逆止弁
【課題】 逆流方向の差圧の大小の如何に拘わらず確実に逆止することができ、しかも、弁体のへたり発生を抑制して耐久性の向上を図り得る逆止弁を提供する。
【解決手段】 弁室12に撓み性を有するディスク状の弁体15を配設し、弁座として面122,123の交差角部により構成される大径の第1段目の弁座13と、面124,125の交差角部により構成され凹んだ位置の小径の第2段目の弁座14とを形成する。順方向Jの吸気負圧が作用すれば弁体15の外周側が撓んで吸気通路部814から下流側通路76に空気を供給する。逆方向Kに逆流差圧として小差圧が作用すれば弁体15の中央部が僅かに撓んで第1段目の弁座13に着座し、大差圧が作用すればさらに撓んで第2段目の弁座14に着座して、逆止する。
【解決手段】 弁室12に撓み性を有するディスク状の弁体15を配設し、弁座として面122,123の交差角部により構成される大径の第1段目の弁座13と、面124,125の交差角部により構成され凹んだ位置の小径の第2段目の弁座14とを形成する。順方向Jの吸気負圧が作用すれば弁体15の外周側が撓んで吸気通路部814から下流側通路76に空気を供給する。逆方向Kに逆流差圧として小差圧が作用すれば弁体15の中央部が僅かに撓んで第1段目の弁座13に着座し、大差圧が作用すればさらに撓んで第2段目の弁座14に着座して、逆止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば気泡発生装置から浴槽水中に微細気泡(マイクロバブル)を含んだ噴出流を放出させるために気泡生成用の空気を外部から吸い込んで供給する吸気通路部において浴槽水の逆流を遮断するために設ける等の用途に用いられる逆止弁に関し、特に逆止弁を挟んだ一側(例えば大気圧)と他側(例えば逆流圧)との差圧が小さくても大きくても確実に逆止めし得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、比較的柔軟な湾曲したディスク部と、このディスク部から中心軸方向に延びるステム部とからなる弁体を用いた逆止弁が知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、ディスク部と同様に湾曲したお椀状の弁座を挟んで一側の孔に対し前記ステム部を挿入した状態でディスク部を弁座に相対向するように配置することで、ディスク部の弁座に対する位置ずれを防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2735951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出願人は、浴槽内から浴槽水を取り出した後に再び浴槽内に戻す際の吐出流に基づく吸気負圧を利用して空気を循環水中に取り込み、これにより、気泡が混合された状態にして浴槽内に吐出させるという気泡発生装置において、気泡生成用の空気を外部から吸い込んで供給するための吸気装置を付設し、この吸気装置から気泡発生装置までの接続管に浴槽水の逆流を防止するために逆止弁を設けるようにしている。例えば図13に示すように、外部から取り込まれた空気をフィルタ部201に通過させ、フィルタ部201を通過した後の空気をオリフィス202に通した上で、接続管203を通して浴槽1側に供給する際に、その接続管203に逆止弁204を介装するようにしている。
【0005】
しかしながら、通常の逆止弁は、逆止弁を挟んで一側と他側との差圧がある所定の圧力になった際に、弁体が弁座に接触して逆流を遮断するという逆止機能を発揮するようになっているため、差圧が所定の圧力まで到達しないような小さい圧力のときには所定の逆止機能を発揮せず、完全には逆流を遮断し得ない場合も生じ得る。
【0006】
前記の吸気装置と気泡発生装置との間では、通常は気泡発生装置の側からの吸気負圧が吸気装置に作用して、吸気装置から気泡発生装置の側に空気が順方向に取り込まれるものの、ときとして浴槽の側から浴槽水の逆流圧が気泡発生装置から吸気装置の側に逆方向に作用する場合がある。このような逆流圧は、その発生原因によって大小様々であることが考えられ、逆流圧が小さい場合には前記の如く逆止弁では完全に遮断し得なくなることが考えられる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、逆流方向の差圧の大小の如何に拘わらず確実に逆止することができ、しかも、弁体のへたり発生を抑制して耐久性の向上を図り得る逆止弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、弁室を挟んで一方の開口から他方の開口への順方向への流通を許容する一方、前記弁室を挟んで他方の開口から一方の開口への逆方向への流通を遮断するための逆止弁を対象にしてつぎの特定事項を備えることとした。すなわち、前記弁室内に対し前記一方の開口と他方の開口との間を横切るように配設された撓み性を有するディスク状の弁体と、前記一方の開口の側において前記弁室に臨む面に対しそれぞれ前記弁体と相対向しかつ前記逆方向に向けて段差を有する各位置に形成された複数段の弁座とを備え、前記逆方向への差圧が大きくなるにつれて前記弁体が撓んで前記複数段の弁座に対し前記逆方向の手前側から順に着座することになる構成とした(請求項1)。
【0009】
本発明の場合、逆方向への差圧が小さければ逆方向手前側の弁座に着座し、差圧が大きくなれば前記逆方向に向けて次の弁座に順に着座することになる。このため、差圧が比較的小さい場合であっても、手前側の弁座に着座させて確実に逆止し得る一方、差圧が大きくなっても次の弁座に順に着座するため確実に逆止し得ることになる。その上に、差圧が小さくても大きくても同じ弁座に着座するのではなくて、差圧が大きくなって弁体がより大きく撓むにつれて、逆方向に複数段に設置された次の弁座に順に着座することになるため、弁体のへたり発生を回避して耐久性の向上を図り得るようになる。
【0010】
本発明の逆止弁において、前記複数段の弁座として、前記弁体の外周側領域に相対向する第1段目の弁座と、前記第1段目の弁座よりも前記逆方向に向けて段差を有する位置で前記弁体の内周側領域に相対向する第2段目の弁座とを備えるようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、差圧が小さいときには、第1段目の弁座に対し弁体の外周側領域が着座するため、差圧が小さくても弁体のより広い面積部分に作用する差圧分によって第1段目の弁座への押し付け力が得られることになって、確実に逆止機能を発揮し得ることになる。一方、差圧が大きくなれば弁体のより狭い面積の内周側領域が第2段目の弁座に着座するため、大きい差圧が作用したとしても弁座への着座を維持するために弁体に作用する押し付け力を相対的に低く抑えることが可能となり、これにより、弁体の塑性変形に起因するへたり発生を抑制して耐久性の向上を図り得ることになる。
【0011】
本発明の逆止弁において、前記第1段目の弁座と第2段目の弁座との間を、斜面を含む接続面により接続し、各弁座として面と面とが交差した角部により構成するとともに、その角部を湾曲面により形成することができる(請求項3)。このようにすることにより、各弁座を構成する交差角部が湾曲面により形成されているため、尖った弁座に弁体が食い込むことで着座する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くすることが可能となる、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることが可能となる。これにより、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、弁体の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0012】
又、本発明の逆止弁において、前記弁体と各弁座とが面接触により当接するように構成することができる(請求項4)。このようにすることにより、弁体が各弁座に着座する際は各弁座に対し面接触状態で密着することになるため、線接触状態で密着する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くすることが可能となる、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることが可能となる。これにより、請求項3の場合と同様に、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、弁体の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の逆止弁において、弁体を挟んで弁座とは反対側の位置の弁室に配設されて弁体の順方向への自由な変位を規制する弁蓋を備えるようにすることができる(請求項5)。このようにすることにより、弁体の順方向又は逆方向への撓みによって逆止弁本来の機能を果たさせる上で、その弁体を核に所定の位置に保持させ得るようになる。このため、弁体に確実に所要の撓み挙動をさせることが可能となり、本発明の作用が確実に得られることになる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の逆止弁によれば、差圧が比較的小さい場合であっても、手前側の弁座に着座させて確実に逆止させることができる一方、差圧が大きくなっても次の弁座に順に着座するため確実に逆止させることができるようになる。その上に、差圧が小さくても大きくても同じ弁座に着座するのではなくて、差圧が大きくなって弁体がより大きく撓むにつれて、逆方向に複数段に設置された次の弁座に順に着座することになるため、弁体のへたり発生を回避して耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0015】
特に、請求項2によれば、差圧が小さいときには、第1段目の弁座に対し弁体の外周側領域が着座するため、差圧が小さくても弁体のより広い面積部分に作用する差圧分によって第1段目の弁座への大きな押し付け力を得ることができ、これにより、確実に逆止機能を発揮させることができるようになる。一方、差圧が大きくなれば弁体のより狭い面積の内周側領域が第2段目の弁座に着座するため、大きい差圧が作用したとしても弁座への着座を維持するために弁体に作用する押し付け力を相対的に低く抑えることができ、これにより、弁体の塑性変形に起因するへたり発生を抑制して耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0016】
請求項3によれば、各弁座を構成する交差角部を湾曲面により形成することで、尖った弁座に弁体が食い込むことで着座する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くしたり、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えたりすることができるようになる。これにより、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、より一層の弁体の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0017】
又、請求項4によれば、弁体と各弁座とを面接触により当接するように構成することで、線接触状態で密着する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くしたり、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えたりすることができるようになる。これにより、請求項3の場合と同様に、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、より一層の弁体の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0018】
さらに、請求項5によれば、弁体の順方向への自由な変位を規制する弁蓋を備えるようにすることで、弁体の順方向又は逆方向への撓みによって逆止弁本来の機能を果たさせる上で、その弁体を確実に所定の位置に保持させることができるようになる。これにより、弁体に確実に所要の撓み挙動をさせることができ、本発明の効果を確実に得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】逆止弁が内蔵された吸気装置を付設した気泡発生装置により浴槽に対し気泡を噴出可能にした風呂システムの例を示す説明図である。
【図2】図1の循環アダプタを用いた追い焚き運転の作動原理を示す説明図である。
【図3】図1の循環アダプタを用いた気泡発生運転の作動原理を示す図2対応図である。
【図4】図1の吸気装置を拡大断面図により示した図1対応図である。
【図5】図4の吸気装置を前面側から見た斜視図である。
【図6】図5の吸気装置を分解した状態で示す分解斜視図である。
【図7】図7(a)は図4のA−A線における断面説明図であり、図7(b)は図4のB−B線における断面説明図である。
【図8】図6の吸気抵抗部及び本体筒部について分解した状態で示す分解斜視図である。
【図9】図9(a)は図4のC−C線における部分拡大断面説明図であり、図9(b)は図4の部分拡大図である。
【図10】図10(a)は図4の逆止弁について向きを変えた状態で示す拡大図であり、図10(b)その分解状態の説明図である。
【図11】図11(a)は順方向の差圧として吸気負圧が作用したときの空気が流れる状態を示す図10(a)対応図であり、図11(b)は比較的小さい逆方向の差圧が作用したときの逆止状態を示す図10(a)対応図である。
【図12】図12(a)は比較的大きい逆方向の差圧が作用したときの状態を示す図10(a)対応図であり、図12(b)は図12(a)の部分拡大断面説明図である。
【図13】本発明の課題を示すために例示した図4対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に示す風呂システムは、浴槽1と、風呂用の追い焚き循環機能を備えた給湯器2と、戻り路31及び往き路32からなり浴槽1及び給湯器2を互いに接続する追い焚き循環配管3と、実施形態に係る気泡発生装置を内蔵・付設した循環アダプタ4とを備えて構成されたものである。給湯器2は、例えば、追い焚き用熱交換器21と、これを加熱する燃焼バーナ22とを備えているものである。
【0022】
浴槽1には、その一側壁面の底部近傍に循環アダプタ4が貫通した状態で設置され、この循環アダプタ4に対し、追い焚き循環配管3の戻り路31の上流端と、往き路32の下流端とが接続されている。そして、給湯器2内の循環ポンプ23が作動されると、浴槽1内の浴槽水(湯又は水)が循環アダプタ4及び戻り路31を通して給湯器2の熱交換器21に戻され、次いで、往き路32及び循環アダプタ4を通して浴槽1内に吐出される、という循環流が生じて循環作動されることになる。この循環作動の際に、燃焼バーナ22が燃焼作動されると、浴槽1から戻された浴槽水が所定温度まで加熱されて追い焚きされることになり、燃焼バーナ22が非燃焼状態のままであると、浴槽水による循環流のみが生じることになる。
【0023】
そして、循環アダプタ4には後述の気泡発生装置5が内蔵され、この気泡発生装置5に対し気泡生成用の空気を外部から取り込んで吸気するための吸気装置6が付設されている。図1の例では、吸気装置6が浴室を区画する壁の外面に設置されている場合を示したが、これに限らず、浴室を区画する壁の内面又は浴槽1のエプロン部分に設置してもよい。
【0024】
前記の吸気装置6は実施形態に係る逆止弁が内蔵されたものであるが、逆止弁についての詳細な説明に入る前に、まず、前記逆止弁に対し順方向に作用することになる吸気負圧の発生機構について、図2又は図3に示す気泡発生装置5を内蔵した循環アダプタ4の概略構造例に基づいて説明する。循環アダプタ4は、前述の循環ポンプ23の作動により浴槽1内から浴槽水を吸い込んで戻り路31に流すための吸い込み流路44と、往き路32からの循環水(浴槽水)を浴槽1内にそのまま流す追い焚き吐出流路45と、同様に往き路32からの循環水に対し気泡を巻き込んだ状態で浴槽1内に吐出する吐出流路である気泡吐出流路46と、上記往き路32からの循環水を追い焚き吐出流路45の側に流す(追い焚き運転モード)か、気泡吐出流路46の側に流す(気泡発生運転モード)かのいずれかに切換える切換弁機構43とを備えている。
【0025】
吸い込み流路44は、図2又は図3に矢印Rで示すように、フィルタ部材410を介して前面カバー体41の外周領域から吸い込まれた浴槽水を合流させた後に戻り路31まで導くように延びている。追い焚き吐出流路45は、図2に矢印Gで示すように、往き路31からの循環水を分流室451に導いた後に開閉切換口452を通して前面カバー体41の下側に導き、追い焚き吐出口453から浴槽1内に吐出するように延びている。
【0026】
気泡吐出流路46は、図3に矢印Bで示すように、往き路31からの循環水を上記分流室451を介して分流路461に導いた後、噴出孔462から旋回室463に噴出させて旋回室463に旋回流を生じさせて空気を巻き込み、巻き込んだ気泡と共に循環水を気泡吐出口464を経て浴槽1内の前方に向けて吐出させるように延びている。上記旋回室463はその内周面が円筒状に形成され、上記噴出孔462はその旋回室463に対し接線方向に分流室からの循環水を噴出させるように開口されている。この噴出孔462からの循環水の噴出により旋回室463内に気泡吐出口464の側に向かう旋回流が生じて遠心力が作用することにより中心部が大気圧よりも低い負圧となり、この中心部の負圧が吸気装置6(図1参照)に対し吸気負圧として作用することにより空気が取り込まれ、接続ホース51を通して供給された空気が先端ノズル部52から旋回流に巻き込まれる結果、微小な気泡が混合した状態の循環水が浴槽1内に吐出されることになる。
【0027】
次に、図4を参照しつつ実施形態に係る逆止弁11を内蔵した吸気装置6について詳細に説明する。吸気装置6は、外装ハウジング7と、外装ハウジング7内に収容された内部構造体8とを備えている。外装ハウジング7は、図5及び図6にも示すように本体ハウジング71と、本体ハウジング71の前面開口を例えば螺嵌により着脱可能に閉止する前面蓋72とからなる。本体ハウジング71の後端部から下方に突出する接続部73が一体に形成され、後端部から前端部(図4の右端部)にかけて段階的に拡径されている。そして、外装ハウジング7の内部には、前面蓋72と本体ハウジング71の前端部内面との間に空気を取り入れる導入空間74と、この導入空間74から後方に延びて内部構造体8が収容される収容孔75と、逆止弁11を挟んで下流側の接続部73に向けて延びる下流側通路部76とが区画形成されることになる。前面蓋72の外周側の領域には空気取り入れ用の多数の小孔721,721,…(図7(a)も参照)が貫通形成され、各小孔721を通して導入空間74(図7(b)も参照)は外部と連通されている。
【0028】
内部構造体8は、本体筒部81と、本体筒部81の前端において外周囲に拡がる板状体部82と、本体筒部81の後端に配設される逆止弁11とを備えて構成されている。逆止弁11を後端に配設した状態で本体筒部81が前記の収容孔75に対し前側から後方に向けて内嵌され、本体筒部81が内嵌されることにより板状体部82が前記の導入空間74内に位置付けられた状態で、内部構造体8は本体ハウジング71に対し連結されるようになっている。
【0029】
本体筒部81の外周面には図8にも示すようにドーナッツ環状の周溝811と、シール用のOリング812を外嵌するための周溝813とが形成されており、本体筒部81の前側領域にはフィルタ部9が外嵌され、このフィルタ部9により前記の周溝811の外周面側が覆われるようになっている。周溝811の底には後述の屈曲通路10の一端101に連通する吸気入口810(図9(a)参照)が開口している。フィルタ部9は後述の屈曲通路104の開口断面よりも十分に小さいフィルタ開口(メッシュの目のサイズ)となるようにメッシュ素材により筒状に形成されたものである。又、板状体部82は、本体筒部81の前面側に一体的に形成された第1の板状体821と、この第1の板状体821と同様形状を有する別体の第2の板状体822とが間にパッキン823を挟み込んだ状態で相対向面同士がビス84,84,…により接合されて一体化されたものである。
【0030】
第1の板状体821の接合面には図8に示すように上流端となる一端101から下流端となる他端102までジグザク状に屈曲しつつ延びる凹溝103が形成されており、この凹溝103に対しパッキン823及び第2の板状体822が接合されることで閉鎖され、これにより、吸気抵抗部10を構成する屈曲通路104が形成されている(図7(b)、図9(b)参照)。この屈曲通路10の一端101は周溝811に開口する吸気入口810(図9(a)参照)に連通され、他端102は本体筒部81の中心軸に沿って後側に延びる吸気通路部814(図9(a),(b)参照)に連通されている。
【0031】
逆止弁11は、図10(a),(b)に示すように、本体筒部81の後端部に区画形成された弁室12と、この弁室12の一側面に形成された複数(図例では2つ)の弁座13,14と、例えばゴム板により形成された撓み性を有する弁体15と、弁蓋16とを備えて構成されている。弁室12は、内部構造体81が収容孔75に収容された状態で、一側開口である吸気通路部814の側の開口815と、他側開口である下流側通路部76の開口761との間に区画形成されるものである。なお、同図において、矢印Jの向きが順方向、矢印Kの向きが逆方向である。
【0032】
前記の弁体15は弁室12の中心軸Xを中心とする内径と同等か僅かに小径の円形のディスク状に形成され、中心軸Xを横切るように弁室12内に配設されている。そして、前記の弁座13,14は弁室12の開口815の側の側面121に形成され、この側面121に対し第1段目の弁座13は弁体15の外径よりも小径でかつ弁体15の外周側領域に対応する位置に延びる円周軌跡に沿って形成され、第2段目の弁座14は第1段目の弁座13よりも逆方向に所定の段差分だけ凹んだ位置(変位した位置)において第1段目の弁座13よりもさらに小径でかつ弁体15の内周側領域に対応する位置に延びる円周軌跡に沿って形成されている。第1段目の弁座13は、この弁座13を挟んで外周側の平面122(図10(b)参照)と内周側の斜面123とが交差して接続することになる角部によって構成され、又、第2段目の弁座14は、この弁座14を挟んで外周側の平面124と内周側の吸気通路部814の内周面125とが交差して接続することになる角部(開口815の縁)によって構成されている。いずれの角部も、所定のアール形状(例えば0.5mmアール)を有する湾曲面により形成されている。前記の斜面123と平面124とによって第1段目の弁座13と第2段目の弁座14とを接続する接続面が構成されている。
【0033】
弁蓋16は、中心軸Xに沿って中央部から突出した凸部161と、この凸部161の回りに複数(図例では4つ)の貫通孔162,162と、外周面から突出する係合縁163とが形成されたものである。前記の凸部161は、弁体15の中央部が順方向に位置ずれした場合に当接して弁体15が大きく位置ずれしないように規制するようになっている。そして、弁室12に対し弁体15を配設した後に弁蓋16を挿入し、前記の係合縁163を係合凹溝816(図10(b)参照)に嵌め込むことにより、弁室12に対する弁蓋16の固定が行われるようになっている。
【0034】
以上の構成の逆止弁11の場合、気泡発生装置5からの吸気負圧が接続管51(図1参照)、接続部73(図4)及び下流側通路76を通して弁体15に作用すると、図11(a)に示すように、弁体15の外周側部分が吸引されて撓むことで弁座13から離れて吸気通路部814と下流側通路76とが連通することになる。これにより、逆止弁11を通して空気が順方向Jに流れ、吸気装置6から気泡発生装置5に対し気泡生成用の空気が供給されることになる。一方、気泡発生装置5から湯水の逆流圧が発生し、外気圧との差圧が前記の接続管51、接続部73及び下流側通路76を通して弁体15に対し逆方向Kに作用すると、その差圧の大小に応じて弁体15は次のように挙動することになる。
【0035】
すなわち、図11(b)に逆方向Kに対する差圧が比較的小さい場合の例を示すように、弁体15は吸気通路部814の側に僅かに撓み、その外周側領域が第1段目の弁座13に着座して密着することになる。この場合、第1段目の弁座13が形成されている円周軌跡の直径D1の円形領域に相当する大領域の弁体15に差圧が作用して、前記の第1段目の弁座13に対する密着が保持されることになる。つまり、差圧の圧力自体は比較的小さくても、弁体15に対しその差圧が作用する面積は前記の直径D1の大きい円形領域となるため、その大きい円形領域に対応する面積に差圧を乗じた大きい圧力で弁体15を第1段目の弁座13に対し押し付けて密着させることができるようになる。これにより、差圧が比較的小さい場合であっても、下流側通路76と吸気通路部814とを確実に遮断して逆流を阻止することができるようになる。
【0036】
しかも、第1段目の弁座13に着座する部位は弁体15の外周側領域の平面部分であり、弁体15の外周縁のエッジ部分ではないため、エッジ部分が例えば斜面に着座して密着するような場合と比べ、弁体15のへたり等の発生の度合も少なくすることができる。その上に、第1段目の弁座13は平面122(図10(b)参照)と斜面123との交差角部であって所定アール形状の湾曲面により構成されているため、かかる湾曲面に対し弁体15の外周側領域の平面部分が面接触状態で密着することになる。このため、尖った弁座に弁体が食い込む場合と比べ、弁体15は塑性変形し難い、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることができ、弁体15のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0037】
一方、逆方向Kに対する差圧が比較的大きい場合には、その例を図12(a)に示すように、弁体15はその中央部が吸気通路部814の側に大きく撓み、弁体15の内周側領域が第2段目の弁座14に着座して密着することになる。この場合、第2段目の弁座14が形成されている円周軌跡の直径D2の円形領域に相当する小領域の弁体15に差圧が作用して、前記の第2段目の弁座14に対する密着が保持されることになる。これにより、吸気通路814が閉止されるため、下流側通路76と吸気通路部814とを確実に遮断して逆流を阻止することができるようになる。そして、この場合、差圧の圧力が比較的大きいものであっても、第2段目の弁座14に対する押し付け力は前記の直径D2の小さい円形領域に対応する面積に差圧を乗じた圧力となるため、弁体15自体にへたり等の悪影響を及ぼすような力を作用させることを回避することができる。
【0038】
しかも、差圧が比較的小さい場合と同様に、第2段目の弁座14に着座する部位は弁体15の内周側領域の平面部分であり、弁体15のへたり等の発生の度合も少なくすることができる。その上に、第2段目の弁座14は平面124(図10(b)参照)と内周面125との交差角部であって所定アール形状の湾曲面により構成されているため、かかる湾曲面に対し弁体15の内周側領域の平面部分が面接触状態で密着することになる。このため、尖った弁座に弁体が食い込む場合と比べ、弁体15は塑性変形し難い、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることができ、弁体15のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して耐久性の向上を図ることができるようになる。さらに、第12(b)に示すように、差圧が、P1からP2、P2からP3というように、より大きく変化したとしても、その差圧の増大に伴い弁体15は次第に第2段目の弁座14に続く平面124の側に撓んで密着していくことになり、面接触領域がより拡がることになる。このため、逆方向Kへの差圧が増大したとしても、弁体15の塑性変形に起因するへたり発生の危険性を回避することができるようになる。なお、第2段目の弁座14を前記の如く平面124と内周面125との交差角部により構成するのではなくて、斜面123(図10(b)参照)を延長して、この斜面と内周面125との交差角度により構成することで、前記の面接触領域の拡大をより容易にすることができる。
【0039】
そして、以上の吸気装置6の場合、気泡発生装置5の側から吸気負圧が作用すると、前記の如く弁体15が撓んで吸気通路部814が連通され、各小孔721から吸気されて取り入れられた空気が導入空間74、周溝811及び吸気入口810を通して吸気抵抗部10の一端101に流入する。そして、下流側からの吸気負圧の作用に対し、上流側からの空気が吸気抵抗部10のジグザク状の屈曲通路104を下流側である他端102に向けて屈曲を繰り返しながら通過することで前記吸気負圧に対抗する抵抗(吸気抵抗)が付与され、つまり吸気流量が絞られることになる。この吸気流量が絞られた後の空気が他端102から吸気通路部814に流出し、開状態の逆止弁83、接続部73及び接続管51を通して気泡発生装置5に供給されることになる。
【0040】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、気泡発生装置5が循環アダプタ4内に配設された例を示したが、これに限らず、気泡発生装置が循環アダプタとは別に単独で浴槽1の壁面に設置されていてもよい。又、その場合の気泡発生装置や循環アダプタ4は浴槽の側壁のみならず、底壁に設置して気泡を含む噴出流が浴槽水に対し上向きに放出されるようにしてもよい。
【0041】
上記実施形態では、弁蓋16を弁室12内に配設しているが、弁蓋16は必ずしも必須ではなく、これを省略することもできる。この場合には弁蓋16を省略した分だけ、弁室12を小さくすればよい。
【符号の説明】
【0042】
11 逆止弁
12 弁室
13 第1段目の弁座
14 第2段目の弁座
15 弁体
16 弁蓋
122 一側面(弁室に臨む面)
123 斜面(接続面)
124 平面(接続面)
815 吸気通路部の開口(一方の開口)
761 下流側通路の開口(他方の開口)
J 矢印(順方向を示す)
K 矢印(逆方向を示す)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば気泡発生装置から浴槽水中に微細気泡(マイクロバブル)を含んだ噴出流を放出させるために気泡生成用の空気を外部から吸い込んで供給する吸気通路部において浴槽水の逆流を遮断するために設ける等の用途に用いられる逆止弁に関し、特に逆止弁を挟んだ一側(例えば大気圧)と他側(例えば逆流圧)との差圧が小さくても大きくても確実に逆止めし得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、比較的柔軟な湾曲したディスク部と、このディスク部から中心軸方向に延びるステム部とからなる弁体を用いた逆止弁が知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、ディスク部と同様に湾曲したお椀状の弁座を挟んで一側の孔に対し前記ステム部を挿入した状態でディスク部を弁座に相対向するように配置することで、ディスク部の弁座に対する位置ずれを防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2735951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出願人は、浴槽内から浴槽水を取り出した後に再び浴槽内に戻す際の吐出流に基づく吸気負圧を利用して空気を循環水中に取り込み、これにより、気泡が混合された状態にして浴槽内に吐出させるという気泡発生装置において、気泡生成用の空気を外部から吸い込んで供給するための吸気装置を付設し、この吸気装置から気泡発生装置までの接続管に浴槽水の逆流を防止するために逆止弁を設けるようにしている。例えば図13に示すように、外部から取り込まれた空気をフィルタ部201に通過させ、フィルタ部201を通過した後の空気をオリフィス202に通した上で、接続管203を通して浴槽1側に供給する際に、その接続管203に逆止弁204を介装するようにしている。
【0005】
しかしながら、通常の逆止弁は、逆止弁を挟んで一側と他側との差圧がある所定の圧力になった際に、弁体が弁座に接触して逆流を遮断するという逆止機能を発揮するようになっているため、差圧が所定の圧力まで到達しないような小さい圧力のときには所定の逆止機能を発揮せず、完全には逆流を遮断し得ない場合も生じ得る。
【0006】
前記の吸気装置と気泡発生装置との間では、通常は気泡発生装置の側からの吸気負圧が吸気装置に作用して、吸気装置から気泡発生装置の側に空気が順方向に取り込まれるものの、ときとして浴槽の側から浴槽水の逆流圧が気泡発生装置から吸気装置の側に逆方向に作用する場合がある。このような逆流圧は、その発生原因によって大小様々であることが考えられ、逆流圧が小さい場合には前記の如く逆止弁では完全に遮断し得なくなることが考えられる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、逆流方向の差圧の大小の如何に拘わらず確実に逆止することができ、しかも、弁体のへたり発生を抑制して耐久性の向上を図り得る逆止弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、弁室を挟んで一方の開口から他方の開口への順方向への流通を許容する一方、前記弁室を挟んで他方の開口から一方の開口への逆方向への流通を遮断するための逆止弁を対象にしてつぎの特定事項を備えることとした。すなわち、前記弁室内に対し前記一方の開口と他方の開口との間を横切るように配設された撓み性を有するディスク状の弁体と、前記一方の開口の側において前記弁室に臨む面に対しそれぞれ前記弁体と相対向しかつ前記逆方向に向けて段差を有する各位置に形成された複数段の弁座とを備え、前記逆方向への差圧が大きくなるにつれて前記弁体が撓んで前記複数段の弁座に対し前記逆方向の手前側から順に着座することになる構成とした(請求項1)。
【0009】
本発明の場合、逆方向への差圧が小さければ逆方向手前側の弁座に着座し、差圧が大きくなれば前記逆方向に向けて次の弁座に順に着座することになる。このため、差圧が比較的小さい場合であっても、手前側の弁座に着座させて確実に逆止し得る一方、差圧が大きくなっても次の弁座に順に着座するため確実に逆止し得ることになる。その上に、差圧が小さくても大きくても同じ弁座に着座するのではなくて、差圧が大きくなって弁体がより大きく撓むにつれて、逆方向に複数段に設置された次の弁座に順に着座することになるため、弁体のへたり発生を回避して耐久性の向上を図り得るようになる。
【0010】
本発明の逆止弁において、前記複数段の弁座として、前記弁体の外周側領域に相対向する第1段目の弁座と、前記第1段目の弁座よりも前記逆方向に向けて段差を有する位置で前記弁体の内周側領域に相対向する第2段目の弁座とを備えるようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、差圧が小さいときには、第1段目の弁座に対し弁体の外周側領域が着座するため、差圧が小さくても弁体のより広い面積部分に作用する差圧分によって第1段目の弁座への押し付け力が得られることになって、確実に逆止機能を発揮し得ることになる。一方、差圧が大きくなれば弁体のより狭い面積の内周側領域が第2段目の弁座に着座するため、大きい差圧が作用したとしても弁座への着座を維持するために弁体に作用する押し付け力を相対的に低く抑えることが可能となり、これにより、弁体の塑性変形に起因するへたり発生を抑制して耐久性の向上を図り得ることになる。
【0011】
本発明の逆止弁において、前記第1段目の弁座と第2段目の弁座との間を、斜面を含む接続面により接続し、各弁座として面と面とが交差した角部により構成するとともに、その角部を湾曲面により形成することができる(請求項3)。このようにすることにより、各弁座を構成する交差角部が湾曲面により形成されているため、尖った弁座に弁体が食い込むことで着座する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くすることが可能となる、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることが可能となる。これにより、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、弁体の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0012】
又、本発明の逆止弁において、前記弁体と各弁座とが面接触により当接するように構成することができる(請求項4)。このようにすることにより、弁体が各弁座に着座する際は各弁座に対し面接触状態で密着することになるため、線接触状態で密着する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くすることが可能となる、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることが可能となる。これにより、請求項3の場合と同様に、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、弁体の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の逆止弁において、弁体を挟んで弁座とは反対側の位置の弁室に配設されて弁体の順方向への自由な変位を規制する弁蓋を備えるようにすることができる(請求項5)。このようにすることにより、弁体の順方向又は逆方向への撓みによって逆止弁本来の機能を果たさせる上で、その弁体を核に所定の位置に保持させ得るようになる。このため、弁体に確実に所要の撓み挙動をさせることが可能となり、本発明の作用が確実に得られることになる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の逆止弁によれば、差圧が比較的小さい場合であっても、手前側の弁座に着座させて確実に逆止させることができる一方、差圧が大きくなっても次の弁座に順に着座するため確実に逆止させることができるようになる。その上に、差圧が小さくても大きくても同じ弁座に着座するのではなくて、差圧が大きくなって弁体がより大きく撓むにつれて、逆方向に複数段に設置された次の弁座に順に着座することになるため、弁体のへたり発生を回避して耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0015】
特に、請求項2によれば、差圧が小さいときには、第1段目の弁座に対し弁体の外周側領域が着座するため、差圧が小さくても弁体のより広い面積部分に作用する差圧分によって第1段目の弁座への大きな押し付け力を得ることができ、これにより、確実に逆止機能を発揮させることができるようになる。一方、差圧が大きくなれば弁体のより狭い面積の内周側領域が第2段目の弁座に着座するため、大きい差圧が作用したとしても弁座への着座を維持するために弁体に作用する押し付け力を相対的に低く抑えることができ、これにより、弁体の塑性変形に起因するへたり発生を抑制して耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0016】
請求項3によれば、各弁座を構成する交差角部を湾曲面により形成することで、尖った弁座に弁体が食い込むことで着座する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くしたり、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えたりすることができるようになる。これにより、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、より一層の弁体の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0017】
又、請求項4によれば、弁体と各弁座とを面接触により当接するように構成することで、線接触状態で密着する場合と比べ、弁体を塑性変形し難くしたり、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えたりすることができるようになる。これにより、請求項3の場合と同様に、弁体のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して、より一層の弁体の耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0018】
さらに、請求項5によれば、弁体の順方向への自由な変位を規制する弁蓋を備えるようにすることで、弁体の順方向又は逆方向への撓みによって逆止弁本来の機能を果たさせる上で、その弁体を確実に所定の位置に保持させることができるようになる。これにより、弁体に確実に所要の撓み挙動をさせることができ、本発明の効果を確実に得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】逆止弁が内蔵された吸気装置を付設した気泡発生装置により浴槽に対し気泡を噴出可能にした風呂システムの例を示す説明図である。
【図2】図1の循環アダプタを用いた追い焚き運転の作動原理を示す説明図である。
【図3】図1の循環アダプタを用いた気泡発生運転の作動原理を示す図2対応図である。
【図4】図1の吸気装置を拡大断面図により示した図1対応図である。
【図5】図4の吸気装置を前面側から見た斜視図である。
【図6】図5の吸気装置を分解した状態で示す分解斜視図である。
【図7】図7(a)は図4のA−A線における断面説明図であり、図7(b)は図4のB−B線における断面説明図である。
【図8】図6の吸気抵抗部及び本体筒部について分解した状態で示す分解斜視図である。
【図9】図9(a)は図4のC−C線における部分拡大断面説明図であり、図9(b)は図4の部分拡大図である。
【図10】図10(a)は図4の逆止弁について向きを変えた状態で示す拡大図であり、図10(b)その分解状態の説明図である。
【図11】図11(a)は順方向の差圧として吸気負圧が作用したときの空気が流れる状態を示す図10(a)対応図であり、図11(b)は比較的小さい逆方向の差圧が作用したときの逆止状態を示す図10(a)対応図である。
【図12】図12(a)は比較的大きい逆方向の差圧が作用したときの状態を示す図10(a)対応図であり、図12(b)は図12(a)の部分拡大断面説明図である。
【図13】本発明の課題を示すために例示した図4対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に示す風呂システムは、浴槽1と、風呂用の追い焚き循環機能を備えた給湯器2と、戻り路31及び往き路32からなり浴槽1及び給湯器2を互いに接続する追い焚き循環配管3と、実施形態に係る気泡発生装置を内蔵・付設した循環アダプタ4とを備えて構成されたものである。給湯器2は、例えば、追い焚き用熱交換器21と、これを加熱する燃焼バーナ22とを備えているものである。
【0022】
浴槽1には、その一側壁面の底部近傍に循環アダプタ4が貫通した状態で設置され、この循環アダプタ4に対し、追い焚き循環配管3の戻り路31の上流端と、往き路32の下流端とが接続されている。そして、給湯器2内の循環ポンプ23が作動されると、浴槽1内の浴槽水(湯又は水)が循環アダプタ4及び戻り路31を通して給湯器2の熱交換器21に戻され、次いで、往き路32及び循環アダプタ4を通して浴槽1内に吐出される、という循環流が生じて循環作動されることになる。この循環作動の際に、燃焼バーナ22が燃焼作動されると、浴槽1から戻された浴槽水が所定温度まで加熱されて追い焚きされることになり、燃焼バーナ22が非燃焼状態のままであると、浴槽水による循環流のみが生じることになる。
【0023】
そして、循環アダプタ4には後述の気泡発生装置5が内蔵され、この気泡発生装置5に対し気泡生成用の空気を外部から取り込んで吸気するための吸気装置6が付設されている。図1の例では、吸気装置6が浴室を区画する壁の外面に設置されている場合を示したが、これに限らず、浴室を区画する壁の内面又は浴槽1のエプロン部分に設置してもよい。
【0024】
前記の吸気装置6は実施形態に係る逆止弁が内蔵されたものであるが、逆止弁についての詳細な説明に入る前に、まず、前記逆止弁に対し順方向に作用することになる吸気負圧の発生機構について、図2又は図3に示す気泡発生装置5を内蔵した循環アダプタ4の概略構造例に基づいて説明する。循環アダプタ4は、前述の循環ポンプ23の作動により浴槽1内から浴槽水を吸い込んで戻り路31に流すための吸い込み流路44と、往き路32からの循環水(浴槽水)を浴槽1内にそのまま流す追い焚き吐出流路45と、同様に往き路32からの循環水に対し気泡を巻き込んだ状態で浴槽1内に吐出する吐出流路である気泡吐出流路46と、上記往き路32からの循環水を追い焚き吐出流路45の側に流す(追い焚き運転モード)か、気泡吐出流路46の側に流す(気泡発生運転モード)かのいずれかに切換える切換弁機構43とを備えている。
【0025】
吸い込み流路44は、図2又は図3に矢印Rで示すように、フィルタ部材410を介して前面カバー体41の外周領域から吸い込まれた浴槽水を合流させた後に戻り路31まで導くように延びている。追い焚き吐出流路45は、図2に矢印Gで示すように、往き路31からの循環水を分流室451に導いた後に開閉切換口452を通して前面カバー体41の下側に導き、追い焚き吐出口453から浴槽1内に吐出するように延びている。
【0026】
気泡吐出流路46は、図3に矢印Bで示すように、往き路31からの循環水を上記分流室451を介して分流路461に導いた後、噴出孔462から旋回室463に噴出させて旋回室463に旋回流を生じさせて空気を巻き込み、巻き込んだ気泡と共に循環水を気泡吐出口464を経て浴槽1内の前方に向けて吐出させるように延びている。上記旋回室463はその内周面が円筒状に形成され、上記噴出孔462はその旋回室463に対し接線方向に分流室からの循環水を噴出させるように開口されている。この噴出孔462からの循環水の噴出により旋回室463内に気泡吐出口464の側に向かう旋回流が生じて遠心力が作用することにより中心部が大気圧よりも低い負圧となり、この中心部の負圧が吸気装置6(図1参照)に対し吸気負圧として作用することにより空気が取り込まれ、接続ホース51を通して供給された空気が先端ノズル部52から旋回流に巻き込まれる結果、微小な気泡が混合した状態の循環水が浴槽1内に吐出されることになる。
【0027】
次に、図4を参照しつつ実施形態に係る逆止弁11を内蔵した吸気装置6について詳細に説明する。吸気装置6は、外装ハウジング7と、外装ハウジング7内に収容された内部構造体8とを備えている。外装ハウジング7は、図5及び図6にも示すように本体ハウジング71と、本体ハウジング71の前面開口を例えば螺嵌により着脱可能に閉止する前面蓋72とからなる。本体ハウジング71の後端部から下方に突出する接続部73が一体に形成され、後端部から前端部(図4の右端部)にかけて段階的に拡径されている。そして、外装ハウジング7の内部には、前面蓋72と本体ハウジング71の前端部内面との間に空気を取り入れる導入空間74と、この導入空間74から後方に延びて内部構造体8が収容される収容孔75と、逆止弁11を挟んで下流側の接続部73に向けて延びる下流側通路部76とが区画形成されることになる。前面蓋72の外周側の領域には空気取り入れ用の多数の小孔721,721,…(図7(a)も参照)が貫通形成され、各小孔721を通して導入空間74(図7(b)も参照)は外部と連通されている。
【0028】
内部構造体8は、本体筒部81と、本体筒部81の前端において外周囲に拡がる板状体部82と、本体筒部81の後端に配設される逆止弁11とを備えて構成されている。逆止弁11を後端に配設した状態で本体筒部81が前記の収容孔75に対し前側から後方に向けて内嵌され、本体筒部81が内嵌されることにより板状体部82が前記の導入空間74内に位置付けられた状態で、内部構造体8は本体ハウジング71に対し連結されるようになっている。
【0029】
本体筒部81の外周面には図8にも示すようにドーナッツ環状の周溝811と、シール用のOリング812を外嵌するための周溝813とが形成されており、本体筒部81の前側領域にはフィルタ部9が外嵌され、このフィルタ部9により前記の周溝811の外周面側が覆われるようになっている。周溝811の底には後述の屈曲通路10の一端101に連通する吸気入口810(図9(a)参照)が開口している。フィルタ部9は後述の屈曲通路104の開口断面よりも十分に小さいフィルタ開口(メッシュの目のサイズ)となるようにメッシュ素材により筒状に形成されたものである。又、板状体部82は、本体筒部81の前面側に一体的に形成された第1の板状体821と、この第1の板状体821と同様形状を有する別体の第2の板状体822とが間にパッキン823を挟み込んだ状態で相対向面同士がビス84,84,…により接合されて一体化されたものである。
【0030】
第1の板状体821の接合面には図8に示すように上流端となる一端101から下流端となる他端102までジグザク状に屈曲しつつ延びる凹溝103が形成されており、この凹溝103に対しパッキン823及び第2の板状体822が接合されることで閉鎖され、これにより、吸気抵抗部10を構成する屈曲通路104が形成されている(図7(b)、図9(b)参照)。この屈曲通路10の一端101は周溝811に開口する吸気入口810(図9(a)参照)に連通され、他端102は本体筒部81の中心軸に沿って後側に延びる吸気通路部814(図9(a),(b)参照)に連通されている。
【0031】
逆止弁11は、図10(a),(b)に示すように、本体筒部81の後端部に区画形成された弁室12と、この弁室12の一側面に形成された複数(図例では2つ)の弁座13,14と、例えばゴム板により形成された撓み性を有する弁体15と、弁蓋16とを備えて構成されている。弁室12は、内部構造体81が収容孔75に収容された状態で、一側開口である吸気通路部814の側の開口815と、他側開口である下流側通路部76の開口761との間に区画形成されるものである。なお、同図において、矢印Jの向きが順方向、矢印Kの向きが逆方向である。
【0032】
前記の弁体15は弁室12の中心軸Xを中心とする内径と同等か僅かに小径の円形のディスク状に形成され、中心軸Xを横切るように弁室12内に配設されている。そして、前記の弁座13,14は弁室12の開口815の側の側面121に形成され、この側面121に対し第1段目の弁座13は弁体15の外径よりも小径でかつ弁体15の外周側領域に対応する位置に延びる円周軌跡に沿って形成され、第2段目の弁座14は第1段目の弁座13よりも逆方向に所定の段差分だけ凹んだ位置(変位した位置)において第1段目の弁座13よりもさらに小径でかつ弁体15の内周側領域に対応する位置に延びる円周軌跡に沿って形成されている。第1段目の弁座13は、この弁座13を挟んで外周側の平面122(図10(b)参照)と内周側の斜面123とが交差して接続することになる角部によって構成され、又、第2段目の弁座14は、この弁座14を挟んで外周側の平面124と内周側の吸気通路部814の内周面125とが交差して接続することになる角部(開口815の縁)によって構成されている。いずれの角部も、所定のアール形状(例えば0.5mmアール)を有する湾曲面により形成されている。前記の斜面123と平面124とによって第1段目の弁座13と第2段目の弁座14とを接続する接続面が構成されている。
【0033】
弁蓋16は、中心軸Xに沿って中央部から突出した凸部161と、この凸部161の回りに複数(図例では4つ)の貫通孔162,162と、外周面から突出する係合縁163とが形成されたものである。前記の凸部161は、弁体15の中央部が順方向に位置ずれした場合に当接して弁体15が大きく位置ずれしないように規制するようになっている。そして、弁室12に対し弁体15を配設した後に弁蓋16を挿入し、前記の係合縁163を係合凹溝816(図10(b)参照)に嵌め込むことにより、弁室12に対する弁蓋16の固定が行われるようになっている。
【0034】
以上の構成の逆止弁11の場合、気泡発生装置5からの吸気負圧が接続管51(図1参照)、接続部73(図4)及び下流側通路76を通して弁体15に作用すると、図11(a)に示すように、弁体15の外周側部分が吸引されて撓むことで弁座13から離れて吸気通路部814と下流側通路76とが連通することになる。これにより、逆止弁11を通して空気が順方向Jに流れ、吸気装置6から気泡発生装置5に対し気泡生成用の空気が供給されることになる。一方、気泡発生装置5から湯水の逆流圧が発生し、外気圧との差圧が前記の接続管51、接続部73及び下流側通路76を通して弁体15に対し逆方向Kに作用すると、その差圧の大小に応じて弁体15は次のように挙動することになる。
【0035】
すなわち、図11(b)に逆方向Kに対する差圧が比較的小さい場合の例を示すように、弁体15は吸気通路部814の側に僅かに撓み、その外周側領域が第1段目の弁座13に着座して密着することになる。この場合、第1段目の弁座13が形成されている円周軌跡の直径D1の円形領域に相当する大領域の弁体15に差圧が作用して、前記の第1段目の弁座13に対する密着が保持されることになる。つまり、差圧の圧力自体は比較的小さくても、弁体15に対しその差圧が作用する面積は前記の直径D1の大きい円形領域となるため、その大きい円形領域に対応する面積に差圧を乗じた大きい圧力で弁体15を第1段目の弁座13に対し押し付けて密着させることができるようになる。これにより、差圧が比較的小さい場合であっても、下流側通路76と吸気通路部814とを確実に遮断して逆流を阻止することができるようになる。
【0036】
しかも、第1段目の弁座13に着座する部位は弁体15の外周側領域の平面部分であり、弁体15の外周縁のエッジ部分ではないため、エッジ部分が例えば斜面に着座して密着するような場合と比べ、弁体15のへたり等の発生の度合も少なくすることができる。その上に、第1段目の弁座13は平面122(図10(b)参照)と斜面123との交差角部であって所定アール形状の湾曲面により構成されているため、かかる湾曲面に対し弁体15の外周側領域の平面部分が面接触状態で密着することになる。このため、尖った弁座に弁体が食い込む場合と比べ、弁体15は塑性変形し難い、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることができ、弁体15のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0037】
一方、逆方向Kに対する差圧が比較的大きい場合には、その例を図12(a)に示すように、弁体15はその中央部が吸気通路部814の側に大きく撓み、弁体15の内周側領域が第2段目の弁座14に着座して密着することになる。この場合、第2段目の弁座14が形成されている円周軌跡の直径D2の円形領域に相当する小領域の弁体15に差圧が作用して、前記の第2段目の弁座14に対する密着が保持されることになる。これにより、吸気通路814が閉止されるため、下流側通路76と吸気通路部814とを確実に遮断して逆流を阻止することができるようになる。そして、この場合、差圧の圧力が比較的大きいものであっても、第2段目の弁座14に対する押し付け力は前記の直径D2の小さい円形領域に対応する面積に差圧を乗じた圧力となるため、弁体15自体にへたり等の悪影響を及ぼすような力を作用させることを回避することができる。
【0038】
しかも、差圧が比較的小さい場合と同様に、第2段目の弁座14に着座する部位は弁体15の内周側領域の平面部分であり、弁体15のへたり等の発生の度合も少なくすることができる。その上に、第2段目の弁座14は平面124(図10(b)参照)と内周面125との交差角部であって所定アール形状の湾曲面により構成されているため、かかる湾曲面に対し弁体15の内周側領域の平面部分が面接触状態で密着することになる。このため、尖った弁座に弁体が食い込む場合と比べ、弁体15は塑性変形し難い、又は、たとえ塑性変形したとしてもその程度は極めて小さいものに抑えることができ、弁体15のへたり等の塑性変形発生に伴う耐久性の悪化を回避して耐久性の向上を図ることができるようになる。さらに、第12(b)に示すように、差圧が、P1からP2、P2からP3というように、より大きく変化したとしても、その差圧の増大に伴い弁体15は次第に第2段目の弁座14に続く平面124の側に撓んで密着していくことになり、面接触領域がより拡がることになる。このため、逆方向Kへの差圧が増大したとしても、弁体15の塑性変形に起因するへたり発生の危険性を回避することができるようになる。なお、第2段目の弁座14を前記の如く平面124と内周面125との交差角部により構成するのではなくて、斜面123(図10(b)参照)を延長して、この斜面と内周面125との交差角度により構成することで、前記の面接触領域の拡大をより容易にすることができる。
【0039】
そして、以上の吸気装置6の場合、気泡発生装置5の側から吸気負圧が作用すると、前記の如く弁体15が撓んで吸気通路部814が連通され、各小孔721から吸気されて取り入れられた空気が導入空間74、周溝811及び吸気入口810を通して吸気抵抗部10の一端101に流入する。そして、下流側からの吸気負圧の作用に対し、上流側からの空気が吸気抵抗部10のジグザク状の屈曲通路104を下流側である他端102に向けて屈曲を繰り返しながら通過することで前記吸気負圧に対抗する抵抗(吸気抵抗)が付与され、つまり吸気流量が絞られることになる。この吸気流量が絞られた後の空気が他端102から吸気通路部814に流出し、開状態の逆止弁83、接続部73及び接続管51を通して気泡発生装置5に供給されることになる。
【0040】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、気泡発生装置5が循環アダプタ4内に配設された例を示したが、これに限らず、気泡発生装置が循環アダプタとは別に単独で浴槽1の壁面に設置されていてもよい。又、その場合の気泡発生装置や循環アダプタ4は浴槽の側壁のみならず、底壁に設置して気泡を含む噴出流が浴槽水に対し上向きに放出されるようにしてもよい。
【0041】
上記実施形態では、弁蓋16を弁室12内に配設しているが、弁蓋16は必ずしも必須ではなく、これを省略することもできる。この場合には弁蓋16を省略した分だけ、弁室12を小さくすればよい。
【符号の説明】
【0042】
11 逆止弁
12 弁室
13 第1段目の弁座
14 第2段目の弁座
15 弁体
16 弁蓋
122 一側面(弁室に臨む面)
123 斜面(接続面)
124 平面(接続面)
815 吸気通路部の開口(一方の開口)
761 下流側通路の開口(他方の開口)
J 矢印(順方向を示す)
K 矢印(逆方向を示す)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室を挟んで一方の開口から他方の開口への順方向への流通を許容する一方、前記弁室を挟んで他方の開口から一方の開口への逆方向への流通を遮断するための逆止弁であって、
前記弁室内に対し前記一方の開口と他方の開口との間を横切るように配設された撓み性を有するディスク状の弁体と、
前記一方の開口の側において前記弁室に臨む面に対しそれぞれ前記弁体と相対向しかつ前記逆方向に向けて段差を有する各位置に形成された複数段の弁座と
を備え、
前記逆方向への差圧が大きくなるにつれて前記弁体が撓んで前記複数段の弁座に対し前記逆方向の手前側から順に着座することになるように構成されている、
ことを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
請求項1に記載の逆止弁であって、
前記複数段の弁座は、前記弁体の外周側領域に相対向する第1段目の弁座と、前記第1段目の弁座よりも前記逆方向に向けて段差を有する位置で前記弁体の内周側領域に相対向する第2段目の弁座とを備えている、逆止弁。
【請求項3】
請求項2に記載の逆止弁であって、
前記第1段目の弁座と第2段目の弁座との間は斜面を含む接続面により接続され、各弁座は面と面とが交差した角部により構成されるとともに、その角部は湾曲面により形成されている、逆止弁。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の逆止弁であって、
前記弁体と各弁座とは面接触により当接するように構成されている
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の逆止弁であって、
弁体を挟んで弁座とは反対側の位置の弁室に配設されて弁体の順方向への自由な変位を規制する弁蓋を備えている、逆止弁。
【請求項1】
弁室を挟んで一方の開口から他方の開口への順方向への流通を許容する一方、前記弁室を挟んで他方の開口から一方の開口への逆方向への流通を遮断するための逆止弁であって、
前記弁室内に対し前記一方の開口と他方の開口との間を横切るように配設された撓み性を有するディスク状の弁体と、
前記一方の開口の側において前記弁室に臨む面に対しそれぞれ前記弁体と相対向しかつ前記逆方向に向けて段差を有する各位置に形成された複数段の弁座と
を備え、
前記逆方向への差圧が大きくなるにつれて前記弁体が撓んで前記複数段の弁座に対し前記逆方向の手前側から順に着座することになるように構成されている、
ことを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
請求項1に記載の逆止弁であって、
前記複数段の弁座は、前記弁体の外周側領域に相対向する第1段目の弁座と、前記第1段目の弁座よりも前記逆方向に向けて段差を有する位置で前記弁体の内周側領域に相対向する第2段目の弁座とを備えている、逆止弁。
【請求項3】
請求項2に記載の逆止弁であって、
前記第1段目の弁座と第2段目の弁座との間は斜面を含む接続面により接続され、各弁座は面と面とが交差した角部により構成されるとともに、その角部は湾曲面により形成されている、逆止弁。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の逆止弁であって、
前記弁体と各弁座とは面接触により当接するように構成されている
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の逆止弁であって、
弁体を挟んで弁座とは反対側の位置の弁室に配設されて弁体の順方向への自由な変位を規制する弁蓋を備えている、逆止弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−52560(P2012−52560A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193049(P2010−193049)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]