説明

近距離無線通信装置

【課題】互いに異なる複数のプロファイルによるデータ通信が競合する場合に、それら複数のプロファイルによるデータ通信を効果的に実行する。
【解決手段】車載装置2は、優先順位が下位のプロファイルである例えばPBAPによるデータ通信を実行中に優先順位が上位のプロファイルである例えばSPPによるデータ通信の開始要求が発生すると、優先順位が上位のSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていれば、優先順位が下位のPBAPを切断させてPBAPによるデータ通信を中断し、又はPBAPによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小し、優先順位が上位のSPPによるデータ通信を開始する。優先順位が上位のSPPによるデータ通信を、優先順位が下位のPBAPによるデータ通信よりも優先して実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信帯域を有する近距離無線通信回線を通信相手側接続手段との間で接続している状態でデータ通信を規定する複数のデータ通信プロトコルを前記通信相手側接続手段との間で同時接続可能な接続手段を備えた近距離無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信機能を有する近距離無線通信装置に搭載されている近距離無線通信モジュールにおいては、データ通信を規定する複数のデータ通信プロトコルを通信相手装置の近距離無線通信モジュールとの間で同時接続(所謂マルチ接続)可能になっている(例えば特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−273370公報
【特許文献2】特開2009−253601号公報
【特許文献3】特開2009−253603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のデータ通信プロトコルを通信相手装置の近距離無線通信モジュールとのまで同時接続している場合には、複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信が競合する場合もあり得るが、近距離無線通信回線の通信帯域は有限であることから、複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信を同時に並行して実行すると、その有限である通信帯域を複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信で分割して占有することになり、通信帯域を分割して占有する分、各々のデータ通信でのデータ通信速度が低下することになる。
【0005】
このような事情から、複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信が競合する場合に、複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信をどのようにして制御するかが問題となる。仮にユーザが優先させなくても良いと考えるデータ通信を、ユーザが優先させたいと考えるデータ通信よりも優先して実行してしまうと、例えばユーザ操作に対する応答が提示されるまでの期間、通信網から通信相手装置への着信が通知されるまでの期間、通信相手装置が通信網との接続を終了するまでの期間等が長くなる等の問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、互いに異なる複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信が競合する場合に、複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信を効果的に実行することができる近距離無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、接続手段は、所定の通信帯域を有する近距離無線通信回線を通信相手側接続手段との間で接続している状態でデータ通信を規定する複数のデータ通信プロトコルを通信相手側接続手段との間で同時接続可能である。制御手段は、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域よりも優先して確保することで、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行する。
【0008】
これにより、互いに異なる複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信が競合する場合であっても、互いに異なる複数のデータ通信プロトコルに優先順位を設定し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行することで、互いに異なる複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信を効果的に実行することができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定すると、そのデータ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始する。
【0010】
これにより、データ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始することで、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行することができる。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、そのデータ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始した後に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を再開する。
【0012】
これにより、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断したまま放置することなく速やかに再開することができる。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定すると、そのデータ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルを切断させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始する。
【0014】
これにより、データ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルを切断させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始することで、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行することができる。
【0015】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、そのデータ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルを切断させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始した後に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルを接続手段と通信相手側接続手段との間で再接続させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を再開する。
【0016】
これにより、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断したまま放置することなく速やかに再開することができる。
【0017】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定すると、そのデータ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行する。
【0018】
これにより、データ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行することで、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行することができ、又、この場合は、データ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルを切断させることなくデータ通信を継続することで、優先順位が下位のデータ通信プロトコルを再接続させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を再開する処理を不要とすることができる。即ち、優先順位が下位のデータ通信プロトコルがデータ通信プロトコルを再接続する毎に先頭のデータからデータ通信を再開する仕様であれば、データ通信プロトコルを再接続する毎に先頭のデータからデータ通信を再開することを不要とすることができる。
【0019】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、データ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行した後に、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続しており且つ優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を拡張する。
【0020】
これにより、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を拡張することで、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了するまでの期間を短縮することができる。
【0021】
請求項8に記載した発明によれば、制御手段は、そのデータ通信を実行中の優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行した後に、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了し且つ優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続していると判定すると、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を拡張する。
【0022】
これにより、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を拡張することで、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了するまでの期間を短縮することができる。
【0023】
請求項9に記載した発明によれば、制御手段は、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定すると、そのデータ通信を実行中の優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始を待機する。
【0024】
これにより、データ通信を実行中の優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始を待機することで、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行することができる。
【0025】
請求項10に記載した発明によれば、制御手段は、そのデータ通信を実行中の優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続し、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始を待機した後に、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始する。
【0026】
これにより、優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了すると、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始を待機したまま放置することなく、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を速やかに開始することができる。
【0027】
請求項11に記載した発明によれば、制御手段は、ユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信、通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信、及び通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信のうち何れかを規定するデータ通信プロトコルによるデータ通信を、その他のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信として実行する。
【0028】
これにより、ユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信を優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信として実行する場合であれば、そのユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信を他のデータ通信よりも優先して実行することができ、ユーザ操作に対する応答をユーザに対して速やかに提示することができる。又、通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信を優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信として実行する場合であれば、その通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信を他のデータ通信よりも優先して実行することができ、通信網からの着信をユーザに対して速やかに通知することができる。又、通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信を優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信として実行する場合であれば、その通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信を他のデータ通信よりも優先して実行することができ、例えば通信網との接続時間に応じてユーザに対して課金が発生する従量課金制度の下では通信網との接続を速やかに終了することで、ユーザが負担するコスト面での効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】車載装置が実行する処理を示すフローチャート
【図3】図2相当図
【図4】図2相当図
【図5】図2相当図
【図6】図2相当図
【図7】BT通信回線の通信帯域の遷移を示す図
【図8】図7相当図
【図9】図7相当図
【図10】図7相当図
【図11】図7相当図
【図12】図7相当図
【図13】図7相当図
【図14】図7相当図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明をBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するBT対応の車載装置(以下、単に車載装置と称する)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、ここでは、車載装置が搭載されている車両の車室内に、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機(以下、単に携帯電話機と称する)が車室内に持込まれ、車載装置と携帯電話機とがBT通信可能な状態にある場合を説明する。
【0031】
BT通信システム1は、車両に搭載されている車載装置2(本発明でいう近距離無線通信装置に相当)と、車室内に持込まれた携帯電話機3(本発明でいう通信相手装置に相当)とから構成される。車載装置2は、制御部4(本発明でいう制御手段に相当)と、BTモジュール5(本発明でいう接続手段に相当)と、USB(Universal Serial Bus)モジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11等を備えて構成されている。制御部4と、USBモジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11とは、制御基板12に物理的に実装されており、BTモジュール5は、制御基板12とは別部材であるBTモジュール基板13に物理的に実装されている。制御部4とBTモジュール5とはUSB接続されている。
【0032】
制御部4は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、車載装置2の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。BTモジュール5は、後述する携帯電話機3のBTモジュールとの間でBT通信回線(本発明でいう近距離無線通信回線に相当)を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有する。BTモジュール5は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、ハンズフリー通話を規定するHFP(Hands Free Profile)、電子メールデータの転送を規定するMAP(Message Access Profile)、仮想シリアルポート化したデータ通信を規定するSPP(Serial Port Profile)、インターネットへのダイヤルアップ接続を規定するDUN(Dial-up Networking Profile)、電話帳データの転送を規定するPBAP(Phone Book Access Profile)、同じく電話帳データの転送を規定するOPP(Object Push Profile)、音データの転送を規定するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、音データの制御に係る制御データの転送を規定するAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)等を同時接続(所謂マルチ接続)可能に構成されている。これらHFP、MAP、SPP、DUN、PBAP、OPP、A2DP、AVRCP等は機能毎に定義されたデータ通信プロトコルを意味している。
【0033】
USBモジュール6は、USB接続ケーブル14の接続端子14aを着脱可能な接続端子6aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが後述する携帯電話機3のUSBモジュールの接続端子に接続されている状態で、USB通信回線を携帯電話機3のUSBモジュールとの間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0034】
記憶部7は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。この場合、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でMAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電子メールデータ(電子メールの発信先を特定可能な差出人情報、電子メールが携帯電話機3へ受信された日時を特定可能な受信日時情報、電子メールの種別を特定可能な種別情報、例えば差出人が入力した電子メールの件名を特定可能な件名情報等)が記憶部7に記憶される。又、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でPBAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電話帳データ、車載装置2からの発信動作又は当該車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3からの発信動作に係る発信時刻と発信電話番号との対応を表す発信履歴データ、車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3の着信動作に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表す着信履歴データ等が記憶部7に記憶される。
【0035】
音声処理部8には車室内にあって例えばハンドルの近傍等のユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されているマイクロホン15が接続されていると共に、車載装置2の外部に配置されているオーディオアンプ16が接続されており、オーディオアンプ16にはスピーカ17a、17bが接続されている。
【0036】
音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でHFPを接続している状態では、ユーザが発した音声をマイクロホン15から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理してBTモジュール5へ出力し、BTモジュール5から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0037】
又、音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でA2DP及びAVRCPを接続している状態では、携帯電話機3のBTモジュールからA2DP及びAVRCPによりBTモジュール5へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。又、音声処理部8は、USBモジュール6と後述する携帯電話機3のUSBモジュールとが両者の間でUSB通信を実行可能な状態では、携帯電話機3のUSBモジュールからUSB通信回線によりUSBモジュール6へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0038】
オーディオアンプ16は、音声処理部8から受話音声データや音データを入力すると、その入力した受話音声データや音データを増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。又、オーディオアンプ16にはチューナーデッキ18も接続されており、オーディオアンプ16は、チューナーデッキ18が例えば音楽用記録媒体から再生した楽曲データを当該チューナーデッキ18から入力すると、その入力した楽曲データをも増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。
【0039】
ディスプレイ装置19は、各種表示画面を表示する表示装置20と、表示画面上にタッチスイッチを形成する操作装置21とを備えて構成されている。表示制御部9は、制御部4から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいてディスプレイ装置19における表示装置20の表示動作を制御する。操作入力部10は、ユーザが表示画面上に形成されているタッチスイッチを操作したことに応じて操作装置21から操作検出信号を入力すると、その入力した操作検出信号を制御部4へ出力し、制御部4は、操作入力部10から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。
【0040】
信号入力部11は、車両に搭載されているACC(アクセサリ)スイッチに接続されており、ACCスイッチから出力されたACC信号を入力すると、その入力したACC信号を制御部4へ出力し、制御部4は、信号入力部11から入力したACC信号のオンオフに基づいて装置電源をオンオフする。即ち、制御部4は、ACC信号がオフからオンに遷移したタイミングで装置電源をオンし(車載装置2を起動し)、ACC信号がオンからオフに遷移したタイミングで装置電源をオフする(車載装置2を停止する)。
【0041】
携帯電話機3は、制御部22と、電話通信部23と、BTモジュール24(本発明でいう通信相手側接続手段に相当)と、USBモジュール25と、キー入力部26と、記憶部27と、表示部28と、マイクロホン29と、スピーカ30と、電力供給部31等を備えて構成されている。
【0042】
制御部22は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、携帯電話機3の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。電話通信部23は、通信網33との間で電話通信を実行する。尚、通信網33は携帯電話基地局や基地局制御装置等の周知の携帯電話通信サービスを提供する設備を含むものである。BTモジュール24は、前述した車載装置2のBTモジュール5との間でBT通信回線を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有し、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、HFP、MAP、SPP、DUN、PBAP、OPP、A2DP、AVRCP等を同時接続可能に構成されている。
【0043】
USBモジュール25は、USB接続ケーブル14の接続端子14bを着脱可能な接続端子25aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが車載装置2のUSBモジュール6の接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが接続端子25aに接続されている状態で、USB通信回線を車載装置2のUSBモジュール6との間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0044】
キー入力部26は、ユーザが操作可能な各種キーを備え、ユーザがキーを操作したことに応じて操作検出信号を制御部22へ出力し、制御部22は、キー入力部26から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。記憶部27は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。表示部28は、制御部22から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいて各種表示画面を表示する。又、制御部22は、ユーザが発した音声をマイクロホン29から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理し、電話通信部23から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをスピーカ30から音声として出力させる。電力供給部31は、本体に対して着脱可能なバッテリ32から放電される電力を動作電力として各機能ブロックへ供給する。
【0045】
上記した構成では、制御部4は、BT通信回線をBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続させると、最初にHFPをBTモジュール5とBTモジュール24との間で自動的に(ユーザが操作を行うことなく)接続させ、次にPABPをBTモジュール5とBTモジュール24との間で自動的に(ユーザが操作を行うことなく)接続させ、HFPを接続させた状態でPABPによるデータ通信(電話帳データの転送)を開始する。そして、制御部4は、PABPによるデータ通信を終了したと判定すると、BTモジュール5とBTモジュール24との間で接続させているPABPを切断させ、HFPだけを接続させたままとする。
【0046】
上記した構成では、SPPがBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続されている状態でユーザが例えば携帯電話機3との間でのデータ通信を目的とする操作を操作装置21にて実行すると、そのユーザ操作に応じたデータがSPPによりBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で転送される。即ち、SPPは本発明でいうユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルである。又、HFPがBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続されている状態で通信網33から携帯電話機3への音声着信が発生すると、音声着信が発生したことを携帯電話機3から車載装置2へ通知するためのデータ(音声着信通知データ)がHFPによりBTモジュール5からBTモジュール24へ転送される。又、MAPがBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続されている状態で通信網33から携帯電話機3への電子メール着信が発生すると、電子メール着信が発生したことを携帯電話機3から車載装置2へ通知するためのデータ(電子メール着信通知データ)がMAPによりBTモジュール5からBTモジュール24へ転送される。即ち、HFP及びMAPは本発明でいう通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルである。
【0047】
又、DUNがBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続されている状態でユーザが例えば携帯電話機3からのダイヤルアップ接続を目的とする操作を操作装置21にて実行すると、ダイヤルアップ接続に必要なデータがDUNによりBTモジュール5とBTモジュール24とが両者の間で転送される。即ち、DUNは本発明でいう通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信を規定するデータ通信プロトコルである。
【0048】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図14を参照して説明する。図2乃至図6は車載装置2の制御部4が実行する処理をフローチャートにより示している。
車載装置2において、制御部4は、車載装置2の装置電源がオン(ACCスイッチがオン)している状態ではメイン処理を実行し、メイン処理におけるサブ処理としてデータ通信開始要求判定処理、及びデータ通信終了判定処理を実行する。以下、これら各処理について順次説明する。
【0049】
(1)メイン処理(図2参照)
制御部4は、車載装置2の装置電源がオンしたと判定すると、メイン処理を開始し、データ通信開始要求判定処理、及びデータ通信終了判定処理を装置電源がオフしたと判定するまで所定周期で定期的に実行する(ステップS1乃至S3)。
【0050】
(2)データ通信開始要求判定処理(図3乃至図5参照)
制御部4は、メイン処理からデータ通信開始要求判定処理へ移行し、データ通信開始要求判定処理を開始すると、例えばユーザがデータ通信を伴う所定操作を操作装置21にて行ったか否かを判定したり、予め設定されているデータ通信の開始時刻に到達したか否かを判定したりし、何れかのプロファイルによるデータ通信の開始要求が発生したか否かを判定する(ステップS11)。
【0051】
制御部4は、例えばユーザがデータ通信を伴う所定操作を操作装置21にて行ったと判定したり、予め設定されているデータ通信の開始時刻に到達したかと判定したりし、何れかのプロファイルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定すると(ステップS11にて「YES」)、例えばBTモジュール5がコマンド、イベント、パケット等をBTモジュール24へ送信中(送信を待機する時間も含む)であるか否かを判定したり、BTモジュール5がBTモジュール24からのコマンド、イベント、パケット等を受信中(受信を待機する所定時間内も含む)であるか否かを判定したりし、別の何れかのプロファイルによるデータ通信を実行中であるか否か、即ち、2つのプロファイルによるデータ通信が競合するか否かを判定する(ステップS12)。
【0052】
この場合、制御部4は、例えばBTモジュール5がコマンド、イベント、パケット等をBTモジュール24へ送信中でないと判定したり、BTモジュール5がBTモジュール24からのコマンド、イベント、パケット等を受信中でないと判定したりし、別の何れかのプロファイルによるデータ通信を実行中でない、即ち、2つのプロファイルによるデータ通信が競合しないと判定すると(ステップS12にて「NO」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始し(ステップS13)、データ通信開始要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0053】
一方、制御部4は、例えばBTモジュール5がコマンド、イベント、パケット等をBTモジュール24へ送信中であると判定したり、BTモジュール5がBTモジュール24からのコマンド、イベント、パケット等を受信中であると判定したりし、別の何れかのプロファイルによるデータ通信を実行中である、即ち、2つのプロファイルによるデータ通信が競合すると判定すると(ステップS12にて「YES」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルの優先順位と、データ通信を実行中のプロファイルの優先順位とを比較する(ステップS14)。
【0054】
制御部4は、データ通信の開始要求が発生したプロファイルの優先順位がデータ通信を実行中のプロファイルの優先順位よりも上位であると判定すると(ステップS15にて「YES」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信よりも優先する開始要求プロファイル優先処理へ移行する(ステップS16)。
【0055】
一方、制御部4は、データ通信の開始要求が発生したプロファイルの優先順位がデータ通信を実行中のプロファイルの優先順位よりも上位でない(同位又は下位である)と判定すると(ステップS15にて「NO」)、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信を、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信よりも優先する実行中プロファイル優先処理へ移行する(ステップS17)。
【0056】
制御部4は、データ通信開始要求判定処理から開始要求プロファイル優先処理へ移行し、開始要求プロファイル優先処理を開始すると、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を特定し(ステップS21)、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有している通信帯域を特定し(ステップS22)、BT通信回線で規定されている通信帯域からデータ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有している通信帯域を差引いた通信帯域を空き通信帯域として計算し(ステップS23)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域と、計算した空き通信帯域とを比較する(ステップS24)。
【0057】
制御部4は、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えている、即ち、その時点でのBT通信回線の通信帯域の占有状態ではデータ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始することが不可能である(通信帯域が空いていない)と判定すると(ステップS25)、データ通信を実行中のプロファイルを切断させることを示す通信回線切断フラグを設定中であるか否かを判定し(ステップS26)、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小することを示す通信帯域縮小フラグを設定中であるか否かを判定する(ステップS27)。通信回線切断フラグ及び通信帯域縮小フラグは、例えばユーザが予め選択して設定しておくものであり、ユーザが車載装置2に接続されている操作装置21を操作することで択一的に設定する。
【0058】
制御部4は、通信回線切断フラグを設定中であると判定すると(ステップS26にて「YES」)、データ通信を実行中のプロファイルを切断させ(ステップS28)、そのデータ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信を中断し(ステップS29)、データ通信を実行中のプロファイルを切断させたことを示す通信回線切断実行フラグを設定する(ステップS30)。
【0059】
次いで、制御部4は、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中であるか否かを判定し(ステップS31)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中であると判定すると(ステップS31にて「YES」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始し(ステップS33)、開始要求プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0060】
一方、制御部4は、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中でないと判定すると(ステップS31にて「NO」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続させた後に(ステップS32)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始し(ステップS33)、開始要求プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0061】
又、制御部4は、通信帯域縮小フラグを設定中であると判定すると(ステップS27にて「YES」)、データ通信を実行中のプロファイルを切断させることなく、そのデータ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えなくなる、即ち、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始することが可能となる(通信帯域が空く)まで縮小し(ステップS34)、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小したことを示す通信帯域縮小実行フラグを設定し(ステップS35)、上記したステップS31乃至S33の処理を実行し、開始要求プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0062】
又、制御部4は、開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていない、即ち、その時点でのBT通信回線の通信帯域の占有状態でデータ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始することが可能である(通信帯域が空いている)と判定すると(ステップS25にて「NO」)、データ通信を実行中のプロファイルを切断させることなく、又、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小することなく、ステップS21乃至S23の処理を実行し、開始要求プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0063】
一方、制御部4は、データ通信開始要求判定処理から実行中プロファイル優先処理へ移行し、実行中プロファイル優先処理を開始すると、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を特定し(ステップS41)、データ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有している通信帯域を特定し(ステップS42)、BT通信回線で規定されている通信帯域からデータ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有している通信帯域を差引いた通信帯域を空き通信帯域として計算し(ステップS43)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域と、計算した空き通信帯域とを比較する(ステップS44)。
【0064】
制御部4は、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えている、即ち、その時点でのBT通信回線の通信帯域の占有状態ではデータ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始することが不可能であると判定すると(ステップS45にて「YES」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信の開始を待機し(ステップS46)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信の開始を待機したことを示す開始待機実行フラグを設定し(ステップS47)、実行中プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0065】
一方、制御部4は、開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていない、即ち、その時点でのBT通信回線の通信帯域の占有状態でデータ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始することが可能であると判定すると(ステップS45にて「NO」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中であるか否かを判定し(ステップS48)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中であると判定すると(ステップS48にて「YES」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始し(ステップS50)、実行中プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0066】
一方、制御部4は、BTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中でないと判定すると(ステップS48にて「NO」)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続させた後に(ステップS49)、データ通信の開始要求が発生したプロファイルによるデータ通信を開始し(ステップS50)、実行中プロファイル優先処理を終了してデータ通信開始要求判定処理へリターンする。
【0067】
(3)データ通信終了判定処理(図6参照)
制御部4は、メイン処理からデータ通信終了判定処理へ移行し、データ通信終了判定処理を開始すると、何れかのプロファイルによるデータ通信を終了したか否かを判定する(ステップS51)。制御部4は、何れかのプロファイルによるデータ通信を終了したと判定すると(ステップS51にて「YES」)、別の何れかのプロファイルによるデータ通信を実行中(継続中)であるか否かを判定する(ステップS52)。
【0068】
制御部4は、別の何れかのプロファイルによるデータ通信を実行中でないと判定すると(ステップS52にて「NO」)、通信回線切断実行フラグを設定中であるか否か、即ち、そのデータ通信を終了したプロファイルによるデータ通信を開始する際に何れかのデータ通信を実行中のプロファイルを切断させたか否かを判定し(ステップS53)、開始待機実行フラグを設定中であるか否か、即ち、そのデータ通信を終了したプロファイルによるデータ通信を実行中に何れかのプロファイルによるデータ通信の開始を待機したか否かを判定する(ステップS54)。
【0069】
制御部4は、通信回線切断実行フラグを設定中である、即ち、そのデータ通信を終了したプロファイルによるデータ通信を開始する際に何れかのデータ通信を実行中のプロファイルを切断させたと判定すると(ステップS53にて「YES」)、その切断させたプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で再接続させ(ステップS55)、その再接続させたプロファイルによるデータ通信を再開し(ステップS56)、通信回線切断実行フラグを解除し(ステップS57)、データ通信終了判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0070】
又、制御部4は、開始待機実行フラグを設定中である、即ち、そのデータ通信を終了したプロファイルによるデータ通信を実行中に何れかのプロファイルによるデータ通信の開始を待機したと判定すると(ステップS54にて「YES」)、そのデータ通信の開始を待機したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中であるか否かを判定する(ステップS58)。
【0071】
制御部4は、そのデータ通信の開始を待機したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中であると判定すると(ステップS58にて「YES」)、そのデータ通信の開始を待機したプロファイルによるデータ通信を開始し(ステップS60)、開始待機実行フラグを解除し(ステップS61)、データ通信終了判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0072】
一方、制御部4は、そのデータ通信の開始を待機したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続中でないと判定すると(ステップS48にて「NO」)、そのデータ通信の開始を待機したプロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続させた後に(ステップS59)、そのデータ通信の開始を待機したプロファイルを開始し(ステップS60)、開始待機実行フラグを解除し(ステップS61)、データ通信終了判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0073】
又、制御部4は、別の何れかのプロファイルによるデータ通信を実行中であると判定すると(ステップS52にて「YES」)、通信帯域縮小実行フラグを設定中であるか否か、即ち、そのデータ通信を終了したプロファイルによるデータ通信を開始する際に何れかのデータ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小したか否かを判定する(ステップS62)。制御部4は、通信帯域縮小実行フラグを設定中である、即ち、そのデータ通信を終了したプロファイルによるデータ通信を開始する際に何れかのデータ通信を実行中のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小したと判定すると(ステップS62にて「YES」)、その縮小した通信帯域を拡張し(復帰させ)(ステップS63)、通信帯域縮小実行フラグを解除し(ステップS64)、データ通信終了判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0074】
上記した一連の処理を具体的に説明する。ここでは、ユーザがデータ通信速度を速めたい(即時性を求めたい)と考えるデータ通信を規定するプロファイルの優先順位を上位とし、優先順位が上位のプロファイルとして例えばHFP、MAP、SPP、DUN等が設定されており、ユーザがデータ通信速度を速めなくても良い(即時性を求めない)と考えるデータ通信を規定するプロファイルの優先順位を下位とし、優先順位が下位のプロファイルとして例えばPBAP、OPP等が設定されている場合を説明する。尚、プロファイルの優先順位は、車載装置2を製造する製造メーカが記憶部7に予め設定しても良いし、車載装置2が車両に搭載された後にユーザが車載装置2に接続されている操作装置21を操作して設定しても良い。
【0075】
最初に、優先順位が上位のプロファイルによるデータ通信を実行中に、優先順位が下位のプロファイルによるデータ通信の開始要求が発生した場合について、図7乃至図11を参照して説明する。
制御部4は、上記したように、BT通信回線をBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続させると、最初にHFPをBTモジュール5とBTモジュール24との間で自動的に接続させ、次にPABPをBTモジュール5とBTモジュール24との間で自動的に接続させ、図7に示すように、HFPを接続させた状態でPABPによるデータ通信を開始する(t1参照)。ここで、制御部4は、PABPによるデータ通信を終了するよりも先に、即ち、PBAPによるデータ通信を実行中に例えばユーザが所定操作を操作装置21にて行ったことでSPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えている(通信帯域が空いていない)と判定し、通信回線切断フラグを設定していると判定すると、そのデータ通信を実行中のPBAPを切断させ、そのデータ通信を実行中のPBAPによるデータ通信を中断し、SPPによるデータ通信を開始する(t2参照)。そして、制御部4は、SPPによるデータ通信を終了したと判定すると、切断させたPBAPを再接続させ、中断したPBAPによるデータ通信を再開する(t3参照)。
【0076】
又、制御部4は、図8に示すように、PABPによるデータ通信を開始した後に(t11参照)、PBAPによるデータ通信を実行中にSPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていると判定し、通信帯域縮小フラグを設定していると判定すると、そのデータ通信を実行中のPBAPを切断させることなく、そのデータ通信を実行中のPBAPによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小し、SPPによるデータ通信を開始する(t12参照)。そして、制御部4は、PBAPによるデータ通信を終了するよりも先にSPPによるデータ通信を終了したと判定すると、縮小したPBAPによるデータ通信で占有する通信帯域を拡張し、PBAPによるデータ通信を継続する(t13参照)。
【0077】
又、制御部4は、図9に示すように、PABPによるデータ通信を開始した後に(t21参照)、PBAPによるデータ通信を実行中にSPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていると判定し、通信帯域縮小フラグを設定していると判定すると、そのデータ通信を実行中のPBAPを切断させることなく、そのデータ通信を実行中のPBAPによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小し、SPPによるデータ通信を開始する(t22参照)。そして、制御部4は、SPPによるデータ通信を終了するよりも先にPBAPによるデータ通信を終了したと判定すると、SPPによるデータ通信を継続する(t23参照)。尚、この場合、制御部4は、先に開始したPBAPによるデータ通信を終了したことで空き通信帯域が発生したことに伴い、SPPによるデータ通信で占有する通信帯域を拡張して継続しても良い。
【0078】
又、制御部4は、図10に示すように、PABPによるデータ通信を開始した後に(t31参照)、PBAPによるデータ通信を実行中にSPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていない(通信帯域が空いている)と判定すると、データ通信を実行中のPBAPによるデータ通信を継続したまま、SPPによるデータ通信を開始する(t32参照)。そして、制御部4は、PBAPによるデータ通信を終了するよりも先にSPPによるデータ通信を終了したと判定すると、PBAPによるデータ通信を継続する(t33参照)。
【0079】
又、制御部4は、図11に示すように、PABPによるデータ通信を開始した後に(t41参照)、PBAPによるデータ通信を実行中にSPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていないと判定すると、データ通信を実行中のPBAPによるデータ通信を継続したまま、SPPによるデータ通信を開始する(t42参照)。そして、制御部4は、SPPによるデータ通信を終了するよりも先にPBAPによるデータ通信を終了したと判定すると、SPPによるデータ通信を継続する(t43参照)。尚、この場合も、制御部4は、先に開始したPBAPによるデータ通信を終了したことで空き通信帯域が発生したことに伴い、SPPによるデータ通信で占有する通信帯域を拡張して継続しても良い。
【0080】
次に、優先順位が下位のプロファイルによるデータ通信を実行中に、優先順位が上位のプロファイルによるデータ通信の開始要求が発生した場合について、図12乃至図14を参照して説明する。
制御部4は、図12に示すように、例えばユーザが所定操作を操作装置21にて行ったと判定すると、SPPによるデータ通信を開始する(t51参照)。ここで、制御部4は、SPPによるデータ通信を終了するよりも先に、即ち、SPPによるデータ通信を実行中にユーザが所定操作を操作装置21にて行ったことでOPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したOPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えている(通信帯域が空いていない)と判定すると、そのデータ通信を実行中のSPPによるデータ通信を継続し、そのデータ通信の開始要求が発生したOPPによるデータ通信の開始を待機する(t52参照)。そして、制御部4は、SPPによるデータ通信を終了したと判定すると、データ通信の開始を待機したOPPによるデータ通信を開始する(データ通信の開始の待機を解除する)(t53参照)。
【0081】
又、制御部4は、図13に示すように、SPPによるデータ通信を開始した後に(t61参照)、SPPによるデータ通信を実行中にOPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したOPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていない(通信帯域が空いている)と判定すると、データ通信を実行中のSPPによるデータ通信を継続したまま、OPPによるデータ通信を開始する(t62参照)。そして、制御部4は、SPPによるデータ通信を終了するよりも先にOPPによるデータ通信を終了したと判定すると、SPPによるデータ通信を継続する(t63参照)。
【0082】
又、制御部4は、図14に示すように、SPPによるデータ通信を開始した後に(t71参照)、SPPによるデータ通信を実行中にOPPによるデータ通信の開始要求が発生したと判定し、データ通信の開始要求が発生したOPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていないと判定すると、データ通信を実行中のSPPによるデータ通信を継続したまま、OPPによるデータ通信を開始する(t72参照)。そして、制御部4は、OPPによるデータ通信を終了するよりも先にSPPによるデータ通信を終了したと判定すると、OPPによるデータ通信を継続する(t73参照)。尚、この場合、制御部4は、先に開始したSPPによるデータ通信を終了したことで空き通信帯域が発生したことに伴い、OPPによるデータ通信で占有する通信帯域を拡張して継続しても良い。
【0083】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載装置2において、優先順位が下位のPBAPによるデータ通信を実行中に、優先順位が上位のSPPによるデータ通信の開始要求が発生し、データ通信の開始要求が発生したSPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていると、優先順位が下位のPBAPを切断させてPBAPによるデータ通信を中断し、又はPBAPによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小し、優先順位が上位のSPPによるデータ通信を開始するようにしたので、優先順位が上位のSPPによるデータ通信を、優先順位が下位のPBAPによるデータ通信よりも優先して実行することができる。
【0084】
又、優先順位が上位のSPPによるデータ通信を実行中に、優先順位が下位のOPPによるデータ通信の開始要求が発生し、データ通信の開始要求が発生したOPPによるデータ通信で占有する通信帯域が空き通信帯域を越えていると、優先順位が下位のOPPによるデータ通信の開始を待機し(開始することなく)、優先順位が上位のSPPによるデータ通信を継続するようにしたので、この場合も、優先順位が上位のSPPによるデータ通信を、優先順位が下位のOPPによるデータ通信よりも優先して実行することができる。
【0085】
即ち、SPPによるデータ通信を他のプロファイルによるデータ通信よりも優先するようにすれば、ユーザ操作に対する応答を速やかに提示することができる。尚、以上は、SPPによるデータ通信を他のプロファイルによるデータ通信よりも優先する場合を説明したが、HFPによるデータ通信を他のプロファイルによるデータ通信よりも優先するように構成すれば、通信網33から携帯電話機3への音声着信が発生すると、その音声着信が発生したことを携帯電話機3から車載装置2へ通知するためのデータ(音声着信通知データ)をHFPによりBTモジュール5からBTモジュール24へ速やかに送信させることができ、音声着信が発生したことを車載装置2からユーザに対して速やかに通知することができる。
【0086】
又、MAPによるデータ通信を他のプロファイルによるデータ通信よりも優先するように構成すれば、通信網33から携帯電話機3への電子メール着信が発生すると、その電子メール着信が発生したことを携帯電話機3から車載装置2へ通知するためのデータ(電子メール着信通知データ)をMAPによりBTモジュール5からBTモジュール24へ速やかに送信させることができ、電子メール着信が発生したことを車載装置2からユーザに対して速やかに通知することができる。
【0087】
更に、DUNによるデータ通信を他のプロファイルによるデータ通信よりも優先するように構成すれば、ダイヤルアップ接続に必要なデータをDUNによりBTモジュール5とBTモジュール24との間で速やかに転送させることができ、ダイヤルアップ接続を速やかに終了することができる。特に、電話通信部23と通信網33との間での広域通信回線の接続時間に応じてユーザに対して課金が発生する従量課金制度の下ではダイヤルアップ接続を速やかに終了することで、ユーザが負担するコスト面での効果を期待することができる。
【0088】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
近距離無線通信装置は、車載装置2に限らず、BTモジュール5と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、周知のナビゲーション機能を有するナビゲーション装置等であっても良く、又、車両に搭載されない装置であっても良い。又、近距離無線通信装置のデータ通信相手である通信相手装置は、携帯電話機3に限らず、BTモジュール24と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、携帯情報端末等であっても良く、又、ユーザが携帯不可能な固定端末であっても良い。
【0089】
2つのプロファイルによるデータ通信が競合する場合に限らず、3つ以上のプロファイルによるデータ通信が競合する場合も同様である。即ち、3つ以上のプロファイルによるデータ通信が競合する場合には、優先順位が最上位のプロファイルを除く他の2つ以上のプロファイルを切断させて当該他の2つ以上のプロファイルによるデータ通信を中断したり、他の2つ以上のプロファイルによるデータ通信で占有する通信帯域を縮小したり、他の2つ以上のプロファイルによるデータ通信の開始を待機したりすることで、優先順位が最上位のプロファイルによるデータ通信を、他の2つ以上のプロファイルによるデータ通信よりも優先して実行するようにしても良い。
【0090】
プロファイル毎の優先順位を設定する場合に、例えばPBAPやOPPの優先順位を他のプロファイルの優先順位よりも上位に設定することで、電話帳データの転送を他のプロファイルの機能よりも優先させることができ、又、例えばA2DPやAVRCPの優先順位を他のプロファイルの優先順位よりも上位に設定することで、携帯電話機3に記憶されている音データ(楽曲データ)の転送を他のプロファイルの機能よりも優先させることができる。
【0091】
データ通信を実行中のプロファイルを切断させることで当該プロファイルによるデータ通信を中断することに限らず、データ通信を実行中のプロファイルの接続を継続したまま(切断させることなく)当該プロファイルによるデータ通信を中断したり、その中断したデータ通信を再開したりするようにしても良い。
【0092】
ユーザがプロファイル毎の優先順位を予め設定することに限らず、制御部4が優先順位を動的に設定するようにしても良い。例えば処理負荷が異なる複数のプロファイルによるデータ通信が競合する場合であれば、データ通信が競合した時点でデータ通信以外の処理に要する処理負荷が所定レベル未満であり、データ通信に余力が十分である場合には処理負荷が大きい方のプロファイルの優先順位を上位とし、一方、データ通信が競合した時点でデータ通信以外の処理に要する処理負荷が所定レベル以上であり、データ通信に余力が十分でない場合には処理負荷が小さい方のプロファイルの優先順位を上位とする等しても良い。
【符号の説明】
【0093】
図面中、2は車載装置(近距離無線通信装置)、3は通信相手装置、4は制御部(制御手段)、5はBTモジュール(接続手段)、24はBTモジュール(通信相手側接続手段)、33は通信網である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信帯域を有する近距離無線通信回線を通信相手側接続手段との間で接続している状態でデータ通信を規定する複数のデータ通信プロトコルを前記通信相手側接続手段との間で同時接続可能な接続手段と、
前記データ通信プロトコルの接続及び切断を制御すると共に、前記データ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、複数のデータ通信プロトコルによるデータ通信を同時に実行する要求が発生した場合に、複数のデータ通信プロトコルのうち優先順位が上位のデータ通信プロトコルで占有する近距離無線通信回線の通信帯域を、優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域よりも優先して確保することで、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先して実行することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定した場合に、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始した後に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定した場合に、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を再開することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定した場合に、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルを切断させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルを切断させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を中断し、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始した後に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定した場合に、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルを前記接続手段と前記通信相手側接続手段との間で再接続させて当該優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を再開することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項6】
請求項1に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定した場合に、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行した後に、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続しており且つ前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定した場合に、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を拡張することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項8】
請求項6に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を縮小すると共に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始し、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信と前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信とを同時に実行した後に、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了し且つ前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続していると判定した場合に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信で占有する近距離無線通信回線の通信帯域を拡張することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を実行中に前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始要求が発生したと判定した場合に、そのデータ通信を実行中の前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続し、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始を待機することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項10】
請求項9に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、データ通信を実行中の前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を継続し、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信の開始を待機した後に、前記優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を終了したと判定した場合に、前記優先順位が下位のデータ通信プロトコルによるデータ通信を開始することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、ユーザ操作に応じたデータに係るデータ通信、通信網から通信相手装置への着信通知を示すデータに係るデータ通信、及び通信相手装置が通信網と接続するのに必要なデータに係るデータ通信のうち何れかを規定するデータ通信プロトコルによるデータ通信を、その他のデータ通信プロトコルによるデータ通信よりも優先順位が上位のデータ通信プロトコルによるデータ通信として実行することを特徴とする近距離無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−13012(P2013−13012A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145783(P2011−145783)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】