説明

近接場発生素子、及び、熱アシスト素子

【課題】近接場を効率良く対象物に伝達し、かつ、対象物との距離を制御する近接場発生素子と、この近接場発生素子を備えた熱アシスト素子とを得る。
【解決手段】光源5と、光源5の光放射側に配置され、光源5からの光により近接場が励起される近接場発生部2とを備えた近接場発生素子である。この近接場発生素子は、所定間隔を有するように基体上に設けられた1対のヒータ部3と、1対のヒータ部3の上に設けられ、近接場発生部2を支持する近接場発生部支持部4とを備えている。近接場発生部支持部4は、1対の絶縁部6と、加熱によって膨張変形する1対の熱変形部7とを有している。そして、近接場発生部2は、突起部2aと、光源5から光を直接照射される窪み2bを有するとともに、1対の熱変形部7の上に跨がるように架設されている。熱アシスト素子は、上記近接場発生素子を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接場発生素子と、この近接場発生素子を用いた熱アシスト素子とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、局在光である近接場を利用した様々なアプリケーションが開発されている。それらのアプリケーションは、回折限界以下の領域に光を集中させることができるという特性を利用したものである。その一つに近接場露光がある。近接場露光とは、近接場発生素子を用いてレジストなどを露光するものであり、微細なパターンを露光することが可能であることから注目されている。その他にも、光技術と磁気記録再生技術との融合による高密度記録を実現する技術である、熱アシスト磁気記録技術が研究されている。
【0003】
そして、光記録媒体や磁気記録媒体およびこれらの記録再生装置においては、大容量化を目指してさまざまな研究開発が行われているわけだが、上述した熱アシスト磁気記録技術が、次世代高密度磁気記録として注目を浴びている。この技術は、熱揺らぎに強い高保磁力を有する磁気記録媒体に対して磁気記録を行うものである。具体的には、室温で磁気補償点温度を有する磁気記録媒体に光を照射し、局所的に磁気記録媒体の温度を上げると、温度が上がった部位では保磁力が減少するので、通常使用されているような発生磁界の大きさの磁気ヘッドによる磁気記録が可能になるというものである。また近年では、上述の熱アシスト磁気記録技術よりもさらに高密度記録を行うため、近接場を利用する熱アシスト磁気記録技術も提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。このように、近接場を用いる場合、情報記録媒体のより小さな領域を加熱することが出来るので、さらなる高密度記録が期待される。
【0004】
【特許文献1】特開2004−303299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近接場は伝播光ではなく、局在光であるため、近接場の発生領域から遠ざかるにつれ急速に光強度が減衰する。従って、近接場を利用した近接場露光や、近接場を用いて情報記録媒体に情報の記録を行う場合、近接場の発生領域と対象物(露光する原盤や情報記録媒体)との距離を、数十nmレベルで精密に制御することが必要である。しかしながら、そのような精密な位置決めは一般的には困難であり、簡単に、近接場の発生領域と対象物との距離を制御する構成が切望されている。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、近接場を効率良く対象物に伝達し、かつ、対象物との距離を制御する近接場発生素子と、この近接場発生素子を備えた熱アシスト素子とを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
(1) 本発明の近接場発生素子は、光源と、前記光源の光放射側に配置され、前記光源からの光により近接場が励起される近接場発生部とを備えた近接場発生素子において、所定間隔を有するように基体上に設けられた1対のヒータ部と、前記1対のヒータ部の上に設けられ、加熱によって膨張変形する1対の熱変形部を少なくとも有し、前記近接場発生部を支持する近接場発生部支持部とを備えており、前記近接場発生部が、前記光源から前記光を直接照射される窪みを有するとともに、前記1対の熱変形部の上に跨がるように架設されている。
【0008】
上記(1)の構成によれば、1対のヒータ部を発熱させることにより、その熱が伝わって1対の熱変形部がそれぞれ熱膨張し、1対の熱変形部間が互いに近接する方向に変形するので、近接場発生部の両端部分が、互いに近づく方向に変位する。このとき、近接場発生部の窪み部分周辺に応力が集中するので、この窪み部分周辺が光源側とは反対側に押し出されるように変形する。したがって、本発明の近接場発生素子を近接場露光に使用した場合には、近接場発生部の近接場発生領域を任意に移動させることが可能であるため、露光原盤と近接場発生領域との距離を制御することが可能になる。あるいは、本発明の近接場発生素子を熱アシスト素子として使用した場合には、磁気記録媒体と近接場発生領域との距離を制御することが可能になる。
【0009】
(2) 上記(2)の近接場発生素子においては、前記近接場発生部の前記光源側と反対側に突起部が設けられていることが好ましい。
【0010】
上記(2)の構成によれば、近接場発生部において、突起部が光源側と反対側に設けられているため、近接場が励起される領域を突起部周辺に局在化させることが可能となる。また、近接場発生素子において、近接場を照射する対象物と最も近接する部分を突起部とすることができるため、近接場発生素子の他の部分と、対象物を接触させることなく近接場発生素子と対象物(例えば、磁気記録媒体)とを接近させることが容易となる。さらに、窪みを光源側に設けていることにより、ヒータ部の発熱により、突起部を光源と反対側、すなわち、対象物側に変位させることが可能となるため、近接場発生素子と対象物(例えば、磁気記録媒体)とをさらに接近させることが容易となる。
【0011】
(3) 上記(1)又は(2)の磁気再生素子においては、前記近接場発生部支持部が、前記1対のヒータ部と前記1対の熱変形部との間に形成された1対の絶縁部を有しており、前記熱変形部が導電性材料からなることが好ましい。
【0012】
上記(3)の構成によれば、熱変形部を、近接場発生部への電流投入電極として利用できるため、近接場発生部、ならびに、熱変形部において磁界を発生させることができる。また、熱変形部がヒータ部と絶縁されているため、ヒータ部から、熱変形部及び近接場発生部への漏れ電流による不要な磁界の発生を防止できる。
【0013】
(4) また、上記(1)又は(2)の磁気再生素子においては、別の観点として、前記近接場発生部支持部が、前記1対の熱変形部と前記近接場発生部とに挟まれるように設けられた1対の電極部を有しているものであってもよい。
【0014】
上記(4)の構成によれば、電極部を近接場発生部への電流投入電極として利用できる。したがって、近接場発生部及び電極部において磁界をも発生させることができる。
【0015】
(5) 上記(4)の磁気再生素子においては、前記近接場発生部支持部が、前記1対の電極部と前記1対の熱変形部との間に形成された1対の絶縁部を有していることが好ましい。
【0016】
上記(5)の構成によれば、熱変形部からの電極部への熱の伝達を絶縁部で低減できるため、電極部における昇温による抵抗の変化を抑制することができる。したがって、この抵抗変化による近接場発生部及び電極部における磁界の大きさの変化を防止することができる。
【0017】
(6) また、上記(1)又は(2)の磁気再生素子においては、他の観点として、前記熱変形部が前記ヒータ部と直に接触しているものであってもよい。
【0018】
上記(6)の構成によれば、熱変形部とヒータ部が直接接しているため、ヒータ部から熱変形部への熱伝達効率が高いので、熱変形部を容易に変形させることができる。その結果として、近接場発生部を変形させるために使用する電力を低減できる。また、近接場発生素子全体の過度の温度上昇を防止でき、近接場発生素子を長寿命化できる。
【0019】
(7) 本発明の熱アシスト素子は、スライダの側面に、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の近接場発生素子を備えている。
【0020】
上記(7)の構成の熱アシスト素子を用いて、近接場を磁気記録媒体に照射することにより、磁気記録媒体を加熱し、熱アシスト磁気記録をする場合、ヒータ部への給電により、近接場発生部と磁気記録媒体との距離を制御、あるいは、接近させることが可能となる。したがって、磁気記録媒体に対して、従来に比べて安定した記録、あるいは、より高密度な記録が可能となる熱アシスト素子を提供できる。また、上記(7)の構成の熱アシスト素子のうち、上記(3)〜(5)のいずれか1つに記載の近接場発生素子を備えている熱アシスト素子であれば、任意の磁界を発生させることも可能であることから、熱アシスト技術を用いた磁気記録を行うこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る近接場発生素子について説明する。図1(a)は、X軸の負方向側から見た本発明の第1実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、図1(b)は、Z軸の正方向側から見た本発明の第1実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【0022】
本実施形態の近接場発生素子は、基板1の上に構成されており、近接場発生部2と、1対のヒータ部3と、近接場発生部支持部4と、光源5とを備えている。なお、基板1の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、シリコン、アルミなどの金属が利用可能である。また、熱アシスト磁気記録ヘッドとして使用する場合には、通常スライダ材料として使用される材料を用いれば良く、AlTiCが利用可能である。但し、基板1に、電気伝導性の材料を使用する場合には、この基板1と、光源5や、後述する1対のヒータ部3及び給電用の各配線との間に、絶縁部を設ける必要がある。
【0023】
近接場発生部2は、基板1の端部側に形成された突起部2aと、基板1の中央側に形成された窪み2bとを有しており、基板1の端部付近の表面上に形成された近接場発生部支持部4を介して、基板1に支持されている。なお、近接場発生部2は、光源5からの光を照射することにより効率的な近接場が励起される材料であることが望ましい。そのような材料として、金、銀、白金、チタンなどの材料がある。さらに、近接場発生部2は、後述する、近接場発生部支持部4における熱変形部7で直接支持されているので、熱変形部7と近接場発生部2とを同じ材料とすれば、相互の密着性を高めることができ、剥離などの問題を回避することができる。
【0024】
1対のヒータ部3は、基板1の表面上に所定間隔を有するように形成されている。1対のヒータ部3は、電流を印加することにより効率的にジュール熱を発生する部材であることが望ましいため、金属や、通常絶縁材料として用いられる金属酸化物、金属窒化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物等を使用可能である。なお、1対のヒータ部3には、それぞれ給電用の配線が接続されており、1対のヒータ部3それぞれに、独立に電流が流れるようになっている。詳述すると、図1において、1対のヒータ部3の左側層への給電用の配線は配線3aと配線3bであり、1対のヒータ部3の右側層への給電用の配線は配線3cと配線3dである。これらの配線3a、3b、3c、3dを用いて1対のヒータ部3に電流を流すことによりジュール熱が発生し、1対のヒータ部3が発熱する。
【0025】
近接場発生部支持部4は、1対のヒータ部3の上部に形成された1対の絶縁部6と、1対の絶縁部6の上部に形成された1対の熱変形部7とから構成されている。ここで、近接場発生部2と近接場発生部支持部4との関係をさらに詳述すると、近接場発生部2は、近接場発生部支持部4における1対の熱変形部7の上に跨がるように架設されている。
【0026】
1対の絶縁部6には、抵抗が大きい材料を用いる。そのような材料としては、金属酸化物、金属窒化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物等がある。樹脂材料も利用可能であるが、成膜プロセスに適さないので量産性が悪くなる。
【0027】
1対の熱変形部7には、熱が加わることにより熱膨張する材料を用いる。特に、熱膨張係数が大きい材料であれば、僅かな熱で大きく変形するため、使用する電力量を低減することができる。そのような材料としては、樹脂材料や、金属材料があるが、金属材料の方が、熱安定性や、変形する力の大きさの点から望ましい。また、電極として用いる際には、導電性材料を用いる。変形する力の大きさとは、熱変形部7が変形することにより、近接場発生部2を変形させる程度の力の大きさのことであるが、単純に熱膨張係数が大きい材料であっても、ヤング率が小さい樹脂材料などは、近接場発生部2を変形させるための力が得られにくい。従って、熱膨張係数とヤング率とが大きい金属材料が望ましい。但し、近接場発生部2が非常に小さい材料である場合には、熱変形部7が樹脂材料であっても変形可能であるので、必要な変形量に応じて適時、適切な材料を使用すれば良い。なお、金属材料としては銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金、コバルト、白金などが熱膨張係数が大きく、望ましい。また、金属材料であれば成膜装置で成膜し、フォトリソグラフィーやエッチング等によりパターニングできるため、素子の作成が樹脂に比べて容易である。
【0028】
光源5は、基板1の表面上の中央付近に、はんだ層である光源支持部8を介して固定されているとともに、近接場発生部2の窪み2bに光発射部分が対向するように配置されている。また、光源5は、半導体レーザであり、その上部及び下部にはそれぞれ給電用の電極パターン5aと電極パターン5bとが形成されている。なお、ここでは、光源5に半導体レーザを用いているが、半導体レーザの代わりに、例えば、半導体レーザなどの光源からの光を光ファイバーや、光導波路、あるいは、レンズを介して近接場発生部に照射するような構成としても良い。さらに、図示しないが、光源5は、近接場発生部2と別個の基台の上に設けた構成であっても良い。
【0029】
なお、光源5から発せられた光(図1(a)中の近接場発生部2と光源5との間の点線の範囲部分)が近接場発生部2の窪み2bに照射されることによって、近接場発生部2の突起部2a側の面において近接場(図1(a)中の突起部2aの先端部位周辺の点線部分)が励起される。ここで、近接場発生部2には突起部2aが設けられているため、近接場が励起される領域を突起部2a周辺に局在化させることが可能となる。また、近接場発生素子において、近接場を照射する対象物と最も近接する部分を突起部2aとすることができるため、近接場発生素子の他の部分と対象物(例えば、磁気記録媒体)とを接触させることなく、近接場発生素子と対象物とを接近させることができる。
【0030】
次に、図2により、本実施形態の近接場発生素子における、近接場発生部2が変形する際の様子について説明する。なお、図2(a)における近接場発生部2と、図2(b)における1対の熱変形部7とが、点線と実線とで図示されているが、点線は変形前、実線は変形後の形状を模式的に示したものである。
【0031】
まず、1対のヒータ部3が発熱されると、その熱が1対の熱変形部7に1対の絶縁部6を介して伝わる。1対の熱変形部7は、熱が加わると熱膨張し、変形する(図2(a)参照)。その結果、近接場発生部2の両端を支持している1対の熱変形部7は、互いに接近する方向(Y方向)に沿って膨張することになる(図2(b)に矢印で図示)。このように、近接場発生部支持部4が変形することにより、両端を近接場発生部支持部4に支持されている近接場発生部2にも、両端から、その中央部に向けてY方向の力が加わることになる。
【0032】
そして、近接場発生部2の中央部を中心とする円弧状の凹部からなる窪み2bの窪み方向(Z方向)と、近接場発生部支持部4が互いに接近する方向(Y方向)とは、互いに直交し、かつ、近接場発生部2において窪み2bと反対側に対向するように、光源5側とは反対側に向かって突出している突起部2aを有しているため、近接場発生部2の窪み2b部分周辺に応力が集中するので、この窪み2b部分周辺が光源5側とは反対側に押し出されることになり、近接場発生部2は光源5側とは反対側に向かって変形する。従って、近接場発生部2に設けられた突起部2aは、光源5から遠ざかる方向に移動することになり、突起部2a先端に発生する近接場の発生領域も、突起部2aの移動にともなって移動する。
【0033】
以上のような構成とすることにより、近接場発生部2の近接場発生領域の位置を移動させることが可能となるため、本実施形態の近接場発生素子を近接場露光に使用した場合には、露光対象の原盤と近接場発生領域との距離を制御することが可能になる。あるいは、本実施形態の近接場発生素子を熱アシスト素子として使用した場合には、磁気記録媒体と近接場発生領域との距離を制御することが可能になる。
【0034】
また、近接場発生部2において、突起部2aが光源側と反対側に設けられているため、近接場が励起される領域を突起部2a周辺に局在化させることが可能となる。また、本実施形態の近接場発生素子において、近接場を照射する対象物と最も近接する部分を突起部2aとすることができるため、近接場発生素子の他の部分と、対象物を接触させることなく近接場発生素子と対象物(例えば、磁気記録媒体)とを接近させることが容易となる。さらに、窪み2bを光源側に設けていることにより、1対のヒータ部3の発熱により、突起部2aを光源と反対側、すなわち、対象物側に変位させることが可能となるため、近接場発生素子と対象物(例えば、磁気記録媒体)とをさらに接近させることが容易となる。したがって、本実施形態の近接場発生素子を熱アシスト素子として利用する場合においては、1対のヒータ部3への給電により、近接場発生部2と磁気記録媒体との距離を制御、あるいは、接近させることが可能となるため、より安定した記録、あるいは、より高密度な記録が可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る近接場発生素子について説明する。図3(a)は、X軸の負方向側から見た本発明の第2実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、図3(b)は、Z軸の正方向側から見た本発明の第2実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。なお、第1実施形態の符号1、3〜8と同様の部分には、順に符号11、13〜18を付し、その説明を省略することがある。
【0036】
本実施形態に係る近接場発生素子は、第1実施形態とほぼ同様の部位を有しているが、(1)近接場発生部12が、X軸の負方向側から見ると、略ブーメラン形状となるように形成されている点、(2)突起部2a及び窪み2bの代わりに、近接場発生部12が円弧状の先端部12aと凹部12bとを有している点、(3)X軸の負方向側から見ると、先端部12aが基板11の縁部(端面)と略一致している点、(4)近接場発生部12の形状に合わせるように、1対のヒータ部13、近接場発生部支持部14(1対の絶縁部16、1対の熱変形部17)が、基板11上に配置されている点が異なっている。
【0037】
このような構成とすることにより、第1実施形態と同様の作用・効果を奏すると共に、近接場発生部12の先端部12a(近接場発生領域)に対して、近接場発生部支持部14を光源15側に配置することができるため、先端部12aの近接場発生領域のみを対象物側に突出させ、近接場を照射する対象物に対して接近させることが容易になる。なお、下記の第3実施形態においても、本実施形態のような変形を行うことができる。
【0038】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る近接場発生素子について説明する。図4(a)は、X軸の負方向側から見た本発明の第3実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、図4(b)は、Z軸の正方向側から見た本発明の第3実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。なお、第1実施形態の符号1〜3、5〜8と同様の部分には、順に符号21〜23、25〜28を付し、その説明を省略することがある。
【0039】
本実施形態に係る近接場発生素子は、第1実施形態とほぼ同様の部位を有しているが、(1)近接場発生部支持部24が、1対のヒータ部23上に、基板21側から、1対の熱変形部27、1対の絶縁部26、1対の近接場発生部支持補助部29を順に積層して形成されている点、(2)1対の近接場発生部支持補助部29上において、1対の近接場発生部支持補助部29の間を跨るように近接場発生部22が形成されている点が、第1実施形態と異なっている。
【0040】
1対の近接場発生部支持補助部29には、近接場発生部22を構成する材料と同じ材料が用いられている。これにより、1対の近接場発生部支持補助部29と近接場発生部22との密着性を高めることができ、剥離などの問題を回避することができる。
【0041】
次に、図5により、本実施形態の近接場発生素子における、近接場発生部22が変形する際の様子について説明する。なお、図5(a)における近接場発生部22と、図5(b)における、1対の熱変形部27、1対の絶縁部26、及び1対の近接場発生部支持補助部29とが、点線と実線とで図示されているが、点線は変形前、実線は変形後の形状を模式的に示したものである。
【0042】
まず、1対のヒータ部23が発熱されると、その熱が1対の熱変形部27に伝わる。1対の熱変形部27は熱が加わると熱膨張し、変形する。その結果、1対の熱変形部27と、1対の熱変形部27に接して支持されている1対の絶縁部26と、1対の近接場発生部支持補助部29とが、1対の熱変形部27の変形にともなう力(図5のY方向の力)により変形し、近接場発生部22の両端を支持している近接場発生部支持部24は、互いに接近する方向(Y方向)に沿って変形することになる(図5に矢印で図示)。近接場発生部支持部24が変形することにより、近接場発生部支持部24に支持されている近接場発生部22にもY方向の力が加わることになる。
【0043】
そして、近接場発生部22の中央部を中心とする円弧状の凹部からなる窪み22bの窪み方向(Z方向)と、近接場発生部支持部24が互いに接近する方向(Y方向)とは、互いに直交し、かつ、近接場発生部22において窪み22bと反対側に対向するように、光源25側とは反対側に向かって突出している突起部22aを有しているため、近接場発生部22の窪み22b部分周辺に応力が集中するので、この窪み22b部分周辺が光源25側とは反対側に押し出されることになり、近接場発生部22は光源25側とは反対側に向かって変形する。従って、近接場発生部22に設けられた突起部22aは、光源25から遠ざかる方向に移動することになり、突起部22a先端に発生する近接場の発生領域も、突起部22aの移動にともなって移動する。
【0044】
このような構成とすることにより、第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。1対のヒータ部23により、1対の熱変形部27を直接支持しているため、1対のヒータ部23から1対の熱変形部27への熱の伝達効率が高いため、1対の熱変形部27を変形させ、その結果として、近接場発生部22を変形させるために使用する電力を低減することができる。従って、近接場発生素子の過度の温度上昇を防止できる。
【0045】
ここで、一変形例として、1対の近接場発生部支持補助部29を導電性材料で形成し、電極として用いてもよい。これにより、本変形例の近接場発生素子を、近接場および磁界発生素子として熱アシスト磁気記録再生素子に適用することも可能である。この場合、1対の近接場発生部支持補助部29を、例えば金属部材とし、1対の近接場発生部支持補助部29の両端部に記録電流の印加用の配線を接続することにより、1対の近接場発生部支持補助部29と近接場発生部22とに電流を印加することができる。
【0046】
このような構成とすることにより、1対の近接場発生部支持補助部29を、近接場発生部22への電流投入電極として利用できるため、近接場発生部22、ならびに、1対の近接場発生部支持補助部29において磁界を発生することができる。また、1対の熱変形部27と1対の近接場発生部支持補助部29との間に、1対の絶縁部26を配置しているため、1対の熱変形部27からの熱が近接場発生部22に伝わることを低減することができる。従って、近接場発生部支持部24における昇温による抵抗の変化を抑制することができ、抵抗変化による発生磁界の大きさの変化を防止することができる。
【0047】
また、1対の近接場発生部支持補助部29を磁界発生手段としても利用できることから、熱アシスト磁気記録素子の構成を単純なものにすることができる。また、近接場発生部22が磁界発生手段と近接場生成手段とを兼ねているため、1対のヒータ部23を加熱するだけで、一体的に近接場の発生領域と磁界生成領域とを対象物である磁気記録媒体に近づけることができる。
【0048】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る近接場発生素子について説明する。図6(a)は、X軸の負方向側から見た本発明の第4実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、図6(b)は、Z軸の正方向側から見た本発明の第4実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。なお、第1実施形態の符号1〜8と同様の部分には、順に符号31〜38を付し、その説明を省略することがある。
【0049】
本実施形態に係る近接場発生素子は、第1実施形態とほぼ同様の部位を有しているが、(1)磁気抵抗効果素子39が、基板31上であって1対のヒータ部33の間に、該1対のヒータ部33に接触しないように形成されている点、(2)磁気抵抗効果素子39の両端に、該磁気抵抗効果素子39に給電し、かつ、磁気抵抗効果素子39で読み取られた信号電流を流すための配線39a及び配線39bが接続されている点、(3)配線39a及び配線39bと、1対の熱変形部37への給電用の配線37a、37bと、光源35の上部の電極パターン35aと接続された電極パターン35aとが、基板31(スライダ)の側面において、近接場発生部32と反対側の方向(図6においてZ方向のマイナス方向)に形成されている点、(4)近接場発生部32が必ず導電性材料で形成されている点が、第1実施形態と異なっている。
【0050】
ここで、本実施形態に係る近接場発生素子における記録電流の経路と、発生磁界の様子について説明する。図7(a)、(b)に記録電流の経路と、発生磁界の様子を示す。図7(a)、(b)において、太い矢印線は1対の熱変形部37、近接場発生部32に流れる記録電流の経路であり、図7(b)における細い円弧状の矢印線は発生する磁界の様子を示したものである。なお、磁界の向きは記録電流の向きに応じで変化する。ここで、1対のヒータ部33と1対の熱変形部37との間には1対の絶縁部36を設けている。これは、1対のヒータ部33を発熱させるための電流が、1対の熱変形部37又は近接場発生部22へ漏れないようにして、不要な磁界の発生を防止するためである。
【0051】
本実施形態に係る近接場発生素子によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。また、配線37a、37bにより1対の熱変形部37を介して、近接場発生部32に記録信号に応じた電流を印加することにより、近接場発生部32を支持する部材である1対の熱変形部37、および、近接場発生部32の周辺に磁界を発生させるとともに、近接場発生部32で発生した近接場で磁気記録媒体を加熱することにより、磁気記録媒体に磁気的に信号を記録することが可能となる。したがって、熱アシスト磁気記録を行うことができる。また、磁気記録媒体に記録された信号を磁気抵抗効果素子39により読み出すことができる。
【0052】
また、本実施形態に係る近接場発生素子を熱アシスト磁気記録再生素子として用いる場合には、図8における基板31(スライダ)の磁気記録媒体41側の端面が、いわゆるABS(Air Bearing Surface)となっており、ほぼ同じ面の位置に近接場、磁界の発生部や、磁気抵抗効果素子が設けられている。この熱アシスト磁気記録再生素子は、例えば、図8に示すように、サスペンション42に取り付けられており、磁気記録媒体41を回転させることにより、磁気記録媒体41上を所定の浮上量で浮上する。なお、他の各実施形態においても同様にサスペンションに取り付けて、熱アシスト素子又は熱アシスト磁気記録再生素子として用いることができる。
【0053】
また、配線39a及び配線39bと、1対の熱変形部37への給電用の配線37a、37bと、光源35の上部の電極35aに接続された電極35aとが、基板31(スライダ)の側面において、近接場発生部32と反対側の方向(図6においてZ方向のマイナス方向)に形成されているので、基板31(スライダ)を取り付けるサスペンション42に設けられた電極部(図示せず)との電気的接合を容易にできる。
【0054】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る近接場発生素子について説明する。図9(a)は、X軸の負方向側から見た本発明の第5実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、図9(b)は、Z軸の正方向側から見た本発明の第5実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。なお、第4実施形態の符号31、33〜38と同様の部分には、順に符号51、53〜58を付し、その説明を省略することがある。
【0055】
本実施形態に係る近接場発生素子は、第4実施形態とほぼ同様の部位を有しているが、(1)近接場発生部52が、X軸の負方向側から見ると、略ブーメラン形状となるように形成されている点、(2)突起部32a及び3窪み2bの代わりに、近接場発生部52が円弧状の先端部52aと凹部52bとを有している点、(3)X軸の負方向側から見ると、先端部52aが基板51の縁部(端面)と略一致している点、(4)近接場発生部52の形状に合わせるように、1対のヒータ部53及び近接場発生部支持部54(1対の絶縁部56、1対の熱変形部57)が、基板51上に配置されている点が異なっている。
【0056】
このような構成とすることにより、第1実施形態と同様の作用・効果を奏すると共に、近接場発生部52の先端部52a(近接場発生領域)に対して、近接場発生部支持部54を光源55側に配置することができるため、先端部52aの近接場発生領域のみを対象物側に突出させ、近接場を照射する対象物に対して接近させることが容易になる。なお、ッ下記の第6実施形態においても、本実施形態とほぼ同様の変形を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る近接場発生素子を、熱アシスト磁気記録再生素子に適用した場合には、近接場発生部52の円弧状の突起部の先端部分(先端部52a)を基板51(スライダ)のZ方向の端面(磁気記録媒体に近い面側)とほぼ同じ位置に配置するようにした。このような構成とすることにより、1対のヒータ部53を、基板51(スライダ)のZ方向の端面より光源55側に遠ざけることができるので、1対のヒータ部53を加熱するために印加される電流によって発生する不要な磁界による磁気記録に与える影響を、抑制できる。
【0058】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る近接場発生素子について説明する。図10(a)は、X軸の負方向側から見た本発明の第6実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、図10(b)は、Z軸の正方向側から見た本発明の第6実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。なお、第4実施形態の符号31〜38と同様の部分には、順に符号61〜68を付し、その説明を省略することがある。
【0059】
本実施形態に係る近接場発生素子は、第4実施形態とほぼ同様の部位を有しているが、(1)1対の絶縁部70が1対の熱変形部67の上に形成されている点、(2)近接場発生部62が1対の絶縁部70の間に挟まれるように一体形成されている点、(3)1対の電極71が、1対の絶縁部70及び近接場発生部62の上に形成されている点、(4)配線57a、57bの代わりに、1対の電極71に接続されている配線71a、71bが基板61上に形成されている点、(5)1対の熱変形部67が、第1実施形態における1対の熱変形部7と同様のものである点が異なっている。
【0060】
第4実施形態では近接場発生部に対して、基板(スライダ)側に位置する部材を介して、電流を印加するような構成となっていた。具体的には、近接場発生部に対し、基板(スライダ)側に位置する1対の熱変形部を介して、近接場発生部に対して電流を印加する構成としていた。そのような構成とすることにより、近接場発生部に対して基板(スライダ側)において、磁界を集中させていた。これに対し、本実施形態に係る近接場発生素子であれば、配線71a、71bを介して、1対の電極71と近接場発生部62とに電流を印加することにより、図11(a)、(b)に示すような電流の経路が形成される。従って、この電流により、1対の電極71と近接場発生部62との周囲には磁界が形成されるが、近接場発生部62に対して基板61(スライダ)側とは反対側に配置された部材である、1対の電極71を介して、電流を印加したことにより、近接場発生部62の基板61(スライダ)側とは反対側に磁界を集中させることができる。他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0061】
なお、1対の絶縁部70は、図11(b)に示すように、電流の経路が近接場発生部62の近傍において略U字型となるように、また、1対の電極71を成膜プロセス、フォトリソグラフィプロセスで形成する際に、近接場発生部62及び1対の絶縁部70をもって、一平面を構成するように配置したものである。従って、1対の絶縁部70を形成せずに、1対の電極71を形成可能であるなら、1対の絶縁部70は必ずしも必要ではない。
【0062】
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や変形例に限定されるものではない。例えば、各実施形態における近接場発生部を、図12(a)、(b)、(c)に示すいずれかの形状に変形してもよい。具体的には、図12(a)の近接場発生部81においては、突起部81aと、切り欠き部からなる窪み81bとを有するものであり、図12(b)の近接場発生部82においては、第1実施形態の近接場発生部2と同様の円弧状の凹部からなる窪み83bが形成されているが、突起部2aが形成されずに平面となっているものであり、図12(c)の近接場発生部83においては、第1実施形態の近接場発生部2と同様に円弧状の凹部からなる窪み83bが形成されているが、窪み83bの反対側の面に備えられた突起部83aも窪み83bと同じ円弧形状としているものである。
【0063】
また、上記各実施形態の近接場発生素子を熱アシスト素子として用いる場合には、スライダの側面に、上記各実施形態及び変形例のうちいずれか1つの近接場発生素子を備えており、近接場発生部が磁気記録媒体と対向するように配設される。これらの熱アシスト素子によれば、磁気記録媒体に対して、従来に比べて安定した記録、あるいは、より高密度な記録が可能となる。また、上記各実施形態の近接場発生素子のうち、磁界を発生させることができる熱アシスト素子であれば、熱アシスト技術を用いた磁気記録を行うこともできる。
【0064】
また、上記各実施形態においては、近接場発生部支持部の一部に1対の絶縁部を設けた例について説明した。しかし、1対の絶縁部の目的は1対のヒータ部を発熱させるための電流が、近接場発生部に混入し、不要な磁界を発生することを防止することが目的であるため、本願発明の素子を近接場発生素子としてのみ使用する場合には、必ずしも設ける必要はない。つまり、本願発明の近接場発生素子は、近接場発生部支持部の適切な箇所に、1対のヒータ部から近接場発生部への電流の混入を防止する絶縁部を設け、近接場発生部に電流を流すことにより、近接場および磁界発生素子として利用が可能である。
【0065】
また、近接場発生部の変形による近接場の発生領域の位置の移動量は、使用する用途によって様々である。例えば、熱アシスト素子、あるいは、熱アシスト磁気記録素子に使用する場合、現在の標準的なスライダの浮上量(記録再生素子と磁気記録媒体とのギャップ)は10nm前後であるため、移動量も数nm程度であれば良い。そのような素子を得るためには、電気−熱−構造の連成解析シミュレーションなどを利用すれば設計可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】(a)が、X軸の負方向側から見た本発明の第1実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本発明の第1実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る近接場発生素子において、近接場発生部が変形する際の様子について説明するための模式図であって、(a)が、X軸の負方向側から見た本近接場発生素子の近接場発生部及び近接場発生部支持部を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本近接場発生素子を示す模式図である。
【図3】(a)が、X軸の負方向側から見た本発明の第2実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本発明の第2実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【図4】(a)が、X軸の負方向側から見た本発明の第3実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本発明の第3実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る近接場発生素子において、近接場発生部が変形する際の様子について説明するための模式図であって、(a)が、X軸の負方向側から見た本近接場発生素子の近接場発生部及び近接場発生部支持部を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本近接場発生素子を示す模式図である。
【図6】(a)が、X軸の負方向側から見た本発明の第4実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本発明の第4実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る近接場発生素子において、近接場発生部及び1対の熱変形部に流れる電流と磁界との関係について説明するための模式図であって、(a)が、X軸の負方向側から見た本近接場発生素子の近接場発生部及び近接場発生部支持部を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本近接場発生素子を示す模式図である。
【図8】図7に示した近接場発生素子をサスペンションに取り付けた様子を示す模式図である。
【図9】(a)が、X軸の負方向側から見た本発明の第5実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本発明の第5実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【図10】(a)が、X軸の負方向側から見た本発明の第6実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本発明の第6実施形態に係る近接場発生素子を示す模式図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る近接場発生素子において、近接場発生部及び1対の熱変形部に流れる電流と磁界との関係について説明するための模式図であって、(a)が、X軸の負方向側から見た本近接場発生素子の近接場発生部及び近接場発生部支持部を示す模式図、(b)が、Z軸の正方向側から見た本近接場発生素子を示す模式図である。
【図12】各実施形態における近接場発生部の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0067】
1、11、21、31、51、61 基板
2、12、22、32、52、62、81、82、83 近接場発生部
2a、22a、32a、62a、81a、83a 突起部
2b、22b、32b、62b、81b、82b、83b 窪み
3、13、23、33、53、63 1対のヒータ部
3a、3b、3c、3d、13a、13b、13c、13d、33a、33b、33c、33d、37a、37b、39a、39b、53a、53b、53c、53d、57a、57b、59a、59b、63a、63b、63c、63d、69a、69b、71a、71b 配線
4、14、24、34、54、64 近接場発生部支持部
5、15、25 、35、55、65 光源
5a、5b、15a、15b、35a、35a、35b、55a、55a、55b、65a、65a、65b 電極パターン
6、16、26、36、56、66、70 1対の絶縁部
7、17、27 、37、57、67 1対の熱変形部
8、18、28、38、58、68 光源支持部
12a、52a 先端部
12b、52b 凹部
29 近接場発生部支持補助部
35a、35a 電極
39、59、69 磁気抵抗効果素子
41 磁気記録媒体
42 サスペンション
54 近接場発生部支持部
71 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源の光放射側に配置され、前記光源からの光により近接場が励起される近接場発生部とを備えた近接場発生素子において、
所定間隔を有するように基体上に設けられた1対のヒータ部と、
前記1対のヒータ部の上に設けられ、加熱によって膨張変形する1対の熱変形部を少なくとも有し、前記近接場発生部を支持する近接場発生部支持部とを備えており、
前記近接場発生部が、前記光源から前記光を直接照射される窪みを有するとともに、前記1対の熱変形部の上に跨がるように架設されていることを特徴とする近接場発生素子。
【請求項2】
前記近接場発生部の前記光源側と反対側に突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の近接場発生素子。
【請求項3】
前記近接場発生部支持部が、前記1対のヒータ部と前記1対の熱変形部との間に形成された1対の絶縁部を有しており、
前記熱変形部が導電性材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の近接場発生素子。
【請求項4】
前記近接場発生部支持部が、前記1対の熱変形部と前記近接場発生部とに挟まれるように設けられた1対の電極部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の近接場発生素子。
【請求項5】
前記近接場発生部支持部が、前記1対の電極部と前記1対の熱変形部との間に形成された1対の絶縁部を有していることを特徴とする請求項4に記載の近接場発生素子。
【請求項6】
前記熱変形部が前記ヒータ部と直に接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載の近接場発生素子。
【請求項7】
スライダの側面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の近接場発生素子を備えていることを特徴とする熱アシスト素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−310880(P2008−310880A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157257(P2007−157257)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】