説明

軟質材充填方法及び壁工法

【課題】深い間隙に対しても軟質材を十分に奥深くまで押し込むことができる軟質材充填方法を提供する。
【解決手段】押込工具10は、円板状のローラ11と、該ローラ11を支持するグリップ20とからなる。グリップ20は、やや厚みの大きい略長方形板状のグリップ本体21と、該グリップ本体21の先端から突設された1対の薄板状の支持片22,22と、グリップ本体21の後端から突設された突出片24とを有する。軟質材7を断熱ボード6と間柱4との間の間隙に押し込むには、軟質材7を間隙に沿って配置し、押込工具10のローラ11で該軟質材をグリップに押し込み、次いで押込工具10を間隙に沿って移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は断熱ボードを有する壁構造を構築するための軟質材充填方法及び壁工法に係り、特に断熱ボードと柱又は間柱との間の気密性を高めるための軟質材を押し込むようにした軟質材充填方法及び壁工法に関する。
【背景技術】
【0002】
I.柱や間柱の室外側に面材を取り付け、この面材の室内側に断熱ボードを取り付けた断熱壁構造において、断熱ボードと柱や間柱との間の気密性をシール材等によって高めることは公知である。
【0003】
実開平6−6512号の0014段落には、断熱ボードと柱との間の空隙にシーリング材を充填して硬化させたり、楔状のゴム状弾性体を嵌合させることが記載されている。同号公報では、断熱ボードを間柱と共に予め面材に取り付けておき、この断熱ボード付きの面材を柱に取り付けるようにしている。間柱と断熱ボードとは突き付け状となっている。
【0004】
II.実開平4−92984号には、サッシュの隙間にバックアップ材を押し込むに際し、ローラ及び把持部を有した工具を用い、このローラを目地に差し込むようにしてバックアップ材を隙間に押し込むことが記載されている。
【特許文献1】実開平6−6512号
【特許文献2】実開平4−92984号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実開平4−92984号では、ローラの肉厚が大きいため、隙間が深いときにはバックアップ材を奥深くまで押し込むことができない。
【0006】
上記実開平6−6512号では、断熱ボードは間柱と共に面材に予め取り付けられ、断熱ボードと間柱とは単に突き付け状となっているため、この断熱ボードと間柱との間に隙間が生じ、熱橋となり易い。仮にこの断熱ボードと間柱との間にシーリング材を充填したとしても、経年的な間柱の痩せや反り、地震による層間変位などによってシーリング材と間柱又は断熱ボードとの間に切れが生じ易く、この切れた部分が熱橋となってしまう。
【0007】
また、この実開平6−6512号では、断熱ボードを間柱と共に予め面材に取り付けておき、この間柱及び断熱ボードを柱間に嵌め込むようにして面材を柱に取り付けるようにしているため、断熱ボード及び間柱を高寸法精度にて面材に取り付けておく必要があり、施工作業性にかなりの難がある。
【0008】
本発明は、深い間隙に対しても軟質材を十分に奥深くまで押し込むことができる軟質材充填方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、間柱の痩せや反り、層間変位などがあっても断熱ボード周囲に隙間が生じることがなく、長期にわたって優れた断熱効果が奏され、さらに施工性の良い壁構造を構築するための壁工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(請求項1)の軟質材充填方法は、柱体と断熱ボードとの間の間隙に軟質材を押し込む軟質材充填方法において、該間隙よりも厚みが小さい円板状ローラと、該ローラを回転自在に保持したグリップとを有した押込工具を用い、該ローラを該間隙に差し込み、該押込工具を間隙に沿って移動させて前記軟質材を該間隙に押し込むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の軟質材充填方法は、請求項1において、前記グリップは、作業者によって把持されるグリップ本体と、該グリップ本体の先端から突出した1対の支持片とを備え、前記ローラは、該支持片同士の間に配置され、該支持片の先端同士の間に架設された支軸によって該支持片に回転自在に保持されており前記支持片は、前記ローラの板面と平行な帯板状であり、該支持片は、前記ローラの軸心部から半径方向に延在しており、該支持片の該延在方向と直交方向の幅がローラの直径の20〜30%であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3の軟質材充填方法は、前記グリップは、作業者によって把持されるグリップ本体と、該グリップ本体の先端から突出した1対の支持片とを備え、前記ローラは、該支持片同士の間に配置され、該支持片の先端同士の間に架設された支軸によって該支持片に回転自在に保持されており、前記支持片は、前記ローラの板面と平行な帯板状であり、該支持片は、前記ローラの軸心部から半径方向に延在しており、前記支軸を該間隙に差し込んで軟質材を押し込むことを特徴とするものである。
【0013】
請求項4の軟質材充填方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記支持片は、前記ローラの板面に対し斜交する方向に撓むことができる弾性材料にて構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5の壁工法は、柱よりなる第1の柱体と、柱又は間柱よりなる第2の柱体と、該第1及び第2の柱体の室外側に取り付けられた面材と、該第1の柱体と第2の柱体との間において該面材の室内側に沿って配設された断熱ボードと、該第2の柱体と断熱ボードとの間に挿入された軟質材とを有する壁構造を構築するための壁工法であって、前記第1の柱体及び第2の柱体の室外側に前記面材を取り付けておき、該面材の室内側に前記断熱ボードを当接させた後、該断熱ボードと第2の柱体との間に前記軟質材を請求項1ないし4のいずれか1項の軟質材充填方法によって押し込むことを特徴とするものである。
【0015】
請求項6の壁工法は、請求項5において、前記軟質材を前記間隙に押し込んだ後、該断熱ボードと第1の柱体との間にパッキンを挿入し、このパッキンからの押圧力によって該断熱ボードを第2の柱体に向けて押圧し、前記軟質材を断熱ボードと第2の柱体との間で挟圧することを特徴とするものである。
【0016】
請求項7の壁工法は、請求項7において、前記面材に断熱ボードを当接させるに際し、両者の少なくとも一方に接着剤を付着させておくようにした壁工法であって、
該接着剤は、前記パッキンを挿入した後に硬化する硬化特性を有しており、且つ前記パッキンからの押圧力によって前記断熱ボードが第2の柱体に向かって移動することを許容する粘性及び付着量とされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の軟質材充填方法によると、押込工具によって軟質材を間隙に押し込むことができる。本発明では、ローラの厚みが間隙よりも小さいので、軟質材を間隙の奥深くまで押し込むことができる。
【0018】
請求項2の軟質材充填方法によると、作業者がグリップ本体を把持して押込工具を間隙に沿って移動させることにより、軟質材を間隙に押し込むことができる。
【0019】
請求項2の軟質材充填方法によると、支持片がよじれることがないので、ローラを容易に直進させることができる。
【0020】
請求項3の軟質材充填方法によると、支軸を間隙に差し込むことにより、ローラがふらつくことなく安定して軟質材を間隙の奥深くまで押し込むことができる。
【0021】
請求項4の軟質材充填方法によると、支持片を撓ませることにより、グリップを柱体等に干渉させることなく、軟質材を間隙に押し込むことができる。
【0022】
請求項5の壁工法によると、パッキンを断熱ボードと第1の柱体との間に挿入するときにパッキン自体が押し縮められると共に、断熱ボードが面材に沿って第2の柱体に向かう方向に押され、断熱ボードと第2の柱体との間で軟質材が挟圧される。なお、このように軟質材が挟圧されるようにするためには、断熱ボードと面材とを非接着としておくか、又は断熱ボードが面材に沿って動き得る程度の粘性及び接着剤付着量にて接着剤によって断熱ボードを面材に付着させておく。また、軟質材を第2の柱体と断熱ボードとの隙間に埋めることによって断熱ボードを仮固定することができる。
【0023】
この壁工法によって構築された壁構造では、断熱ボードと第1の柱体との間にパッキンが押し縮められた状態で介在し、断熱ボードと第2の柱体との間に軟質材が押し縮められた状態で介在している。従って、間柱の痩せや反り、層間変位などによって断熱ボードと第1又は第2の柱体との間に隙間が生じようとした場合、パッキン又は軟質材、特に軟質材が弾性的に膨張し、隙間発生が防止される。このパッキン、軟質材は、それまで押し縮められた状態にあったものであるため、隙間の拡径に迅速に追従すると共に、切れが生じることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図〜第4図は本発明の壁工法を説明する断面図であり、第5図は構築された壁構造を示している。なお、各図の(a)図は柱の上下方向途中の水平断面図であり、(b)図は室内側からの壁の立面図である。第7図は押込工具の斜視図、第8図は押込工具の使用例を示す水平断面図である。
【0025】
まず、第7図を参照して押込工具10の構成について説明する。
【0026】
この押込工具10は、円板状のローラ11と、該ローラ11を支持するグリップ20とからなる。グリップ20は、やや厚みの大きい略長方形板状のグリップ本体21と、該グリップ本体21の先端から突設された1対の薄板状の支持片22,22と、グリップ本体21の後端から突設された突出片24とを有する。
【0027】
ローラ11は、1対の支持片22,22間に介挿され、支軸23によって回転自在に該支持片22,22に支持されている。ローラ11の板面と支持片22の板面とは平行である。支軸23はローラ11の軸心を貫通している。
【0028】
支持片22は、長方形板状であり、外向きの側面はグリップ本体21の側面と面一状となっている。支持片22の長手方向はローラ11の半径方向となっており、支軸23は支持片22の先端側に位置している。支持片22の短手方向の幅(第7図の上下方向の幅)は、ローラ11の直径の20〜30%程度が好適である。
【0029】
この実施の形態では、支持片22、グリップ本体21及び突出片24は合成樹脂にて一体に成形されている。合成樹脂としては、ABSなど弾力性を有したものが好ましい。
【0030】
突出片24は、グリップ本体21よりも厚みの小さい板状であり、突出方向先端側ほど幅が小さくなる台形とされている。
【0031】
この押込工具10を用いて軟質材を間隙に押し込む壁工法について次に説明する。
【0032】
第1図の通り、土台1と胴差し2との間に柱3と間柱4が立設されている。この実施の形態では柱3が第1の柱体であり、間柱4が第2の柱体である。柱3と間柱4の室外側に面材5が釘打ち等により取り付けられている。
【0033】
第2図の通り、この面材5の室内側であって、且つ柱3と間柱4との間に断熱ボード6を配置し、該断熱ボード6の柱3側の側辺が該柱3に当接するように該断熱ボード6を面材5に重ね合わせる。この際、間柱4と断熱ボード6との間には、後述の軟質材7の直径よりも小さい隙間を形成する。この実施の形態では、断熱ボード6は接着剤を用いることなく、単に面材5に当接させる。この断熱ボード6の室内側の角縁には、全周にわたって、斜めに切除した形状の面取り部6aが形成されている。
【0034】
第3図の通り、断熱ボード6と間柱4との間の間隙に、押込工具10を用いて、面取り部6aよりも奥側にまで円形断面形状の細長い発泡合成樹脂製の軟質材7を押し込む。
【0035】
軟質材7を断熱ボード6と間柱4との間の間隙に押し込むには、軟質材7を間隙に沿って配置し、押込工具10のローラ11で該軟質材をグリップに押し込み、次いで押込工具10を間隙に沿って移動させればよい。なお、ローラ11の厚みは、この間隙の隙間幅よりも小さい。
【0036】
ローラ11は、間隙内を転動しながら移動し、軟質材7を間隙に押し込む。好ましくは、押込工具10を間隙の下端から上端まで、又は間隙の上端から下端まで移動させる。間隙の上端及び下端については、ローラ11が行き届かないので、押込工具10の突出片24を間隙に差し込んで軟質材を押し込む。
【0037】
なお、この実施の形態では、支持片22の幅がローラ11の直径の20〜30%であるので、ローラ11がよじれることなく間隙に沿ってスムーズに直進する。また、支持片22が薄肉の弾力性を有した合成樹脂製であるので、第8図の如く、支持片22を間柱4から離すように撓ませ、押込工具10を間柱4と干渉させることなくスムーズに移動させることができる。
【0038】
また、ローラ11が薄肉円板状であり、支持片22,22同士の間隔が狭く、しかも支持片22,22が薄肉であるので、間隙が深い場合には、第8図のように支持片22,22も間隙に差し込んで軟質材7を間隙の奥深くまで押し込むことができる。
【0039】
断熱ボード6と間柱4との間の隙間寸法は、軟質材7の直径よりも小さいものとしてあるので、軟質材7を押し込むことにより、軟質材7が断熱ボード6及び間柱4の各々の側面に密着する。加えて、断熱ボード6を柱3と間柱4の間に仮固定することができる。また、軟質材7が円形断面形状であるので上記隙間に容易に押し込むことができる。しかも、断熱ボード6の室内側角縁が面取りされているので、軟質材7がスムーズに上記隙間内に導かれる。なお、軟質材7は、間柱4の上端から下端までの全長にわたって配置される。
【0040】
その後、第4図の通り、断熱ボード6と柱3との間にパッキン8を打ち込む。このパッキン8は楔形断面形状を有したゴム、軟質合成樹脂などよりなるものである。パッキン8も、柱3の上端から下端まで配置される。パッキン8の弾性率は軟質材7の弾性率よりも高い。
【0041】
パッキン8を打ち込むには、例えばパッキン8に当て木を当て、この当て木をハンマー等で強く叩くようにする。パッキン8を断熱ボード6と柱3との間に押し込むと、パッキン8が断熱ボード6と柱3との間に押し込まれて押し縮められると共に、断熱ボード6には面材5に沿って間柱4に向かう方向に押圧力が加えられ、断熱ボード6が間柱4に向かって面材5に沿って移動する。これにより、軟質材7が断熱ボード6と間柱4との間で挟圧される。軟質材7は、元の直径の30〜90%特に50〜80%にまで押し縮められるのが好ましい。
【0042】
その後、第5図の通り、断熱ボード6と間柱4との間、断熱ボード6と胴差し2との間、及び断熱ボード6と土台1との間に充填用のガン(注入器)を用いてシール材9を充填する。これにより、本発明の壁構造が構築される。なお、断熱ボード6は室内側角縁が面取りされているため、これらの間に充填されたシール材9は楔状に形成される。従って、仮に断熱ボード6とシール材9が剥がれたとしても、シール材9と柱3及び間柱4とが接着していれば、断熱ボード6が室内側に倒れることはない。
【0043】
このように構成された壁構造にあっては、断熱ボード6と柱3との間に弾性材よりなるパッキン8が押し込まれ、断熱ボード6と間柱4との間にパッキン8よりも低弾性の軟質材7が挟圧状態で介在されている。このため、間柱の痩せや反り、層間変位により断熱ボード6と柱3、間柱4との間の隙間が大きくなった場合には、押し縮められた状態にあった軟質材7及びパッキン8が弾性的に膨らみ、この隙間を埋める。特に、間柱4においては柱3に対して歪みや反りが大きいため、軟質材7を間柱4側に介在させるのが好ましい。この結果、仮にシール材9に切れが生じたとしても、断熱ボード6と柱3及び間柱4との間に熱橋が生じることはない。
【0044】
断熱ボード6の上辺及び下辺側の胴差し2及び土台1に沿うシール材9に対しては、建物荷重がこれらシール材9を押し縮める方向に作用する。このため、経年的にこれらのシール材9に切れが生じることはない。
【0045】
なお、間柱4に沿って断熱ボード6との間にシール材9を充填するに際し、仮に面材取り付け用の釘の先端が間柱4の側面から突出している場合、シール材充填用のガンの先端が釘の先端に当るので、釘が突出していることを検知することができる。この場合、釘の突出量が過大であれば、釘を抜いて打ち直すことにより、釘が熱橋となることが防止される。また、釘が突出している場合でも、シール材を充填して釘を覆うことにより、熱橋となることが防止される。
【0046】
上記実施の形態では土台1と胴差し2との間に柱3及び間柱4が立設されているが、胴差し2と桁との間に柱3及び間柱4が立設されてもよい。柱は通し柱であってもよく、本柱であってもよい。
【0047】
上記実施の形態では柱3と間柱4との間に断熱ボード6が配置されているが、柱と柱との間に断熱ボード6が介在されてもよい。
【0048】
上記実施の形態では断熱ボード6と面材5とを非接着としているが、パッキン8を打ち込むときの押圧力によって断熱ボード6が間柱4に向かって移動しうる程度の柔らかさ及び付着量となるように接着剤を用いて断熱ボード6を面材5に付着させておいてもよい。当然ながら、この接着剤が硬化する前にパッキン8を打ち込む。
【0049】
本発明においては、第6図のように、断熱ボード6と間柱4との間、及び断熱ボード6と柱3との間の双方に、略円形ないし略楕円形断面形状の軟質材7を押込工具10を用いて押し込んでもよい。
【0050】
この第6図の壁構造の構築方法は、断熱ボード6と柱3との隙間に、パッキン8の代わりに軟質材7を詰め、その上からシール材9を充填したこと以外は、前述の第1〜5図の壁構造の構築方法と同様である。
【0051】
本発明で採用するのに好適な材料の一例を次に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
断熱ボード6としては、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォームなどの発泡合成樹脂ボードが好適である。その密度としては30〜35kg/m程度が好適である。
【0053】
軟質材7としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、軟質発泡ウレタンなどが好適である。その圧縮強さ(25%歪み)は5〜8N/cm程度が好適である。軟質材7の弾性率はパッキン8の圧縮強さの20〜100%特に40〜100%程度が好適である。軟質材7は楕円形断面形状であってもよい。
【0054】
パッキン8としては、圧縮強さ(25%歪み)が8〜20N/cm程度の軟質ゴム又は軟質発泡合成樹脂(例えば、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、軟質発泡ポリウレタンなど)が好適である。
【0055】
シール材9としては、ポリウレタンなどが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施の形態に係る壁工法の説明図である。
【図2】実施の形態に係る壁工法の説明図である。
【図3】実施の形態に係る壁工法の説明図である。
【図4】実施の形態に係る壁工法の説明図である。
【図5】実施の形態に係る壁工法により構築された壁の説明図である。
【図6】別の実施の形態に係る工法により構築された壁構造の水平断面図である。
【図7】押込工具の斜視図である。
【図8】軟質材の押し込み方法を説明する水平断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 土台
2 胴差し
3 柱
4 間柱
5 面材
6 断熱ボード
7 軟質材
8 パッキン
9 シール材
10 押込工具
11 ローラ
20 グリップ
21 グリップ本体
22 支持片
23 支軸
24 突出片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱体と断熱ボードとの間の間隙に軟質材を押し込む軟質材充填方法において、
該間隙よりも厚みが小さい円板状ローラと、該ローラを回転自在に保持したグリップとを有した押込工具を用い、
該ローラを該間隙に差し込み、該押込工具を間隙に沿って移動させて前記軟質材を該間隙に押し込むことを特徴とする軟質材充填方法。
【請求項2】
請求項1において、前記グリップは、作業者によって把持されるグリップ本体と、該グリップ本体の先端から突出した1対の支持片とを備え、
前記ローラは、該支持片同士の間に配置され、該支持片の先端同士の間に架設された支軸によって該支持片に回転自在に保持されており、
前記支持片は、前記ローラの板面と平行な帯板状であり、
該支持片は、前記ローラの軸心部から半径方向に延在しており、
該支持片の該延在方向と直交方向の幅がローラの直径の20〜30%であることを特徴とする軟質材充填方法。
【請求項3】
請求項1において、前記グリップは、作業者によって把持されるグリップ本体と、該グリップ本体の先端から突出した1対の支持片とを備え、
前記ローラは、該支持片同士の間に配置され、該支持片の先端同士の間に架設された支軸によって該支持片に回転自在に保持されており、
前記支持片は、前記ローラの板面と平行な帯板状であり、
該支持片は、前記ローラの軸心部から半径方向に延在しており、
前記支軸を該間隙に差し込んで軟質材を押し込むことを特徴とする軟質材充填方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記支持片は、前記ローラの板面に対し斜交する方向に撓むことができる弾性材料にて構成されていることを特徴とする軟質材充填方法。
【請求項5】
柱よりなる第1の柱体と、
柱又は間柱よりなる第2の柱体と、
該第1及び第2の柱体の室外側に取り付けられた面材と、
該第1の柱体と第2の柱体との間において該面材の室内側に沿って配設された断熱ボードと、該第2の柱体と断熱ボードとの間に挿入された軟質材とを有する壁構造を構築するための壁工法であって、
前記第1の柱体及び第2の柱体の室外側に前記面材を取り付けておき、
該面材の室内側に前記断熱ボードを当接させた後、
該断熱ボードと第2の柱体との間に前記軟質材を請求項1ないし4のいずれか1項の軟質材充填方法によって押し込むことを特徴とする壁工法。
【請求項6】
請求項5において、前記軟質材を前記間隙に押し込んだ後、該断熱ボードと第1の柱体との間にパッキンを挿入し、このパッキンからの押圧力によって該断熱ボードを第2の柱体に向けて押圧し、前記軟質材を断熱ボードと第2の柱体との間で挟圧することを特徴とする壁工法。
【請求項7】
請求項6において、前記面材に断熱ボードを当接させるに際し、両者の少なくとも一方に接着剤を付着させておくようにした壁工法であって、
該接着剤は、前記パッキンを挿入した後に硬化する硬化特性を有しており、且つ前記パッキンからの押圧力によって前記断熱ボードが第2の柱体に向かって移動することを許容する粘性及び付着量とされていることを特徴とする壁工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−261130(P2008−261130A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104016(P2007−104016)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】