説明

軒先構造および軒先施工方法

【課題】軒先部分の屋根換気に壁換気を関連付けるようにする。
【解決手段】屋根部5の軒側端部に、横桟部材11の内側面を固定し、横桟部材11の下面に壁部6の上端部を当接配置すると共に、屋根部5の軒側端部における横桟部材11の上部に、屋根部5の内部空間5aを外部へ開放可能な屋根用換気口部12を設けた軒先構造を有している。そして、上記した屋根部5の軒側端部の周辺に、壁部6の内部空間6aを、屋根用換気口部12またはその近傍へ連通可能な上下連通部31を設けるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、壁換気機能を向上させた軒先構造および軒先施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅などの建物には、一般に、屋根が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような屋根の軒先構造には、屋根部の軒側端部に対して横桟部材を固定すると共に、この横桟部材の下面に壁部の上端部を当接配置するようにしたものが存在している。
【0004】
そして、上記した屋根部の軒側端部における横桟部材の上部に、屋根部の内部空間を外部へ開放可能な屋根用換気口部を設けて、屋根部の内部空間の換気(屋根換気)を行わせるようにすることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3930272号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した軒先構造では、横桟部材の下面側に設置された壁部の内部空間に対する換気(壁換気)については特に行われていなかった。または、壁換気は屋根換気とは切離されていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、屋根部の軒側端部に、横桟部材の内側面を固定し、該横桟部材の下面に壁部の上端部を当接配置すると共に、前記屋根部の軒側端部における前記横桟部材の上部に、屋根部の内部空間を外部へ開放可能な屋根用換気口部を設けた軒先構造において、前記屋根部の軒側端部の周辺に、前記壁部の内部空間を、前記屋根用換気口部またはその近傍へ連通可能な上下連通部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、屋根部の軒側端部の周辺に上下連通部を設けることにより、壁部の内部空間を屋根用換気口部に連通することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例にかかる軒先構造を示す断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】横桟部材の取付状況を示す斜視図である。
【図4】軒先カバー部材の取付状況を示す斜視図である。
【図5】軒先水返の取付状況を示す斜視図である。
【図6】横桟部材に対するスペーサの取付状況を示す、(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図7】軒樋取付具およびカバー取付具の取付状況を示す斜視図である。
【図8】(a)(b)は軒樋取付具に対する軒樋の取付工程を順番に示す側面図である。
【図9】化粧カバーの側板部の斜視図である。
【図10】化粧カバーの底板部を上側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、上記した各問題点を解決するために、軒先部分の屋根換気に壁換気を関連付けて設けるよう構成している。
【0011】
以下、本発明を具体化した実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
【0013】
まず、この実施例にかかる建物について説明する。
【0014】
この実施例では、上記した建物はユニット住宅とされている。但し、ユニット住宅以外の建物であっても良い。
【0015】
ここで、ユニット住宅は、予め工場で製造した複数の住宅ユニットをトラックで建築現場へ搬送して、建築現場で住宅ユニットを平面的に並べたり、上下に積重ねたりすることにより、短期間で建物を構築し得るようにしたものである。
【0016】
上記した住宅ユニットには、鉄骨系のものと木質系のものとが存在するが、この場合には、鉄骨系のものが使用されている。但し、木質系の住宅ユニットであっても良い。
【0017】
そして、鉄骨系の住宅ユニットは、通常、4本のユニット柱の上端間に、4本の天井梁を矩形状に連結すると共に、上記した4本のユニット柱の下端間に、4本の床梁を矩形状に連結して成る、ボックスラーメン構造のユニットフレームを有している。ここで、ユニット柱には、角型鋼管が使用される。また、天井梁および床梁には、C型鋼が使用される。
【0018】
以下、上記を図面に即して説明する。
【0019】
図1はこの実施例にかかる軒先構造を示す断面図、図2は図1の部分拡大図である。
【0020】
図1では、下階の住宅ユニット1の上部に、上階の住宅ユニット2が載置された状態を示している。そして、上記した下階の住宅ユニット1に対し、別の下階の住宅ユニット3が隣接して配置された状態を示している。この場合、上記した下階の住宅ユニット1の天井梁1aの上部に、上階の住宅ユニット2の床梁2aが設置され、下階の住宅ユニット1の天井梁1aの側部に、別の下階の住宅ユニット3の天井梁3aが隣接してして設置されている。また、この天井梁3aの対辺となる天井梁3bが所要の間隔を有して設置されている。
【0021】
そして、上階の住宅ユニット2の側面には、壁部4が垂直に取付けられている。また、別の下階の住宅ユニット3の上面には、屋根部5が軒先側へ向かって緩い下り勾配に取付けられると共に、この別の下階の住宅ユニット3の側面には、壁部6が垂直に取付けられている。この場合、上記した屋根部5は、例えば、別の下階の住宅ユニット3の上面のみに対して部分的に設けられる庇部などとされている。
【0022】
以上が、この実施例における建物の概略である。
【0023】
次に、この実施例にかかる軒先構造について説明する。
【0024】
この実施例にかかる、別の下階の住宅ユニット3の軒先構造は、上記した屋根部5の軒側端部に、横桟部材11の内側面を固定し、この横桟部材11の下面に上記した壁部6の上端部を当接配置するようにしている。そして、屋根部5の軒側端部における横桟部材11の上部に、屋根部5の内部空間5aを外部へ開放することにより屋根換気が可能な屋根用換気口部12を設けるようにしている。
【0025】
ここで、上記した「屋根部5」は、平行な一対の垂木受梁13と、この垂木受梁13間に(垂木受梁13の)長手方向に沿い所要の間隔を有して複数本架設された垂木14と、この垂木14の上部に貼設固定された野地板15とを有する屋根パネル16を備えている。但し、屋根部5は、屋根パネル16を使用したものに限られるものではない。そして、上記した屋根部5の内部空間5aは、図3の斜視図に示すように、主に、隣接する垂木14の側面間に形成される。
【0026】
「垂木受梁13」は、図1に示すように、縦面部13aと横面部13bとを有するL型鋼によって構成されている。一対の垂木受梁13の縦面部13aはほぼ上方へ向けて互いに平行に配置され、横面部13bは各縦面部13aの下端部から互いに向き合うようにほぼ水平に配置されている。一対の垂木受梁13は、各々上記した天井梁3a,3bのそれぞれの上部に天井梁3a,3bと平行に設置されると共に、その横面部13bを、ボルトやナットなどの固定具13cなどを用いて、各天井梁3a,3bに固定される。
【0027】
「垂木14」は、垂木受梁13の長手方向とほぼ垂直な方向へ向けて延設されると共に、垂木受梁13の縦面部13aにその端部を当接され、横面部13bにその端部下面を直接またはスペーサを介して間接的に載置されている。そして、垂木14は、垂木受梁13の縦面部13aよりも高さ寸法が大きくなるように構成されており、この垂木受梁13の縦面部13aよりも上に突出した部分に、上記した屋根用換気口部12が形成されるようになっている。
【0028】
「野地板15」の上部には、図4の斜視図に示すように、ルーフィング材17a(防水シート)や、屋根材17b(鋼板)などの屋根仕上材17が設置される。
【0029】
次に、上記した「壁部6」は、図2に示すように、外壁材18と、内壁材19とを有している。そして、外壁材18と、内壁材19との間の隙間に、上下方向へ延びる内部空間6aが形成されている。この場合、横桟部材11の下面には外壁材18の上端部のみが突き当たるようになっており、内壁材19の上端部は天井梁3bの下面に突き当たるようになっている。
【0030】
そして、上記した「横桟部材11」には、木材、樹脂材、金属材などが用いられる。この場合には、木粉(例えば、木質廃材を使用)を樹脂材(例えば、リサイクル樹脂を使用)で固めて成る合成木材が用いられている。横桟部材11は、図3に示すように、垂木受梁13の縦面部13aに対してドリルネジ11aで固定される。
【0031】
また、上記した「屋根用換気口部12」には、図4の斜視図に示すような軒先カバー部材21や、図5の斜視図に示すような軒先水返22などが取付けられる。この軒先水返22は、図2に示すように、軒先カバー部材21の下側に取付けられることにより、軒先カバー部材21と共に、上記した屋根用換気口部12から緩い下り勾配を有して外方へ張出す換気用通路23を構成するようになっている。この換気用通路23の先端部には、外部に対して下向きに開放する狭い換気口23aが形成されている。
【0032】
ここで、軒先カバー部材21は、図4に示すように、軒先部分(屋根材17bなど)に対する取付部21aと、換気用通路23の上面を構成する緩い下り勾配の外方張出部21bと、換気口23aの外側面を構成すべく外方張出部21bの先端から下方へ屈曲する下降部21cとを有している。また、軒先水返22は、図5に示すように、軒先部分(横桟部材11など)に対する取付部22aと、換気用通路23の上面を構成する緩い下り勾配の外方張出部22bと、換気口23aの内側面を構成すべく外方張出部22bの先端から上方へ屈曲する上昇部22cとを有している。
【0033】
そして、上記したような基本構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
【0034】
(構成1)
図2に示すように、上記した屋根部5の軒側端部の周辺に、壁部6の内部空間6aを、屋根用換気口部12またはその近傍へ連通可能な上下連通部31を設けるようにする。
【0035】
なお、屋根用換気口部12の近傍とは、換気用通路23の屋根用換気口部12に近い奥側の部分を意味している。
【0036】
この上下連通部31は、例えば、横桟部材11に対して上下方向へ延びる連通孔を形成することなどによっても得ることができるが、好ましくは以下のようにする。
【0037】
(構成2)
即ち、図3に示すように、上記した上下連通部31が、屋根部5の軒側端部と横桟部材11の内側面との間の部分に介在されたスペーサ32によって形成されるようにする。
【0038】
このスペーサ32は、図6に示すように、横桟部材11の内側面にビス32aで固定して、垂木受梁13の縦面部13aの外側面に対して当接させ得るようにする。この際、ビス32aの頭部は、スペーサ32の表面から突出しないようにする。
【0039】
更に、スペーサ32は、少なくとも2本以上の垂木14の端部と合致する位置に設けて、垂木14で裏当し得るようにする。
【0040】
(構成3)
更に、図2に示すように、上記した上下連通部31に、水滴の通過が不能で且つ湿気の通過が可能な防水透湿材33を設置する。
【0041】
この防水透湿材33には、水滴よりも径が小さく、且つ、湿気の粒よりも径の大きな無数の微細孔を有するシートを用いる。この防水透湿材33は、上下連通部31の上部や中間部などに設けることも考えられるが、施工性や機能性などを考慮して、上下連通部31の下部に設けるようにする。具体的には、防水透湿材33を粘着テープ状に加工して、別の下階の住宅ユニット3の天井梁3bの下面と、横桟部材11の下面との間に跨がるように貼設する。
【0042】
(構成4)
そして、上記した横桟部材11の外側面に、軒樋35またはこの軒樋35を覆う化粧カバー36のうちの少なくとも一方を直接または間接的に取付けるようにする。
【0043】
ここで、「軒樋35」は、横桟部材11の長手方向に沿って延びると共に、底面部35aと内側面35bと外側面35cとを有して上側が開放された断面ほぼU字状のものとする。この軒樋35は、図7の斜視図に示すような軒樋取付具37を用いて横桟部材11に間接的に取付けられるようにする。
【0044】
「軒樋取付具37」は、軒樋35の長手方向に間隔を有して複数配置された取付ブラケットなどとされる。この軒樋取付具37は、図2に示すように、横桟部材11の外側面に対する取付面37aと、この取付面37aから外方へ向かって延びるアーム部37bとを有している。このアーム部37bの先端上部には、軒樋35の外側面35cの膨らんだ上端縁部を係止および回動保持可能なフック状をした回動可能係止部37cを備えている。また、アーム部37bの基部近傍下部には、軒樋35の内側面35bの膨らんだ上端縁部を係止保持可能な爪部37dを備えている。そして、図8(a)に示すように、軒樋35を斜めにして軒樋取付具37の回動可能係止部37cに、軒樋35の外側面35cの膨らんだ上端縁部を係止保持させておき、回動可能係止部37cの位置を中心として軒樋35が水平となるように軒樋35を回動することにより、図8(b)に示すように、爪部37dに軒樋35の内側面35bの膨らんだ上端縁部を係止保持させて、軒樋取付具37に軒樋35を取付け得るように構成している。
【0045】
また、図9に示すように、「化粧カバー36」は、軒樋35の外側面35cを外側から間隔を有して覆う側板部36aと、図10に示すように、軒樋35の底面部35aを下側から間隔を有して覆う底板部36bとを別個に備えている。この化粧カバー36は、図7に示すようなカバー取付具38を用いて横桟部材11に間接的に取付けられる。
【0046】
「カバー取付具38」は、上記した軒樋取付具37と組合せて同時に横桟部材11に取付可能な複数の金具(ケラバ受金具)などとされる。このカバー取付具38は、軒樋取付具37の取付面37aと共に横桟部材11の外側面にネジで固定される取付部38aと、この取付部38aから、下方へ延びる下行部38bと、この下行部38bの下端部から外方へ向かってほぼ水平に延びる底辺部38cと、この底辺部38cの外方端部から上方へ向かって延びる上行部38dと、この上行部38dの中間部から軒樋取付具37の回動可能係止部37cへ向かって延びると共に回動可能係止部37cに係止支持される中間支持部38eとを有する側面視ほぼL字状のものとされている。そして、上行部38dに化粧カバー36の側板部36aがネジで固定され、図10に示すように、底辺部38cの下側に化粧カバー36の底板部36bがリベットなどを用いて固定されるように構成している。
【0047】
(構成5)
そして、上記した軒先構造を施工する軒先施工方法は、主に、屋根部5の軒側端部の周辺に上下連通部31を設けて、壁部6の内部空間6aを屋根用換気口部12またはその近傍へ連通可能となるようにする。
【0048】
また、上下連通部31に、防水透湿材33を設置して、上下連通部31を水滴の通過が不能で且つ湿気の通過が可能なようにする。
【0049】
より具体的には、以下のように施工する。
【0050】
先ず、下階の住宅ユニット1と、別の下階の住宅ユニット3とを隣接して配置すると共に、下階の住宅ユニット1の上部に、上階の住宅ユニット2を載置する。
【0051】
そして、別の下階の住宅ユニット3の上面に、屋根部5(屋根パネル16、ルーフィング材17a、屋根材17bなど)を取付け、図3に示すように、屋根部5の軒側端部(の垂木受梁13の縦面部13a)に、横桟部材11をドリルネジ11aで固定する。この際、図6に示すように、横桟部材11の内側面35bにおける垂木14の端部と対応する位置には、予め、スペーサ32をビス固定しておき、横桟部材11の取付けによって上下連通部31が形成されるようにする。
【0052】
そして、図4に示すように、屋根部5の軒側端部の上側部分に、屋根用換気口部12の上縁部に沿って軒先カバー部材21を取付けると共に、図5に示すように、屋根用換気口部12の下縁部に沿って軒先水返22を取付ける。
【0053】
次に、防水透湿材33を粘着テープ状に加工して、別の下階の住宅ユニット3の天井梁3bの下面と、横桟部材11の下面との間に貼設する。
【0054】
そして、別の下階の住宅ユニット3の天井梁3bの下面と、横桟部材11の下面とに壁部6を取付けて、壁部6の内部空間6aを、上下連通部31を介して屋根用換気口部12へ連通させる。なお、上記した軒先カバー部材21と軒先水返22との取付けは、壁部6の取付けよりも後とすることができる。
【0055】
次に、図7に示すように、横桟部材11の外側面35cに、軒樋取付具37とカバー取付具38とを組合せた状態で取付ける。
【0056】
最後に、図8に示すように、軒樋取付具37に軒樋35を取付け、図9および図10に示すように、カバー取付具38に化粧カバー36を取付ける。
【0057】
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0058】
(作用効果1)
屋根部5の軒側端部の周辺に上下連通部31を設けることにより、壁部6の内部空間6aを屋根用換気口部12またはその近傍へ連通することが可能となる。
【0059】
これにより、壁部6の内部空間6aに溜まった湿気を上下連通部31を介して屋根用換気口部12またはその近傍まで導くことが可能となり、屋根用換気口部12に接続された換気用通路23を、屋根用換気口部12と共に使用(共用)することが可能となる。よって、壁部6の内部空間6aに対する換気口を別途設ける必要を無くして、壁換気構造の簡略化を図ることができるようになり、また、軒先周辺部分をシンプルで意匠性の良い仕上りにすることが可能となる。
【0060】
(作用効果2)
上下連通部31をスペーサ32によって形成することにより、屋根部5の軒側端部および横桟部材11の形状や構造を簡略化しつつ上下連通部31を簡単に形成して、壁内換気性能を飛躍的に向上することができる。
【0061】
(作用効果3)
上下連通部31に防水透湿材33を設置したことにより、壁部6の内部空間6aから外部への湿気の排出が可能な状態を保持しつつ、外部の雨水が、屋根用換気口部12から上下連通部31を通って壁部6の内部空間6aへ侵入するのを確実に防止することができる。
【0062】
(作用効果4)
横桟部材11に、軒樋35または化粧カバー36のうちの少なくとも一方を直接または間接的に取付けることにより、壁内換気機能を有する横桟部材11を利用して、軒樋35または化粧カバー36のうちの少なくとも一方を、短時間で且つ確実に取付けることが可能となる。
【0063】
(作用効果5)
この実施例の軒先施工方法によれば、上記(作用効果1)ないし(作用効果4)と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0065】
5 屋根部
5a 内部空間
6 壁部
6a 内部空間
11 横桟部材
12 屋根用換気口部
31 上下連通部
32 スペーサ
33 防水透湿材
35 軒樋
36 化粧カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根部の軒側端部に、横桟部材の内側面を固定し、該横桟部材の下面に壁部の上端部を当接配置すると共に、
前記屋根部の軒側端部における前記横桟部材の上部に、屋根部の内部空間を外部へ開放可能な屋根用換気口部を設けた軒先構造において、
前記屋根部の軒側端部の周辺に、前記壁部の内部空間を、前記屋根用換気口部またはその近傍へ連通可能な上下連通部を設けたことを特徴とする軒先構造。
【請求項2】
前記上下連通部が、前記屋根部の軒側端部と前記横桟部材の内側面との間の部分に介在されたスペーサによって形成されたことを特徴とする請求項1記載の軒先構造。
【請求項3】
前記上下連通部に、水滴の通過が不能で且つ湿気の通過が可能な防水透湿材を設置したことを特徴とする請求項1または2記載の軒先構造。
【請求項4】
前記横桟部材の外側面に、軒樋または該軒樋を覆う化粧カバーのうちの少なくとも一方を直接または間接的に取付けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の軒先構造。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軒先構造を施工する軒先施工方法であって、
前記屋根部の軒側端部の周辺に上下連通部を設けて、前記壁部の内部空間を前記屋根用換気口部またはその近傍へ連通可能とすることを特徴とする軒先施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−149468(P2012−149468A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10536(P2011−10536)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】