説明

農薬凝集物

土壌中の農薬の移動を制限しそしてそれが適用される土壌の根または直近の周囲の域に農薬を保持し、或る疎水性農薬が有効である環境の領域中にそれらを能率的に分散するように、農薬の移動を増大させ、より少ない量で農薬を使用するのを可能にし、より経済的に有効であり環境に優しい処置をもたらし、広範囲の異なる土壌の環境への普遍的な適用に好適であり、農薬の土壌の移動をコントロールするために特定の土壌の環境に適合するように個々に形成される農薬組成物を目的とし、(a)少なくとも3つの同様に帯電した静電性部分を有するポリマー、(b)ポリマーに対して反対の電荷の少なくとも1つの静電的に帯電した部分を有する両性界面活性剤、(c)農薬を含む混合物から製造される実質的に水不溶性農薬凝集物の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つの局面では、本発明は、(a)少なくとも3つの同様に帯電している静電性部分(moieties)を有するポリマー;(b)ポリマーに対して反対の電荷の少なくとも1つの静電的に帯電している部分を有する両性界面活性剤;および(c)農薬(pesticide)を含む混合物から生成された実質的に水不溶性の農薬凝集物に関する。他の局面では、本発明は、このような農薬凝集物を含む農薬組成物、並びにこのような農薬組成物を使用する有害生物(pest)をコントロールする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌および他の環境における農薬活性成分の移動をコントロールすること、そしてこのような活性成分が放出される速度をコントロールすることが、農業分野で長い間必要とされてきた。コントロールされた保持および/または活性農薬の放出を示す農薬組成物は、害虫を有効にコントロールすることそしてこのような活性成分が、それらが最も有効である環境のその部分に確実に輸送および/または維持されることが必要な農薬の適用の量および/または頻度を減らすのに使用することができる。環境における農薬の移動は、降雨、土壌の酸度およびタイプ並びに植物の許容度を含む多くの因子に依存する。
【0003】
従って、或る農薬に関する1つの特別な問題は、それらが使用される環境のpHでイオン化しやすく、それらの溶解度を増大させて土壌を通って下方にそれらを移動させることである。これは、望ましい場所における農薬の損失を招き、農薬の処置の効力を低下させる。
【0004】
逆に、他の農薬、特に疎水性であるものは、土壌中に不動のまま維持しやすく、その結果、それらは望ましい場所に可能な限り望むように拡がることがなく、そのためこれら農薬の増加した量が望ましいコントロールを達成するために適用することが必要になる。
【0005】
それゆえ、農業上の効力を減らすことなく、土壌中の或る農薬の溶脱を制限できる農薬の改良された処方物を開発することが必要になる。その上、また、他の農薬がその望まれる範囲全体に有効に分布するように、土壌中の他の農薬の移動度を増す改良された農薬処方物を開発することが必要になる。これらの農薬組成物は、異なるpHレベルの広範囲の土壌で有効でなければならない。
【0006】
上記の問題について種々の解決策が提案されてきた。しかし、改良されたコントロールされた放出処方物が、業界では、なお望まれている。コントロールされた放出処方物は、また製薬上の用途で開発されてきている。しかし、処方物がめざす異なる環境のために、製薬処方物と農業用処方物との間に重要な相違が存在する。
【0007】
製薬製品では、処方物は、典型的な例では、皮膚への適用により、経口によりまたは注射により投与される。これらの環境は、非常に特異的であり、そして身体により厳密にコントロールされる。皮膚を通る活性成分の浸透は、皮膚の透過度に依存するが、ほとんどの患者で同じである。経口による処方物は、血流中に吸収される前に、順次異なる環境例えば唾液、胃酸および腸における塩基性の条件に曝されるが、これらの条件は、それぞれの患者で同じである。注射された処方物は、特定の環境的条件の異なる組み合わせに曝されるが、これらの環境は各患者において同じである。すべてのこれらの環境に関する処方物では、賦形剤が、活性成分の性能にとり重要である。吸収、溶解度、細胞膜を通る輸送は、賦形剤の媒介する性質に、すべて依存する。そのため、処方物は、すべての患者に存在すると予想される特定の条件および特定の適用法についてデザインされる。
【0008】
対照的に、農業用では、活性成分は、同様な処方物および同様な適用法で使用されて、多くのタイプの農作物または有害生物を処置する。環境上の条件は、1つの地理的な領域から他の領域へ、そして1つの季節から他の季節へ非常に変化する。農業用の処方物は、広い範囲の条件で有効でなければならず、そしてこの強さは良好な農業用処方物中に形成されねばならない。
【0009】
農業用組成物について、表面/大気の界面は、身体の閉じた系内で機能する製薬組成物についてよりも遙かに重要である。さらに、農業上の環境は、異なる成分例えば粘土、重金属、並びに異なる表面例えば葉(ワックス状の疎水性構造)を含む。土壌の温度範囲は、身体よりも広く変化し、そして典型的には0℃と54℃との間に及ぶ。土壌のpHは、中程度に酸性から強塩基性に及び、一方製薬組成物は、典型的に、ヒトの生理学的性質に伴うより狭いpH範囲で放出するように処方される。
【0010】
農業用処方物の適用は、しばしば、農作物/雑草の発芽前またはその後の何れかで農場上に水で希釈された処方物を直接噴霧することにより達成される。噴霧は、処方物が目標植物の葉が成長する部分と接触するとき、効力を発揮する。しばしば、乾いた粒状の処方物が使用されそして最も広い拡がりにより適用される。これらの処方物は、農作物および雑草の発芽前に適用されるとき、有用である。このような場合、活性成分は、好ましくは目標植物の生長する根の場所、または目標有害生物が活性な場所に局在化して、土壌中に維持されねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
土壌中の農薬の移動を制限しそしてそれが適用される土壌の根または直近の周囲の域に農薬を保持する農薬組成物を提供するのが本発明の目的である。この点で、組成物の目標は、好ましくは土壌の表面1−3インチ(約2.5−7.5cm)である。
【0012】
或る疎水性農薬が有効である環境の領域中にそれらを能率的に分散するように、農薬の移動を増大させる農薬組成物を提供するのが、本発明の他の目的である。
より少ない量で農薬を使用するのを可能にし、より経済的に有効であり環境に優しい処置をもたらす農薬組成物を提供するのが本発明の他の目的である。
【0013】
広範囲の異なる土壌の環境への普遍的な適用に好適である農薬組成物を提供するのが本発明の他の目的である。
農薬の土壌の移動をコントロールするために特定の土壌の環境に適合するように個々に形成される農薬組成物を提供するのが本発明の他の目的である。
本発明のさらなる目的は、改良された葉への適用を有する農薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの局面では、本発明は、(a)少なくとも3つの同様に帯電している静電性部分を有するポリマー;(b)ポリマーに対して反対の電荷の少なくとも1つの静電的に帯電している部分を有する両性界面活性剤;および(c)農薬を含む混合物から生成された実質的に水不溶性の農薬凝集物に関する。
【0015】
他の局面では、本発明は、上記の農薬凝集物および農業上許容できる担体を含む農薬組成物に関する。
他の鏡面では、本発明は、有害生物の生息場所へ農薬が有効な量の農薬組成物を適用することからなる有害生物をコントロールする方法に関する。
【0016】
(定義)
両性界面活性剤:少なくとも1つのイオン性またはイオン化しうる基および少なくとも1つの疎水性基を含む界面活性剤。
骨格:グラフトがその上に形成される鎖を記述するためにグラフトコポリマーの命名に使用される。
【0017】
ブロックコポリマー:線状の形で結合された構成成分または構造が異なるモノマーの2つ以上の鎖の組み合わせ。
枝分かれポリマー:互いに結合した2つ以上の鎖の組み合わせ。少なくとも1つの鎖の末端は他の鎖に沿っていくつかの点で結合している。
鎖:モノマー単位の共有結合により形成されたポリマー分子。
コロイド状分散物:約10nmと約10ミクロンとの間の平均粒子サイズを有する分散物。
【0018】
構造:ポリマー鎖に沿う原子の組織、一次化学結合の破壊および再形成によってのみ相互転換する。
コポリマー:1つより多い種のモノマーから由来するポリマー。
架橋結合:2つ以上のポリマー鎖が互いに結合している構造。
デンドリマー:枝分かれが1つ以上の中心から始まっている規則的に枝分かれしたポリマー。
【0019】
分散物:連続する媒体全体に分布している粒状の物体。
グラフトコポリマー:構成成分または構造が異なる特徴の2つ以上の鎖の組み合わせ、その1つが骨格主鎖として働きそしてそれらの少なくとも1つが骨格に沿っていくつかの点で結合しそして側鎖を構成する。
ホモポリマー:1つの種のモノマーから由来するポリマー。
結合:2つの原子間の共有化学結合。2つのモノマー性単位間または2つのポリマー鎖間の結合を含む。
ネットワーク鎖:架橋結合間のポリマー鎖。
【0020】
ポリアニオン:ポリマー鎖上に負の電荷の形成を生じさせる水溶液中でイオン化できる基を含む繰り返し単位を含むポリマー鎖。
ポリカチオン:ポリマー鎖上に正の電荷の形成を生じさせる水溶液中でイオン化できる基を含む繰り返し単位を含むポリマー鎖。
【0021】
ポリイオン:ポリマー鎖上に正または負の電荷の形成を生じさせる水溶液中でイオン化できる基を含む繰り返し単位を含むポリマー鎖。
ポリマー:本明細書でさらに記述されるようなホモポリマーおよびコポリマー。
ポリマーブレンド:互いに結合していない、構成成分または構造が異なる特徴の2つ以上のポリマー鎖の緊密な組み合わせ。
【0022】
ポリマーセグメント:モノマー性単位が、隣接する部分から少なくとも1つの構造成分または構造の特徴を欠くポリマー分子の一部。セグメントは、ブロックまたはランダムなコポリマーの形である。
ポリマーネットワーク:鎖が、架橋結合によりまたは異なるポリマー鎖の物理的な相互作用により接続されている、三次元のポリマー構造。
【0023】
ランダムコポリマー:ランダムな形で2つ以上の構造成分または構造が異なるモノマーの組み合わせ。
繰り返し単位:ポリマー鎖へ結合されるモノマー性単位。
側鎖:グラフトコポリマー中のグラフトされた鎖。
【0024】
スターブロックコポリマー:中心部分を経て1つの末端でともに結合している構成成分または構造が異なる特徴の3つ以上の鎖。
スターポリマー:中心部分を経て1つの末端でともに結合している3つ以上の鎖。
界面活性剤:界面へ移動する表面活性剤。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】土壌中のスルフェントラゾンの溶離を示す
【図2】不溶性凝集物からのスルフェントラゾンの放出を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の農薬凝集物は、(a)少なくとも3つの同様に帯電している静電性部分を有するポリマー;(b)ポリマーに対して反対の電荷の少なくとも1つの静電的に帯電している部分を有する両性界面活性剤;および(c)農薬を含む混合物から生成された実質的に水不溶性の農薬凝集物に関する。本明細書で使用されるとき、用語凝集物は、個々の成分に比べてサイズが大きくなった複合体をいう。この点で、使用できる耐電したポリマーの多くが、それらが分子状の分散物(真溶液)になるまで水溶性であることに注意する必要がある。しかし、いちど他の成分と組み合わされると、これらのポリマーは凝集物を形成する。
【0027】
以下の理論に縛られることを望まないが、本発明者は、界面活性剤が反対の電荷のポリマーへ協働して結合するものと考える(例えば、Goddard,In Interactions Of Surfactants with Polymers and Proteins.Goddard and Ananthapadmanabhan,Eds.pp.171 et seq.CRC Press,Boca Raton,Ann Arbor,London,Tokyo,1992参照)。もしポリマーへの界面活性剤分子の結合が、同じポリマーへ既に結合しているこの界面活性剤の他の分子または他の界面活性剤の存在により増大するならば、協働的な結合が生ずる。従って、ポリマー成分上の静電的に帯電した部分は、このようなポリマーが本明細書で記載された他の成分と混合されるとき、凝集物が形成されるように、ともに十分に近く配置されなければならない。
【0028】
本発明の1つの態様によれば、カチオン性両性界面活性剤は、ポリマーの反対に帯電したアニオン性セグメントへ静電的に結合して凝集物を形成する。これらの凝集物は、互いに同じアニオン性セグメントへ結合した界面活性剤分子の疎水性部分の相互作用により、協働的に安定化される。
【0029】
いくらか同様に、本発明の第2の態様によれば、アニオン性両性界面活性剤は、ポリマーの反対に帯電したカチオン性セグメントへ静電的に結合して凝集物を形成する。これらの凝集物は、互いに同じカチオン性セグメントへ結合した界面活性剤分子の疎水性部分の相互作用により、協働的に安定化される。
【0030】
帯電した界面活性剤と反対に帯電したポリマー鎖との間の静電性結合の形成は、電荷の中和(または少なくとも部分的な電荷の中和)を生ずる。その結果、結合したセグメントの疎水度は増大し、水溶解度は低下する。その結果、ポリマー、両性界面活性剤および農薬の反応により生成した凝集物は、実質的に水不溶性である。本明細書で用いられるとき、用語「実質的に水不溶性」は、それらが水の存在下沈殿またはコロイド状分散物を形成することを意味する。
【0031】
凝集物は、使用される特定の成分およびそれらがその下で組み合わされる条件に依存して沈殿または安定なコロイド状分散物として形成される。これらの態様では、沈殿が形成される場合、当業者に周知の方法、例えば追加の界面活性剤および/または他の処方物成分の添加を用いて分散物を形成することが必要になる。他の態様では、凝集物それら自体は、安定な水性分散物として形成されるが、他の処方物成分も添加できる。
【0032】
(農薬)
本発明の凝集物に使用できる農薬は、広範囲の殺草剤、殺ネマトーダ剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺かび剤、植物成長促進またはコントロール化学品および他の農作物処理製品を含む。当業者は、参考文献例えばAshgate Handbook of Pesticides and Agricultural Chemicals、G.W.A.Milne(ed.)Wiley Publishers(2000)を参照することにより好適な農薬のリストを見つけることができる。2つ以上の農薬の組み合わせも使用できる。
【0033】
本発明の凝集物を形成するのに好ましくは用いられる農薬の一群は、それらが使用される環境において少なくとも1つの静電性電荷を含む。このような農薬は、1つ以上の正の静電性電荷、1つ以上の負の静電性電荷またはこれら両者を有する。イオン化する能力は、農薬の化学的構造による。いくつかは容易にイオン化し、例えば第四級アンモニウム塩、スルフェート、スルホネートおよび強塩である他の農薬がある。このような化合物は、広範囲の環境のpHでイオン化される。本発明で有用なこのタイプの他の農薬は、弱酸、弱塩基またはこれらの両者の何れか、例えば第一級または第二級のアミノ酸またはカルボン酸である。これらの弱酸または弱塩基のイオン化は、環境上の条件例えばpH、塩電解質の濃度、温度および他のパラメーター(イオン化に影響することが知られている)に依存する。一方、「強」イオン化は、環境のpHに依存しない。
【0034】
イオン化する化合物の能力を特徴づける1つの方法は、イオン化定数による。例えば、もしpHがpKa−1に等しいならば、ほぼ10%の分子がイオン化される。もしpHがpKaに等しいならば、50%の分子がイオン化される。もしpHがpKa+1に等しいならば、ほぼ90%の分子がイオン化される。
【0035】
環境のpHは、このような化合物のイオン化に影響する。この態様に好ましい農薬は、約2と約10との間、好ましくは約3と約9との間、より好ましくは約4.5と約9との間のpHの範囲でイオン化される。もし農薬が1つより多い電荷、例えば2つの電荷を含むならば、1つの電荷は正でありそして他の電荷が負である場合、農薬は、1つ以上の電荷をもつ。しかし、本発明の複合体を形成するのに有用な農薬は、10より少ない電荷、好ましくは5より少ない電荷を有しなければならない。農薬は、農薬分子全体にわたって空間に分布している電荷の組み合わせを有する。イオン化した形は、酸例えばNHおよび塩基例えばCOOを含む。
【0036】
本発明のこの態様では、農薬は、ポリマーと同じかまたはポリマーとは反対である電荷を有する。しかし、より高い負荷を得るために、農薬がポリマーと同じ電荷を有する複合体が好ましいことが分かった。
【0037】
他の好ましい態様は、疎水性基を含む農薬を含む。これらの農薬は、帯電しているかまたは帯電していない。農薬の疎水度は、本明細書でlogPとして示されるオクタノール/水分配係数を特徴とする。帯電していない農薬では、好ましいlogPは、少なくとも1,より好ましくは少なくとも3、さらに好ましくは少なくとも5であり、そして最も好ましくは少なくとも6である。帯電した農薬では、好ましいlogPは、少なくとも0,より好ましくは少なくとも1.5、さらに好ましくは少なくとも2.5であり、そして最も好ましくは少なくとも3.5である。
【0038】
本発明の凝集物を生成するのに使用される農薬化合物の好ましい群は、ヒドロキシベンゾナイトライト類、ピリジンカルボン酸類、トリアゾロピリミジン類、安息香酸類(フェノキシカルボン酸を含む)、ジフェニルエーテル類、グリシン誘導体類、ベンゾイル尿素類、アニリド類、イミダゾリンイオン類、トリケトン類、スルホニル尿素類、ジニトロアニリン類、フェノキシプロピオネート類、第四級アンモニウム化合物類、ギベレリン類、ピレスロイド類、トリアゾリノン類、アセトアニリド類、トリアジン類、安息香酸類、アゾール類、ストロビルリン類、置換ベンゼン類、トリアゾール類、カルバメート類およびジニトロアニリン類を含む。特に好ましい農薬は、2,4−D、ブロモキシニル、クロピラリド、クロルアンスラム−メチル、ジカムバ、フェンヘキサミド、ホルメサフェン、グリホサート、グルホシネート、イマゼタピル、メソトリオン、ニコスルフロン、オリザリン、パラコート、ジコート、キザロフォプ−P、スルフェントラゾン、ルフェヌロン、ノバルロン、ジベルリン酸、ビフェンスリン、スルフェントラゾン、メトアクロール、アトラジン、アラクロール、アセトクロール、ジカムバ、フルトリアフォール、アゾキシストロビン、クロロタロニル、テブコナゾール、オキサミルおよびペンジメタリンを含む。
【0039】
(ポリマー)
本発明で有用なポリマーは、少なくとも3つの同様に帯電した静電性部分を含む。このようなポリマーは、ポリイオン、ポリアニオンまたはポリカチオンのポリマーセグメントであるかまたはこれらを含む。別に、このようなポリマーは、それらが他の成分と混合されたとき凝集物を形成できる能力を有するならば、帯電された置換基を有するホモポリマー、統計的コポリマーまたは周期的コポリマーである。これらのポリマーまたはポリマーセグメントは、互いに独立して、線状ポリマー、架橋結合したポリマー、ランダムに枝分かれしたポリマー、ブロックコポリマー、統計的コポリマー、周期的コポリマー、グラフトコポリマー、スターポリマー、スターブロックコポリマー、デントリマーであるか、または上記の構造の組み合わせを含む他の構造を有する。ポリマーは、また高分子電解質、少なくとも3つの電荷好ましくは少なくとも10の電荷より好ましくは少なくとも15の電荷を有するポリマーを含む。さらに、このようなポリマー性成分は、非イオン性セグメントを含むことができる。ポリマー性成分中のポリイオンセグメントの重合度は、典型的な例では、約10から約100000の間である。より好ましくは、重合度は約10から約10000の間、なおより好ましくは約10から約1000の間である。
【0040】
本発明の或る態様では、特に疎水性農薬が用いられるとき、帯電したポリマーは、追加の非イオン性親水性部分を含む。このようなポリマーは、1つ以上の非イオン性の親水性セグメントおよび1つ以上のポリイオン性セグメントを含む。別に、このようなポリマーは、それらが他の成分と混合されるとき凝集物を形成する能力を有する限り、非イオン性の親水性および耐電した置換基の両者を有するホモポリマー、周期的コポリマーまたは統計的コポリマーである。これらのポリマーまたはポリマーセグメントは、互いに独立して、線状ポリマー、架橋結合ポリマー、ランダムに枝分かれしたポリマー、ブロックポリマー、統計的コポリマー、周期的コポリマー、グラフトコポリマー、スターポリマー、スターブロックコポリマー、デントリマーであるか、または上記の構造の組み合わせを含む他の構成を有する。
【0041】
ポリマー性成分は、長いまたは短い鎖のポリマーである。ポリマー性成分は、また部分的に架橋結合されているか、または分散物例えばエマルション、懸濁物などの形である。いくつかの態様では、短鎖ポリマー性成分が、農薬のより良い使用量および/または放出性のさらなるコントロールを得るために好ましい。
【0042】
水溶性の非イオン性およびイオン性のポリマー鎖を含む架橋結合ナノゲルとして当業者に知られているナノスケール(20nmから600nm)の架橋結合したポリマーは、本発明の実施に使用されない。このようなナノゲルは凝集せず、そして生物学的バリヤーを越えることによってヒトの身体中で高いバイオアベイラビリティーを有するようにデザインされている。
【0043】
ポリアニオンブロックおよびセグメントの例は、1つまたはいくつかのモノマーから由来する単位を含むポリマーおよびそれらの塩を含むがこれらに限定されない。モノマーおよびそれらの塩は、不飽和エチレン性モノカルボン酸、不飽和エチレン性ジカルボン酸、スルホン酸基を含むエチレン性モノマー、それらのアルカリ塩、それらのアンモニウム塩を含む。これらのモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、アスパラギン酸、アルファ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、シトラジン酸、シトラコン酸、トランス−シンナミン酸、4−ヒドロキシシンナミン酸、トランス−グルタコン酸、グルタミン酸、イタコン酸、フマール酸、リノール酸、リノレン酸、マレイン酸、核酸、トランス−ベータ−ヒドロムコン酸、トランス−トランス−ムコン酸、オレイン酸、1,4−フェニレンジアクリル酸、ホスフェート−2−プロパン−1−スルホン酸、リシノレン酸、4−スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、トランス−トラウマチン酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルリン酸、ビニル安息香酸およびビニルグリコール酸など、並びにカルボキシル化およびスルホン化多糖類例えばカルボキシル化デキストラン、スルホン化デキストラン、カルボキシル化セルロース、ヘパリンなどを含む。
【0044】
使用できるポリアニオンブロックは、全負電荷を形成するいくつかのイオン化可能な基を有する。好ましくは、ポリアニオンブロックは、少なくとも約3の負の電荷、より好ましくは少なくとも約6、なお好ましくは少なくとも約12の負の電荷を有する。ポリアニオンの例は、ポリマレイン酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミノ酸などを含むが、これらに限定されない。ポリアニオンおよびポリアニオンブロックは、それら自体がアニオン性または親水性であるモノマー、例えば第三級ブチルメタクリレートまたは無水シトラコン酸を重合させ、次にモノマー性単位のイオン化可能な基を生ずる種々の化学反応例えば加水分解によりポリアニオンの形へ転換されることにより生成される。モノマー性単位の転換は不完全であり、イオン化可能な基を有しない単位の部分を有するコポリマー、例えば第三級ブチルメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマーを生ずる。
【0045】
ポリアニオン性セグメントは、1つより多いタイプのモノマー性単位を含むコポリマーでもよく、アニオン性単位と少なくとも1つの他のタイプの単位(アニオン性単位、カチオン性単位、両性イオン性単位、親水性の非イオン性単位または疎水性単位を含む)との組み合わせを含む。このようなポリアニオンおよびポリアニオンセグメントは、1つより多いタイプの化学的に異なるモノマーの共重合により得ることができる。このようなコポリマーが使用されるとき、帯電した複数の基は、他の成分と反応したとき、凝集物が形成されるように、ともに可能な限り近く配置されねばならない。
【0046】
ポリカチオン並びにポリカチオンのブロックおよびセグメントの例は、1つまたはいくつかのモノマーから由来する単位を含むポリマーおよびコポリマーおよびそれらの塩を含むがこれらに限定されない。モノマーは、第一級、第二級および第三級のアミン(そのそれぞれは一部または全部第四級化されて第四級アンモニウム塩を形成する)を含む。これらのモノマーの例は、カチオン性アミノ酸(例えばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、アルキレンイミン(例えばエチレンイミン、プロピレンイミン、ブチレンイミン、ペンチレンイミン、ヘキシレンイミンなど)、スペルミン、ビニルモノマー(例えばビニルカプロラクタム、ビニルピリジンなど)、アクリレートおよびメタクリレート(例えばN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムハライド、アクリルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムハライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムハライドなど)、アリルモノマー(例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリド)、脂肪族、複素環または芳香族のイオネン、カチオン性多糖類などを含む。
【0047】
使用できるポリカチオンブロックは、全正電荷を形成できるいくつかのイオン化可能な基を有する。好ましくは、ポリカチオンブロックは、少なくとも約3の正の電荷、より好ましくは少なくとも約6、なお好ましくは少なくとも約12の正の電荷を有する。ポリカチオン並びにポリカチオンのブロックおよびセグメントは、それら自体カチオンではないモノマー例えば4−ビニルピリジンを重合し、次にモノマー性単位の種々の化学反応例えばアルキル化によりポリカチオンへ転換され、イオン化可能な基が現れることにより生成できる。モノマー性単位の転換は不完全であり、イオン化可能な基を有しない単位の部分を有するコポリマー、例えばビニルピリジンとN−アルキルビニルピリジニウムハライドとのコポリマーを生ずる。
【0048】
ポリカチオンおよびポリカチオンブロックのそれぞれは、モノマー性単位の1つより多いタイプを含むコポリマーであり、モノマー性単位は、カチオン性単位と少なくとも1つの他のタイプの単位(カチオン性単位、アニオン性単位、両性イオン性単位、親水性の非イオン性単位または疎水性単位を含む)との組み合わせを含む。このようなポリカチオンおよびポリカチオンブロックは、1つより多いタイプの化学的に異なるモノマーの共重合により得ることができる。このようなコポリマーが使用されるとき、帯電した複数の基は、他の成分と反応したとき、凝集物が形成されるように、ともに十分に近く配置されねばならない。
【0049】
市販されているポリカチオンの例は、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリビニルピリジンおよびその第四級アンモニウム塩、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Agrimer)、並びにISPから入手できるニルカプロラクタム、ビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー、Rhodiaから入手できるグアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびヒドロキシプロピルグアヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド(Jaguar)、NOF Corporation(Tokyo,日本)から入手できる2−メタクリロイル−オキシエチルホスホリルクロリドおよび2−ヒドロキシ−3−メタクロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(Polyquaternium−64)、N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−クロリドまたはN,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミニウムクロリド(Polyquaternium−7)、Dowから入手できるトリメチルアンモニウムおよびジメチルドデシルアンモニウムのカチオン性置換をした第四級ヒドロキシエチルセルロースポリマー、BASFから入手できるビニルピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートの第四級コポリマー(Polyquaternium−11)、ビニルピロリドンおよび第四級ビニルイミダゾールのコポリマー(Polyquaternium−16およびPolyquaternium−44)、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドンおよび第四級ビニルイミダゾールのコポリマー(Polyquaternium−46)、Dowから入手できるトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの第4級アンモニウム塩(Polyquaternium−10)並びにキチシンを含む。
【0050】
ポリイオン含有ポリマーは、異なる構造の2つ以上のポリマーのブレンドであり、例えば異なる重合度、骨格構造および/または官能基を含むポリマーである。
ポリ両性電解質およびポリ両性電解質のブロックおよびセグメントの例は、上記のようなポリアニオンおよびポリカチオン中に含まれた種々の組み合わせのモノマーから由来する、アニオン性イオン化可能な基を含む少なくとも1つのタイプの単位およびカチオン性イオン化可能な基を含む少なくとも1つのタイプの単位を含むポリマー性構成成分を含むが、これらに限定されない。例えば、ポリ両性電解質は、[(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドおよびナトリウムスチレンスルホネートのコポリマーなどを含む。ポリ両性電解質およびポリ両性電解質のセグメントは、アニオン性およびカチオン性の単位と、両性イオン単位、親水性の非イオン性単位または疎水性単位の少なくとも1つの他のタイプの単位との組み合わせを含むコポリマーである。
【0051】
両性イオン性のポリマーおよびポリマーのブロックおよびセグメントは、1つまたはいくつかの両性イオン性モノマーから由来する単位を含むポリマー性成分を含むが、これらに限定されず、ベタインタイプモノマー例えばN−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロイルエトキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、ホスホリルコリンタイプモノマー例えば2−メタクロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクロイルオキシ−2′−トリメチルアンモニウムエチルホスフェート分子内塩、3−ジメチル(メタクロイルオキシエチル)アンモニウムプロパンスルホネート、1,1′−ビナフチル−2,2′−二水素ホスフェート、および両性イオン基を含む他のモノマーを含む。両性イオン性ポリマー性成分は、両性イオン性単位と少なくとも1つのタイプの単位(アニオン性単位、カチオン性単位、親水性の非イオン性単位または疎水性単位を含む)との組み合わせを含むコポリマーである。
【0052】
ポリアニオン、ポリカチオン、ポリ両性電解質およびいくつかの多両性イオンの官能基が、イオン化されるかまたは水性の環境において解離して、ポリマー鎖中に電荷を形成させるものと思われる。イオン化の程度は、イオン化可能なモノマー性単位の化学的性質、これらのポリマー中に存在する近くのモノマー性単位、ポリマー鎖内のこれらの単位の分布、および環境のパラメーター(pH、化学組成物、および溶質の濃度(例えば溶液中に存在する他の電解質の性質および濃度)、温度および他のパラメーターを含む)に依存する。例えば、ポリ酸例えばポリアクリル酸は、高いpHでより負に帯電しそして低いpHでより負に帯電しないかまたは帯電しない。ポリ塩基例えばポリエチレンイミンは、低いpHでより正に帯電し、高いpHでより正に帯電しないかまたは帯電しない。ポリ両性電解質例えばメタクリル酸とポリ((ジメチルアミノ)−エチルメタクリレート)のコポリマーは、低いpHで正に帯電し、中間のpHで帯電せず、そして高いpHで負に帯電する。
【0053】
本発明を特定の理論へ制限することを望まないが、ポリマー鎖中の電荷の出現がこれらポリマーをより親水性にしそしてより疎水性にすることなく、さらに逆に電荷の消失がポリマーをより疎水性にしそしてより親水性にしないことが、一般に考えられる。また、一般に、ポリマーがより親水性になると、それらはより水溶性になる。対照的に、ポリマーがより疎水性になると、それらはより水溶性にならない。その結果、ポリマー、両性界面活性剤および農薬の反応により生成する凝集物は、典型的な例では、実質的に水不溶性であるが、このような凝集物は、いくつかの環境では、水性の環境で沈殿を形成することよりむしろ安定な懸濁物のままである。
【0054】
好ましいポリマーは、スチレンアクリルコポリマー、ペンタエリスリトールエーテル架橋結合アクリル酸ポリマー、水性アクリルエマルション、線状ポリアクリル酸ポリマー、スルホン化グラフトリグニンポリマー、無水マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリスチレンスルホン酸ポリマー、およびポリアリルアルキルアンモニウムポリマーを含む。安全性の点から、より好ましいポリマーは、農業用処方物での使用について米国環境保護庁が許可したものを含む。このようなポリマーは、EPAウェブサイト(www.EPA.gov.)から入手できるPesticide Products Catagorized List of Inert(other)Pesticide Ingredientsをレビューすることにより当業者によって容易に同定できる。特に好ましいポリマーおよびコポリマーは、Metasperse 550S、Carbopol 71G,Carbopol Aqua 30,Polyquarternium 7,Sokalan PA15,Sokalan PA 25 CLPN,Sokalan 30 CLPN,Sokalan PA 40、Sokalan PA 110s,REAX 88B,Geropon EGPMおよびポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド)を含む。
【0055】
疎水性の農薬が使用されるこれらの環境では、親水性のポリマーセグメントが水溶性のポリマーを含むことが好ましい。好ましい非イオン性ポリマー部分は、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド、糖類、アクリルアミド、グリセロール、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、ビニルピリジンN−オキシド、ビニルピリジンN−オキシド/ビニルピリジン、オキサゾリン、またはアクロイルモクホリンまたはこれらの誘導体から由来する。非イオン性セグメントが存在する態様では、繰り返し単位の数は3以上の値を有する。
【0056】
安全性の点から、この態様で使用するのがより好ましいポリマーは、農業用処方物での使用について米国環境保護庁が許可したものを含む。このようなポリマーは、EPAウェブサイト(www.EPA.gov.)から入手できるPesticide Products Catagorized List of Inert(other)Pesticide Ingredientsをレビューすることにより当業者によって容易に同定できる。好ましいポリマーは、ポリ(N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アンモニウムクロリド)、ポリ(アルキレン−オキシド)−ブロック−ポリ(ビニルピリジニウム)コポリマー、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの第四級コポリマー、ビニルピロリドンコポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイン酸エステルコポリマーおよびポリエーテルポリカルボキシレートを含む。特に好ましいポリマーは、Polyquarternium 11,ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジウムブロミド)、ポリ(N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アンモニウムクロリド)、Akzo PPEM 9376、Ethacryl P,Ethacryl M,Ethacryl GおよびEthacryl HFを含む。
【0057】
(界面活性剤)
本発明の凝集物は、ポリマー性成分に対して反対の電荷の少なくとも1つの界面活性剤を使用して製造される。これらの界面活性剤は、1つ以上のイオン性またはイオン化可能な極性の頭部の基、および1つ以上の疎水性基を含む両性の界面活性剤である。好適な界面活性剤は、Gemini界面活性剤としてしられている1つより多い頭部基を含むものである。好ましくは、界面活性剤は非ポリマー性である。界面活性剤はカチオン性またはアニオン性であり(例えば脂肪酸の塩)、そして特に帯電している形は、ポリマーの電荷に応じて選ばれる。
【0058】
界面活性剤の性質の変形例えば疎水性尾部の長さは、凝集物の安定性に影響する。同じ電荷を有する2つ以上の界面活性剤の混合物も使用できる。
カチオン性界面活性剤を使用しようとしたとき、強カチオンを含む界面活性剤が好ましい。本発明で使用して好適なカチオン性界面活性剤は、第一級アミン(例えばヘキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン)、第二級アミン(例えばN,N−ジステアリルアミン)、第三級アミン(例えばN,N′、N′−ポリオキシエチレン(10)−N−タロー−1,3−ジアミノプロパン)、アルキルトリメチル第四級アンモニウム塩、ジアルキルジメチル第四級アンモニウム塩、エトキシル化第四級塩(Ethoquads)、例えばドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オレイルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンザアルコニウムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド、ジメチル字オクタデシルアンモニウムブロミド、メチルベンゼエトニウムクロリド、デカメトニウムクロリド、メチル混合トリアルキルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、1,2−ジアシル−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン(アシル基−ジミリストイル、ジパルミトイル、ジステアロイル、ジオレオイル)、1,2−ジアシル−3−(ジメチルアンモニオ)プロパン(アシル基−ジミリストイル、ジパルミトイル、ジステアロイル、ジオレオイル)、1,2−ジオレオイル−3−(4′−トリメチルアンモニオ)ブタノイル−sn−グリセロール、1,2−ジオレオイル−3−サクシニル−sn−グリセロールコリンエステル、コレステリル(4′−トリメチルアンモニオ)ブタノエート、N−アルキル−ピリジニウムおよびキナルジニウム塩(例えばセチルピリジニウムハライド、N−アルキルピペリジニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジカチオン性ボラフォーム電解質(C12Me;C12Bu)、ジアルキルグリセリルホスホリルコリン(リゾレシチン)、コレステロールヘミサクシネートコリンエステル、リポポリアミン例えばジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミドスペルミン(DPPES)、N′−オクタデシル−スペルミンカルボキサミドヒドロキシトリフルオロアセテート、N′、N′′−ジオクタデシルスペルミンカルボキサミドヒドロキシトリフルオロアセテート、N′−ノナフルオロペンタデシロスペルミンカルボキサミドヒドロトリフルオロアセテート、N′−(ヘプタデカフルオロデシル)−N′−(ノナフルオロペンタデシル)スペルミンカルボニル)グリシナムデヒドロオキシトリフルオロアセテート、N′−[3,6,9−トリオキサ−7−(2′−オキサエイコス−11′−エニル)ヘプタエイコス−18−エニル]−スペルミンカルボキサミドヒドロキシトリフルオロアセテート、N′−(1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノイル)スペルミンカルボキサミドヒドロキシトリフルオロアセテート、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2−(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、N、N、NII、NIII−テトラメチル−N、N、NII、NIII−テトラパラミチルスペルミン(TM−TPS),N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、1,2−ジオレイル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORI)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシプロピルアンモニウムブロミド(DORIE−HP)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシブチルアンモニウムブロミド(DORIE−HB)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシペンチルアンモニウムブロミド(DORIE−HPe)、1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、1,2−ジパルミトイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DPRIE)、1,2−ジステアロイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DSRIE)、N,N−ジメチル−N−[2−(2−メチル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ)エトキシ]エチル]−ベンゼンメタンアミニウムクロリド(DEBDA)、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N、N,N−トリメチルアンモニウムメチルスルフェート(DOTAB)、9−(N′、N′′−ジオクタデシルグリシンアミド)アクリジン、エチル4−[[N−(3−ビス(オクタデシルカルバモイル)−2−オキサプロピルカルボニル)グリシンアミド]ピロール−2−カルボキサミド]−4−ピロール−2−カルボキシレート、N′、N′−ジオクタデシルオルニシルグリシンアミドヒドロトリフルオロアセテート、コレステロールのカチオン性誘導体(例えば、コレステリル−3.ベータオキシサクシンアミドエチレントリメチルアンモニウム塩、コレステリル−3.ベータ−オキシサクシンアミドエチレンジメチルアミン、コレステリル−3.ベータカルボキシアミドエチレントリメチルアンモニウム塩、コレステリル−3.ベータカルボキシアミドエチレンジメチルアミン、3.ベータ[N−(N′、N′−ジメチルアミノオクタンカルボモイル)コレステロール]、pH感受性リピド(例えば4−(2,3−ビス−パルミトイルオキシ−プロピル)−1−メチル−1H−イミダゾール、4−(2,3−ビス−オレイルオキシ−プロピル)−1−メチル−1H−イミダゾール、コレステロール−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)カルバメート、2,3−ビス−パルミトイル−プロピルピリジン−4−イル−アミン)などを含む。
【0059】
アニオン性界面活性剤が使用されるとき、強アニオンを含む界面活性剤が好まれる。本発明組成物で使用して好適なアニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪酸石けん(飽和および不飽和の脂肪酸および誘導体の塩を含む(例えば、アラキドン酸、5,6−デヒドロアラキドン酸、20−ヒドロキシアラキドン酸、20−トリフルオロアラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサトリエン酸、エイコサジエン酸、7,7−ジメチル−5,8−エイコサジエン酸、7,7−ジメチル−5,8−エイコサジエン酸、8,11−エイコサジイン酸、エイコサペンタエン酸、エイコサテトライン酸、エイコサトリエン酸、エイコサトリイン酸、エラジン酸、イソリノール酸、リノエライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ジブロモ−γ−リノレン酸、γ−リノレン酸、17−オクタデシン酸、オレイン酸、フィタン酸、ステアリドン酸、2−オクテン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ウンデセレン酸、ラウリン酸、ミリストレン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナネデカン酸、ヘニイコサン酸、ドカサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、シス−15−テトラコセン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、トリオカンタン酸))、ヒドロキシ−、ヒドロキシオキシ−、ポリヒドロキシ−、エポキシ−脂肪酸の塩、以下のカルボン酸の塩(例えば吉草酸、トランス−2,4−ペンタジエン酸、ヘキサン酸、トランス−2−ヘキセン酸、トランス−3−ヘキセン酸、2,6−ヘプタジエン酸、6−ヘプテン酸、ヘプタン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ウンデカンジン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジ酸、ドカセンジ酸、テトラコサンジ酸、アガリシン酸、アレウリチン酸、アザフリン、ベンダザック、ベンフロジルヘミサクシネート、ベンジルペニシリン酸、p−(ベンジルスルホンアミド)安息香酸、ビリベルジン、ボンクレキン酸、ブマジゾン、カフェイン酸、カルシウム2−エチルブタノエート、カポベン酸、カルプロフェン、セフォジジム、セフメノキシム、セフィキシム、セファゼドン、セファトリジン、セファマンドール、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォニシド、セフォチアム、セフォキシチン、セファミシン、セチリジン、セトラリン酸、セトラキセート、チャウルモオルギン酸、クロロアンブシル、インドメタシン、プロトポルフィリンIX、プロチシン酸、プロスタン酸およびその誘導体(例えばプロスタグランディン)、アルキルホスフェート、O−ホスフェート(例えばベンフォチアミン)、アルキルホスホネート、天然および合成のリピド(例えばジメチルアリルピロホスフェートアンモニウム塩、S−ファルネシルチオ酢酸、ファルネシルピロホスフェート、2−ヒドロキシミリスチン酸、2−フルオロパルミチン酸、イノシトールホスフェート、ゲラニルピロホスフェート、ゲラニルゲラニルピロホスフェート、アルファ−ヒドロキシファルネシルホスホン酸、イソペンチルピロホスフェート、ホスファチジルセリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸および誘導体(リソホスファチジン酸、スフィンゴリピドなど)、リピドの合成アナログ例えばナトリウム−ジアルキルスルホサクシネート(例えばAerosol OT(商標))、n−アルキルエトキシル化スルフェート、n−アルキルモノチオカルボネート、アルキル−およびアリールスルフェート(アサプロール、アゾスルファミド、p−(ベンジルスルホンアミド)安息香酸、セフォニシド、CHAPS),モノ−およびジアルキルジチオホスフェート、N−アルカノイル−N−メチルグルカミン、ペルフルオロアルカノエート、胆汁酸のコレートおよびデスオキシコレート、4−クロロインドール酢酸、キュキュルビン酸、ジャスモン酸、7−エピジャスモン酸、12−オキソフィトジエン酸、トラウマチン酸、ツベロン酸、アブシシン酸、アシテルチンなどを含む。好ましいカチオン性およびアニオン性の界面活性剤は、また、フルオロカルボンおよび混合フルオロカルボン−ヒドロカルボン界面活性剤を含む。好適な界面活性剤は、ペルフルオロカルボン酸(例えばペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロ酪酸、ノナンフルオロペンタン酸、トリデカフルオロヘプタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ヘプタデカフルオロノナン酸、ノナデカフルオロデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペルフルオロテトラデカン酸、ヘキサフルオログルタール酸、ペルフルオロアジピン酸、ペルフルオロスベリン酸、ペルフルオロセバシン酸)の塩、二本尾部ハイブリッド界面活性剤(C2m−1)CH−OSONa、フルオロ脂肪族ホスホネート、フルオロ脂肪族スルフェートなどを含む。
【0060】
安全性の面から、より好ましい界面活性剤は、農業用処方物での使用について米国環境保護庁が許可したものを含む。このような界面活性剤は、EPAウェブサイト(www.EPA.gov.)から入手できるPesticide Products Catagorized List of Inert(other)Pesticide Ingredientsをレビューすることにより当業者によって容易に同定できる。
【0061】
好ましい界面活性剤は、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、エトキシル化第四級アンモニウム塩、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネートおよびトリスチリルフェノールのホスフェートエステルを含む。特に好ましい界面活性剤は、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ココアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ココアルキルメチル[エトキシル化(2)]アンモニウムニトレート、ココアルキルメチル[エトキシル化(2)]アンモニウムクロリド、ココアルキルメチル[エトキシル化(15)]アンモニウムクロリド、トリス(2−ヒドロキシエチル)タローアルキルアンモニウムアセテート、オレイルメチル[エトキシル化(2)]アンモニウムクロリド、水素化タローアルキル(2−エチルヘキシル)ジメチルアンモニウムスルフェート、ジココアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ナトリウムドデシルスルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、並びにトリスチリルフェノールのホスフェートエステルおよびナトリウムラウリルスルフェートを含む。
【0062】
(凝集物の形成)
当業者により理解されるように、所定の農薬とともに使用される界面活性剤およびポリマーの特別な組み合わせを最適にする必要がある。さらに、それらから複合体を形成する条件(添加される成分の比の変化、成分がブレンドされる温度、成分がブレンドされるpHおよび他の同様な因子を含む)を最適にする必要がある。
【0063】
しかし、一般に、帯電したポリマー、界面活性剤および農薬は、任意の順序で添加されて本発明の凝集物を形成する。例えば、農薬は、水の存在下ポリマーと混合され、次に界面活性剤と混合される。本発明の組成物は、ポリマー、農薬および界面活性剤を溶融混合して凝集物を形成することにより生成される。別の方法では、組成物は、有機溶媒例えばアルコール中で成分を混合し、混合物をポリマーが溶解するに足る時間加熱し、次に溶媒を蒸発させて固体の凝集物を沈殿させることにより形成できる。また、凝集物は、懸濁物として製造され、その場合、農薬および界面活性剤はポリマーの水溶液へ攪拌しながら添加される。固体の凝集物は、濾過または凍結またはスプレイドライを含む分離により得ることができる。
【0064】
農薬対ポリマーの電荷比および農薬対界面活性剤の電荷比は、凝集物の形および/または外観、並びに凝集物中の農薬の回収をコントロールするために変化される。電荷比は、成分の電荷の数に使用される成分のモルの数を乗じ、次にこの数値を他の成分についてえられたものと比較することにより決定される。好ましくは、ポリマー対界面活性剤の約1:10から約10:1の間、より好ましくは約1:5から約5:1の間、そして最も好ましくは約3:1から約1:3の間の電荷比が使用される。好ましくは、農薬対界面活性剤の約1:10から約10:1の間、より好ましくは約1:5から約5:1の間、そして最も好ましくは約3:1から約1:3の間の電荷比が使用される。結局、最も好ましくは、凝集物のすべての3つの成分の化学量論的電荷比が使用される。
【0065】
一般に、本発明の凝集物で使用されるポリマーおよび界面活性剤は、凝集物を生成しそして所定の用途に望ましい性質を生ずるために、農薬のpKaまたは疎水度のような性質にとり好適であるように選ばれる。農薬の放出速度は、また界面活性剤対ポリマーの比の変化および/またはポリマーのpKaの変化により、および/または界面活性剤の疎水度の変化により変化できる。例えば、農薬の移動に影響する主な因子は、土壌のpH、土壌の構造、有機および無機の成分に関する土壌の組成、土壌の粒子サイズおよびそのミネラル組成を含む。他の因子は、活性成分の溶解度(pHにより一般に影響される)および活性成分のpKaを含む。さらに、活性成分の溶解度は、またその疎水度に依存する。農薬の吸着は、農薬のイオン化およびpHが増大するにつれ、低下する。吸着は、土壌の表面の組成、特にその静電性電荷により影響される。同様に帯電した土壌および農薬は、低い吸着を示す。土壌中の水のイオン強度は、また農薬の溶解度および吸着に影響する。
【0066】
(組成物)
1つの局面では、本発明は、上記の農薬凝集物を含む農薬組成物に関する。典型的な例では、このような組成物は、農薬凝集物および農業上許容できる担体を含む。このような担体は、当業者にとり周知でありそして固体かまたは液体である。
【0067】
当業者は、もちろん、農薬の処方および適用法が所定の用途で材料の活性に影響することを熟知している。従って、農業上の用途では、本発明の農薬凝集物は、比較的大きなサイズ(例えば8/16または4/8米国メッシュ)の顆粒として、水溶性または水分散性の顆粒として、粉末状のダストとして、ウェッタブル粉末として、乳化可能な濃縮物として、水性のエマルションとして、溶液として、または任意の他の周知のタイプの農業上有用な処方物として、所望の適用法に応じて処方される。それらは、乾いた状態(例えば顆粒、粉末または錠剤として)適用されるか、またはそれらは希釈されて安定な分散物(例えばエマルションおよび懸濁物)を形成できる濃縮物(例えば固体、液体、ゲル)として処方される。
【0068】
(濃縮物)
組成物は、当業者が周知の技術により濃縮物として処方できる。組成物が乾いたまたは液体の濃縮物として処方されるとき、凝集物は、希釈によりまたは適用後に形成できる。もし組成物が固体として処方されるならば、フィラー(filler)例えばAttaclayが添加されて顆粒の剛性を改善する。本発明の組成物で形成される凝集物により、農薬処方物は、他の従来の組成物の0−5%に対して30−40%の量の組成物を含むことができる。
【0069】
農薬凝集物および農薬処方物は、適用前に安定な水性エマルションまたは分散物へ分館可能な固体として貯蔵され取り扱われる。分散物は、水から均質な適用を可能にする。これは、水中の正常の混合が適用前に絶対に必要な農場の使用において特に有利である。
【0070】
本発明の組成物は、またウェッタブル粉末の形にできる。ウェッタブル粉末は、水または他の分散剤中に容易に分散する細かい粉末である。ウェッタブル粉末は、乾いたダストとして、または水または他の液体中の分散物としての何れかで、有害生物のコントロールが必要な場所へ最終的に適用される。ウェッタブル粉末用の典型的な担体は、フラー土、カオリン粘土、シリカ、および他の非常に吸収性の容易に湿る無機希釈剤を含む。ウェッタブル粉末は、通常、担体の吸収性に応じて農薬の約5−80%を含むように製造され、そして通常また少量の湿潤剤、分散剤または乳化剤を含んで分散を助ける。例えば、有用なウェッタブル粉末処方物は、80.0部の農薬化合物、17.9部の粘土および1.0部のナトリウムリグノスルホネートおよび湿潤剤としての0.3部のスルホン化脂肪族ポリエステルを含む。追加の湿潤剤および/または油は、しばしば、タンク混合物へ添加されて植物の葉への分散を助ける。
【0071】
水分散可能な顆粒(WDGまたはDG)は、水中に分散して一次粒子の分散を生ずる粒状農薬凝集物の乾いた組成物である。農薬の含量は、10−70%w/wに及ぶ。ポリマーは、分散剤(ポリアクリレート塩およびリグノスルホネート塩)として使用され、そして結合剤として顆粒をともに保持する。乾いた生成物の利点は、加水分解が生ずる可能性が少なく、高い農薬含量が達成できることである。不利は、細砕、ブレンド、押し出しおよび乾燥を含む、より複雑なプロセスである。通常、助剤はこの処方物では固体である。
【0072】
本発明の農薬組成物に関する他の有用な処方物は、乳化可能な濃縮物、流動可能な処方物および懸濁濃縮物を含む。乳化可能な濃縮物(EC)は、水中で希釈されたとき処方物を自己乳化させる界面活性剤を含む水不混和性溶媒中の農薬の溶液である。農薬の含量は10−50%w/wであり、エマルションは注ぐことができそして水中で容易に乳化する。乳化可能な濃縮物(ECs)は、均質な液体組成物であり、そして農薬化合物、ポリマーおよび液体または固体の乳化剤から完全になるか、またはまた液体担体例えばキシレン、重質芳香族ナフサ、イソホロンまたは他の水不混和性非揮発性の有機溶媒を含むことができる。農薬の重量%は、組成物が適用されるやり方に従って変化できるが、一般に農薬組成物の重量に基づいて5−95%の農薬を含む。農薬のためには、これらの濃縮物は、水または他の液体の担体中で分散され、そして通常処置されるべき域へスプレイとして適用される。
【0073】
懸濁濃縮物(SC)は、水中の細かい(2−15ミクロン)水不溶性固体粒子の分散物である。農薬の含量は、8−50%w/wにおよぶ。それらは注ぐことができ、容易に水中に分散でき、そして包装中で沈降して安定でなければならない。ポリマー例えばキサンタンガムは、懸濁物の降伏応力を増大させることにより沈降を防ぐのに使用される。いくつかのポリマー性分散剤例えばポリアクリル酸塩が使用される。分散物は、ポリエチレングリコールによりグラフトされたメタクリレート(Atlox)のようなポリマーの使用により浮遊に対して安定化される。エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーは、希釈後の或る安定化をもたらすために使用される。
【0074】
さらに、濃縮物は、凝集物が濃縮物中に存在しないように処方できる。種々の技術が、本発明の凝集物の形成を遅らせるために適用され、大過剰の塩、有機溶媒(両者とも水不混和性であり水混和性である)または過剰の両性界面活性剤の存在下組成物を製造することを含む。例えば、塩は添加されて、水による希釈まで凝集物の形成を遅らせる。塩は添加されて、より安定な分散物が形成されるために凝集物を部分的に破壊する。特定の理論へ制限されることはないが、添加された塩が凝集物内の静電性結合を破壊するものと考えられる。これらの態様では、凝集物は、水による濃縮物の希釈により形成される。
【0075】
(他の成分)
組成物が他の成分を含む限り、これらの成分は小割合の組成物を構成する。小割合の成分は、また凝集物中に配合されない農薬を含むことができる。本明細書で記載された他の成分に加えて、本発明の組成物は、また大割合の成分以上の量で担体例えば水または他の溶媒を含むことができる。
【0076】
本発明の農薬凝集物は、1つ以上の第2の化合物とともに処方および/または適用できる。このような組み合わせは、有害生物のより大きなコントロールについて相乗作用を示し、農薬の適用回数を減らして環境および使用者の安全性への影響を最低にし、より広いスペクトルの有害生物および薬害に対する農作物の抵抗性をコントロールし、さらに非有害生物種例えば哺乳動物および魚類による許容度を改善するなど(これらに限定されない)のいくつかの利点をもたらす。
【0077】
第2の化合物は、他の農薬、肥料、土壌調節剤または他の農薬を含むが、これらに限定されない。1つ以上の第2の化合物が他の農薬例えば殺草剤であるとき、殺草剤は、例えば、N−(ホスホノメチル)グリシン(「グリホセート」)、アリールオキシアルカン酸例えば(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(「2,4−D」)、(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸(「MCPA」)、(+/−)−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロパン酸(「MCPP」)、尿素例えばN,N−ジメチル−N′−[4−(1−メチルエチル)フェニル]尿素(「イソプロツロン」)、イミダゾリノン例えば2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−ピリジンカルボン酸(「イマザピル」)、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル安息香酸と(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル安息香酸との反応生成物(「イマザメタベンズ」)、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸(「イマゼセピル」)、および(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−キノリンカルボン酸(「イマザキン」)、ジフェニルエーテル例えば5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロ安息香酸(「アシフルオルフェン」)、メチル5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロベンゾエート(「ビフェノックス」)および5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−N−(メチルスルホニル)−2−ニトロベンザアミド(「フォマサフェン」)、ヒドロキシベンゾニトリル例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジヨードベンゾニトリル(「ヨキシニル」)および3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(「ブロモキシニル」)、スルホニル尿素例えば2−[[[[(4−クロロ−6−メトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]安息香酸(「クロロイムロン」)、2−クロロ−N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(「アクロロスルフロン」)、2−[[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]メチル]安息香酸(「ベンスルフロン」)、2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(「ピラゾスルフラン」)、3−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルホニル]−2−チオフェンカルボン酸(「チオフェンスルフラン」)および2−(2−クロロエトキシ)−N−[[(4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(「トリアスルフラン」)、2−(4−アリールオキシ−フェノキシ)アルカン酸例えば(+/−)−2−[4−[(6−クロロ−2−ベンゾキサゾリル)オキシ]フェノキシ]プロパン酸(「フェノキサプロプ」)、(+/−)−2−[4−(6−クロロ−2−キノキサリニル)オキシ]フェノキシ]プロパン酸(「キサロフォプ」)および(+/−)−2−[(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノキシ]プロパン酸(「ジクロフォプ」)、ベンゾチアジアジノン例えば3−(1−メチルエチル)−1H−1,2,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシド(「ベンタゾン」)、2−クロロアセトアニリド例えばN−(ブトキシメチル)−2−クロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)アセトアミド(「ブタクロール」)、2−クロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(「メトラクロール」)、2−クロロ−N−(エトキシメチル)−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)アセトアミド(「アセトクロール」)および(RS)−2−クロローN−(2,4−ジメチル−3−チエニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(「ジメテンアミド」)、アレンカルボン酸例えば3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(「ジカムバ」)、ピリジルオキシ酢酸例えば[(4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジニル)オキシ]酢酸(「フルロキシピル」)、並びに他の殺草剤を含む。
【0078】
1つ以上の第2の成分が他の農薬例えば殺虫剤であるとき、他の殺虫剤は、例えば有機ホスフェート殺虫剤例えばクロロピリホス、ジアジノン、ジメトエート、マラチオン、パラチオンメチル、およびターブホス、ピレスロイド殺虫剤例えばフェンバレレート、デルタメスリン、フェンプロパスリン、サイフルスリン、フルサイスリネート、アルファ−サイペルメスリン、ビフェンスリン、サイペルメスリン、分割したサイハロスリン、エトフェンプロックス、エスフェンバレレート、トラロメスリン、テフルスリン、サイクロプロスリン、ベータサイフルスリンおよびアクリナスリン、カルバメート殺虫剤例えばエンドスルファン、エンドリン、ヘプタクロールおよびリンダン、ベンゾイル尿素殺虫剤例えばジフルベンウロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、クロロフルアズロン、フルサイクロキシウロン、ヘキサフルムロン、フルフェノキシウロンおよびルフェンウロンおよび他の殺虫剤例えばアミトラズ、クロフェンテジン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾックス、スピノサドおよびイミダクロプリドを含む。
【0079】
1つ以上の第2の化合物が他の農薬例えば殺かび剤であるとき、殺かび剤は、例えばベンズイミダゾール殺かび剤例えばベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾールおよびチオファネートメチル、1,2,4−トリアゾール殺かび剤例えばエポキシコナゾール、細プロコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォール、プロピロナゾール、テブコナゾール、トリアジメフォンおよびトリアジメノール、置換アニリド殺かび剤例えばメタラキシル、オキサジキシル、プロサイミドンおよびビンクロゾリン、有機燐殺かび剤例えばフォセチル、イプロベンホス、ピラゾホス、エジフェンホスおよびトルクロホスメチル、モルホリン殺かび剤例えばフェンプロピモルフォ、トリデモルフォおよびドデモルフォ、他の浸透性殺かび剤例えばフェナリモール、イマザリル、プロクロラズ、トリシクロアゾールおよびトリホリン、ジチオカルバメート殺かび剤例えばマンコゼブ、マネブ、プロピネブ、ジネブおよびジラム、非浸透性殺かび剤例えばクロロタラニル、ジクロロフルアニド、ジチアノンおよびイプロジオン、キャプタン、ジノキャップ、ドジン、フルアジナム、グルアザチン、PCNB、ペンシクロン、キントゼン、トリシラミドおよびバリダマイシン、無機殺かび剤例えば銅および硫黄製品、並びに他の殺かび剤を含む。
【0080】
1つ以上の第2の化合物が他の農薬例えば殺ネマトーダ剤である場合、殺ネマトーダ剤は、例えば、カルボフラン、カルボスルファン、ヌルブホス、アルデカルブ、エトプロプ、フェナムホス、オキサミル、イサゾホス、カヅサホスおよび他の殺ネマトーダ剤を含む。
【0081】
1つ以上の第2の化合物が他の農薬例えば植物成長調節剤であるとき、植物成長調節剤は、例えば、マレイン酸ヒドラジド、クロロメクアル、エテホン、ギベレリン、メピクォート、チジアゾン、イナベンフィド、トリアフェンテノール、パクロブトラゾール、ウンアコナゾール、DCPA,プロヘキサジオン、トリネキアパック−エチル、および他の植物成長調節剤を含む。
【0082】
1つ以上の第2の化合物は、また土壌調節剤を含む。土壌調節剤は、土壌に添加されたとき、植物の有効な成長にとり種々の利益を促進する物質である。土壌調節剤は、土壌の圧縮を減らし、排水の有効性を促進しかつ増大させ、土壌の浸透性を改善し、最適の植物栄養分の土壌中の含量を促進し、そしてより良い農薬および肥料の混和を促進するのに使用される。土壌調節剤は、有機物例えば腐植(土壌中におけるカチオン植物栄養分の維持を促進する)、カチオン栄養分の混合物例えばカルシウム、マグネシウム、カリ、ナトリウムおよび水素複合体、または微生物組成物(植物の生長に好ましい土壌の条件を促進する)を含む。このような微生物組成物は、例えばBacillus,Pseudomonas,Azotobacter、Azospirillum、Rhizobiumおよび土壌中のCyanobacteriaを含む。
【0083】
1つ以上の第2の化合物は、また肥料を含む。肥料は、通常窒素、リンおよびカリウムを含む植物栄養素サプリメントである。肥料は、窒素肥料例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび骨粉、リン酸塩肥料例えばスーパーホスフェート、トリプルスーパーホスフェート、硫酸アンモニウムおよび硫酸二アンモニウム並びにカリウム肥料例えばカリの塩化物、硫酸カリウムおよび硝酸カリウム、並びに他の肥料を含む。
【0084】
(追加の表面活性成分)
本発明の組成物は、分散剤として追加の表面活性化合物を含むことができる。これらの分散剤は、上記の両性界面活性剤とは異なりそしてそれに加えられる。農業用処方物で使用される典型的な湿潤剤、分散剤または乳化剤は、アルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネート並びにそれらのナトリウム塩、アルキルアリールポリエーテルアルコール、スルフェート化高級アルコール、ポリエチレンオキシド、スルホネート化の動物油および植物油、スルホネート化石油、多価アルコールの脂肪酸エステルおよびこれらのエステルのエチレンオキシド付加生成物、並びに長鎖メルカプタンおよびエチレンオキシドの付加生成物を含む。多くの他のタイプの有用な表面活性剤は、市販されている。表面活性剤は、使用されるとき、通常組成物の1−20重量%を占める。
【0085】
上記の両性界面活性剤および分散剤に加えて、農薬組成物は、さらにイオン性、非イオン性または両性の界面活性剤を含む。それらは、ホスホリピド(例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ジアシルホスファチジルコリン、ジ−O−アルキルホスファチジルコリン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、リソホスファチジルグリセロール、リソホスファチジルイノシトールなど)、飽和および不飽和脂肪酸誘導体(例えばエチルエステル、プロピルエステル、コレステリルエステル、コエンザイムAエステル、ニトロフェニルエステル、ナフチルエステル、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールアセテートなど)、リポ多糖類、グリコリピドおよびスフインゴリピド(例えばセラミド、セレブロシド、ガラクトシルグリセリド、ガングリオシド、ラクトセレブロシド、リソスルファチド、サイコシン、スフィンゴミエリン、スフィンゴシン、スルファチド)、クロモホリックリピド(天然のリピド、ホスホリピド、セレブロシド、スフィンゴミエリン)、コレステロールおよびコレステロール誘導体、n−アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(Tergitol XD、ポリエチレングリコールp−ノニルフェニルエーテル)、n−アルキルポリオキシエチレンエーテル(例えばTriton(商標))、ソルビタンエステル(例えばSpan(商標))、ポリグリコールエーテル界面活性剤(Tergitol(商標))、ポリオキシ−エチレンソルビタン(例えばTween(商標))、ポリソルベート、ポリオキシエチル化グリコールモノエーテル(例えばBri(商標))、ポリオキシエチレン 9 ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン 10 エーテル、ポリオキシエチレン 10 トリデシルエーテル、ルビロール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー(例えばPluronic(商標)、Pluronic R(商標)、Tetronic(商標)、Pluradot(商標))、アルキルアリールポリエチレンアルコール(Tyloxapol(商標))、ペルフルオロアルキルポリオキシル化アミド、N,N−ビス[3−D−グルコンアミド−プロピル]コラミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−α−D−グルコピラノジド、n−デシル−β−D−グルコピラノジド、n−デシル−β−D−マルトピラノジド、n−ドデシル−β−D−グルコピラノジド、n−ウンデシル−β−D−グルコピラノジド、n−へプチル−β−D−グルコピラノジド、n−へプチル−β−D−チオグルコピラノジド、n− ヘキシル−β−D−グルコピラノジド、n−ノナノイル−β−D−グルコピラノジド、1−モノオレイルーrac−グリセロール、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ドデシル−α−D−マルトシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、N,N−ビス[3−グルコンアミドプロピル]デオキシコラミド、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジジトニン、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノジド、n−オクチル−α−D−グルコピラノジド、n−オクチル−β−D−チオガラクトピラノジド、n−オクチル−β−D−チオグルコピラノジド、ベタイン(RR′CO、ただしRは炭化水素鎖である)、スルホベタイン(RR′SO)、ホスホリピド(例えばジアルキルホスファチジルコリン)、3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート、3−[(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート、N−デシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、N−オクタデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、N−オクチル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、N−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネートおよびジアルキルホスファチジル−エタノールアミンを含むが、これらに限定されない。
【0086】
本発明で有用な他の助剤は、酸の形またはNaまたはNHの塩としてのトリスチリルフェノールエトキシレート、スルフェートおよびホスフェート、エトキシル化範囲4−60のひまし油エトキシレート、ソルビタンモノ、ジおよびトリ−アルキルエトキシレート、グリセリルトリアルキレート、アルキルエトキシレート、アルキルアリールスルホネート塩Na、Ca,ソルビタンオレエート、およびアルキルポリグルコシドを含む。
【0087】
(有害生物をコントロールする方法)
さらなる局面では、本発明は、有害生物をコントロールする方法に関しており、このような有害生物の場所へ農薬に有効な量の本発明の農薬組成物を適用することからなる。このような場所は、有害生物が存在するかまたは存在するようになりがちな場所である。
【0088】
本発明の組成物を、処方されたもの単独または他の農薬とともに適用するにあたって、活性化合物の有効量または濃度が、もちろん使用され、その量は、例えば約0.001kg/haから約3kg/ha、好ましくは約0.03kg/haから約2kg/haの範囲で変化する。農薬の損失がある農場の使用では、より高い適用率(例えば上記の率の4倍)が使用される。
【0089】
本発明の農薬組成物は、水希釈スプレイまたはダストまたは顆粒の何れかで、有害生物の抑制が望まれる域へ適用される。これらの処方物は、約0.1重量%から約35重量%以上の農薬を含む。濃縮物は、例えば100−1000倍に水により希釈されて、安定な(例えば24時間安定)水性分散物を形成する。希釈されたとき、スプレイノズルを経る適用を助けるために、凝集物の平均粒子サイズが約50ミクロンより小さく、そしてさらに好ましくは約20ミクロンより小さいのが好ましい。
【0090】
本発明の組成物は、ダストとして処方できる。ダストは、細かい固体例えばタルク、天然粘土、珪藻土、穀粉例えばウォールナッツ殻および綿実粉、並びに他の有機および無機の固体(農薬に対して分散剤および担体として働く)との本発明の農薬組成物の自由流動性の混合物である。これらの細かい固体は、約50ミクロンより小さい平均粒子サイズを有する。本発明で有用な典型的な処方物は、1.0部以下の農薬組成物と99.0部のタルクを含むものである。
【0091】
種々の適用法が、目標有害生物例えば雑草、かびまたは昆虫並びに処置される農作物のタイプに応じて農薬処方物に使用される。農薬の適用は、細かい農薬複合体の溶液、エマルションまたは分散物をスプレイして処置される域または目標全体の上に正確かつ均一の濃度を達成することにより行われる。通常、スプレイ混合物中の農薬組成物を希釈するのに使用される水は、1エーカー(約4046.8m)あたり約5−80ガロン(約22.8−約364L)の量であり、そして活性成分の量は、1エーカーあたり約20−1000ガロン(約90−約4546L)に及ぶ。
【0092】
農薬は、また機械を用いて顆粒処方物の最も広い拡がりにより適用されて、目標全体の上に均一な分布を達成する。農薬凝集物は、粘着剤(追加の界面活性剤、ポリマー溶液またはラテックス)を使用して農薬を不活性支持体へ付着させることにより顆粒処方物中に配合する。他の顆粒は、不活性の粉末状成分、水、結合剤および分散剤とともに粉末状の農薬複合体を押し出して、次に乾燥される顆粒を形成することにより製造される。予め形成された顆粒支持体は、しばしば、液体農薬または農薬の溶液を吸収するのに使用される。
【0093】
これらのタイプの処方物は、通常、農作物の発芽前に農薬を土壌へ伝達するのに使用される。目標は、土壌中の種々の深さに存在する雑草の種子または昆虫である。本発明の組成物の処方および適用に使用される2つのタイプの水がある。1つは、適用のために濃縮物を希釈するために使用される水である。水の他のタイプは、適用後複合体と相互作用する水である。この水は、環境例えば雨水または灌漑系からの水からの水を含む。土壌を通る農薬の移動は、一般に、降雨により影響されコントロールされる。一般に、農薬組成物は、スプレイ溶液からまたは雨水からの生ずる水中に溶解する。
【0094】
凝集物の成分は、別々に出荷されそして使用前に混合される。各成分は、個々に出荷されるか、または成分の2つが混合されそしてともに出荷される。例えば、ポリマーおよび農薬は混合されそして界面活性剤からは別に出荷される。界面活性剤は、凝集物を形成するために、適用直前にポリマーと農薬との混合物へ添加される。別に、凝集物は、適用が完了した後にその場で形成される。
【0095】
(適用の形)
エマルション(EW)は、水中の農薬凝集物のエマルションである。もし固体の形の農薬凝集物が使用されるならば、それは水中の乳化前に水不混和性溶媒に溶解される。農薬の含量は、2−20%w/wに及ぶ。それらは、液体で注ぐことができ、包装中の沈降に対して安定していなければならない。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーは、エマルションをつくるのに使用でき、安定剤として合体を防ぐ。Atlox櫛形タイプのポリマーも使用できる。
【0096】
ミクロカプセル懸濁物(CS)は、水不溶性材料例えば架橋結合ポリマーおよび通常帯電した分散剤または水中に分散した凝集に対する安定剤の殻に内包された、溶媒中の農薬凝集物の懸濁した粒子または農薬凝集物の小滴である。殻は、通常、界面重合により形成された架橋結合したポリマーであるが、他の方法も知られている。ポリマーは、分散剤(ポリビニルアルコール、リグノスルホネート塩およびブチルをグラフトしたPVP)としてそしてまた安定剤として使用される。キサンタンガムは、増粘剤として使用されて沈降を防ぐ。
【0097】
スプレイドライ処方物。これらは、一般に、粉末または顆粒である乾いた製品である。種々の液体処方物がスプレイドライに使用される(または特にデザインされた処方物がスプレイドライプロセスに形成できる)。例えば、SC処方物は、スプレイドライされて乾いた粉末になる。EW処方物は、水溶性ポリマーにより変性されてスプレイドライされる。水溶性ポリマーのマトリックス中にエマルションの小滴によるマトリックス粒子が生ずる。粉末は、ポリマーが溶解すると、水中に分散する。マトリックスとして有用なポリマーは、ポリアクリレート塩、デキストラン、マルトデキストリン、澱粉および糖である。
【0098】
農薬の適用に有用な処方物は、それが望ましい濃度で完全に可溶な溶媒(例えば、プロピレングリコールまたはプロピレンカーボネートまたは水との混合物)中の農薬複合体の単純な溶液を含む。他の有用な処方物は、比較的非揮発性の溶媒例えば水、とうもろこし油、ケロセン、プロピレングリコールまたは他の好適な溶媒)中の農薬凝集物の懸濁物を含む。農薬凝集物が比較的粗い粒子を含む顆粒の処方物は、大気中の分布のためまたはカバーする農作物のおおいを浸透するために特に有用である。農薬凝集物が低沸点分散剤溶媒担体の蒸発の結果細かい形で分散される加圧スプレイ、典型的な例ではエロゾルも使用できる。水溶性または水分散性の顆粒は、自由流動性であり、ダスト状ではなくそして容易に水に可溶であり混和する。農場での農民による使用では、顆粒処方物、乳化可能な濃縮物、流動可能な濃縮物、水性エマルション、溶液などは、水により希釈されて、例えば0.2−2%の範囲の農薬の濃度をあたえる。
【0099】
(実施例)
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、その範囲を制限するものと決して考えてはならない。実施例は、処方された種類のリストを示しそして凝集物の効力を示す実験モデルからのデータを示す、本発明の複合体の製造に関するプロトコールを提供するように組み立てられている。
【実施例1】
【0100】
(比較例AおよびB)
スルフェントラゾンの10%溶液を、スルフェントラゾンを1当量の水酸化ナトリウム溶液に溶解し、1晩攪拌することにより製造した。このような溶液中の3.87g(1当量)のスルフェントラゾンを20mLのガラスバイアルに入れそして0.94gのSokalan PA−15(線状ポリアクリル酸塩、低分子量1200g/モル)を加えた。混合物をボルテックスミキサーを用いて室温で攪拌した。2当量(6.9g)のArquad 18/50オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(イソプロパノール水溶液)を加え、そして混合物をボルテックスミキサーを使用して攪拌した。カチオン性界面活性剤とアニオン性ポリマーおよびアニオン性農薬の混合は、73%のスルフェントラゾンを含むと計算される沈殿の形成を生じた(実施例2に記載される方法により計算)。
【0101】
上記の実施例1の方法を繰り返したが、ただし1当量のみのスルフェントラゾンと1当量のSokalan PA−15を混合した(比較例A)。どんな沈殿もカチオン性界面活性剤の不存在では形成されなかった。
【0102】
上記の実施例1の方法を繰り返したが、ただし1当量のみのスルフェントラゾンと1当量のArquad 18/50を混合した(比較例B)。たとえ農薬がアニオン性であり界面活性剤がカチオン性であっても、どんな沈殿も形成されなかった。
【0103】
(比較例C。スルフェントラゾンとカチオン性ポリマーとの混合物)
スルフェントラゾンをカチオン性ポリマーPolyquarternium 7(ポリ[(N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミニウムクロリド)])と反応させた。0.39mLのスルフェントラゾン溶液(10%、pH11)を0.7mLのPolyquarternium 7の10%溶液と混合した。得られた混合物は曇っていないままであり、そしてどんな相の分離も観察されなかった。混合物中のスルフェントラゾンの濃度は、λ=261nmにおけるスルフェントラゾンに関する16750モル−1cm−1Lのモル吸光係数を使用してUVスペクトル分析によって測定した。同じ濃度のスルフェントラゾンを含むが添加されるポリマーを含まないブランク溶液をコントロールとして製造した。UV測定では、コントロールおよびブランク溶液の両者を希釈して、スルフェントラゾンの濃度を0.002%w/wとし、そしてそれらの吸収UVスペクトルを記録した。混合物へ添加されたすべてのスルフェントラゾンは、結合されない形で定量的に維持された。
この比較例は、たとえ農薬がアニオン性でありそしてポリマーがカチオン性であっても、どんな凝集物も形成されないことを示す。
【0104】
(比較例D。界面活性剤の存在のないスルフェントラゾン+ポリマー)
スルフェントラゾンをSokalan PA 110S(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、高分子量250000g/モル)と反応させた。0.5mLのスルフェントラゾン溶液(2%、pH11)を、0.26mLのSokalan PA 110S水溶液(1%、pH8.5)と混合した。得られた混合物は曇っていないままであり、そしてどんな相の分離も観察されなかった。混合物中のスルフェントラゾンの濃度は、λ=261nmにおけるスルフェントラゾンに関する16750モル−1cm−1Lのモル吸光係数を使用してUVスペクトル分析によって測定した。同じ濃度のスルフェントラゾンを含むが添加されるポリマーを含まないブランク溶液をコントロールとして製造した。UV測定では、コントロールおよびブランク溶液の両者を希釈して、スルフェントラゾンの濃度を0.002%w/wとし、そしてそれらの吸収UVスペクトルを記録した。混合物へ添加されたすべてのスルフェントラゾンは、結合されない形で定量的に維持された。
この比較例は、どんな凝集物もカチオン性界面活性剤の不存在下では形成されなかったことを示す。
【実施例2】
【0105】
(Atlox Metasperse、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
0.125mLのAtlox Metasperse 550S(10%)(ポリアクリル酸の疎水性ナトリウム塩)の水溶液を、4.45mLのスルフェントラゾン溶液(1%、pH11.6)および3.84mLの水と混合した。得られる混合物のpHは約10であった。0.69mLのテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド溶液(10%)を、攪拌によりつくったアルカリ混合物へ添加した。白色の沈殿の完全な凝固および溶液の透明さを、攪拌の約3時間中観察した。ポリマー、界面活性剤およびスルフェントラゾンの三元複合体を含む湿った沈殿を、5分間の15000gでの遠心分離により単離した。上清のスルフェントラゾンの濃度は、λ=261nmにおけるスルフェントラゾンに関する16750モル−1cm−1Lのモル吸光係数を使用してUVスペクトル分析によって測定した。UV測定では、コントロールおよびブランク溶液の両者を希釈して、スルフェントラゾンの濃度を0.002%w/wとし、そしてそれらの吸収UVスペクトルを記録した。
【0106】
凝集物へのスルフェントラゾンの取り込みは、添加されたスルフェントラゾンの最初の濃度(C(SFT)init)と上清中のスルフェントラゾンの最終濃度(C(SFT)super)との間の差として、式(1)による取り込みデータを使用して計算され、そして最初の濃度の%として表示される。
【0107】
【数1】

【0108】
Atlox Metasperse 550S/テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド凝集物中へのスルフェントラゾンの吸収は、62%であると計算された。
量(L)は、凝集物中のスルフェントラゾンのw/w%として定義され、そして以下の式(式中、m(SFT)precは、凝集物中に配合されるスルフェントラゾンの重量でありそして反応溶液へ添加されるスルフェントラゾンの量と上清中に残る量との差として計算され、m(Atlox)はポリマーの重量であり、m(C14NBr)は界面活性剤の重量であり、m(Na)およびm(Br)は凝集物の形成により放出される対イオンの重量である)に従って計算された。
【0109】
【数2】

【0110】
凝集物中のスルフェントラゾンの量は、30w/w%であった。1週間内のスルフェントラゾンの量についてどんな変化も観察されなかった。
この実施例は、安定な凝集物がアクリルポリマー、農薬および界面活性剤を混合することにより形成できることを確認する。
【実施例3】
【0111】
(ポリマーおよび界面活性剤の種々の濃度でのAtlox Metasperse 550S、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物を、Atlox Metasperse 550Sポリマーおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの混合物を用いて製造した。混合物中のスルフェントラゾンの濃度は、一定に保持され0.5%であった。混合物中のポリマーおよび界面活性剤の濃度を変えて、スルフェントラゾンの最大の取り込みをもつ凝集物を得た。混合物中の重量%の試薬の濃度は、以下の表1に示される。凝集物は、実施例2に記載した方法に従って得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度は、UVスペクトル分析を使用して測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾン取り込みの計算値は、表1に要約される。これらのデータは、混合物中のポリマー/界面活性剤の増加が、凝集物中へ配合されるスルフェントラゾンの量の増加を導くことを示す。
【0112】
【表1】

【実施例4】
【0113】
(Carbopol 71G、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
1mLの0.1%のCarbopol 71G(僅かに架橋結合した高分子量のポリアクリル酸)の水溶液を0.12mLの水酸化ナトリウム溶液(0.1M)と混合し、そして1.5mLのスルフェントラゾン溶液(0.5%、pH11)を加えた。得られた混合物のpHは約10であった。0.09mLのテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド溶液(10%)を、攪拌によりつくったアルカリ混合物へ添加した。白色の沈殿の完全な凝固および溶液の透明さを、攪拌の約3時間中観察した。ポリマー、界面活性剤およびスルフェントラゾンの三元複合体を含む湿った沈殿を、5分間の15000gでの遠心分離により単離した。上清のスルフェントラゾンの濃度を、実施例2で記載したUVスペクトル分析によって測定した。三元凝集物中のスルフェントラゾンの量は38.5w/w%であった。
これらの結果は、架橋結合アクリルコポリマー、農薬および界面活性剤の凝集物が形成されたことを示す。
【実施例5】
【0114】
(Carbopol Aqua 30、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Carbopol Aqua 30ポリマーおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの混合物を使用して製造された。Carbopol Aqua 30は、反転乳化重合により製造された架橋結合ポリアクリル酸であり、そしてpHに応じて100−500nmの範囲の直径の膨張したポリマー粒子の分散物として存在する。0.06mLのCarbopol Aqua 30の水性分散物(10%)を0.088mLの水酸化ナトリウム溶液(0.1%)と混合し、そして0.75mLのスルフェントラゾン溶液(2%、pH11)を添加した。得られた混合物のpHは約10であった。0.225mLのテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(10%)および0.377mLの水を、攪拌により製造されたアルカリ混合物へ添加した。凝集物の沈殿を分離し、そして上清を実施例2に記載されたように分析した。不溶性のCarbopol Aqua 30/テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド凝集物中へのスルフェントラゾンの取り込みは、90%であると計算された。
この実施例は、架橋結合ポリマーが使用されて本発明の凝集物を形成することを示す。
【実施例6】
【0115】
(種々の分子量のポリマー、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物を、線状のポリアクリル酸ナトリウム塩およびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの混合物を用いて製造した。種々の分子量の一連のポリマー(BASFからのSokalan PAシリーズ)を用いた。0.06mLの対応するSokalanポリマーの水溶液(10%)を0.75mLのスルフェントラゾン溶液(2%、pH11)と混合した。得られた混合物のpHは約10であった。0.225mLのテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(10%)および0.377mLの水を、攪拌により製造されたアルカリ混合物へ添加した。混合物中のスルフェントラゾン濃縮物を一定に保持し、そして1%であった。実施例2に記載された方法に従って凝集物が得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表2に要約された。
【0116】
【表2】

【0117】
この実施例は、使用したポリマーの分子量と凝集物中の農薬の取り込みとの関係を示す。より小さい分子量が、凝集物中へのスルフェントラゾンのより大きな取り込みを生ずる。
【実施例7】
【0118】
(ポリアクリル酸、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物を、線状ポリアクリル酸(MW250000、Sigma)およびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド界面活性剤を使用して製造された。0.037mLのポリアクリル酸の水溶液(1.94%)を、0.05mLの水酸化ナトリウム(0.2M)および0.456mLのスルフェントラゾン溶液(1.3%、pH11.7)と混合した。得られた混合物のpHは約10であった。0.02mLのテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(18.3%)および1.437mLの水を、攪拌により製造されたアルカリ混合物へ添加した。実施例2に記載された方法に従って凝集物が形成されそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みおよび量の計算値は、それぞれ58.75%および43.3%であった。
この実施例は、他のより大きなポリマー例えば線状アクリル酸中のスルフェントラゾン取り込みの量を示す。
【実施例8】
【0119】
(種々の濃度のスルホネート化リグニンポリマー、スルフェントラゾンおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物を、REAX 88Bポリマーおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド界面活性剤(C14NBr)を用いて製造した。REAX 88Bは、低分子量の非常にスルホネート化されたグラフトリグニンポリマーのナトリウム塩である。混合物中のスルフェントラゾン濃度を一定に保持し、0.5%であった。混合物中のポリマーおよび界面活性剤の濃度を変えて、スルフェントラゾンの最大の取り込みを有する凝集物を得た。混合物中の重量%の試薬の濃度は、以下の表3に示される。実施例2に記載された方法に従って凝集物が得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表3に要約される。
【0120】
【表3】

これらのデータは、混合物中のポリマー/界面活性剤含量が増大すると、凝集物中へ配合されるスルフェントラゾンの量が増大することを示している。
【実施例9】
【0121】
(ポリマー、スルフェントラゾンおよびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、界面活性剤成分としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用い、そしてポリマー成分としてAtlox Metasperse 550SまたはCarbopol Aqua 30を用いて製造された。混合物中のスルフェントラゾンの濃度を一定に保持し、0.5%であった。混合物中のポリマーおよび界面活性剤の濃度は、それぞれ0.2%および0.8%であった。界面活性剤の原液を加温して混合前に界面活性剤の完全な溶解を確実にした。実施例2に記載された方法に従って凝集物が得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表4に要約される。
【0122】
【表4】

【0123】
この実施例は、架橋結合されていてもまたは架橋結合されていなくても、種々のポリマーを使用して製造される凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みが高いことを示す。
【実施例10】
【0124】
(Atlox Metasperse 550S、スルフェントラゾンおよび種々の界面活性剤の凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Atlox Metasperse 550Sおよび種々のEthoquad界面活性剤を使用して製造された。種々の化学構造の一連のEthoquad界面活性剤(Akzo Nobel)を用いた。Ethoquad界面活性剤は、市販されている鎖長および対イオンが変化したモノメチルアルキル基を有するビス−エトキル化第四級アンモニウム塩である(表5)。混合物中のスルフェントラゾンの濃度を一定に保持し、0.5%であった。Atlox Metasperse 550Sの濃度はすべての場合に0.15%であった。混合物中の対応する界面活性剤の濃度を変えてスルフェントラゾンの最大の取り込みをした凝集物を得た。実施例2に記載された方法に従って凝集物が得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表5に要約される。
【0125】
【表5】

データは、スルフェントラゾンの取り込みの量がまた使用した界面活性剤の種類により変わることを示す。
【実施例11】
【0126】
(Sokalan PA−15、スルフェントラゾンおよび種々の界面活性剤の凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Sokalan PA−15(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、1200g/モルの低分子量)および種々のArquad界面活性剤を使用して製造された。種々の化学構造の一連のArquad界面活性剤(Akzo Nobel)を用いた。Arquad界面活性剤は、市販されているアルキル鎖長が変化したアルキルトリメチル第四級アンモニウムクロリドである(表6)。混合物中のスルフェントラゾンの濃度を一定に保持し、0.5%であった。Sokalan PA−15の濃度はすべての場合に0.2%であった。混合物中の対応する界面活性剤の濃度を変えてスルフェントラゾンの最大の取り込みをした凝集物を得た。実施例2に記載された方法に従って凝集物が得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表6に要約される。
【0127】
【表6】

【0128】
この実施例は、存在する溶媒および界面活性剤の疎水性基の長さが、非架橋結合の線状ポリマーにより製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みに影響することを示す。より長い疎水性基は、より大きなスルフェントラゾンの取り込みを可能にする。
【実施例12】
【0129】
(Carbopol Aqua 30、スルフェントラゾンおよび種々の界面活性剤の凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Carbopol Aqua 30、架橋結合したポリアクリル酸の膨張した粒子の分散物および種々のArquad界面活性剤を用いて製造された(表7)。混合物中のスルフェントラゾンの濃度を一定に保持し、0.5%であった。
【0130】
Carbopol Aqua 30の濃度はすべての場合に0.2%であった。混合物中の対応する界面活性剤の濃度を変えてスルフェントラゾンの最大の取り込みをした凝集物を得た。実施例2に記載された方法に従って凝集物が得られそして分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表7に要約される。
【0131】
【表7】

【0132】
この実施例は、存在する溶媒および界面活性剤の疎水性基の長さが、架橋結合ポリマーにより製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みに影響することを示す。より短い疎水性基は、より大きなスルフェントラゾンの取り込みを可能にし、そして混合された溶媒は、より大きなスルフェントラゾンの取り込みを可能にする。
【実施例13】
【0133】
(実験室の放出実験)
(Atloxポリマー/界面活性剤凝集物からの殺草剤の放出)
種々の組成およびpH値を有する媒体中へのポリマー/界面活性剤凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで6日間の間検出された。凝集物は、実施例2に記載された方法に従って、Atlox 550Sポリマーおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(C14NBr)混合物を用いて得られ分離された。混合物中の重量%の試薬の濃度は、それぞれ0.4%のAtlox 550S、1%のスルフェントラゾン、および1.5%のC14NBrであった。Atlox 550S/C14NBr凝集物へのスルフェントラゾンの取り込みは、90%と計算された。放出の検討は、上清を1.5mLの洗浄液で置き換えることにより開始された。以下の水溶液を洗浄液として用いた。水道水、0.01Mトリス/HCl緩衝液、pH=7.0および0.01Mトリス/HCl緩衝液、pH=9.0。
【0134】
サンプルを24時間振盪し、上清を超遠心分離により沈殿から分離し、そしてスルフェントラゾンの濃度をUVスペクトル分析を用いて測定した。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、式(3)に従って吸収データを使用して計算された。式中、C(SFT)washは、洗浄液中のスルフェントラゾンの濃度であり、C(SFT)complexは、凝集物中へ最初に混和されたスルフェントラゾンの濃度である。
【0135】
【数3】

Atlox 550S/C14NBr凝集物から放出されたスルフェントラゾンの計算値は、表8に要約される。
【0136】
【表8】

【0137】
この実施例は、凝集物からの帯電した農薬のコントロールされた放出、および放出に対するpHの影響(放出は高いpHで低くなる)を示す。これは、pHが7から9へ上がるとき急激に増大する遊離のスルフェントラゾンの溶解度と対照的である。
【実施例14】
【0138】
(REAX 88Bポリマー/界面活性剤凝集物からの殺草剤の放出)
種々の組成およびpH値を有する媒体中へのREAX 88B/C14NBr凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで7日間検出した。実施例8に記載された方法に従って、スルフェントラゾン/REAX 88B/C14NBr凝集物、8Cが得られそして分離された。放出の検討は、上清を1.5mLの洗浄液で置き換えることにより開始された。水道水および0.01Mトリス/HCl緩衝液、pH=9.0を洗浄液として用いた。
【0139】
サンプルを24時間振盪し、上清を超遠心分離により沈殿から分離し、そしてスルフェントラゾンの濃度をUVスペクトル分析を用いて測定した。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例13に記載された吸収データを使用して計算され、そして計算値は表9に要約される。
【0140】
【表9】

【0141】
この実施例は、凝集物からの帯電した農薬のコントロールされた放出、および放出に対するpHの影響(放出は高いpHで低くなる)をさらに示す。上記の実施例と同じく、放出は高いpHで低くなる。
【実施例15】
【0142】
(Sokalanポリマー/界面活性剤凝集物からのスルフェントラゾンの放出)
スルフェントラゾンの凝集物を、実施例6に記載したように、線状ポリアクリル酸ナトリウム塩(BASFからのSokalan PAシリーズ)およびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(C14NBr)混合物を用いて製造した。水道水中への凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで6日間検出された。放出の検討は、上清を1.5mLの水道水で置き換えることにより開始された。サンプルを24時間振盪し、上清を超遠心分離により沈殿から分離した。スルフェントラゾンの濃度をUVスペクトル分析を用いて測定した。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例13に記載された吸収データを使用して計算され、そして計算値は表10に要約される。
【0143】
【表10】

このデータは、帯電した農薬の全放出が一般にポリマーの分子量の増加とともに増大することを示す。
【実施例16】
【0144】
(Carbopol Aqua 30/界面活性剤凝集物からのスルフェントラゾンの放出)
水道水中へのスルフェントラゾン/Carbopol Aqua 30/テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(C14NBr)凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで6日間検出された。放出の検討は、1.5mLの水道水を沈殿に添加することにより開始され、次に24時間振盪した。上清を超遠心分離により沈殿から分離した。上清中のスルフェントラゾンの濃度をUVスペクトル分析を用いて測定した。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例13に記載された吸収データを使用して計算され、そして計算値は表11に要約される。
【0145】
【表11】

この実施例は、使用するポリマーが架橋結合している凝集物からの帯電した農薬の放出を示す。
【実施例17】
【0146】
(種々のポリマー/界面活性剤凝集物からのスルフェントラゾンの放出)
スルフェントラゾンの凝集物は、界面活性剤としてのEthoquad O/12 PG(オレイルメチル[エトキシル化(2)]−アンモニウムクロリド、AKZO)および種々のカルボキシレート含有ポリマーを用いて製造された(表12)。反応混合物中の成分の濃度をすべての場合に一定に保持し、そしてそれぞれスルフェントラゾンについて1%、ポリマーについて0.4%そしてEthoquad O/12 PGについて1.7%であった。水道水中およびトリス/HCl緩衝液、pH9.0中への凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで5日間測定された。放出の検討は、上清を1.5mLの洗浄液で置換することにより開始された。サンプルを24時間振盪し、上清を超遠心分離により沈殿から分離した。上清中のスルフェントラゾンの濃度は、UVスペクトル分析を用いて測定された。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例13に記載された吸収データを使用して計算され、計算された値は、表12AおよびBに要約される。
【0147】
【表12A】

【0148】
【表12B】

このデータは、Sokalanポリマーによる三元凝集物からのスルフェントラゾンの全放出を示す。
【実施例18】
【0149】
(ポリマー/種々の界面活性剤凝集物からのスルフェントラゾンの放出)
スルフェントラゾンの凝集物は、実施例11に記載したように、Sokalan PA−15(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、1200g/モルの低分子量)および種々のArquad界面活性剤を用いて製造された。水道水中への凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで6日間測定された。放出の検討は、上清を1.5mLの水で置換することにより開始された。サンプルを24時間振盪した。上清を超遠心分離により沈殿から分離した。上清中のスルフェントラゾンの濃度は、UVスペクトル分析を用いて測定された。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例13に記載された吸収データを使用して計算され、計算された値は、表13に要約される。
【0150】
【表13】

このデータは、長い疎水性鎖を有する界面活性剤が使用されるとき、低い放出を示す。
【実施例19】
【0151】
(種々のポリマー/界面活性剤凝集物からのスルフェントラゾンの放出)
スルフェントラゾンの凝集物は、実施例11に記載したように、Sokalan PA−15(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、1200g/モルの低分子量)および種々のArquad界面活性剤を用いて製造された。トリス/HCl緩衝液、pH9.0中への凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、毎日のベースで5日間測定された。放出の検討は、上清を1.5mLの洗浄液で置換することにより開始された。サンプルを24時間振盪し、上清を超遠心分離により沈殿から分離した。上清中のスルフェントラゾンの濃度は、UVスペクトル分析を用いて測定された。次に、洗浄の方法を再び繰り返した。凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例13に記載された吸収データを使用して計算され、計算された値は、表14に要約される。
【0152】
【表14】

【0153】
このデータは、実施例18のデータと比較したとき、高いpHでのスルフェントラゾンの放出は時間の経過とともに増大することを示す。
【0154】
(土壌カラムの適用の例)
土壌カラムの使用による本発明の農薬凝集物の土壌移動度の評価のための一般的なプロトコールを記述する。乾いた土壌カラムおよび湿った土壌カラムの両者を用いた。
【0155】
乾いた土壌カラムを扱う方法は以下の通りであった。24穴の長いチップポリプロピレンプレート(Whatman、24穴、10mL、GF/Cを有するナチュラルポリプロピレンフィルタープレート、No.7700−9901)の始めの3列の各穴へ、10gの土壌を加えた。どんな土壌も第4の列へ添加しなかった。プレートは、側面を軽く叩いて各穴中の土壌粒子の最低の充填を生じさせた。各処方物の添加は、4つの複製でなされ、穴の3つは土壌を含み(最初の3つの列)そして1つは土壌のない穴であった(第4の列)。各穴(土壌を有するかまたは有しない)に等量の添加処方物(固体または溶液)を添加した。土壌カラムの頂部へ約500μgの農薬が加えられた。土壌へ添加される部分は、乾燥された(添加処方物が液体であるとして)。もし添加処方物が固体ならば、溶離プロセスは直ぐに開始された。充填されかつ添加された24穴フィルタープレート(Whatman、24穴、10mL、GF/Cによるナチュラルポリプロピレンフィルタープレート、No.7700−9901)をコレクションプレート(Watman Uniplate、24穴、10mL、ナチュラルポリプロピレン丸底コレクションプレート、No.7701−5102)に置いた。蒸留水を、各穴の頂部での土壌の乱れを確実に最小にしつつ、マルチチャンネルピペットにより1.0mLずつ各穴へ添加した。乾いたカラムでは、溶離物は、約3−4mLの水が各カラムへ添加されるまで、24穴コレクションプレートに蓄積されなかった。フラクションは、1.0mL部分に集められそしてHPLCにより分析された。結果は、適切に標準化され、そして農薬が土壌カラムから溶離される速度が測定された。
【0156】
湿った土壌カラムを扱う方法は以下の通りであった。24穴の長いチップポリプロピレンプレート(Whatman、24穴、10mL、GF/Cを有するナチュラルポリプロピレンフィルタープレート、No.7700−9901)の始めの3列の各穴へ、10gの土壌を加えた。どんな土壌も第4の列へ添加しなかった。プレートは、側面を軽く叩かれて各穴中の土壌粒子の最低の充填を生じさせた。コレクションプレート(Watman Uniplate、24穴、10mL、ナチュラルポリプロピレン丸底コレクションプレート、No.7701−5102)を、土壌を詰めたフィルタープレートの下に置いた。蒸留水(3−4mL)を、土壌カラムの頂部の乱れを最小にするように各カラムへ徐々に加えるか、または水滴がコレクションプレートに現れ始めるまで加えた。湿った土壌カラムを排水させた。添加方法および乾いたカラム用のプロトコールの残りに次に従った。
【0157】
HPLCの条件。HPLCシステムはWaters Alliance 2695であった。カラムは、Phenomenex Prodigy 5μ ODS(2)、4.5mm×150mmであった。流速は1.0mL/分であった。溶媒Aはアセトニトリルであった。溶媒Bは水(0.025%TFA)であった。検出器は、Waters 2996
Photodiode Array(230nmでの定量)であった。勾配条件は表15に示される。
【0158】
【表15】

【実施例20】
【0159】
(乾いた土壌カラムを用いる評価のためのスルフェントラゾン凝集物の製造)
水中0.5%から5%に及ぶ濃度のスルフェントラゾン溶液を秤量して好適なサイズの容器中に入れる。これに、ポリアクリル酸または変性ポリアクリル酸を加える。これらは、酸の形かまたは中和した形である。過剰のNaOHを酸の形のポリアクリル酸を有するサンプルへ添加してアルカリ性pHを維持する。この段階の混合物のpHは、10−12.4の範囲にある。ポリアクリル酸のタイプに応じて、この段階での混合物は、溶液(線状ポリマー)かまたは曇っていない分散物(架橋結合ポリマー)かである。最後に、第四級アンモニウム塩を、製造者により供給されるかまたは水溶液かの何れかで加える。第四級アンモニウム塩は好ましくは混合しつつ添加される。凝集物は、白色の沈殿として形成され、沈降するかまたは粘度の高い不透明な分散物として懸濁物のままである。凝集物混合物の入った容器を次に低速で実験室用高速ミキサー(Ultra−Turrax T−25)を用いてホモゲナイズされる。Tergitol XD(乳化剤、エチレンオキシド/プロピレンオキシドのブロックコポリマー)を次に添加し、そしてホモゲナイザーの速度を上げそして約1分間維持する。この方法の生成物は曇っていない流体の分散物である。この実施例に従って凝集物をつくるのに使用される種々の成分の量を表16にリストされる。
【0160】
【表16】

【0161】
サンプルの一部をさらに以下のように処理した。混合物の一部を1晩50℃で乾燥して重量を一定にした。残存物は曇っていない無色のフィルムであった。0.14gの乾いた残存物を1.886gのクロロホルム中に溶解した。溶液は透明で淡黄色であり、3.1%のスルフェントラゾンと分析された。
【0162】
生成した乾いた土壌カラムは、凝集物中のスルフェントラゾンの移動度を評価するのに利用された。このテストの結果は、図1に示される。このデータは、土壌中の農薬の溶離が本発明の凝集物対遊離のスルフェントラゾンによりコントロールされることを示す。
【実施例21】
【0163】
(ナトリウムポリアクリレートおよび第四級アミンを用いる放射標識スルフェントラゾン凝集物処方物の製造)
以下の方法は、土壌への適用について放射標識処方物中のスルフェントラゾンの量をほぼ固定してポリアクリル酸および第四級アンモニウムクロリドの種々の比を評価するのに使用される。
【0164】
スルフェントラゾンの5%w/w活性水溶液(pH12.4)は、5.0gのスルフェントラゾン(未精製)、94gの脱イオン水および6gの10%w/w水酸化ナトリウム溶液を200mL容瓶で組み合わせそして60℃に加熱しつつ攪拌することにより製造された。溶解したとき、溶液を冷やしそして脱イオン水を加えて合計100gにする。メタノール中の放射標識スルフェントラゾン溶液を、溶液が透明のままであるように必要なレベルでこの溶液中に加える。10gのポリアクリル酸に等しい容積のSokalan PA−15(供給時45.4%ナトリウムポリアクリレート、BASF)を、激しく攪拌しつつ脱イオン水により100gへ希釈してポリ酸を分散または溶解した。溶液は透明であって、どんな粒子物も見ることができなかった。
【0165】
AKZOから入手できるアルキルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquads)(C14アルキル生成物は市販されていないが、標準の比較的純粋な生成物として使用され、そしてArquad C16/29は、C16アルキルトリメチルアンモニウムクロリドの29%溶液を意味する)を供給されたまま用いた。
【0166】
スルフェントラゾン溶液、Sokalan PA−15(ナトリウムポリアクリレート)溶液および水を20mL容ガラスバイアル中で組み合わせそしてボルテキサーで混合して曇っていない溶液を形成した。第四級アミン溶液を攪拌しつつ徐々に添加した。混合物の組成は表17に示される。溶液のほぼ半分が添加された後、沈殿が形成し始めた。混合をさらに10分間続けて沈殿を完成させた。バイアルをポリエチレンバッグで覆って放射標識が漏れるのを防いだ。
【0167】
【表17】

【0168】
図2は、凝集物からのスルフェントラゾンの放出を示す。図2は、標準のスルフェントラゾン(未精製)溶液(左側のカラム)と比較した、水による溶離後の媒体として土壌を用いるTLCプレート上の放射標識スルフェントラゾン凝集物(右側のカラム)の移動を示す。スルフェントラゾンの濃度は、放射の痕跡中の濃淡の濃さにより示される。左側のチャンネルは、未精製のスルフェントラゾンが適用した点から移動してチャンネルの最も末端に近くバンドを形成することを示す。中間域にはどんなスルフェントラゾンも肉眼で認められない。右側のチャンネルは、凝集物中のスルフェントラゾンの部分がほとんど移動することがないが、顕著な量が土壌チャンネルの全長に沿って分布していることをしめす。これらのデータは、凝集物の形のスルフェントラゾンが土壌の移動が少ないことそして土壌中に分布して溶脱が最小であることおよび成長する根の領域で有効な濃度をもたらすことを示す。
【実施例22】
【0169】
(本発明による他の組成物の製造および分析)
(Geropone、スルフェントラゾンおよび種々の界面活性剤の凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Geropone EGPM(マレイン酸含有ポリマー(Rhodia))および種々のArquad界面活性剤を用いて製造された。混合物中のスルフェントラゾンの濃度は一定に保持され、0.5%であった。Geroponeの濃度はすべての場合において1.5%であった。混合物中の対応する界面活性剤の濃度は2.2%であった。非粘着性の沈殿の白色のフレークの形成が、すべての場合に観察された。凝集物は、実施例2に記載された方法に従って分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。製造された凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みの計算値は、表18に要約される。
【0170】
【表18】

データは、凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みおよび量が、界面活性剤の疎水性基の長さが増すと増大することを示す。
【実施例23】
【0171】
(Geropone/Arquad凝集物からのスルフェントラゾンの放出)
スルフェントラゾンの凝集物は、実施例22に記載されたように、Geropone EPGM(マレイン酸含有ポリマー(Rhodia))および種々のArquad界面活性剤を用いて製造された。水道水中またはトリス/HCl緩衝液(pH9.0)中への凝集物からのスルフェントラゾンの放出は、実施例17に記載された方法に従って毎日のベースで5日間測定された。放出されたスルフェントラゾンの計算値は、表19に要約される。
【0172】
【表19】

このデータは、スルフェントラゾンの放出がコントロールされそして全放出が高いpHで大きいことを示す。
【実施例24】
【0173】
(反対に帯電した農薬およびポリマーを用いる凝集物の製造)
(スルフェントラゾン、ポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド)およびナトリウムドデシルスルフェートの凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、カチオン性ポリ電解質ポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド)(PDADMAC)およびアニオン性界面活性剤ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)を用いて製造された。0.32mLのスルフェントラゾン溶液(1.3%、pH11.7)を0.456mLのSDS水溶液(5.76%)と混合し、1日放置し、次に1mLのPDADMAC溶液(0.67%)を攪拌しつつ加えた。凝集物が形成されそして実施例2に記載した方法に従って分離された。上清中のスルフェントラゾンの濃度はUVスペクトル分析を用いて測定された。凝集物中のスルフェントラゾンの取り込みおよび量の計算値は、それぞれ8%および3.5%であった。
【実施例25】
【0174】
(スルフェントラゾン、Polyquatermium 7およびStepwet DF−90の凝集物の製造)
スルフェントラゾンの10%溶液は、スルフェントラゾンを1当量の水酸化ナトリウム溶液に溶解し1晩攪拌することにより製造された。この溶液中の3.87gのスルフェントラゾンを20mL容ガラスバイアルに入れ、そして7.24g(1当量)のPolyquatermium 7(ポリ[(N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミニウムクロリド)])を添加した。混合物を室温でボルテックスミキサーを用いて攪拌した。アニオン性界面活性剤とカチオン性ポリマーおよびアニオン性農薬との混合は、沈殿の形成を生じさせた。実施例2に記載された方法を用いて、凝集物が最低量のみの農薬を含むに過ぎないことが計算された。
【実施例26】
【0175】
(スルフェントラゾン、Polyquatermium 7およびAgnique PE TDA−6の凝集物の製造)
実施例25のプロセスを繰り返したが、ただし5.65g(2当量)のAgnique PE TDA−6(トリスチリルフェノールのホスフェートエステル)をStepwet DF−90の代わりに用いた。アニオン性界面活性剤とカチオン性ポリマーおよびアニオン性農薬との混合は、沈殿の形成を生じさせた。実施例2に記載された方法を用いて、凝集物が最低量のみの農薬を含むに過ぎないことが計算された。
【0176】
実施例24−26の結果は、凝集物が農薬のそれと反対の電荷を有するポリマーを用いて形成できるが、このような態様は、反対に帯電したポリマーおよび農薬から生成される凝集物におけるよりも、より少ない農薬が凝集物に取り込まれるので、より好ましくない。
【実施例27】
【0177】
(カチオン性ポリマーおよびアニオン性界面活性剤を用いる凝集物の製造)
パラコート(正に帯電した農薬)の10%溶液は、Gramoxone Maxを蒸留水により希釈することにより製造された。1.29gのパラコート(1当量)を20mL容のガラスバイアルに入れた。1当量の10%水酸化ナトリウム溶液を3.62g(1当量)のPolyquatermium 7(ポリ[(N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミニウムクロリド)])とともに加えた。混合物をボルテックスミキサーを用いて室温で攪拌した。4.12g(2当量)のStepwet DF−90(ナトリウムアルキルベンゼンスルホネート)の10%溶液を加えそして混合物を攪拌した。沈殿が形成された。実施例2に記載された方法を用いて、47%の農薬が得られた凝集物中に含まれたことが計算された。
実施例27は、凝集物がカチオン性農薬を用いて生じたことを示す。
【実施例28】
【0178】
(他の農薬を含む凝集物の製造)
100gのリストされた活性成分を20mL容のバイアルに入れ、そして1当量の1モル水酸化ナトリウム溶液を加えた。活性成分が溶解するまで、混合物を攪拌した(もし必要ならば、0.5または1.0gの脱イオン水が添加された)。1当量のSokalan PA−15(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、1200g/モルの低分子量)を加え、そして混合物を混合した。2当量のArquad 18/50オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(イソプロパノール水溶液)を加え、そして混合物をボルテックスミキサーを用いて攪拌した。実施例2に記載されたのと同様な方法を用いて、凝集物中に混和された農薬の量を測定した。これらのテストの結果を表20に要約する。
【0179】
【表20】

上記の結果は、広範囲の帯電した農薬が本発明の凝集物中に混和されることを示す。
【実施例29】
【0180】
(Ethacryl M、BifenthrinおよびArquad界面活性剤の凝集物の製造)
ビフェンスリン(帯電しておらずそしてオクタノール/水分配係数logP>6を特徴とする農薬)の凝集物を、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))およびオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquad 18/50、Akzo Nobel)界面活性剤を用いて製造した。0.224mLのArquad 18/50のエタノール中4%の溶液を0.14mLのEthacryl Mのエタノール溶液(4%)、および0.005mLのNaOHの水溶液(4%)と混合した。種々の量のビフェンスリンの0.5%エタノール溶液を、表21に示されるように混合物中に添加した。混合物を十分に混合し、次に白色の粉末状の残存物がバイアルに残るまで、エタノールを蒸発させた。それぞれの固体の組成物を攪拌しつつ2.5mLの水で再水和し、すべての場合に不透明分散物が形成された。分散物中のビフェンスリンの含量は、ビフェンスリンの較正曲線の式を用いてUVスペクトル分析により測定された(Abs=0.0125+4.3694Cbifenthrin、r=0.999)。エタノール中0−0.58mg/mLのビフェンスリンを含む標準溶液を用いて、Perkin−Elmer Lambda 25分光光度計を使用して260nmでの吸収を計ることによって較正曲線を得た。すべてのビフェンスリンを形成時に分散物中に混和した。ビフェンスリンを含む複合体粒子のサイズは、「Zetaplus」Zeta Potential Analyzer(Brookhaven Instrument Co.)を用いて動的光散乱により測定して約1ミクロンであった。0.4mg/mLのビフェンスリンを含む分散物は、少なくとも24時間安定であり、ビフェンスリンの細かい結晶が形成される。0.2mg/mL<のビフェンスリン濃度を有する分散物は2日間安定であるが、0.12mg/mLのビフェンスリン濃度を有する分散物は少なくとも3日間安定であり、ビフェンスリンの肉眼で認められる沈殿は生じなかった。
【0181】
【表21】

このデータは、疎水性農薬を有する凝集物の製造を示す。
【0182】
(比較実験E。界面活性剤が存在しないビフェンスリン+Ethacryl M)
ビフェンスリン(帯電しておらずそしてオクタノール/水分配係数logP>6を特徴とする農薬)の凝集物を、界面活性剤の不存在下、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))と混合した。0.06mLのビフェンスリンの0.5%エタノール溶液を、0.14mLのEthacryl Mのエタノール溶液(4%)および0.005mLのNaOHの水溶液(4%)と混合し、次に白色の粉末状残存物がバイアルに残るまで、エタノールを蒸発させた。固体の組成物を、攪拌しつつ2.5mLの水で再水和した。凝集物はないがビフェンスリンの細かい結晶が存在する曇っていない溶液が形成された。得られた混合物を5分間15000gで遠心分離し、そして水性の上清を分離した。上清中のビフェンスリンの含量は、ビフェンスリンの較正曲線の式を用いてUVスペクトル分析により測定された(Abs=0.0125+4.3694Cbifenthrin、r=0.999)。エタノール中0−0.58mg/mLのビフェンスリンを含む標準溶液を用いて、Perkin−Elmer Lambda 25分光光度計を使用して260nmでの吸収を計ることによって較正曲線を得た。どんなビフェンスリンも溶液中で検出されなかった。
【実施例30】
【0183】
(Ethacryl M,スルフェントラゾンおよびArquad界面活性剤の凝集物の製造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))およびオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquad 18/50、Akzo Nobel)界面活性剤の混合物を用いて製造された。0.125mLのスルフェントラゾン溶液(2%、pH11.6)を、0.176mLのEthacryl M溶液(4%)および0.149mLの水と混合した。どんな凝集物の形成も観察されなかった。0.05mLのArquad 18/50溶液(10%)を、攪拌しつつ製造された混合物へ添加すると、不透明分散物の形成が直ちに観察された。複合分散物の一部を、Microcon遠心分離フィルター装置YM−10(10000ダルトンの名目分子量限界(NMWL)を有する膜)を用いて遠心分離され(10000gで10分間)、そして複合体へ結合しない曇っていない濾液中のスルフェントラゾンの濃度は、λ=261nmでのスルフェントラゾンに関する16750モル−1cm−1Lのモル吸光係数を使用してUVスペクトル分析によって測定された。UV測定では、コントロールおよびブランク溶液の両者は、0.002%w/wのスルフェントラゾンの濃度へ希釈され、それらの吸収UVスペクトルが記録された。添加されたスルフェントラゾンの最初の濃度(C(SFT)init)と濾液中のスルフェントラゾンの最終濃度(C(SFT)filt)との間の差として、そして最初の濃度の%として表示されて、複合体へのスルフェントラゾンの取り込みは、式(4)に従って吸収データを用いて計算された。
【0184】
【数4】

【0185】
溶液からのスルフェントラゾンの取り込みは約95%と測定された。分散物中の凝集物の粒子のサイズは、「Zetaplus」Zeta Potential Analyzer(Brookhaven Instrument Co.)を用いて動的光散乱により測定して約250nmであった。どんな肉眼で見える沈殿も、少なくとも3日間観察されなかった。
【実施例31】
【0186】
(Ethacryl M、DicambaおよびArquad界面活性剤の凝集物の製造)
Dicamba(3,6−ジクロロ−o−アニシン酸ジメチルアミン塩)の凝集物は、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))およびArquad界面活性剤の混合物を用いて製造された。0.075mLのDicamba溶液(10%)を0.184mLのEthacryl M溶液(4%)および0.149mLの水と混合した。どんな凝集物も観察されなかった。混合物中のDicambaの濃度を一定に保持し、そして0.5%であった。Ethacryl Mの濃度は、すべての場合に0.5%であった。混合物中の対応する界面活性剤の濃度を変えて、Dicambaの最大の取り込みを有する凝集物を得た。ポリマー/Dicamba混合物への界面活性剤溶液の添加後、不透明な分散物の形成が直ちに観察された。凝集物分散物の一部を、Microcon遠心分離フィルター装置YM−10(10000ダルトンの名目分子量限界(NMWL)を有する膜)を用いて遠心分離され(10000gで10分間)、そして凝集物へ結合しない曇っていない濾液中のDicambaの濃度は、λ=275nmでのDicambaに関する1.84mg−1cm−1Lのモル吸光係数を使用してUVスペクトル分析によって測定された。UV測定では、コントロールおよびブランク溶液の両者は、0.005%w/wのDicambaの濃度へ希釈され、それらの吸収UVスペクトルが記録された。添加されたDicambaの最初の濃度(C(DC)init)と濾液中のDicambaの最終濃度(C(DC)filt)との間の差として、そして最初の濃度の%として表示されて、凝集物へのDicambaの取り込みは、式(4)に従って吸収データを用いて計算された。
【0187】
【数5】

【0188】
溶液からのDicambaの取り込みは70%以下と測定された。分散物中の凝集物の粒子のサイズは、「Zetaplus」Zeta Potential Analyzer(Brookhaven Instrument Co.)を用いて動的光散乱により測定して約560nmであった。どんな肉眼で見える沈殿も、少なくとも3日間観察されなかった。
【0189】
【表22】

【実施例32】
【0190】
(Ethacryl M、PendimethalinおよびArquad界面活性剤の製造)
ペンジメタリン(帯電しておらずそしてオクタノール/水分配係数logP=5.2を特徴とする農薬)の凝集物を、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))およびタローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquad T−50、Akzo Nobel)界面活性剤の混合物を用いて製造した。0.032mLのArquad T−50の5.1%エタノール溶液を、0.2mLのEthacryl Mのエタノール溶液(4%)、0.005mLのNaOH水溶液(4%)および0.1mLのペンジメタリンの2%のアセトニトリル溶液と混合した。混合物を十分に混合し、次に黄色の粉末状の残存損物がバイアルに残るまで有機溶媒を蒸発させた。固体の組成物を攪拌しつつ2mLの水で再水和し、不透明な分散物が形成された。分散物中のペンジメタリンの含量は、ペンジメタリンの較正曲線の式を用いてUV−VISスペクトル分析によって測定された(Abs=−0.002+14.119Cpendimethalin=0.999)。エタノール中0−0.06mg/mLのペンジメタリンを含む標準溶液を用いて、Perkin−Elmer Lambda 25分光光度計を使用して428.8nmでの吸収を計ることによって較正曲線を得た。すべてのペンジメタリンは、形成時に分散物中へ混和された。ペンジメタリンを含む複合体粒子のサイズは、「Zetaplus」Zeta Potential Analyzer(Brookhaven Instrument Co.)を用いて動的光散乱により測定して約220nmであった。2mg/mLのペンジメタリンを含む分散物は、少なくとも2日間安定であり、ペンジメタリンの肉眼で見える沈殿はなかった。
【実施例33】
【0191】
(Tebuconazoe,Ethacryl MおよびArquad T−50の凝集物の製造)
8.0gのEthacryl Mを12.0gのArquad T−50[タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド(イソプロパノール水溶液)]へ加え、そして成分を混合して曇っていない溶液を形成した。2.0gのテブコナゾール(未精製、95%)を添加し、そして混合物を2時間35℃で磁気で攪拌して、曇っていない淡黄色の処方物を形成した。処方物は、農業用の適用に有用な濃度(典型的には500−1000ppm活性)に水で容易に希釈可能であり、スプレイの使用に理想的な曇っていない組成物を形成した。0.50gの処方物を25℃で50mLの脱イオン水で希釈し、そして希釈した組成物の一部をまた24時間2℃に保持した。両方の処方物には、結晶がないままであった。25℃で保持された希釈した組成物には、3日より長く結晶がないままであった。処方物のチェータ電圧は、+62.4mVと測定されて、テブコナゾールを含む凝集物が正に帯電していることを示す。
【実施例34】
【0192】
(Tebuconazole、Ethacryl MおよびArquad T−50の凝集物の誠造)
実施例34のそれと同じプロセスを用い、以下の表23に示される成分の量を使用して、Ethacryl M、Arquad T−50およびテブコナゾールのいくつかの追加の凝集物を形成した。
【0193】
【表23】

【0194】
処方物34A−34Dは、すべて透明であったが、処方物34Eでは沈殿が観察された。50mLの脱イオン水による希釈後、どんな結晶化も処方物34A−34Dでは観察されなかったが、結晶は処方物6Eで観察された。これらの例は、ポリマー対界面活性剤の比を変えることがこの特別な処方物の安定性に影響することを示す。
【実施例35】
【0195】
(Ethacryl M、Sokalan PA−15、スルフェントラゾンおよびArquad界面活性剤の凝集物の誠造)
スルフェントラゾンの凝集物は、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))およびSokalan PA−15(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、1200g/モルの低分子量)の混合物を使用して誠造された。種々の化学構造の一連のArquad界面活性剤(Akzo Nobel)は、凝集物の界面活性剤成分として使用された(表24)。
【0196】
【表24】

【0197】
凝集物は、実施例34に記載されたように誠造された。混合物中のポリマー(Ethacryl MおよびSokalan PA−15)のモル比は1:2.3(モル/モル)であった。混合物を十分に混合し、次に白色の粉末状残存物がバイアルに残るまで、溶媒を蒸発させた。固体の組成物のそれぞれを、攪拌しつつ水で再水和して1mg/mLのスルフェントラゾンの最終濃度を有する分散物を誠造した。濁った分散物がすべての場合に形成された。分散物中の粒子のサイズは、Saturn DigiSizer 5200 Analyzer(Micromeritics)を用いて動的光散乱によって測定され、表25に示される。どんな肉眼で見える沈殿も少なくとも24時間分散物中に観察されなかった。
【0198】
【表25】

【実施例36】
【0199】
(テブコナゾール、ポリマー混合物およびArquad界面活性剤の凝集物の製造)
テブコナゾール(帯電しておらずそしてlog=3.7のオクタノール/水分配係数を特徴とする殺かび剤)の凝集物を、Ethacryl M(ポリオールペンダント基による櫛形枝分かれ構造のポリアクリル酸コポリマーのナトリウム塩(Lyondell))およびPPED(ペンダントC14−C16疎水性基を有する櫛形構造のエトキシル化アニオン性カルボキシレート含有コポリマー(Akzo Nobel))の混合物を用いて製造した。タローアルキルアンモニウムクロリドであるArquad T−50(Akzo Nobel)を凝集物の界面活性剤として使用した。0.04mLのArquad T−50の12.8%エタノール溶液を、0.14mLのEthacryl Mのエタノール溶液(4%)、0.074mLのPPEM溶液(エタノール中10%)、0.02mLのNaOH水溶液(4%)および0.3mLのテブコナゾールの1%アセトニトリル溶液と混合した。混合物中のポリマー、Ethacryl MおよびPPEMのモル比は2.3:1であった。混合物を十分に攪拌し、次に白色のワックス状の残存物がバイアルに残るまで、有機溶媒を蒸発させた。固体の組成物を攪拌しつつ1mLの水で再水和し、そして濁った分散物が形成された。分散物中のテブコナゾールの含量は3mg/mLであった。分散物中のポリマー/界面活性剤成分の全濃度は約1.8%であった。テブコナゾールに対する凝集物の量の能力は14%w/wであった。テブコナゾールを含む凝集物粒子のサイズは、「ZetaPlus」Zeta Potential Analyzer(Brookhaven Instrument Co.)を用いて動的光散乱によって測定して、約220nmであった。3mg/mLのテブコナゾールを含む分散物は、少なくとも48時間安定であり、どんな肉眼で見えるテブコナゾールの沈殿はなかった。
【実施例37】
【0200】
(ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド)−b−ポリ(エチレンオキシド)、テブコナゾールおよびアニオン性界面活性剤の凝集物の製造)
テブコナゾール(帯電しておらずそしてlog=3.7のオクタノール/水分配係数を特徴とする殺かび剤)の凝集物を、カチオン性ポリマー((ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド)(PEO−b−PEVP))およびアニオン性界面活性剤−ナトリウムドデシルスルフェート(SDS)を用いて製造した。PEO−b−PEVPのブロックの長さは、PEOについて110であり、PEVPについて200であった。0.33mLのPEO−b−PEVPの1%エタノール溶液、0.1mLのSDS溶液(エタノール中1%)、および0.3mLのテブコナゾールの1%アセトニトリル溶液を混合した。混合物を十分に混合し、次に白色の粉末状残存物がバイアルに残るまで、有機溶媒を蒸発させた。固体の成分を攪拌しつつ1mLの水で再水和し、僅かに不透明な分散物が形成された。分散物中のテブコナゾールの含量は1mg/mLであった。分散物中のポリマー/界面活性剤成分の全濃度は約1.3%であった。
【0201】
テブコナゾールに対する凝集物の量の能力は7.4%w/wであった。テブコナゾールを含む凝集物粒子のサイズは、「ZetaPlus」Zeta Potential Analyzer(Brookhaven Instrument Co.)を用いて動的光散乱によって測定して、約120nmであった。3mg/mLのテブコナゾールを含む分散物は、少なくとも24時間安定であり、どんな肉眼で見えるテブコナゾールの沈殿はなかった。
【実施例38】
【0202】
(スルフェントラゾン、Arquad 16/29および櫛形構造ポリマーの凝集物の製造)
分散物の形の凝集物は、スルフェントラゾン、Arquad 16/29(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムスルフェート)および種々の櫛形構造ポリマーを、以下の表26にリストされた量(g)および順序で混合することにより生成された。
【0203】
【表26】

【0204】
すべての3つの混合物は、曇っていない淡黄色の処方物を生成した。0.50gのそれぞれの凝集物をネスラー管中の20mLの水へ加え、そして管を逆さにすることにより混合した。10回逆さにすることにより、すべて曇っていない透明な処方物を形成し、それらは4時間後も安定であった。希釈された溶液を顕微鏡で検査すると、肉眼で見える凝集物は示されず、それはそれらが1ミクロンより小さい粒子サイズを有することを示す。
【実施例39】
【0205】
(Oxamyl、Sokolan PA−15およびArquad 18/50の凝集物の製造)
0.105gのオキサミル(未精製)、0.456gの4%NaOH溶液、0.48gのSokolan PA−15(10%溶液)および0.65gのArquad 18/50をバイアルに入れそして振動振盪機で激しく攪拌して、曇っていない処方物を得た。0.03gの処方物を3mLの脱イオン水と混合し、白色の沈殿を得た。
【実施例40】
【0206】
(Sokolan PA−15、スルフェントラゾンおよびヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドの凝集物)
スルフェントラゾンの凝集物は、Sokalan PA−15(線状ポリアクリル酸ナトリウム塩、1200g/モルの低分子量)の酸形およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドを用いて製造された。混合物中のスルフェントラゾンの濃度は0.5%であり、Sokolanの濃度は0.2%であり、そして界面活性剤の濃度は0.5%であった。凝集物が得られそして実施例2に記載された方法に従って分離される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも3つの同様に帯電した静電性部分を有するポリマー、
(b)ポリマーに対して反対の電荷を有する少なくとも1つの静電的に帯電した部分を有する両性界面活性剤、
(c)農薬
を含む混合物から製造されることを特徴とする実質的に水不溶性の農薬凝集物。
【請求項2】
該凝集物が沈殿の形である請求項1の農薬凝集物。
【請求項3】
該凝集物がコロイド状分散物の形である請求項1の農薬凝集物。
【請求項4】
農薬が少なくとも1つの静電的に帯電した部分を含む請求項1の農薬凝集物。
【請求項5】
農薬の電荷がポリマーのそれと同じである請求項4の農薬凝集物。
【請求項6】
成分(c)が疎水性農薬であり、成分(a)が少なくとも3つの同様に帯電した静電性部分を有する親水性ポリマーである請求項1の農薬凝集物。
【請求項7】
成分(a)が、ポリカチオン性ポリマーでありそして成分(b)がアニオン性界面活性剤である請求項1の農薬凝集物。
【請求項8】
成分(a)がポリアニオン性ポリマーでありそして成分(b)がカチオン性界面活性剤である請求項1の農薬凝集物。
【請求項9】
農薬成分(c)が、ヒドロキシベンゾナイトライト類、ピリジンカルボン酸類、トリアゾロピリミジン類、フェノキシカルボン酸を含む使用される安息香酸類、ジフェニルエーテル類、グリシン誘導体類、ベンゾイル尿素類、アニリド類、イミダゾリニオン類、トリケトン類、スルホニル尿素類、ジニトロアニリン類、フェノキシプロピオネート類、第四級アンモニウム化合物類、ギベレリン類、ピレスロイド類、トリアゾリノン類、アセトアニリド類、トリアジン類、安息香酸、アゾール類、ストロビルリン類、置換ベンゼン類、トリアゾール類、カルバメート類およびジニトロアニリン類からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1の農薬凝集物。
【請求項10】
農薬成分(c)が、2,4−D、ブロモキシニル、クロピラリド、クロルアンスラム−メチル、ジカムバ、フェンヘキサミド、ホルメサフェン、グリホサート、グルホシネート、イマゼタピル、メソトリオン、ニコスルフロン、オリザリン、パラコート、ジコート、キザロフォプ−P、スルフェントラゾン、ルフェヌロン、ノバルロン、ジベルリン酸、ビフェンスリン、スルフェントラゾン、メトアクロール、アトラジン、アラクロール、アセトクロール、ジカムバ、フルトリアフォール、アゾキシストロビン、クロロタロニル、テブコナゾール、オキサミルおよびペンジメタリンからなる群から選ばれる請求項1の農薬凝集物。
【請求項11】
界面活性剤成分(b)が、米国環境保護庁の「農薬製品における不活性(他の)農薬成分(Inert(other)Pesticide Ingredients in Pesticide Products)」のリストにある請求項1の農薬凝集物。
【請求項12】
界面活性剤成分(b)が、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、エトキシル化第四級アンモニウム塩、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネートおよびトリスチリルフェノールのホスフェートエステルからなる群から選ばれる請求項1の農薬凝集物。
【請求項13】
界面活性剤成分(b)が、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ココアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ココアルキルメチル[エトキシル化(2)]アンモニウムニトレート、ココアルキルメチル[エトキシル化(2)]アンモニウムクロリド、ココアルキルメチル[エトキシル化(15)]アンモニウムクロリド、トリス(2−ヒドロキシエチル)タローアルキルアンモニウムアセテート、オレイルメチル[エトキシル化(2)]アンモニウムクロリド、水素化タローアルキル(2−エチルヘキシル)ジメチルアンモニウムスルフェート、ジココアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ナトリウムドデシルスルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、およびトリスチリルフェノールのホスフェートエステルおよびナトリウムラウリルスルフェートからなる群から選ばれる請求項1の農薬凝集物。
【請求項14】
成分(a)が、米国環境保護庁の「農薬製品における不活性(他の)農薬成分」のリストにある請求項1の農薬凝集物。
【請求項15】
ポリマー化合物(a)が、スチレン−アクリルコポリマー、ペンタエリスリトールエーテル架橋結合アクリル酸ポリマー、水性アクリルエマルション、線状ポリアクリル酸ポリマー、スルホン化グラフトリグニンポリマー、無水マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリスチレンスルホン酸ポリマー、ポリアリルアルキルアンモニウムポリマー、ポリ[N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アンモニウムクロリド]、ポリ(アルキレン−オキシド)−ブロック−ポリ(ビニルピリジニウム)コポリマー、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとの第四級コポリマー、ビニルピロリドンコポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイン酸エステルコポリマーおよびポリエーテルポリカルボキシレート並びにこれらの塩からなる群から選ばれる請求項1の農薬凝集物。
【請求項16】
ポリマー性化合物(a)が、メタスパース(Metasperse) 550S、カーボポール(Carbopol) 71G、カーボポール アクア(Aqua) 30、ポリクォーターニウム(Polyquarternium) 7、ソカラン(Sokalan) PA15、ソカラン PA 25 CLPN、ソカラン 30 CLPN、ソカラン PA 40、ソカラン PA 110s、REAX 88B、ゲロポン(Geropon) EGPM、ポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリクォーターニウム 11,ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジウムブロミド)、ポリ[N,N−ジメチル−N−2−プロペニル−2−プロペン−1−アンモニウムクロリド]、アクゾ(Akzo) PPEM 9376、エタクリル(Ethacryl) P,エタクリル M、エタクリル Gおよびエタクリル HFからなる群から選ばれる請求項1の農薬凝集物。
【請求項17】
請求項1の農薬凝集物および農業上許容できる担体を含むことを特徴とする農薬組成物。
【請求項18】
農薬が、少なくとも1つの静電的に帯電した部分を含む請求項17の農薬組成物。
【請求項19】
農薬の電荷がポリマーのそれと同じである請求項18の農薬組成物。
【請求項20】
成分(c)が疎水性農薬であり、成分(a)が少なくとも3つの同様に帯電した静電性部分を有する親水性ポリマーである請求項17の農薬組成物。
【請求項21】
成分(a)がポリカチオン性ポリマーであり、成分(b)がアニオン性界面活性剤である請求項17の農薬組成物。
【請求項22】
成分(a)がポリアニオン性ポリマーであり、成分(b)がカチオン性界面活性剤である請求項17の農薬組成物。
【請求項23】
有害生物の場所へ有害生物を殺滅するのに有効な量の請求項17の農薬組成物を適用することを特徴とする有害生物をコントロールする方法。
【請求項24】
農薬が少なくとも1つの静電的に帯電した部分を含む請求項23の方法。
【請求項25】
農薬の電荷がポリマーのそれと同じである請求項24の方法。
【請求項26】
成分(c)が疎水性の農薬であり、成分(a)が少なくとも3つの同様に帯電した静電性部分を有する親水性ポリマーである請求項23の方法。
【請求項27】
成分(a)がポリカチオン性ポリマーであり、成分(b)がアニオン性界面活性剤である請求項23の方法。
【請求項28】
成分(a)がポリアニオン性ポリマーであり、成分(b)がカチオン性界面活性剤である請求項23の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−513305(P2010−513305A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541585(P2009−541585)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/087398
【国際公開番号】WO2008/076807
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(508204179)イノバフォーム テクノロジーズ エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】