説明

送りネジ式アリ溝ステージ

【課題】雌ネジ筒と雄ネジ棒とが係合する摺動機構にこじれや応力集中が発生することなく、摺動部品を固定部品に対して高精度に摺動させ、ハンドルの使い勝手の良い送りネジ式アリ溝ステージを提供する。
【解決手段】送りネジ式アリ溝ステージ1は、連結されたハンドル4の心棒17及び雄ネジ棒7は、固定部品3の端部に固定されたブロック5を貫通することにより回転自在に支持される第1支持手段18と、雌ネジ筒8に取り付けられた凸部11が、摺動部品2の雌ネジ筒8側において凸部11に対向する位置に設けられた凹部12に対して凸部11と凹部12との間隙に緩衝材16が充填されて着脱自在の状態で収納される第2支持手段19と、により支持されて動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送りネジ式アリ溝ステージに係り、特に、ハンドルの心棒に連結された雄ネジ棒を摺動部品に取り付けられた雌ネジ筒に係合させ、精密機器が取付けられる摺動部品と土台に固定される固定部品とを連結し、ハンドル操作により雄ネジ棒を回転させて固定部品に対して摺動部品を摺動させ、取り付けられた精密機器の位置調整を行う送りネジ式アリ溝ステージに関する。
【背景技術】
【0002】
図6、図7及び図8に、従来の送りネジ式アリ溝ステージの実施例を示す。図6(a)は、従来の送りネジ式アリ溝ステージ100の平面図であり、図6(b)は図6(a)のD−D側面図である。また、図7は図6(a)のC−C断面図であり、図8は、雌ネジ筒108を摺動部品102に固定する部分の拡大された詳細断面図である。送りネジ式アリ溝ステージ100は、精密機器(図示せず)が精密機器取付孔106を介して取付けられる摺動部品102と、土台(図示せず)に固定される固定部品103とが摺動機構を介して連結され、ハンドル104の回転操作により摺動部品102を図6(a)及び図7中の矢印の方向に摺動させ、取り付けられた精密機器の位置調整を行う。そして、ストッパー109を締め付けることで摺動部品102を固定部品103に対して任意の位置で固定することができる。
【0003】
送りネジ式アリ溝ステージ100の摺動機構は、図6(b)の側面図に示すように、摺動部品102のアリ114が固定部品103のアリ溝115に嵌合して摺動部品102が固定部品103上を滑動する。また、ハンドル104の心棒117に連結された雄ネジ棒107に雌ネジ筒108が挿入されて係合する。雌ネジ筒108は摺動部品102に接続され、心棒117及び雄ネジ棒107はブロック105において固定部品103に固定される(第1支持手段118)。ハンドル104の心棒117及び雄ネジ棒107は、ハンドル104側端部に設けられたブロック105により回転自在に支持されるため、ハンドル104を回転させると、雌ネジ筒108が雄ネジ棒107上を移動する。この機構により、摺動部品102を固定部品103に対して摺動させることができる。図7に示すように、雄ネジ棒107の全長は、雌ネジ筒108の幅(N)と、雌ネジ筒108の前後の移動距離(L)及びワッシャ110の厚みと抜け止め距離の合計長さ(M)から構成される。
【0004】
図7に示すように、雌ネジ筒108には凸部111が設けられ、この凸部111は、摺動部品102に設けられた凹部112に挿入される。図8に示すように、この凸部111は、真鍮製の固定ビス122及び固定ナット121から構成されている。そして、雌ネジ筒8は、摺動部品102の外側に設けられたビス取付用凹部113から固定ビス122により固定される(第2支持手段119)。このように、従来の送りネジ式アリ溝ステージ100は、固定部品102の端部に固定されたブロック105を貫通することにより回転自在に支持され、かつ、雌ネジ筒108に取り付けられた凸部111が摺動部品102に固定ビス122により固定される。すなわち、連結されたハンドル104の心棒117及び雄ネジ棒107は、第1支持手段118及び第2支持手段119の2箇所により固定される。
【0005】
一方、特許文献1には、送りネジ式摺動機構を用いた手動ステージが開示されている。ここでは、従来の送りネジ式ステージの機構が記載されている。雄ネジ棒は、ハンドル側においてブロックにより一端を回転自在に支持されているが、多端は自由端であり支持されていない。
【0006】
また、特許文献2には、多機能送りネジ式アリ溝ステージが開示されている。ここでは、雄ネジ棒は両端において第1支持台及び第2支持台にそれぞれ支持されている。また、図9に、従来の送りネジ式ステージの機構が記載されている。雄ネジ棒は、ハンドル側においてブロックにより一端を回転自在に支持されているが、多端は自由端であり支持されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4606501号
【特許文献2】特許第4512166号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の送りネジ式アリ溝ステージでは、雌ネジ筒は摺動部品の外側に設けられたビス取付用凹部から固定ビスにより固定される(第2支持手段)。従って、ハンドルの心棒及び雄ネジ棒は、ブロック及び雌ネジ筒の2箇所で固定される。この固定方法により、摺動機構にこじれが生じたり、応力集中が生じたりという問題がある。また、部品の製作誤差を吸収する機構がないため、摺動部品を固定部品に対して高精度に摺動させることが難しいという問題がある。
【0009】
また、従来の送りネジ式アリ溝ステージでは、ハンドルの取り付け方向が固定されている。すなわち、雌ネジ筒の移動距離が前後で異なるため、ハンドルを逆向きに変更できる機構ではない。そのため使用者にとってハンドルの使い勝手が悪いという問題がある。
【0010】
本願の目的は、かかる課題を解決し、雌ネジ筒と雄ネジ棒とが係合する摺動機構にこじれや応力集中が発生することなく、摺動部品を固定部品に対して高精度に摺動させ、ハンドルの使い勝手の良い送りネジ式アリ溝ステージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る送りネジ式アリ溝ステージは、ハンドルの心棒に連結された雄ネジ棒を摺動部品に取り付けられた雌ネジ筒に係合させ、精密機器が取付けられる摺動部品と土台に固定される固定部品とを連結し、ハンドル操作により雄ネジ棒を回転させて固定部品に対して摺動部品を摺動させ、取り付けられた精密機器の位置調整を行う送りネジ式アリ溝ステージにおいて、連結されたハンドルの心棒及び雄ネジ棒は、固定部品の端部に固定されたブロックを貫通することにより回転自在に支持される第1の支持手段と、雌ネジ筒に取り付けられた凸部が、摺動部品の雌ネジ筒側において凸部に対向する位置に設けられた凹部に対して凸部と凹部との間隙に緩衝材が充填されて着脱自在の状態で収納される第2の支持手段と、により支持されて動作することを特徴とする。
【0012】
上記構成により、送りネジ式アリ溝ステージは、雌ネジ筒に取り付けられた凸部が摺動部品の凹部に着脱自在に収納される。すなわち、凸部と凹部とは固定されず、凸部は凹部の内部でクリアランスを保持しながらあたかも浮遊しているかのような位置関係にある。このように、雌ネジ筒及び雄ネジ棒は摺動部品に固定されないため摺動機構にこじれや応力集中が発生することはない。また、凸部が凹部の内部でクリアランスを保持することから、部品の製作誤差が吸収でき、摺動部品を固定部品に対して高精度に摺動させることができる。
【0013】
また、送りネジ式アリ溝ステージは、前記緩衝材が粘性を有するグリースであることが好ましく、また、前記緩衝材が弾性を有する弾性材であることが好ましい。この緩衝材の弾性、或いはグリースの粘性により、摺動機構にこじれや応力集中が生じるのを緩和させることができ、摺動部品を固定部品に対して柔軟に摺動させことができる。
【0014】
また、送りネジ式アリ溝ステージは、摺動部品の雌ネジ筒側に設けられる凹部が、ハンドルを正規の向きに設置した場合に雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する第1の位置と、ハンドルを正規の向きと逆向きに設置した場合に雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する第2の位置との2箇所に設置されることが好ましい。これにより、ハンドルの向きをいずれの向きにしても送りネジ式アリ溝ステージを使用でき、使い勝手の良い送りネジ式アリ溝ステージとすることができる。
【0015】
また、送りネジ式アリ溝ステージは、摺動部品の雌ネジ筒側に設けられる凹部が、ハンドルを正規の向きに設置した場合に雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する位置であり、かつ、ハンドルを正規の向きと逆向きに設置した場合の雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する位置に設置されることが好ましい。これにより、ハンドルの向きをいずれの向きにしても送りネジ式アリ溝ステージを使用でき、使い勝手の良い送りネジ式アリ溝ステージとすることができる。
【0016】
さらに、送りネジ式アリ溝ステージは,摺動部品に設けられる凹部に収納される凸部が、雌ネジ筒に係合されるステンレス製の固定ビスと、固定ビスの頭部に嵌合するステンレス製又は真鍮製の固定ナットであることが好ましい。これにより、送りネジ式アリ溝ステージの使用中に摺動機構を破損などの故障から回避させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係る送りネジ式アリ溝ステージによれば、雌ネジ筒と雄ネジ棒とが係合する摺動機構にこじれや応力集中が発生することなく、摺動部品を固定部品に対して高精度に摺動させ、ハンドルの使い勝手の良い送りネジ式アリ溝ステージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る送りネジ式アリ溝ステージの1つの実施形態の概略構成を示す平面図及びB−B側面図である。
【図2】図1の送りネジ式アリ溝ステージのA−A断面図である。
【図3】図2に示す、雌ネジ筒を摺動部品に収納する部分についての拡大された詳細断面図である。
【図4】送りネジ式アリ溝ステージの摺動部品に設けられた2つの凹部を示す断面図及び平面図である。
【図5】送りネジ式アリ溝ステージの摺動部品に設けられた中央の凹部を示す断面図及び平面図である。
【図6】従来の送りネジ式アリ溝ステージの概略構成を示す平面図及びD−D側面図である。
【図7】図5のC−C断面図、及び雌ネジ筒を摺動部品に固定する部分の詳細図である。
【図8】図7に示す、雌ネジ筒を摺動部品に固定する部分についての拡大された詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を用いて本発明に係る送りネジ式アリ溝ステージの実施形態につき、詳細に説明する。図1に、本発明に係る送りネジ式アリ溝ステージ1の1つの実施形態の概略構成を平面図及び側面図で示す。図1(a)は、送りネジ式アリ溝ステージ1の平面図である。図1(b)は,図1(a)のB−B断面図である。また、図2に、本発明に係る送りネジ式アリ溝ステージ1の1つの実施形態の概略構成をA−A断面図で示す。さらに、図3に、図2に示す、雌ネジ筒を摺動部品に収納する部分についての拡大された詳細断面図を示す。
【0020】
送りネジ式アリ溝ステージ1は、精密機器取付孔6を有し、図示しない精密機器が取付けられる摺動部品2と、図示しない土台に固定されるベース板が接続される固定部品3と、が摺動機構を介して連結され、ハンドル4の回転操作により摺動部品2を摺動させ、取り付けられた精密機器の位置調整を行う。そして、ストッパー9を締め付けることで摺動部品2を固定部品3に対して任意の位置で固定することができる。
【0021】
送りネジ式アリ溝ステージ1の摺動機構は、図1(b)に示すように、摺動部品2のアリ14が固定部品3のアリ溝15に嵌合して摺動部品2が固定部品3上を滑動する。また、ハンドル4に連結された雄ネジ棒7に雌ネジ筒8が挿入されて係合する。この機構により、摺動部品2を摺動させることができる。また、雄ネジ棒7は、ブロック5の反対側では、固定部品3に支持されずに自由端となっている。また、図2に示すように、雄ネジ棒7の全長は、雌ネジ筒8の幅(N)と、雌ネジ筒8の前後の移動距離(L)及びワッシャ10の厚みと抜け止め距離の合計長さ(M)から構成される。
【0022】
連結されたハンドル4の心棒17及び雄ネジ棒7は、固定部品3の端部に固定されたブロック5を貫通することにより回転自在に支持される第1支持手段18と、雌ネジ筒8に取り付けられた凸部11が、摺動部品2の雌ネジ筒8側において凸部11に対向する位置に設けられた凹部12に対して凸部11と凹部12との間隙に緩衝材16が充填されて着脱自在の状態で収納される第2支持手段19と、により支持されて動作する。
【0023】
第1支持手段18について説明する。連結されたハンドル4の心棒17及び雄ネジ棒7は、ブロック5を介して固定部品3に接続される。すなわち、ハンドル4又は雄ネジ棒7は、固定部品3のハンドル4側端部に設けられたブロック5により固定部品3に接続され回転自在に支持される。
【0024】
第2支持手段19について説明する。図2及び図3に示すように、雌ネジ筒8には凸部11が設けられる。この凸部11は、固定ビス22及び固定ナット21から構成される。この凸部11は、摺動部品2に設けられた凹部12に着脱自在に収納される。すなわち、凸部11と凹部12とは固定されず、凸部11は凹部12の内部でクリアランスを保持しながらあたかも浮遊しているかのような位置関係にある。このように、雌ネジ筒8及び雄ネジ棒7は凸部11と凹部12により摺動部品2に固定されないため摺動機構にこじれが発生することはない。また、凸11部が凹部12の内部でクリアランスを保持することから、部品の製作誤差が吸収でき、摺動部品2を固定部品3に対して高精度に摺動させることができる。
【0025】
このように、連結されたハンドル4の心棒17及び雄ネジ棒7は、第1支持手段18においてブロック5を貫通し、軸方向と回転方向には拘束されず、軸と直交する2方向への移動が拘束される。また、連結されたハンドル4の心棒17及び雄ネジ棒7は、第2支持手段19において凸部11が凹部12に着脱自在に収納され、軸方向と回転方向だけではなく軸と直交する2方向への移動も拘束されない。つまり、連結されたハンドル4の心棒17及び雄ネジ棒7は、第1支持手段18において軸と直交する2方向への移動が拘束されて支持される。
【0026】
また、雌ネジ筒8に取り付けられた凸部11は、弾性を有する緩衝材16を介して摺動部品2の凹部12に接触する。この緩衝材16は、例えば、弾性を有する弾性材であっても良い。この弾性材の弾性により、摺動機構に応力集中が生じるのを緩和させることができ、摺動部品2を固定部品3に対して柔軟に摺動させことができる。また、この緩衝材16は、例えば、粘性を有するグリースであっても良い。このグリースの粘性により、摺動機構に応力集中が生じるのを緩和させることができ、摺動部品2を固定部品3に対して柔軟に摺動させことができる。
【0027】
このように、従来摺動部品2に固定されていた雌ネジ筒8の凸11部を、緩衝材16、例えば、弾性材或いはグリース等の粘性材を介して凹部12に接触させるという接続方法を採用することで、摺動部品2を固定部品3に対して高精度に摺動させることが可能になった。
【0028】
図4に、送りネジ式アリ溝ステージ20の他の実施形態の概略構成を示す。図4(a)は断面図であり、図4(b)は2つの孔である凹部12a及び12bの位置を示す平面図である。摺動部品2の雌ネジ筒8側に設けられる凹部12aは、ハンドル4を正規の向きに設置した場合に雌ネジ筒8に取り付けられた凸部11に対向する第1位置と、ハンドル4を正規の向きと逆向きに設置した場合に雌ネジ筒8に取り付けられた凸部11に対向する第2位置との2箇所に設置される。これは、図2に示すように、雌ネジ筒8の中央位置は、ワッシャ厚及び抜け止め距離(M)を確保しなければならないため、摺動部品2及び固定部品3の全長の中央位置とは一致しないからである。従って、図4に示すハンドル4の向きと逆向きに設置した場合には、凸部11の位置は凹部12aの位置とずれてしまう。そこで、ハンドル4の向きと逆向きに設置した場合の凸部11の位置に新たに凹部12bを設ける。これにより、ハンドル4が設置される向きに関わらず送りネジ式アリ溝ステージ20を使用することができ、使用者にとってハンドル4の使い勝手が改善される。
【0029】
図5に、送りネジ式アリ溝ステージの他の実施形態の概略構成を示す。摺動部品2に設けられる凹部12が、ハンドル4を正規の向きに設置した場合の凸部11に対向する位置であり、ハンドル4を正規の向きと逆向きに設置した場合の凸部11に対向する位置となるように中央に凹部12cが設けられる。すなわち、図4に示すように、ワッシャ厚及び抜け止め距離(M)の部分を摺動部品2及び固定部品3の外側に設けることで、雌ネジ筒8の中央位置が摺動部品2及び固定部品3の全長の中央位置と一致する。これにより、ハンドル4が設置される向きに関わらず送りネジ式アリ溝ステージ20を使用することができ、使用者にとってハンドル4の使い勝手が改善される。
【0030】
図3に示すように、摺動部品2に設けられる凹部12に収納される凸部11は、雌ネジ筒8に係合されるステンレス製の固定ビス22と、固定ビス22の頭部に嵌合するステンレス製又は真鍮製の固定ナット21である。このように、真鍮製よろ強度の高いステンレス製の固定ビス22により芯を貫くことで、送りネジ式アリ溝ステージ30の使用中に摺動機構を破損などの故障から回避させることができる。
【符号の説明】
【0031】
1,20,30,100 送りネジ式アリ溝ステージ、2,102 摺動部品、3,103 固定部品、4,104 ハンドル、5,105 ブロック、6,106 精密機器取付孔、7,107 雄ネジ棒、8,108 雌ネジ筒、9,109 ストッパー、10,110 ワッシャ、11,111 凸部、12,12a,12b,12c,112 凹部、14,114 アリ、15,115 アリ溝、16 緩衝材、17,117 心棒、18,118 第1支持手段、19,119 第2支持手段、113 ビス取付用凹部、21,121 固定ナット、22,122 固定ビス、N 雌ネジ筒長さ、M ワッシャ厚及び抜け止め距離、L 雌ネジ筒移動距離。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルの心棒に連結された雄ネジ棒を摺動部品に取り付けられた雌ネジ筒に係合させ、精密機器が取付けられる摺動部品と土台に固定される固定部品とを連結し、ハンドル操作により雄ネジ棒を回転させて固定部品に対して摺動部品を摺動させ、取り付けられた精密機器の位置調整を行う送りネジ式アリ溝ステージにおいて、
連結されたハンドルの心棒及び雄ネジ棒は、固定部品の端部に固定されたブロックを貫通することにより回転自在に支持される第1の支持手段と、雌ネジ筒に取り付けられた凸部が、摺動部品の雌ネジ筒側において凸部に対向する位置に設けられた凹部に対して凸部と凹部との間隙に緩衝材が充填されて着脱自在の状態で収納される第2の支持手段と、により支持されて動作することを特徴とする送りネジ式アリ溝ステージ。
【請求項2】
請求項1に記載の送りネジ式アリ溝ステージであって、前記緩衝材は、粘性を有するグリースであることを特徴とする送りネジ式アリ溝ステージ。
【請求項3】
請求項1に記載の送りネジ式アリ溝ステージであって、前記緩衝材は、弾性を有する弾性材であることを特徴とする送りネジ式アリ溝ステージ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の送りネジ式アリ溝ステージであって、摺動部品の雌ネジ筒側に設けられる凹部は、ハンドルを正規の向きに設置した場合に雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する第1の位置と、ハンドルを正規の向きと逆向きに設置した場合に雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する第2の位置との2箇所に設置されることを特徴とする送りネジ式アリ溝ステージ。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の送りネジ式アリ溝ステージであって、摺動部品の雌ネジ筒側に設けられる凹部は、ハンドルを正規の向きに設置した場合に雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する位置であり、かつ、ハンドルを正規の向きと逆向きに設置した場合の雌ネジ筒に取り付けられた凸部に対向する位置に設置されることを特徴とする送りネジ式アリ溝ステージ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の送りネジ式アリ溝ステージであって、摺動部品に設けられる凹部に収納される凸部は、雌ネジ筒に係合されるステンレス製の固定ビスと、固定ビスの頭部に嵌合するステンレス製又は真鍮製の固定ナットであることを特徴とする送りネジ式アリ溝ステージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−181035(P2012−181035A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42420(P2011−42420)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【特許番号】特許第4767367号(P4767367)
【特許公報発行日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(506177268)株式会社ミラック光学 (14)
【Fターム(参考)】