送液ポンプ、医療機器
【課題】一定の流量の液体を送出できる送液ポンプを実現する。
【解決手段】送液ポンプ1は、液体を供給する入口流路19aと液体を送出する出口流路13との間を三つに仕切って直列に配置される第1液体室70、第2液体室80、第3液体室90と、各液体室の間を仕切るとともに、各液体室の個々の容積を変更する第1可動隔壁31と第2可動隔壁41と、二つの可動隔壁を交互に入口流路19a側と出口流路13側の間を往復駆動させるカム機構110と、カム機構110に駆動力を与えるモーター170と、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41それぞれに開口され、隣り合う液体室の間を連通する流路32,33と、流路42,43とを開閉する逆止弁36,37,38,39と、が備えられ、各可動隔壁が入口流路19a側から出口流路13側に移動するときに逆止弁が閉じ、出口流路13側から入口流路19a側に移動するときに逆止弁が開放される。
【解決手段】送液ポンプ1は、液体を供給する入口流路19aと液体を送出する出口流路13との間を三つに仕切って直列に配置される第1液体室70、第2液体室80、第3液体室90と、各液体室の間を仕切るとともに、各液体室の個々の容積を変更する第1可動隔壁31と第2可動隔壁41と、二つの可動隔壁を交互に入口流路19a側と出口流路13側の間を往復駆動させるカム機構110と、カム機構110に駆動力を与えるモーター170と、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41それぞれに開口され、隣り合う液体室の間を連通する流路32,33と、流路42,43とを開閉する逆止弁36,37,38,39と、が備えられ、各可動隔壁が入口流路19a側から出口流路13側に移動するときに逆止弁が閉じ、出口流路13側から入口流路19a側に移動するときに逆止弁が開放される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送液ポンプと、この送液ポンプを用いた医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
微量の液体を圧送する送液ポンプとして、液体の圧送を行う複数の液体圧送手段を直列に配設し、複数の液体圧送手段を上流側から下流側に向かって順に駆動して、液体の吸引と圧送を繰り返して、液体を流動するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−2335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1では、最も上流側の液体圧送手段では、液体を吸引するとともに上流側への逆流を防ぎ、中間に配置される液体圧送手段により下流側に液体を圧送し、最も下流側の液体圧送手段では液体を排出するとともに上流側への逆流を防いでいる。つまり、最も下流側の液体圧送手段が、液体の逆流を防ぐために流路を閉じている時間が存在する。このことから、液体は連続流とはならず脈動となる。従って、微量の液体を一定の流量で送液を継続することができないという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る送液ポンプは、液体を供給する入口流路と液体を送出する出口流路との間を三つに仕切って直列に配置される液体室と、各前記液体室の間を仕切るとともに、各前記液体室の個々の容積を変更する二つの可動隔壁と、前記二つの可動隔壁を交互に前記入口流路側と前記出口流路側の間を往復駆動させる駆動手段と、前記駆動手段に駆動力を与えるモーターと、各前記可動隔壁に開口され、隣り合う前記液体室の間を連通する流路と、前記流路を開閉する逆止弁と、が備えられ、前記可動隔壁が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するときに前記逆止弁が閉じ、前記液体室の容積を拡げる方向に移動するときに前記逆止弁が開放されることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、可動隔壁を液体室の容積を拡げる方向に移動するときに、逆止弁が開放され液体が液体室に流入し、可動隔壁を液体室の容積を縮小する方向に移動するときに、逆止弁が閉じて液体を出口流路に向かって送液する。そして、二つの隔壁を交互に進退させることによって、液体を一定流量の連続流として送液することができる。また、一方の逆止弁が開放されているときには他方の逆止弁が閉じていることから、液体の下流側からの逆流を防ぐことができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る送液ポンプは、前記二つの可動隔壁による前記液体室の容積変更速度が略同じであって、前記二つの可動隔壁のうちのどちらか一方が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するとき、他方が前記液体室の容積を拡大する方向に移動することが好ましい。
【0009】
このように容積変更速度を略同じにすること、常に可動隔壁の一つが液体室の容積を縮小する方向に移動していることから、流速(流量)の変動を抑制し、単位時間当たりの送液量を一定にすることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る送液ポンプは、前記液体室と前記可動隔壁とを含んで送液ユニットが構成され、前記駆動手段と前記モーターとを含んで駆動ユニットが構成され、前記送液ユニットと前記駆動ユニットとが、着脱可能に結合されていることが望ましい。
【0011】
送液する液体の種類によっては、液体に接触する送液ユニットの構成要素が腐食されることが考えられる。そこで、送液ユニットと駆動ユニットとを着脱可能にすることで、送液ユニットを交換することができ、腐食等に起因する駆動不良や詰まりを防止できる。また、駆動ユニットは繰り返し使用できることからランニングコストの低減も図れる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る送液ポンプは、前記液体室と前記可動隔壁と前記駆動手段とを含んで送液ユニットが構成され、前記モーター本体と伝達歯車群とを含んでモーターユニットが構成され、前記送液ユニットと前記モーターユニットとが、着脱可能に結合されていることが好ましい。
【0013】
このようにすれば、モーターユニットを送液ユニットと別ユニット化しているため、モーターのサイズの制限が少なくなり、出力が大きいモーターを使用することが可能で、安定駆動を実現できる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る送液ポンプは、前記駆動手段が、前記可動隔壁を前記液体室の容積を縮小する方向に押動するカム機構と、前記可動隔壁を前記液体室の容積を拡げる方向に押戻す弾性部材と、を有していることが好ましい。
【0015】
前述した特許文献1では、液体圧送手段が、永久磁石を使用した電磁ソレノイドとダイアフラムから構成されていることから、液体圧送手段の構成が複雑になることや、複数の液体圧送手段の駆動を別々に制御する制御装置が必要となり、各液体送液手段の駆動タイミングを合わせることが困難である。
【0016】
しかし、本適用例では、駆動手段としてカム機構を用いていることから、可動隔壁の駆動タイミングはカムの位相差によって決定できるため、正確に、しかも任意の位相差の設定が可能となる。また、可動隔壁の押戻しは弾性部材(例えば、バネ等)で行うことから、構造を簡単できる。このような構成では、液体の送液速度はモーターの回転速度を変えることで、容易に調整できるという効果もある。
【0017】
[適用例6]本適用例に係る医療機器は、前述した各適用例のいずれかに記載の送液ポンプと、前記送液ポンプから送液され、液体を脈動に変換する脈動発生装置と、前記脈動発生装置が発生した脈動をパルス状の液滴として噴射するノズル、と、を有していることを特徴とする。
【0018】
脈動発生装置は、液体を脈動に変換してパルス状に高速噴射させることができるので、血管等の脈管組織を温存しながら組織の切除、切開、剥離等を行うことができる。このような脈動発生装置では安定駆動のために、一定の流量での液体の供給が要求されるが、前述した各適用例の送液ポンプを用いることで、一定の流量で液体を脈動発生装置に連続して送液でき、安定駆動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る送液ポンプを液体の送液方向に沿って切断した断面図。
【図2】第1カム、第2カム、第3カムの形状と位相を示す説明図。
【図3】カム機構の回転角度とストロークの関係を示す説明図。
【図4】カムとロッドとの関係をカム機構側から視認した図面。
【図5】カム軸を軸方向に視認した正面図。
【図6】送液ポンプの送液状態を表す説明図。
【図7】第1可動隔壁及び第2可動隔壁のストロークを表す線図。
【図8】変形例1に係る送液ユニットの一部を示す断面図。
【図9】変形例2に係る送液ユニットの一部を示す断面図。
【図10】実施形態2に係る送液ユニットとモーターユニットとの結合部を示す部分断面図。
【図11】医療機器の概略構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
【0021】
図1は、実施形態1に係る送液ポンプを液体の送液方向に沿って切断した断面図である。図1において、送液ポンプ1は、送液ユニット2と、駆動ユニット3とを有し、送液ユニット2と駆動ユニット3は、結合部材190によって着脱可能に結合されている。
まず、送液ユニット2の構成について説明する。
【0022】
送液ユニット2は、円筒状の筐体管11の内部に第1圧送部30と、第2圧送部40と、を有している。筐体管11には、駆動ユニット3方向側面に、入口流路19aが開口された液体供給管19と、駆動ユニット3に対して反対方向先端部に出口流路13が開口された送出管12と、が設けられている。第1圧送部30と第2圧送部40は、それぞれ第1可動隔壁31と、第2可動隔壁41とを有しており、この二つの第1可動隔壁31、第2可動隔壁41によって、筐体管11の内部が、入口流路19aと出口流路13との間を三つに仕切られ、直列に配置される三つの第1液体室70、第2液体室80、第3液体室90が形成されている。液体供給管19には、チューブ60が接続され、図示しない液体容器から液体が第3液体室90にほぼ定圧で供給される。
【0023】
なお、第3液体室90は、筐体管11の内周面と第2可動隔壁41と封止リング20とで形成される。封止リング20は、筐体管11の内周部に密接固定されている。入口流路19aは第3液体室90に連通されている。従って、第3液体室90は、液体供給室である。
【0024】
第1圧送部30は、第1可動隔壁31と、第1可動隔壁31の断面中心部に圧入されるロッド34を有している。第1可動隔壁31は、筐体管11の内周面に摺動可能な外周を有する円盤状の部材であって、第1液体室70と第2液体室80とを連通する流路32,33が開口されている。なお、この流路の数は2個に限定されない。流路32,33の第1液体室70側の端面31bには、逆止弁36,37が固定されている。
【0025】
ロッド34は、第2可動隔壁41及びロッド44を貫通して駆動ユニット3方向に延伸されており、先端部は側面の一部を平面カットしたカム押動部35を有し、第1カム120のカム面に当接している。図1では、第1カム120によって、ロッド34を介して第1可動隔壁31が、第1液体室70の容積を縮小する方向(矢視A方向)に押動している状態を表している。このとき、逆止弁36,37は、流路32,33を閉じながら第1液体室70の容積を縮小し、液体を出口流路13から送出している。
【0026】
第1可動隔壁31が出口流路13側に移動するときには、第1可動隔壁31によって弾性部材としてのコイルバネ51は撓められる。コイルバネ51は、バネ規制パイプ14と第1可動隔壁31に形成されるバネ押圧部31cとの間に装着されている。第1可動隔壁31は、第1カム120によるロッド34の押動状態が解除されるとコイルバネ51の弾性力で第2可動隔壁41側に押し戻される。このとき、逆止弁36,37は流路32,33を開放し、液体は第1液体室70に流入する。よって、コイルバネ51は、カム機構110と共に駆動手段を構成している。
【0027】
なお、第2可動隔壁41にはシーリング部材18が設けられており、ロッド34と第2可動隔壁41との間はこのシーリング部材18によって液体の浸透を抑制している。また、第1可動隔壁31と筐体管11(図では、バネ規制パイプ14の内周面)との摺動面にはシーリング部材15が設けられており、第1液体室70と第2液体室80との間の液体の浸透を抑制している。
また、第1可動隔壁31の外周部と筐体管11の内周部には、図示しない第1可動隔壁31の回転止めが設けられている。
また、前述した逆止弁は、流路の数に合わせて設ける構成としても、流路を開閉する弁体を流路の数に合わせ、弁体以外の場所が連続した一体構成としてもよい。
【0028】
第2圧送部40は、第2可動隔壁41と、第2可動隔壁41の断面中心部に圧入されているロッド44を有している。第2可動隔壁41は、筐体管11の内周面に摺動可能な外周を有する円盤状の部材であって、第2液体室80と第3液体室90とを連通する流路42,43が開口されている。なお、この流路の数は第1可動隔壁31と同様に2個に限定されない。流路42,43の第2液体室80側の端面41bには、逆止弁38,39が固定されている。
【0029】
ロッド44は、封止リング20を貫通して駆動ユニット3方向に延伸されており、先端部は2分割され、それぞれの側面の一部を平面カットしたカム押動部45,46を有している。カム押動部45は第2カム130のカム面に、カム押動部46は第3カム140のカム面のそれぞれ当接している。カム押動部45,46は、ロッド44の中心軸に対して対称形であって、第2カム130と第3カム140は共通の形状と、第1カム120に対して同じ位相差を有する。よって、カム押動部45,46はどちらか一方あればよく、第2カム130、第3カム140もどちらか一方あれば機能する。
【0030】
図1では、第2可動隔壁41が、第3液体室90の容積を縮小する方向(矢視B方向)に移動している状態を表している。このとき、逆止弁38,39は、流路42,43を開放しながら第3液体室90の容積を縮小し、液体は第3液体室90から第2液体室80に流入する。第2可動隔壁41は、ロッド44と、第2カム130及び第3カム140の頂部(図2、参照)との係合が解除されると弾性部材としてのコイルバネ52の弾性力によって第3液体室90の容積を縮小する方向に押し戻される。よって、コイルバネ52は、カム機構110と共に駆動手段を構成している。
【0031】
コイルバネ52は、筐体管11の内周面に形成されるバネ規制部11aと、第2可動隔壁41の外周部に形成されるバネ押圧部41cとの間に装着されている。第2可動隔壁41が第2カム130、第3カム140によって第2液体室80の容積を縮小する方向に移動するときには、コイルバネ52は撓められ、逆止弁38,39が流路42,43を閉じる。
【0032】
なお、封止リング20には、シーリング部材17が設けられており、ロッド44と封止リング20との間は、このシーリング部材17によって液体の浸透を抑制している。また、第2可動隔壁41と筐体管11との摺動面にはシーリング部材16が設けられており、第2液体室80と第3液体室90との間の液体の浸透を抑制している。
また、第2可動隔壁41の外周部と筐体管11の内周部には、図示しない第2可動隔壁41の回転止めが設けられている。
また、前述した逆止弁は、流路の数に合わせて設ける構成としても、流路を開閉する弁体を流路の数に合わせ、弁体以外の場所が連続した一体構成としてもよい。
【0033】
続いて、駆動ユニット3の構成について図1を参照して説明する。駆動ユニット3は、駆動手段としてのカム機構110と、モーター170とが、第1機枠175と第2機枠180との間で保持され構成されている。
【0034】
カム機構110は、カム軸150に、第1カム120と第2カム130と第3カム140とカム歯車160と、が軸止され構成される。なお、第1カム120と第2カム130と第3カム140の形状については、図2、図3を参照して後述する。カム機構110は、第1機枠175と第2機枠180との間で回転可能に軸支されている。なお、第1機枠75と第2機枠180の間は、第3機枠185を介してネジ等で固定されており、送液ユニット2と駆動ユニット3との結合部において、第1カム120、第2カム130、第3カム140の一部が覗くように周囲を閉じるような形状を有している。
【0035】
モーター170は、モーター本体と伝達歯車群171とを有して構成され、第2機枠180に固定されている。伝達歯車群171の末端の歯車は、カム歯車160と歯合し、モーター170の回転をカム機構110に伝達する。
【0036】
駆動ユニット3は、カム機構110とモーター170とが組み立てられた状態で、送液ユニット2との結合部が、筐体管11の内周部に嵌着可能な形状に成形されている。なお、筐体管11の内周面には軸方向に位置決め溝11dが形成されており、駆動ユニット3の第1機枠175と第2機枠180には、それぞれに形成された突起部176,181を位置決め溝11dにスライド装着することで回転しない構造としている。
【0037】
なお、第1液体室70と第2液体室80それぞれの可動隔壁の移動方向に対して垂直方向の断面積は、同じになるように設定されている。これは、第2液体室80にはロッド34が存在しているため、第1液体室70の断面積をロッド34の分小さくし、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41とを等速移動させたときに、送液流量をほぼ一定にするためである。
【0038】
次に、送液ユニット2と駆動ユニット3の結合構造について図1を参照して説明する。筐体管11の駆動ユニット3側の端部にはネジ部(雄ネジ)11bが形成され、駆動ユニット3の送液ユニット2側の端部外周面には固定用突起部177,182が突設されている。
【0039】
結合部材190は筒形状をしており、内周側に突設された押圧部191と、ネジ部192とを有している。結合部材190を駆動ユニット3の端部(図示右側)から挿入し、ネジ部11bとネジ部192とを螺合結合させることで、送液ユニット2と駆動ユニット3とは、結合部材190によって固定用突起部177,182と筐体管11の突き当て部11fとが押圧される。このようにして、送液ユニット2と駆動ユニット3とが結合される。そして、結合部材190の螺合を解除することで送液ユニット2と駆動ユニット3とを分離することができる。
【0040】
続いて、カム機構110について図面を参照して説明する。
図2は、第1カム、第2カム、第3カムの形状と位相を示す説明図、図3は、カム機構の回転角度とストロークの関係を示す説明図である。なお、図3の上段は第1カム120を表し、下段は第2カム130及び第3カム140を表している。また、本実施形態では、第1カム120、第2カム130、第3カム140の形状が同じ場合を例示している。よって、カム形状は第1カム120を代表例として説明する。
【0041】
第1カム120は、外周面をカム面とし、カム面の底部122から頂部121に至るまで、単位回転角度あたりの回転中心Pからの距離が、同じ距離になるような螺旋形状を有している。ここで、回転中心Pから底部122までの距離をr1、回転中心Pから頂部121までの距離をr2とする。図1に示すように、ロッド34は第1カム120に、コイルバネ51によって付勢されているので、ロッド34のカム押動部35の先端が底部122に当接されているときに、第1可動隔壁31は第1液体室70の容積を最大とする。
【0042】
第1カム120が回転すると、押動面123によって、第1可動隔壁31を第1液体室70の容積を減少させる方向に移動させる。そして、頂部121に達したときに第1液体室70の容積を最小にする。さらに、第1カム120を回転させると、ロッド34と頂部121との係合が解除され、コイルバネ51の弾性力でロッド34のカム押動部35は底部122に当接するまで押し戻される。
【0043】
第2カム130と第3カム140も同様な形状と、第2可動隔壁41の駆動作用を有するが、第1カム120とは角度θだけ位相差を有している。第1カム120と、第2カム130及び第3カム140は、同じ速度で回転する。
従って、図3に示すように、各カムの回転角度に対するストロークの変化(勾配)は同じであるが、角度θだけ位相差を有する。このことによって、第1カム120と第2カム130(第3カム140)のどちらか一方が常に液体を送出するように可動隔壁を移動させている。
【0044】
なお、各ロッドのカム押動部は、当接する各カムのカム面に適切に当接させるために、先端部は側面の一部が平面カットされている。このことについて図4、図5を参照して説明する。
図4は、カムとロッドとの関係をカム機構側から視認した図面、図5はカム軸の軸方向に視認した正面図である。なお、図5はロッド34と第1カム120を例示している。図4、図5において、ロッド34のカム押動部35、ロッド44のカム押動部45,46はそれぞれ先端部側面の一部を平面カットして形成されている。従って、第1カム120が回転して頂部121をカム押動部35が乗り越えた後に、カム押動部35は、底部122の直近位置に押し戻され、さらに第1カム120の回転により、図3に示すようなストローク/回転角度の線図を描いて第1可動隔壁31を進退させる。
【0045】
続いて、本実施形態の液体送液の作用について図面を参照して説明する。
図6は、送液ポンプの送液状態を表す説明図、図7は、第1可動隔壁及び第2可動隔壁のストロークを表す線図である。なお、図6は、構成を簡略化して表している。また、図7は、横軸に経過時間、縦軸には第1可動隔壁31及び第2可動隔壁41の移動ストロークを表し、上死点とは各可動隔壁が最も出口流路側に移動された位置、下死点とは各可動隔壁が最も入口流路側に移動された位置を表している、図6と図7を対比して説明する。
【0046】
図6(a)は、第1可動隔壁31が上死点前に位置し、第2可動隔壁41が下死点直前に位置している状態を表している。この状態では、逆止弁36,37が流路32,33を閉じており、第1液体室70の容積を縮小し続けていることから液体を出口流路13から送出している。液体は、第1液体室70の容積が縮小された分だけ送出される。第2可動隔壁41は下死点直前に位置しているので、逆止弁38,39は流路42,43を開放している。従って、第3液体室90から第2液体室80に向かって液体が流入する。よって、第3液体室90の容積が縮小された分の液体が第2液体室80に流入する。この状態を、図7の(a)の位置で表す。
【0047】
図6(b)は、第1可動隔壁31が上死点を超えた直後に位置し、第2可動隔壁41が下死点を越えて第2液体室80の容積を縮小し始めた状態を表している。この状態では、逆止弁36,37が流路32,33を開放し、逆止弁38,39が流路42,43を閉じている。よって、第2液体室80の液体が流路32,33及び第1液体室70を通って出口流路13から送出される。このとき、第3液体室90の容積が徐々に増加することにより、入口流路19aの液体は吸引され、第3液体室90に流入する。この状態を図7の(b)の位置で表す。
なお、第1可動隔壁31の上死点のストロークは、図3に示すように直線的に勾配の正負が変化する設計であるが、実際には第1可動隔壁の慣性または液体の流体抵抗、内部圧力とコイルバネ51の弾性力との影響によりなだらかな変化となる。
【0048】
図6(c)は、(b)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(c)に相当する位置で表される。従って、液体の流動は、図6(b)で表される状態と同様に、第2可動隔壁41によって液体は出口流路13からの送出を継続し、第2液体室80から第1液体室70に液体が流入している。
【0049】
図6(d)は、(c)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(d)に相当する位置で表される。従って、第1可動隔壁31は下死点を越えた位置で逆止弁36,37が流路32,33を閉じている。第2可動隔壁41は上死点を越えた位置で逆心弁38,39が流路42,43を開放している。従って、第1可動隔壁31によって液体は出口流路13から送出され、第2液体室80には第3液体室90から液体が流入している。
【0050】
図6(e)は、(d)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(e)に相当する位置で表される。従って、液体の流動は、図6(a)で表される状態と同様に、第2可動隔壁41によって液体は出口流路13からの送出を継続し、第3液体室90から第2液体室80に液体が流入している。
【0051】
図6(f)は、(e)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(f)に相当する位置で表される。従って、第1可動隔壁31は上死点を越えた位置で逆止弁36,37が流路32,33を開放している。第2可動隔壁41は下死点を越えた位置で逆心弁38,39が流路42,43を閉じている。従って、第2可動隔壁41によって液体は出口流路13から送出される図6(b)と同じ状態である。
【0052】
なお、図7に示すように、第1可動隔壁31の上死点から下死点までの範囲が、逆止弁36,37の開放範囲、下死点から上死点までの範囲が逆止弁36,37が閉じている範囲であり、第2可動隔壁41の上死点から下死点までの範囲が、逆止弁38,39の開放範囲、下死点から上死点までの範囲が逆止弁38,39が閉じている範囲である。そして、第1可動隔壁31の上死点と第2可動隔壁41の上死点までの角度θが、第1カム120と、第2カム130及び第3カム140の頂点位置の位相差である。
【0053】
従って、図7に示すように、常に第1可動隔壁31または第2可動隔壁41のどちらか一方の逆止弁がそれぞれの流路を閉じ、他方の逆止弁がそれぞれの流路を開放している状態をつくり出している。また、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41のストロークの勾配は同じになるよう設定されていることから、送液ポンプ1を駆動している間は、一定の流量を連続的に送出し続ける。
【0054】
以上説明した実施形態1によれば、第1可動隔壁31を出口流路13側から入口流路19a側に移動させるときに第1液体室70の容積を拡げながら逆止弁36,37を開放して液体を第1液体室70に流入させ、入口流路19a側から出口流路13側に移動させるときに第1液体室70の容積を縮小しながら逆止弁36,37を閉じて液体を出口流路13に向かって送液する。また、第2可動隔壁41を出口流路13側から入口流路19a側に移動させるときに第2液体室80の容積を拡げながら逆止弁38,39を開放し液体を第2液体室80に流入させ、入口流路19a側から出口流路13側に移動させるときに第2液体室80の容積を縮小しながら逆止弁38,39を閉じて液体が第1液体室70を通って出口流路13から送出する。
【0055】
そして、二つの可動隔壁を交互に進退させることによって、液体を一定流量の連続流として送出することができる。また、一方の逆止弁が開放されているときには他方の逆止弁が閉じていることから、液体の下流側からの逆流を防ぐことができる。
【0056】
また、二つの可動隔壁を駆動する第1カム120と、第2カム130及び第3カム140とは同じ形状を有し、同軸で回転することから、第1液体室70と第2液体室80の容積変更速度が略同じとなり、二つの可動隔壁のうちのどちらか一方が、常に第1液体室70または第2液体室80の容積を縮小する方向に移動する。このように容積変更速度を略同じにすること、常に可動隔壁の一つが出口流路13側に移動していることから、流量の変動を抑制し、単位時間当たりの送液量を一定にすることができる。
【0057】
また、送液ユニット2と駆動ユニット3とは、結合部材190によって着脱可能に結合されている。送液する液体の種類によっては、液体に接触する送液ユニット2の構成要素が腐食されることが考えられる。そこで、送液ユニット2と駆動ユニット3とを着脱可能にすることで、送液ユニット2を交換することができ、腐食等に起因する駆動不良や流路の詰まりを防止できる。また、駆動ユニット3は繰り返し使用できることからランニングコストの低減も図れる。
【0058】
また、駆動手段は、カム機構110と、コイルバネ51,52と、を有して構成されている。このことにより、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41の駆動タイミングをカム機構110の第1カム120と、第2カム130及び第3カム140の位相差によって決定するため、正確に、しかも任意の位相差の設定が可能となる。また、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41それぞれの押戻しはコイルバネ51,52で行うことから、構造を簡単にできる。また、このような構成では、液体の送液速度はモーター170の回転速度を変えることで、容易に調整できるという効果もある。
なお、以上説明した送液ポンプ1は、以下に例示する形態に変形させても適合可能である。
(変形例1)
【0059】
続いて、変形例1について図面を参照して説明する。変形例1は、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を押し戻すコイルバネ51,52が、第1液体室70、第2液体室80の内部に配置されていることに特徴を有している。よって、実施形態1(図1、参照)との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。なお、第1圧送部30を例示して説明する。
【0060】
図8は、変形例1に係る送液ユニットの一部を示す断面図である。図8において、筐体管11の内部には第1圧送部30が配置され、第1圧送部30は、流路32,33を開閉する逆止弁36,37を有する第1可動隔壁31と、第1可動隔壁31を出口流路13側に駆動するロッド34とを有する。第1可動隔壁31と、筐体管11の内周部との間にはシーリング部材15が設けられている。また、第1可動隔壁31の外周面には、段差部31cが形成されている。
【0061】
また、出口流路13が開口された送出管12には、第1液体室70の内部にリング状に突設されたバネ規制部12aが形成されている。第1液体室70の容積を大きくする方向に第1圧送部30を押し戻すためのコイルバネ51は、第1液体室70の内部に第1可動隔壁31と、送出管12の間に配置され、第1可動隔壁31の段差部31dと送出管12のバネ規制部12aとの間で位置が規制される。
【0062】
なお、第2圧送部40(図1、参照)では、図示は省略するが、第2可動隔壁41とバネ規制部11aとコイルバネ52との関係が、第1圧送部30と同様な構成を採用できるので説明を省略する。
【0063】
本変形例における液体送出作用は、前述した実施形態1と同様であるが、コイルバネ51(コイルバネ52も含む)の条数や、線径の設計自由度を増すことができる。また、第1可動隔壁31(第2可動隔壁41も含む)の進退方向の厚さを薄くでき、送液ユニット2の小型化を実現できるという効果がある。
(変形例2)
【0064】
続いて、変形例2について図面を参照して説明する。変形例2は、第2可動隔壁41を駆動するロッドを2本構成としていることに特徴を有している。よって、実施形態1(図1、参照)との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。
【0065】
図9は、変形例2に係る送液ユニットの一部を示す断面図である。図9において、筐体管11の内部には第2圧送部40が配置され、第2圧送部40は、流路42,43を開閉する逆止弁38,39を有する第2可動隔壁41と、第2可動隔壁41を第2液体室80側に駆動するロッド47,48とを有する。ロッド47,48は、第1可動隔壁31に取り付けられているロッド34に対して略対称位置に配置されている。
【0066】
第2可動隔壁41には、ロッド34と第2可動隔壁41との間を、摺動可能にシールするシーリング部材18が配設されている。また、封止リング20には、ロッド34,47,48を摺動可能にシールするシーリング部材25が配設されている。
【0067】
ロッド34,47,48それぞれが第1カム120、第2カム130、第3カム140と当接する先端部は、側面の一部を平面カットしたカム押動部35,47a,48aが形成されている。カム押動部35,47a,48aの形状は、実施形態1(図4、図5参照)の形状を踏襲できる。
【0068】
本変形例においても、前述した実施形態1と同様な効果が得られるが、第2可動隔壁41を駆動するロッド47,48の形状を単純化することができる。
なお、ロッド47,48のどちらか一方と、それを駆動する第2カム130または第3カム140のどちらか一方の組み合わせの構成としてもよい。
また、前述した変形例1の構成と組み合わせることも可能である。
(実施形態2)
【0069】
続いて、実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1(図1、参照)による送液ポンプ1が、送液ユニット2と駆動ユニット3で構成され、送液ユニットと駆動ユニットとが、着脱可能に結合されていることに対し、送液ユニットとモーターユニットとが着脱可能に結合されていることに特徴を有する。従って、実施形態1との相違箇所を中心に説明する。
図10は、実施形態2に係る送液ユニットとモーターユニットとの結合部を示す部分断面図である。図10において、送液ポンプ1は、送液ユニット300とモーターユニット100とが結合部材190によって着脱可能に結合され構成されている。
【0070】
送液ユニット300は、第1圧送部30と第2圧送部40(図1、参照)と、カム機構110とが筐体管11に内装されて構成されている。第1圧送部30と第2圧送部40とカム機構110は、実施形態1と同じ構成である。筐体管11のモーターユニット100側の外周端部にはネジ部11b(雄ネジ)が形成されている。
【0071】
カム機構110は、円筒状の筐体管11によって軸支されている。筐体管11には端部方向からスリット状に開口されるカム機構保持孔11hが形成されており、このカム機構保持孔11hに端部方向からカム機構110を挿入し、さらに、カム保持部材26をカム機構保持孔11hに嵌着させることで、カム機構110を軸支している。
【0072】
モーターユニット100は、円筒状のモーター枠186の内部に第1伝達歯車172を有するモーター170と、伝達歯車群171とから構成されている。伝達歯車群171は、第1伝達歯車172と、第1伝達歯車172と歯合する第2伝達歯車173と、を有している。第1伝達歯車172と歯合する第2伝達歯車173は、かさ歯車であって互いに直交してモーター170の回転を伝達する。第2伝達歯車173は、筐体管11の外周部において、Eリング174(またはCリング)によって軸支されている。また、モーター枠186は、端部が底板187によって封止されている。
さらに、モーター枠186の送液ユニット300側端部には、外周に突設するリング状の固定用突起部186aが形成されている。
【0073】
結合部材190は、筒状の部材であって、内周面に形成されるネジ部192(雌ネジ)と、内側にリング状に突設される押圧部191と、を有している。結合部材190とモーター枠186とは遊嵌の関係にある。
【0074】
送液ユニット300とモーターユニット100との結合は、結合部材190のネジ部192と筐体管11のネジ部11bとを螺合させることで行う、この際、筐体管11の突き当て部11fとモーター枠186の端面186bとが、結合部材190の押圧部によって圧接される。結合過程で、カム歯車160と第2伝達歯車173とが歯合し、モーター170の回転をカム機構110に伝達することが可能となる。
【0075】
このように、送液ユニット300とモーターユニット100とを着脱可能な構成にすれば、モーターユニット100のサイズの制限が少なくなり、出力が大きいモーター170を使用することが可能で、カム機構110及び第1可動隔壁31、第2可動隔壁41の駆動の負荷に対して安定駆動を実現できる。また、コイルバネ51,52の条数や線径の制限を少なくすることができるので、撓みに要する押動力、第1可動隔壁31及び第2可動隔壁41を押し戻し力のバランスがとりやすくなるという効果がある。
(医療機器)
【0076】
続いて、前述した実施形態及び変形例に記載の送液ポンプ1を用いた医療機器について説明する。
図11は、医療機器の概略構成を示す構成図である。図11において、医療機器200は、送液ポンプ1と、送液ポンプ1から供給される液体を脈動に変換する脈動発生装置400とから構成されている。
【0077】
送液ポンプ1は、液体収容容器210とチューブ60(図1、参照)によって接続されており、液体を吸引して、送液チューブ201を介して一定の流量、一定の圧力で連続して脈動発生装置400に供給する。
【0078】
脈動発生装置400は、特開2008−82202号公報に記載の流体噴射装置に用いる脈動発生部と同じ構成のものを採用可能であるので詳細説明は省略する。脈動発生装置400では、供給された液体を脈動に変換して、吐出管220とノズル221を介して、パルス状の液滴として高速噴射する。
【0079】
脈動発生装置400は、液体を脈動に変換してノズル221からパルス状に液滴を高速噴射させることができるので、血管等の脈管組織を温存しながら組織の切除、切開、剥離等を行うことができる。このような脈動発生装置400は安定駆動のために、一定の流速(流量)で液体が供給されることが要求されるが、前述した実施形態に記載の送液ポンプ1を用いることで、脈動発生装置400の安定駆動を実現できる。
【符号の説明】
【0080】
1…送液ポンプ、2…送液ユニット、13…出口流路、19a…入口流路、31…第1可動隔壁、32,33,42,43…流路、36,37,38,39…逆止弁、41…第2可動隔壁、70…第1液体室、80…第2液体室、90…第3液体室、110…カム機構、120…第1カム、130…第2カム、140…第3カム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、送液ポンプと、この送液ポンプを用いた医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
微量の液体を圧送する送液ポンプとして、液体の圧送を行う複数の液体圧送手段を直列に配設し、複数の液体圧送手段を上流側から下流側に向かって順に駆動して、液体の吸引と圧送を繰り返して、液体を流動するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−2335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1では、最も上流側の液体圧送手段では、液体を吸引するとともに上流側への逆流を防ぎ、中間に配置される液体圧送手段により下流側に液体を圧送し、最も下流側の液体圧送手段では液体を排出するとともに上流側への逆流を防いでいる。つまり、最も下流側の液体圧送手段が、液体の逆流を防ぐために流路を閉じている時間が存在する。このことから、液体は連続流とはならず脈動となる。従って、微量の液体を一定の流量で送液を継続することができないという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る送液ポンプは、液体を供給する入口流路と液体を送出する出口流路との間を三つに仕切って直列に配置される液体室と、各前記液体室の間を仕切るとともに、各前記液体室の個々の容積を変更する二つの可動隔壁と、前記二つの可動隔壁を交互に前記入口流路側と前記出口流路側の間を往復駆動させる駆動手段と、前記駆動手段に駆動力を与えるモーターと、各前記可動隔壁に開口され、隣り合う前記液体室の間を連通する流路と、前記流路を開閉する逆止弁と、が備えられ、前記可動隔壁が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するときに前記逆止弁が閉じ、前記液体室の容積を拡げる方向に移動するときに前記逆止弁が開放されることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、可動隔壁を液体室の容積を拡げる方向に移動するときに、逆止弁が開放され液体が液体室に流入し、可動隔壁を液体室の容積を縮小する方向に移動するときに、逆止弁が閉じて液体を出口流路に向かって送液する。そして、二つの隔壁を交互に進退させることによって、液体を一定流量の連続流として送液することができる。また、一方の逆止弁が開放されているときには他方の逆止弁が閉じていることから、液体の下流側からの逆流を防ぐことができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る送液ポンプは、前記二つの可動隔壁による前記液体室の容積変更速度が略同じであって、前記二つの可動隔壁のうちのどちらか一方が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するとき、他方が前記液体室の容積を拡大する方向に移動することが好ましい。
【0009】
このように容積変更速度を略同じにすること、常に可動隔壁の一つが液体室の容積を縮小する方向に移動していることから、流速(流量)の変動を抑制し、単位時間当たりの送液量を一定にすることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る送液ポンプは、前記液体室と前記可動隔壁とを含んで送液ユニットが構成され、前記駆動手段と前記モーターとを含んで駆動ユニットが構成され、前記送液ユニットと前記駆動ユニットとが、着脱可能に結合されていることが望ましい。
【0011】
送液する液体の種類によっては、液体に接触する送液ユニットの構成要素が腐食されることが考えられる。そこで、送液ユニットと駆動ユニットとを着脱可能にすることで、送液ユニットを交換することができ、腐食等に起因する駆動不良や詰まりを防止できる。また、駆動ユニットは繰り返し使用できることからランニングコストの低減も図れる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る送液ポンプは、前記液体室と前記可動隔壁と前記駆動手段とを含んで送液ユニットが構成され、前記モーター本体と伝達歯車群とを含んでモーターユニットが構成され、前記送液ユニットと前記モーターユニットとが、着脱可能に結合されていることが好ましい。
【0013】
このようにすれば、モーターユニットを送液ユニットと別ユニット化しているため、モーターのサイズの制限が少なくなり、出力が大きいモーターを使用することが可能で、安定駆動を実現できる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る送液ポンプは、前記駆動手段が、前記可動隔壁を前記液体室の容積を縮小する方向に押動するカム機構と、前記可動隔壁を前記液体室の容積を拡げる方向に押戻す弾性部材と、を有していることが好ましい。
【0015】
前述した特許文献1では、液体圧送手段が、永久磁石を使用した電磁ソレノイドとダイアフラムから構成されていることから、液体圧送手段の構成が複雑になることや、複数の液体圧送手段の駆動を別々に制御する制御装置が必要となり、各液体送液手段の駆動タイミングを合わせることが困難である。
【0016】
しかし、本適用例では、駆動手段としてカム機構を用いていることから、可動隔壁の駆動タイミングはカムの位相差によって決定できるため、正確に、しかも任意の位相差の設定が可能となる。また、可動隔壁の押戻しは弾性部材(例えば、バネ等)で行うことから、構造を簡単できる。このような構成では、液体の送液速度はモーターの回転速度を変えることで、容易に調整できるという効果もある。
【0017】
[適用例6]本適用例に係る医療機器は、前述した各適用例のいずれかに記載の送液ポンプと、前記送液ポンプから送液され、液体を脈動に変換する脈動発生装置と、前記脈動発生装置が発生した脈動をパルス状の液滴として噴射するノズル、と、を有していることを特徴とする。
【0018】
脈動発生装置は、液体を脈動に変換してパルス状に高速噴射させることができるので、血管等の脈管組織を温存しながら組織の切除、切開、剥離等を行うことができる。このような脈動発生装置では安定駆動のために、一定の流量での液体の供給が要求されるが、前述した各適用例の送液ポンプを用いることで、一定の流量で液体を脈動発生装置に連続して送液でき、安定駆動を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る送液ポンプを液体の送液方向に沿って切断した断面図。
【図2】第1カム、第2カム、第3カムの形状と位相を示す説明図。
【図3】カム機構の回転角度とストロークの関係を示す説明図。
【図4】カムとロッドとの関係をカム機構側から視認した図面。
【図5】カム軸を軸方向に視認した正面図。
【図6】送液ポンプの送液状態を表す説明図。
【図7】第1可動隔壁及び第2可動隔壁のストロークを表す線図。
【図8】変形例1に係る送液ユニットの一部を示す断面図。
【図9】変形例2に係る送液ユニットの一部を示す断面図。
【図10】実施形態2に係る送液ユニットとモーターユニットとの結合部を示す部分断面図。
【図11】医療機器の概略構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
【0021】
図1は、実施形態1に係る送液ポンプを液体の送液方向に沿って切断した断面図である。図1において、送液ポンプ1は、送液ユニット2と、駆動ユニット3とを有し、送液ユニット2と駆動ユニット3は、結合部材190によって着脱可能に結合されている。
まず、送液ユニット2の構成について説明する。
【0022】
送液ユニット2は、円筒状の筐体管11の内部に第1圧送部30と、第2圧送部40と、を有している。筐体管11には、駆動ユニット3方向側面に、入口流路19aが開口された液体供給管19と、駆動ユニット3に対して反対方向先端部に出口流路13が開口された送出管12と、が設けられている。第1圧送部30と第2圧送部40は、それぞれ第1可動隔壁31と、第2可動隔壁41とを有しており、この二つの第1可動隔壁31、第2可動隔壁41によって、筐体管11の内部が、入口流路19aと出口流路13との間を三つに仕切られ、直列に配置される三つの第1液体室70、第2液体室80、第3液体室90が形成されている。液体供給管19には、チューブ60が接続され、図示しない液体容器から液体が第3液体室90にほぼ定圧で供給される。
【0023】
なお、第3液体室90は、筐体管11の内周面と第2可動隔壁41と封止リング20とで形成される。封止リング20は、筐体管11の内周部に密接固定されている。入口流路19aは第3液体室90に連通されている。従って、第3液体室90は、液体供給室である。
【0024】
第1圧送部30は、第1可動隔壁31と、第1可動隔壁31の断面中心部に圧入されるロッド34を有している。第1可動隔壁31は、筐体管11の内周面に摺動可能な外周を有する円盤状の部材であって、第1液体室70と第2液体室80とを連通する流路32,33が開口されている。なお、この流路の数は2個に限定されない。流路32,33の第1液体室70側の端面31bには、逆止弁36,37が固定されている。
【0025】
ロッド34は、第2可動隔壁41及びロッド44を貫通して駆動ユニット3方向に延伸されており、先端部は側面の一部を平面カットしたカム押動部35を有し、第1カム120のカム面に当接している。図1では、第1カム120によって、ロッド34を介して第1可動隔壁31が、第1液体室70の容積を縮小する方向(矢視A方向)に押動している状態を表している。このとき、逆止弁36,37は、流路32,33を閉じながら第1液体室70の容積を縮小し、液体を出口流路13から送出している。
【0026】
第1可動隔壁31が出口流路13側に移動するときには、第1可動隔壁31によって弾性部材としてのコイルバネ51は撓められる。コイルバネ51は、バネ規制パイプ14と第1可動隔壁31に形成されるバネ押圧部31cとの間に装着されている。第1可動隔壁31は、第1カム120によるロッド34の押動状態が解除されるとコイルバネ51の弾性力で第2可動隔壁41側に押し戻される。このとき、逆止弁36,37は流路32,33を開放し、液体は第1液体室70に流入する。よって、コイルバネ51は、カム機構110と共に駆動手段を構成している。
【0027】
なお、第2可動隔壁41にはシーリング部材18が設けられており、ロッド34と第2可動隔壁41との間はこのシーリング部材18によって液体の浸透を抑制している。また、第1可動隔壁31と筐体管11(図では、バネ規制パイプ14の内周面)との摺動面にはシーリング部材15が設けられており、第1液体室70と第2液体室80との間の液体の浸透を抑制している。
また、第1可動隔壁31の外周部と筐体管11の内周部には、図示しない第1可動隔壁31の回転止めが設けられている。
また、前述した逆止弁は、流路の数に合わせて設ける構成としても、流路を開閉する弁体を流路の数に合わせ、弁体以外の場所が連続した一体構成としてもよい。
【0028】
第2圧送部40は、第2可動隔壁41と、第2可動隔壁41の断面中心部に圧入されているロッド44を有している。第2可動隔壁41は、筐体管11の内周面に摺動可能な外周を有する円盤状の部材であって、第2液体室80と第3液体室90とを連通する流路42,43が開口されている。なお、この流路の数は第1可動隔壁31と同様に2個に限定されない。流路42,43の第2液体室80側の端面41bには、逆止弁38,39が固定されている。
【0029】
ロッド44は、封止リング20を貫通して駆動ユニット3方向に延伸されており、先端部は2分割され、それぞれの側面の一部を平面カットしたカム押動部45,46を有している。カム押動部45は第2カム130のカム面に、カム押動部46は第3カム140のカム面のそれぞれ当接している。カム押動部45,46は、ロッド44の中心軸に対して対称形であって、第2カム130と第3カム140は共通の形状と、第1カム120に対して同じ位相差を有する。よって、カム押動部45,46はどちらか一方あればよく、第2カム130、第3カム140もどちらか一方あれば機能する。
【0030】
図1では、第2可動隔壁41が、第3液体室90の容積を縮小する方向(矢視B方向)に移動している状態を表している。このとき、逆止弁38,39は、流路42,43を開放しながら第3液体室90の容積を縮小し、液体は第3液体室90から第2液体室80に流入する。第2可動隔壁41は、ロッド44と、第2カム130及び第3カム140の頂部(図2、参照)との係合が解除されると弾性部材としてのコイルバネ52の弾性力によって第3液体室90の容積を縮小する方向に押し戻される。よって、コイルバネ52は、カム機構110と共に駆動手段を構成している。
【0031】
コイルバネ52は、筐体管11の内周面に形成されるバネ規制部11aと、第2可動隔壁41の外周部に形成されるバネ押圧部41cとの間に装着されている。第2可動隔壁41が第2カム130、第3カム140によって第2液体室80の容積を縮小する方向に移動するときには、コイルバネ52は撓められ、逆止弁38,39が流路42,43を閉じる。
【0032】
なお、封止リング20には、シーリング部材17が設けられており、ロッド44と封止リング20との間は、このシーリング部材17によって液体の浸透を抑制している。また、第2可動隔壁41と筐体管11との摺動面にはシーリング部材16が設けられており、第2液体室80と第3液体室90との間の液体の浸透を抑制している。
また、第2可動隔壁41の外周部と筐体管11の内周部には、図示しない第2可動隔壁41の回転止めが設けられている。
また、前述した逆止弁は、流路の数に合わせて設ける構成としても、流路を開閉する弁体を流路の数に合わせ、弁体以外の場所が連続した一体構成としてもよい。
【0033】
続いて、駆動ユニット3の構成について図1を参照して説明する。駆動ユニット3は、駆動手段としてのカム機構110と、モーター170とが、第1機枠175と第2機枠180との間で保持され構成されている。
【0034】
カム機構110は、カム軸150に、第1カム120と第2カム130と第3カム140とカム歯車160と、が軸止され構成される。なお、第1カム120と第2カム130と第3カム140の形状については、図2、図3を参照して後述する。カム機構110は、第1機枠175と第2機枠180との間で回転可能に軸支されている。なお、第1機枠75と第2機枠180の間は、第3機枠185を介してネジ等で固定されており、送液ユニット2と駆動ユニット3との結合部において、第1カム120、第2カム130、第3カム140の一部が覗くように周囲を閉じるような形状を有している。
【0035】
モーター170は、モーター本体と伝達歯車群171とを有して構成され、第2機枠180に固定されている。伝達歯車群171の末端の歯車は、カム歯車160と歯合し、モーター170の回転をカム機構110に伝達する。
【0036】
駆動ユニット3は、カム機構110とモーター170とが組み立てられた状態で、送液ユニット2との結合部が、筐体管11の内周部に嵌着可能な形状に成形されている。なお、筐体管11の内周面には軸方向に位置決め溝11dが形成されており、駆動ユニット3の第1機枠175と第2機枠180には、それぞれに形成された突起部176,181を位置決め溝11dにスライド装着することで回転しない構造としている。
【0037】
なお、第1液体室70と第2液体室80それぞれの可動隔壁の移動方向に対して垂直方向の断面積は、同じになるように設定されている。これは、第2液体室80にはロッド34が存在しているため、第1液体室70の断面積をロッド34の分小さくし、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41とを等速移動させたときに、送液流量をほぼ一定にするためである。
【0038】
次に、送液ユニット2と駆動ユニット3の結合構造について図1を参照して説明する。筐体管11の駆動ユニット3側の端部にはネジ部(雄ネジ)11bが形成され、駆動ユニット3の送液ユニット2側の端部外周面には固定用突起部177,182が突設されている。
【0039】
結合部材190は筒形状をしており、内周側に突設された押圧部191と、ネジ部192とを有している。結合部材190を駆動ユニット3の端部(図示右側)から挿入し、ネジ部11bとネジ部192とを螺合結合させることで、送液ユニット2と駆動ユニット3とは、結合部材190によって固定用突起部177,182と筐体管11の突き当て部11fとが押圧される。このようにして、送液ユニット2と駆動ユニット3とが結合される。そして、結合部材190の螺合を解除することで送液ユニット2と駆動ユニット3とを分離することができる。
【0040】
続いて、カム機構110について図面を参照して説明する。
図2は、第1カム、第2カム、第3カムの形状と位相を示す説明図、図3は、カム機構の回転角度とストロークの関係を示す説明図である。なお、図3の上段は第1カム120を表し、下段は第2カム130及び第3カム140を表している。また、本実施形態では、第1カム120、第2カム130、第3カム140の形状が同じ場合を例示している。よって、カム形状は第1カム120を代表例として説明する。
【0041】
第1カム120は、外周面をカム面とし、カム面の底部122から頂部121に至るまで、単位回転角度あたりの回転中心Pからの距離が、同じ距離になるような螺旋形状を有している。ここで、回転中心Pから底部122までの距離をr1、回転中心Pから頂部121までの距離をr2とする。図1に示すように、ロッド34は第1カム120に、コイルバネ51によって付勢されているので、ロッド34のカム押動部35の先端が底部122に当接されているときに、第1可動隔壁31は第1液体室70の容積を最大とする。
【0042】
第1カム120が回転すると、押動面123によって、第1可動隔壁31を第1液体室70の容積を減少させる方向に移動させる。そして、頂部121に達したときに第1液体室70の容積を最小にする。さらに、第1カム120を回転させると、ロッド34と頂部121との係合が解除され、コイルバネ51の弾性力でロッド34のカム押動部35は底部122に当接するまで押し戻される。
【0043】
第2カム130と第3カム140も同様な形状と、第2可動隔壁41の駆動作用を有するが、第1カム120とは角度θだけ位相差を有している。第1カム120と、第2カム130及び第3カム140は、同じ速度で回転する。
従って、図3に示すように、各カムの回転角度に対するストロークの変化(勾配)は同じであるが、角度θだけ位相差を有する。このことによって、第1カム120と第2カム130(第3カム140)のどちらか一方が常に液体を送出するように可動隔壁を移動させている。
【0044】
なお、各ロッドのカム押動部は、当接する各カムのカム面に適切に当接させるために、先端部は側面の一部が平面カットされている。このことについて図4、図5を参照して説明する。
図4は、カムとロッドとの関係をカム機構側から視認した図面、図5はカム軸の軸方向に視認した正面図である。なお、図5はロッド34と第1カム120を例示している。図4、図5において、ロッド34のカム押動部35、ロッド44のカム押動部45,46はそれぞれ先端部側面の一部を平面カットして形成されている。従って、第1カム120が回転して頂部121をカム押動部35が乗り越えた後に、カム押動部35は、底部122の直近位置に押し戻され、さらに第1カム120の回転により、図3に示すようなストローク/回転角度の線図を描いて第1可動隔壁31を進退させる。
【0045】
続いて、本実施形態の液体送液の作用について図面を参照して説明する。
図6は、送液ポンプの送液状態を表す説明図、図7は、第1可動隔壁及び第2可動隔壁のストロークを表す線図である。なお、図6は、構成を簡略化して表している。また、図7は、横軸に経過時間、縦軸には第1可動隔壁31及び第2可動隔壁41の移動ストロークを表し、上死点とは各可動隔壁が最も出口流路側に移動された位置、下死点とは各可動隔壁が最も入口流路側に移動された位置を表している、図6と図7を対比して説明する。
【0046】
図6(a)は、第1可動隔壁31が上死点前に位置し、第2可動隔壁41が下死点直前に位置している状態を表している。この状態では、逆止弁36,37が流路32,33を閉じており、第1液体室70の容積を縮小し続けていることから液体を出口流路13から送出している。液体は、第1液体室70の容積が縮小された分だけ送出される。第2可動隔壁41は下死点直前に位置しているので、逆止弁38,39は流路42,43を開放している。従って、第3液体室90から第2液体室80に向かって液体が流入する。よって、第3液体室90の容積が縮小された分の液体が第2液体室80に流入する。この状態を、図7の(a)の位置で表す。
【0047】
図6(b)は、第1可動隔壁31が上死点を超えた直後に位置し、第2可動隔壁41が下死点を越えて第2液体室80の容積を縮小し始めた状態を表している。この状態では、逆止弁36,37が流路32,33を開放し、逆止弁38,39が流路42,43を閉じている。よって、第2液体室80の液体が流路32,33及び第1液体室70を通って出口流路13から送出される。このとき、第3液体室90の容積が徐々に増加することにより、入口流路19aの液体は吸引され、第3液体室90に流入する。この状態を図7の(b)の位置で表す。
なお、第1可動隔壁31の上死点のストロークは、図3に示すように直線的に勾配の正負が変化する設計であるが、実際には第1可動隔壁の慣性または液体の流体抵抗、内部圧力とコイルバネ51の弾性力との影響によりなだらかな変化となる。
【0048】
図6(c)は、(b)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(c)に相当する位置で表される。従って、液体の流動は、図6(b)で表される状態と同様に、第2可動隔壁41によって液体は出口流路13からの送出を継続し、第2液体室80から第1液体室70に液体が流入している。
【0049】
図6(d)は、(c)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(d)に相当する位置で表される。従って、第1可動隔壁31は下死点を越えた位置で逆止弁36,37が流路32,33を閉じている。第2可動隔壁41は上死点を越えた位置で逆心弁38,39が流路42,43を開放している。従って、第1可動隔壁31によって液体は出口流路13から送出され、第2液体室80には第3液体室90から液体が流入している。
【0050】
図6(e)は、(d)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(e)に相当する位置で表される。従って、液体の流動は、図6(a)で表される状態と同様に、第2可動隔壁41によって液体は出口流路13からの送出を継続し、第3液体室90から第2液体室80に液体が流入している。
【0051】
図6(f)は、(e)の状態から、さらに第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を駆動した状態であって、図7の(f)に相当する位置で表される。従って、第1可動隔壁31は上死点を越えた位置で逆止弁36,37が流路32,33を開放している。第2可動隔壁41は下死点を越えた位置で逆心弁38,39が流路42,43を閉じている。従って、第2可動隔壁41によって液体は出口流路13から送出される図6(b)と同じ状態である。
【0052】
なお、図7に示すように、第1可動隔壁31の上死点から下死点までの範囲が、逆止弁36,37の開放範囲、下死点から上死点までの範囲が逆止弁36,37が閉じている範囲であり、第2可動隔壁41の上死点から下死点までの範囲が、逆止弁38,39の開放範囲、下死点から上死点までの範囲が逆止弁38,39が閉じている範囲である。そして、第1可動隔壁31の上死点と第2可動隔壁41の上死点までの角度θが、第1カム120と、第2カム130及び第3カム140の頂点位置の位相差である。
【0053】
従って、図7に示すように、常に第1可動隔壁31または第2可動隔壁41のどちらか一方の逆止弁がそれぞれの流路を閉じ、他方の逆止弁がそれぞれの流路を開放している状態をつくり出している。また、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41のストロークの勾配は同じになるよう設定されていることから、送液ポンプ1を駆動している間は、一定の流量を連続的に送出し続ける。
【0054】
以上説明した実施形態1によれば、第1可動隔壁31を出口流路13側から入口流路19a側に移動させるときに第1液体室70の容積を拡げながら逆止弁36,37を開放して液体を第1液体室70に流入させ、入口流路19a側から出口流路13側に移動させるときに第1液体室70の容積を縮小しながら逆止弁36,37を閉じて液体を出口流路13に向かって送液する。また、第2可動隔壁41を出口流路13側から入口流路19a側に移動させるときに第2液体室80の容積を拡げながら逆止弁38,39を開放し液体を第2液体室80に流入させ、入口流路19a側から出口流路13側に移動させるときに第2液体室80の容積を縮小しながら逆止弁38,39を閉じて液体が第1液体室70を通って出口流路13から送出する。
【0055】
そして、二つの可動隔壁を交互に進退させることによって、液体を一定流量の連続流として送出することができる。また、一方の逆止弁が開放されているときには他方の逆止弁が閉じていることから、液体の下流側からの逆流を防ぐことができる。
【0056】
また、二つの可動隔壁を駆動する第1カム120と、第2カム130及び第3カム140とは同じ形状を有し、同軸で回転することから、第1液体室70と第2液体室80の容積変更速度が略同じとなり、二つの可動隔壁のうちのどちらか一方が、常に第1液体室70または第2液体室80の容積を縮小する方向に移動する。このように容積変更速度を略同じにすること、常に可動隔壁の一つが出口流路13側に移動していることから、流量の変動を抑制し、単位時間当たりの送液量を一定にすることができる。
【0057】
また、送液ユニット2と駆動ユニット3とは、結合部材190によって着脱可能に結合されている。送液する液体の種類によっては、液体に接触する送液ユニット2の構成要素が腐食されることが考えられる。そこで、送液ユニット2と駆動ユニット3とを着脱可能にすることで、送液ユニット2を交換することができ、腐食等に起因する駆動不良や流路の詰まりを防止できる。また、駆動ユニット3は繰り返し使用できることからランニングコストの低減も図れる。
【0058】
また、駆動手段は、カム機構110と、コイルバネ51,52と、を有して構成されている。このことにより、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41の駆動タイミングをカム機構110の第1カム120と、第2カム130及び第3カム140の位相差によって決定するため、正確に、しかも任意の位相差の設定が可能となる。また、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41それぞれの押戻しはコイルバネ51,52で行うことから、構造を簡単にできる。また、このような構成では、液体の送液速度はモーター170の回転速度を変えることで、容易に調整できるという効果もある。
なお、以上説明した送液ポンプ1は、以下に例示する形態に変形させても適合可能である。
(変形例1)
【0059】
続いて、変形例1について図面を参照して説明する。変形例1は、第1可動隔壁31と第2可動隔壁41を押し戻すコイルバネ51,52が、第1液体室70、第2液体室80の内部に配置されていることに特徴を有している。よって、実施形態1(図1、参照)との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。なお、第1圧送部30を例示して説明する。
【0060】
図8は、変形例1に係る送液ユニットの一部を示す断面図である。図8において、筐体管11の内部には第1圧送部30が配置され、第1圧送部30は、流路32,33を開閉する逆止弁36,37を有する第1可動隔壁31と、第1可動隔壁31を出口流路13側に駆動するロッド34とを有する。第1可動隔壁31と、筐体管11の内周部との間にはシーリング部材15が設けられている。また、第1可動隔壁31の外周面には、段差部31cが形成されている。
【0061】
また、出口流路13が開口された送出管12には、第1液体室70の内部にリング状に突設されたバネ規制部12aが形成されている。第1液体室70の容積を大きくする方向に第1圧送部30を押し戻すためのコイルバネ51は、第1液体室70の内部に第1可動隔壁31と、送出管12の間に配置され、第1可動隔壁31の段差部31dと送出管12のバネ規制部12aとの間で位置が規制される。
【0062】
なお、第2圧送部40(図1、参照)では、図示は省略するが、第2可動隔壁41とバネ規制部11aとコイルバネ52との関係が、第1圧送部30と同様な構成を採用できるので説明を省略する。
【0063】
本変形例における液体送出作用は、前述した実施形態1と同様であるが、コイルバネ51(コイルバネ52も含む)の条数や、線径の設計自由度を増すことができる。また、第1可動隔壁31(第2可動隔壁41も含む)の進退方向の厚さを薄くでき、送液ユニット2の小型化を実現できるという効果がある。
(変形例2)
【0064】
続いて、変形例2について図面を参照して説明する。変形例2は、第2可動隔壁41を駆動するロッドを2本構成としていることに特徴を有している。よって、実施形態1(図1、参照)との相違箇所を中心に、同じ符号を附して説明する。
【0065】
図9は、変形例2に係る送液ユニットの一部を示す断面図である。図9において、筐体管11の内部には第2圧送部40が配置され、第2圧送部40は、流路42,43を開閉する逆止弁38,39を有する第2可動隔壁41と、第2可動隔壁41を第2液体室80側に駆動するロッド47,48とを有する。ロッド47,48は、第1可動隔壁31に取り付けられているロッド34に対して略対称位置に配置されている。
【0066】
第2可動隔壁41には、ロッド34と第2可動隔壁41との間を、摺動可能にシールするシーリング部材18が配設されている。また、封止リング20には、ロッド34,47,48を摺動可能にシールするシーリング部材25が配設されている。
【0067】
ロッド34,47,48それぞれが第1カム120、第2カム130、第3カム140と当接する先端部は、側面の一部を平面カットしたカム押動部35,47a,48aが形成されている。カム押動部35,47a,48aの形状は、実施形態1(図4、図5参照)の形状を踏襲できる。
【0068】
本変形例においても、前述した実施形態1と同様な効果が得られるが、第2可動隔壁41を駆動するロッド47,48の形状を単純化することができる。
なお、ロッド47,48のどちらか一方と、それを駆動する第2カム130または第3カム140のどちらか一方の組み合わせの構成としてもよい。
また、前述した変形例1の構成と組み合わせることも可能である。
(実施形態2)
【0069】
続いて、実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1(図1、参照)による送液ポンプ1が、送液ユニット2と駆動ユニット3で構成され、送液ユニットと駆動ユニットとが、着脱可能に結合されていることに対し、送液ユニットとモーターユニットとが着脱可能に結合されていることに特徴を有する。従って、実施形態1との相違箇所を中心に説明する。
図10は、実施形態2に係る送液ユニットとモーターユニットとの結合部を示す部分断面図である。図10において、送液ポンプ1は、送液ユニット300とモーターユニット100とが結合部材190によって着脱可能に結合され構成されている。
【0070】
送液ユニット300は、第1圧送部30と第2圧送部40(図1、参照)と、カム機構110とが筐体管11に内装されて構成されている。第1圧送部30と第2圧送部40とカム機構110は、実施形態1と同じ構成である。筐体管11のモーターユニット100側の外周端部にはネジ部11b(雄ネジ)が形成されている。
【0071】
カム機構110は、円筒状の筐体管11によって軸支されている。筐体管11には端部方向からスリット状に開口されるカム機構保持孔11hが形成されており、このカム機構保持孔11hに端部方向からカム機構110を挿入し、さらに、カム保持部材26をカム機構保持孔11hに嵌着させることで、カム機構110を軸支している。
【0072】
モーターユニット100は、円筒状のモーター枠186の内部に第1伝達歯車172を有するモーター170と、伝達歯車群171とから構成されている。伝達歯車群171は、第1伝達歯車172と、第1伝達歯車172と歯合する第2伝達歯車173と、を有している。第1伝達歯車172と歯合する第2伝達歯車173は、かさ歯車であって互いに直交してモーター170の回転を伝達する。第2伝達歯車173は、筐体管11の外周部において、Eリング174(またはCリング)によって軸支されている。また、モーター枠186は、端部が底板187によって封止されている。
さらに、モーター枠186の送液ユニット300側端部には、外周に突設するリング状の固定用突起部186aが形成されている。
【0073】
結合部材190は、筒状の部材であって、内周面に形成されるネジ部192(雌ネジ)と、内側にリング状に突設される押圧部191と、を有している。結合部材190とモーター枠186とは遊嵌の関係にある。
【0074】
送液ユニット300とモーターユニット100との結合は、結合部材190のネジ部192と筐体管11のネジ部11bとを螺合させることで行う、この際、筐体管11の突き当て部11fとモーター枠186の端面186bとが、結合部材190の押圧部によって圧接される。結合過程で、カム歯車160と第2伝達歯車173とが歯合し、モーター170の回転をカム機構110に伝達することが可能となる。
【0075】
このように、送液ユニット300とモーターユニット100とを着脱可能な構成にすれば、モーターユニット100のサイズの制限が少なくなり、出力が大きいモーター170を使用することが可能で、カム機構110及び第1可動隔壁31、第2可動隔壁41の駆動の負荷に対して安定駆動を実現できる。また、コイルバネ51,52の条数や線径の制限を少なくすることができるので、撓みに要する押動力、第1可動隔壁31及び第2可動隔壁41を押し戻し力のバランスがとりやすくなるという効果がある。
(医療機器)
【0076】
続いて、前述した実施形態及び変形例に記載の送液ポンプ1を用いた医療機器について説明する。
図11は、医療機器の概略構成を示す構成図である。図11において、医療機器200は、送液ポンプ1と、送液ポンプ1から供給される液体を脈動に変換する脈動発生装置400とから構成されている。
【0077】
送液ポンプ1は、液体収容容器210とチューブ60(図1、参照)によって接続されており、液体を吸引して、送液チューブ201を介して一定の流量、一定の圧力で連続して脈動発生装置400に供給する。
【0078】
脈動発生装置400は、特開2008−82202号公報に記載の流体噴射装置に用いる脈動発生部と同じ構成のものを採用可能であるので詳細説明は省略する。脈動発生装置400では、供給された液体を脈動に変換して、吐出管220とノズル221を介して、パルス状の液滴として高速噴射する。
【0079】
脈動発生装置400は、液体を脈動に変換してノズル221からパルス状に液滴を高速噴射させることができるので、血管等の脈管組織を温存しながら組織の切除、切開、剥離等を行うことができる。このような脈動発生装置400は安定駆動のために、一定の流速(流量)で液体が供給されることが要求されるが、前述した実施形態に記載の送液ポンプ1を用いることで、脈動発生装置400の安定駆動を実現できる。
【符号の説明】
【0080】
1…送液ポンプ、2…送液ユニット、13…出口流路、19a…入口流路、31…第1可動隔壁、32,33,42,43…流路、36,37,38,39…逆止弁、41…第2可動隔壁、70…第1液体室、80…第2液体室、90…第3液体室、110…カム機構、120…第1カム、130…第2カム、140…第3カム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を供給する入口流路と液体を送出する出口流路との間を三つに仕切って直列に配置される液体室と、
各前記液体室の間を仕切るとともに、各前記液体室の個々の容積を変更する二つの可動隔壁と、
前記二つの可動隔壁を交互に前記入口流路側と前記出口流路側の間を往復駆動させる駆動手段と、
前記駆動手段に駆動力を与えるモーターと、
各前記可動隔壁に開口され、隣り合う前記液体室の間を連通する流路と、
前記流路を開閉する逆止弁と、
が備えられ、
前記可動隔壁が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するときに前記逆止弁が閉じ、前記液体室の容積を拡げる方向に移動するときに前記逆止弁が開放されることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の送液ポンプにおいて、
前記二つの可動隔壁による前記液体室の容積変更速度が略同じであって、
前記二つの可動隔壁のうちのどちらか一方が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するとき、他方が前記液体室の容積を拡大する方向に移動することを特徴とする送液ポンプ。
【請求項3】
請求項1に記載の送液ポンプにおいて、
前記液体室と前記可動隔壁とを含んで送液ユニットが構成され、
前記駆動手段と前記モーターとを含んで駆動ユニットが構成され、
前記送液ユニットと前記駆動ユニットとが、着脱可能に結合されていることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項4】
請求項1に記載の送液ポンプにおいて、
前記液体室と前記可動隔壁と前記駆動手段とを含んで送液ユニットが構成され、
前記モーター本体と伝達歯車群とを含んでモーターユニットが構成され、
前記送液ユニットと前記モーターユニットとが、着脱可能に結合されていることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の送液ポンプにおいて、
前記駆動手段が、前記可動隔壁を前記液体室の容積を縮小する方向に押動するカム機構と、前記可動隔壁を前記液体室の容積を拡げる方向に押戻す弾性部材と、を有していることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の送液ポンプと、
前記送液ポンプから送液され、液体を脈動に変換する脈動発生装置と、
前記脈動発生装置が発生した脈動をパルス状の液滴として噴射するノズル、と、
を有していることを特徴とする医療機器。
【請求項1】
液体を供給する入口流路と液体を送出する出口流路との間を三つに仕切って直列に配置される液体室と、
各前記液体室の間を仕切るとともに、各前記液体室の個々の容積を変更する二つの可動隔壁と、
前記二つの可動隔壁を交互に前記入口流路側と前記出口流路側の間を往復駆動させる駆動手段と、
前記駆動手段に駆動力を与えるモーターと、
各前記可動隔壁に開口され、隣り合う前記液体室の間を連通する流路と、
前記流路を開閉する逆止弁と、
が備えられ、
前記可動隔壁が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するときに前記逆止弁が閉じ、前記液体室の容積を拡げる方向に移動するときに前記逆止弁が開放されることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の送液ポンプにおいて、
前記二つの可動隔壁による前記液体室の容積変更速度が略同じであって、
前記二つの可動隔壁のうちのどちらか一方が前記液体室の容積を縮小する方向に移動するとき、他方が前記液体室の容積を拡大する方向に移動することを特徴とする送液ポンプ。
【請求項3】
請求項1に記載の送液ポンプにおいて、
前記液体室と前記可動隔壁とを含んで送液ユニットが構成され、
前記駆動手段と前記モーターとを含んで駆動ユニットが構成され、
前記送液ユニットと前記駆動ユニットとが、着脱可能に結合されていることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項4】
請求項1に記載の送液ポンプにおいて、
前記液体室と前記可動隔壁と前記駆動手段とを含んで送液ユニットが構成され、
前記モーター本体と伝達歯車群とを含んでモーターユニットが構成され、
前記送液ユニットと前記モーターユニットとが、着脱可能に結合されていることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の送液ポンプにおいて、
前記駆動手段が、前記可動隔壁を前記液体室の容積を縮小する方向に押動するカム機構と、前記可動隔壁を前記液体室の容積を拡げる方向に押戻す弾性部材と、を有していることを特徴とする送液ポンプ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の送液ポンプと、
前記送液ポンプから送液され、液体を脈動に変換する脈動発生装置と、
前記脈動発生装置が発生した脈動をパルス状の液滴として噴射するノズル、と、
を有していることを特徴とする医療機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−87622(P2012−87622A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232255(P2010−232255)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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