説明

車輪代替部材、操舵反力伝達部材および操舵反力伝達装置

【課題】本発明は、運転の模擬の対象として運転模擬装置に組み込まれる自動車、オートバイ等の実車の操舵系に対するその模擬に応じた操舵反力の伝達に供される車輪代替部材、操舵反力伝達部材および操舵反力伝達装置に関し、模擬の対象となる車両に施されるべき改造の大幅な軽減が図られ、かつ多様な車種に対する柔軟な適応を可能とすることを目的とする。
【解決手段】自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成され、かつ前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記車輪の軸に与えることによって構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転の模擬の対象として運転模擬装置に組み込まれる自動車、オートバイ等の操舵系に対するその模擬に応じた操舵反力の伝達に供される車輪代替部材、操舵反力伝達部材および操舵反力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速のコンピュータと高度に進展した情報処理技術との組み合わせにより実現されるシミュレーション技術は、以下のような多様な分野に適したドライビングシミュレータやライディングシミュレータ(以下、これらを「運転模擬装置」という。)に積極的に適用されている。
【0003】
(1) 本物に忠実な挙動が実現されることにより利用者に運転の経験や楽しみを与えるアミューズメント
(2) 運転技術(地域性、コスト、危険性等により実現が難しい道路状況等の模擬による多様な運転技術の習得および上達と、交通ルールの習得とを含む。)のトレーニング(検定等に用いられるものを含む。)
(3) 道路等の交通インフラや自動車の開発に必要なデータの収集および確認のために行われる学術研究
【0004】
このような運転模擬装置では、運転の模擬の対象となる車両の本物らしさの安価かつ確実な実現のために、本物の車両が組み込まれる場合が多く、このような車両の容易な選択や交換が可能であることが強く要望されつつある。
【0005】
図7は、従来の運転模擬装置の構成例を示す図である。
図において、運転の模擬の対象として選択された自動車71は、その自動車71が積載されて固定されるフレーム72を介して揺動装置73に取り付けられる。
【0006】
自動車71の内部では、図8(a)にハンチングを付して示すように、パワーステアリング71PSにそのステアリングホイール71SHの操舵角を伝達するロッド71Rが、図8(b)に示す操舵反力発生装置71Dの出力に、パワーステアリング71PSに代えて連結される。なお、パワーステアリング71PSには、自動車71の左右の車輪がそれぞれ取り付けられるハブ71H-1、71h-2がラックアンドピニオン71RPを介して連結される。
【0007】
このような構成の運転模擬装置は、図示されないセンサおよびコンピュータの連係の下で自動車71の運転(ステアリングハンドル71SHだけではなく、図示されないアクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー等の操作)に応じた操作を検知し、その運転の模擬の結果として生成される多様な制御情報や制御信号に応じて、例えば、以下のように応答する。
【0008】
(1) 図示されないスクリーンに対する車窓の外の景色等の表示
(2) 図示されないスピーカによる擬似的な走行音や衝突音の出力
(3) 揺動装置73を介する自動車71の姿勢の設定や変更とその自動車71への加振
(4) 上記操舵反力発生装置71Dによって発生され、かつロッド71Rを介してステアリングホイール71SHに伝達される操舵反力の設定および変更
【0009】
したがって、運転模擬装置を利用するユーザは、そのユーザが行った運転および操作に応じた自動車71の挙動をリアルに体験することができる。
【0010】
なお、本発明に関連した従来例としては、以下に列記する特許文献1ないし特許文献4があった。
(1) 「本体にサスペンションとステアリング装置を介して取り付けられる左右車輪を有する台車を、支持機構によって支持する車両用シミュレーション装置において、その支持機構は前記左右車輪が載置される載置面を有し、前記ステアリング装置の操舵反力に相関する負荷を、その載置面上の左右車輪に個別に付与可能な負荷付与機構が設けられ、その負荷付与機構により付与される負荷の大きさと方向が変更可能とされる」ことにより、「ステアリング装置の開発コストおよび工数の低減に寄与できる」点に特徴がある車両用シミュレーション装置…特許文献1
【0011】
(2) 「模擬二輪車に対して乗員が行う操縦操作に基づいて模擬二輪車の姿勢を変化させ、実際の二輪車の挙動を再現するライディングシミュレーション装置において、車長方向に長手のロール軸の軸線回りに回動自在なブラケットを設け、模擬二輪車の車体を該ブラケットに、車幅方向に長手のピッチ軸の軸線回りに揺動自在に保持させると共に、車体の前端部に取り付けられハンドルを回動自在に保持するハンドル軸に、上記操縦操作により決定される操舵反力でハンドル軸の回動を制動する可変制動手段を備える」ことにより、「ロール運動の他にピッチ運動を再現すると共に、シミュレーションされる走行状態に応じて操舵反力が変化するので従来のものより、より実車の走行感覚を再現できる」点に特徴がある二輪車のライディングシミュレータ…特許文献2
【0012】
(3) 「操舵反力を得るために油圧によらず電気(直流)モータを使用し、油圧シリンダに相当する機構にも歯車等の分解能を低下させる機器は除外し、また位置の検出も分解能に合致したものを使用すると共に操舵感模擬コントローラを所定のディジタル演算を行う」ことにより、「小形化され低コストで、模擬の忠実度が向上する」点に特徴がある二輪車のライディングシミュレーション装置…特許文献3
【0013】
(4) 「ステアリングホィール及びステアリングシャフトを有する操舵機構と、ステアリングホィールの操舵時に操作反力を与える反力発生機構とを備える模擬ステアリング装置において、前記反力発生機構は、前記ステアリングシャフトに連結された一対の回転体及びこれら一対の回転体に巻き掛けられた無端部材を有する無端回転機構と、前記無端部材と係合可能な一対の重量体とを備える」ことにより、「実車の操舵感を得ることができると共に操舵角度を変えることができ、しかも、耐久性がある」点に特徴がある模擬ステアリング装置…特許文献4
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−19077号公報
【特許文献2】特開平6−051695号公報
【特許文献3】特公平7−111613号公報
【特許文献4】特開平8−173629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上述した従来例では、ステアリングホイール71SHに対する既述の操舵反力の伝達のために、自動車71の内部には以下の改造が施されなければならなかった。
(1) ロッド71Rとパワーステアリング71PSとの間における連結の解除
(2) エンジンルームに対する操舵反力発生装置71Dの取り付け
(3) その操舵反力発生装置71Dの出力とロッド71Rとの連結
【0016】
しかし、このような改造は、エンジンルーム内にある自動車71の操舵機構の主要部に対して行われるために、多くの工数を要し、その自動車71のエンジンルームに上記操舵反力発生装置71Dの設置に必要なスペースが確保できない場合には実現できなかった。
【0017】
したがって、従来例では、運転の模擬の対象として採用可能な自動車の機種と、コストの上限とによって実現性が阻まれる可能性が高かった。
【0018】
本発明は、模擬の対象となる車両に施されるべき改造の大幅な軽減が図られ、かつ多様な車種に対する柔軟な適応を可能とする車輪代替部材、操舵反力伝達部材および操舵反力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1に記載の発明では、自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成され、かつ前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記車輪の軸に与える。
【0020】
すなわち、上記操舵反力は、自動車の車輪に代えて取り付けられ、かつ本発明に係る車輪代替部材を介してその自動車の操舵系に伝達される。
【0021】
請求項2に記載の発明では、自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成された車輪代替部材に、前記自動車に関して模擬された操舵反力を伝達する。
【0022】
すなわち、上記操舵反力は、その操舵反力の発生源の位置の如何にかかわらず、自動車の車輪に代えて取り付けられた車輪代替部材を介してその自動車の操舵系に伝達される。
【0023】
請求項3に記載の発明では、自動車の車輪に前記自動車に関して模擬された操舵反力を伝達する。
【0024】
すなわち、上記操舵反力は、自動車の車輪が取り外されることなくその車輪を介して操舵系に伝達される。
【0025】
請求項4に記載の発明では、車輪代替手段は、自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成される。伝達手段は、前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記車輪代替手段に伝達する。
【0026】
すなわち、上記操舵反力は、その操舵反力の発生源の位置の如何にかかわらず、自動車の車輪に代えて取り付けられた車輪代替部材を介してその自動車の操舵系に伝達される。
【0027】
請求項5に記載の発明では、ステアリング解除手段は、自動車のステアリングの軸の回動に応じた前記自動車の車輪の動きを解除する。伝達手段は、前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記ステアリングの軸に伝達する。
【0028】
すなわち、上記操舵反力は、自動車のステアリングの軸の回動に応じてその自動車の車輪が動くことによる目減りや誤差を伴うことなく、このステアリングの軸に直接伝達される。
【0029】
請求項6に記載の発明では、車輪解放手段は、自動車のステアリングの軸に応じた前記自動車の車輪の動きを解放する。伝達手段は、前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記ステアリングの軸に伝達する。
【0030】
すなわち、上記操舵反力は、自動車のステアリングと車輪との間における機械的な結合が解除されない状態であっても、そのステアリングの軸の回動に応じて車輪が動くことによる大幅な目減りや誤差を伴うことなく、このステアリングの軸に直接伝達される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、操舵反力の伝達は、自動車の内部に大幅な改造が施されることなく、その自動車の多様な形状、構造、寸法等に柔軟に適応して安価にかつ効率的に実現される。
さらに、本発明によれば、操舵反力の伝達は、自動車の内部と外部との双方に改造が施されることなく、安価に、かつ効率的にまたは精度よく実現される。
したがって、本発明が適用された運転模擬装置は、多様な車種の自動車に対して柔軟に適応可能となり、かつ低廉化に併せて、性能および信頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す図である。
【図2】本実施形態の構成の他の態様を示す図(1)である。
【図3】本実施形態の構成の他の態様を示す図(2)である。
【図4】本実施形態の構成の他の態様を示す図(3)である。
【0033】
【図5】本実施形態の第二の実施形態を示す図(4)である。
【図6】本発明の二輪車に対する適用例を示す図である。
【図7】従来の運転模擬装置の構成例を示す図である。
【図8】従来例において自動車に施される改造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の第一の実施形態を示す図である。
図において、図7および図8(a)に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与し、ここでは、その説明を省略する。
【0035】
本実施形態と、図7および図8に示す従来例との構成の相違点は、以下の点にある。
(1) ステアリングホイール71SHとロッド71Rとの連結を解除する改造が施されない。
(2) ハブ71H-1、71H-2に取り付けられる2つの車輪(図示されない。)に代えて、車輪代替部材11-1、11-2がそれぞれ取り付けられる。
【0036】
(3) 自動車71の車体(シャーシ)とフレーム72とで挟まれた空間、またはそのフレーム72の空洞部の所定の箇所にサーボモータ12が配置される。
(4) そのサーボモータ12の回動軸には、棒状体の伝達部材13-1、13-2を介して上記車輪代替部材11-1、11-2が連結される。
【0037】
以下、図1を参照して本実施形態の作用および効果を説明する。
サーボモータ12には、図示されない制御系が自動車71の運転の模擬の下で求めた操舵反力を実現する数および極性のパルスが与えられる。サーボモータ12の回動軸は、このようなパルス応じて回動し、その回動に応じて設定された回転角を保つことによって、伝達部材13-1、13-2を介して車輪代替部材11-1、11-2に上記操舵反力を与える。
【0038】
ステアリングホイール71SHには、このようにして車輪代替部材11-1、11-2に与えられた操舵反力が、ハブ71H-1、71H-2、ラックアンドピニオン71RP、パワーステアリング71PSおよびロッド71Rを介して伝達される。
【0039】
すなわち、ハブ11H-1、11H-2に本来的に取り付けられている2つの車輪に代えて上記車輪代替部材11-1、11-2が取り付けられる改造が施されるが、これらの車輪代替部材11-1、11-2と、自動車71の運転の模擬の下で操舵反力を発生するサーボモータ12と、ハブ11H-1、11H-2にその操舵反力を伝達する伝達部材13-1、13-2とは、何れもその自動車71の外部に配置される。
【0040】
このように本実施形態によれば、自動車71の運転の模擬に応じて発生された操舵反力は、その自動車71には、上記改造が施されても、従来例のようにエンジンルーム等の内部に改造が施されることなく、ステアリングホイール71SHに対する伝達が図られる。
【0041】
したがって、本発明が適用された運転模擬装置は、従来例に比べて大幅に安価に実現され、しかも、自動車71として適用されるべき自動車の多様な機種に対する柔軟な適応が可能となる。
【0042】
なお、本発明は、本実施形態の構成に限定されず、例えば、以下の態様(A)〜(C)の何れとして構成されてもよい。ここに、これらの態様(A)〜(C)をそれぞれ示す図2〜図4では、既述の構成要素と機能および構成が同じ構成要素については、同じ符号を付与し、ここではその説明を省略する。
【0043】
(A)図2に示すように、伝達部材13-1、13-2が備えられず、かつ出力が車輪代替部材11-1、11-2にそれぞれ連結されると共に、既述の図示されない制御系によって並行して駆動されるサーボモータ21-1、21-2(フレーム72以外の部材に固着されてもよい。)がサーボモータ12に代えて備えられる。
【0044】
(B)図3に示すように、ハブ71H-1、71H-2にそれぞれ取り付けられた2つの車輪の下部および両側部に個別に嵌合または係止し、かつ伝達部材13-1、13-2の一端にそれぞれ連係する部材(以下、「車輪拘止部材」という。)31-1、31-2が既述の車輪代替部材11-1、11-2に代わって備えられる。
【0045】
(C)図4に示すように、伝達部材13-1、13-2が備えられず、かつ出力が上記車輪拘止部材31-1、31-2にそれぞれ直接連結されると共に、既述の図示されない制御系によって並行して駆動されるサーボモータ21A-1、21A-2(フレーム72以外の部材に固着されてもよい。)がサーボモータ12に代えて備えられた点で図3に示す構成と異なる。
【0046】
〔第二の実施形態〕
図5は、本発明の第二の実施形態を示す図である。
図において、図1ないし図4に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与し、ここではその説明を省略する。
【0047】
本実施形態と、既述の第一の実施形態との構成の相違点は、以下の点にある。
(1) 伝達部材13-1、13-2および車輪代替部材11-1、11-2が備えられず、ハブ71H-1、71H-2に本来的に取り付けられた2つの車輪が他の如何なる部材とも接触しない状態に保たれる。
(2) ステアリングホイール71SHの軸とロッド71Rとの連結を解除する改造(以下、「連結代替改造」という。)が自動車71に施される。
【0048】
(3) サーボモータ12に代わるサーボモータ12Aが自動車71の車体(シャーシ)とフレーム72とで挟まれた空間と、またはそのフレーム72の空洞部との何れかに固定される。
(4) そのサーボモータ12Aの出力には、ステアリングホール71SHの軸がロッド31を介して連結される。
【0049】
以下、図5を参照して本実施形態の作用および効果を説明する。
サーボモータ12Aは、図1および図3に示すサーボモータ12と同様に、図示されない制御部によって駆動されることによって、操舵反力の発生源として機能する。
【0050】
このようにして発生された操舵反力は、ロッド31を介してステアリングホール71SHに直接伝達される。
【0051】
また、本実施形態では、自動車71には既述の連結代替改造が施されるが、その連結代替改造は、エンジンルームに操舵力発生装置を設置する改造に比べて大幅に軽微であって、そのエンジンルーム内の余剰のスペースが不足であったり無い場合であっても、容易に実現可能である。
【0052】
したがって、本実施形態に係る運転模擬装置は、既述の第一の実施形態と同様に、従来例に比べて大幅に安価に実現され、しかも、自動車71として適用されるべき自動車の多様な機種に対する柔軟な適応が可能となる。
【0053】
なお、本実施形態では、上述した連結代替改造は、ロッド71Rを介してステアリングホイール71SHの軸に与えられるべきトルクに比べて、サーボモータ12Aによって発生される操舵反力が大幅に大きい場合には、その軸をロッド71Rとロッド31との双方に連結する改造(以下、「並連結改造」という。)で代替されてもよい。
【0054】
また、上述した各実施形態は、四輪車の前輪と後輪との双方もしくは何れか一方には限定されず、三輪車の前輪または後輪と、二輪車の前輪との何れにも適用可能であり、例えば、二輪車の前輪に適用される場合には、図6(a),(b)に示すように、その前輪41に代えてサーボモータ12Bが備えられ、そのサーボモータ12Bの出力が該当する二輪車のハンドル42に連結されることによって構成されてもよい。
【0055】
さらに、上述した各実施形態では、操舵反力の発生源は、サーボモータ12、12A、12B、21、21Aに限定されず、自動車71の運転の模擬の下で求められた操舵反力を所望の精度および速度で発生できるならば、如何なる動力源で代替されてもよい。
【0056】
また、上述した各実施形態では、運転の模擬の過程で自動車71の前進および後進を実現する動力によって車輪が駆動される場合には、図3または図4に示す拘止部材31-1、31-2は、該当する車輪の回動を妨げることなくその車輪に操舵反力を伝達可能であるならば、如何なる機構として構成されてもよい。
【0057】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲において多様な実施形態の構成が可能であり、構成要素の全てまたは一部に如何なる改良が施されてもよい。
【0058】
以下、本願に開示された発明の内、「特許請求の範囲」に記載しなかった発明の構成、作用および効果を「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄の記載に準じた様式により列記する。
【0059】
[請求項7] 請求項3に記載の操舵反力伝達部材において、
前記自動車が有する車輪の変位および姿勢に追動可能な機構を有する
ことを特徴とする操舵反力伝達部材。
【0060】
このような構成の操舵反力伝達部材では、請求項3に記載の操舵反力伝達部材において、前記自動車が有する車輪の変位および姿勢に追動可能な機構を有する。
【0061】
すなわち、上記自動車のステアリングに応じて車輪の変位や姿勢が変化し得る場合であっても、そのステアリングに対する操舵反力の伝達が精度よく安定に実現される。
したがって、自動車の多様な形状、構造、寸法等と、その自動車に関して模擬されるべき運転の形態との双方に対する柔軟な適応が可能となる。
【0062】
[請求項8] 請求項3または請求項7に記載の操舵反力伝達部材において、
前記自動車が有する複数pの車輪に前記操舵反力を個別に伝達する
ことを特徴とする操舵反力伝達部材。
【0063】
このような構成の操舵反力伝達部材では、請求項3または請求項7に記載の操舵反力伝達部材において、前記自動車が有する複数pの車輪に前記操舵反力を個別に伝達する。
【0064】
すなわち、運転の模擬の対象となる自動車の車輪の数に如何にかかわらず、その自動車の操舵系には、これらの車輪を介して操舵反力が伝達される。
したがって、自動車の多様な形状、構造、寸法等と、その自動車に関して模擬されるべき運転の形態との双方に対する柔軟な適応が可能となる。
【0065】
[請求項9] 請求項3、7、8の何れか1項に記載の操舵反力伝達部材において、
前記車輪の回動に追動可能な機構を有する
ことを特徴とする操舵反力伝達部材。
【0066】
このような構成の操舵反力伝達部材では、請求項3、7、8の何れか1項に記載の操舵反力伝達部材において、前記車輪の回動に追動可能な機構を有する。
【0067】
すなわち、操舵反力は、自動車の車輪がその自動車の前進および後進に供される動力によって駆動される場合であっても、その駆動によって車輪が回動することによる大幅な目減りや誤差を伴うことなく、ステアリングの軸に直接伝達される。
したがって、自動車の多様な形状、構造、寸法等と、その自動車に関して模擬されるべき運転の形態との双方に対する柔軟な適応が可能となる。
【0068】
[請求項10] 請求項4に記載の操舵反力伝達装置において、
前記自動車の車輪の数は複数pであり、
前記車輪代替手段は、
前記複数pの車輪に個別に取り付け可能に構成された複数pの車輪代替手段として構成され、
前記伝達手段は、
前記複数pの車輪代替手段に前記操舵反力を個別に伝達する
ことを特徴とする操舵反力伝達装置。
【0069】
このような構成の操舵反力伝達装置では、請求項4に記載の操舵反力伝達装置において、前記自動車の車輪の数は複数pである。前記車輪代替手段は、前記複数pの車輪に個別に取り付け可能に構成された複数pの車輪代替手段として構成される。前記伝達手段は、前記複数pの車輪代替手段に前記操舵反力を個別に伝達する。
【0070】
すなわち、運転の模擬の対象となる自動車の車輪の数に如何にかかわらず、その自動車の操舵系には、これらの車輪を個別に代替する車輪代替手段を介して操舵反力が伝達される。
したがって、自動車の多様な形状、構造、寸法等と、その自動車に関して模擬されるべき運転の形態との双方に対する柔軟な適応が可能となる。
【0071】
[請求項11] 請求項5または請求項6に記載の操舵反力伝達装置において、
前記伝達手段は、
前記車輪の回動に追動可能な機構を有する
ことを特徴とする操舵反力伝達装置。
【0072】
このような構成の操舵反力伝達装置では、請求項5または請求項6に記載の操舵反力伝達装置において、前記伝達手段は、前記車輪の回動に追動可能な機構を有する。
【0073】
すなわち、操舵反力は、自動車の車輪がその自動車の前進および後進の動力によって駆動される場合であっても、その駆動によって車輪が回動することによる大幅な目減りや誤差を伴うことなく、ステアリングの軸に直接伝達される。
したがって、自動車の多様な形状、構造、寸法等と、その自動車に関して模擬されるべき運転の形態との双方に対する柔軟な適応が可能となる。
【符号の説明】
【0074】
11 車輪代替部材
12,12A,12B,21,21A サーボモータ
13 伝達部材
31 拘止部材
41 前輪
42 ハンドル
71 自動車
71D 操舵反力発生装置
71H ハブ
71PS パワーステアリング
71R ロッド
71RP ラックアンドピニオン
71SH ステアリングホイール
72 フレーム
73 揺動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成され、かつ前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記車輪の軸に与える
ことを特徴とする車輪代替部材。
【請求項2】
自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成された車輪代替部材に、前記自動車に関して模擬された操舵反力を伝達する
ことを特徴とする操舵反力伝達部材。
【請求項3】
自動車の車輪に前記自動車に関して模擬された操舵反力を伝達する
ことを特徴とする操舵反力伝達部材。
【請求項4】
自動車の車輪に代えて前記自動車に取付可能に構成された車輪代替手段と、
前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記車輪代替手段に伝達する伝達手段と
を備えたことを特徴とする操舵反力伝達装置。
【請求項5】
自動車のステアリングの軸の回動に応じた前記自動車の車輪の動きを解除するステアリング解除手段と、
前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記ステアリングの軸に伝達する伝達手段と
を備えたことを特徴とする操舵反力伝達装置。
【請求項6】
自動車のステアリングの軸に応じた前記自動車の車輪の動きを解放する車輪解放手段と、
前記自動車に関して模擬された操舵反力を前記ステアリングの軸に伝達する伝達手段と
を備えたことを特徴とする操舵反力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−215517(P2012−215517A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82017(P2011−82017)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】