説明

軸支持構造および回転型センサ

【課題】回転軸の支持機能の信頼性を向上させることができる軸支持構造および回転型センサを提供すること。
【解決手段】回転軸2が挿入される軸穴7dが形成された回転体7と、軸穴7dの内壁に取り付けられ、回転軸2を支持する板バネ部材15とを備え、板バネ部材15は、回転体7の軸穴7dの内壁に支持される支持板部22と、支持板部22に連なり、支持板部22側に折り返した折り返し部23と、一端部24aが折り返し部23に連なると共に、一端部24aと他端部24bとの間が軸穴7dの軸心方向に向かって凸状に形成され、回転軸2の外周面に当接したときに他端部24bが支持板部22に支持される凸状板部24とを有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットルバルブ等の回転軸を支持する軸支持構造および軸支持構造を備えた回転型センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットルバルブ等と連動する回転軸を支持する軸支持構造として、板バネ部材を介して回転軸を軸受部材に支持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この軸支持構造は、軸受部材の軸穴に板バネ部材を取り付けて構成され、板バネ部材の付勢力により回転軸を軸穴内に嵌合支持している。この板バネ部材は、長方形状の金属板を側面視U字状に折り曲げ、さらに側面視U字状の金属板の対向する一対の板部を内向きに折り返すことにより一対のバネ部を形成し、この一対のバネ部は折り返し点を基点として先端が揺動可能な自由端となっている。そして、板バネ部材は、回転軸の挿入時に、一対のバネ部が相互の間隔を広げるように僅かに撓んで回転軸の外周面に弾接することにより、回転軸を支持している。
【特許文献1】特開2003−97970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の軸支持構造において、板バネ部材のバネ部は、揺動の基点となる折り返し点を固定端、先端を自由端とした片持ち構造となっているため、折り返し点に負荷が集中し、板バネ部材の耐久性が悪化して、回転軸の支持機能の信頼性を十分に得ることができない場合があった。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、回転軸の支持機能の信頼性を向上させることができる軸支持構造および回転型センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の軸支持構造は、回転軸が挿入される軸穴が形成された軸受部材と、前記軸穴の内壁に取り付けられ、前記回転軸を支持する板バネ部材とを備え、前記板バネ部材は、前記軸受部材の軸穴の内壁に支持される支持板部と、前記支持板部に連なり、前記支持板部側に折り返した折り返し部と、一端部が前記折り返し部に連なると共に、一端部と他端部との間が前記軸穴の軸心方向に向かって凸状に形成され、前記回転軸の外周面に当接したときに他端部が前記支持板部に支持される凸状板部とを有することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、回転軸が軸受部材の軸穴に挿入されて、凸状板部が回転軸の外周面に当接したときに、凸状板部の他端部が支持板部に支持される。よって、凸状板部は、折り返し部および他端部の2箇所において支持されるため、折り返し部にかかる負荷を軽減して板バネ部材の耐久性を向上させ、回転軸の支持機能の信頼性を向上させることができる。
【0007】
また本発明は、上記軸支持構造において、前記折り返し部は、前記凸状板部の一端部が前記支持板部に支持されるように折り返されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、凸状板部は一端部および他端部の2箇所において支持板部に支持されるため、折り返し部にかかる負荷をさらに軽減することができる。
【0009】
また本発明は、上記軸支持構造において、前記板バネ部材は、前記凸状板部の一端部と前記支持板部とを係合する係合部を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、万が一、板バネ部材が折り返し部において破損した場合であっても、係合部により凸状板部の一端部と支持板部とが係合しているため、凸状板部は一端部および他端部の2箇所において支持板部に支持され、回転軸の支持機能を維持することができる。
【0011】
また本発明は、上記軸支持構造において、前記係合部は、前記凸状板部の一端部および前記支持板部のいずれか一方に形成された突起部と、前記凸状板部の一端部および前記支持板部のいずれか他方に形成され、前記突起部に係合する係合孔とから構成されたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、簡易な構成により係合部を形成することができる。
【0013】
また本発明は、上記軸支持構造において、前記突起部は、前記凸状板部の一端部および前記支持板部のいずれか一方を部分的に切り起して形成されたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、簡易な構成により突起部を形成することができる。
【0015】
また本発明は、上記軸支持構造において、前記軸受部材には、前記軸穴の内壁から突出する凸部が形成され、前記凸部は、前記凸状板部の他端部の端面に近接または当接することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、万が一、板バネ部材が折り返し部において破損した場合であっても、凸状板部の他端部の端面が凸部に接触するため、破片の他端部側のスライド量を減少させて、軸穴内に破片が入り込むのを防止することができる。
【0017】
また本発明の回転型センサは、上記の軸支持構造を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、回転軸の支持機能の信頼性が高く、長期に亘って回転角度の検出機能を確保することができる回転型センサを提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、回転軸の支持機能の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る軸支持構造を用いた回転型センサの断面図である。なお、本実施の形態に係る回転型センサは、自動車等に搭載されるスロットルバルブセンサやアクセル開度センサ等の回転軸に取り付けられて、バルブ開度やアクセル開度を検出するために用いられるものである。
【0021】
図1に示すように、回転型センサ1は、筐体3を有しており、筐体3内には、板バネ部材15を介して回転軸2を支持する軸受部材としての回転体7と、回転体7と共に回転軸2の回転角度を検出する絶縁基板8とが収容されている。筐体3は、回転体7および絶縁基板8が配設されるケース5と、ケース5の回転軸2側とは反対側の開口部5aを塞ぐ蓋体6とから構成されている。また、回転型センサ1の検出対象となる回転軸2は、例えば、スロットルバルブに連動して駆動するようになっており、回転体7に挿入される挿入部2aは断面長方形状に形成されている。
【0022】
ケース5は、円筒状の周壁部5bと、周壁部5bの一部から径方向外側に延在するように形成された筒状部5cとを有している。周壁部5bには、筒内に突出した2段円筒状の受け部5dが形成されており、この受け部5dにより回転体7の収容部5eが形成されている。また、周壁部5bの開口部5a側には、段状に窪んだ段部5fが形成されており、この段部5fに絶縁基板8が載置されている。また、ケース5には複数の出力端子12が埋設されており、この出力端子12は、一端が周壁部5b内に突出すると共に、他端が筒状部5c内に突出している。
【0023】
蓋体6は、皿状に形成され、板状部6aと、板状部6aの周縁に形成された鍔部6bと、板状部6aから絶縁基板8側に突出した保持部6cとを有している。保持部6cは、回転軸2の軸線上に位置して有底円筒状に形成されており、筒内に支持部材9を保持している。支持部材9は、円柱部9aと、円柱部9aから絶縁基板8側に円錐状に突出した円錐部9bとから構成されており、円柱部9aにより保持部6cに保持され、円錐部9bにより回転体7を回転自在に支持している。そして、蓋体6は、支持部材9を保持した状態で、ケース5の開口部5a側の端部が熱カシメされて、開口部5aを塞ぐようにケース5に固定されている。
【0024】
絶縁基板8は、筒状部5c側の外周縁部に複数の端子部11が取り付けられており、回転体7側の表面には、端子部11に導通する図示しない抵抗体パターンおよび良導電体からなる集電体パターンが形成されている。また、端子部11は、ケース5に埋設された出力端子12に半田接続されており、出力端子12と導通している。
【0025】
回転体7は、合成樹脂により形成されており、円盤部7aと、円盤部7aの中央から回転軸2側に突出した円筒部7bと、円盤部7aの中央から蓋体6側に突出した係合凸部7cとを有している。円筒部7bには、軸穴7dが形成されており、軸穴7dの内壁に板バネ部材15が取り付けられている。係合凸部7cには、円錐状の孔が形成されており、支持部材9の円錐部9bに回転支持可能に係合される。そして、回転体7は、円筒部7bが受け部5dの内側に挿通されると共に、係合凸部7cが絶縁基板8の孔8aを挿通して支持部材9に係合することで、ケース5内に回転自在に収容される。
【0026】
また、円盤部7aには、絶縁基板8に対向する側の表面に摺動子13が設けられており、この摺動子13は絶縁基板8に形成された抵抗体パターンおよび集電体パターンに摺接可能となっている。そして、回転型センサ1は、回転軸2と共に回転する回転体7の摺動子13および絶縁基板8の抵抗体パターンおよび集電体パターンにより回転軸2の回転角度を検出している。
【0027】
図2を参照して、板バネ部材について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る板バネ部材の斜視図である。
【0028】
図2に示すように、板バネ部材15は、バネ性を有する帯状の金属板を折り曲げて形成しており、軸穴7dの穴底に当接する底板部21と、底板部21の一端部に連なり軸穴7dの内壁に沿って延在する支持板部22と、支持板部22に連なり軸穴7dの穴底方向に折り返した折り返し部23と、折り返し部23に連なり凸状に折り曲げられた凸状板部24とを有している。また、板バネ部材15は、底板部21の他端部に連なり軸穴7dの内壁に沿って延在すると共に、途中部分が凸状に折り曲げられた凸状支持板部25と、凸状支持板部25に連なりL字状に折り曲げられたL字板部26とを有している。
【0029】
支持板部22は、平板状に形成されており、延在方向に沿って軸穴7dの内壁に支持されている。また、支持板部22には、折り返し部23との境界部分に一対の突起部22aが幅方向に所定の間隔を有して形成されており、一対の突起部22aは支持板部22から垂直方向に突出するように切り起されている。また、支持板部22には、両側面から一対のガイド部22bが突出して形成されており、板バネ部材15は、この一対のガイド部22bにより支持板部22の幅方向に位置する軸穴7dの内壁にガイドされて装着時の横ブレが防止される。
【0030】
凸状板部24は、折り返し部23との境界部分となる一端部24aにおいて支持板部22に支持され、他端部24bにおいて支持板部22に近接するように折り曲げられており、他端部24bは頂部24cが回転軸2の挿入部2aに当接したときに支持板部22に接触するようになっている。また、凸状板部24には、折り返し部23との境界部分に一対の係合孔24dが一対の突起部22aと同一の間隔を有して形成されており、一対の係合孔24dは一対の突起部22aが挿通可能な大きさを有している。そして、凸状板部24は、一対の係合孔24dに一対の突起部22aがそれぞれ貫通されることにより、支持板部22に係合される。なお、本実施の形態に記載された突起部22aおよび係合孔24dは、請求項に記載の係合部を構成している。
【0031】
凸状支持板部25は、延在方向に沿って軸穴7dの内壁に支持されており、頂部25aを凸状板部24の頂部24cに対向させるように形成されている。また、凸状支持板部25には、抜け止め用の係止部25bが形成されており、係止部25bはL字板部26に向かって外側に切り起されている。また、凸状支持板部25には、両側面から一対のガイド部25cが突出して形成されており、板バネ部材15は、この一対のガイド部25cにより凸状支持板部25の幅方向に位置する軸穴7dの内壁にガイドされて、装着時の横ブレが防止される。
【0032】
底板部21は、平板状に形成され、支持板部22と凸状支持板部25とを対向させるように連結させている。また、底板部21と支持板部22とが連なる角部および底板部21と凸状支持板部25とが連なる角部には、位置決孔21a、21bがそれぞれ形成されている。
【0033】
図3を参照して、バネ部材の取り付け構造について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る板バネ部材の取り付け構造の説明図である。
【0034】
図3に示すように、回転体7には、軸穴7dの対向する内壁から突出して位置決凸部7e、7fが形成され、この位置決凸部7e、7fに板バネ部材15の位置決孔21a、21bが係合することにより、板バネ部材15は軸穴7d内において前後左右に位置決めされる。位置決凸部7eは、凸状板部24の他端部24bの端面に近接する位置まで延在している。
【0035】
また、回転体7には、円筒部7bを貫通して係止孔7gが形成され、この係止孔7gに凸状支持板部25の係止部25bが係止されることにより、板バネ部材15が回転体7から抜け止めされる。このとき、係止部25bはL字板部に向かって外側に切り起されているため、板バネ部材15の取り付けの妨げになることがない。また、円筒部7bの先端部には、折り返し部23およびL字板部26をそれぞれ収容する段部7h、7iが形成されており、板バネ部材15が回転体7から突出しないように構成されている。
【0036】
そして、回転体7に板バネ部材15が取り付けられた状態で、回転軸2が軸穴7dに挿入されると、回転軸2の挿入部2aの外周面が凸状板部24の頂部24cおよび凸状支持板部25の頂部25aに両側から支持される。このとき、凸状板部24の他端部は、挿入部2aからの反力により支持板部22に当接し、凸状板部24は一端部24aおよび他端部24bの2箇所において支持板部22により支持される。このように、凸状板部24は、回転軸2の支持状態においては、2点支持構造となり、折り返し部23の負荷を軽減し、板バネ部材15の耐久性を向上させている。
【0037】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る軸支持構造の対比のための比較例の回転軸の支持機能について説明する。図4は、比較例に係る回転軸の支持機能を説明する図であり、(a)は軸支持構造の正常時の支持状態、(b)、(c)は軸支持構造の板バネ部材の破断時の軸支持状態をそれぞれ示している。なお、比較例に係る軸支持構造は、板バネ部材の形状が異なる点を除いては本実施の形態に係る軸支持構造と一致するため、同一の構成については説明を省略する。
【0038】
図4(a)に示すように、比較例に係る板バネ部材31は、凸状板部24の代わりに折り返し部36から凸状支持板部38側に向かって斜めに延在する傾斜板部37を有している。傾斜板部37は、一端部37aが折り返し部36に連なり、他端部37bが折り返し部36を基点として揺動可能な自由端となっている。そして、回転軸32が軸穴41aに挿入されると、回転軸32の挿入部32aの外周面が傾斜板部37の他端部37bおよび凸状支持板部38の頂部38aに両側から支持される。このとき、傾斜板部37は、折り返し部36を固定端、他端部37bを自由端とした片持ち構造となっているため、折り返し部36に負荷が集中している。
【0039】
そして、図4(b)に示すように、折り返し部36において板バネ部材31が破断した場合には、板バネ部材31は回転軸の支持機能を失う。この結果、比較例に係る回転型センサは、回転軸32の回転が回転体41にスムーズに伝達されず、角度検出精度が低下する。また、図4(c)に示すように、回転軸32の挿入部32aが長い場合には、破片が軸穴41aから外部に抜け出て回転軸32の回転中心軸と回転体41の回転中心軸とが交差し、さらに角度検出精度が低下する。このように、比較例に係る回転型センサにおいては、回転軸32の支持機能の十分な信頼性が得られない。
【0040】
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る軸支持構造の回転軸の支持機能について説明する。図5は、本実施の形態に係る回転軸の支持機能を説明する図であり、(a)は軸支持構造の正常時の支持状態、(b)は軸支持構造の板バネ部材の破断時の軸支持状態をそれぞれ示している。
【0041】
図5(a)に示すように、回転軸2が軸穴7dに挿入されると、上記したように凸状板部24が一端部24aおよび他端部24bにおいて支持板部22に支持されるため、折り返し部23に負荷が集中することがなく、板バネ部材15の耐久性が向上する。
【0042】
そして、図5(b)に示すように、万が一、折り返し部23において板バネ部材15が破断した場合には、突起部22aと係合孔24dとの係合により凸状板部24の一端部24aが支持板部22に固定され、回転軸2の挿入部2aが凸状板部24の頂部24cおよび凸状支持板部25の頂部25aにより支持され続けるため、板バネ部材15が回転軸2の支持機能を失うことがない。このとき、係合孔24dと突起部22aとのクリアランスが大きく、凸状板部24が軸方向にガタつく場合であっても、凸状板部24の他端部24bに近接した位置決凸部7eにより、凸状板部24の軸方向のガタを最小限に抑えることが可能となる。
【0043】
以上のように、本実施の形態に係る軸支持構造によれば、回転軸2が回転体7の軸穴7dに挿入されて、凸状板部24の頂部24cが回転軸2の外周面に当接したときに、凸状板部24の他端部24bが支持板部22に支持される。よって、凸状板部24は、一端部24aおよび他端部24bの2箇所において支持されるため、折り返し部23にかかる負荷を軽減して板バネ部材15の耐久性を向上させ、回転軸2の支持機能の信頼性を向上させることができる。
【0044】
また、万が一、板バネ部材15が折り返し部23において破損した場合であっても、突起部22aおよび係合孔24dにより凸状板部24の一端部と支持板部22とが係合しているため、凸状板部24を一端部24aおよび他端部24bの2箇所において支持し、回転軸2の支持機能を維持することができる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、一対の突起部22aと一対の係合孔24dにより支持板部22と凸状板部24とを係合する構成としたが、単一の突起部22aおよび係合孔24dにより係合する構成としてもよいし、3つ以上の突起部22aおよび係合孔24dにより係合する構成としてもよい。また、支持板部22に突起部22aを形成し、凸状板部24に係合孔24dを形成する構成としたが、支持板部22に係合孔24dを形成し、凸状板部24に突起部22aを形成する構成としてもよい。さらに、支持板部22と凸状板部24とを係合する構成であれば、突起部22aと係合孔24dにより支持板部22と凸状板部24とを係合する構成に限定されるものではない。
【0046】
また、本実施の形態においては、板バネ部材15の片側に支持板部22、折り返し部23、凸状板部24を有する構成としたが、板バネ部材15の対向する両側に支持板部22、折り返し部23、凸状板部24を有する構成としてもよい。また、板バネ部材15を金属板により形成したが、バネ性を有するものであれば、板バネ部材15を樹脂により形成するようにしてもよい。
【0047】
また、本実施の形態においては、回転型センサ1を例示して説明したが、回転型センサ1に限定されるものではなく、軸を支持する構造を備えるものであればどのような構成に適用してもよく、軸の断面形状も長方形状に限定されるものではない。
【0048】
また、図6に示すように、突起部22aおよび係合孔24dを有さない構成としてもよい。突起部22aおよび係合孔24dを有さない場合であっても、凸状板部45は、他端部45aおよび折り返し部44において支持されるため、板バネ部材43の耐久性を向上させることが可能となる。
【0049】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明は、回転軸の支持機能の信頼性を向上させることができるという効果を有し、特にスロットルバルブ等の回転軸を支持する軸支持構造および軸支持構造を備えた回転型センサに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る軸支持構造の実施の形態を示す図であり、軸支持構造を用いた回転型センサの断面図である。
【図2】本発明に係る軸支持構造の実施の形態を示す図であり、板バネ部材の斜視図である。
【図3】本発明に係る軸支持構造の実施の形態を示す図であり、板バネ部材の取り付け構造の説明図である。
【図4】(a)は軸支持構造の正常時の回転軸の支持状態、(b)、(c)は軸支持構造の板バネ部材の破断時の軸支持状態を示す図である。
【図5】本発明に係る軸支持構造の実施の形態を示す図であり、(a)は軸支持構造の正常時の支持状態、(b)は軸支持構造の板バネ部材の破断時の軸支持状態を示す図である。
【図6】本発明に係る軸支持構造の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 回転型センサ
2 回転軸
2a 挿入部
3 筐体
5 ケース
6 蓋体
7 回転体(軸受部材)
7d 軸穴
7e 位置決凸部(凸部)
8 絶縁基板
9 支持部材
15 板バネ部材
21 底板部
21a、21b 位置決孔
22 支持板部
22a 突起部(係合部)
23 折り返し部
24 凸状板部
24a 一端部
24b 他端部
24c 頂部
24d 係合孔(係合部)
25 凸状支持板部
26 L字板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が挿入される軸穴が形成された軸受部材と、前記軸穴の内壁に取り付けられ、前記回転軸を支持する板バネ部材とを備え、
前記板バネ部材は、
前記軸受部材の軸穴の内壁に支持される支持板部と、
前記支持板部に連なり、前記支持板部側に折り返した折り返し部と、
一端部が前記折り返し部に連なると共に、一端部と他端部との間が前記軸穴の軸心方向に向かって凸状に形成され、前記回転軸の外周面に当接したときに他端部が前記支持板部に支持される凸状板部とを有することを特徴とする軸支持構造。
【請求項2】
前記折り返し部は、前記凸状板部の一端部が前記支持板部に支持されるように折り返されていることを特徴とする請求項1に記載の軸支持構造。
【請求項3】
前記板バネ部材は、前記凸状板部の一端部と前記支持板部とを係合する係合部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軸支持構造。
【請求項4】
前記係合部は、前記凸状板部の一端部および前記支持板部のいずれか一方に形成された突起部と、前記凸状板部の一端部および前記支持板部のいずれか他方に形成され、前記突起部に係合する係合孔とから構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の軸支持構造。
【請求項5】
前記突起部は、前記凸状板部の一端部および前記支持板部のいずれか一方を部分的に切り起して形成されたことを特徴とする請求項4に記載の軸支持構造。
【請求項6】
前記軸受部材には、前記軸穴の内壁から突出する凸部が形成され、
前記凸部は、前記凸状板部の他端部の端面に近接または当接することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の軸支持構造。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の軸支持構造を備えたことを特徴とする回転型センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−90769(P2010−90769A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260625(P2008−260625)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】