説明

送信電力を制御する方法及びそのための装置

【課題】複数の信号を送信する無線通信システムにおいて、送信電力を効率的に制御する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、無線通信システムにおいて端末が信号を送信する方法であって、第1チャネルの送信電力及び第2チャネルの送信電力を独立に決定する段階と、前記第1チャネルの送信電力と前記第2チャネルの送信電力との和が最大送信電力を超えた場合、チャネル優先順位を考慮して前記第1チャネルの送信電力又は前記第2チャネルの送信電力のうち少なくとも一つを減少させる段階と、基地局に前記第1チャネル及び前記第2チャネルを通じて同時に信号を送信する段階と、を含む信号送信方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに係り、特に、アップリンク送信電力を制御する方法及びそのための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが、音声又はデータなどのような多種多様な通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、利用可能なシステムリソース(帯域幅、送信電力、等)を共有して複数のユーザとの通信を支援できる多元接続システムである。多元接続システムの例には、符号分割多元接続(CDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム、多搬送波周波数分割多元接続(MC−FDMA)システムなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、無線通信システムにおいて、複数の信号を送信する場合に、送信電力を効率的に制御する方法及び装置を提供することにある。
【0004】
本発明の他の目的は、複数の信号を送信する際に、信号の送信電力の和が最大送信電力を超えた場合に、送信電力を効率的に制御する方法及び装置を提供することにある。
【0005】
本発明で解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない別の技術的課題は、下の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様として、無線通信システムにおいて端末が信号を送信する方法であって、第1チャネルの送信電力及び第2チャネルの送信電力を独立に決定する段階と、上記第1チャネルの送信電力及び上記第2チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えた場合、チャネル優先順位を考慮して、上記第1チャネルの送信電力又は上記第2チャネルの送信電力ののうち少なくとも一つを減少させる段階と、基地局に、上記第1チャネル及び上記第2チャネルを通じて同時に信号を送信する段階と、を含む信号送信方法が提供される。
【0007】
本発明の他の態様として、無線信号を基地局との間で送受信するように構成された無線周波(RF)ユニットと、上記基地局との間で送受信する情報及び上記端末の動作に必要なパラメータを記憶するメモリと、上記RFユニット及び上記メモリと接続され、上記端末の動作のために上記RFユニット及び上記メモリを制御するように構成されたプロセッサと、を含み、ここで、上記プロセッサは、第1チャネルの送信電力及び第2チャネルの送信電力を独立に決定する段階と、上記第1チャネルの送信電力及び上記第2チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えた場合、チャネル優先順位を考慮して、上記第1チャネルの送信電力又は上記第2チャネルの送信電力ののうち少なくとも一つを減少させる段階と、基地局に、上記第1チャネル及び上記第2チャネルを通じて同時に信号を送信する段階と、を含む信号送信方法を実行するように構成された端末が提供される。
【0008】
ここで、上記第1チャネル及び上記第2チャネルはそれぞれ、一つ以上のSC−FDMAシンボルを含むことができる。一方、上記チャネル優先順位は、チャネルのタイプ又はチャネル上の情報のうち少なくとも一つを考慮して決定してもよい。上記第1チャネル及び上記第2チャネルはそれぞれ、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は測定基準信号(SRS)のいずれか一つを含むことができる。
【0009】
ここで、上記第1チャネル及び上記第2チャネルがいずれもPUSCHである場合、チャネル優先順位は、送信フォーマット、再送信であるか否か又は再送信回数のうち少なくとも一つを考慮して決定してもよい。また、PUSCHの送信電力が減少した場合、該PUSCHに適用される変調符号化方式(MCS)を、減少した電力の量を考慮して低く制御することができる。また、上記第1チャネルがACKを搬送するPUCCHであり、上記第2チャネルがPUSCHである場合、PUSCHにより高いチャネル優先順位を設定してもよい。
【0010】
本発明のさらに他の態様として、無線通信システムにおいて端末が信号を送信する方法であって、複数のコンポーネント搬送波について、コンポーネント搬送波別最大送信電力(P_CC_MAX)及び上記端末の最大送信電力(P_UE_MAX)を確認する段階と、一つ以上のコンポーネント搬送波を通じて基地局に同時に送信されるように予定された複数のチャネルについて、それぞれの送信電力を計算する段階と、上記P_CC_MAX及び上記P_UE_MAXを超えないように、上記複数のチャネルの送信電力を独立に調整する段階と、上記送信電力の調整された複数のチャネルを通じて上記基地局に信号を送信する段階と、を含む信号送信方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の態様として、無線信号を基地局と送受信するように構成されたRFユニットと、上記基地局との間で送受信する情報及び上記端末の動作に必要なパラメータを記憶するメモリと、上記RFユニット及び上記メモリに接続され、上記端末の動作のために上記RFユニット及び上記メモリを制御するように構成されたプロセッサと、を含み、ここで、上記プロセッサは、複数のコンポーネント搬送波について、コンポーネント搬送波別最大送信電力(P_CC_MAX)及び上記端末の最大送信電力(P_UE_MAX)を確認する段階と、一つ以上のコンポーネント搬送波を通じて基地局に同時に送信されるように予定された複数のチャネルについて、それぞれの送信電力を計算する段階と、上記P_CC_MAX及び上記P_UE_MAXを超えないように、上記複数のチャネルの送信電力を独立に調整する段階と、上記送信電力の調整された複数のチャネルを通じて、上記基地局に信号を送信する段階と、を含む信号送信方法を実行するように構成された端末が提供される。
【0012】
上記P_CC_MAXを設定するための情報、又は上記P_UE_MAXを設定するための情報は、同報メッセージ又は無線リソース制御(RRC)メッセージを通じて通知されてよい。
【0013】
上記複数のチャネルの送信電力を調整する段階は、上記複数のチャネルの送信電力の和が上記P_UE_MAXを超えないように、各チャネルの送信電力を独立に減らす段階と、上記各チャネルの送信電力を減らした後、コンポーネント搬送波別に、該当のチャネルの送信電力の和が、対応するP_CC_MAXを超えないように、上記該当のチャネルの送信電力を独立に減らす段階と、を含むことができる。この場合、上記対応するP_CC_MAXを超えないように上記該当のチャネルから減らした電力の少なくとも一部は、他のコンポーネント搬送波の送信電力を増加させるのに使用してもよい。
【0014】
上記複数のチャネルの送信電力を調整する段階は、各コンポーネント搬送波別に、該当のチャネルの送信電力の和が、対応するP_CC_MAXを超えないように、上記該当チャネルの送信電力を独立的に減らす段階と、上記各チャネルの送信電力を減らした後、上記複数のチャネルの送信電力の和が上記P_UE_MAXを超えないように、各チャネルの送信電力を独立に減らす段階と、を含むことができる。
【0015】
上記複数のチャネルに対して送信電力を調整する段階は、それぞれのチャネルについて独立に減衰係数を適用することによって行うことができる。
【0016】
それぞれのチャネルは、一つ以上のSC−FDMAシンボルを含むことができる。この場合、それぞれのチャネルは、PUSCH、PUCCH又はSRSのいずれか一つを含むことができる。
【0017】
本発明のさらに他の態様として、無線通信システムにおいて端末が信号を送信する方法であって、複数のアンテナについてそれぞれの送信電力を計算する段階と、それぞれのアンテナの上記計算された送信電力が、該当のアンテナの最大送信電力を超える場合、送信電力減衰比率を計算する段階と、上記一つ以上の送信電力減衰比率において最大減衰比率を上記複数のアンテナに同一に適用する段階と、上記複数のアンテナを通じて信号を基地局に送信する段階と、を含む信号送信方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例によれば、無線通信システムにおいて複数の信号を送信する場合に、送信電力を効率的に制御することができる。また、信号の送信電力の和が最大送信電力を超えた場合に、送信電力を効率的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれると共に、本発明に係る実施例を提供し、且つ詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する添付の図面は、下記の通りである。
【図1】強化はん用移動体通信システム(E−UMTS)の網構造を示す図である。
【図2】第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)無線接続網規格に基づく端末と強化はん用地上無線接続網(E−UTRAN)との間の無線インタフェースプロトコル構造を示す図である。
【図3】OFDMA及びSC−FDMAのための送信器及び受信器を示すブロック図である。
【図4】長期進化システム(LTE)で使用される無線フレームの構造を示す図である。
【図5】単一コンポーネント搬送波環境の下で通信を行う例を示す図である。
【図6A】LTEで使用されるアップリンクサブフレームの構造を示す図である。
【図6B】LTEで使用されるアップリンク制御チャネルの構造を示す図である。
【図7】多重コンポーネント搬送波環境の下に通信を行う例を示す図である。
【図8】本発明の実施例によって送信電力を調整する例を示す図である。
【図9】本発明の実施例によって複数の信号を送信する例を示す図である。
【図10】一つ以上のコンポーネント搬送波単位で最大送信電力が制限される場合に、本発明の実施例によって送信電力を調整する例を示す図である。
【図11】一つ以上のコンポーネント搬送波単位で最大送信電力が制限される場合に、本発明の実施例によって送信電力を調整する他の例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例に適用されうる基地局及び端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して説明される本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。本発明の実施例は、CDMA、FDMA、TDMA、OFDMA、SC−FDMA、MC−FDMAのような様々な無線接続技術に用いてもよい。CDMAは、はん用地上無線接続(UTRA)又はCDMA2000のような無線技術によって実現することができる。TDMAは、世界移動体通信システム(GSM)/一般パケット無線サービス(GPRS)/GSM進化用強化データ速度(EDGE)のような無線技術によって実現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、E−UTRAなどのような無線技術によって実現することができる。UTRAは、はん用移動体通信システム(UMTS)の一部である。3GPPのLTEは、E−UTRAを使用するE−UMTSの一部である。高度LTE(LTE−A)は、3GPP LTEの進化したバージョンである。
【0021】
以下の実施例は、本発明の技術的特徴が、3GPPシステムに適用される場合を中心に説明するが、これは例示的なもので、本発明がそれに制限されることはない。
【0022】
図1は、E−UMTSの通信網構造を示す図である。E−UMTSは、LTEシステムとも呼ばれる。UMTS及びE−UMTSの技術規格の詳細な内容はそれぞれ、“3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network”のRelease 7及びRelease 8を参照されたい。
【0023】
図1を参照すると、E−UMTSは、端末(UE)120、基地局(eNB)110a,110b、及び通信網(E−UTRAN)の終端に位置して外部網に接続される接続関門装置(AG)を含む。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。一つの基地局は一つ以上のセルをカバーする。セルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つとすることができる。異なるセルにはそれぞれ異なる帯域幅を設定してもよい。基地局は、多数の端末に対するデータ送受信を制御する。ダウンリンク(DL)データに対して基地局はダウンリンクスケジュール情報を送信して、該当の端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)関連情報などを知らせる。また、アップリンク(UL)データに対して、基地局はアップリンクスケジュール情報を該当の端末に送信して、該当の端末が使用できる時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。コア通信網(CN)は、AG及び端末のユーザ登録などのための通信網ノードなどで構成することができる。AGは、複数のセルで構成される追跡範囲(TA)単位で端末の移動性を管理する。
【0024】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インタフェースプロトコルの制御プレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。制御プレーンは、端末及び通信網が呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される経路を意味する。ユーザプレーンは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される経路を意味する。
【0025】
第1層である物理層(PHY)は、物理チャネルを用いて上位層に情報転送(Information Transfer)サービスを提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(MAC)層及び伝送チャネル(Transport Channel)を通じて接続される。伝送チャネルを通じてMAC層とPHY層との間でデータが移動する。送信側のPHY層と受信側のPHY層との間には物理チャネルを通じてデータが移動する。物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして用いる。具体的に、物理チャネルは、ダウンリンクではOFDMA方式で変調され、アップリンクではSC−FDMA方式で変調される。
【0026】
第2層の媒体接続制御層は、論理チャネルを通じて、上位層である無線リンク制御(RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、高信頼データ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックによって具現してもよい。第2層のパケットデータ融合プロトコル(PDCP)層は、帯域幅の狭い無線インタフェースにおいてIPv4又はIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために余分の制御情報を減らすヘッダ圧縮機能を実行する。
【0027】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(RRC)層は、制御プレーンにおいてだけ定義される。RRC層は、無線ベアラ(RB)の設定、再設定及び解除と関連して、論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末と通信網との間のデータ送信のために、第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末及び通信網のRRC層はRRCメッセージを交換する。端末及び通信網のRRC層間に接続されたRRCがある場合、端末は、RRC接続状態とされ、そうでない場合、RRC休止状態とされる。RRC層の上位にある非接続層(NAS)は、セッション管理、移動性管理などの機能を実行する。
【0028】
通信網から端末にデータを送信するダウンリンク伝送チャネルは、システム情報を送信する同報チャネル(BCH)、ページングメッセージを送信するページングチャネル(PCH)、ユーザトラヒック又は制御メッセージを送信するダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)などがある。一方、端末から通信網にデータを送信するアップリンク伝送チャネルには、初期制御メッセージを送信するランダムアクセスチャネル(RACH)、ユーザトラヒック又は制御メッセージを送信するアップリンク共有チャネル(UL−SCH)がある。
【0029】
図3は、OFDMA及びSC−FDMAのための送信器及び受信器を示すブロック図である。アップリンクにおいて、送信器402〜414は、端末の一部であり、受信器416〜430は、基地局の一部である。ダウンリンクにおいて、送信器は基地局の一部であり、受信器は端末の一部である。
【0030】
図3を参照すると、OFDMA送信器は、直/並列変換器402、副搬送波マッピングモジュール406、M点逆離散フーリエ変換(IDFT)モジュール408、巡回プレフィクス(CP)付加モジュール410、並/直列変換器412及びRF/デジタルアナログ変換器(DAC)モジュール414を含む。
【0031】
OFDMA送信器における信号処理は次のように進行する。まず、ビットストリームがデータシンボルシーケンスに変調される。ビットストリームは、MAC層から配信されたデータブロックに、チャネル符号化、インタリーブ、スクランブルなどのような様々な信号処理をして得られる。ビットストリームは、符号語(codeword)とも呼ばれ、MAC層から受信するデータブロックと等価である。MAC階層から受信するデータブロックは、伝送ブロック(transport block)とも呼ばれる。変調方式は、これに制限されるわけではないが、2位相偏移変調(BPSK)、4位相偏移変調(QPSK)、n直交振幅変調(n−QAM)を含むことができる。その後、直列のデータシンボルシーケンスは、N個ずつ並列に変換される(402)。N個のデータシンボルは、合計M個の副搬送波のうち、割り当てられたN個の副搬送波にマッピングされ、残るM−N個の搬送波はゼロ詰めされる(406)。周波数領域にマッピングされたデータシンボルは、M点IDFT処理によって時間領域シーケンスに変換される(408)。その後、シンボル間干渉(ISI)及び搬送波間干渉(ICI)を減らすために、該時間領域シーケンスにCPを付加してOFDMAシンボルを生成する(410)。生成されたOFDMAシンボルは、並列から直列に変換される(412)。その後、OFDMAシンボルは、デジタルアナログ変換、周波数上方変換などの過程を経て受信器に送信される(414)。他のユーザには、残されたM−N個の副搬送波のうち、利用可能な副搬送波が割り当てられる。一方、OFDMA受信器は、RF/アナログデジタル変換(ADC)モジュール416、直/並列変換器418、CP除去モジュール420、M点DFTモジュール422、副搬送波デマッピング/等化モジュール424、並/直列変換器428及び検波モジュール430を含む。OFDMA受信器の信号処理は、OFDMA送信器と逆の構成を有する。
【0032】
一方、SC−FDMA送信器は、OFDMA送信器と比較して、副搬送波マッピングモジュール406の前にN点DFTモジュール404を更に含む。SC−FDMA送信器は、IDFT処理の前に、DFTを用いて複数のデータを周波数領域に拡散させることで、送信信号のピーク対平均電力比(PAPR)を、OFDMA方式に比べて大幅に低減することができる。SC−FDMA受信器は、OFDMA受信器と比較して、副搬送波デマッピングモジュール424の後に、N点IDFTモジュール426を更に含む。SC−FDMA受信器の信号処理は、SC−FDMA送信器と逆の構成を有する。
【0033】
図4は、LTEで使用される無線フレームの構造を示す図である。
【0034】
図4を参照すると、無線フレームは、10ms(327200・Ts)の長さを有し、10個の同一サイズのサブフレームで構成されている。それぞれのサブフレームは、1msの長さを有し、2個のスロットで構成されている。それぞれのスロットは、0.5ms(15360・Ts)の長さを有する。Tsは、サンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10-8(約33ns)で表される。スロットは、時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(RB)を含む。LTEシステムにおいて、一つのリソースブロックは、12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データが送信される単位時間である送信時間間隔(TTI)は、一つ以上のサブフレーム単位で決定することができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、スロットの数、OFDMシンボルの数は、様々に変更してもよい。
【0035】
図5は、単一コンポーネント搬送波環境で通信を行う例を示す図である。図5は、LTEシステムにおける通信例に対応する。
【0036】
図5を参照すると、一般に、周波数分割2重通信(FDD)方式では、一つのダウンリンク帯域及びこれに対応する一つのアップリンク帯域を通じて通信が行われる。また、時分割2重通信(TDD)方式では、ダウンリンク区間及びこれに対応するアップリンク区間を通じて通信が行われる。FDD方式又はTDD方式において、データ及び/又は制御情報の送受信は、サブフレーム単位で行うことができる。端末は、電力制御方式を用いて、チャネル環境が良くない場合には、電力を上げて送信し、チャネル環境が良い場合には、電力を下げて送信することによって、過度な送信電力による隣接セルへの干渉を減らし、電力使用量を最適化する。チャネル環境が良くない場合、基地局は、端末の電力を上げるように指示するが、端末の最大送信電力(すなわち、送信電力制限;PUEMax又はPMax)を超えるようにする命令は無視される。
【0037】
図6Aは、LTEで使用されるアップリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0038】
図6Aを参照すると、アップリンクサブフレームは、複数(例、2個)のスロットを含む。スロットは、CP長によって異なる数のSC−FDMAシンボルを含むことができる。一例として、正規(normal)CPの場合、スロットは、7個のSC−FDMAシンボルを含むことができる。アップリンクサブフレームは、データ領域と制御領域とに区別される。データ領域は、物理アップリング共有チャネル(PUSCH)を含み、音声、映像などのデータ信号を送信するために使用される。データ信号の電力は、同一領域に含まれた基準信号の電力に基づいて定められる。一例として、データ信号の電力は、復調用基準信号(DMRS)の電力に基づいて定めてもよい。
【0039】
制御領域は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を含み、様々な制御情報をアップリンクで送信する。PUCCHは、周波数軸でデータ領域の両端に位置するRB対を含み、スロットを境界にしてホップする。制御情報の送信電力は、PUCCHに位置している制御チャネル用基準信号の送信電力に基づいて定められる。PUCCH構造についての詳細な事項は、図6Bを参照して後述する。アップリンクチャネル測定のための測定基準信号(SRS)は、サブフレームの最後のSC−FDMAシンボルに位置して、データ領域の全部又は一部の帯域を通じて送信される。
【0040】
LTEシステムにおいて、アップリンク送信の特徴は、SC−FDMAを用いた単一搬送波特性であって、PUSCH、PUCCH、SRSは、同時に送信が許容されない。SC−FDMAは、多重搬送波システム(例、OFDM)に比べて低いPAPRを維持することで、電力増幅器の効率的な利用を可能にする。したがって、データ及び制御信号を同時に送信する場合には、PUCCHで送信されるべき情報が、PUSCH領域にピギーバック方式によってデータと多重化される。また、SRSが送信されるSC−FDMAシンボルには、PUSCH又はPUCCHが送信されない。PUSCH及びPUCCHの電力制御は独立に行われる。
【0041】
図6Bに、LTEで使用されるPUCCH構造を例示する。
【0042】
図6Bを参照すると、正規CPの場合、スロットの中間に位置している3個の連続したシンボルによって、基準信号(UL RS)が搬送され、残る4個のシンボルによって、制御情報(すなわち、肯定応答及び否定応答(ACK/NACK))が搬送される。拡張CPの場合、スロットは、6個のシンボルを含み、3番目及び4番目のシンボルによって基準信号が搬送される。制御情報は、チャネル品質情報(CQI)、スケジュール要求(SR)、プリコーディング行列インデクス(PMI)、ランク指示子(RI)などを更に含む。制御情報の送信電力は、基準信号(UL RS)の送信電力に基づいて定められる。PUCCH構造は、制御情報の種類によって、UL RSの個数、位置などが異なる。制御情報のためのリソースは、計算機生成定振幅ゼロ自己相関(CG−CAZAC)シーケンスの別個の巡回シフト(CS)(周波数拡散)及び/又は別個のWalsh/DFT直交符号(時間拡散)を用いて区分される。IFFTの後に乗算されるw0、w1、w2、w3は、IFFTの前に乗算されても、結果は同一である。基準信号には、該当する長さの直交カバー(OC)シーケンスを乗算してもよい。
【0043】
図7には、多重コンポーネント搬送波環境の下で通信を行う例を示す。最近、無線通信システム(例、LTE−Aシステム)は、より広い周波数帯域を使用するために、複数のアップリンク/ダウンリンク周波数ブロックを束ねてより大きいアップリンク/ダウンリンク帯域幅を使用する搬送波集約(carrier aggregation)、すなわち帯域集約(bandwidth aggregation)技術を使用する。それぞれの周波数ブロックは、コンポーネント搬送波(CC)を用いて送信される。本明細書において、コンポーネント搬送波は、文脈に従って、搬送波集約のための周波数ブロックを意味してもよいし、周波数ブロックの中心搬送波を意味してもよく、これらはお互い混用される。
【0044】
図7を参照すると、アップリンク/ダウンリンクにそれぞれ5個の20MHzのCCが束ねられて、100MHz帯域幅を支援することができる。それぞれのCCは、周波数領域において、互いに隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。図7は、便宜上、アップリンクコンポーネント搬送波の帯域幅及びダウンリンクコンポーネント搬送波の帯域幅がいずれも同一、且つ対称の場合を示している。しかし、各コンポーネント搬送波の帯域幅は、独立に定めてもよい。一例として、アップリンクコンポーネント搬送波の帯域幅は、5MHz(AUL)+20MHz(BUL)+20MHz(CUL)+20MHz(DUL)+5MHz(EUL)のように構成してもよい。また、アップリンクコンポーネント搬送波の個数とダウンリンクコンポーネント搬送波の個数とが異なる非対称の搬送波集約も可能である。非対称の搬送波集約は、利用可能な周波数帯域の制限によって発生することもあり、通信網設定によって人為的になされることもある。一例として、システム全体帯域がN個のCCで構成されても、特定端末の受信可能な周波数帯域は、M(<N)個のCCに限定されることがある。搬送波集約に関する様々なパラメータは、セル特定、端末グループ特定又は端末特定の方法で設定してもよい。
【0045】
LTE−Aシステムにおいて、送信端は、単一又は多重CCを通じて同時に複数の信号/(物理)チャネルを送信することができる。一例として、PUSCH、PUCCH又はSRSから選ばれた同一又は別個の2以上のチャネルを、同時に送信することができる。したがって、単一搬送波送信特性を維持することなく複数の(物理)チャネルを送信する場合、複数の(物理)チャネルに対して計算された送信電力の和が最大送信電力制限に到達したときの端末の動作に対する考慮が必要である。本明細書で特に言及しない限り、複数の信号/(物理)チャネルは、送信電力が独立して決定される信号/(物理)チャネルを意味する。一例として、複数の信号/(物理)チャネルは、互いに別個の基準信号と関連した信号/(物理)チャネルを含む。本明細書において、(物理)チャネルを送信するとは、(物理)チャネルを通じて信号を送信するということを意味する。本明細書で、信号と(物理)チャネルとは混用される。
以下、図8〜図11を参照して、送信電力を制御する方法について具体的に説明する。便宜上、図8〜図11は、端末の立場で説明したが、これは例示であり、基地局が複数の信号を送信する場合にも、修正することによって容易に適用することができる。本発明に係る実施例において、送信電力を、線形スケール又はdBスケールで表現することができる。また、本発明の実施例による動作は、電力領域で実行してもよいし、振幅領域で実行してもよい。
【0046】
実施例1:(チャネル)優先順位を考慮した電力制御
図8は、本発明の実施例によって送信電力を調整する例を示す図である。本実施例は、複数の物理チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えた場合に、(チャネル)優先順位を考慮して物理チャネルの送信電力を調整することを提案する。
【0047】
図8を参照すると、端末は、基地局から、一つ以上の送信電力制御(TPC)命令を受信することができる(S810)。TPC命令は、ランダムアクセスのためのプリアンブルに対する応答メッセージに含めてもよいし、PDCCHを通じて送信してもよい。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)に応じて様々なフォーマットが存在し、フォーマットによって、送信されるTPC命令が異なることがある。例えば、端末は、ダウンリンクスケジュールのためのフォーマット、アップリンクスケジュールのためのフォーマット、PUSCH用のTPC専用フォーマット、PUCCH用TPC専用フォーマットなど、様々なフォーマットのPDCCHを受信することができる。また、TPC命令を、それぞれのコンポーネント搬送波に対する送信電力、コンポーネント搬送波グループに対する送信電力又は全体コンポーネント搬送波に対する送信電力を決定するのに用いることができる。また、TPC命令を、それぞれの信号(例、PUSCH、PUCCH等)に対する送信電力を決定するために用いることができる。TPC命令は、ダウンリンクスケジュールのためのフォーマット、アップリンクスケジュールのためのフォーマット、アップリンクデータチャネル(例、PUSCH)用のTPC専用フォーマット、アップリンク制御チャネル(例、PUCCH)用のTPC専用フォーマットなどの様々なフォーマットのPDCCHを通じて受信することができる。
【0048】
端末は、基地局に同時に送信されるように予定された複数の物理チャネルがある場合、複数のアップリンク物理チャネルに対する送信電力(P1,P2,…,PN;N≧2)を個別に決定する(S820)。それぞれのアップリンク物理チャネルは、一つ以上の連続したOFDMAシンボル又はSC−FDMAシンボルを含む。端末が複数の信号をアップリンクで送信する例を図9に示すが、これに制限されるものではない。図9を参照すると、単一コンポーネント搬送波又は多重コンポーネント搬送波を用いて複数の物理チャネルを同時に送信することができる。例えば、複数のPUCCH、複数のPUSCH又は複数のSRSを同時に送信してもよいし(ケース1〜3)、PUCCH、PUSCH及び/又はSRSの組合せを同時に送信してもよい(ケース4〜7)。PUCCHの場合、ACK/NACK、CQI、SRを送信する場合などのように詳細な区分が可能である。
【0049】
アップリンク送信電力が決定されると、端末は、アップリンク物理チャネルの送信電力の総和(ΣPn;1≦n≦N)が、最大電力値(PMax)よりも大きいか確認する(S830)。最大電力値は、CC、CCグループ又は全体CC単位に与えることができる。最大電力値は、基本的に、端末の物理的能力によって左右されるが、通信システム別に予め定めることができる。また、最大電力値は、セル内の許容電力、負荷バランスなどを考慮して変更することができる。したがって、本明細書において、最大電力値は最大利用可能電力値と混用され、互いに置き換え可能である。最大電力値に関する情報は、同報メッセージ(例、システム情報)を通じてセル内に同報してもよいし、RRCメッセージを通じて通知してもよい。また、最大電力値に関する情報は、ダウンリンク制御チャネル(例、PDCCH)を通じて端末に送信することができる。最大電力値は、チャネル環境に応じて永久的、半永久的又は動的に設定することができる。最大電力値が基地局の通知によって制限される場合、最大電力値は、セル内の許容電力値と同一の意味を有することができる。例えば、最大電力値は、予め定めてもよいし、セル特定方式、端末グループ特定方式、端末特定方式、CCグループ特定方式、CC特定方式で指定してもよい。
【0050】
アップリンク物理チャネルの送信電力の総和(ΣPn;1≦n≦N)が最大電力値(PMax)以下のとき、該当のアップリンク物理チャネルに対する送信電力はそのまま維持される。一方、アップリンク物理チャネルの送信電力の和が最大送信電力値よりも大きいときは、優先順位を考慮して、アップリンク物理チャネルの送信電力の総和が最大電力値を超えないように、一つ以上のアップリンク物理チャネルの送信電力を調整する(S840)。優先順位は、アップリンク物理チャネルのタイプ及びアップリンク物理チャネル上の情報を考慮して決定することができる。優先順位の詳細については後述する。送信電力の調整は、全帯域を対象に行ってもよいし、CCグループ単位又はCC単位に行ってもよい。
【0051】
アップリンク物理チャネルに対する送信電力が調整されるとき、端末は、該当の送信電力を持つ複数のアップリンク物理チャネルを生成する(S850)。アップリンク物理チャネルに対する送信電力の制御は、IFFT(図3の408)の前に周波数領域で行うことができるが、これに限定されない。この場合、送信電力の制御は、副搬送波単位で行うことができ、例えば、副搬送波にマッピングされている変調値に加重値を乗算することによって行うことができる。加重値は、各要素が送信電力と関連した値を表す対角行列(電力対角行列)を用いて乗算してもよい。多入力多出力(MIMO)システムの場合、送信電力を、加重値が反映されたプリコーディング行列を用いて制御してもよいし、プリコーディングされた変調値を電力対角行列に乗ずることによって制御してもよい。したがって、同一のIFFTが適用される周波数帯域内に複数の物理チャネルが含まれる場合にも、各物理チャネルの送信電力を容易に制御することができる。また、周波数領域での電力制御と共に又は別個に、アップリンク物理チャネルに対する送信電力の制御を、IFFTの後に時間領域で行ってもよい。具体的には、時間領域での送信電力制御は、様々な機能ブロックで行うことができる。一例として、送信電力制御は、DACブロック及び/又はRFブロック(図3の414)で行ってもよい。その後、端末は、生成された複数のアップリンク物理チャネルを、一つ以上のCCを通じて基地局に送信する(S860)。本明細書において、同時又は同一の期間は、同一のTTI又はサブフレームを含む。
【0052】
図8の段階S840において、優先順位を考慮してアップリンクチャネルの送信電力を調整する方法について具体的に説明する。便宜上、2つのチャネルだけ存在する場合における同等な順位又は優先順位を挙げて説明する。しかし、本発明は、3つ以上の同種、異種、又は同種及び異種のチャネル組合せにも適用可能である。
【0053】
説明の便宜のために、下記のように記号を定義する。
【0054】
PUSCH:PUSCHに割り当てられるように計算される電力を表す。電力制限によって、実際に割り当てられる電力は、これよりも小さいことがある。dB表示がない場合は、線形スケールを意味する。
【0055】
PUCCH:PUCCHに割り当てられるように計算される電力を表す。電力制限によって、実際に割り当てられる電力は、これよりも小さいことがある。dB表示がない場合は、線形スケールを意味する。
【0056】
SRS:SRSに割り当てられるように計算される電力を表す。電力制限によって、実際に割り当てられる電力は、これよりも小さいことがある。dB表示がない場合は、線形スケールを意味する。
【0057】
ケース1−1:PPUSCH+PPUSCH>PMax
ケース1−1は、複数の別個のCCにおいて、複数のPUSCHが同時に送信される場合に、最大電力限界に到達するケースである。この場合、各PUSCHの送信電力を減らしたり、ドロップしたりすることができる。具体的には、下記のオプションを考慮できる。
【0058】
オプション1:PUSCH間に同一の優先順位をつけることができる。優先順位が同一の場合、全体PUSCHの電力を、同一の割合で低減したり、同一の量を低減したりすることができる。すなわち、同一の減衰比率を適用したり、同一の値を減算したりすることができる。
【0059】
オプション2:PUSCH上の送信フォーマットを考慮して、PUSCH間に優先順位をつけることができる。例えば、伝送ブロックサイズ(Transport Block Size:TBS)や変調符号化方式(MCS)にしたがって優先順位をつけ、優先順位の低いPUSCHから送信電力を順次に低減したりドロップしたりする。好適には、小さいTBS(データ量)、低いMCS(低符号レート)又は低い変調次数のPUSCHに対して優先順位を低く設定する。この場合、優先順位の低いPUSCHに対してより高い減衰比率を適用することができる。しかし、PUSCHドロップによってPUSCHが一つだけ残っているにもかかわらず、送信電力を超える場合は、当該PUSCHの電力をPMaxに低減して送信する。
【0060】
ケース1−2:PPUCCH(ACK/NACK)+PPUSCH>PMax
ケース1−2は、互いに異なるCC又は一つのCCにおいて、ACK/NACKを送信するPUCCH及びPUSCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。下記のオプションを考慮できる。
【0061】
オプション1:ACK/NACKに優先順位をつけることができる。UL ACK/NACKは、DLデータ受信に成功したか否かを報告するもので、この報告が適切に行われないと、DLリソースが浪費される。このため、ACK/NACKの送信に高い優先順位をつけ、PUSCHの送信電力を低減して送信したり、ドロップしたりする。PUSCHの送信電力を低減する場合、まず、PUCCHに送信電力を割り当て、残る電力をPUSCHに割り当ててもよい。これは、次の数式で表現できる。
PUSCH=Pmax−PPUCCH(ACK/NACK)
この場合、下記の方法を更に適用可能である。
【0062】
オプション1.1:PUCCHに割り当てて残った電力だけをPUSCHに使用することから、PUSCHの誤り率が増加する。そこで、PUSCHを、電力を減らす前と同じ誤り率で受信できるように、PUSCHに送信されるデータのMCSを減らして送信する。そのために、減らしたMCSの情報を基地局に通知してもよい。
【0063】
オプション2:PUSCHに優先順位をおくことができる。ACK/NACKを送信するPUCCHの電力を減らす場合、UL ACK/NACKの受信誤りによってDLリソース浪費が発生する。特に、NACKをACKと認識すると、上位層の再送信が発生し、DLデータの送信遅延が増加する。一方、ACKをNACKと認識する場合には、物理層で再送信を行う浪費だけが発生する。したがって、至急のデータを送信する場合に、持続した低い電力のPUSCH送信によってデータ遅延が起きる場合などに備えて、PUSCHに電力をまず割り当て、残った電力(減少させた電力)をPUCCHの送信に割り当てることを考慮することができる。この場合、PUCCHの電力減少は、ACKの場合に限定することが好ましい。
【0064】
ケース1−3:PSRS+PPUSCH>PMax
ケース1−3は、互いに異なるCC又は一つのCCにおいて、SRS及びPUSCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。下記のオプションを考慮できる。
【0065】
オプション1:SRS送信に優先順位をおくことができる。SRSは、基地局がULチャネル状態を測定して、最適のULスケジュールを行うために使用される。以降のスケジュールの効率を重視して、SRSに高い優先順位をおき、PUSCHの送信電力を減らして送信したり、ドロップしたりする。PUSCHの送信電力を減らす場合、まず、SRSに送信電力を割り当て、残った電力をPUSCHに割り当ててもよい。これは、次の数式で表現することができる。
PUSCH=PMax−PSRS
この場合、下記のような方法を更に適用できる。
【0066】
オプション1.1:SRSに割り当てて残った電力だけをPUSCHに使用するため、PUSCHの誤り率が増加する。したがって、PUSCHを、電力を減らす前と同じ誤り率で受信できるように、PUSCHに送信されるデータのMCSを減らして送信する。このために、減らしたMCSの情報を基地局に通知してもよい。
【0067】
オプション2:PUSCH送信に優先順位をおくことができる。SRSの送信電力を減らして送信する場合、基地局は、UL無線チャネル環境状態が悪いため受信電力が落ちたのか、又は、端末が電力を減らして送信したのか分からないため、チャネル情報が誤判断されることがある。したがって、送信電力が足りない場合は、SRSをドロップしてもよい。
【0068】
ケース1−4:PPUCCH(ACK/NACK)+PPUCCH(ACK/NACK)>PMax
ケース1−4は、ACK/NACKを送信する複数のPUCCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。各PUCCHの送信電力を減らしたり、ドロップしたりする。具体的には、下記のオプションを考慮できる。
【0069】
オプション1:ACK/NACKを送信するPUCCHに同一の優先順位をつけることができる。優先順位が同一の場合、PUCCHの電力を、同一の割合で減らしたり、同一量を減らしたりする。すなわち、同一の減衰比率を適用したり、同一値を減算してもよい。
【0070】
オプション2:優先順位をつけ、一部のPUCCHの電力を減らしたり、ドロップしたりする。
【0071】
オプション2.1:NACKをACKと誤認した場合、ACKをNACKと誤認した場合に比べてリソース浪費及び遅延がより増加する。このため、ACKを送信するPUCCHの送信電力を優先して低減したり、ドロップしたりする。特定の閾値を設定し、電力を閾値まで減らすことも考慮することができる。
【0072】
オプション2.2:PUCCHのACK/NACKに対応するPDSCHのTBS又はMCSに基づいてPUCCHの優先順位をつけ、優先順位の低いPUCCHの送信電力を優先して低減したり、ドロップしたりする。好ましくは、小さいTBS又は低いMCSのPDSCHの優先順位を低く設定する。ただし、PUCCHをドロップする場合において、ただ一つのPUCCHが残っているだけにもかかわらず、送信電力を超える場合は、当該PUCCHの電力をPmaxに減らして送信する。
【0073】
ケース1−5:PPUCCH(CQI)+PPUCCH(CQI)>PMax
ケース1−5は、互いに異なるCCにおいて、CQIを送信する複数のPUCCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。CQI値は、DL無線チャネルの状態を把握して効率的なDLスケジュールを行えるようにする。下記のオプションを考慮できる。
【0074】
オプション1:CQIを送信するPUCCHに同一の優先順位をつけることができる。優先順位が同一の場合、全体PUCCHの電力を、同一の割合で減らしたり、同一量を減らしたりすることができる。すなわち、同一の減衰比率を適用したり、同一値を減算してもよい。
【0075】
オプション2:優先順位をつけ、一部のPUCCHの電力を減らしたり、ドロップしたりする。基地局は、CQIの高い無線チャネルを選択して端末にスケジュールをする。CQIが低いチャネルは基地局が選択する可能性が低いため、正確な受信の重要性は低い。したがって、送信の際、CQI値が低いPUCCHの送信電力を優先的に減らしたり、ドロップしたりする。特定の閾値を設定し、閾値まで減らすことも考慮できる。
【0076】
ケース1−6:PPUCCH(ACK/NACK)+PPUCCH(CQI)>PMax
ケース1−6は、CQI及びACK/NACKを送信する複数のPUCCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。上述のように、ACK/NACKは、優先順位が高い。一方、CQIは、DLチャネルの状態を基地局に送信する情報で、効果的なDLスケジュールのために使用される。より良いチャネルを端末に割り当てたとしても、データの正常受信を正確に確認できないと、不要な再送信が発生し、したがってCQIの優先順位は低い。このため、ACK/NACKを送信するPUCCHに優先的に電力を割り当て、残った電力を、CQIを送信するPUCCHに割り当てたり、CQIを送信するPUCCHをドロップしたりする。一方、CQI及びACK/NACKを共に送信するPUSCHは、ACK/NACKを送信するPUCCHと同一に取り扱う。
【0077】
ケース1−7:PPUCCH(SR)+PPUCCH(ACK/NACK)>PMax
ケース1−7は、SR及びACK/NACKを送信する複数のPUCCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。下記のオプションを考慮できる。
【0078】
オプション1:ACK/NACK送信に高い優先順位をつけることができる。したがって、ACK/NACKが送信されるPUCCHにまず電力を割り当て、残った電力を、SRの送信されるPUCCHに割り当てたり、SRが送信されるPUCCHをドロップしたりする。一方、ACK/NACKが長時間存在し続けてSRを送信するPUCCHがドロップされる場合、ULのスケジュールができない。これを補完するために、SRが特定時間遅延される場合、ACK/NACKを送信するPUCCHをドロップしてもよい。
【0079】
オプション2:SR送信に高い優先順位をつけることができる。ACK/NACK誤りは再送信により解消されるため、スケジュールを重視してSRに高い優先順位をつけ、ACK/NACKが送信されるPUCCHの送信電力を減らして送信したり、ドロップしたりする。PUCCHの送信電力を減らす場合、まずSRに送信電力を割り当て、残った電力を、PUCCHに割り当ててもよい。これは、次の数式で表すことができる。
PUCCH(ACK/NACK)=PMax−PSR
【0080】
オプション3:端末は、ACK/NACKを、SRが送信されるPUCCHで送信する。この場合、基地局は、PUCCHから、2値振幅変調(On/Off Keying)されたSRをエネルギー検波によって検出し、シンボルの復号によってACK/NACKを判断できる。このとき、ACK/NACKを送信するPUCCHが複数の場合には、ACK/NACKバンドル又はPUCCH選択送信を使用することができる。ACK/NACKバンドルは、複数のDL PDSCHを誤りなく受信したときは、すべてのACKを送信し、DL PDSCHのいずれか一つに誤りがあるときは、一つのNACKを送信する。PUCCH選択送信は、複数のDL PDSCHを受信した場合に、複数の占有されたPUCCHリソースから選択された一つのPUCCHリソースを通じて変調値を送信することによって、複数のACK/NACKの結果を表す。
【0081】
ケース1−8:PPUSCH(UCI)+PPUSCH>PMax
ケース1−8は、別個のCCにおいて、アップリンク制御情報(UCI)を送信するPUSCH及びデータだけを送信するPUCCHの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。次のオプションを考慮できる。
【0082】
オプション1:UCIを考慮せず、ケース1−1で例示した優先順位決定方法に従う。例えば、PUSCHに同一の優先順位をつけることができる。この場合、PUSCHの電力を同一の割合で減らすことができる。また、PUSCH上の送信フォーマットを考慮して、PUSCHに別個の優先順位を割り当ててもよい。
【0083】
オプション2:UCIがピギーバックされたPUSCHに制御情報が含まれているため、UCIがピギーバックされたチャネルに高い優先順位をつけることができる。このため、データだけを搬送するPUSCHの送信電力を減らして送信したり、ドロップしたりする。データだけを搬送するPUSCHの送信電力を減らす場合、まずUCIがピギーバックされたPUSCHに送信電力を割り当て、残った電力をデータだけを搬送するPUSCHに割り当ててもよい。これは、次の数式で表すことができる。
PUSCH=PMax−PPUCCH(UCI)
また、データだけを搬送するPUSCHの送信電力を減らす場合、データだけを搬送するPUSCHにより大きい減衰比率を適用してもよい。しかし、PUCCHドロップにって、ただ一つのPUSCHだけが残っているにもかかわらず、送信電力を超える場合は、当該PUSCHの電力をPMaxに減らして送信する。
【0084】
ケース1−9:PPUSCH(Retransmission)+PPUSCH>PMax
ケース1−9は、再送信データを搬送するPUSCH及び新しいデータを搬送するPUSCHの送信電力の和が最大電力限界に到達するケースである。
【0085】
オプション1:再送信を考慮せずに、ケース1−1で例示した優先順位決定方法に従う。例えば、PUSCHに同一の優先順位をつけることができる。この場合、PUSCHの電力を同一の割合で減らすことができる。また、PUSCH上の送信フォーマットを考慮して、PUSCHに別個の優先順位を割り当ててもよい。
【0086】
オプション2:再送信は、先行する送信の際の送信電力の減少に起因することがあるため、再送信されるPUSCHの優先順位を高くすることで、PUSCHの受信率を向上させることができる。
【0087】
ケース1−10:PPUSCH(Retransmission)+PPUSCH(Retransmission)>PMax
【0088】
ケース1−10は、再送信データを搬送するPUSCHの送信電力の和が最大電力限界に到達するケースである。次のオプションを考慮できる。
【0089】
オプション1:再送信を考慮せずに、ケース1−1で例示した優先順位決定方法に従う。例えば、PUSCHに同一の優先順位をつけることができる。この場合、PUSCHの電力を、同一の割合で減らすことができる。また、PUSCH上の送信フォーマットを考慮して、PUSCHに別個の優先順位を割り当ててもよい。
【0090】
オプション2:再送信は、先行する送信の際の送信電力の減少に起因することがあるため、再送信回数のより多いPUSCHに、より高い優先順位をつけ、より多く再送信されたPUSCHの受信率をより向上させる。
【0091】
ケース1−11:PPUSCH(Retransmission)+PPUCCH/PSRS>PMax
ケース1−11は、再送信データを搬送するPUSCH及びPUCCH/SRSの送信電力の和が、最大電力限界に到達するケースである。次のオプションを考慮できる。
【0092】
オプション1:再送信を考慮せず、ケース1−2及び1−3で例示した優先順位決定方法に従うことができる。
【0093】
オプション2:再送信は、先行する送信の際の送信電力の減少に起因することがあるため、再送信されるPUSCHに高い優先順位をつけ、該PUSCHの受信率を向上させることができる。
【0094】
実施例2:CC(グループ)別電力制御
以上言及した端末の送信電力制御方式は、端末が一つの電力増幅器を持つ場合における電力制御方式に好適である。しかし、LTE−Aでは、端末に複数のCCが割り当てられることがあり、これら割り当てられたCCは、周波数軸上で連続した帯域であってもよいし、別個の帯域であってもよい。割り当てられたCCが別個の帯域として存在するとき、端末は、一つの電力増幅器だけでは、広い周波数領域の電力増幅が困難であるため、複数の電力増幅器を必要とする場合がある。この場合、各電力増幅器は、一つのCCだけ、又はいくつかのCCで構成されたCCグループだけの電力増幅を担当してもよい。したがって、上で提案した方式をCC別又はCCグループ別電力制御方式に拡張することによって、端末が多数の電力増幅器を持つ状況においても、当然に適用することができる。
【0095】
以下では、CC(グループ)別送信電力制限及び端末の総送信電力制限の両方が存在する環境において、端末が特定CC(グループ)の送信電力制限に到達する、端末総送信電力制限に到達する、又は、両方の電力制限に同時に到達する場合の、本発明の一実施例に係る端末動作について説明する。
【0096】
一般に、端末のアップリンク送信電力は、式1のように制限できる。
【0097】
(式1)
【数1】

【0098】
端末の電力増幅器の量子化レベルが十分に高いとき、式2のように上の不等式において等号が成り立つことがある。
【0099】
(式2)
【数2】

【0100】
上の式で使われた記号は、下記のように定義される。
【0101】
UE:端末のアップリンク送信電力を表す。
【0102】
UEMax(PMax):端末の最大送信電力値(又は送信電力制限値)を表す。すなわち、全体CCに関する端末の最大送信電力(又は送信電力制限値)を表す。端末の最大送信電力値は、端末の総送信可能電力で決定してもよいし、通信網(例、基地局)で設定した値との組合せで決定してもよい。また、端末の最大送信電力値に関する情報は、上位層の通知によって指示してもよい。例えば、端末の最大送信電力値に関する情報は、同報メッセージを通じてセル特定方式で通知してもよいし、RRCメッセージを通じて端末特定方式又は端末グループ特定方式で通知してもよい。
【0103】
CC=iMax:i番目のCC(グループ)における最大送信電力値(又は、送信電力制限値)を表す。CC(グループ)別最大送信電力値は、端末の総送信可能電力又は各CC(グループ)別送信可能電力で決定してもよいし、通信網(例、基地局)でCC(グループ)別に設定した値との組合せで決定してもよい。また、CC(グループ)別最大送信電力値に関する情報は、上位層の通知によって指示してもよい。例えば、CC(グループ)別最大送信電力値に関する情報は、同報メッセージを通じてセル特定方式で通知してもよいし、RRCメッセージを通じて端末特定又は端末グループ特定方式で通知してもよい。一方、CC(グループ)別最大送信電力値は、他の端末(又はCC(グループ))との干渉情報(又はカバレッジ)を考慮して通知してもよい。この場合、CC(グループ)別最大送信電力値に関する情報は、他の端末(又はCC(グループ))との干渉(又はカバレッジ)に関する情報を含むことができる。CC(グループ)別最大送信電力は、いずれのCC(グループ)においても同一の値を有することができる。
【0104】
CC=iCh=j:i番目のCC(グループ)のj番目のチャネルの送信電力を表す。
【0105】
ケース2−1:
【数3】

ケース2−1は、いかなるCC(グループ)においてもCC(グループ)の最大送信電力の和が端末の最大送信電力よりも小さく、同時にすべてのCC(グループ)におけるチャネルの送信電力の和が、端末の最大送信電力よりも小さいケースである。端末の送信電力は総送信電力値に制限されないので、式3のように簡略化できる。
【0106】
(式3)
【数4】

【0107】
端末の電力増幅器の量子化レベルが十分に高いとき、式4のように上の不等式において等号が成り立つことがある。
【0108】
(式4)
【数5】

【0109】
式3及び4において、集合Sは、CC(グループ)内において、チャネルの送信電力の和がCC(グループ)の最大送信電力値を越えるCC(グループ)集合を意味する。例えば、
【数6】

この場合、集合S内においてだけ、チャネル送信電力の和がCC(グループ)最大送信電力値を越えないように調節される。電力制御は、減衰係数を導入することによって行うことができる。例えば、電力制御を、式5のように、各チャネルの送信電力に対する減衰係数α(0≦α≦1)を探す方法に簡略化できる。
【0110】
(式5)
【数7】

【0111】
ケース2−2:
【数8】

ケース2−2は、端末の最大送信電力がCC(グループ)の最大送信電力の和よりも小さく、同時にすべてのチャネルの送信電力の和よりも小さいケースである。端末の送信電力は、最大送信電力値に制限されるので、式6のように表される。
【0112】
(式6)
UE≦PUEMax
【0113】
端末の電力増幅器の量子化レベルが十分に高いとき、式7のように上の不等式において等号が成り立つことがある。
【0114】
(式7)
UE=PUEMax
【0115】
この場合、ケース2−1と同様、端末の送信電力を端末の最大送信電力値まで減らすことができる。この場合、それぞれのCC(グループ)内で各チャネルの送信電力の和が、CC(グループ)の最大送信電力値よりも小さくなければならず、且つ、すべてのCC(グループ)の送信電力の和が端末の最大送信電力値よりも小さくなければならない。電力制御は、式8のように、各チャネルの送信電力に対する減衰係数α(0≦α≦1)を探す方法に簡略化できる。
【0116】
(式8)
【数9】

【0117】
ケース2−1及び2−2で例示した方法は、2通りの制限(総送信電力制限、CC(グループ)送信電力制限)に対する最適化を通じて減衰係数を求めるので、最適化がやや複雑になるという問題がありうる。したがって、減衰係数を効率的に計算するための方法を、図10及び図11を参照して例示する。
【0118】
図10及び図11において、横軸はCC(グループ)を表し、縦軸は電力強度を表す。それぞれのCC(グループ)においてハッチングしたボックスは、該当のCC(グループ)内でのチャネルを表す。ハッチングは、チャネルを表すために便宜上掛けたもので、それぞれのハッチングは、別個のチャネルを意味してもよいし、同一のチャネルを意味してもよい。また、図10及び図11は、CC(グループ)の送信電力の和が、端末の最大送信電力値(P_UE_MAX)より大きく、CC(グループ)1及び3内でのチャネルの送信電力の和が、CC(グループ)の最大送信電力(P_CC1_MAX及びP_CC3_MAX)を超える場合を仮定する(図10の(a)及び図11の(a))。CC(グループ)1及び3は、式3及び4で説明した集合Sを構成する。
【0119】
図10は、本発明の一実施例によって電力制御のための減衰係数を求める方法を例示する。図10を参照すると、電力制御のための減衰係数は、2段階で求める。第1の段階は、CC(グループ)の送信電力制限基準を合わせるために、集合S内にあるチャネルの送信電力を減衰させることができる。第1の段階において、減衰係数αは、式9の条件に合わせて独立に決定してもよい。
【0120】
(式9)
【数10】

【0121】
図10の(b)を参照すると、CC(グループ)1及び3内でのチャネルの送信電力の和が、該当のCC(グループ)の最大送信電力値に減少したことがわかる。
【0122】
しかし、図10の(b)において、CC(グループ)の送信電力の和は、依然として端末の最大送信電力値(P_UE_MAX)よりも大きい。このように、集合Sに属するチャネルの送信電力を減少させたにもかかわらず、依然として端末の総送信電力制限を満たしていないときは、第2の段階として、全体CC(グループ)のすべてのチャネルの送信電力を減少させて、端末の総送信電力制限に合わせることができる。第2の段階において、減衰係数βは、式10の条件に合わせて独立に決定してもよい。
【0123】
(式10)
【数11】

【0124】
図10の(c)を参照すると、すべてのチャネルの送信電力の和が、端末の総送信電力制限値(P_UE_MAX)に減少したことがわかる。簡略化のために、集合Sにあるチャネルのβを1に設定し、Sの余集合に対してだけβを決定してもよい。あるいは、Sの余集合にあるチャネルのβを1に設定し、Sに対してだけβを決定してもよい。
【0125】
図11は、本発明の他の実施例によって減衰係数を求める方法を例示する。図11を参照すると、電力制御のための減衰係数は、基本的に2段階で求められ、電力補償のために1段階を更に含むことができる。第1の段階において、端末の総送信電力制限基準に合わせるために、すべてのCC(グループ)におけるチャネルの送信電力を減衰させてもよい。減衰係数βは、式11の条件に合わせて独立に決定してもよい。
【0126】
(式11)
【数12】

【0127】
図11の(b)を参照すると、すべてのチャネルの送信電力の和が、端末の総送信電力制限値(P_UE_MAX)に一致するように、すべてのCC(グループ)においてチャネルの送信電力が減少されたことがわかる。
【0128】
しかし、図11の(b)で、CC(グループ)3のチャネルの送信電力の和は、依然としてCC(グループ)3の電力制限値(P_CC3_MAX)より大きい。このように、すべてのCC(グループ)においてチャネルの送信電力を減少させたにもかかわらず、依然としてCC(グループ)における送信電力制限を満たせないCC(グループ)(すなわち、集合S)があるときは、第2の段階として、集合S内におけるすべてのCC(グループ)チャネルの送信電力を減少させてもよい。減衰係数αは、式12の条件に合わせて独立に決定してもよい。
【0129】
(式12)
【数13】

【0130】
図11の(c)を参照すると、CC(グループ)3(すなわち、集合S)のチャネルの送信電力の和が、該当のCC(グループ)の最大送信電力値(P_CC3_MAX)に合わせて減少したことがわかる。
【0131】
その後、第3の段階として、集合Sのチャネルから減らした電力量
【数14】

を、Sの余集合にあるチャネルにおいて補償してもよい。ここで、各チャネルの補償後の電力は、該当のCC(グループ)における最大送信電力値を越えないことが望ましい。図11の(d)を参照すると、第2の段階においてCC(グループ)3から低減した電力が、CC(グループ)2に補償されたことがわかる。図11の(d)とは反対に、第2の段階において、CC(グループ)3から低減した電力は、CC(グループ)1に補償してもよい。電力補償方法として、下記を考慮することができる。
【0132】
(1)優先順位基準:チャネル(PUCCH、PUSCH、SRS)におけるメッセージの緊急度又は重要度に基づいて各チャネルに優先順位を割り当て、高い優先順位を有するチャネルに、より多くの電力を補償する。
(2)同一補償量:Sの余集合におけるすべてのチャネルに対して同一の電力で補償する。
(3)同一補償率:Sの余集合におけるすべてのチャネルに対して同一の割合で補償する。
(4)(1)、(2)及び(3)の可能な組み合わせを用いて電力を補償する。
【0133】
図10及び図11で説明した減衰係数(α,β)は、様々な方法で決定することができる。これに制限されるものではないが、減衰係数(α,β)を決定するための基準として、優先順位、同一減衰量、同一減衰率又はそれらの組合せを考慮できる。
【0134】
優先順位基準方式は、チャネル(例、PUCCH、PUSCH、SRS)におけるメッセージの緊急度又は重要度に基づいて各チャネルに優先順位を割り当て、高い優先順位のチャネル順に大きい減衰係数を適用する。すなわち、優先順位の高いチャネルであるほど受信率をより良くし、優先順位の低いチャネルであるほど、確率的により低い受信率を保証する方法である。したがって、優先順位の低いチャネルから優先的に電力を低減させる。チャネルの優先順位は、ケース1−1乃至1−11の説明によって決定してもよく、コンポーネント搬送波間の優先順位を更に考慮してもよい。一例として、端末が多重コンポーネント搬送波を使用してアップリンク送信を試みる場合、上り送信メッセージのうち一部の重要制御情報又は重要なメッセージを、まず特定コンポーネント搬送波に送信してもよい。この場合、重要制御情報が送信される特定搬送波に、高い優先順位を割り当ててもよい。
【0135】
優先順位基準方法は、減衰係数を0又は1に制限して(αij,βij∈{0,1})、より簡単な方式に修正可能である。すなわち、CC(グループ)内における優先順位の低いチャネルから順次に送信電力を0にして、チャネルの送信電力の和を、CC(グループ)における送信電力制限値(PCC=iMax)よりも小さくすることができる。結果として、優先順位の低いチャネルは送信されず、優先順位の高いチャネルは、本来の送信電力のままで送信される。
【0136】
同一減衰量基準方式は、CC(グループ)における送信電力制限を越えた、各CC(グループ)内におけるすべてのチャネルの電力から同一の量を低減する。すなわち、CC(グループ)内におけるすべてのチャネルが、同等な電力減衰ペナルティを受ける。この方式は、CC(グループ)内におけるチャネルの送信電力の和とCC(グループ)の最大送信電力値との差が小さい場合に有用である。同一減衰比率基準方式は、CC(グループ)における送信電力制限を越えた、各CC(グループ)内におけるすべてのチャネルに、同一の減衰係数を適用することができる。同一減衰量基準方式が線形スケールで同一量だけ減らす方法であり、同一減衰比率基準方式は、dBスケールで同一量だけ減らす方法である。
【0137】
実施例3:MIMOでアンテナ別電力制御
以上で例示した電力制御方式は、MIMOを用いて送信ダイバーシチ又は空間多重化を利用するときにも同様に適用することができる。この場合、前述した方法は、レイヤ、ストリーム又はアンテナにおける動作に対応する。端末に複数の送信アンテナがある場合、各アンテナの電力増幅器における最大送信電力は、Pantenna,nmaxに制限できる(ここでnはアンテナインデクスである)。各アンテナの最大送信電力は、電力増幅器の特性(例えば、クラス)によって制限されることもあるし、同報又はRRC通知によって(付加的に)制限されることもある。端末の使用可能な送信電力の上限は、式13のように、各アンテナの最大送信電力の和及び端末の最大送信電力のうち最小値によって制限される。
【0138】
(式13)
【数15】

【0139】
CC(グループ)別に送信電力の制限がある場合、端末の使用可能な送信電力の上限は、式14のように表すことができる。
【0140】
(式14)
【数16】

【0141】
以下、アンテナ別に電力制御が独立に行われる場合における端末動作を、次のように提案する。便宜上、2つのアンテナだけが存在する場合を例示するが、3つ以上のアンテナを使用する場合にも適用可能である。次の記号を定義する。
【0142】
antenna,nX−CH:n番目のアンテナに割り当てられるように計算される電力を表す。電力制限によって、実際に割り当てられる電力はこれよりも小さいことがある。dB表示がない場合は、線形スケールを意味する。X−CHは、アンテナnに送信されるすべての物理チャネル(例、PUSCH、PUCCH、SRS又はこれらの組合せ)を表す。
【0143】
antenna,nX−CH>Pantenna,nmax,Pantenna,mX−CH≦Pantenna,mmaxの場合は、いずれか一方のアンテナは最大電力限界に到達し、他方のアンテナは最大電力限界に到達しない場合である。この場合、下記のようにアンテナ別に電力制御を行うことができる。
【0144】
段階1:CC(グループ)別に最大送信電力制限(PCC=iMax)に合わせて、各CC(グループ)に対する送信電力を、実施例2のように調整することができる。すなわち、各CC(グループ)別に、すべてのアンテナにおけるチャネルの送信電力の和が、PCC=iMaxを超える場合、送信電力を調整する。段階1は、CC(グループ)別に電力制御が行われる場合にだけ含まれる。
【0145】
段階2:アンテナの最大送信電力を考慮して、各アンテナの送信電力を、下記のオプションのように調整することができる。アンテナの送信電力の調整は、実施例1及び実施例2に例示した様々な方法(例、優先順位)を適用して行ってもよい。
【0146】
オプション1:多数の送信アンテナを使用する場合には、プリコーディングして送信する場合がある。プリコーディングされた信号を受信端で復号するためには、送信端で使用したプリコーディング行列を知り、これを送信端の逆順で復号しなければならない。しかし、各アンテナの電力比が、アンテナの電力制限によって維持されないと、送信端から印加されたプリコーディング行列に歪が生じ、受信誤り率が増加する。そこで、送信電力制限を有するアンテナに合わせて、送信電力制限のないアンテナの電力を、同一の割合で調節することによって、プリコーディング行列の歪を防ぐことができる。すなわち、送信電力比率が同一に維持されるように、最大電力限界に到達しなかった方のアンテナの送信電力を、電力限界を超えたアンテナの送信電力と一緒に減らす。アンテナが3つ以上の場合、最大の割合で減らしたアンテナ送信電力に合わせて、残りのアンテナの送信電力を同一の割合で調整してもよい。オプション1において実際送信に使用する電力
【数17】

は、下記のとおりである。
【0147】
(式15)
【数18】

【0148】
式15は、電力制限がない場合における実際送信電力を表す。
【0149】
(式16)
【数19】

【0150】
式16は、電力制限がある場合における実際送信電力を表す。式16を参照すると、アンテナnは、チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えるため、アンテナnの実際送信電力は、最大送信電力に制限される。一方、アンテナmは、チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えないが、アンテナnとの送信電力の比率を維持するように、Pantenna,nMax/Pantenna,nX−CHの割合で送信電力が減少する。
【0151】
オプション2:電力制御信号によって指示される各アンテナの電力比が、いずれか一方の電力制限によって維持されない場合、送信端から印加されたプリコーディング行列に歪が生じ、歪の度合を受信端で認知できない場合には、受信誤り率が増加する。しかし、送信端で使用したプリコーディング行列を、専用基準信号(DRS)から間接的に推定する場合、アンテナの送信電力比率の変化に応じたプリコーディング行列の歪も一緒に推定することができる。この場合、オプション1のように、送信電力比率を合わせるために、電力制限のないアンテナの送信電力を下げなくてもよい。したがって、最大電力限界に到達したアンテナの送信電力だけを、該当のアンテナの最大送信電力をクリップして送信してもよい。オプション2において実際送信に使用する電力は、下記の通りである。
【0152】
(式17)
【数20】

【0153】
式17は、電力制限がない場合における実際送信電力を表す。
【0154】
(式18)
【数21】

【0155】
式18は、電力制限がある場合における実際送信電力を表す。式18を参照すると、アンテナnは、チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えるため、アンテナnの実際送信電力は、最大送信電力に制限される。一方、アンテナmは、チャネルの送信電力の和が最大送信電力を超えないため、電力調整をしないで送信される。
【0156】
図12は、本発明に実施例が適用できる基地局及び端末を示す図である。
【0157】
図12を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。ダウンリンクにおいて、送信器は基地局110の一部であり、受信器は端末120の一部である。アップリンクにおいて、送信器は端末120の一部であり、受信器は基地局110の一部である。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波(RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成してもよい。メモリ114は、プロセッサ112と接続され、プロセッサ112の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112に接続されて、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成してもよい。メモリ124は、プロセッサ122に接続され、プロセッサ122の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122に接続されて、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110及び/又は端末120は、単一アンテナを含んでもよいし、多重アンテナを含んでもよい。
【0158】
以上説明した実施例は、本発明の構成要素及び特徴を組み合わせたものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と組み合わせない形態で実施することもでき、一部構成要素及び/又は特徴を組合せて本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含めてもよいし、別の実施例の対応する構成又は特徴で置き換えてもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできることは明らかである。
【0159】
本明細書では、本発明の実施例は、端末と基地局との間のデータ送受信関係を中心に説明した。本明細書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノードによって行ってもよい。すなわち、基地局を含む多数の通信網ノードからなる通信網において端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の別の通信網ノードによって行ってもよいことは明らかである。基地局は、固定局、ノードB、強化ノードB(eNB)、アクセスポイントなどの用語に置き換え可能である。また、端末は、ユーザ装置(UE)、移動機(MS)、移動体加入者局(MSS)などの用語に置き換え可能である。
【0160】
本発明による実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上の特定用途集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0161】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現してもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶して、プロセッサによって駆動してもよい。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0162】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化可能であるということは、当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈により決定すべきであり、本発明の均等な範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、無線通信システムに適用することができる。特に、本発明は、アップリンク送信電力を制御する方法とそのための装置に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて端末が信号を送信する方法であって、
第1チャネルの送信電力及び第2チャネルの送信電力を独立に決定する段階と、
前記第1チャネルの送信電力と前記第2チャネルの送信電力との和が最大送信電力を超えた場合、チャネル優先順位を考慮して前記第1チャネルの送信電力又は前記第2チャネルの送信電力のうち少なくとも一つを減少させる段階と、
基地局に、前記第1チャネル及び前記第2チャネルを通じて同時に信号を送信する段階と、
を有する方法。
【請求項2】
前記第1チャネル及び前記第2チャネルはそれぞれ、一つ以上の単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)シンボルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャネル優先順位は、チャネルのタイプ又はチャネル上の情報のうち少なくとも一つを考慮して決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1チャネル及び前記第2チャネルはそれぞれ、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は測定基準信号(SRS)のいずれか一つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1チャネル及び前記第2チャネルの両方が物理アップリンク共有チャネルである場合、チャネル優先順位は、送信フォーマット、再送信であるか否か、又は再送信回数のうちの少なくとも一つを考慮して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
物理アップリンク共有チャネルの送信電力が減少した場合、前記物理アップリンク共有チャネルに適用される変調符号化方式(MCS)を、前記の減少した電力の量を考慮して低く設定する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1チャネルが肯定応答(ACK)を搬送する物理アップリンク制御チャネルであり、前記第2チャネルが物理アップリンク共有チャネルである場合、前記物理アップリンク共有チャネルのチャネル優先順位の方が、前記物理アップリンク制御チャネルのチャネル優先順位より高い、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
端末であって、
無線信号を基地局との間で送受信するように構成された無線周波(RF)ユニットと、
前記基地局との間で送受信する情報及び前記端末の動作に必要なパラメータを記憶するためのメモリと、
前記無線周波ユニット及び前記メモリと接続され、前記端末の動作のために前記無線周波ユニット及び前記メモリを制御するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
第1チャネルの送信電力及び第2チャネルの各送信電力を独立に決定する段階と、
前記第1チャネルの送信電力と前記第2チャネルの送信電力との和が最大送信電力を超えた場合、チャネル優先順位を考慮して前記第1チャネルの送信電力又は前記第2チャネルの送信電力のうち少なくとも一つを減少させる段階と、
前記基地局に前記第1チャネル及び前記第2チャネルを通じて同時に信号を送信する段階と、を有する信号送信方法を実行するように構成された、端末。
【請求項9】
前記第1チャネル及び前記第2チャネルはそれぞれ、一つ以上の単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)シンボルを含む、請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記チャネル優先順位は、チャネルのタイプ又はチャネル上の情報のうち少なくとも一つを考慮して決定される、請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記第1チャネル及び前記第2チャネルはそれぞれ、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は測定基準信号(SRS)のいずれか一つを含む、請求項9に記載の端末。
【請求項12】
前記第1チャネル及び前記第2チャネルの両方が物理アップリンク共有チャネルである場合、チャネル優先順位は、送信フォーマット、再送信であるか否か、又は再送信回数のうち少なくとも一つを考慮して決定される、請求項8に記載の端末。
【請求項13】
物理アップリンク共有チャネルの送信電力が減少した場合、前記プロセッサは、前記物理アップリンク共有チャネルに適用される変調符号化方式(MCS)を、前記の減少した電力の量を考慮して低く設定する、請求項8に記載の端末。
【請求項14】
前記第1チャネルが肯定応答(ACK)を搬送する物理アップリンク制御チャネルであり、前記第2チャネルが物理アップリンク共有チャネルである場合、前記物理アップリンク共有チャネルのチャネル優先順位の方が、前記物理アップリンク制御チャネルのチャネル優先順位より高い、請求項8に記載の端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−516608(P2012−516608A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547791(P2011−547791)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000511
【国際公開番号】WO2010/087623
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】