説明

送信装置、受信装置、コンテンツ送受信システム、コンテンツ送信方法、コンテンツ受信方法及びプログラム

【課題】著作権保護のために共有鍵が破棄されることがある状況において、送信装置から受信装置へコンテンツを、その一部を欠落させずに移動可能な送信装置を提供すること。
【解決手段】パケット処理部30は、受信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、コンテンツを該受信装置へ送信する。カウンタ処理部24は、第1のトランザクションによるコンテンツの送信について、それが開始してからの経過時間又は送信データ量のカウントを行う。トランザクション・コンテンツ分割管理部23は、カウンタ処理部24のカウント値が一定量に達し、かつ、コンテンツの送信が未完了の場合に、コンテンツの送信に用いるトランザクションを、第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換える。パケット処理部30は、トランザクションが切り換えられた場合に、該第2のトランザクションを用いて、コンテンツを受信装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを送信する送信装置、コンテンツを受信する送信装置、コンテンツ送受信システム、コンテンツ送信方法、コンテンツ受信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンドや無線LAN等のコンピュータネットワークの普及に伴い、通信機能を備えたデジタル情報機器若しくはデジタル家電が普及してきた。また、デジタル放送対応のテレビ、セットトップボックスやDVDレコーダ等もより一層普及すると考えられる。これらデジタル情報機器等がネットワークに接続されれば、利用者はネットワーク経由でコンテンツを楽しむことができる。
【0003】
ここで、コンテンツには、MPEG2やMPEG4などの動画データや音声データ、或いはテキストデータや画像データのようなドキュメントデータなどの各種のデジタルデータがある。このようなデジタルデータからなるコンテンツは、劣化することなく容易に複製できるという利点を持つ。しかし、その反面、コンテンツの著作権に関して注意が要求される。
【0004】
ネットワークを介して、著作権を保護すべきコンテンツを、送信装置と受信装置との間で送受信する仕組みが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
著作権を保護すべきコンテンツには、コピー制御情報が付随し、該コンテンツのコピー又は移動は、該コピー制御情報に従って制御される。コピー制御情報「No-more-Copies」は、これ以上の複製は禁止するが、移動(ムーブ)は許可する旨を表している。
【0006】
このコピー制御情報「No-more-Copies」を持つコンテンツを、著作権を保護しつつ移動する方法には、様々な方法がある。例えば、次の3ステップで実現できる。
(1)送信装置と受信装置との間で認証・鍵交換を行う。
(2)コンテンツを、送信装置から受信装置へ、「利用できない状態」にして複製する。このとき、送信装置には「利用できる状態」のコンテンツが存在している。
(3)送信装置における「利用できる状態」のコンテンツを「利用できない状態」にし、受信装置における「利用できない状態」のコンテンツを「利用できる状態」にする。
これをコンテンツの利用権利の移動処理とする。
【0007】
この方法は、トランザクションムーブと呼ばれ、上記3ステップで1つのトランザクションとなっている。
【0008】
ネットワークを介して、著作権を保護すべきコンテンツを、送信装置と受信装置の間で送受信する仕組みにおいて、「受信装置は、復号鍵を一定期間使用しなければ、それを破棄しなければならない」という規定が存在する場合がある。
【0009】
ここで、コピー制御情報が異なっている複数の部分で構成された編集コンテンツの移動を考える。上記コンテンツは、例えば、コピー制御情報「No-more-Copies」のコンテンツ1と、コピー制御情報「Copy-free」のコンテンツ2と、コピー制御情報「No-more-Copies」のコンテンツ3とが連結されたコンテンツである。
【0010】
まず、送信装置と受信装置との間で認証・鍵交換が行われ、暗号化と復号に使用される共有鍵aを共有する。コピー制御情報「Copy-free」のような暗号化を必要としない部分を含む編集コンテンツを移動する場合、受信装置は、暗号化を必要としない部分を受信し始めてから一定期間経過すると、共有鍵aを破棄することになる。しかし、送信装置は、引き続きコピー制御情報「No-more-Copies」のような暗号化を必要とする部分を送信する場合、共有鍵aを用いて暗号化し、受信装置に送信する。受信装置は、共有鍵aを破棄しているため、続きの暗号化を必要とする部分を復号することができない。
【0011】
また、コンテンツの移動の場合、送信装置が、共有鍵aを共有した正当な受信装置であるかどうかを確認することが困難な場合が多いので、受信装置が再度、送信装置と共有鍵aを共有するために認証・鍵交換を要求し、共有鍵aを取得することは困難である。
【0012】
ところで、編集コンテンツを分割し、分割されたコンテンツをそれぞれ別々のコンテンツとして送信装置から受信装置へ移動し、受信装置で分割された別々のコンテンツを結合して、元のコンテンツに復元する方法が考えられる。しかしながら、この方法においては、コンテンツのつなぎ目が滑らかに結合することができないという問題があった。
【0013】
ここで、「滑らかに結合することができない」とは、映像を再生する際に、フレーム落ちなどによって、繋ぎ目を滑らかに再生することができない、ということを意味している。例えば、MPEG2のコンテンツは、理想的な位置Close I pictureで分割し、分割されたコンテンツを結合した場合には、繋ぎ目を滑らかに再生することができる。しかし、理想的な位置以外の適当な位置で分割された場合、分割された2つ目のコンテンツの先頭にあるP pictureやB pictureの数pictureは、捨てられる。この結果、分割されたコンテンツを結合したても、捨てられた数pictureの繋ぎ目を滑らかに再生することはできない。
【0014】
特許文献1では、上述した問題を解決するためにコンテンツを分割する前に管理情報を作成しておき、分割前のコンテンツの管理情報と分割後の分割されたコンテンツの管理情報の両方を用いて、つなぎ目を滑らかに結合している。しかしながら、例えば著作権保護の観点などから、事前に管理情報を作成できない場合には、この方法を使用することができず、分割したコンテンツを滑らかに結合することはできない。
【特許文献1】特開2006−338779号公報
【非特許文献1】http://www.dtcp.comにて取得可能に開示されている文書(上記URLのOther DTCP Informational Specificationsの項目でリンクされているpdf)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
以上説明してきたように、著作権保護のために共有鍵が破棄されることがある状況において、送信装置から受信装置へコンテンツを、その一部を欠落させることなく確実に移動することが困難であった。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、著作権保護のために共有鍵が破棄されることがある状況において、送信装置から受信装置へコンテンツを、その一部を欠落させることなく確実に移動可能な送信装置、受信装置、コンテンツ送受信システム、コンテンツ送信方法、コンテンツ受信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る送信装置は、受信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、受信装置への移動対象のコンテンツを該受信装置へ送信するトランザクション送信部と、前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの送信について、特定の時点からの、該コンテンツの送信の経過を示す経過量のカウントを行うカウンタ部と、前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了の場合に、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る受信装置は、送信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、移動対象のコンテンツを該送信装置から受信するトランザクション受信部と、前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの受信について、特定の時点からの、該コンテンツの受信の経過を示す経過量のカウントを行うカウンタ部と、前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了の場合に、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、著作権保護のために共有鍵が破棄されることがある状況において、送信装置から受信装置へコンテンツを、その一部を欠落させることなく確実に移動することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ送受信システムの構成例を示す。
【0021】
図1において、2は送信装置、4は受信装置、8はネットワークである。
【0022】
送信装置2は、移動対象のコンテンツを、ネットワーク8経由で受信装置4へ送信する。また、受信装置4は、送信装置2から送信されたコンテンツを、ネットワーク8経由で受信する。
【0023】
本実施形態において、送信装置2から受信装置4へ転送されるコンテンツは、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」すなわち「著作権保護をかけた上で伝送すべきデジタルコンテンツ」である。
【0024】
ここでは、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」は、コピーは禁止されているが、移動は許可されている、デジタルデータである、として説明する。また、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」は、送信装置2から受信装置4への転送時は、暗号化して転送される、として説明する。
【0025】
なお、このコンテンツは、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」のみからなるものであっても良いし、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」の他に、「著作権保護が要求されないデジタルデータ」(すなわち、自由にコピー等することを許されたデジタルデータであり、暗号化せずに転送して構わないデジタルデータ)を含むものであっても良い。
【0026】
以下、このようなコンテンツを単にコンテンツと呼んで説明するものとする。
【0027】
ここで、以下の説明で用いる「コンテンツの送信の経過を示す経過量」とは、コンテンツの送信が開始されてからの経過を示す量(特定の時点からのコンテンツの送信の経過を示す量)であり、例えば、開始されてからの送信時間や、開始されてからの送信データ量である。
【0028】
また、「コンテンツの受信の経過を示す経過量」とは、コンテンツの受信が開始されてからの経過を示す量(特定の時点からのコンテンツの受信の経過を示す量)であり、例えば、開始されてからの受信時間や、開始されてからの受信データ量である。
【0029】
本実施形態は、概略的には、送信装置2から受信装置4にコンテンツを移動するにあたって、送信装置2から受信装置4へのコンテンツの移動が開始されてから、該コンテンツの送信或いは受信の経過を示す経過量が一定値を超えるごとに(例えば、送信若しくは受信に費やされた時間が一定時間を越えるごとに、あるいは、送信若しくは受信されたデータ量が一定データ量を超えるごとに)、トランザクションを切り替えてコンテンツの移動を行うようにしたものである。
【0030】
なお、ネットワーク8には、イーサネット(登録商標)、IEEE1394若しくはUSBなどの有線ネットワーク、又はIEEE802.11若しくはBluetooth(登録商標)などの無線ネットワークなど、どのようなものを用いても良い。
【0031】
また、図1のネットワーク8には、送信装置2は、1台だけ示されているが、複数台存在して構わない。この点は、受信装置4についても同様である。また、図1のネットワーク8には、送信装置2及び受信装置4以外の装置が接続されていても構わない。
【0032】
図2に、本実施形態の送信装置2の構成例を示す。
【0033】
図2に示されるように、本送信装置2は、コンテンツ供給部21、認証・鍵交換処理部22、トランザクション・コンテンツ分割管理部23、カウンタ処理部24、コンテンツ全体送信完了処理部25、利用権利移動処理部26、暗号処理部28、パケット処理部30、通信処理部31、ネットワークインターフェース部32を備えている。
【0034】
コンテンツ供給部21は、移動対象のコンテンツをパケット処理部30に供給する。
【0035】
カウンタ処理部24は、トランザクションが確立され、該トランザクションによるコンテンツの送信が開始されると、該コンテンツの送信の経過を示す経過量(例えば、送信時間や送信データ量)をカウントし、該経過量が一定値を超えると(例えば、送信時間が一定時間を越えると、あるいは、送信データ量が一定データ量を超えると)、新たなトランザクションを要求し、トランザクションの切り替えを要求する。
【0036】
トランザクション・コンテンツ分割管理部23は、コンテンツとトランザクションとの対応関係を記憶・管理し、受信装置4との新たなトランザクションを作成し、トランザクションの切り替えを行う。
【0037】
コンテンツ全体送信完了処理部25は、コンテンツ全体の送信が完了した場合に、「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を受信装置4に通知する。
【0038】
利用権利移動処理部26は、コンテンツの利用権利を、送信装置2から受信装置4へ移動させるための処理を行う。また、この処理で使用される情報の作成・管理を行う。
【0039】
暗号処理部28は、認証・鍵交換処理によって共有した共有鍵を使用して、送受信するデータの暗号化や復号を行う。
【0040】
パケット処理部30は、ネットワーク層処理及びトランスポート層処理(例えば、受信装置4に送信するコンテンツデータや利用権利の移動処理のコマンドなどを、パケットに変換する処理など)を実行する。
【0041】
通信処理部31は、データリンク層処理を実行する。
【0042】
ネットワークインターフェース部32は、例えばイーサネット(登録商標)などの物理層処理を実行する。
【0043】
認証・鍵交換処理部22は、受信装置4(の認証・鍵交換処理部)との間で認証・鍵交換処理を行う。ここで、認証・鍵交換処理とは、送信装置2及び受信装置4が、特定のライセンス機関から正しくライセンスを受けた装置であることを相互に認証し、正当な装置であると確認できた場合に、共通の鍵(共有鍵)を生成する処理である。すなわち、該認証・鍵交換処理が成功すると、送信装置2と受信装置4との間で、コンテンツを暗号化又は復号するために使用される共有鍵を共有することができる。なお、認証の方法としては、例えば、ISO/IEC 9798-3やISO/IEC 9798-2のような公知の手法を用いれば良い。
【0044】
図3に、本実施形態の受信装置4の構成例を示す。
【0045】
図3に示されるように、本受信装置4は、コンテンツ処理部41、認証・鍵交換処理部42、トランザクション・コンテンツ分割管理部43、カウンタ処理部44、コンテンツ全体受信完了処理部45、利用権利移動情報格納部46、利用権利移動一括処理部47、暗号処理部48、パケット処理部50、通信処理部51、ネットワークインターフェース部52を備えている。
【0046】
認証・鍵交換処理部42、トランザクション・コンテンツ分割管理部43、暗号処理部48、パケット処理部50、通信処理部51、ネットワークインターフェース部52は、基本的には、それぞれ、送信装置2の対応するブロックと同様の機能を持つ。
【0047】
コンテンツ処理部41は、受信したコンテンツを表示装置などに出力したり蓄積したりするための処理を行う。
【0048】
カウンタ処理部44は、トランザクションが確立され、該トランザクションによるコンテンツの受信が開始されると、該コンテンツの受信の経過を示す経過量(例えば、受信時間や受信データ量)をカウントし、該経過量が一定値を超えると(例えば、受信時間が一定時間を越えると、あるいは、受信データ量が一定データ量を超えると)、新たなトランザクションを要求し、トランザクションの切り替えを要求する。
【0049】
コンテンツ全体受信完了処理部45は、「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を送信装置2から受信した場合に、利用権利の移動処理(移動一括処理)を要求する。
【0050】
利用権利移動情報格納部46は、利用権利の移動処理で使用される情報を作成・格納する。
【0051】
利用権利移動一括処理部47は、コンテンツと対応関係のある全てのトランザクションの利用権利の移動処理を、送信装置2に対して一括して実行する。
【0052】
なお、ここでは、カウンタ処理部を送信装置2と受信装置4の両方にそれぞれ備えるものとして説明しているが、送信装置2と受信装置4のいずれか一方にのみカウンタ処理部を備える構成も可能である。
【0053】
図4に、本実施形態のコンテンツ送受信システムの処理手順の一例を示す。
【0054】
以下、図4に沿って、送信装置2から受信装置4へコンテンツを移動する場合について説明する。
【0055】
<認証・鍵交換処理>
まず、送信装置2から受信装置4へ(または、受信装置4から送信装置2へ)、コンテンツの移動要求がなされると(ステップS11)、送信装置2の認証・鍵交換処理部22と受信装置4の認証・鍵交換処理部42との間で、認証・鍵交換処理が行われ(ステップS12)、トランザクションが開始される。
【0056】
ここで、移動対象となるコンテンツの識別子をCとする。また、開始されたトランザクションの識別子をDとする。また、認証・鍵交換処理によって送信装置2と受信装置4との間で共有された(トランザクションDにおいて使用される)共有鍵をK1とする。
【0057】
送信装置2のトランザクション・コンテンツ分割管理部23と受信装置4のトランザクション・コンテンツ分割管理部43は、それぞれ、図5で示すようにコンテンツの識別子(C)とトランザクションの識別子(D)とを関係付けて管理しておく。なお、その際、送信装置2においては、他の受信装置から同じコンテンツに対してコンテンツ移動要求が来ても、該要求を拒否できるように、該コンテンツをロックしておくことが望ましい。
【0058】
<コンテンツ送受信処理>
トランザクションDに係る認証・鍵交換処理が成功すると、送信装置2は、コンテンツ供給部21から供給されるコンテンツを、パケット処理部30で所定のパケットに変換し、このパケットを、通信処理部31及びネットワークインターフェース部32を介して、受信装置4への送信する(ステップS13)。なお、その際、暗号処理部28は、送信すべきデータを、必要に応じて、上記共有鍵K1を用いて暗号化する。
【0059】
受信装置4は、ネットワークインターフェース部52及び通信処理部51を介して該パケットを受信すると、パケット処理部30で該パケットからコンテンツを取り出して、このコンテンツをコンテンツ処理部41へ出力する(ステップS13)。なお、その際、暗号処理部48は、受信したデータを、必要に応じて、上記共有鍵K1を用いて復号する。
【0060】
なお、送信装置2のコンテンツ供給部21に内蔵されるコンテンツ記憶部又はコンテンツ供給部21の接続されるコンテンツ記憶部においては、移動対象となる上記コンテンツを、利用できる状態(有効状態)で格納している。例えば、コンテンツに対応するフラグを設け、該フラグを、有効を示す状態にする。このフラグは、例えば、フラッシュメモリ等に保持しても良い。
【0061】
また、受信装置4のコンテンツ処理部41に内蔵されるコンテンツ記憶部又はコンテンツ処理部41に接続されるコンテンツ記憶部においては、受信したコンテンツを、利用できない状態(無効状態)で格納しておく。例えば、コンテンツに対応するフラグを設け、該フラグを、無効を示す状態にする。このフラグは、例えば、フラッシュメモリ等に保持しても良い。
【0062】
ここで、その受信装置4への送信が開始された際、送信装置2のカウンタ処理部24は、トランザクションDに対応するカウンタ(D1とする。)を開始する(ステップS14)。
【0063】
一方、受信装置4のカウンタ処理部44は、送信装置2から最初のパケットを受信すると、トランザクションDに対応するカウンタ(D2とする。)を開始する(ステップS15)。
【0064】
なお、上記カウンタは、例えば、送信若しくは受信に費やされた時間をカウントする時間カウンタや送信若しくは受信したデータ量をカウントするデータサイズカウンタなどでも良い。
【0065】
<カウンタ処理>
その後、送信装置2と受信装置4は、それぞれ、コンテンツをパケット化して転送している間、カウンタ(送信装置2についてはD1、受信装置4についてはD2)を監視しているが、「コンテンツ全体の送信が完了していない状態」かつ「カウンタが一定数値を超えた」ならば、利用権利移動処理部26と利用権利移動情報格納部46にてそれぞれ利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し(ステップS16,S17)、トランザクション・コンテンツ分割管理部23又はトランザクション・コンテンツ分割管理部43により新たな別トランザクションを通信相手(受信装置4又は送信装置2)に対して要求する(ステップS18)。ただし、通信相手(受信装置4又は送信装置2)からすでに新たな別トランザクションの要求がある場合は、新たな別トランザクションを要求しなくても良い。
【0066】
なお、カウンタの一定数値は、一般的な値(定数)に決めても良いし、適応的に規定しても良い。後者の場合、例えば、伝送速度等をパラメータとする関数を用いるなどして、伝送速度等によって値が適応的に変化するようにしてもよい。
【0067】
なお、利用権利の移動を行うための情報を作成・格納する処理は、共有鍵を破棄する前に実行していれば良く、認証・鍵交換直後や別トランザクション要求後に実行しても良い。
【0068】
また、図4では、別トランザクションの要求を、トランザクションDを利用して行っているが、他のコネクションを利用して行っても良い。
【0069】
さらに、別トランザクションは、HTTPのPersistent Conectionsなどを使い、トランザクションDと同じコネクションを利用しても良いし、他のコネクションを利用しても良い。
【0070】
続いて、上記のように送信装置2又は受信装置4から別トランザクションの要求がなされると、認証・鍵交換処理が行われ(ステップS19)、別トランザクションが開始される。
【0071】
ここで、認証・鍵交換処理により共有された共有鍵をK2とする。また、開始されたトランザクションの識別子をEとする。
【0072】
送信装置2と受信装置4は、それぞれ、図6で示すように、コンテンツの識別子(C)とトランザクションの識別子(D)に、さらにトランザクションの識別子(E)を関係付けて管理しておく。
【0073】
トランザクションEの認証・鍵交換処理が成功すると、上記トランザクションDの場合と同様に、コンテンツ送受信処理(ステップS20)、カウンタ処理(ステップS21,S22)を行う。ここで、前述のように、受信装置4のコンテンツ処理部41は、該コンテンツを、利用できない状態で、格納しておく。また、トランザクションDで受信したコンテンツを格納した位置に続けて、トランザクションEで受信したコンテンツを格納することが、望ましい。
【0074】
なお、トランザクションEでのカウンタ処理(ステップS21,S22)において、送信装置2のカウンタをE1、受信装置4のカウンタをE2とする。
【0075】
上記トランザクションDの場合と同様に、送信装置2と受信装置4は、それぞれ、コンテンツをパケット化して転送している間、カウンタ(送信装置2についてはE1、受信装置4についてはE2)を監視しているが、「コンテンツ全体の送受信が完了していない状態」かつ「カウンタが一定数値を超えた」ならば、利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し、新たな別トランザクションを通信相手の送受信装置に対して要求する。コンテンツ全体の送受信が完了していない間は、認証・鍵交換処理、コンテンツ送受信処理、カウンタ処理を繰り返す。
【0076】
すなわち、コンテンツ全体の送受信が完了しないうちは、第nのトランザクションの使用中に、「コンテンツ全体の送受信が完了していない状態」かつ「カウンタが一定数値を超えた」ならば、第n+1のトランザクションに切り換えることが、繰り返し行われることになる。また、その際、第nのトランザクションで受信したコンテンツを格納した位置に続けて、第n+1のトランザクションで受信したコンテンツを格納することを、繰り返すことが望ましい。
【0077】
一方、送信装置2は、コンテンツ全体の送信が完了したならば、コンテンツ全体送信完了処理部25により「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を受信装置4に通知し(ステップS23)、必要に応じて利用権利移動処理部26にて利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し、利用権利移動処理部26による利用権利の移動処理に移る(ステップS24)。受信装置4は、コンテンツ全体受信完了処理部45が「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を送信装置2から受信したならば(ステップS23)、必要に応じて利用権利移動情報格納部46にて利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し、利用権利移動一括処理部47による利用権利の移動一括処理に移る(ステップS24)。
【0078】
図7に、利用権利の移動を行うための情報の一例を示す。図7の例では、移動の対象になったコンテンツの識別子と、該コンテンツの移動に使用されたトランザクションの識別子と、各トランザクションで使用された共有鍵を特定する情報とが含まれる。共有鍵を特定する情報は、例えば、共有鍵の番号や、共有鍵から計算される値である。また、共有鍵から計算される値は、図7の例では、共有鍵から計算されるハッシュ値である。
【0079】
利用権利の移動では、送信装置2において格納している当該コンテンツを、利用できない状態(無効状態)にし、受信装置4において格納している当該コンテンツを、利用できる状態(有効状態)にする。例えば、送信装置2においては、コンテンツに対応するフラグを、無効を示す状態に変更し、受信装置4においては、コンテンツに対応するフラグを、有効を示す状態に変更する。
【0080】
なお、図4では、送信装置2は、ステップS23において、「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を、トランザクションEのコネクションを利用して受信装置4に通知しているが、トランザクションDのコネクションを利用して通知しても良いし、その他のコネクションを利用して通知してしても良い。
【0081】
また、ステップS23の「コンテンツ全体の送信が完了した旨」の通知を省く方法も可能である。すなわち、受信装置4は、トランザクション開始時に移動するコンテンツのサイズを知ることも可能であるので、送信装置2から該通知が来なくても、自身で受信したサイズから受信が完了したことを知ることもできる。よって、送信装置2は、自信で受信の完了を確認すれば、利用権利の移動処理を開始することができる。
【0082】
図8に、本実施形態の送信装置2の処理手順の一例を示す。
【0083】
送信装置2は、まず、受信装置4からのコンテンツ移動要求を受信し或いはコンテンツ移動要求を受信装置4に送信することによって、コンテンツ移動処理を開始する(ステップS31)。
【0084】
次に、受信装置4からの認証・鍵交換処理要求を受信し或いは認証・鍵交換処理要求を受信装置4に送信することによって、認証・鍵交換処理を開始する(ステップS32,S33)。
【0085】
認証・鍵交換完了後、コンテンツとトランザクションを管理記録しておき(ステップS34)、カウンタを開始する(ステップS36)。
【0086】
カウンタが指定数値を超えていないならば(ステップS37)、コンテンツを送信する(ステップS38)。
【0087】
コンテンツ全体の送信が完了しているか確認を行い(ステップS40)、完了していない場合、引き続きコンテンツを送信する。
【0088】
ここで、カウンタが指定数値を超えた場合(ステップS37)、受信装置4に対して別トランザクションを要求し(ステップS39)、認証・鍵交換処理を開始する。
【0089】
別トランザクションの要求により認証・鍵交換処理を実行している場合は、トランザクションの切り替え処理を実行し、続きのコンテンツは、別トランザクションにて送信する(ステップS35)。
【0090】
コンテンツ全体の送信が完了したならば、利用権利の移動処理を行う(ステップS41)。
【0091】
図9に、本実施形態の受信装置4の処理手順の一例を示す。
【0092】
受信装置4は、まず、送信装置2からのコンテンツ移動要求を受信し或いはコンテンツ移動要求を送信装置2に送信することによって、コンテンツ移動処理を開始する(ステップS51)。
【0093】
次に、送信装置2からの認証・鍵交換処理要求を受信し或いは認証・鍵交換処理要求を送信装置2に送信することによって、認証・鍵交換処理を開始する(ステップS52,S53)。
【0094】
認証・鍵交換完了後、利用権利の移動処理を行うための情報を作成し格納する(ステップS54)。
【0095】
そして、コンテンツとトランザクションを管理記録しておき(ステップS55)、コンテンツの受信とカウンタを開始する(ステップS57,S58)。
【0096】
カウンタが指定数値を超えていないならば(ステップS59)、利用できない状態(無効状態)で格納する(ステップS60)。
【0097】
コンテンツ全体の受信が完了しているか確認を行い(ステップS62)、完了していない場合、引き続きコンテンツを受信する。
【0098】
ここで、カウンタが指定数値を超えた場合(ステップS59)、送信装置2に対して別トランザクションを要求し(ステップS61)、認証・鍵交換処理を開始する。
【0099】
別トランザクションの要求により認証・鍵交換処理を実行している場合は、トランザクションの切り替え処理を実行し(ステップS56)、続きのコンテンツは、別トランザクションにて受信する。
【0100】
コンテンツ全体の受信が完了したならば、利用権利の移動一括処理を行う(ステップS63)。
【0101】
<利用権利の移動処理1>
図10に、本実施形態の送信装置2の利用権利移動処理の手順の一例を示す。
【0102】
この手順例は、コンテンツと関係するトランザクションのうち、いずれか一つの利用権利の移動要求を受信すると、すぐにコンテンツ全体を利用できない状態(無効状態)にするものである。
【0103】
送信装置2は、受信装置4からのコンテンツと関係するトランザクションの利用権利の移動要求を受信するために待機する。受信装置4から、コンテンツと関係するトランザクションの利用権利の移動要求を受信すると(ステップS71)、対象となるコンテンツ全体を利用できない状態(無効状態)にする(ステップS72)。そして、コンテンツの利用権利の移動許可を受信装置4に送信する(ステップS73)。
【0104】
コンテンツと関係するすべてのトランザクション利用権利の移動処理が完了したならば(ステップS74)、コンテンツの移動が完了したのでコンテンツ移動処理を終了する(ステップS75)。
【0105】
<利用権利の移動処理2>
図11に、本実施形態の送信装置2の利用権利移動処理の手順の他の例を示す。
【0106】
この手順例は、コンテンツと関係するトランザクションすべての利用権利の移動要求を受信してから、コンテンツ全体を利用できない状態(無効状態)にするものである。
【0107】
送信装置2は、受信装置4からのコンテンツと関係するトランザクションの利用権利の移動要求を受信するために待機する。受信装置4からコンテンツと関係するトランザクションすべての利用権利の移動要求を受信したならば(ステップS81,S82)、対象となるコンテンツ全体を利用できない状態(無効状態)にする(ステップS83)。そして、コンテンツの利用権利の移動許可を受信装置4に送信し(ステップS84)、コンテンツの移動が完了したのでコンテンツ移動処理を終了する(ステップS85)。
【0108】
<利用権利の移動一括処理>
図12に、本実施形態の受信装置4の利用権利移動一括処理の手順の一例を示す。
【0109】
この手順例は、コンテンツと関係するすべてのトランザクションの利用権利の移動処理を、一括して実行するものである。
【0110】
受信装置4は、コンテンツと関係するすべてのトランザクションを確認し(ステップS91)、それらの利用権利の移動要求を、送信装置2に送信する(ステップS92)。コンテンツと関係するすべてのトランザクションの利用権利の移動許可を受信していない場合(ステップS93)、コンテンツと関係するすべてのトランザクションを確認し、引き続きそれらの利用権利の移動要求を送信する。
【0111】
すべてを受信したならば(ステップS93)、コンテンツ全体を利用できる状態(有効状態)にする(ステップS94)。そして、コンテンツの移動が完了したので、コンテンツ移動処理を終了する。
【0112】
なお、利用権利の移動一括処理は、コンテンツと関係するすべてのトランザクションの利用権利の移動処理を各々で実行するが、アプリケーション(層)で一括して実行した様に制御することで実現しても良い。
【0113】
このように本実施形態では、送信装置から受信装置にコンテンツを移動し始めてから、該コンテンツの送信の経過を示す経過量が一定値を超えるとトランザクションを切り替えて引き続きコンテンツの移動を行うことによって、共有鍵が破棄される状況が発生しても、送信装置から受信装置へコンテンツを完全な状態で移動することができる。
【0114】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0115】
本実施形態においては、移動対象となるコンテンツは、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」の他に、「著作権保護が要求されないデジタルデータ」を含むものとする。また、本実施形態では、「著作権保護が要求されないデジタルデータ」は、送信装置2から受信装置4への転送時は、暗号化せずに転送するものとする。
【0116】
図13に、そのようなコンテンツの一例として、一つのコンテンツの中にコピー制御情報が異なっている部分が複数存在しているコンテンツCを示す。このコンテンツCは、最初の部分が、コピー制御情報「No-more-Copies」を持つコンテンツPart C1であり、次の部分が、コピー制御情報「Copy-free」を持つPart C2であり、最後の部分が、コピー制御情報「No-more-Copies」を持つコンテンツPart C3である。本実施形態では、著作権保護の観点から、コンテンツPart C1とコンテンツPart C3を暗号化して移動する。一方、コンテンツPart C2は暗号化せずに移動する。
【0117】
本実施形態は、概略的には、送信装置2から受信装置4にコンテンツを移動するにあたって、送信装置2から受信装置4へのコンテンツの移動が開始された後に、コンテンツを暗号化せずに移動し始めてから(すなわち、共有鍵が使用されなくなってから)、該コンテンツの送信或いは受信の経過を示す経過量が一定値を超え且つ「著作権保護が要求されるデジタルデータ」を移動すべきことになった(すなわち、新しい共有鍵が必要になった)場合に、トランザクションを切り替えてコンテンツの移動を行うようにしたものである。本実施形態でも、第1の実施形態と同様、幾つものトランザクションが切り換えられる可能性がある。
【0118】
図14に、本発明の第2の実施形態のコンテンツ送信装置2の構成例を示す。
【0119】
図14に示されるように、本送信装置2は、コンテンツ供給部21、認証・鍵交換処理部22、トランザクション・コンテンツ分割管理部23、カウンタ処理部24、コンテンツ全体送信完了処理部25、利用権利移動処理部26、暗号処理部28、コピー制御情報処理部29、パケット処理部30、通信処理部31、ネットワークインターフェース部32を備えている。
【0120】
コンテンツ供給部21、認証・鍵交換処理部22、トランザクション・コンテンツ分割管理部23、コンテンツ全体送信完了処理部25、利用権利移動処理部26、暗号処理部28、パケット処理部30、通信処理部31、ネットワークインターフェース部32は、基本的には、それぞれ、第1の実施形態の送信装置2の対応するブロックと同様の機能を持つ。
【0121】
コピー制御情報処理部29は、コンテンツのうち「著作権保護が要求されないデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要としない部分」を検出すると、カウントを要求し、その後、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要とする部分」を検出するとトランザクションの切り替えを要求する。
【0122】
カウンタ処理部24は、コピー制御情報処理部29からカウントを要求されると、コンテンツの送信の経過を示す経過量(例えば、送信時間や送信データ量)をカウントし、該経過量が一定値を超えた場合(例えば、送信時間が一定時間を越えると、あるいは、送信データ量が一定データ量を超えた場合)には、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」を移動すべきことになった(すなわち、新しい共有鍵が必要になった)ときに、新たなトランザクションを要求する。
【0123】
なお、カウンタが一定数値を超える前に、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」を移動すべきことになった(すなわち、共通鍵の使用が再開された)場合には、カウンタを中止するようにしてもよい。
【0124】
図15に、本実施形態のコンテンツ受信装置4の構成例を示す。
【0125】
図15に示されるように、本受信装置4は、コンテンツ処理部41、認証・鍵交換処理部42、トランザクション・コンテンツ分割管理部43、カウンタ処理部44、コンテンツ全体受信完了処理部45、利用権利移動情報格納部46、利用権利移動一括処理部47、暗号処理部48、コピー制御情報検出部49、パケット処理部50、通信処理部51、ネットワークインターフェース部52を備えている。
【0126】
コンテンツ処理部41、コンテンツ全体受信完了処理部45、利用権利移動情報格納部46、利用権利移動一括処理部47は、基本的には、それぞれ、第1の実施形態の受信装置2内の対応するブロックと同様の機能を持つ。
【0127】
認証・鍵交換処理部42、トランザクション・コンテンツ分割管理部43、暗号処理部48、パケット処理部50、通信処理部51、ネットワークインターフェース部52は、基本的には、それぞれ、第1の実施形態の受信装置2又は図14の送信装置2内の対応するブロックと同様の機能を持つ。
【0128】
コピー制御情報検出部49は、コンテンツのうち「著作権保護が要求されないデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要としない部分」を検出すると、カウントを要求し、その後、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要とする部分」を検出すると、トランザクションの切り替えを要求し、利用権利の移動処理で使用される情報の作成・格納を要求する。
【0129】
カウンタ処理部44は、コピー制御情報処理部49からカウントを要求されると、コンテンツの受信の経過を示す経過量(例えば、受信時間や受信データ量)をカウントし、該経過量が一定値を超えた場合(例えば、受信時間が一定時間を越えると、あるいは、受信データ量が一定データ量を超えた場合)には、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」を移動すべきことになった(すなわち、新しい共有鍵が必要になった)ときに、新たなトランザクションを要求する。
【0130】
なお、カウンタが一定数値を超える前に、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」を移動すべきことになった(すなわち、共通鍵の使用が再開された)場合には、カウンタを中止するようにしてもよい。
【0131】
なお、ここでは、カウンタ処理部を送信装置2と受信装置4の両方にそれぞれ備えるものとして説明しているが、送信装置2と受信装置4のいずれか一方にのみカウンタ処理部を備える構成も可能である。
【0132】
図16に、本実施形態のコンテンツ送受信システムの処理手順の一例を示す。
【0133】
以下、図16に沿って、送信装置2から受信装置4へ図13のコンテンツCを移動する場合について説明する。
【0134】
<認証・鍵交換処理>
まず、第1の実施形態と同様に、送信装置2から受信装置4へ(または、受信装置4から送信装置2へ)、コンテンツの移動要求がなされると(ステップS101)、送信装置2の認証・鍵交換処理部22と受信装置4の認証・鍵交換処理部42との間で、認証・鍵交換処理が行われ(ステップS102)、トランザクションが開始される。
【0135】
ここで、移動対象となるコンテンツを、図13のコンテンツ(コンテンツの識別子C)とする。また、開始されたトランザクションの識別子をDとする。また、認証・鍵交換処理によって送信装置2と受信装置4との間で共有された(トランザクションDにおいて使用される)共有鍵をK1とする。
【0136】
送信装置2のトランザクション・コンテンツ分割管理部23と受信装置4のトランザクション・コンテンツ分割管理部43は、それぞれ、図5で示すようにコンテンツの識別子(C)とトランザクションの識別子(D)とを関係付けて管理しておく。なお、その際、送信装置2においては、他の受信装置から同じコンテンツに対してコンテンツ移動要求が来ても、該要求を拒否できるように、該コンテンツをロックしておくことが望ましい。
【0137】
<コンテンツ送受信処理>
トランザクションDの認証・鍵交換処理が成功すると、送信装置2のコピー制御情報処理部29は、コンテンツ供給部21から供給されるコンテンツCのコピー制御情報を確認し、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要とする部分」であるコンテンツPart C1を検出した場合、該コンテンツについては、受信装置4と共有した共有鍵K1を用いて暗号処理部28により暗号化した上で、パケット処理部30により所定のパケットに変換し、このパケットを、通信処理部31及びネットワークインターフェース部32を介して、受信装置4へ送信する(ステップS103)。受信装置4は、ネットワークインターフェース部52及び通信処理部51を介して該パケットを受信すると、パケット処理部30で該パケットから暗号化コンテンツPart C1を取り出し、該暗号化コンテンツを、受信装置4と共有した共有鍵K1を用いて暗号処理部48により復号して、もとのコンテンツに戻した後に、該コンテンツをコンテンツ処理部41へ出力する(ステップS103)。なお、受信装置4のコンテンツ処理部41は、該コンテンツPart C1を、利用できない状態で、格納しておく。
【0138】
その後、送信装置2は、コンテンツCのコピー制御情報を確認し、「著作権保護が要求されないデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要としない部分」であるコンテンツPart C2を検出した場合、該コンテンツを、暗号化せずに送信し始めるとともに(ステップS104)、カウンタ処理部24は、共有鍵K1が使用されなくなったことから、トランザクションDに対応するカウンタ(D1とする。)を開始する(ステップS105)。
【0139】
一方、受信装置4のカウンタ処理部44は、「暗号化されていない部分」であるコンテンツPart C2を受信し始めると(ステップS104)、トランザクションDに対応するカウンタ(D2とする。)を開始する(ステップS106)。
【0140】
なお、上記カウンタは、例えば、送信若しくは受信に費やされた時間をカウントする時間カウンタや送信若しくは受信したデータ量をカウントするデータサイズカウンタなどでも良い。
【0141】
なお、受信装置4のコンテンツ処理部41は、「暗号化されていない部分」であるコンテンツPart C2については、この時点で利用できる状態で格納しても良いし、この時点では利用できない状態で格納しておき、利用権利の移動処理の際に、利用できる状態に変更しても良い。また、コンテンツPart C1を格納した位置に続けて、コンテンツPart C2を格納することが、望ましい。
【0142】
<カウンタ処理>
その後、送信装置2と受信装置4は、それぞれ、コンテンツCを送受信している間、カウンタ(送信装置2についてはD1、受信装置4についてはD2)を監視しているが、「コンテンツ全体の送信が完了していない状態」かつ「カウンタが一定数値を超えた」ならば、利用権利移動処理部26と利用権利移動情報格納部46にてそれぞれ利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し(ステップS107,S108)、トランザクション・コンテンツ分割管理部23又はトランザクション・コンテンツ分割管理部43により新たな別トランザクションを通信相手(受信装置4又は送信装置2)に対して要求する(ステップS109)。ただし、通信相手(受信装置4又は送信装置2)からすでに新たな別トランザクションの要求がある場合は、新たな別トランザクションを要求しなくても良い。
【0143】
なお、利用権利の移動を行うための情報を作成・格納する処理は、共有鍵を破棄する前に実行していれば良く、認証・鍵交換直後や別トランザクション要求後に実行しても良い。
【0144】
また、図16では、別トランザクションの要求を、トランザクションDを利用して行っているが、その他のコネクションを利用して行っても良い。
【0145】
さらに、別トランザクションは、HTTPのPersistent Conectionsなどを使い、トランザクションDと同じコネクションを利用しても良いし、他のコネクションを利用しても良い。
【0146】
続いて、上記のように送信装置2又は受信装置4から別トランザクションの要求がなされると、認証・鍵交換処理が行われ(ステップS110)、別トランザクションが開始される。
【0147】
ここで、認証・鍵交換処理により共有された共有鍵をK2とする。また、開始されたトランザクションの識別子をEとする。
【0148】
送信装置2と受信装置4は、それぞれ、図6で示すように、コンテンツの識別子(C)とトランザクションの識別子(D)に、さらにトランザクションの識別子(E)を関係付けて管理しておく。
【0149】
<コンテンツ送受信処理2>
トランザクションEの認証・鍵交換処理が成功すると、上記トランザクションDの場合と同様に、送信装置2のコピー制御情報処理部29は、コンテンツ供給部21から供給されるコンテンツCのコピー制御情報を確認し、「著作権保護が要求されるデジタルデータ」すなわち「暗号化を必要とする部分」であるコンテンツPart C3を検出した場合、該コンテンツについては、受信装置4と共有した共有鍵K2を用いて暗号処理部28により暗号化した上で、パケット処理部30により所定のパケットに変換し、このパケットを、通信処理部31及びネットワークインターフェース部32を介して、受信装置4へ送信する(ステップS111)。受信装置4は、ネットワークインターフェース部52及び通信処理部51を介して該パケットを受信すると、パケット処理部30で該パケットから暗号化コンテンツPart C3を取り出し、該暗号化コンテンツを、受信装置4と共有した共有鍵K2を用いて暗号処理部48により復号して、もとのコンテンツに戻した後に、該コンテンツをコンテンツ処理部41へ出力する(ステップS111)。なお、受信装置4のコンテンツ処理部41は、該コンテンツPart C3を、利用できない状態で、格納しておく。また、トランザクションDで受信したコンテンツPart C1,Part C2を格納した位置に続けて、トランザクションEで受信したコンテンツPart C3を格納することが、望ましい。
【0150】
なお、図13のコンテンツCを移動する場合には、コンテンツCは「暗号化を必要とする部分」であるコンテンツPart C3で終了しているので、これ以上、トランザクションの切り替えは発生しないが、コンテンツPart C3の続きに「暗号化を必要としない部分」がある場合、カウンタ処理が開始され、「コンテンツ全体の送信が完了していない状態」かつ「カウンタが一定数値を超えた」ならば、新たに別のトランザクションが確立され、同様の処理が繰り返される(ステップS112)。
【0151】
さて、送信装置2は、コンテンツCの全体の送信が完了したならば、「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を受信装置4に通知し、必要に応じて利用権利移動処理部26にて利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し、利用権利移動処理部26による利用権利の移動処理に移る(ステップS113)。受信装置4は、コンテンツ全体受信完了処理部45が「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を送信装置2から受信したならば、必要に応じて利用権利移動情報格納部46にて利用権利の移動を行うための情報を作成・格納し、利用権利移動一括処理部47による利用権利の移動一括処理に移る(ステップS113)。
【0152】
利用権利の移動を行うための情報の一例は、図7と同様である。図7の例では、移動の対象になったコンテンツの識別子と、該コンテンツの移動に使用されたトランザクションの識別子と、各トランザクションで使用された共有鍵を特定する情報とが含まれる。共有鍵を特定する情報は、例えば、共有鍵の番号や、共有鍵から計算される値である。また、共有鍵から計算される値は、図7の例では、共有鍵から計算されるハッシュ値である。
【0153】
なお、図16では、送信装置2は、トランザクションEのコネクションを利用して、「コンテンツ全体の送信が完了した旨」を受信装置4に通知しているが、トランザクションDのコネクションを利用しても良いし、その他のコネクションでも良い。
【0154】
なお、利用権利の移動一括処理は、コンテンツと関係するすべてのトランザクションの利用権利の移動処理を各々で実行するが、アプリケーション(層)で一括して実行した様に制御することで実現しても良い。
【0155】
図17に、本実施形態の送信装置2の処理手順の一例を示す。
【0156】
送信装置2は、まず、受信装置4からのコンテンツ移動要求を受信し或いはコンテンツ移動要求を受信装置4に送信することによって、コンテンツ移動処理を開始する(ステップS121)。
【0157】
次に、受信装置4からの認証・鍵交換処理要求を受信し或いは認証・鍵交換処理要求を受信装置4に送信することによって、認証・鍵交換処理を開始する(ステップS122,S123)。
【0158】
認証・鍵交換完了後、コンテンツとトランザクションを管理記録しておき(ステップS124)、コンテンツのコピー制御情報を確認し(ステップS126)、暗号化が必要であるならば、暗号化し送信する(ステップS127)。
【0159】
暗号化が不必要であるならば、カウンタを開始する(ステップS128)。
【0160】
カウンタが指定数値を超えていないならば(ステップS129)、コンテンツを送信する(ステップS130)。
【0161】
コンテンツ全体の送信が完了しているか確認を行い(ステップS132)、完了していない場合、コピー制御情報を確認後、引き続きコンテンツを送信する。ここで、カウンタが指定数値を超えた場合(ステップS129)、受信装置4に対して別トランザクションを要求し(ステップS131)、認証・鍵交換処理を開始する。別トランザクションの要求により認証・鍵交換処理を実行している場合は、トランザクションの切り替え処理を実行し、続きのコンテンツは、別トランザクションにて送信する(ステップS125)。
【0162】
コンテンツ全体の送信が完了したならば(ステップS132)、利用権利の移動処理を行う(ステップS133)。
【0163】
図18に、本実施形態の受信装置4の処理手順の一例を示す。
【0164】
受信装置4は、まず、送信装置2からのコンテンツ移動要求を受信し或いはコンテンツ移動要求を送信装置2に送信することによって、コンテンツ移動処理を開始する(ステップS141)。
【0165】
送信装置2からの認証・鍵交換処理要求を受信し或いは認証・鍵交換処理要求を送信装置2に送信することによって、認証・鍵交換処理を開始する(ステップS142,S143)。
【0166】
認証・鍵交換完了後、利用権利の移動処理を行うための情報を作成し格納する(ステップS144)。
【0167】
そして、コンテンツとトランザクションを管理記録しておき(ステップS145)、コンテンツの受信を開始する(ステップS147)。
【0168】
コピー制御情報を確認し(ステップS148)、暗号化されている場合は復号し(ステップS149)、暗号化されていない場合は、カウンタを開始し(ステップS150)、利用できない状態(無効状態)で格納する(ステップS152)。
【0169】
コンテンツ全体の受信が完了しているか確認を行い(ステップS154)、完了していない場合、引き続きコンテンツを受信する。ここで、カウンタが指定数値を超えた場合(ステップS151)、送信装置2に対して別トランザクションを要求し(ステップS153)、認証・鍵交換処理を開始する。別トランザクションの要求により認証・鍵交換処理を実行している場合は、トランザクションの切り替え処理を実行し(ステップS146)、続きのコンテンツは別トランザクションにて受信する。
【0170】
コンテンツ全体の受信が完了したならば(ステップS154)、利用権利の移動一括処理を行う(ステップS155)。
【0171】
送信装置2の利用権利の移動処理と受信装置4の利用権利の移動一括処理は、第1の実施形態の利用権利の移動処理(図10又は図11)、利用権利の移動一括処理(図12)と同様の処理を実行する。
【0172】
なお、本実施形態においては、送信装置2から受信装置4にコンテンツを移動するにあたって、送信装置2から受信装置4へのコンテンツの移動が開始された後に、コンテンツを暗号化せずに移動し始めてから(すなわち、共有鍵が使用されなくなってから)、第1の実施形態と同様に、該コンテンツの送信或いは受信の経過を示す経過量が一定値を超え、かつ、コンテンツの移動が未完了の場合に、トランザクションを切り替えるようにしてもよい。
【0173】
このように本実施形態では、送信装置から受信装置にコンテンツを移動し始めてから、コンテンツの送信或いは受信の経過を示す経過量が一定値を超えるとトランザクションを切り替えて引き続きコンテンツの移動を行うことによって、共有鍵が破棄される状況が発生しても、送信装置から受信装置へコンテンツを完全な状態で移動することができる。
【0174】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとして記述し適当な機構をもったコンピュータに処理させても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための、あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるためのプログラムとして実施することもできる。加えて該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0175】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ送受信システムの構成例を示す図
【図2】同実施形態に係る送信装置の構成例を示すブロック図
【図3】同実施形態に係る受信装置の構成例を示すブロック図
【図4】同実施形態に係るコンテンツ送受信システムの処理手順の一例を示すシーケンス図
【図5】コンテンツとトランザクションとの管理について説明するための図
【図6】コンテンツとトランザクションとの管理について説明するための図
【図7】利用権利の移動を行うための情報の一例を示す図
【図8】同実施形態に係る送信装置の処理手順の一例を示すフローチャート
【図9】同実施形態に係る受信装置の処理手順の一例を示すフローチャート
【図10】同実施形態に係る送信装置における利用権利の移動処理の一例を示すフローチャート
【図11】同実施形態に係る送信装置における利用権利の移動処理の他の例を示すフローチャート
【図12】同実施形態に係る受信装置における利用権利の移動一括処理の一例を示すフローチャート
【図13】コンテンツのコピー制御情報の状態の一例を説明するための図
【図14】本発明の第2の実施形態に係る送信装置の構成例を示すブロック図
【図15】同実施形態に係る受信装置の構成例を示すブロック図
【図16】同実施形態に係るコンテンツ送受信システムの処理手順の一例を示すシーケンス図
【図17】同実施形態に係る送信装置の処理手順の一例を示すフローチャート
【図18】同実施形態に係る受信装置の処理手順の一例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0177】
21…コンテンツ供給部、22,42…認証・鍵交換処理部、23,43…トランザクション・コンテンツ分割管理部、24,44…カウンタ処理部、25…コンテンツ全体送信完了処理部、26…利用権利移動処理部、28,48…暗号処理部、29,49…コピー制御情報処理部、30,50…パケット処理部、31,51…通信処理部、32,52…ネットワークインターフェース部、41…コンテンツ処理部、45…コンテンツ全体受信完了処理部、46…利用権利移動情報格納部、47…利用権利移動一括処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、受信装置への移動対象のコンテンツを該受信装置へ送信するトランザクション送信部と、
前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの送信について、特定の時点からの、該コンテンツの送信の経過を示す経過量のカウントを行うカウンタ部と、
前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了の場合に、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とを備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記トランザクション送信部は、前記トランザクション切換部により前記コンテンツの送信に用いるトランザクションが前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えられた場合に、前記第2のトランザクションを用いて、前記コンテンツを前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記カウンタ部は、前記第n(nは2以上の整数)のトランザクションによる前記コンテンツの送信についても、前記特定の時点から、前記経過量のカウントを行い、
前記トランザクション切換部は、前記第nのトランザクションに係る前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了のときにも、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第nのトランザクションから第n+1のトランザクションへ切り換えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記カウンタ部は、前記トランザクションによる前記コンテンツの送信が開始された時点で、直ちに、前記経過量のカウントを開始することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記受信装置との間で共有鍵を共有するための鍵交換処理を行う鍵交換処理部と、
前記鍵交換処理部により前記受信装置との間で共有した共有鍵を用いて、前記コンテンツを暗号化する暗号処理部とを更に備え、
前記コンテンツには、暗号化して転送する部分と、暗号化せずに転送する部分とが含まれ、
前記カウンタ部は、前記トランザクションによる前記コンテンツの送信が開始された後に、前記コンテンツの前記暗号化せずに転送する部分の送信が開始したことを契機として、前記経過量のカウントを開始することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
前記トランザクション切換部は、前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了の状態で、暗号化して転送する部分が送信対象になった場合に、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
前記カウンタ部は、前記経過量として、前記トランザクションによる前記コンテンツの送信に費やした送信時間又は前記トランザクションにより送信した前記コンテンツのデータ量をカウントすることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、
前記コンテンツの送信が完了した場合に、前記コンテンツの送信が完了した旨の通知を前記受信装置へ送信する通知送信部と、
前記通知を前記受信装置へ送信した後に、前記受信装置から前記コンテンツに対する利用権利を移動すべき要求を受信する要求受信部と、
前記受信装置から前記要求を受信した場合に、前記コンテンツ記憶部に記憶された前記コンテンツの利用権利を無効にするとともに、前記コンテンツの利用権利を有効にするための許可を前記受信装置へ送信する利用権利移動処理部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
前記受信装置は、前記要求を、前記コンテンツに係る各々の前記トランザクションに対応してそれぞれ送信するものであり、
前記利用権利移動処理部は、前記コンテンツに係るいずれか一つの前記トランザクションに対応する前記要求を受信した場合に、前記コンテンツ記憶部に記憶された前記コンテンツの利用権利を無効にするとともに、前記許可を前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項8に記載の送信装置。
【請求項10】
前記受信装置は、前記要求を、前記コンテンツに係る各々の前記トランザクションに対応してそれぞれ送信するものであり、
前記利用権利移動処理部は、前記コンテンツに係る各々の前記トランザクションに対応する前記要求を全て受信した場合に、前記コンテンツ記憶部に記憶された前記コンテンツの利用権利を無効にするとともに、前記許可を前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項8に記載の送信装置。
【請求項11】
送信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、移動対象のコンテンツを該送信装置から受信するトランザクション受信部と、
前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの受信について、特定の時点からの、該コンテンツの受信の経過を示す経過量のカウントを行うカウンタ部と、
前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了の場合に、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とを備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項12】
前記トランザクション受信部は、前記トランザクション切換部により前記コンテンツの受信に用いるトランザクションが前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えられた場合に、前記第2のトランザクションを用いて、前記コンテンツを前期送信装置から受信することを特徴とする請求項11に記載の受信装置。
【請求項13】
前記カウンタ部は、前記第n(nは2以上の整数)のトランザクションによる前記コンテンツの受信についても、前記特定の時点から、前記経過量のカウントを行い、
前記トランザクション切換部は、前記第nのトランザクションに係る前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了のときにも、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第nのトランザクションから第n+1のトランザクションへ切り換えることを特徴とする請求項11に記載の受信装置。
【請求項14】
前記カウンタ部は、前記トランザクションによる前記コンテンツの受信が開始された時点で、直ちに、前記経過量のカウントを開始することを特徴とする請求項11に記載の受信装置。
【請求項15】
前記送信装置との間で共有鍵を共有するための鍵交換処理を行う鍵交換処理部と、
前記鍵交換処理部により前記送信装置との間で共有した共有鍵を用いて、前記コンテンツを暗号化する暗号処理部とを更に備え、
前記コンテンツには、暗号化して転送する部分と、暗号化せずに転送する部分とが含まれ、
前記カウンタ部は、前記トランザクションによる前記コンテンツの受信が開始された後に、前記コンテンツの前記暗号化せずに転送する部分の受信が開始したことを契機として、前記経過量のカウントを開始することを特徴とする請求項11に記載の受信装置。
【請求項16】
前記トランザクション切換部は、前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了の状態で、暗号化して転送する部分が受信対象になった場合に、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えることを特徴とする請求項15に記載の受信装置。
【請求項17】
前記カウンタ部は、前記経過量として、前記トランザクションによる前記コンテンツの送信に費やした受信時間又は前記トランザクションにより受信した前記コンテンツのデータ量をカウントすることを特徴とする請求項11に記載の送信装置。
【請求項18】
受信した前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、
前記送信装置から、前記コンテンツの送信が完了した旨の通知を受信する通知受信部と、
前記通知を受信した場合に、前記送信装置へ前記コンテンツに対する利用権利を移動すべき要求を送信する要求送信部と、
前記送信装置へ前記要求を送信した後に、前記送信装置から前記コンテンツの利用権利を有効にするための許可を受信する許可受信部と、
前記受信装置から前記許可を受信した場合に、前記コンテンツ記憶部に記憶された前記コンテンツの利用権利を有効にする利用権利移動処理部とを備えたことを特徴とする請求項11に記載の受信装置。
【請求項19】
前記要求送信部は、前記要求を、前記コンテンツに係る各々の前記トランザクションに対応してそれぞれ送信するものであることを特徴とする請求項18に記載の受信装置。
【請求項20】
移動対象のコンテンツを送信する送信装置と、該コンテンツを該送信装置から受信する受信装置とを含むコンテンツ送受信システムにおいて、
前記送信装置は、
前記受信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、前記コンテンツを前記受信装置へ送信するトランザクション送信部と、
前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの送信について、特定の時点からの、該コンテンツの送信の経過を示す経過量のカウントを行う第1のカウンタ部と、
前記第1のカウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了の場合に、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換える第1のトランザクション切換部とを備え、
前記受信装置は、
前記送信装置との間で確立された前記第1のトランザクションを用いて、前記コンテンツを前記送信装置から受信するトランザクション受信部と、
前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの受信について、前記特定の時点からの、該コンテンツの受信の経過を示す経過量のカウントを行う第2のカウンタ部と、
前記第2のカウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了の場合に、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから前記第2のトランザクションへ切り換える第2のトランザクション切換部とを備えたことを特徴とするコンテンツ送受信システム。
【請求項21】
トランザクション送信部とカウンタ部とトランザクション切換部とを備えた送信装置のコンテンツ送信方法であって、
前記トランザクション送信部が、受信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、受信装置への移動対象のコンテンツを該受信装置へ送信するステップと、
前記カウンタ部が、前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの送信について、特定の時点からの、該コンテンツの送信の経過を示す経過量のカウントを行うステップと、
前記トランザクション切換部が、前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了の場合に、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるステップとを有することを特徴とするコンテンツ送信方法。
【請求項22】
トランザクション受信部とカウンタ部とトランザクション切換部とを備えた送信装置のコンテンツ送信方法であって、
前記トランザクション受信部が、送信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、移動対象のコンテンツを該送信装置から受信するステップと、
前記カウンタ部が、前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの受信について、特定の時点からの、該コンテンツの受信の経過を示す経過量のカウントを行うステップと、
前記トランザクション切換部が、前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了の場合に、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるステップとを有することを特徴とするコンテンツ受信方法。
【請求項23】
送信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
受信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、受信装置への移動対象のコンテンツを該受信装置へ送信するトランザクション送信部と、
前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの送信について、特定の時点からの、該コンテンツの送信の経過を示す経過量のカウントを行うカウンタ部と、
前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの送信が未完了の場合に、前記コンテンツの送信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とをコンピュータに機能させるためのプログラム。
【請求項24】
受信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
送信装置との間で確立された第1のトランザクションを用いて、移動対象のコンテンツを該送信装置から受信するトランザクション受信部と、
前記第1のトランザクションによる前記コンテンツの受信について、特定の時点からの、該コンテンツの受信の経過を示す経過量のカウントを行うカウンタ部と、
前記カウンタ部のカウント値が一定量に達し、かつ、前記コンテンツの受信が未完了の場合に、前記コンテンツの受信に用いるトランザクションを、前記第1のトランザクションから第2のトランザクションへ切り換えるトランザクション切換部とをコンピュータに機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−60451(P2009−60451A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226771(P2007−226771)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】