラッシュ・ガード21、24は、上記実施例にあっては、ディスク状のハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード21A、24Aとブレーキ用スプラッシュ・ガード21B、24Bを別部品で形成し組み付けたが、これらを一体に形成しても良い。
【0059】
また、スプラッシュ・ガード21、24の膨張部21i、24jは閉断面としたが、これに限られない。この場合、空気層による熱授受対策能力は劣化するものの、膨張部21i、24jの存在によりスプラッシュ・ガード21、24の共振の節の位置を外周側に位置させてそれらの固有振動数を高くすることで、制動時の共振によるスプラッシュ・ガード21、24の割れを防止することができる。
【0060】
上記各実施例では、サービス・ブレーキ・ユニット2とパーキング・ブレーキ・ユニット20を、車輪中心点の前後で、中心点を通る水平線上に配置したが、これに限られず、これらブレーキ・ユニット2、20が互いに角度をなし、あるいは水平線上になくても良く、これらブレーキ・ユニット2、20が分離独立した車輪であれば、本発明を適用可能である。
また、本発明は、イン・ホイール・モータ・ユニット1を有する車輪だけでなく、これを有しない車輪にも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
1 イン・ホイール・モータ・ユニット
2 サービス・ブレーキ・ユニット
3 ホイール・ディスク
4 モータ・ケース
4a モータ・ケース一側面
4b モータ・ケース外周壁
5 ディスク・ロータ
6 キャリパ支持ブラケット
7 スライドピン
8 キャリパ本体
8a 作用端
8b 反作用端
9a、9b ブレーキ・パッド
11、12 ブレーキ・ユニット取り付けボス部
13、14 ブレーキ・ユニット取り付けボルト
20 パーキング・ブレーキ・ユニット
21 スプラッシュ・ガード
21A ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード
21B ブレーキ用スプラッシュ・ガード
21i 膨張部
24 スプラッシュ・ガード
24A ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガード
24B ブレーキ用スプラッシュ・ガード
24j 膨張部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール・ディスクと一体回転するディスク・ロータと、
該ディスク・ロータをこの両側面から挟むことで制動力を付与可能なサービス・ブレーキ・ユニットと、
該サービス・ブレーキ・ユニットから分離独立されて配置され、前記ディスク・ロータの前記サービス・ブレーキ・ユニットとは異なる箇所の両側面を挟むことで制動力を付与可能なパーキング・ブレーキ・ユニットと、
前記ディスク・ロータを支持部材に回転可能に支持するハブ・ベアリングと、
前記ディスク・ロータと前記支持部材との間に配置されたスプラッシュ・ガードと、
を備えた車輪において、
前記パーキング・ブレーキ・ユニットは、前記ディスク・ロータの前記サービス・ブレーキ・ユニットとは異なる箇所の両側面を挟むことで制動力を付与するように前記サービス・ブレーキ・ユニットから分離独立して配置し、
前記スプラッシュ・ガードは、この外周側に、前記サービス・ブレーキ・ユニットと前記パーキング・ブレーキ・ユニットとに対応する2カ所の切り欠き部を設けるとともに、前記ハブ・ベアリングを外部異物の侵入から保護するハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードと、前記両ブレーキ・ユニットおよび前記ディスク・ロータを外部異物の侵入から保護するブレーキ用スプラッシュ・ガードと、を備え、
前記ハブ・ベアリング用スプラッシュ・ガードおよび前記ブレーキ用スプラッシュ・ガードは、これらの半径方向途中位置に、これらの外周位置および内周位置の部分に対し、前記ディスク・ロータの軸方向へ突出させた膨張部を有すること、
を特徴とする車輪のスプラッシュ・ガード構造。
【請求項2】
請求項1に記載された車輪のスプラッシュ・ガード構造において、
前記支持部材には、前記外部異物を車輪外部下方へ排出可能なブリーザを設けるとともに、
前記ブレーキ用スプラッシュ・ガードの外周下側部分に、前記ブリーザと前記支持部材および前記ブレーキ用スプラッシュ・ガードの接合面を前記外部異物の下方よりの侵入から保護するロア・スプラッシュ・ガードを設けたこと、
を特徴とする車輪のスプラッシュ・ガード構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載された車輪のスプラッシュ・ガード構造において、
前記ブレーキ用スプラッシュ・ガードの外周上側部分に、前記支持部材および前記ブレーキ用スプラッシュ・ガードの接合面を前記外部異物の上方よりの侵入から保護するアッパ・スプラッシュ・ガードを設けたこと、
を特徴とする車輪のスプラッシュ・ガード構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載された車輪のスプラッシュ・ガード構造において、
前記膨張部は、閉断面構造であること、
を特徴とする車輪のスプラッシュ・ガード構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載された車輪のスプラッシュ・ガード構造において、
前記支持部材は、前記ディスク・ロータに連結したイン・ホイール・モータを内蔵するモータ・ケースであること、
を特徴とする車輪のスプラッシュ・ガード構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−47247(P2012−47247A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189200(P2010−189200)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】