説明

農圃土壌の温床装置

【課題】本発明は、農圃などの土壌を加温することによって農作物の栽培・育成を効率よく行うことができるとともに、配線が簡易で、広範囲の農圃に設置が可能で、さらに、透水性を確保して農作物が湿害を受けない温床マットを提供する。
【解決手段】農圃の土壌中に埋設され、土壌温度を上昇させる温床マットであって透水性を有する前記温床マットと、前記温床マットの下方に埋設され透水開口を有する断熱材と、から構成され、また、前記温床マットが、平面的に並行に配設した電熱線と、前記電熱線に対し交差する方向に複数の横糸を配置してメッシュ状に組み込んで形成されたことを特徴とする農圃土壌の温床装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農圃などの土壌を加温することによって農作物の栽培・育成が効率よく行え、かつ、土壌の透水性を確保して農作物が湿害を受けない農圃土壌の温床装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、わが国において、農作物の栽培可能面積は増加する傾向になく、食糧自給率の低下が懸念され、また、食の安全も求められてきており、この点で、栽培・育成耕地である農圃における農作物の生産性が、これまで以上に重要な事項となって来ている。
【0003】
農作物の生産性を向上し、また、季節により栽培・育成する農作物の種類の制約を受けることを緩和するため、即ち栽培・育成環境を良好にするための一手段として、太陽熱を利用するハウス栽培等が盛んに行われてきている。また、従来から、苗床の土壌を暖めることにより、農作物の苗の育成に効果があることが知られており、苗床の土壌に面状のヒータを埋設し、土壌を温めることが行なわれてきている。
【0004】
しかし、従来、この面状のヒータには、全面にわたり、温度のばらつきが発生することがあった。この問題に対して、有効な手段が先行技術として開示されている(文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−129358公報(〔0012〜0037〕、〔図1〜5〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記先行技術は、土壌中に埋設した面状のヒータは、全面にわたり、土壌に適切な加熱伝達を行うことができるが、この面状ヒータは育苗に使用するためには面積が小さく、広い農圃には、多数の面状ヒータを埋設する必要があった。このため、配線等が複雑で非常に手間がかかる問題があった。また、面状ヒータは、マット状であるため水の透水性が悪く、農作物が根腐れによる湿害を受ける問題があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決したものであって、農圃などの土壌を加温することによって農作物の栽培・育成を効率よく行うことができるとともに、配線が簡易であり、また、広範囲の農圃に設置が可能で、さらに、透水性を確保して農作物が湿害を受けることがない温床マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る農圃土壌の温床装置は、農圃の土壌中に埋設され、土壌温度を上昇させる温床マットであって透水性を有する前記温床マットと、前記温床マットの下方に埋設され透水開口を有する断熱材と、から構成されることを特徴とする。
【0009】
植物が必要とする水は、そのほとんどが根から吸収される。その水は、土壌中では肥料成分や酸素分を溶かして植物への養分を含んでいる。このため、土壌水分の欠乏は植物のしおれを、また、水分の過剰や停滞は根腐れや酸素欠乏を引き起こす原因となる。また、温床マットによる土壌の加温には、土壌中に熱伝導の媒体である水分が必要である。したがって、農圃土壌には、必ず水分を必要とするが、水分が過剰に存在したり停滞すれば、かえって農作物に湿害を与えることになる。このため、適度な給水と排水のバランスが、農圃土壌における栽培に必要となる。
【0010】
そこで、上述の構成をとることにより、温床マットにより、農圃土壌、即ち、温床マット上部にある農作物を育成する土壌が温められ、さらに、断熱材を用いることにより、農圃土壌以外の場所に熱エネルギーが無駄に伝達されることを防ぎ、温床マットの熱エネルギーを農圃土壌の加温に効率よく用いることができる。また、散水もしくは降雨により土壌に浸透した水分のうち、土壌中の過剰な水分を透水性のある温床マットと透水開口を有している断熱材とを通して、断熱材の下方へ移動させる。これにより、温床マット上の土壌中で栽培されている農作物の根腐れ等の湿害を防ぐことができる。また、土壌中の水分を適性に保つことができるので、土壌の熱伝導性をよくして、農作物の存在する農圃土壌の加温を適切に行うことができる。
【0011】
請求項2に係る農圃土壌の温床装置は、請求項1に記載の農圃土壌の温床装置において、温床マットが、平面的に並行に配設した電熱線と、前記電熱線に対し交差する方向に複数の横糸を配置してメッシュ状に組み込んで形成されたことを特徴とする。
【0012】
この構成をとることにより、電熱線は適当な間隔でもって配設できるので、農圃土壌への加熱が平均化され、過熱することもなく適切に行なわれる。また、並行に端部を折り返して設置できるから、電源に接続する端子も少なく、配線が複雑でなく容易である。また、横糸には、対候性の寿命が長い合成樹脂製の紐や帯を用いて繋ぎ留めるのがよい。また、メッシュ構造を通して、土壌の過剰な水分が下方へ浸透していき、農圃土壌が、過剰な水分状態や水分が停滞したりしないこととなる。メッシュ構造であるため、温床マットの収納が容易で全体の重量を軽くすることができ、土壌に敷設する場合の作業が容易になる。さらに、敷設する場合に、メッシュ状であるから、土壌に多少の凸凹があっても敷設作業が可能となり、作業効率が良い。
【0013】
請求項3に係る農圃土壌の温床装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の農圃土壌の温床装置において、断熱材が、気泡緩衝材からなることを特徴とする。
【0014】
この構成をとることにより、農圃土壌への加熱が、熱エネルギーを不要な場所に逃がすことなく効率的に行なえる。また、気泡の高さを大きくすることで、断熱材上面と下面との間に空気層が拡大し、より断熱効果を高めることが可能となる。また、シート部に透水開口を施して、透水性を持たせ断熱材上部の土壌に過剰な水分が溜まらないようにできる。
【0015】
請求項4に係る農圃土壌の温床装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の農圃土壌の温床装置において、断熱材が、発泡スチロールからなることを特徴とする。
【0016】
この構成をとることにより、農圃土壌への加熱が、熱エネルギーを不要な場所に逃がすことなく効率的に行なえる。また、軽量で断熱性の良い発泡スチロールを使用するため、土壌へ敷設する作業が容易となり、また、軟弱地盤で基礎地盤が悪い農圃においても、厚めの発泡スチロールを使用することにより、しっかりした基礎地盤を構成することができ、農作物を植える土壌部分が、軟弱地盤にならず、農作業がし易くなる面もある。
【0017】
請求項5に係る農圃土壌の温床装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の農圃土壌の温床装置において、電熱線が、電熱線を芯にして、充填した砂鉄に埋設された直径30〜70mmの範囲の合成樹脂又は金属製温熱管から構成されることを特徴とする。
【0018】
この構成をとることにより、熱伝達性がよく、比重が大きくとれる砂鉄を蓄熱体として用いた温熱管であるので、前記温熱管から土壌への放熱作用が良好で、土壌の加温が効率よく均一に行うことができる。これにより、特に冬期において、農作物の栽培・育成において生産性が向上し、品質も維持改善を図ることができる。また、温熱管の運転において、蓄熱量が大きいため蓄熱・放熱をヒステリシスに運用することができるので、夜間電力を利用する間欠運転が可能であり、運転コストをセーブできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る請求項1に記載の農圃土壌の温床装置によれば、温床マットにより、農圃土壌が温められ、さらに、断熱材を用いることにより、農作物の育成に不必要な箇所に熱エネルギーが放出されることを防ぎ、効率よく温床マットの熱エネルギーを農圃土壌の加温に用いることができる。また、農圃土壌から、散水もしくは降雨により土壌に浸透した水分のうち、余った過剰な水分を温床マットと断熱材の透水性により、下方へ浸透させて、農圃土壌の水分を適切にして、農作物の根腐れ等の湿害を防ぐことができ、農作物の生産性の向上に貢献する。
【0020】
本発明に係る請求項2に記載の農圃土壌の温床装置によれば、温床マットのメッシュ状部分から、農圃土壌中の過剰な水分が除かれるので、農圃土壌を適切な水分状態に保つことができる。また、メッシュ構造であるため、全体の重量を軽くすることが可能で、また、敷設する場合に、多少地面に凸凹があっても敷設し易く設置が容易である。
【0021】
本発明に係る請求項3、4に記載の農圃土壌の温床装置によれば、軽量で、断熱性の良い気泡緩衝材を断熱材として使用するため、温床マットの発熱を農圃土壌に閉じこめることが可能で、加温を効率よく行うことができる。また、土壌に敷設する作業も容易である。また、発泡スチロールは、熱伝導率が極めて低くく、断熱効果が大きいので、温床マットの発熱を十分農圃土壌の加熱に十分活用でき、さらに、基礎地盤が悪い農圃においても、厚めの発泡スチロールを使用することにより断熱材を損傷することなく、断熱効果が発揮できる。
【0022】
本発明に係る請求項5に記載の農圃土壌の温床装置によれば、熱伝達性がよく、比重が大きくとれる砂鉄を蓄熱体として用いた温熱管であるので、前記温熱管から土壌への放熱作用が良好で、土壌の加温が効率よく均一に行うことができき、特に冬期において、農作物の栽培・育成において生産性が向上し、品質も維持改善を図ることができる。また、温熱管の運転において、蓄熱量が大きいため蓄熱・放熱をヒステリシスに運用することができるので、夜間電力を利用する間欠運転が可能であり、運転コストをセーブできる。
【0023】
本発明に係る請求項1から5に記載の農圃土壌の温床装置によれば、簡易な装置でもって、農圃土壌を効率よく加温することが可能であり、また、電熱線による加熱エネルギーを無駄に損失することがないから、省エネルギーに貢献する装置である。また、簡易な装置で、しかも装置の設置が容易であり、設備の設置コストも過大にならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置であって、模式的断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置であって、電熱線と横糸とからメッシュ状に形成した温床マット及び気泡緩衝材により構成された温床装置の模式的斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置であって、横糸と縦糸から形成したメッシュに電熱線を挟み込んだ電熱線温床マット及び発泡スチロールにより構成された温床装置の模式的斜視図である。
【図4】図4は、電熱線を内蔵した温熱管の模式的な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係わる農圃土壌の温床装置を実施するための形態について図1、2、3を用いて説明する。図1は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置であって、模式的断面図である。また、図2は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置であって、電熱線と横糸とからメッシュ状に形成した温床マット及び気泡緩衝材により構成された温床装置の模式的斜視図である。また、図3は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置であって、横糸と縦糸から形成したメッシュに電熱線を挟み込んだ電熱線温床マット及び発泡スチロールにより構成された温床装置の模式的斜視図である。図4は、本発明の実施するための形態に係る農圃土壌の温床装置における電熱線を内蔵した温熱管であって、(a)は模式的全体斜視図、(b)はA矢視の縦断面図、(c)はB矢視の横断面図である。
【0026】
図1は、本発明に係る農圃土壌10の温床装置1の代表的な適用例を示す。温床装置1は、農圃土壌10に埋設された透水性を有する温床マット2と、その下部に埋設された透水開口3−3を施した断熱材3と、から構成されている。温床マット2は、農圃土壌10中に埋設されており、栽培・育成する作物にもよるが、地表面から約20〜50cmの深さに設置される。温床マット2を構成する電熱線2−1は、通常、保護管付ニクロム線で構成され、電流を流すことで発熱する。ニクロム線は、単線でも撚り線でも適用することができる。
【0027】
また、図4に示すように、電熱線2−1の代わりに、電熱線2−1を蓄熱体4−1中に内臓した温熱管4の電熱線を適用することができる。電熱線2−1を含有する蓄熱体4−1には、砂鉄を使用するのが好ましい。砂鉄は、入手が容易であるのと、粒度が0.2mm前後と小さいので、均一に充填し易いから、確実に充填することができる。また、比重が約4.5と砂の2.0と比べても倍以上あり、そして熱伝導率が砂(0.3W/m.K)や土壌(0.14W/m.K)に比べ、砂鉄は2−3W/m.Kと大きいから、蓄熱に際し、蓄熱量が大きくとれ、しかも温度上昇が均一で早いという特徴がある。そして放熱に際しても、その蓄熱量が十分生かされて、農圃土壌10への加温を良好に行うことができる。
【0028】
また、電熱線2−1は、電源配線(図示しない)に接続されており、また、温度制御のための加熱制御装置(図示しない)に接続するのが好ましい。加熱制御装置は、温度制御を主としたもので、温床マット2近傍の農圃土壌10の温度を、又は、電熱線2−1内の蓄熱体4−1の所定位置での温度を温度センサ(図示しない)で測定して、その温度が設定温度範囲内になるように制御するものであって、電熱線2−1の通電量(電圧、電流)を調節する装置である。例えば、一般に、ピーマンやパプリカは22〜25℃、キュウリは、20〜23℃、メロンは、20〜25℃、スイカは28〜32℃、大根は20℃が育成に最適な地温であるので、当該温度になるように制御するのが好ましい。また、蓄熱体を設けた場合には、深夜電力を積極的に活用する通電プログラム制御を備えていることも好ましい。
【0029】
また、温床マット2の下部に、断熱材3を埋設する。断熱材3は、温床マット2で加熱された熱エネルギーを地中の下部方向に伝達することを防ぎ、効率よく農圃土壌10を加温するために用いられる。さらに、農圃の畦付近においては、温床マット2の側面に断熱材3を埋設して外側面への熱損失を防ぐことも農圃土壌10の加温に有効である。しかし、電熱線2−1のすぐ近傍に断熱材3を設けると電熱線2−1の温度が上がり過ぎて断線等の不具合が発生する場合があるため、例えば、温床マット2の下方5cmから10cmに、断熱材3を埋設するのが好ましい。
【0030】
また、前述したように、本発明に係る農圃土壌の温床装置1は、透水性を有する温床マット2及び断熱材3から構成されている。この透水性を有することが、農圃土壌10の含有水分量を過剰にすることを防ぎ、適切な水分量を保持することができる。即ち、農作物は水を必要とするから、散水や降雨等により農圃土壌10に水分が供給されても、本発明に係る温床マット2と断熱材3は、従来のものが透水性を有しないのに比べ、透水性を有するので、農圃土壌10中に過剰な水分量を保持し得ない。これにより、温床マット2による加温は、土壌10中の水分により熱伝達が左右されるが、農圃土壌10の加温には、水分を適切にすることで適切に行なえる。また、水分が過剰に存在したり停滞すれば、根腐れ等を引き起こし、農作物12に湿害を与えることになるが、適度な給水と排水のバランスがとれるので、農圃土壌10に適切な水分量が確保され、農作物12の育成を促進し、かつ、湿害を受けなくすることができる。
【0031】
図2は、本発明に係る農圃土壌10の温床装置1の一例を示している。この場合の温床マット2は、縦糸部が電熱線2−1となり、合成樹脂製の横糸2−3とにより、メッシュ構造を形成している。このメッシュ構造により、メッシュの網目が開口部になって、温床マット2が透水性を有することになる。そして、過剰な水分等を下方へ逃がすことができ、農圃土壌10の農作物12に対して湿害を受け難くする。また、メッシュ構造のため、通常の温床マットに比べ重量が軽く、温床マット2を農圃土壌10に埋設する作業が容易となり、さらに敷設作業において多少の土壌10、11の凸凹があっても、メッシュ構造であるため沿い易く作業性も良い。なお、各電熱線2−1は、1本の電熱線2−1をつづら折に配線するのが電源への接続も含めて、簡便で好ましい。また、温床マット2が大きくなれば、1本あたりの電熱線2−1が長くなって電圧降下が大きくなる場合には、1本あたりの電熱線の長さが短くなる並列に接続するほうが好ましい。
【0032】
図2の断熱材3は、透水開口3−3を有する気泡緩衝材3−1を示し、気泡緩衝材3−1を構成する気泡部分の空気により断熱効果を高めている。気泡緩衝材3−1は、軽く、かつ、費用も安価で入手が容易であるため、敷設作業が容易であり、費用もかからない。また、シート部分に設けた透水開口3−3により過剰な水分が停滞しなくなり、農作物12が湿害を受けない効果がある。なお、気泡緩衝材3−1は、どちらを上に敷設しても良いが、シート部を上に気泡部3−4を下にして敷設した方が、気泡部以外にも空隙ができ易く、断熱効果が大きくなる。
【0033】
図3は、本発明に係る農圃土壌10の温床装置1の一例を示している。この場合の温床マット2は、横糸2−3と縦糸2−4とからなるメッシュ構造の中に電熱線2−1を挟み込んで配設している。この構造により、横糸2−3と縦糸2−4で構成するメッシュ構造が、電熱線2−1を確実に保持できるので、丈夫で耐久性を有している。また、図2の場合と同様に、メッシュ構造の網目が開口になっているため透水性を有する。このため、農圃土壌10には、過剰な水分が存在しないので、農作物12は、湿害を受けることはない。
【0034】
図3に示されている断熱材3は、透水開口3−3を有する発泡スチロール3−2である。発泡スチロール3−2は熱伝導率が小さくて断熱効果が高く、また、軽量であるため、敷設作業が容易である。また、基礎地盤が軟弱地盤であっても、発泡スチロール3−2の上部の地盤を安定し易い、また、透水開口3−3を有するため、農圃土壌10の過剰な水分を下方へ排水でき、農作物12が湿害を受けないことが可能となる。
【0035】
農圃土壌10に栽培する農作物12の品種が変わるときには、農圃土壌10を入れ替える必要がある場合があり、その場合でも、温床マット2から丈夫の農圃土壌10だけを入れ替えれば良いので、農圃土壌10部分の見分けることが容易で、入替作業を効率よく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
農業分野で広く適用されるのみならず、降雪地域において、特に透水性舗装の融雪装置としても利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1:温床装置
2:温床マット 2−1:電熱線 2−2:透水孔
2−3:横糸 2−4:縦糸
3:断熱材 3−1:気泡緩衝材 3−2:発泡スチロール 3−3:透水開口 3−4:気泡
4:温熱管 4−1:蓄熱体
10:農圃土壌 11:土壌 12:農作物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農圃の土壌中に埋設され、土壌温度を上昇させる温床マットであって透水性を有する前記温床マットと、前記温床マットの下方に埋設され透水開口を有する断熱材と、から構成されることを特徴とする農圃土壌の温床装置。
【請求項2】
前記温床マットが、平面的に並行に配設した電熱線と、前記電熱線に対し交差する方向に複数の横糸を配置してメッシュ状に組み込んで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の農圃土壌の温床装置。
【請求項3】
前記断熱材が、気泡緩衝材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の農圃土壌の温床装置。
【請求項4】
前記断熱材が、発泡スチロールからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の農圃土壌の温床装置。
【請求項5】
前記電熱線が、該電熱線を中心に周囲を砂鉄で充填した直径30〜70mmの範囲の合成樹脂又は金属製温熱管からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の農圃土壌の温床装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−246467(P2010−246467A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99501(P2009−99501)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500136810)株式会社 大通 (26)
【Fターム(参考)】